以下、本発明の好適な実施の形態(以下、実施形態)について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
(系統構成作成装置の構成)
図1は、本実施形態の系統構成作成装置の概略全体構成図の例である。図1を参照して、系統構成作成装置1は、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)2、主記憶装置(RAM:Random Access Memory)3、入出力装置4および外部記憶装置5を備えて構成される。
入出力装置4は、キーボードやマウスを備えた入力装置6と、出力装置としての表示装置7および印字装置8とを備える。なお、入出力装置4としては、これらの代わりに、または、これらと併用して、ポインティングデバイス、タッチセンサなどの入力装置や、液晶表示装置、スピーカなどの出力装置を設けることもできる。外部記憶装置5としては、ハードディスク装置、フロッピィディスク装置、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)装置、DAT(Digital Audio Tape)装置、RAM(Random Access Memory)装置、DVD(Digital Versatile Disc)装置、不揮発性メモリなどを用いることができる。
外部記憶装置5は、後記するデータベース9(図2参照)を保持するための大容量記憶装置と、処理プログラムなどを保持する記憶媒体と、該記憶媒体に保持された情報を読み取るための読取装置10とを備えることを想定するが、一つの外部記憶装置にデータベースと処理プログラムとが両方保持されているようにすることもできる。また、記憶媒体としては、フレキシブルディスク、CD−ROM、磁気テープ、光ディスク、光磁気ディスク、DAT、RAM、DVD、不揮発性メモリなどを用いることができる。
図2は、本実施形態の系統構成作成装置1の詳細な機能構成図の例である。系統構成作成装置1は、前記の入出力装置4に相当する入力装置6、表示装置7および印字装置8と、前記の外部記憶装置5に相当するデータベース9および読取装置10と、前記の中央演算処理装置2および主記憶装置3に相当する計算処理部20とを備える。なお、計算処理部20は、予め外部記憶装置5の記憶媒体に保持され、主記憶装置3に読み込まれた処理プログラムを、中央演算処理装置2が実行することにより実現されるが、本発明はこのようなプログラムされた汎用プロセッサによるものに限られるわけではない。例えば、本発明の各処理を実行するワイヤードロジックを含む特定のハードウェア装置との組合せによって計算処理部20を構成することもできる。
入力装置6は表示装置7に表示された選択肢の選択、データの入力などを受付け、計算処理部20に伝送する。表示装置7は、入力装置6から送られたデータを表示する。
計算処理部20は、入力装置6から伝送されるデータと、データベース9から読み込んだデータと、読取装置10から読み込んだ処理プログラムと、電力システム11から伝送されるデータとに基づいて供給力の系統構成を作成する。電力システム11は図示していないデータベースを備えている。電力システム11は、電力系統12の監視、制御を行うものである。
計算処理部20の処理結果は、表示装置7に送られて表示されるとともにデータベース9に格納される。また、電力システム11の運用・計画システム、制御システムが設定した条件での系統構成の作成が要求された場合には、計算処理部20の作成した系統構成および評価結果は電力システム11へも通知される。この通知を受けた電力システム11は、通知された系統構成をもとに電力系統12の開閉器などに制御信号を出して開閉器の入り切りを操作するとともに、電力システム11から電源、負荷、潮流、電圧などの系統状態データを取込み、その取り込んだデータと開閉器の入り切り状態とを内部データベース(図示せず)に格納する。
また、計算処理部20は、コントロール部21、系統作成条件設定部22、データ読込部23、前処理・定式化部24、系統計算部25、探索処理部27および計算結果処理部28を備える。
計算処理部20のコントロール部21は、通信回線31を介して外部の電力システム11に接続されている。この電力システム11は、実際の送電、発電、変電および配電設備などからなる電力系統12に接続されている。電力システム11は電力系統12の需給計画・運用、系統計画・運用および各設備を制御するためのシステム、電力系統12および電力系統12の状態などを示す情報を保持するための図示していないデータベースを備えている。電力系統12の状態はリレーやセンサなどにより検出され、通信回線32を介して電力システム11に通知され、電力システム11のデータベース(図示せず)に格納される。
コントロール部21は、電力システム11、および、各機能部(22〜28)の間のデータや処理プログラムなどの授受を円滑に行うためのデータの加工・処理を行い、その授受をコントロールして、全体の処理を正常に動作させる。
系統作成条件設定部22はコントロール部21を介してデータベース9および/または読取装置10の記憶媒体に保持されている、系統構成を作成するためのデフォルトの条件などを読み込んで表示するとともに、これらの条件を表示装置7に表示して、条件を変更する。また、この変更した新規の条件はコントロール部21を介してデータベース9に格納される。
データ読込部23は、コントロール部21を介してデータベース9に保持されているデータを読込み、これらのデータはコントロール部21を介して各機能部(24〜28)に伝送する。なお、本実施形態では、特に説明しない限り、データベース9からのデータの読込みはデータ読込部23を介して行われる。
前処理・定式化部24は、放射状系統を作成するために設定するブランチ変数の制約条件、目的とする系統を作成するための目的関数や評価関数、系統作成のために、コントロール部21を介して系統作成条件設定部22で作成された条件やデータ読込部23からのデータをもとに系統計算部25で計算するための前処理および定式化を実施する。
系統計算部25はコントロール部21を介して系統作成条件設定部で作成された条件やデータ読込部23からのデータまたは前処理・定式化部24で作成された前処理および定式化により電力系統の系統構成作成の計算処理を実施する。
探索処理部27はコントロール部21を介して系統計算部25で作成した系統構成のなかで作成したブランチ変数の確定が難しいものに対して、ブランチ変数の開閉[0,1]の組合せにより系統構成候補を作成し、作成した系統構成を評価することにより最適な系統構成を作成する。
計算結果処理部28は、各機能部(22〜27)で設定、計算した系統作成条件、データ、作成した系統構成や目的関数の推移などや入力装置6からのデータ入力の支援のための情報などを、表示装置7に表示する。
(系統構成作成装置の動作)
次に、前記の構成を有する系統構成作成装置1の動作を、図3に示した本実施形態に係る系統構成作成装置1の動作手順を示すフローチャートの例を参照して説明する。この系統構成作成装置1の動作は、系統構成作成装置1のコントロール部21が、図2に示した系統構成作成装置1の機能部を適宜、呼び出して実行することで実現される。
系統構成作成装置1で系統構成作成の処理を開始すると、例えば、図4に示す系統作成処理画面G101が表示される。この系統作成処理画面G101は、図3に示したフローチャートに沿って系統構成作成装置1が処理を実行するために、このフローチャートのなかで使用する機能が表示されたものである。また、この系統作成処理画面G101は、予め系統構成作成装置1の外部記憶装置5の記憶された系統作成処理画面G101を表示させる情報を表示装置7に出力することで表示される。なお、以下の説明において、多様な画面表示例を示すが、これらも同様に予め系統構成作成装置1の外部記憶装置5の記憶された各画面を表示させる情報を表示装置7に出力することで表示される。
図4に示した系統作成処理画面G101において、太枠の項目はボタンになっており、それをマウスなどで選択すると、そのボタンにリンクされた処理を実行するための画面に遷移する、または所定の計算を実行する。また、細枠の項目は、直前の処理が終了したことや判定結果を示すメッセージ手段として利用するものである。
ここで、系統作成処理画面G101の「系統特性の読込み」ボタンC101が選択されると、図3に示したフローチャートにおける系統特性の読み込み処理(S101)が実行され、系統構成作成装置1のデータ読込部23が、変圧器、送電線、開閉器、電源の設備特性、負荷の特性、これらの設備をノード、ブランチで表現したときの各機器の潮流、電圧などの系統運用の制約値を、データベース9から読み込む。
次に、系統作成処理画面G101の「系統作成条件の設定」ボタンC102が選択されると、系統作成条件の設定処理(S102)が実行される。この処理では、系統構成作成装置1の系統作成条件設定部22が、系統作成条件をデータベース9から読み込んで、表示装置7に表示するとともに、入力装置6を介して系統作成条件を変更する情報を取得して、系統作成条件を更新する。
ここで設定する系統作成条件は、後記する処理S107で使用するブランチ変数が収束しているかどうかを判定するための閉状態とするための上限閾値および開状態と判定するための下限閾値、繰り返し回数、後記する処理S105および処理S111で使用する潮流計算方法の種別選択、S109の近傍探索を行うか否かを判定するためのフラグ、処理S114の近傍探索で使用する組合せ最適化手法の種別選択などである。
次に、系統作成処理画面G101の「制約条件の設定」ボタンC103が選択されると、ブランチ変数の制約条件を設定する系統構成の制約条件設定処理(S103)が実行される。このとき、例えば、図5に示す制約条件設定画面が表示される。
図5に示す制約条件設定画面G104では、系統構成を作成する対象となっている系統のブランチ数、ノード数、およびこの系統が放射状系統となるために必要な開放ブランチ数を、G141で示す領域に表示している。放射状系統となるために必要な開放ブランチ数は放射状系統を作成するときの参考のためであり、ループを含ませるときには、この開放ブランチ数はこの数値よりも小さい値となる。
また、制約条件設定画面G104のG150で示す領域は、対象系統をノードとブランチで表した系統構成(以下、系統構成G150)である。例えば、系統構成G150におけるG142はノードを示し、これには、各ノードに固有のノード番号がつけられている。この画面ではノードの円の中に表示される番号で表している。
また、G143で示す実線はブランチを示し、各ブランチには各ブランチに固有のブランチ番号がつけられている。ただし、本実施形態の制約条件設定画面G141では、このブランチ番号は表示していない。
さらに、制約条件設定画面G104の右側に表示されているボタン群(G144〜G149)は、ブランチの制約条件を場合分けして設定する場合に選択されるものである。
以下、各ボタン(G144〜G149)を選択した場合に実行される処理について説明する。
制約条件設定画面G104の「ブランチ変数設定」ボタンG144が選択されると、例えば、図6に示すブランチ変数設定画面が表示され、予め開閉状態が決まっている開ブランチと閉ブランチとを設定する処理が実行される。ブランチ変数設定画面G105のG151で示す領域には、総ブランチ数、既に設定した開ブランチ数および閉ブランチ数が表示されている。開・閉ブランチ数は、後記するブランチ変数の設定操作に対応して増減する。
また、G157で示す領域には、対象とするノード、ブランチで表した系統構成(以下、系統構成G157)を示す図面が表示される。この系統構成G157のブランチをマウスなどで選択、解除することにより、開・閉ブランチを設定する。G158で示す凡例に示しているように、設定した閉ブランチは太い実線で、開ブランチは×印で表示される。また、選択したブランチで、開・閉に確定していないものは、ブランチが点滅(ブリンク)しているものとする。これらの凡例は選択されていないブランチを含めて、4つの状態がわかるようにしている一例であり、ブランチの色を変えることで区別してもよい。
次に、「ブランチ選択」ボタンG154が選択されると、系統構成G157の選択したブランチの状態を決定する処理が実行される。この「ブランチ選択」ボタンG154を選択した後、系統構成G157のブランチを選択すると、選択されたブランチはブリンクする。その後、その選択したブランチの状態をG155で示した領域の「閉」、「開」、「解除」の3つのボタンから選択する。「閉」ボタンを選択すると、選択されたブランチが閉となり、系統構成G157のブランチの状態が凡例にしたがって、太い実線に変化する。この場合、この操作以前のこのブランチの開閉状態の制約条件は取り消され、新たに、次の数式(1)の制約条件が追加される。数式(1)では、ブランチ番号iのブランチのブランチ変数uiが1となる制約条件が追加されることになる。この操作に伴って、G151に示す領域の開ブランチ数および閉ブランチ数が変化する。
同様に、「開」ボタンが選択されると、選択されたブランチは×印となり、それまでの開閉状態の制約条件は取り消され、新たに、次の数式(2)の制約条件が追加される。数式(2)ではブランチ番号iのブランチのブランチ変数uiが0となる制約条件が追加されることになる。この操作に伴って、G151に示す領域の開ブランチ数および閉ブランチ数が変化する。
また、G155で示した領域で、「解除」ボタンが選択されると、選択されたブランチの開または閉状態は取り消され、制約条件も取り消される。すなわち、数式(1)または数式(2)の制約条件があった場合、数式(3)の緩和された制約条件(デフォルトの設定)に戻されることになる。この操作に伴って、G151に示す領域の開ブランチ数および閉ブランチ数が変化する。
次に、ブランチ変数設定画面G105において、「既存パターン読出」ボタンG152が選択されると、既に格納してある既存のパターンを、外部記憶装置5から読み出す処理が実行される。既存のパターンには1つ以上のブランチの開または閉の制約条件が設定されたものである。このボタンを選択すると、その右側の「番号選択」タブが有効になり、外部記憶装置5から読み出したパターン番号がプルダウンメニューとして表示される。三角形の記号はプルダウンメニューであることを示している。このプルダウンメニューに表示されるパターン番号から選択した番号に応じて、その右側のコメント表示欄にそのパターン番号のコメントが表示される。このコメントはこのパターンを登録したときに記入されたものである。
ここで、選択したパターン番号を採用するときには、コメント表示欄の右側の「確定」ボタンを選択する。「確定」ボタンにより、新たに加わった開・閉ブランチ数に応じて、G151の開・閉ブランチ数が変化し、各ブランチの状態はパターンに応じて数式(1)、数式(2)または数式(3)の制約条件が追加または削除される。同時に、そのパターンに応じて系統構成G157のブランチも凡例にならって、表示される。
次に、ブランチ変数設定画面G105において、「新規パターン登録」ボタンG153が選択されると、系統構成の領域に表示されている開・閉ブランチの状態を新規パターンとして登録する処理が実行される。このボタンを選択すると、その右側の「番号選択」タブが有効になり、登録したいパターンの番号が選択可能になる。さらに、その右側の「コメント登録」欄に、このパターンのコメントを必要に応じて入力する。このパターンを新規に登録するときには、その右側にある「確定」ボタンを選択することにより、このパターンがパターン番号と対応付けて外部記憶装置5に格納される。
そして、「戻る」ボタンG156が選択されると、図5に示した制約条件設定画面G104に画面が遷移する。この時点でブランチ変数設定画面G105の系統構成157に表示されているブランチの制約条件が外部記憶装置5に格納され、系統構成を作成するときに利用される。
次に、図5に示した制約条件設定画面G104の「開放ループ設定」ボタンG145が選択されると、例えば、図7に示した開放ループ設定画面が表示される。
図7に示した開放ループ設定画面G106は、ループを構成する一連のブランチを指定し、放射状系統とするための必要条件、すなわちループとならないための必要条件として、このループを構成するブランチのなかの少なくとも1つのブランチは開ブランチとする必要条件を設定するものである。
開放ループ設定画面G106のG161で示す領域には、放射状系統に必要な開放ブランチ数、既に登録した開放ループ数が表示される。
また、その下方のG168で示す領域には、対象とするノード、ブランチで表した系統構成(以下、系統構成G168)が表示される。この系統構成のブランチをマウスなどで選択することにより、ループを構成するブランチを設定する。この系統構成G168は、G169の領域に表示された凡例に示すように、登録したループを構成するブランチは太い実線で示されている。複数のループが登録されているときには、いずれかのループの構成に利用されているブランチが太い実線で表示される。×印の開ブランチは、図6に示したブランチ変数設定画面G105で設定された開ブランチを、外部記憶装置5から読み込だして表示しているもので、この開放ループ設定画面G106を用いて設定するわけではない。また、選択したブランチでは点滅(ブリンク)しているものとする。
次に、「ブランチ選択」ボタンG164が選択されると、系統構成G168でループを構成するブランチを決める処理が実行される。このボタンを選択した後、系統構成G168のブランチを選択すると選択されたブランチはブリンクする。ブリンクしているブランチを選択するとブリンクしなくなり、新たに登録しようとしているループ構成ブランチから除かれる。ループを構成するまで、ブランチを選択し、その後、「ループチェック」ボタンを選択すると、新たに選択したブリンクしているブランチが実際にループを構成しているか否かを系統構成作成装置1の前処理・定式化部24がチェックする。このチェックの結果、ループを構成していれば、ループ番号を選択して、このループを登録する。登録すると、これに対応した、次に示す数式(4)の制約条件が追加される。この制約条件は、ループを構成するブランチ数をnとすると、少なくとも1つのブランチは解放となり、ブランチ変数は0となるため、ループを構成するブランチ変数の総和は、そのループを構成するブランチ数nから1引いた値以下となることが必要であることを示している。
系統構成G168に、新たなループを構成するブランチがある場合には、そのブランチは太い実線で表示される。同時に、G161に示す領域の登録開放ループ数が1つ増加する。放射状系統を作成するときには、この登録開放ループ数が放射状系統に必要な開放ブランチ数まで登録開放ループ数を登録すればよい。ただし、必要条件を設定するので、実際に登録するループ数に制限はない。また、登録するループのブランチは、できるだけすべてのブランチが含まれるように設定した方が有効な解の範囲になりやすい。ループチェックの結果、ループを構成しないときには、エラーとなる。引き続いて、ブランチの選択、解除により、ループチェックするか、または、「キャンセル」ボタンG166を選択することにより、選択されたブリンクしているブランチのブリンクを解除する。
次に、「既存ループ選択」ボタンG165が選択されると、既に登録してある開放ループを呼び出して、開放ループであることを解除する処理が実行される。この「既存ループ選択」ボタンG165を選択し、その右側に表示される「番号選択」タブから、目的の既に登録済みの開放ループ番号を選択すると、系統構成G168のその番号の開放ループを構成するブランチがブリンクする。開放ループの構成ブランチを、系統構成G168で確認して、解放ループから解除するときには、その右側の「解除確定」ボタンを選択する。
この「解除確定」ボタンが選択されることで、G161で示す領域の登録開放ループ数は1つ減少する。系統構成G168の太い実線のブランチもその開放ループのみで含まれていたブランチは太い実線ではなくなる。また、解除した開放ループに該当する数式(4)の制約条件も削除される。
なお、「既存ループ選択」ボタンG165を選択することで実行される既存ループの選択処理を途中で中止するときは、「キャンセル」ボタンG166を選択する。
次に、「既存パターン読出」ボタンG162が選択されると、既に格納してある既存の開放ループのパターンを、系統構成作成装置1の外部記憶装置5から読み出す処理が実行される。既存の開放ループのパターンとしては、1つ以上の開放パターンが設定されている。「既存パターン読出」ボタンG162を選択すると、その右側の「番号選択」タブが有効になり、外部記憶装置5から読み出したいパターン番号を選択する。選択した番号に応じて、その右側の「コメント表示」欄にそのパターン番号のコメントが表示される。このコメントはこのパターンを登録したときに記入したものである。選択したパターン番号を採用するときには、その右側の「確定」ボタンを選択する。この「確定」ボタンを選択することにより、新たに加わった開放ループに応じて、G161で示す領域の登録開放ループ数が変化し、系統構成G168の各ブランチは開放ループに応じて、太い実線になる。さらに、開放ループに応じて、数式(4)に相当する制約条件が追加される。
次に、「新規パターン登録」ボタンG163を選択すると、系統構成G168に表示されている登録開放ループを、新規パターンとして登録する処理が実行される。「新規パターン登録」ボタンG163を選択した後、その右側の「番号選択」タブから、登録したい番号を選択する。さらに、その右側の「コメント登録」ボタンを選択して、このパターンのコメントを必要に応じて記入する。そして、このパターンを新規に登録するときには、その右側にある「確定」ボタンを選択することにより、この開放ループのパターンが外部記憶装置5に格納される。
開放ループ設定画面G106を用いた設定が完了すると、「戻る」ボタンG167が選択されることで、図5に示した制約条件設定画面G104に画面は遷移する。この時点で、系統構成G168に表示されているブランチの制約条件が外部記憶装置5に格納され、系統構成を作成するときに利用される。
次に、図5に示した制約条件設定画面G104において、「グループノード設定」ボタンG146が選択されると、例えば、図8に示すグループノード設定画面が表示される。このグループノード設定画面G107では、ブランチで接続可能な一塊のノードのグループが、それ以外のノードと少なくとも1つのブランチで接続されていなければ、孤立してしまうため、これを回避するための必要条件を設定する。
グループノード設定画面G107のG171で示す領域には、その下方のG179で示す領域に表示された系統構成に含まれるノードの総数、1つのノードからなるグループノードの登録数および複数のノードからなるノードグループの登録数が表示される。また、G179で示す系統構成(以下、系統構成G179)は、対象とするノード、ブランチが含まれている。この系統構成のブランチをマウスなどで選択することにより、ノードグループから伸びるブランチを設定する。系統構成G179は、G180で示す領域に表示された凡例に示すように、単一ノードのグループとして登録したノードは、白い文字でノード番号を表示している。また、選択したブランチでは点滅(ブリンク)しているものとする。
以下、グループノード設定画面G107に含まれる各ボタンを選択した際に実行される各処理について説明する。
「単一ノードの自動登録」ボタンG174が選択されると、図7に示した開放ループ設定画面G106の系統構成G168の全ノードをそれぞれ単一ノードのグループとして、一括して登録する処理が実行される。通常は、各ノードとも少なくとも1つの他のノードとブランチで接続している必要がある。この処理により、それぞれのノードに対して、次の数式(5)の制約条件が追加される。例えば、ノード番号1は2つのブランチと接続されており、この2つのブランチ変数の和は1以上であることが必要である。ノード番号5では、4つのブランチと接続されており、この4つのブランチ変数の和でも1以上であることが必要である。つまり、対象のノードと接続しているノード数に関係なく、接続しているブランチ変数の総和は1以上となる。自動登録が完了すると、その右側に「OK」が表示され(図8では表示された状態を示す)、G171で示す領域の単一ノードの登録数は、その上部に表示されているノード総数と一致する。
次に、「ブランチ選択」ボタンG175が選択されると、ブランチで接続できる2つ以上のノードをグループとするために、そのグループとそれ以外のノードを直接接続できるブランチを決定する処理が実行される。「ブランチ選択」ボタンG175を選択した後、系統構成G179を利用してノードグループと接続するブランチを選択することを繰り返す。選択されたブランチはブリンクして、選択されていることがわかる。また、既にブリンクしているブランチを選択すると、そのノードグループと接続するブランチから除外される。ブランチの選択が終わると、次に、「ブランチ選択」ボタンG175の右側の「グループチェック」ボタンを選択することにより、選択されたブランチによるグループノードが構成されるかチェックされる。
このチェックの結果、グループノードが構成されていれば、「OK」が表示されるとともに、系統構成G179のブランチのブリンクは解除される。次に、グループ番号を選択して、このグループを登録する。登録すると、これに対応した数式(5)の制約条件が追加される。この結果、G171で示した領域の複数ノードグループ登録数の表示は1つ増加する。グループと他のノードと接続可能なブランチ数に関係なく、それらのブランチ変数の和は1以上となることが必要である。
一方、グループチェックの結果、接続可能な1つのグループとなっていないときには、「エラー」が表示される。この場合、引き続いて、ブランチの選択、解除した後、グループチェックするか、または「キャンセル」ボタンG177が選択されることで、選択されたブリンクしているブランチのブリンクが解除される。
次に、「既存グルーブ選択」ボタンG176が選択されると、既に登録されているノードグループを呼び出して、ノードグループであることを解除する処理が実行される。この「既存グループ選択」ボタンG176を選択し、その右側の「番号選択」タグから登録済みのノードグループ番号を選択すると、系統構成G179のその番号のノードグループを構成するブランチがブリンクする。ノードグループの構成ブランチを系統構成G179で確認して、ノードグループから解除するときには、「番号選択」タグの右側の「解除確定」ボタンを選択する。これにより、G171で示す領域の複数ノードグループ登録数の表示は1つ減少する。また、解除したノードグループに該当する数式(5)の制約条件も削除される。なお、「既存グルーブ選択」ボタンG176を選択することで実行される既存グループの選択処理を途中で中止するときは、「キャンセル」ボタンG177を選択する。
次に、「既存パターン読出」ボタンG172が選択されると、既に格納してある既存のノードグループのパターンを外部記憶装置5から読み出す処理が実行される。既存のパターンには2つ以上のノードが含まれるパターンが設定されたものである。この「既存パターン読出」ボタンG172を選択すると、その右側の「番号選択」タブが有効になり、外部記憶装置5から読み出したパターン番号を選択可能になる。ここで選択した番号に応じて、その右側の「コメント表示」欄にそのパターン番号のコメントが表示される。このコメントはこのパターンを登録したときに記入したものである。選択したパターン番号を採用するときには、その右側の「確定」ボタンを選択する。「確定」ボタンを選択することにより、新たに加わったノードグループに応じて、G171で示した領域の複数ノードグループ登録数が変化する。さらに、追加されたノードループに応じて、数式(5)に相当する制約条件が追加される。
次に、「新規パターン登録」ボタンG173が選択されると、G171で示す領域の複数ノードグループとして登録されている新規パターンとして登録する処理が実行される。登録されるノードグループの数は、G171で示す領域の登録ノードグループ登録数と一致する。「新規パターン登録」ボタンG173を選択すると、その右側の「番号選択」タブが有効になり、登録したいパターン番号を選択可能になる。さらに、このパターンのコメントを必要に応じて、「コメント登録」欄に記入する。このパターンを新規に登録するときには、その右にある「確定」ボタンを選択することにより、登録されているノードグループの全パターンが外部記憶装置5に格納される。
そして、「戻る」ボタンG178を選択すると、図5に示した制約条件設定画面G104に画面は遷移する。このとき、グループノード設定画面G107の画面操作で設定したノードグループに関するブランチの制約条件が外部記憶装置5に格納され、系統構成を作成するときに利用される。ここでの制約条件の数は、G171で示す領域に表示されている数の単一ノード登録数と複数ノードグループ登録数の和となる。
次に、図5に示した制約条件設定画面G104において、「分枝間ブランチ設定」ボタンG147を選択すると、例えば、図9に示す分岐間ブランチ設定画面が表示される。制約条件設定画面G104は、2つの分枝間に含まれるノードを分断しないための必要条件を設定するために利用される。その2つの分枝間には分枝は含まれていないものとする。この必要条件は、図8に示したグループノード設定画面G107で、ノードグループを設定した際の制約に含まれるものである。すなわち、この2つの分枝間に含まれるすべてのノードグループのそれぞれが接続可能なブランチ数が2つの場合である。すなわち、2つの分枝間に含まれるブランチの変数の総和が含まれるブランチ数nから1引いた数以上となることが必要となる。
分岐間ブランチ設定画面G108のG181で示す領域には、登録済みのグループ数が表示される。その下部のG189で示す領域には対象とするノード、ブランチで表した系統構成(以下、系統構成G189)が表示される。この系統構成G189は、分枝間ブランチ設定の例を説明するために、他の表示画面における系統構成の例と変えている。この系統構成G189のブランチをマウスなどで選択することにより、分枝間ブランチを構成するブランチを設定する。この系統構成G189は、G190で示す領域に表示された凡例に示すように、登録したグループを構成するブランチは太い実線で示されている。この制約条件は、同一のブランチが含まれるように重複してグループを登録する必要性はない。また、選択したブランチはブリンクしているものとする。
次に、分岐間ブランチ設定画面G108に含まれる各ボタンを選択した際に実行される各処理について説明する。
まず、「3ブランチ以上の自動登録」ボタンG184が選択されると、系統構成G189において3つ以上のブランチを含む分枝間ブランチを自動的に登録する処理が実行される。3つ以上のブランチとしている理由は、図8に示したグループノード設定画面G107の「単一ノードの自動登録」ボタンG174を選択することで実行される処理により、2つのブランチを含む分枝間ブランチは自動登録できるためである。この「3ブランチ以上の自動登録」ボタンG184を選択することで、3つ以上のブランチを含む分枝間ブランチに対して、次の数式(6)の制約条件が追加される。例えば、系統構成G189でノード番号7、10、13、14の4つのノード間に含まれるブランチ数はそのノード数と一致し、この4つのブランチ変数の和はブランチ数から1を引いた以上となる必要がある。つまり、分枝間ブランチ数がnのときは、その間のブランチのブランチ変数の総和は、次の数式(6)を満たす必要がある。
自動登録が完了すると、「3ブランチ以上の自動登録」ボタンG184の右側に「OK」が表示され(図9では「OK」が表示された状態を示す)、G181で示す領域の登録済みのグループ数は、3つ以上のブランチを含む分枝間ブランチの数となる。この系統構成G189の例では、3と表示されることになる。この自動登録による処理は3つ以上のブランチを含む分枝間ブランチの必要条件をすべて含んでいるため、通常はこの処理を実行するだけで、分岐間ブランチ設定画面G108により実行される処理で取得するすべての制約条件を設定できることになる。
次に、「ブランチ選択」ボタンG185が選択されると、系統構成G189を使って、分枝間ブランチが3つ以上のものを登録する処理が実行される。「ブランチ選択」ボタンG185を選択した後、系統構成G189を利用してグループとなるブランチを選択することを繰り返す。選択されたブランチはブリンクして、選択されていることがわかる。また、既にブリンクしているブランチを選択すると、そのグループのブランチから除外される。
系統構成G189におけるブランチの選択が終わると、「ブランチ選択」ボタンG185の右側の「グループチェック」ボタンが選択され、選択されたブランチによるグループが3つ以上の分枝間ブランチの構成になっているか否かを、系統構成作成装置1の前処理・定式化部24がチェックする。チェックの結果、グループが3つ以上の分枝間ブランチが構成されていれば、「OK」が表示され、系統構成G189におけるブランチのブリンクは解除される。次に、「OK」が表示された右側の「番号選択」タブから、グループ番号を選択して、このグループを登録する。登録すると、これに対応した前記の数式(6)の制約条件が追加される。この結果、G181で示す領域の登録済みのグループ数の表示は1つ増加する。
一方、「グループチェック」ボタンが選択され、グループチェックの結果、3つ以上の分枝間ブランチの構成されていときには、「エラー」が表示される。この場合、引き続いて、ブランチの選択、解除した後、グループチェックするか、または「キャンセル」ボタンG187を選択することにより、系統構成G189においてブリンクしているブランチのブリンクを解除する。
次に、「既存グループ選択」ボタンG186が選択されると、既に登録してあるグループを呼び出して、そのグループが3つ以上のランチを含む分枝間ブランチであることを解除する処理が実行される。この「既存グループ選択」ボタンG186を選択し、その右側の「番号選択」タグから、既に登録済みのグループ番号を選択すると、系統構成G189のその番号のグループの3つ以上のブランチを含む分枝間ブランチがブリンクする。
グループの構成ブランチを系統構成G189で確認して、グループから解除するときには、「番号選択」タグの右側の「解除確定」ボタンを選択する。これにより、G181に示す領域の登録済みグループ数の表示は1つ減少する。また、解除したグループに該当する数式(6)の制約条件も削除される。
なお、「既存グループ選択」ボタンG186を選択することで実行される既存グループの選択処理を途中で中止するときは、「キャンセル」ボタンG187を選択する。
次に、「既存パターン読出」ボタンG182が選択されると、既に格納してある既存のグループのパターンを外部記憶装置5から読み出す処理が実行される。既存のパターンには3つ以上のブランチを含む分枝間ブランチが含まれる1つ以上のグループからなるパターンが設定されたものである。「既存パターン読出」ボタンG182を選択すると、その右側の「番号選択」タブが有効になり、外部記憶装置5から読み出したパターン番号を選択することができる。
「番号選択」タブにおいて選択した番号に応じて、その右側の「コメント表示」欄にそのパターン番号のコメントが表示される。このコメントはこのパターンを登録したときに記入したものである。そして、選択したパターン番号を採用するときには、「コメント表示」欄の右側の「確定」ボタンを選択する。「確定」ボタンを選択することにより、新たに加わったグループに応じて、G181で示す領域の登録済みグループ数が変化する。更に、追加されたノードループに応じて、数式(6)に相当する制約条件が追加される。
次に、「新規パターン登録」ボタンG183が選択されると、G181で示す領域の登録済みグループとして登録されているものを新規パターンとして登録する処理が実行される。登録されるグループの数は、G181で示す領域の登録済みグループ数と一致する。「新規パターン登録」ボタンG183を選択すると、その右側の「番号選択」タブから登録したいパターンの番号を表示させる。このパターンのコメントを必要に応じて「コメント登録」欄に記入する。このパターンを新規に登録するときには、「コメント登録」欄の右側にある「確定」ボタンを選択することにより、登録されているノードグループの全パターンが外部記憶装置5に格納される。
そして、「戻る」ボタンG188を選択すると、図5に示した制約条件設定画面G104に画面は遷移する。このとき、分岐間ブランチ設定画面G108で設定した分枝間ブランチに関するブランチの制約条件が外部記憶装置5に格納され、系統構成を作成するときに利用される。ここでの制約条件の数は、G181で示した領域に表示されている登録済みグループ数となる。
次に、図5に示した制約条件設定画面G104において、「確定ループ設定」ボタンG148を選択すると、例えば、図10に示す確定ループ設定画面が表示される。確定ループ設定画面G109は、ループを構成する一連のブランチを指定し、ループとなるブランチを確定するために利用される。通常は下位系の配電系統は、放射状系統で運用するのが通常であるが、上位系では一部をループで運用することもある。このため、ループ部分とループの数を確定する。ループで運用する部分は自由に決められるわけではなく、運用によってある程度決まっているため、ここではその運用しているループの中のどれとするかを確定させている。
図10に示した確定ループ設定画面G109において、G191で示す領域には登録閉ループ数が表示される。その下部のG198で示す領域には対象とするノード、ブランチで表した系統構成(以下、系統構成G198)が表示される。この系統構成G198のブランチをマウスなどで選択することにより、ループを構成するブランチを設定する。この系統構成G198は、G199で示す領域の凡例に示すように、×印の開ブランチは、図6に示したブランチ変数設定画面G105において設定された開ブランチを読み込んで表示しているもので、この確定ループ設定画面G109において設定するわけではない。また、選択したブランチでは点滅(ブリンク)しているものとする。なお、初期状態では、放射状系統を作成することを想定しているため、登録ループ数はゼロである。
次に、確定ループ設定画面G109に含まれる各ボタンを選択した際に実行される各処理について説明する。
まず、「ブランチ選択」ボタンG194が選択されると、系統構成G198においてループを構成するブランチを決める処理が実行される。「ブランチ選択」ボタンG194を選択した後、系統構成G198のブランチを選択すると、選択されたブランチはブリンクする。ブリンクしているブランチを選択するとブリンクしなくなり、新たに登録しようとしているループ構成ブランチから除かれる。ループを構成するまで、ブランチを選択する。そして、「ブランチ選択」ボタンG194の右側の「ループチェック」ボタンを選択すると、新たに選択したブリンクしているブランチが実際にループを構成しているか否かを系統構成作成装置1の前処理・定式化部24がチェックする。
チェックの結果、ループを構成していれば、ループ番号を選択して、このループを登録し、「ループチェック」ボタンの右側に「OK」を表示する。ループを登録すると、そのループを構成するそれぞれのブランチに対して、数式(1)の制約条件が追加される。これは、図6に示したブランチ変数設定画面G105を用いた処理において、個々のブランチを閉ブランチにしていたことと同じである。新たなループを登録すると、G191の登録閉ループ数が1つ増加する。
一方、ループチェックの結果、ループを構成しないときには、「エラー」を表示する。引き続いて、ブランチの選択、解除により、ループチェックするか、または「キャンセル」ボタンG196を選択することにより、選択されたブリンクしているブランチのブリンクを解除する。
次に、「既存ループ選択」ボタンG195が選択されると、既に登録してある閉ループを呼び出して、確定閉ループであることを解除する処理が実行される。この「既存ループ選択」ボタンG195を選択し、その右側の「番号選択」タブから、既に登録済みの確定閉ループの番号を選択すると、系統構成G198のその番号の確定閉ループを構成するブランチがブリンクする。確定閉ループの構成ブランチを系統構成G198で確認して、確定閉ループから解除するときには、「番号選択」タブの右側の「解除確定」ボタンを選択する。これにより、G191で示した領域の登録閉ループ数は1つ減少する。また、解除した確定閉ループに含まれる各部ランチに対して、該当する数式(1)の制約条件は削除され、緩和された数式(3)の制約条件が設定される。
ただし、図6に示すブランチ変数設定画面G105を用いて設定したブランチの制約条件は変更されないものとする。つまり、ブランチ変数設定画面G105で閉ブランチとしたものが、解除される確定閉ブランチに含まれていたとしても、数式(3)の制約条件になるのではなく、数式(1)の制約条件のままである。同様に、他の確定閉ループに含まれるブランチも数式(1)の制約条件のままとする。
なお、「既存ループの選択」ボタンG195を選択することで実行される処理を途中で中止するときは、「キャンセル」ボタンG196を選択する。
次に、「既存パターン読出」ボタンG192が選択されると、既に格納してある既存の確定閉ループのパターンを外部記憶装置5から読み出す処理が実行される。既存のパターンには1つ以上の確定閉パターンが設定されたものである。この「既存パターン読出」ボタンG192を選択すると、その右側の「番号選択」タブが有効になり、外部記憶装置5から読み出したパターン番号を選択する。選択した番号に応じて、その右側の「コメント表示」欄にそのパターン番号のコメントが表示される。このコメントはこのパターンを登録したときに記入したものである。選択したパターン番号を採用するときには、「コメント表示」欄の右側の「確定」ボタンを選択する。「確定」ボタンを選択することにより、新たに加わった確定閉ループに応じて、G191で示した領域の登録ループ数が変化する。また、確定閉ループに応じて、前記の数式(4)に相当する制約条件が追加される。なお、既に他の確定閉ループにより、数式(4)の制約条件が登録されている場合は、新たに同一の制約条件を追加することはない。
次に、「新規パターン登録」ボタンG193が選択されると、登録閉ループとなっているものを新規パターンとして登録する処理が実行される。この「新規パターン登録」ボタンG193を選択した後、その右側の「番号選択」タブから登録したい番号を表示させる。さらに、その右側の「コメント登録」欄に、このパターンのコメントを必要に応じて記入する。このパターンを新規に登録するときには、その右にある「確定」ボタンを選択することにより、1つ以上からなる確定閉ループのパターンが外部記憶装置5に格納される。
そして、「戻る」ボタンG197を選択すると、図5に示した制約条件設定画面G104に画面は遷移する。このときの系統構成G198に表示されているブランチの制約条件が外部記憶装置5に格納され、系統構成を作成するときに利用される。さらに、全体のブランチの変数の総和の制約条件の数式(7)が外部記憶装置に格納され、系統構成を作成するときに利用される。数式(7)の左辺はブランチ変数の総和であり、nはノードの総数、そして、mはその時点で、G191で示す領域に表示された登録閉ループ数である。確定閉ループがゼロ、すなわち、放射状系統のときには、mはゼロとなる。
以上の画面遷移を経て、制約条件設定画面G104を用いた、追加するブランチの制約条件の設定は終了する。そして、「確定ループ設定」ボタンG148を選択することにより、図4に示した系統作成処理画面G101に遷移する。
次に、系統作成処理画面G101の「目的関数の設定」ボタンC104が選択されると、例えば、図11に示した目的関数の重み係数の設定画面が表示される。目的関数の重み係数の設定画面G102には、目的関数を決定する際に利用する、送電ロスおよび負荷率の平準化のそれぞれの重み係数が表示されている。重み係数w1、w2を設定することにより、目的関数を設定する。図11に示した目的関数の重み係数の設定画面G102に表示されている例では、w1、w2がそれぞれ1.0,0.0と設定しているので、送電ロスのみを目的関数としていることになる。
送電ロスは送電線の電流や、抵抗などによって計算できる。配電系統では潮流の二次式として表されることが多い。また、負荷率は送電線の潮流制約値(電流制約値)に対する計算した潮流値の割合である。負荷率を平準化する方法として、負荷率の絶対値または二乗として表わす方法がある。次の数式(8)が絶対値を使ったときの目的関数であり、次の数式(9)が二乗として表わしたときの目的関数である。全ブランチで発生する送電ロスの総和または負荷率の総和を目的関数として用いている。
数式(8)または数式(9)の目的関数は、線形関数または二次関数として表現でき、また、設定する制約条件は線形式なので、線形計画法、二次計画法などの数理計画法を適用することにより最適解を求めることができる。C121およびC122で示した領域に重み係数w1、w2を設定した後、「確定」ボタンC123を選択することにより、C121、C122で示した領域に表示されている重み係数を確定させる。そして、「戻る」ボタンC124を選択することにより、図4に示した系統作成処理画面G101に遷移する。
次に、図4に示した系統作成処理画面G101において、「ブランチ変数値の条件設定」ボタンC108を選択すると、例えば、図12に示すペナルティの重み係数を設定する画面が表示される。画面G103では、目的関数に追加するペナルティの重み係数を設定する。画面G103の例では、C131で示す領域の表のように、繰り返し計算の回数に応じて、ブランチ変数に対するペナルティ係数(w3)と潮流方程式における電圧誤差に対するペナルティの重み係数(w4)を設定している。ここではペナルティの値を設定し、「確定」ボタンC132によりペナルティの重み係数w3、w4を確定させる。この結果、図11に示した目的関数の重み係数の設定画面G102で設定した目的関数を、負荷率の二乗和としたときの評価関数を、次の数式(10)に示す。そして、「戻る」ボタンC133を選択することにより、図4に示した系統作成処理画面G101に画面は遷移する。
上記の数式(10)に示した評価関数は、線形関数または二次関数として表現でき、また設定する制約条件は線形式なので、線形計画法、二次計画法などの数理計画法を適用することにより最適解を求めることができる。
次に、図4に示した系統作成処理画面G101において、「定式化実行」ボタンC117を選択すると、図3に示したフローチャートにおける目的関数、制約条件を用いた定式化の処理(S104)が実行される。S104における目的関数、制約条件を用いた定式化では、前記の処理S103(図5に示す制約条件設定画面G104)で設定した制約条件以外の系統を運用するための制約条件を設定する。この制約条件は、次の数式(11)から数式(13)で表わされる。
ここで、数式(11)は、ノードバランス制約であり、各ノードについて、ノードjの供給力Pjから負荷Ljを引いた値が、ブランチを介して出入りする電流Iijの総和に一致するということを示している。出入りする電流は、入ってくる向きを正、出て行く向きを負となるように表わすものとする。
また、数式(12)は、各ブランチの潮流上下限制約であり、数式(13)は各ノードの電圧上下限制約である。数式(12)の潮流上下限制約には、そのブランチのブランチ変数uiの大きさにより上下限値が変化するようになっている。すなわち、ブランチ変数がゼロのときは、そのブランチは開ブランチとなり、その両端のノードは開放されているため、そのブランチに流せる潮流はゼロとなる。閉ブランチとなったときには、そのブランチiのもともとの潮流下限値Ii,min、潮流上限値Ii,maxまで潮流を流せることになる。さらに、電圧下限値Vj,min、電圧上限値Vj,maxはブランチ変数の大きさに影響されないため、数式(13)のように示される。
また、次の数式(14)は、ノード間の電位差の関係式であり、ブランチに流れる電流と抵抗によって計算できる。また、次の数式(15)は、隣接するノードの電圧を基準としたときのノードの電圧を表わす式である。
数式(15)において、2つのノードを接続するブランチが閉のときには、通常電圧誤差はゼロとなるが、ブランチが開のときには、2つのノードの電圧の関係は直接関係がなくなるため、電圧誤差の項(δij)を追加している。例えば、ブランチが開となるとそのブランチに流せる潮流はゼロとなるため、その両端ノードの電圧差はゼロとなり、両ノードの電圧は一致することになる。しかし、通常は一致することはない。
このように、ブランチが開か閉の両方の状態での電圧の関係式を1つの式を用いて表現することはできないため、ここでは、電圧誤差の項を導入して、どちらの状態でも整合性がとれるようにしている。たとえば、開ブランチに対して、数式(14)では潮流がゼロとなるため、両端ノードの電位差はゼロとなる。しかし、誤差項δijを導入しているので、両端ノードの数式(15)の関係式を成立させることができる。
前記の例では、潮流計算の等式制約を数式(12)、数式(14)および数式(15)で表す方法を説明したが、他の潮流計算の方法を適用してもよい。ただし、このときもブランチの開・閉の両方の状態で整合性を取れるように、電圧の項に誤差項を導入するものとする。
また、ブランチ変数は0(開)または1(閉)の2つの値のどちらかしかとらないが、前記の系統作成条件の設定処理(S102)で設定したように、ブランチ変数を0から1の実数として変数を緩和している。これにより、目的関数または評価関数は、線形関数または二次関数となり、また考慮する制約条件はすべて線形式となっている。この結果、もとの組合せ最適化問題を含む混合整数計画問題は線形計画問題または二次計画問題となり、線形計画法または二次計画法などの数理計画法を適用して、緩和した問題の最適解を求めることができる。この計算結果は繰り返し回数とともに、最適化の計算結果として外部記憶装置5に格納される。このとき、もっとも新しい計算結果が最新の計算結果として格納される。
次に、図3に示した系統構成作成の処理フローにおける、数理計画法によるブランチ変数の最適化処理(S105)および計算結果の表示/格納処理(S106)について説明する。これらの処理は、図4に示した系統作成処理画面G101において、「数理計画法の実行」ボタンC105を選択することで実行される。
「数理計画法の実行」ボタンC105を選択することで、従来公知の数理計画法を用いて最適解が算出される。この最適解となったときのブランチ変数、ブランチの潮流およびノードの電圧が計算されることになる。得られた最適解は、考慮したすべての制約条件を満たすものである。最適化計算が終了すると、「計算結果の表示」ボタンC106を選択することで、計算結果が表示される。
ここで、「計算結果の表示」ボタンC106を選択することで表示される結果の表示画面の例を図13に示す。図13に示した結果の表示画面G110において、画面左側のG219で示す領域には系統構成(以下、系統構成G219)を表示するとともに、各ブランチ変数の値や潮流値を表示している。また、ブランチ変数の凡例として、G220で示す領域には、系統構成G219に開ブランチは0、閉ブランチは1であることを示している。
G214で示した「ブランチ変数値の表示」と表示されたタブは、系統構成G219のブランチの上側または左側に表示する数値を選択するためのプルダウンメニューを示しており、G215で示した「潮流値の表示」と表示されたタブは、系統構成G219のブランチの下側または右側に表示する数値を選択するためのプルダウンメニューを示している。これらのプルダウンメニューには、ブランチに関する値を表示する項目が設定されており、選択することにより該当する項目が系統構成G219に表示される。図13に示した結果の表示画面G110の系統構成G219では、ブランチ変数値が上/左に、潮流値が下/右に表示されている。
数理計画法によるブランチ変数の最適化処理(S105)が終了すると、計算結果の表示/格納処理(S106)に移る。ここでは、図13に示した結果の表示画面G110において、「表形式で表示」ボタンG211を選択することで、例えば、図14に示す表形式の計算結果の画面が表示される。図14に示す画面G111の左側には、G221で示す領域に各ブランチの潮流値や、ブランチ変数値などが表形式で表示される。さらに、G221で示す領域には、各ブランチ間の両端ノードの電圧誤差δijが表示される。
また、画面G111の右側には、G222で示す領域に、各ノードの電圧値が表形式で表示される。そして、「戻る」ボタンG223を選択することで、図13に示した結果の表示画面G110に画面は遷移する。
次に、「計算結果読出」ボタンG212が選択されると、既に計算され外部記憶装置5に登録されている計算結果を番号選択の処理で呼び出して表示し、その計算結果を利用することを確定させる処理が実行される。この「計算結果読出」ボタンG212を選択して、その右側の「番号選択」タブから番号を選択することで、系統構成G219に表示させる。選択した番号に対するコメントも、「コメント表示」欄に表示される。デフォルトでは、最新の計算結果が選択されている。使用する計算結果が決まれば、「確定」ボタンを選択する。
次に、「計算結果登録」ボタンG213が選択されると、表示されている計算結果を新規の計算結果として外部記憶装置5に登録する処理が実行される。この「計算結果登録」ボタンG213を選択して、その右側の「番号選択」タブから番号を選択し、その右側の「コメント登録」欄に、登録する計算結果に対するコメントを入力する。そして、「確定」ボタンを選択することで、新規の計算結果として確定される。
そして、「戻る」ボタンG216を選択することで、図4に示した系統作成処理画面G101に画面は遷移する。
処理S105と処理S106は、処理S102で設定した系統作成条件(ブランチ変数が収束しているかどうかを判定するための閉状態とするための上限閾値および開状態と判定するための下限閾値、繰り返し回数)が満たされるまで繰り返される(S107)。
ブランチ変数が、0.5以上のものはすべて設定した下限閾値以上になっており、かつ、それ以外のブランチはすべて設定した上限閾値以下になっている、または繰り返し回数の上限に達した場合は、分岐条件の処理S107により、処理S109の分岐条件の判定処理に進む。なお、上限閾値および下限閾値は、0<上限閾値≦1,0≦下限閾値<1,上限閾値>下限閾値の関係を満たしている。
そして、処理S102で設定した系統作成条件で、近傍探索しないと設定したときには、処理S110に、近傍探索すると設定したときには処理S113に進む。
まず、近傍探索しない場合(S109でNo)について説明する。処理S110ではブランチ変数の固定/格納の処理を実施する。この処理は、図4に示した系統作成処理画面G101における、「ブランチ変数値の条件設定」ボタンC108およびその右側の「計算実行」ボタンC109を選択することにより実行される。なお、このとき、系統作成処理画面G101の「ブランチ変数値の条件設定」ボタンC111および「組合せ最適化実行」ボタンC112は、選択不可となることが望ましい。
「ブランチ変数値の条件設定」ボタンC108が選択されると、「数理計画法の実行」ボタンC105を選択することで最後に設定された計算結果を表示して、この結果を元にすべてのブランチ変数を0または1に確定する処理が実行される。この「ブランチ変数値の条件設定」ボタンC108を選択すると、例えば、図15に示したブランチ変数の条件設定画面が表示される。
ブランチ変数の条件設定画面G113において、G249で示す領域に表示される系統構成(以下、系統構成G249)と、その各ブランチ変数の値および潮流値とは、「数理計画法の実行」ボタンC105を選択することで最後に設定された計算結果である。ここでは、処理S102で設定した系統作成条件の上限閾値、下限閾値によりすべてのブランチ変数が、0または1に収束しているときは、それらの閾値にしたがって、ブランチ変数の0、1を確定することができる。すなわち、処理G345のブランチ変数を閉とする下限閾値およびブランチ変数を開とする上限閾値を処理S102で設定した値にして、「確定」ボタンをクリックすれば、ブランチ変数の値が0.5以上かそうでないかに応じて、それぞれ上限閾値、下限閾値と比較して、系統構成G249に表示されるブランチの下/右側の数値が、0または1に設定される。
図3に示したフローチャートの処理S107で、処理S102で設定した系統作成条件の繰り返し回数の上限に達して(S107でYes)、処理S109に進んだ場合は、図15に示したブランチ変数の条件設定画面G113において、G345で示す領域に上限閾値、下限閾値を入力して、その右側の「確定」ボタンを選択することで、ブランチ変数の0、1を決定する。
ただし、この設定した上限閾値、下限閾値ではすべてのブランチ変数が、0または1に決定できるとは限らない。このため、系統構成G249に表示されるブランチの下/右側に0、または1を直接入力することもできる。この場合、G243で示す「ブランチ変数値の表示」タブから、系統構成G249に表示されるブランチの上/左の表示項目を選択して、その数値を表示させる。この表示させた数値を元にブランチ変数を設定することができる。
また、下限閾値または上限閾値に寄らないで、系統構成G249に表示されるブランチの下/右側に0、または1を、G245で示す「ブランチ変数値の入力」欄に入力することもできる。この入力で確定する場合は、その右側の「確定」ボタンを選択する。
次に、「計算結果読出」ボタンG241は、既に計算され外部記憶装置5に登録されている計算結果と0、1などに設定した各ブランチ変数の値を番号選択の処理で呼び出して表示し、その計算結果を利用することを確定させるために選択される。この「計算結果読出」ボタンG241を選択して、その右側の「番号選択」タブから選択し、系統構成G249に表示させる。選択した番号に対するコメントもその右側の「コメント表示」欄に表示される。
次に、「設定値の登録」ボタンG242が選択されると、表示されている計算結果および0、1などに設定した各ブランチ変数の値を外部記憶装置5に登録する処理が実行される。この「設定値の登録」ボタンG242を選択し、その右側の「番号選択」タブから登録する番号を選択し、その右側の「コメント登録」欄に必要に応じて登録する計算結果に対するコメントを入力する。そして、その右側の「確定」ボタンを選択することで、新規の設定結果として確定させる。
そして、「戻る」ボタンG246を選択すると、図4に示した系統作成処理画面G101に画面は遷移するとともに、潮流計算に使用するブランチ変数の0、1の値として外部記憶装置5に格納する。
系統構成作成装置1は、この外部記憶装置5に格納されたブランチ変数の値を読み込む。ブランチ変数が決まれば、この値を用いて従来公知の方法により潮流計算することにより、各ブランチの潮流値、各ノードの電圧の値を計算する。この結果を用いることで目的関数を計算することができる。潮流計算の終了は、図4に示した系統作成処理画面G101のC110で示す領域に「完了」が表示されることでわかる。
次に、「最終結果の表示」ボタンC114が選択されると、最終結果として、例えば、図16から図21に示す画面が表示される(S112)。図16は、最適な系統構成の目的関数の値を表示する画面である。画面G114において、G251で示す領域には、得られた最適な系統構成の目的関数の値を表示している。この計算例では、送電ロスのみを目的関数としているので、送電ロスの値が表示されており、負荷率平準化の値は表示されていない。負荷率平準化の重み係数w2がゼロではない場合は、負荷率平準化の値の計算結果も表示される。
また、G252で示す領域には目的関数の推移をあらわすグラフが表示される。近傍探索をしないときは、繰り返し回数ごとの目的関数の値を表示する。最後の回数のところには、最終結果の目的関数の値を示すものとする。近傍探索をしないときは、最終結果以外は必ずしもすべてのブランチ変数の値が0または1になっているとは限らない。また、図3に示したフローチャートの処理S109で、近傍探索の処理(S113)の実行が選択されたときには、このG252で示す領域のグラフは近傍探索の繰り返し回数となり、各繰り返しでの目的関数の値となる。なお、「戻る」ボタンG253が選択されると、画面G114の表示が消去される。
次に、図17は、繰り返し回数ごとの評価関数の推移を示す画面である。画面G115には、G261で示す領域に、繰り返し回数ごとの評価関数の推移を示すグラフが表示される。なお、「戻る」ボタンG262が選択されると、画面G115の表示が消去される。
次に、図18は最適解の表示画面である。最適解の表示画面G116は、G277で示す領域の系統構成(以下、系統構成G277)に計算結果を表示している。系統構成G227のブランチの上/左に表示される項目の値は、G272で示すプルダウンメニューから選択する。このプルダウンメニューには、ブランチに関連する値なので、ブランチ変数の値、潮流値などを選択することができる。この値が、例えばG275で示すボックスに表示される。
同様にブランチの下/右に表示される項目の値も、G273で示すプルダウンメニューから選択する。この値は、例えばG276で示す領域に表示される。
また、「表形式で表示」ボタンG271を選択すると、図19に示す最適計算結果の表示画面が表示される。最適計算結果の画面G117において、G281で示す領域には各ブランチの潮流値とブランチ変数の値が表形式で表示される。このG281で示す表において、すべてのブランチ変数は、0または1になっているので、電圧誤差はすべてゼロとなっている。また、G282で示す領域には各ノードの電圧が表形式で表示される。なお、「戻る」ボタンG283が選択されると、画面G117の表示は消去される。
次に、図20は、図3に示したフローチャートの処理S105から処理S107の繰り返し計算におけるブランチ変数の値の推移を示す画面である。画面G118では、G291で示すボックスに、対象とするブランチ番号を入力し、その右側にある「表示」ボタンを選択すると、G291で示す領域に、その対象となるブランチの変数の推移がグラフとして表示される。G291で示すグラフにおいて、ブランチ変数が1に近いほど閉ブランチに、0に近いほど開ブランチに近いことを示している。なお、「戻る」ボタンG291が選択されると、画面G118の表示は消去される。
次に、図21は処理S105から処理S107の繰り返し計算のときのブランチ変数の確定率の推移を示す画面である。画面G119では、確定率はS102で設定した下限閾値および上限閾値が、G302で示す領域に表示され、この下限閾値および上限閾値を用いて、下限閾値以上のブランチ変数の数と上限閾値以下のブランチ変数の数との合計を全体のブランチ数で割った値の推移が、G301で示す領域にグラフとして表示される。G301で示したグラフにおいて、確定率が1に近いほど、0または1に収束しているブランチ変数の数が多いことを表わしている。なお、「戻る」ボタンG303が選択されると、画面G119の表示は消去される。
以上、図4に示す系統作成処理画面G101において、「最終結果の表示」ボタンC114が選択した場合に表示される画面例について、図16から図21を用いて説明した。しかしながら、図16〜18および図20,21に示した最終結果を表示する各画面は、図4に示した系統作成処理画面G101の「最終結果の表示」ボタンC114を選択することで、一斉に表示したり、順次表示させたりするなど、その表示方法は様々に変更できる。また、図16ないし図21に含まれる情報を、1つの画面内にまとめて表示することもできる。
次に、図3に示したフローチャートの処理S109において、処理S113に進んだ場合について説明する。処理S113は、図4に示す系統作成処理画面G101の「ブランチ変数値の条件設定」ボタンC111を選択することにより実行され、処理S114は、系統作成処理画面G101の「組合せ最適化実行」ボタンC112を選択することにより実行される。なお、このとき、系統作成処理画面G101の「ブランチ変数値の条件設定」ボタンC108および「計算実行」ボタンC109は、選択不可となることが望ましい。
まず、「ブランチ変数値の条件設定」ボタンC111が選択されると、ブランチ変数値の条件設定処理が実行される。このボタンを選択すると、「ブランチ変数値の条件設定」ボタンC108が選択された場合に実行される処理と同様に、図15に示したブランチ変数の条件設定画面G113が表示される。このブランチ変数の条件設定画面G113を介して入力されるデータは前記とほぼ同様であるが、G245で示した「ブランチ変数値の入力」欄に設定するブランチ変数の値が、0または1のみではなく、記号「*」を許容することが相違している。
この記号は、0または1のどちらかであるが、どちらになるかは確定していないことを示している。ブランチ変数の値を0、1または記号「*」と設定して、「戻る」ボタンG246を選択することにより、ブランチ変数の3つの状態を外部記憶装置5に格納して、図4に示した系統作成処理画面G101に画面は遷移する。
次に、系統作成処理画面G101において「組合せ最適化実行」ボタンC112を選択することで、処理S114の組合せ最適化手法による系統構成の作成処理を実行する。この組合せ最適化手法は、全組合せ探索、ローカルサーチ、タブサーチ、遺伝的アルゴリズム、分枝限定法、またはタブサーチなどのなかから処理S102で設定した手法が採用される。ここでは、前記のブランチ変数の条件設定画面G113を介して設定したブランチ変数のなかで「*」として未確定のものに対して、組合せ最適化手法を適用する。また、前記のブランチ変数の条件設定画面G113で、ブランチ変数を0または1としたものは固定とする。
ここで、処理S102で設定した系統作成条件でローカルサーチを選択した場合における、処理S114の組合せ最適化手法による系統構成の作成処理の手順について詳しく説明する。図22は、ローカルサーチを用いた組合せ最適化手法の手順を示すフローチャートの例である。
まず、初期解を設定し、これを現在解として設定する(S201)。この際、最適解の目的関数は、初期化するために、十分の大きな値を設定しておく。また、解とはS103で設定した制約条件を満たすように未確定のブランチ変数を0または1に設定したものである。処理S106で設定したブランチ変数で大きな値のものを1に小さい値のものを0にするようにして初期解を作成する。
次に、処理S102で設定した系統作成条件にしたがって現在解の近傍解を作成する(S202)。例えば、未確定のブランチ変数のなかの2つのブランチの0と1を交換することにより作成できる系統構成を近傍と定義してあるものとする。2つのブランチを交換する理由は、開放ブランチ数の総数は一定となるので、1つの未確定ブランチの値を0から1または1から0に変更しただけでは、処理S103で設定した制約条件を満たす系統構成の候補を作成することができないためである。
作成したすべての近傍解(系統構成候補)に対して、処理S103で設定した制約条件をチェックする(S203)。この制約条件を満たさないときは(S203でNo)、次の近傍解を処理S202で取り出して、再び処理S203でチェックを実行する。処理S203において、S103で設定した制約条件を満たす近傍解の場合は(S203でYes)、潮流計算を実行して、目的関数を計算する(S204)。処理S204で得られた目的関数の値が現在解の近傍解のなかでもっとも小さいときには、この最良系統として外部記憶装置5に格納する(S205)。そして、現在解のすべての近傍解を評価したか否かをチェックし(S206)、すべての近傍解をチェックしている場合は(S206でYes)、処理S207に進む。一方、すべての近傍解をチェックしていない場合は(S206でNo)、次の近傍解を作成するために処理S202に戻る。
次に、近傍解のうち最良解が、これまでに得られている最適解よりも大きいか否かを判定し(S207)、大きい場合は(S207でYes)、極小解がまだ得られていないので、最良解を最適解に更新し、最良解を現在解に更新する(S208)。その後、この更新された現在解をもとに、処理S202に戻って近傍解を作成していくことを繰り返す。
一方、最良解が現在までに得られている最適解より大きいときは、組合せ最適化手法として今回採用されているローカルサーチは終了となる。これにより、処理S114は終了となり、C113の完了となる。その後は、既に説明したように、処理S112により最終結果を表示する。
以上のすべての処理が終了すると、図4に示した系統作成処理画面G101において、「終了」ボタンC115を選択することにより、系統作成処理画面G101は表示装置7から消えて、系統構成作成の全処理が終了する。
以上、説明した本実施形態によれば、ブランチのブランチ変数を実数変数として、系統作成条件としてブランチ変数の線形和の制約条件を設定することにより、潮流制約、電圧制約などのすべての制約条件を満足し、送電ロス、負荷率平準化などの目的関数または評価関数を最小化する系統構成を作成することができる。
なお、前記の実施形態では、図4に示した系統作成処理画面G101に表示したボタンを選択することで、順次処理が実行されることとしたが、一連の処理として、その他の各表示画面を表示して、処理を実行することにしてもよい。また、各画面例は例示しただけであり、これらの画面例のレイアウトなどは適宜変更可能である。
また、前記の実施形態では、目的関数に潮流方程式における電圧誤差の総和からなる項を和算して、評価関数とし、この評価関数を最小化するブランチ変数を算出する例を示したが、目的関数自体を評価関数とすることもできる。