JP2008262945A - プリント配線基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 絶縁体フィルムの少なくとも片面にチタン、モリブデン、ニッケルを含有する下地金属層を、接着剤を介さずに直接形成し、該下地金属層上に銅被膜層を形成した2層フレキシブル基板に、エッチング法によってパターン形成するプリント配線基板の製造方法において、前記2層フレキシブル基板を、塩化第2鉄溶液または塩酸を含む塩化第2銅溶液によりエッチング処理する工程と、その後、得られた2層フレキシブル基板を塩酸を含む酸性エッチング液で処理する工程と、さらにその後、フェリシアン化カリウムまたは過マンガン酸塩を含むアルカリ性エッチング液で処理する工程を具備することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
ところで、近年の電子機器の高密度化に伴い、配線幅も狭ピッチ化した配線板が求められるようになってきている。3層フレキシブル基板の場合は、基板である絶縁体フィルム上に形成した銅被膜層に所望の配線パターンに従ってエッチングして配線部の形成を行って配線板を製造する場合に、配線部の側面がエッチングされるといういわゆるサイドエッチングが生ずるために配線部の断面形状が裾広がりの台形になり易い。このため、配線幅も狭ピッチ化した配線板が求められるようになってきており、この要求を満たすために、従来の貼り合わせ銅箔の代わりに、2層フレキシブル基板が現在主流になりつつある。
2層フレキシブル基板を作製するには、絶縁体フィルム上に均一な厚さの銅導体層を形成する手段として、通常は、電気銅めっき法が採用される。電気銅めっきを行うために、電気銅めっき被膜を施す絶縁体フィルムの上に薄膜の金属層を形成して表面全面に導電性を付与し、その上に電気銅めっき処理を行うのが一般的である(例えば、特許文献2参照)。また、絶縁体フィルム上に薄膜の金属層を得るためには、真空蒸着法、イオンプレーティング法などの乾式めっき法を使用するのが一般的である。
なお、絶縁体フィルムとしては、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、液晶ポリマー系フィルムから選ばれた樹脂フィルムを用いることができる。
そこで、絶縁体フィルムの少なくとも片面に、チタン、モリブデン、ニッケルを含有する下地金属層を、接着剤を介さずに直接形成し、該下地金属層上に銅被膜層を形成した2層フレキシブル基板に、エッチング法によってパターン形成する際、前記2層フレキシブル基板を、塩化第2鉄溶液または塩酸を含む塩化第2銅溶液によりエッチング処理を行い、その後、得られた2層フレキシブル基板を塩酸を含む酸性エッチング液で処理して、リード周辺の溶け残ったNi−Ti−Mo合金部の不動態化した表面層を除去し、さらにフェリシアン化カリウムまたは過マンガン酸塩を含むアルカリ性エッチング液で処理して、リード周辺のNi−Ti−Mo合金を除去すれば、銅層をサイドエッチングしてしまうことによりリード細りさせることなく、微細配線加工が可能となる。また、前記絶縁体フィルム上に、前記下地金属層を採用し、前記本発明のエッチング法によってパターンを形成することによって、密着性が高く、耐食性を有し、かつ絶縁信頼性の高い銅導体層を形成したプリント配線基板を得ることができる。
また、上記絶縁体フィルムは、フィルム厚さが8〜75μmのものが好適に使用することができる。なお、ガラス繊維、CNT等の無機質材料を適宜添加することもできる。
すなわち、チタンは熱劣化によって耐熱ピール強度が著しく低下することを防止するために必要であるが、5重量%未満では耐熱ピール強度が熱劣化で著しく低下することを防止できなくなるため好ましくなく、他方、22重量%を超えるとエッチングが難しくなるためである。なお、好ましくは5〜15重量%であり、より好ましくは6〜12重量%である。
また、モリブデンは耐食性、絶縁信頼性の向上のために必要であるが、2重量%未満では添加効果が現れず、耐食性、絶縁信頼性の向上が見られないため好ましくなく、他方、40重量%を超えると耐熱ピール強度が極端に低下する傾向にあるため好ましくない。
さらに、通常ニッケル基の合金ターゲットの場合、ニッケルの割合が93%より大きいとスパッタリングターゲット自体が強磁性体となってしまい、マグネトロンスパッタリングで成膜する場合には、成膜スピードが低下してしまうため好ましくないが、本発明のターゲット組成(ニッケルのNi−Ti−Mo合金)では、ニッケル量は93%以下となるため、マグネトロンスパッタリング法を用いて成膜した場合でも良好な成膜レートを得ることができる。また、Ni−Ti−Mo合金に耐熱性や耐食性を向上する目的で遷移金属元素を目的特性に合わせて適宜添加することが可能である。なお、本発明の下地金属層には、Ni−Ti−Mo合金以外に、ターゲット作製時に取り込まれるなどして含まれる1重量%以下の不可避不純物が存在していてもよいことはいうまでもない。
なお、本発明法により製造されるプリント配線基板の場合は、下地金属層上に形成された銅被膜層を、乾式めっき法で形成された銅被膜層と該銅被膜層の上に湿式めっき法で積層形成された銅被膜層として形成することができる。乾式めっき法で形成された銅被膜層と該銅被膜層の上に湿式めっき法で積層形成された銅被膜層を合わせた銅被膜層の膜厚は、10nm〜35μmであることが好ましい。10nmよりも薄い場合は、乾式めっき法で形成される銅被膜層が薄くなるため、その後の湿式めっき工程で給電がし辛くなるため好ましくなく、他方、35μmよりも厚くなると生産性が低下するため好ましくない。
まず、前記したようにポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、液晶ポリマー系フィルムから選ばれる市販の熱硬化フィルムである絶縁体フィルムの少なくとも片面に、接着剤を介さずに直接下地金属層を形成し、該下地金属層上に所望の厚さの銅導体層を形成する。その際、前記フィルムは通常水分を含んでおり、乾式めっき法によりチタン、モリブデン、ニッケルを主として含有する下地金属層を形成する前に、大気乾燥または真空乾燥を行い、フィルム中に存在する水分を取り去っておく必要がある。これが不十分であると、下地金属層との密着性が悪くなってしまうからである。また、乾燥後のフィルム表面を改質することも可能である。改質層の形成方法としては、薬品による化学処理あるいは、プラズマ処理やコロナ放電、紫外線照射処理等の物理処理を採用することができる。
具体的には、フィルムをセットしたスパッタリング装置内を真空排気後、Arガスを導入し、装置内を1.3Pa程度に保持し、さらに装置内の巻取巻出ロールに装着した絶縁体フィルムを毎分3m程度の速さで搬送しながら、カソードに接続したスパッタリング用直流電源より電力を供給しスパッタリング放電を開始し、フィルム上にニッケル−チタン−モリブデン合金を主として含有する金属層を連続成膜する。この成膜によって所望の膜厚のニッケル−チタン−モリブデン合金を主として含有する下地金属層がフィルム上に形成される。
ここで、一次めっきとして無電解銅めっき処理を行うのは、乾式めっきを蒸着で行った場合、粗大なピンホールが形成されることがあり、表面に樹脂フィルムが露出する箇所ができることがあるため、基板全面に無電解銅めっき被膜層を形成させることにより、フィルム露出面を覆って基板面全面を良導体化し、これによってピンホールの影響を受けることがないようにするためである。そして、前記無電解銅めっき被膜層の上に、二次めっきとして電気銅めっき処理を施す。これは所望の厚さの銅導体層を形成するためである。
なお、無電解めっきで使用する無電解めっき液は、含まれる金属イオンが自己触媒性を有し、かつヒドラジン、ホスフィン酸ナトリウム、ホルマリンなどの還元剤によって還元されて金属析出する還元析出型のものであればいずれでもよいが、本発明の主旨からいって、下地金属層に生じているピンホールにより露出した絶縁体フィルムの露出部分の良導体化をはかることが目的でもあることから、導電性が良好で比較的作業性のよい無電解銅めっき液が最適である。また、かかる一次めっきとしての無電解銅めっき処理による銅めっき被膜層の厚さは、基板面におけるピンホールによる欠陥修復が可能で、かつ、後述する二次めっきとして電気銅めっき処理を施す際に電気銅めっき液によって溶解されない程度の厚さであればよく、0.01〜1.0μmの範囲であることが好ましい。
なお、本発明において行われる湿式銅めっき処理は、一次、二次ともに常法による湿式銅めっき法における諸条件を採用すればよい。また、このようにして下地金属層上に形成する乾式・湿式めっき法による銅被膜層の合計厚さは、前記したように生産性を考慮すると35μm以下が好ましい。
より具体的には、(a)高密度配線パターンをフレキシブルシートの少なくとも片面に個別に形成する。(b)前記配線層が形成されたフレキシブルシートに、該配線層とフレキシブルシートとを貫通するヴィアホールを形成する。(c)必要に応じて前記ヴィアホール内に導電性物質を充填して該ホール内を導電化する。前記配線パターンの形成方法としては、フォトエッチング等の従来公知の方法、例えば、少なくとも片面に銅被膜層形成された2層フレキシブル基板を準備して、該銅上にスクリーン印刷あるいはドライフィルムをラミネートして感光性レジスト膜を形成後、露光現像してパターニングする方法を採用することができる。
具体的には、前記2層フレキシブル基板を、塩化第2鉄溶液又は塩酸を含む塩化第2銅溶液によりエッチング処理を行う。その後、得られた2層フレキシブル基板を塩酸を含む酸性エッチング液で処理する。塩酸を含む酸性エッチング液は、1〜12Nの塩酸を含み、さらに酸化剤、界面活性剤、錯化剤、促進剤、銅の腐食抑制剤、および還元剤のうち少なくとも1種以上を含有する溶液であることが好ましい。これら添加剤の配合量は一般に0.01〜20%とするのが好ましい。また、市販されているNi−Cr下地金属層の除去用のものを用いることが可能で、処理方法は、スプレー法、浸漬法のいずれでも可能である。酸性エッチング液の処理温度は、好ましくは20℃〜70℃であるが、温度が低いと不動態層の除去が不十分になりやすくエッチング時間が長くなる。また、温度が高いと塩酸ミストの発生が多くなり、銅の溶解量も増加するため、より好ましくは40℃〜60℃とする。前記塩酸を含む酸性エッチング液の処理時間は30秒から3分が好ましい。さらにその後、フェリシアン化カリウム又は過マンガン酸塩を含むアルカリ性エッチング液で処理する。フェリシアン化カリウム又は過マンガン酸塩を含むアルカリ性エッチング液は、0.1〜5重量%のフェリシアン化カリウム又は過マンガン酸塩と、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを含み、さらに酸化剤、錯化剤、pH緩衝剤及び促進剤のうち少なくとも1種以上を含有する溶液であることが好ましい。
また、アルカリ性エッチング液は市販のデスミア処理液を用いることが可能で、いずれにしても酸化剤の濃度は、好ましくは0.01〜5%であるが、高濃度になると基材のポリイミドフィルムにダメージが発生し、低濃度ではエッチング速度が低くエッチング時間が増加するため0.5〜3%がより好ましい。また、アルカリ類添加によるpH範囲は、好ましくは10〜14であるが、pHが高いとエッチング速度が速いがポリイミドのダメージがでてくる。pHが低いと素材のダメージはないが、エッチング速度が遅くなるため、より好ましいpH範囲は11〜13である。
アルカリ性エッチング液の処理方法は、スプレー法、浸漬法のいずれでも可能である。処理温度は、好ましくは10〜90℃であるが、高温では基材のポリイミドフィルムのダメージが発生し、低温ではエッチング速度が低くエッチング時間が増加するため20〜50℃がより好ましい。アルカリ性エッチング液の処理時間は、好ましくは15秒〜5分である。銅の溶解がないため処理時間は長くても差し支えないが、工程上30秒〜2分がより好ましい。
該ヴィアホール内には、めっき、蒸着、スパッタリング等により銅等の導電性金属を充填、あるいは所定の開孔パターンを持つマスクを使用して導電性ペーストを圧入、乾燥し、ホール内を導電化して層間の電気的接続を行う。前記導電性金属としては、銅、金、ニッケル等が挙げられる。
上記Ni−Ti−Mo膜を成膜したフィルム上に、さらにその上に第2層として、Cuターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用いて、スパッタリング法により銅被膜層を200nmの厚さに形成し、取り出した後、電気めっきで8μmまで銅層を成膜した。こうして形成された導電性金属層である銅層の表面に、ドライフィルムをラミネートして感光性レジスト膜を形成後、露光・現像して、配線ピッチが28μm(ライン幅;14μm、スペース幅;14μm)となるように櫛歯試験片を形成し、このパターンをマスキング材として、銅層を第二鉄溶液40°Be(ボーメ)を用いてエッチングした後、レジストを除去して試験片を作製した(サブトラクティブ法)。
その後、酸性エッチング液CH−1920に50℃、1分間浸漬し、さらにアルカリ性エッチング液MLB−213を用い、過マンガン酸カリウム濃度を約3%、pHを12に調整し、50℃、1分間浸漬し、リード周囲に見られるNi−Ti−Mo合金の帯状の溶け残り部の幅を測定した。その結果を表1に示す。
また、回路エッチングを行った後に、錫めっき処理工程を設け、回路上に錫めっきを行った。錫めっきには、錫めっき液としてシプレー・ファーイースト(株)製のLT−34を用い、溶液温度75℃で約0.6μm相当をめっきし、該サンプルを150℃、1時間熱処理した。その後、絶縁信頼性試験を3サンプルについて行った
本実施例におけるエッチング性の確認は、光学顕微鏡で観察し、図1に示すように絶縁体フィルム3の銅リード1の周囲に見られるNi−Ti−Mo合金2の帯状の溶け残り部の幅を測定した。また、HHBT試験片の絶縁抵抗値の測定を行い、10−6Ω以下の抵抗値の場合はリード間にエッチング残渣があるとみなし、エッチング性は良くないと判定した。また、耐環境試験であるHHBT試験は、上記試験片を用い、JPCA−ET04に準拠し、85℃85%RH環境下で、DC40Vを端子間に印加し、1000時間抵抗を観察する方法を採用し、抵抗が106Ω以下になった時点でショート不良と判断し、1000時間経過後も106Ω以上であれば合格とし絶縁信頼性があると判断した。なお、絶縁信頼性試験は3サンプルについて行った。
表1に示す結果より明らかなごとく、Ni−Ti−Mo合金の溶け残り幅は極めて小さく、また絶縁信頼性試験の結果についてもすべて良好であった。
実施例1と同様に、厚さ38μmのポリイミドフィルム(東レ・ディユポン社製、製品名「カプトン150EN」)を巻取式スパッタリング装置に装着し、その片面に下地金属層の第1層として5重量%Ti−20重量%Mo−Ni合金ターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用い、直流スパッタリング法により、5重量%Ti−20重量%Mo−Ni合金下地金属層を成膜した。別途同条件で成膜した一部を透過電子顕微鏡(TEM:日立製作所(株)製)を用いて膜厚を測定したところ20nmであった。
上記Ni−Ti−Mo膜を成膜したフィルム上に、さらにその上に第2層として、Cuターゲット(住友金属鉱山(株)製)を用いて、スパッタリング法により銅被膜層を200nmの厚さに形成し、取り出した後、電気めっきで8μmまで銅層を成膜した。こうして形成された導電性金属層である銅層の表面に、ドライフィルムをラミネートして感光性レジスト膜を形成後、露光・現像して、配線ピッチが28μm(ライン幅;14μm、スペース幅;14μm)となるように櫛歯試験片を形成し、このパターンをマスキング材として、銅層を第二鉄溶液40°Be(ボーメ)を用いてエッチングした後、レジストを除去して試験片を作製した(サブトラクティブ法)。
上記試験片を光学顕微鏡で観察し、リード周囲に見られるNi−Ti−Mo合金の帯状の溶け残り部の幅を測定した結果と、実施例1と同様にして絶縁信頼性試験を3サンプルについて行った結果を表1に併せて示す。
表1に示す結果より明らかなごとく、Ni−Ti−Mo合金の溶け残り幅は3.5μmと極めて大きく、また絶縁信頼性試験の結果はいずれも抵抗が106Ω以下になりショート不良となった。
実施例1と同様にして得られた2層フレキシブル基板について、実施例1と同様に塩化第二鉄溶液でエッチングして櫛歯試験片を形成した後、さらに酸性エッチング液CH−1920(メック(株)製)に50℃、1分間浸漬しリード周囲に見られるNi−Ti−Mo合金の帯状の溶け残り部の幅を測定した結果と、実施例1と同様にして絶縁信頼性試験を3サンプルについて行った結果を表1に併せて示す。
表1に示す結果より明らかなごとく、Ni−Ti−Mo合金の溶け残り幅は2.6μmと大きく、また絶縁信頼性試験の結果はいずれも抵抗が106Ω以下になりショート不良となった。また、比較例1と同様にして絶縁信頼性試験を3サンプルについて行ったが、いずれも抵抗が106Ω以下になりショート不良となった。
実施例1と同様にして得られた2層フレキシブル基板について、実施例1と同様に塩化第二鉄溶液でエッチングして櫛歯試験片を形成した後、アルカリ性エッチング液MLB−213(ローム・アンド・ハース電子材料(株)製)を用い、過マンガン酸カリウム濃度を約3%、pHを12に調整し、50℃、1分間浸漬しリード周囲に見られるNi−Ti−Mo合金の帯状の溶け残り部の幅を測定した結果と、実施例1と同様にして絶縁信頼性試験を3サンプルについて行った結果を表1に併せて示す。
表1に示す結果より明らかなごとく、Ni−Ti−Mo合金の溶け残り幅は実施例1に比べ1.8μmと大きく、また絶縁信頼性試験の結果は3サンプルのうち2サンプルの抵抗が106Ω以下になりショート不良となった。
実施例1と同様にして得られた2層フレキシブル基板について、実施例1と同様に塩化第二鉄溶液でエッチングして櫛歯試験片を形成した。その後、アルカリ性エッチング液MLB−213を用い、過マンガン酸カリウム濃度を約3%、pHを12に調整し、50℃、1分間浸漬し、さらに酸性エッチング液CH−1920に50℃、1分間浸漬し、リード周囲に見られるNi−Ti−Mo合金の帯状の溶け残り部の幅を測定した結果と、実施例1と同様にして絶縁信頼性試験を3サンプルについて行った結果を表1に併せて示す。
表1に示す結果より明らかなごとく、Ni−Ti−Mo合金の溶け残り幅は実施例1に比べ2.0μmと大きく、また絶縁信頼性試験の結果は3サンプルのうち2サンプルの抵抗が106Ω以下になりショート不良となった。
2 Ni−Ti−Mo合金層
3 絶縁体フィルム
Claims (5)
- 絶縁体フィルムの少なくとも片面にチタン、モリブデン、ニッケルを含有する下地金属層を、接着剤を介さずに直接形成し、該下地金属層上に銅被膜層を形成した2層フレキシブル基板に、エッチング法によってパターン形成するプリント配線基板の製造方法において、前記2層フレキシブル基板を、塩化第2鉄溶液または塩酸を含む塩化第2銅溶液によりエッチング処理する工程と、その後、得られた2層フレキシブル基板を、塩酸を含む酸性エッチング液で処理する工程と、さらにその後、フェリシアン化カリウムまたは過マンガン酸塩を含むアルカリ性エッチング液で処理する工程を具備することを特徴とするプリント配線基板の製造方法。
- 前記下地金属層が、チタンの割合が5〜22重量%、モリブデンの割合が2〜40重量%で、残部がニッケルのNi−Ti−Mo合金を主として含有し、膜厚が3〜50nmであることを特徴とする請求項1記載のプリント配線基板の製造方法。
- 塩酸を含む酸性エッチング液が、1〜12Nの塩酸を含み、さらに酸化剤、界面活性剤、錯化剤、促進剤、銅の腐食抑制剤、および還元剤のうち少なくとも1種以上を含有する溶液であることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線基板の製造方法。
- フェリシアン化カリウムまたは過マンガン酸塩を含むアルカリ性エッチング液が、0.1〜5重量%のフェリシアン化カリウムまたは過マンガン酸塩と、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムを含み、さらに酸化剤、錯化剤、pH緩衝剤および促進剤のうち少なくとも1種以上を含有する溶液であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のプリント配線基板の製造方法。
- 絶縁体フィルムは、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、液晶ポリマー系フィルムから選ばれた樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のプリント配線基板の製造方法。
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