JP2008258532A - 薄膜トランジスタの製造方法及びその製造方法により製造された薄膜トランジスタ。 - Google Patents
薄膜トランジスタの製造方法及びその製造方法により製造された薄膜トランジスタ。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】帯電膜を用いて、カーボンナノチューブを特定位置に集積させ、カーボンナノチューブが架橋し易い薄膜トランジスタの製造方法及びその製造方法により製造された薄膜トランジスタを提供する。
【解決手段】薄膜トランジスタ10は、基板2の上面には、ゲート電極3を覆うようにしてゲート絶縁層4が設けられ、ゲート絶縁層4の上面には、ソース電極5及びドレイン電極6が所定のチャネル長の離間幅をもって各々設けられている。ソース電極5とドレイン電極6との間には、互いに離間して形成された溝を埋めるように、自己組織化単分子膜(SAM膜)からなる帯電膜8をマイクロコンタクトプリント(MCP)法等で形成している。また、帯電膜8と、ソース電極5及びドレイン電極6の少なくとも一部、又は、全部を覆うように、半導体層7が設けられている。この半導体層7の材質は、シングルウォールのカーボンナノチューブから構成されている。
【選択図】図1
【解決手段】薄膜トランジスタ10は、基板2の上面には、ゲート電極3を覆うようにしてゲート絶縁層4が設けられ、ゲート絶縁層4の上面には、ソース電極5及びドレイン電極6が所定のチャネル長の離間幅をもって各々設けられている。ソース電極5とドレイン電極6との間には、互いに離間して形成された溝を埋めるように、自己組織化単分子膜(SAM膜)からなる帯電膜8をマイクロコンタクトプリント(MCP)法等で形成している。また、帯電膜8と、ソース電極5及びドレイン電極6の少なくとも一部、又は、全部を覆うように、半導体層7が設けられている。この半導体層7の材質は、シングルウォールのカーボンナノチューブから構成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、薄膜トランジスタの製造方法及びその製造方法により製造された薄膜トランジスタに関し、詳細には、カーボンナノチューブと界面活性剤とを含む水溶液からなる分散液を使用して半導体層を形成する薄膜トランジスタの製造方法及びその製造方法により製造された薄膜トランジスタに関する。
従来、高い周波数のデジタル信号やアナログ電気信号を制御あるいは増幅するためには、高周波特性に優れる電界効果トランジスタが使用されている。また、有機ELやフィルム液晶、電子ペーパ等の明るくて見やすいフレキシブルディスプレイを実現するために、フレキシブルディスプレイの各画素には、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)として電界効果トランジスタを備えたアクティブ駆動回路が埋め込まれて使用されている。
このような電界効果トランジスタでは、近年の情報処理量の増大や通信の高速化に伴い、ガリウム砒素を材料とする電界効果トランジスタで処理できる周波数よりもさらに高い周波数のデジタル信号やアナログ電気信号を制御あるいは増幅する電子デバイスが必要となって来た。このために、荷電粒子が走行するチャネルと、それぞれチャネルの一部に接続されるソース電極及びドレイン電極と、チャネルと電磁的に結合するゲート電極からなる電界効果トランジスタにおいて、チャネルがカーボンナノチューブで構成される電界効果トランジスタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の電界効果トランジスタの製造方法では、基板上にカーボンナノチューブを配列させる方法としては、自己組織化単分子膜を使っている。具体的には、基板の一部分をアミノプロピルエトキシシラン分子膜で覆い、他の部分はヘキサメチルジシラザン分子膜で覆って、カーボンナノチューブは負に帯電するので、クーロン力により正に帯電するアミノプロピルエトキシシラン分子膜に吸着させるようにしている。また、この分子膜のパタン形成は、電子ビーム露光や光露光の方法により行っている。
特開2003−17508号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の電界効果トランジスタの製造方法では、分子膜上にいかなる方法で、カーボンナノチューブを付着させるかは開示されていない。また、分子膜のパタン形成は、電子ビーム露光や光露光の方法を用いると、製造工程が複雑になるという問題点があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、帯電膜を用いて、カーボンナノチューブを簡便な方法で、ソース電極及びドレイン電極間の特定位置に集積させ、カーボンナノチューブが架橋し易い薄膜トランジスタの製造方法及びその製造方法により製造された薄膜トランジスタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、基板上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、前記ゲート電極形成工程で形成された前記ゲート電極を覆うように前記基板上にゲート絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、前記ゲート絶縁層形成工程で形成された前記ゲート絶縁層上に、ソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成するソース・ドレイン電極形成工程と、前記ソース・ドレイン電極形成工程で形成されたソース電極及びドレイン電極間の前記ゲート絶縁層上に帯電膜を形成する帯電膜形成工程と、少なくともカーボンナノチューブと界面活性剤とを含む水溶液からなる分散液を前記帯電膜上に塗布し、その後、乾燥することでカーボンナノチューブを定着させる半導体層形成工程とを備えたことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、基板上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、前記ゲート電極形成工程で形成された前記ゲート電極を覆うように前記基板上にゲート絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、前記ゲート絶縁層形成工程で形成された前記ゲート絶縁層上に、帯電膜を形成する帯電膜形成工程と、前記帯電膜上又は前記帯電膜両端の前記ゲート絶縁膜上に、ソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成するソース・ドレイン電極形成工程と、少なくともカーボンナノチューブと界面活性剤とを含む水溶液からなる分散液を前記帯電膜上に塗布し、その後、乾燥することでカーボンナノチューブを定着させる半導体層形成工程とを備えたことを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、基板上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、前記ゲート電極形成工程で形成された前記ゲート電極を覆うように前記基板上にゲート絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、前記ゲート絶縁層形成工程で形成された前記ゲート絶縁層上に、帯電膜を形成する帯電膜形成工程と、少なくともカーボンナノチューブと界面活性剤とを含む水溶液からなる分散液を前記帯電膜上に塗布し、その後、乾燥することでカーボンナノチューブを定着させる半導体層形成工程と、当該半導体層形成工程で形成されたカーボンナノチューブ上にソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成するソース・ドレイン電極形成工程とを備えたことを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、基板上にソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成するソース・ドレイン電極形成工程と、前記ソース・ドレイン電極形成工程で形成されたソース電極及びドレイン電極間の前記基板上に帯電膜を形成する帯電膜形成工程と、少なくともカーボンナノチューブと界面活性剤とを含む水溶液からなる分散液を前記帯電膜上に塗布し、その後、乾燥することでカーボンナノチューブを定着させる半導体層形成工程と、前記半導体層形成工程で形成された前記半導体層を覆うように、前記基板上にゲート絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、前記絶縁層形成工程で形成された前記ゲート絶縁層上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程とを備えたことを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項1乃至4の何れかに記載の発明の構成に加え、前記半導体層形成工程では、前記分散液をインクジェット法により塗布することを特徴とする。
また、請求項6に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の構成に加え、前記界面活性剤は、正もしくは負の表面電位を持つ界面活性剤であり、前記帯電膜形成工程で、前記分散液のpH下において、前記界面活性剤の表面電位と逆の電位を持つ帯電膜を前記ゲート絶縁層上、又は前記基板上に形成し、当該帯電膜により、その静電気力を利用して前記ソース電極及び前記ドレイン電極間に連続的にカーボンナノチューブを配置することを特徴とする。
また、請求項7に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項1乃至6の何れかに記載の発明の構成に加え、前記帯電膜をマイクロコンタクトプリント法で形成することを特徴とする。
また、請求項8に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項1乃至7の何れかに記載の発明の構成に加え、前記帯電膜は、自己組織化単分子膜であることを特徴とする。
また、請求項9に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項1乃至8の何れかに記載の発明の構成に加え、前記ソース電極及び前記ドレイン電極間以外の領域に、前記分散液のpH下において前記界面活性剤と同極性の表面電位をもつ帯電膜を形成することを特徴とする。
また、請求項10に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の構成に加え前記ソース電極及び前記ドレイン電極間に、前記分散液のpH下において界面活性剤と逆の表面電位を持つ帯電膜を形成し、それ以外の領域に界面活性剤と同極性の表面電位を持つ帯電膜を形成することを特徴とする。
また、請求項11に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項1乃至10の何れかに記載の発明の構成に加え、前記帯電膜は、前記ソース電極及びドレイン電極間のチャネルと同じ幅、又は、それより狭い幅のパターンを形成することを特徴とする。
また、請求項12に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法は、請求項1乃至11の何れかに記載の発明の構成に加え、前記半導体層形成工程の後に、前記界面活性剤を除去する洗浄工程を設けたことを特徴とする。
また、請求項13に係る発明の薄膜トランジスタは、請求項1乃至12の何れかに記載の発明の薄膜トランジスタの製造方法により製造されたことを特徴とする。
本発明の請求項1に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法では、ボトムゲートタイプの薄膜トランジスタにおいて、帯電膜形成工程により、ソース電極及びドレイン電極間のゲート絶縁層上に帯電膜を形成し、半導体層形成工程で少なくともカーボンナノチューブと界面活性剤とを含む水溶液からなる分散液を前記帯電膜上に塗布し、その後、乾燥することでカーボンナノチューブを定着させているので、ソース電極及びドレイン電極間に欠陥なく連続的にカーボンナノチューブを配置することができる。また、帯電膜形成部にカーボンナノチューブが選択的に付着するため、カーボンナノチューブの集積度を向上することができる。これにより薄膜トランジスタの性能が向上する。
請求項2に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法では、ボトムゲートタイプの薄膜トランジスタにおいて、帯電膜形成工程により、ゲート絶縁層上に帯電膜を形成し、ソース・ドレイン電極形成工程で、帯電膜上又は前記帯電膜両端の前記ゲート絶縁膜上に、ソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成し、半導体層形成工程で少なくともカーボンナノチューブと界面活性剤とを含む水溶液からなる分散液を前記帯電膜上に塗布し、その後、乾燥することでカーボンナノチューブを定着させているので、ソース電極及びドレイン電極間に欠陥なく連続的にカーボンナノチューブを配置することができる。また、帯電膜形成部にカーボンナノチューブが選択的に付着するため、カーボンナノチューブの集積度を向上することができる。これにより薄膜トランジスタの性能が向上する。
請求項3に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法では、ボトムゲートタイプの薄膜トランジスタにおいて、帯電膜形成工程により、ゲート絶縁層上に帯電膜を形成し、ソース・ドレイン電極形成工程で、帯電膜上又は前記帯電膜両端の前記ゲート絶縁膜上に、半導体層形成工程で少なくともカーボンナノチューブと界面活性剤とを含む水溶液からなる分散液を前記帯電膜上に塗布し、その後、乾燥することでカーボンナノチューブを定着させ、当該形成されたカーボンナノチューブ上にソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成しているので、ソース電極及びドレイン電極間に欠陥なく連続的にカーボンナノチューブを配置することができる。また、帯電膜形成部にカーボンナノチューブが選択的に付着するため、カーボンナノチューブの集積度を向上することができる。これにより薄膜トランジスタの性能が向上する。
請求項4に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法では、トップゲートタイプの薄膜トランジスタにおいて、基板上に形成されたソース電極及びドレイン電極間の基板上に帯電膜形成工程により帯電膜を形成し、半導体層形成工程で少なくともカーボンナノチューブと界面活性剤とを含む水溶液からなる分散液を前記帯電膜上に塗布し、その後、乾燥することでカーボンナノチューブを定着させ、絶縁層形成工程により、当該形成されたカーボンナノチューブからなる半導体層を覆うように、前記基板上にゲート絶縁層を形成し、ゲート電極形成工程で前記ゲート絶縁層上にゲート電極を形成しているので、ソース電極及びドレイン電極間に欠陥なく連続的にカーボンナノチューブを配置することができる。また、帯電膜形成部にカーボンナノチューブが選択的に付着するため、カーボンナノチューブの集積度を向上することができる。これにより薄膜トランジスタの性能が向上する。
請求項5に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法では、請求項1乃至4の何れかに記載の発明の効果に加え、半導体層形成工程では、分散液をインクジェット法により塗布するので、簡便な方法でパターニングできるため、大量生産に適し、また、低コストで薄膜トランジスタを製造することができる。
請求項6に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法では、請求項1乃至5の何れかに記載の発明の効果に加え、界面活性剤は、正もしくは負の表面電位を持つ界面活性剤であり、帯電膜形成工程で、分散液のpH下において、界面活性剤の表面電位と逆の電位を持つ帯電膜を前記ゲート絶縁層上、又は前記基板上に形成し、当該帯電膜により、その静電気力を利用してソース電極及び前記ドレイン電極間に連続的にカーボンナノチューブを配置するので、簡便な方法でパターニングできるため、大量生産に適し、また、低コストで薄膜トランジスタを製造することができる。
請求項7に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法では、請求項1乃至6の何れかに記載の発明の効果に加え、帯電膜形成工程で、帯電膜をマイクロコンタクトプリント法で形成するので、簡便な方法でパターニングできるため、大量生産に適し、また、低コストで薄膜トランジスタを製造することができる。
請求項8に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法では、請求項1乃至7の何れかに記載の発明の効果に加え、前記帯電膜は、自己組織化単分子膜であるので、当該自己組織化単分子膜と界面活性剤との間のクーロン力を利用してソース電極及び前記ドレイン電極間に連続的にカーボンナノチューブを配置するので、簡便な方法でパターニングできるため、大量生産に適し、また、低コストで薄膜トランジスタを製造することができる。
請求項9に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法では、請求項1乃至8の何れかに記載の発明の効果に加え、前記ソース電極及び前記ドレイン電極間以外の領域に、分散液のpH下において前記界面活性剤と同極性の表面電位をもつ帯電膜を形成するので、ソース電極及び前記ドレイン電極間以外の不要な箇所にカーボンナノチューブが付着するのを防止することができる。
請求項10に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法では、請求項1乃至9の何れかに記載の発明の効果に加え、前記ソース電極及び前記ドレイン電極間に、分散液のpH下において界面活性剤と逆の表面電位を持つ帯電膜を形成し、それ以外の領域に界面活性剤と同極性の表面電位を持つ帯電膜を形成するので、ソース電極及び前記ドレイン電極間以外の不要な箇所にカーボンナノチューブが付着するのを防止し、ソース電極及び前記ドレイン電極間の特定の位置に界面活性剤を電気的に吸着し、これにより、カーボンナノチューブがソース電極及び前記ドレイン電極間に架橋しやすくなる。
請求項11に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法では、請求項1乃至10の何れかに記載の発明の効果に加え、帯電膜には、ソース電極及びドレイン電極間のチャネルと同じ幅、又は、それより狭い幅のパターンを形成するので、カーボンナノチューブの配向特性を向上することができる。
請求項12に係る発明の薄膜トランジスタの製造方法では、請求項1乃至11の何れかに記載の発明の効果に加え、前記半導体層形成工程の後に、前記界面活性剤を除去する洗浄工程を設けているので、不要な界面活性剤を除去することができる。
請求項13に係る発明の薄膜トランジスタでは、前記請求項1乃至12の何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法により製造されるので、上記求項1乃至12の何れかに記載の発明の効果を奏することができる。
以下、本発明の第一の実施形態である薄膜トランジスタ10について、図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態である薄膜トランジスタ10の断面図であり、図2は、薄膜トランジスタ10の製造方法のフローチャートであり、図3は、基板2の断面図であり、図4は、図3に示す基板2の上面にゲート電極3が形成された状態の断面図であり、図5は、図4に示す基板2の上面にゲート絶縁層4が形成された状態の断面図であり、図6は、図5に示すゲート絶縁層4の上面にソース電極5及びドレイン電極6が形成された状態の断面図であり、図7は、帯電膜8をゲート絶縁層4の上面のソース電極5及びドレイン電極6間に形成した状態の断面図である。
はじめに、薄膜トランジスタ10の断面構造について説明する。図1に示す薄膜トランジスタ10は、所謂、ボトムゲート構造のTFTである。薄膜トランジスタ10は、フレキシブルな絶縁性材料からなる基板2を備えている。この基板2を樹脂で形成する場合の材質としては、例えば、PES(ポリエーテルスルホン),PET(ポリエチレンテレフタレート),PI(ポリイミド),PEN(ポリエチレンナフタレート)等が挙げられる。そして、その基板2の上面にはゲート電極3が設けられている。このゲート電極3の材質には、Al,Mo,Au,Cr等の金属の他、ITOなどの透明導電材料、PEDOT(ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン)等の導電性ポリマーが適用可能である。なお、PEDOTは、3,4−ethylenedioxythiophene(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を高分子量ポリスチレンスルホン酸中で重合してなる導電性ポリマーである。
そして、基板2の上面には、ゲート電極3を覆うようにして、ゲート絶縁層4が設けられている。このゲート絶縁層4は、PI(ポリイミド)等の有機物又はSiO2等の無機物等用いて合成したコーティング液をスピンコートして形成している。尚、PI(ポリイミド)等の有機物には、後述する自己組織化単分子膜は使えないので、ゲート絶縁層4をPI(ポリイミド)等の有機物で構成する場合には、その上に、SiO2等の無機物の薄膜を形成すればよい。
さらに、ゲート絶縁層4の上面には、ソース電極5及びドレイン電極6が、所定のチャネル長の離間幅をもって各々設けられている。このソース電極5及びドレイン電極6の材質には、Al,Mo,Au,Cr等の金属の他、ITOなどの透明導電材料、PEDOT等の導電性ポリマーが適用可能である。そして、ソース電極5及びドレイン電極6との間は、所定のチャネル長が形成されている。なお、チャネル長は、ソース電極5の端面からドレイン電極6の端面までの距離と定義されている。
そして、ソース電極5とドレイン電極6との間には、互いに離間して形成された溝を埋めるように、自己組織化単分子膜(SAM膜)からなる帯電膜8を後述するマイクロコンタクトプリント(MCP)法等で形成している。また、帯電膜8と、ソース電極5及びドレイン電極6の少なくとも一部、又は、全部を覆うように、半導体層7が設けられている。この半導体層7の材質は、後述するシングルウォールのカーボンナノチューブから構成されている。
次に、上記の構造からなる薄膜トランジスタ10の製造方法について説明する。薄膜トランジスタ10の製造方法は、図2に示すように、基板2の上面に、ゲート電極3を形成するゲート電極形成工程(S11)と、基板2の上面に、ゲート電極3を覆うようにしてゲート絶縁層4を形成するゲート絶縁層形成工程(S12)と、ゲート絶縁層4の表面に、ソース電極5及びドレイン電極6を各々形成するソース・ドレイン電極形成工程(S13)と、ソース電極5及びドレイン電極6の間に帯電膜8を形成する帯電膜形成工程(S14)と、半導体層7を形成する半導体層形成工程(S15)とから構成されている。
この薄膜トランジスタ10の製造方法では、はじめに、ゲート電極形成工程(S11)を行う。ゲート電極形成工程(S11)では、まず、図3に示す基板2を十分に洗浄する。次に、基板2を脱ガスし、図4に示すように、マスク蒸着によってAlからなるゲート電極3を基板2上に形成する。なお、この時のマスク蒸着の条件は、真空度は3×10−4Paであり、基板2の加熱は不要である。こうして、基板2の上面に厚さ60nmのゲート電極3を形成することができる。
次に、ゲート絶縁層形成工程(S12)を行う。ゲート絶縁層形成工程(S12)では、図5に示すように、ゲート電極形成工程(S11)にて、ゲート電極3が形成された基板2の上面に対し、PI(ポリイミド)等の有機物または、SiO2等の無機物等用いて合成したコーティング溶液をスピンコート法で基板2の上面に塗布してゲート絶縁層4を形成する。このスピンコート法では、コーティング溶液を塗布した後に、基板2を水平に回転させる。その後180℃で一定時間(例えば、一時間)乾燥することによって、ゲート絶縁層4を形成することができる。なお、スピンコート法のメリットとしては、ゲート絶縁層4の膜厚を精密に制御し易い点にある。
次に、ソース・ドレイン電極形成工程(S13)を行う。このソース・ドレイン電極形成工程では、図6に示すように、マスク蒸着によって、一例として、Auからなるソース電極5と、ドレイン電極6とをゲート絶縁層4の表面に各々形成する。なお、この時のマスク蒸着の条件は、真空度は3×10−4Paであり、基板2の加熱は不要である。こうして、ゲート絶縁層4の表面に厚さ100nmのソース電極5及びドレイン電極6を各々形成することができる。
次に、帯電膜形成工程(S14)を行う。この帯電膜形成工程では、帯電膜8の一例として、図7に示すように、自己組織化単分子膜(以下「SAM」とも言う。)からなる帯電膜8をマイクロコンタクトプリント(MCP)法により、ソース電極5とドレイン電極6との間のゲート絶縁層4上に形成する。以下にMCP法による自己組織化単分子膜の生成について説明する。尚、図1及び図7に於いては、自己組織化単分子膜からなる帯電膜8をソース電極5及びドレイン電極6と同じ厚みに図示しているが、実際は、帯電膜8は、図11に示すように薄いので、図1及び図7では、帯電膜8を見易くするために便宜的に厚く記載している。また、後述の図21,図26,図27,図28,図33,図34,図35,図39,図40,図41についても同様である。
MCP法による自己組織化単分子膜の生成時には、まず、自己組織化単分子膜溶液を生成する。自己組織化単分子膜溶液は、一例として、1vol%の3-(2-aminoethylamino)propyltrimethoxysilaneと、95vol%のエタノールと、5vol%の水とから生成される。スタンプ方式により自己組織化単分子膜溶液を基材にコンタクトさせることで、パターン化した自己組織化単分子膜を基板上に形成する(MCP法)。具体的には、図8に示すように、ポリジメチルシロキサン(PDMS)から構成されたスタンプ60を用いて、基材70(本実施の形態では、ゲート絶縁層4)上に、図9に示すように、自発的な反応により有機分子1層で被覆した膜80を形成する。この膜80が、自己組織化単分子膜である。この自己組織化単分子膜は、高密度に充填された化学結合による強固な薄膜であり、ある特定の材料同士でのみ起きる現象であり、例えば、Glass, mica, SiO2, ZrO2, TiO2, Al2O3, ITO (基材)と、有機シラン分子(インク)オルガノシラン:R-(CH2)n-SiX3との組み合わせ(R= -CH3,-NH2, -SH etc X=Cl, OCH3, OC2H5 etc)を用いることができる。図9に示す例では、膜80の厚みは、3nm以下である。従って、帯電膜形成工程(S14)では、図7に示すように、ソース電極5とドレイン電極6との間のゲート絶縁層4上に自己組織化単分子膜からなる帯電膜8が形成される。
次に、半導体層形成工程(S15)を行う。この半導体層形成工程(S15)では、図1に示すように、前記帯電膜8上に、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWNT)と界面活性剤とを含む水溶液からなる分散液をインクジェット法等により塗布して、半導体層7を形成する。この半導体層形成工程の詳細について以下に説明する。まず、カーボンナノチューブ分散液の生成について説明する。初めに、第一工程として、バルクのシングルウォールのカーボンナノチューブ(一例として、米国Carbon Nanotechnologies社製 HiPco(登録商標))を水中で界面活性剤(一例として、陰イオン性界面活性剤:ドデシル硫酸ナトリウム(CH3(CH2)10CH2OSO3Na)又はデオキシコール酸ナトリウム((HO)2C23H37COONa)とともに超音波分散を行う。この場合に界面活性剤は、水に対して1wt%の割合で添加する。
次に、第二工程として、遠心分離法によって、金属的性質のシングルウォールカーボンナノチューブと半導体性質のシングルウォールカーボンナノチューブが混在したものから、金属的性質になった束状のものを除去する。最後に、第三工程として、第二工程で生成された半導体性質のシングルウォールカーボンナノチューブと界面活性剤とを含む溶液からなるカーボンナノチューブ分散液をインクジェット法により、ソース電極5とドレイン電極6との間のゲート絶縁層4上に形成された帯電膜8上に滴下して塗布する。
ここで、帯電膜形成工程(S14)及び半導体層形成工程(S15)の技術的原理を図10乃至図17を参照して説明する。図10は、アミノシラン系SAMのpHとゼータ電位の関係を示す図であり、ここでは説明を簡略化するために等電位点をpH7としている。図11は、カーボンナノチューブ分散液11を滴下前の状態を示す模式図であり、図12は、図11の部分拡大図であり、図13は、カーボンナノチューブ分散液11を滴下後の状態を示す模式図であり、図14は、図13の部分拡大図である。また、図15は、陰イオンの界面活性剤13によりミセル状に単分散しているカーボンナノチューブ12の模式図である。また、図16は、薄膜トランジスタ10のカーボンナノチューブ分散液を滴下後の平面図であり、図17は、SAMのpHとゼータ電位の関係を示す図である。
まず、図10に示すような、酸性領域(pH<7)において、ゼータ電位が正を示し、アルカリ性領域(pH>7)において、ゼータ電位が負を示すアミノシラン系SAMを図11に示すように帯電膜8として用いる場合、図13に示すように、カーボンナノチューブ分散液11を帯電膜8上に滴下して、アミノシラン系SAMをpH<7のカーボンナノチューブ分散液に浸すことで、当該帯電膜8は、図12に示す表面電位を持たない状態(NH2)から、図14に示すように、正の表面電位を持つ状態(アミノ基(NH3 +)を持つ状態になる。この時に、図15に示すように、ミセル状にカーボンナノチューブ12に会合している界面活性剤13が負の表面電位であるため、図13に示すように、カーボンナノチューブ12は帯電膜8方向へクーロン力により静電気的に引き寄せられることになる。尚、アミノシラン系SAMのpH-zeta-potential特性は材料固有のもので一義的に等電位点が7になるとは限らないので、カーボンナノチューブ分散液のpHとアミノシラン系SAMのpH-zeta-potential特性との相性のいい材料を選定することが重要になる。
図10に示されるような、等電位点をpH7付近に持ち、酸性領域もしくは中性領域付近の広いpH下で、正に帯電する自己組織化単分子膜(SAM)としては、表面側にアミノ基を有するアミノシラン系SAMがこれに代表される。このアミノシラン系SAMとしては、一例として、以下のものがある。
(1)3-Aminopropyltrimethoxysilane:アミノプロピルトリメトキシシラン
(2)3-Aminopropyltriethoxysilane:アミノプロピルトリエトキシシラン
(3)3-(2-Aminoethylamino)propyldimethoxymethylsilane:アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン
(1)3-Aminopropyltrimethoxysilane:アミノプロピルトリメトキシシラン
次に、アミノシラン系SAMに対し、酸性領域(pH<7)で、負に帯電する自己組織化単分子膜(SAM)の具体例を説明する。表面側に水酸基(−OH)、カルボキシル基(COOH)等を有する単分子膜材料であり、一般的にアミノシラン系SAMに比べ低いpH側で等電位点を持つことが知られている。シロキサン結合を有するSAMにおいてこのような末端基を持たせるためには一般的にはアルキルシラン系SAM(アミノシランやアルキルシラン)をUV照射などでSAM表面を酸化させることにより得ることができる。(簡単に言えば、上で示した(1)(2)(3)のようなSAMを形成した上でUV照射をすれば、照射されたところは負に帯電する。
尚、帯電膜形成工程S14では、図16に示すように、薄膜トランジスタ10のソース電極5及びドレイン電極6間にチャネルと同じ幅で、MCP法等によりカーボンナノチューブ分散液の表面電位と逆極性の正の帯電膜8を形成し、その周囲のカーボンナノチューブ分散液を付けたくないところに、MCP法等によりカーボンナノチューブ分散液の表面電位と同極性の負の帯電膜9を形成する。尚、電気的なコントラストを出すためには、図17に示す、斜線部分15のpHを持つカーボンナノチューブ分散液を用いる必要がある。
尚、カーボンナノチューブ分散液に用いる陰イオン性界面活性剤としては、前記のように、ドデシル硫酸ナトリウム(CH3(CH2)10CH2OSO3Na)
及びデオキシコール酸ナトリウム((HO)2C23H37COONa)を用いることができる。ドデシル硫酸ナトリウムを用いたカーボンナノチューブ分散液のpHの一例としては、pH5.6、デオキシコール酸ナトリウムを用いたカーボンナノチューブ分散液のpHの一例としては、pH6.3である。
尚、この半導体層形成工程(S15)では、カーボンナノチューブ分散液を滴下後に、乾燥させることにより、ソース電極5とドレイン電極6との間に、欠陥なくカーボンナノチューブを連続的に配置して定着させ、半導体層7を形成することができる。よって、カーボンナノチューブを集積して架橋しやすくすることができる。よって、薄膜トランジスタ10の性能を向上することができる。尚、半導体層形成工程(S15)の後には、界面活性剤を除去するために洗浄するようにしても良い。
次に、図18乃至図20を参照して、帯電膜形成工程(S14)により形成される帯電膜の変形例を説明する。図18乃至図20は、薄膜トランジスタ10の平面図である。帯電膜形成工程(S14)では、図16に示す例とは異なり、図18に示すように、薄膜トランジスタ10のソース電極5及びドレイン電極6間に、MCP法等によりカーボンナノチューブ分散液の表面電位と逆極性の正の帯電膜8を形成するだけとしても良い。この様な構成でも、陰イオンの界面活性剤13によりミセル状に単分散しているカーボンナノチューブ12(図15参照)を薄膜トランジスタ10のソース電極5及びドレイン電極6間に集積することができる。
また、図19に示すように、薄膜トランジスタ10のソース電極5及びドレイン電極6間には、正の帯電膜8を設けずに、その周囲のカーボンナノチューブ分散液を付けたくないところに、MCP法等によりカーボンナノチューブ分散液の表面電位と同極性の負の帯電膜9を形成しても良い。この様な構成でも、陰イオンの界面活性剤13によりミセル状に単分散しているカーボンナノチューブ12(図15参照)を薄膜トランジスタ10のソース電極5及びドレイン電極6間に集積することができる。
さらに、図20に示すように、薄膜トランジスタ10のソース電極5及びドレイン電極6間に、MCP法等によりカーボンナノチューブ分散液の表面電位と逆極性の正の帯電膜8と負の帯電膜9を交互にパターン形成し、正の帯電膜8の幅(ソース電極5とドレイン電極6とを結ぶ線と直交する方向の幅)をカーボンナノチューブの長さよりも狭くするようにしても良い。即ち、ソース電極5とドレイン電極6間のチャネル長より狭い幅のパターンを形成するようにする。このようにすることにより、狭い幅の帯電膜8上で、カーボンナノチューブが、ソース電極5とドレイン電極6とを結ぶ線の方向にその軸線方向を向けて、配向特性を向上することができる。また、塗布されるカーボンナノチューブ分散液に含まれるカーボンナノチューブの集積度をより高めることができる。
次に、本発明の第二の実施形態である薄膜トランジスタ20について、図面に基づいて説明する。図21は、第二の実施形態である薄膜トランジスタ20の断面図であり、図22は、薄膜トランジスタ20の製造方法のフローチャートであり、図23は、基板2の断面図であり、図24は、図23に示す基板2の上面にゲート電極3が形成された状態の断面図であり、図25は、図24に示す基板2の上面にゲート絶縁層4が形成された状態の断面図であり、図26は、図25に示すゲート絶縁層4の上面に帯電膜8が形成された状態の断面図であり、図27は、帯電膜8上にソース電極5及びドレイン電極6が形成された状態の断面図である。
はじめに、薄膜トランジスタ20の断面構造について説明する。図21に示す薄膜トランジスタ20は、所謂、ボトムゲート構造のTFTである。薄膜トランジスタ20は、フレキシブルな絶縁性材料からなる基板2を備えている。この基板2を構成樹脂で形成する場合の材質としては、例えば、PES(ポリエーテルスルホン),PET(ポリエチレンテレフタレート),PI(ポリイミド),PEN(ポリエチレンナフタレート)等が挙げられる。そして、その基板2の上面にはゲート電極3が設けられている。このゲート電極3の材質には、Al,Mo,Au,Cr等の金属の他、ITOなどの透明導電材料、PEDOT(ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン)等の導電性ポリマーが適用可能である。なお、PEDOTは、3,4−ethylenedioxythiophene(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を高分子量ポリスチレンスルホン酸中で重合してなる導電性ポリマーである。
そして、基板2の上面には、ゲート電極3を覆うようにして、ゲート絶縁層4が設けられている。このゲート絶縁層4は、PI(ポリイミド)等の有機物、またはSiO2等の無機物等用いて合成したコーティング液をスピンコートして形成している。
さらに、ゲート絶縁層4の上面には、自己組織化単分子膜(SAM膜)からなる帯電膜8を前記マイクロコンタクトプリント(MCP)法等で形成している。さらに、帯電膜8上には、ソース電極5及びドレイン電極6が、所定のチャネル長の離間幅をもって各々設けられている。このソース電極5及びドレイン電極6の材質には、Al,Mo,Au,Cr等の金属の他、ITOなどの透明導電材料、PEDOT等の導電性ポリマーが適用可能である。そして、ソース電極5及びドレイン電極6との間は、所定のチャネル長が形成されている。なお、チャネル長は、ソース電極5の端面からドレイン電極6の端面までの距離と定義されている。
そして、ソース電極5とドレイン電極6との間には、互いに離間して形成された溝を埋めるように、半導体層7が設けられている。この半導体層7の材質は、前記シングルウォールのカーボンナノチューブから構成されている。
次に、上記の構造からなる薄膜トランジスタ20の製造方法について説明する。薄膜トランジスタ20の製造方法は、図22に示すように、基板2の上面に、ゲート電極3を形成するゲート電極形成工程(S21)と、基板2の上面に、ゲート電極3を覆うようにしてゲート絶縁層4を形成するゲート絶縁層形成工程(S22)と、ゲート絶縁層4の表面に、帯電膜8を形成する帯電膜形成工程(S23)と、帯電膜8上に、ソース電極5及びドレイン電極6を各々形成するソース・ドレイン電極形成工程(S24)と、ソース電極5及びドレイン電極6の間に半導体層7を形成する半導体層形成工程(S25)とから構成されている。尚、ゲート電極形成工程(S21)、ゲート絶縁層形成工程(S22)、帯電膜形成工程(S23)、ソース・ドレイン電極形成工程(S24)、半導体層形成工程(S25)については、前記第一の実施の形態の各工程と同じである。
この薄膜トランジスタ20の製造方法では、はじめに、ゲート電極形成工程(S21)を行う。ゲート電極形成工程(S21)では、まず、図23に示す基板2を十分に洗浄する。次に、基板2を脱ガスし、図24に示すように、マスク蒸着によってAlからなるゲート電極3を基板2上に形成する。なお、この時のマスク蒸着の条件は、真空度は3×10−4Paであり、基板2の加熱は不要である。こうして、基板2の上面に厚さ60nmのゲート電極3を形成することができる。
次に、ゲート絶縁層形成工程(S22)を行う。ゲート絶縁層形成工程(S22)では、図25に示すように、ゲート電極形成工程(S21)にて、ゲート電極3が形成された基板2の上面に対し、PI(ポリイミド)等の有機物または、SiO2等の無機物等用いて合成したコーティング溶液をスピンコート法で基板2の上面に塗布してゲート絶縁層4を形成する。このスピンコート法では、コーティング溶液を塗布した後に、基板2を水平に回転させる。その後180℃で一定時間(例えば、一時間)乾燥することによって、ゲート絶縁層4を形成することができる。
次に、帯電膜形成工程(S23)を行う。この帯電膜形成工程では、図26に示すように、帯電膜8の一例として、前述の自己組織化単分子膜(SAM)からなる帯電膜8をマイクロコンタクトプリント(MCP)法により、ゲート絶縁層4に形成する。
次に、ソース・ドレイン電極形成工程(S24)を行う。このソース・ドレイン電極形成工程では、図27に示すように、マスク蒸着によって、一例として、Auからなるソース電極5と、ドレイン電極6とを帯電膜8上に形成する。
最後に、半導体層形成工程(S25)を行う。この半導体層形成工程(S25)では、図21に示すように、帯電膜8上に、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWNT)と界面活性剤とを含む水溶液からなる分散液をインクジェット法等により塗布して、半導体層7を形成する。工程の詳細は、第一の実施の形態と同じである。尚、半導体層形成工程(S25)の後には、界面活性剤を除去するために洗浄するようにしても良い。
次に、本発明の第三の実施形態である薄膜トランジスタ30について、図面に基づいて説明する。図28は、第三の実施形態である薄膜トランジスタ30の断面図であり、図29は、薄膜トランジスタ30の製造方法のフローチャートであり、図30は、基板2の断面図であり、図31は、図30に示す基板2の上面にゲート電極3が形成された状態の断面図であり、図32は、図31に示す基板2の上面にゲート絶縁層4が形成された状態の断面図であり、図33は、図32に示すゲート絶縁層4の上面に帯電膜8が形成された状態の断面図であり、図34は、帯電膜8上に半導体層7が形成された状態の断面図である。
はじめに、薄膜トランジスタ30の断面構造について説明する。図28に示す薄膜トランジスタ30は、所謂、ボトムゲート構造のTFTである。薄膜トランジスタ30は、フレキシブルな絶縁性材料からなる基板2を備えている。この基板2を構成樹脂で形成する場合の材質としては、例えば、PES(ポリエーテルスルホン),PET(ポリエチレンテレフタレート),PI(ポリイミド),PEN(ポリエチレンナフタレート)等が挙げられる。そして、その基板2の上面にはゲート電極3が設けられている。このゲート電極3の材質には、Al,Mo,Au,Cr等の金属の他、ITOなどの透明導電材料、PEDOT(ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン)等の導電性ポリマーが適用可能である。なお、PEDOTは、3,4−ethylenedioxythiophene(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を高分子量ポリスチレンスルホン酸中で重合してなる導電性ポリマーである。
そして、基板2の上面には、ゲート電極3を覆うようにして、ゲート絶縁層4が設けられている。このゲート絶縁層4は、PI(ポリイミド)等の有機物、またはSiO2等の無機物等用いて合成したコーティング液をスピンコートして形成している。
さらに、ゲート絶縁層4の上面には、自己組織化単分子膜(SAM膜)からなる帯電膜8を前記マイクロコンタクトプリント(MCP)法等で形成している。さらに、帯電膜8上には、半導体層7が設けられ、半導体層7上には、ソース電極5及びドレイン電極6が、所定のチャネル長の離間幅をもって各々設けられている。このソース電極5及びドレイン電極6の材質には、Al,Mo,Au,Cr等の金属の他、ITOなどの透明導電材料、PEDOT等の導電性ポリマーが適用可能である。そして、ソース電極5及びドレイン電極6との間は、所定のチャネル長が形成されている。なお、チャネル長は、ソース電極5の端面からドレイン電極6の端面までの距離と定義されている。
次に、上記の構造からなる薄膜トランジスタ30の製造方法について説明する。薄膜トランジスタ30の製造方法は、図29に示すように、基板2の上面に、ゲート電極3を形成するゲート電極形成工程(S31)と、基板2の上面に、ゲート電極3を覆うようにしてゲート絶縁層4を形成するゲート絶縁層形成工程(S32)と、ゲート絶縁層4の表面に、帯電膜8を形成する帯電膜形成工程(S33)と、帯電膜8上に、半導体層7を形成する半導体層形成工程(S34)と、半導体層7上にソース電極5及びドレイン電極6を各々形成するソース・ドレイン電極形成工程(S35)とから構成されている。尚、ゲート電極形成工程(S31)、ゲート絶縁層形成工程(S32)、帯電膜形成工程(S33)、半導体層形成工程(S34)、ソース・ドレイン電極形成工程(S35)については、前記第一及び第二の実施の形態の各工程と同じである。
この薄膜トランジスタ30の製造方法では、はじめに、ゲート電極形成工程(S31)を行う。ゲート電極形成工程(S31)では、まず、図30に示す基板2を十分に洗浄する。次に、基板2を脱ガスし、図31に示すように、マスク蒸着によってAlからなるゲート電極3を基板2上に形成する。なお、この時のマスク蒸着の条件は、真空度は3×10−4Paであり、基板2の加熱は不要である。こうして、基板2の上面に厚さ60nmのゲート電極3を形成することができる。
次に、ゲート絶縁層形成工程(S32)を行う。ゲート絶縁層形成工程(S32)では、図32に示すように、ゲート電極形成工程(S31)にて、ゲート電極3が形成された基板2の上面に対し、PI(ポリイミド)等の有機物または、SiO2等の無機物等用いて合成したコーティング溶液をスピンコート法で基板2の上面に塗布してゲート絶縁層4を形成する。このスピンコート法では、コーティング溶液を塗布した後に、基板2を水平に回転させる。その後180℃で一定時間(例えば、一時間)乾燥することによって、ゲート絶縁層4を形成することができる。
次に、帯電膜形成工程(S33)を行う。この帯電膜形成工程では、図33に示すように、帯電膜8の一例として、前述の自己組織化単分子膜(SAM)からなる帯電膜8をマイクロコンタクトプリント(MCP)法により、ゲート絶縁層4に形成する。
次に、半導体層形成工程(S34)を行う。この半導体層形成工程(S34)では、図34に示すように、帯電膜8上に、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWNT)と界面活性剤とを含む水溶液からなる分散液をインクジェット法等により塗布して、半導体層7を形成する。工程の詳細は、第一及び第二の実施の形態と同じである。尚、半導体層形成工程(S34)の後には、界面活性剤を除去するために洗浄するようにしても良い。
最後に、ソース・ドレイン電極形成工程(S35)を行う。このソース・ドレイン電極形成工程では、図28に示すように、マスク蒸着によって、一例として、Auからなるソース電極5と、ドレイン電極6とを半導体層7上に形成する。
次に、本発明の第四の実施形態である薄膜トランジスタ40について、図面に基づいて説明する。図35は、第四の実施形態である薄膜トランジスタ40の断面図であり、図36は、薄膜トランジスタ40の製造方法のフローチャートであり、図37は、基板2の断面図である。また、図38は、図30に示す基板2の上面にソース電極5及びドレイン電極6が形成された状態の断面図であり、図39は、ソース電極5とドレイン電極6との間に、帯電膜8が形成された状態の断面図であり、図40は、ソース電極5、ドレイン電極6及び帯電膜8上に半導体層7が形成された状態の断面図である。そして、図41は、ソース電極5、ドレイン電極6及び帯電膜8上に半導体層7を覆うようにゲート絶縁層4が形成された状態の断面図である。
はじめに、薄膜トランジスタ40の断面構造について説明する。図35に示す薄膜トランジスタ40は、所謂、トップゲート構造のTFTである。薄膜トランジスタ40は、フレキシブルな絶縁性材料からなる基板2を備えている。この基板2を構成樹脂で形成する場合の材質としては、例えば、PES(ポリエーテルスルホン),PET(ポリエチレンテレフタレート),PI(ポリイミド),PEN(ポリエチレンナフタレート)等が挙げられる。
そして、基板2の上面には、ソース電極5及びドレイン電極6が、所定のチャネル長の離間幅をもって各々設けられている。このソース電極5及びドレイン電極6の材質には、Al,Mo,Au,Cr等の金属の他、ITOなどの透明導電材料、PEDOT等の導電性ポリマーが適用可能である。そして、ソース電極5及びドレイン電極6との間は、所定のチャネル長が形成されている。なお、チャネル長は、ソース電極5の端面からドレイン電極6の端面までの距離と定義されている。
また、ソース電極5及びドレイン電極6間の基板2上には、自己組織化単分子膜(SAM膜)からなる帯電膜8を前記マイクロコンタクトプリント(MCP)法等で形成している。そして、ソース電極5、ドレイン電極6及び帯電膜8の上には、半導体層7が設けられ、さらに、ソース電極5、ドレイン電極6及び半導体層7を覆うように、ゲート絶縁層4が設けられている。このゲート絶縁層4は、PI(ポリイミド)等の有機物、またはSiO2等の無機物等用いて合成したコーティング液をスピンコートして形成している。さらに、ゲート絶縁層4の上面には、ゲート電極3が設けられている。このゲート電極3の材質には、Al,Mo,Au,Cr等の金属の他、ITOなどの透明導電材料、PEDOT(ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン)等の導電性ポリマーが適用可能である。なお、PEDOTは、3,4−ethylenedioxythiophene(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を高分子量ポリスチレンスルホン酸中で重合してなる導電性ポリマーである。
次に、上記の構造からなる薄膜トランジスタ40の製造方法について説明する。薄膜トランジスタ40の製造方法は、図36に示すように、基板2の上面に、ソース電極5及びドレイン電極6を各々形成するソース・ドレイン電極形成工程(S41)と、その上に帯電膜8を形成する帯電膜形成工程(S42)と、帯電膜8上に、半導体層7を形成する半導体層形成工程(S43)と、ソース電極5、ドレイン電極6及び半導体層7を覆うようにゲート絶縁層4を形成するゲート絶縁層形成工程(S44)と、ゲート絶縁層4の表面に、ゲート電極3を形成するゲート電極形成工程(S45)とから構成されている。
この薄膜トランジスタ40の製造方法では、はじめに、ソース・ドレイン電極形成工程(S41)を行う。ソース・ドレイン電極形成工程(S41)では、図37に示す基板2を十分に洗浄する。次に、基板2を脱ガスし、図38に示すように、マスク蒸着によって、一例として、Auからなるソース電極5と、ドレイン電極6とを基板2上に形成する。
次に、帯電膜形成工程(S42)を行う。この帯電膜形成工程では、図39に示すように、帯電膜8の一例として、前述の自己組織化単分子膜(SAM)からなる帯電膜8をマイクロコンタクトプリント(MCP)法により、ソース電極5及びドレイン電極6間の基板2上に形成する。
次に、半導体層形成工程(S43)を行う。この半導体層形成工程(S43)では、図40に示すように、ソース電極5、ドレイン電極6及び帯電膜8上に、シングルウォールカーボンナノチューブ(SWNT)と界面活性剤とを含む水溶液からなる分散液をインクジェット法等により塗布して、半導体層7を形成する。工程の詳細は、第一乃至第三の実施の形態と同じである。尚、半導体層形成工程(S43)の後には、界面活性剤を除去するために洗浄するようにしても良い。
次に、ゲート絶縁層形成工程(S44)を行う。ゲート絶縁層形成工程(S44)では、図41に示すように、半導体層形成工程(S43)にて形成された半導体層7、ソース電極5及びドレイン電極6を覆うようにPI(ポリイミド)等の有機物または、SiO2等の無機物等用いて合成したコーティング溶液をスピンコート法で塗布してゲート絶縁層4を形成する。このスピンコート法では、コーティング溶液を塗布した後に、基板2を水平に回転させる。その後180℃で一定時間(例えば、一時間)乾燥することによって、ゲート絶縁層4を形成することができる。
最後に、ゲート電極形成工程(S45)を行う。このゲート電極形成工程では、図35に示すように、マスク蒸着によってAlからなるゲート電極3をゲート絶縁層4上に形成する。なお、この時のマスク蒸着の条件は、真空度は3×10−4Paであり、基板2の加熱は不要である。
以上説明したように、第一乃至第三の実施の形態のボトムゲートタイプの薄膜トランジスタ10,20,30も第四の実施の形態のトップゲートタイプの薄膜トランジスタ40でも、ソース電極5及びドレイン電極6間に、カーボンナノチューブを集積して、連続して配置することができる。従って、ソース電極5及びドレイン電極6間をカーボンナノチューブで架橋して、薄膜トランジスタの性能を向上することができる。また、上記実施の形態の薄膜トランジスタの製造方法は、大量生産に適し、また、低コストで薄膜トランジスタを製造することができる。
次に、上記実施の形態の薄膜トランジスタの性能を調べるため行った実験について、図42を参照して説明する。図42は、実験用のシリコン基板50の平面図である。図42に示すように、シリコン基板50上にソース電極5及びドレイン電極6を形成した。そして、パターニングしてアミノ基が存在しない部分16と、アミノ基が存在する部分(カーボンナノチューブ分散液を滴下すると、正に帯電する部分)8(帯電膜に相当)を作った。その上に、シングルウォールカーボンナノチューブと、陰イオン界面活性剤からなるカーボンナノチューブ分散液を塗布した。その結果、アミノ基が存在しない部分16には、カーボンナノチューブ分散液が付着せず、アミノ基が存在する部分8に引き寄せられた。上記の資料12個と、SAMが全くない資料12個について次の試験を行った。
半導体パラメータアナライザー(HP4155B)(商品名)を用いて、ソース電極5及びドレイン電極6間の導通を調べる導通測定と、TFT測定を行った。その結果、パターニングしたSAMあるものでは、12個の資料の何れでも、導通が確認できた(100%)。また、TFT特性が良好なものは11個であった(92%)。SAMの無いものでは、5個で導通が確認できた(42%)。また、TFT特性が良好なものも5個であった(42%)。以上のように、パターニングしたSAMが形成されたものは、SAMが無いものに比べて、カーボンナノチューブを特定位置に集積させることができ、良好な性能の電界効果トランジスタを得られることが実証された。
尚、本発明の薄膜トランジスタの製造方法及びその製造方法により製造された薄膜トランジスタは、上記の実施形態に限られず、各種の変形が可能なことはいうまでもない。例えば、ゲート絶縁層4の形成には、スピンコート法以外に、インクジェット法などの塗布法を用いてもよい。
2 基板
3 ゲート電極
4 ゲート絶縁層
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 半導体層
8 帯電膜
9 帯電膜
10 薄膜トランジスタ
11 カーボンナノチューブ分散液
12 カーボンナノチューブ
13 界面活性剤
20 薄膜トランジスタ
30 薄膜トランジスタ
40 薄膜トランジスタ
3 ゲート電極
4 ゲート絶縁層
5 ソース電極
6 ドレイン電極
7 半導体層
8 帯電膜
9 帯電膜
10 薄膜トランジスタ
11 カーボンナノチューブ分散液
12 カーボンナノチューブ
13 界面活性剤
20 薄膜トランジスタ
30 薄膜トランジスタ
40 薄膜トランジスタ
Claims (13)
- 基板上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、
前記ゲート電極形成工程で形成された前記ゲート電極を覆うように前記基板上にゲート絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、
前記ゲート絶縁層形成工程で形成された前記ゲート絶縁層上に、ソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成するソース・ドレイン電極形成工程と、
前記ソース・ドレイン電極形成工程で形成されたソース電極及びドレイン電極間の前記ゲート絶縁層上に帯電膜を形成する帯電膜形成工程と、
少なくともカーボンナノチューブと界面活性剤とを含む水溶液からなる分散液を前記帯電膜上に塗布し、その後、乾燥することでカーボンナノチューブを定着させる半導体層形成工程と
を備えたことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 基板上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、
前記ゲート電極形成工程で形成された前記ゲート電極を覆うように前記基板上にゲート絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、
前記ゲート絶縁層形成工程で形成された前記ゲート絶縁層上に、帯電膜を形成する帯電膜形成工程と、
前記帯電膜上又は前記帯電膜両端の前記ゲート絶縁膜上に、ソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成するソース・ドレイン電極形成工程と、
少なくともカーボンナノチューブと界面活性剤とを含む水溶液からなる分散液を前記帯電膜上に塗布し、その後、乾燥することでカーボンナノチューブを定着させる半導体層形成工程と
を備えたことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 基板上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と、
前記ゲート電極形成工程で形成された前記ゲート電極を覆うように前記基板上にゲート絶縁層を形成するゲート絶縁層形成工程と、
前記ゲート絶縁層形成工程で形成された前記ゲート絶縁層上に、帯電膜を形成する帯電膜形成工程と、
少なくともカーボンナノチューブと界面活性剤とを含む水溶液からなる分散液を前記帯電膜上に塗布し、その後、乾燥することでカーボンナノチューブを定着させる半導体層形成工程と、
当該半導体層形成工程で形成されたカーボンナノチューブ上にソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成するソース・ドレイン電極形成工程と
を備えたことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 基板上にソース電極及びドレイン電極を互いに離間して形成するソース・ドレイン電極形成工程と、
前記ソース・ドレイン電極形成工程で形成されたソース電極及びドレイン電極間の前記基板上に帯電膜を形成する帯電膜形成工程と、
少なくともカーボンナノチューブと界面活性剤とを含む水溶液からなる分散液を前記帯電膜上に塗布し、その後、乾燥することでカーボンナノチューブを定着させる半導体層形成工程と、
前記半導体層形成工程で形成された前記半導体層を覆うように、前記基板上にゲート絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層形成工程で形成された前記ゲート絶縁層上にゲート電極を形成するゲート電極形成工程と
を備えたことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法。 - 前記半導体層形成工程では、前記分散液をインクジェット法により塗布することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記界面活性剤は、正もしくは負の表面電位を持つ界面活性剤であり、
前記帯電膜形成工程で、前記分散液のpH下において、前記界面活性剤の表面電位と逆の電位を持つ帯電膜を前記ゲート絶縁層上、又は前記基板上に形成し、
当該帯電膜により、その静電気力を利用して前記ソース電極及び前記ドレイン電極間に連続的にカーボンナノチューブを配置することを特徴とするトランジスタ請求項1乃至5の何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。 - 前記帯電膜形成工程で、前記帯電膜をマイクロコンタクトプリント法で形成することを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記帯電膜は、自己組織化単分子膜であることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記ソース電極及び前記ドレイン電極間以外の領域に、前記分散液のpH下において前記界面活性剤と同極性の表面電位をもつ帯電膜を形成することを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記ソース電極及び前記ドレイン電極間に、前記分散液のpH下において界面活性剤と逆の表面電位を持つ帯電膜を形成し、それ以外の領域に界面活性剤と同極性の表面電位を持つ帯電膜を形成することを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記帯電膜は、前記ソース電極及びドレイン電極間のチャネルと同じ幅、又は、それより狭い幅のパターンを形成することを特徴とする請求項1乃至10の何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 前記半導体層形成工程の後に、前記界面活性剤を除去する洗浄工程を設けたことを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法。
- 上記請求項1乃至12の何れかに記載の薄膜トランジスタの製造方法により製造された薄膜トランジスタ。
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