JP2008258422A - ファイバレーザ発振器 - Google Patents

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Abstract

【課題】パルス幅を任意に決めることができ、装置構成の簡単なファイバレーザ発振器を提供する。
【解決手段】
出射ミラー12とリアミラー2とからなる共振器内部に、希土類元素を添加したファイバ6と、Qスイッチ素子3と、波長変換を行う波長変換素子11と、波長変換素子11へ入射するレーザ径を変換するレーザ径変換機構9を設置する。出射ミラー12は、ファイバレーザ基本波L1を全反射し、変換光L3を透過するコーティングが施されており、波長変換素子11で波長変換が始まると光エネルギーを共振器外へ出射する。波長変換素子11への入射するレーザ径を変換することでパルス幅を調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザ光をパルス発振するファイバレーザ発振器に関する。
レーザ光をパルス発振して外部に出射するファイバレーザ発振器は、測距器やレーザ加工機等様々な用途で用いられている。それに伴い、それぞれの用途に適した波長の光を得ることが求められている。
従来、ファイバレーザ発振器は、パルス発振するシード光源の光をファイバで増幅し、増幅後の光を波長変換器で波長変換することで、複数の波長のレーザ光を出射していた(例えば特許文献1参照)。具体的には、図6に示すように、従来のファイバレーザ発振器101は、レーザ光をパルス発振するシード光源102と、半導体レーザである励起光源103、104と、コア部材に希土類元素を添加したファイバ105と、ファイバ105からのレーザ光を波長変換する波長変換器106と、シード光源102及び励起光源103とファイバ105との間に設置された第1接続部107と、ファイバ105と波長変換器106及び励起光源104との間に設置された第2接続部108とから構成されていた。第1接続部107は、シード光源102の光をファイバ6側へ全反射するミラー108と、ミラー108で反射したシード光を全反射し励起光源103からの励起光を透過するダイクロイックミラー109と、シード光及び励起光をファイバ6へ入力するレンズ110とから構成されている。第2接続部108は、ファイバ6からの光を波長変換器106へ全反射し励起光源104からの励起光を透過するダイクロイックミラー111と、励起光をファイバ105へ入力するレンズ112とから構成されている。
特開2006−93235号公報
従来のファイバレーザ発振器では、シード光源、ファイバ、波長変換素子等、装置の構成が多いため装置が大型化していた。また、シード光源からファイバへの入射調整が厳密なものとなり、わずかなずれで出力低減、ファイバの端子損傷といった装置を不安定にする問題を発生する可能性を有していた。
この問題を解決するために、シード光源を用いず、共振器内にファイバ及びQスイッチ素子を配置することでレーザ光をパルス発振する方法がある。これにより、シード光源、が不要となり、装置がコンパクトになる。また、シード光源がないため、ファイバへのシード光源の入射調整の問題がない。
しかし、共振器内にファイバを配置する構成にすることにより、光がファイバ内を通って共振するため、ファイバの長さに依存して光の往復に時間がかかりパルス幅が長くなるという問題が生じる。ファイバレーザ発振器を例えば測距器として使用する場合、出射するレーザ光は、その計測にあったパルス幅とピークパワーを有する必要がある。
そこで本発明では、パルス幅を任意に決めることができ、装置構成の簡単なファイバレーザ発振器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明によるファイバレーザ発振器は、レーザ光を出射するファイバと、前記ファイバの一端からのレーザ光の光軸上に設置され、前記レーザ光を反射するリアミラーと、前記ファイバの他端からのレーザ光の光軸上に設置され、前記レーザ光の波長変換をする波長変換素子と、前記ファイバの他端からのレーザ光の光軸上で波長変換素子より下流に設置され、前記レーザ光を反射し前記波長変換素子で波長変換された変換光を透過する出射ミラーと、前記レーザ媒質の他端と前記波長変換素子との間に設置され、前記レーザ光を透過し前記変換光を全反射す中間ミラーと、前記ファイバの他端と前記中間ミラーとの間に設置され、焦点を出射ミラーの位置として配置されたレーザ径変換機構と、前記リアミラーと前記出射ミラーとの間に設置されたQスイッチ素子とを有することを特徴としている。
本発明によれば、ファイバの長さに依存せずにパルス幅を任意に決めることができ、装置構成の簡単なファイバレーザ発振器を提供することができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例にかかるファイバレーザ発振器1の概略構成図である。ファイバレーザ発振器1は、リアミラー2と、Qスイッチ素子3と、第1のダイクロイックミラー4と、第1のレンズ5と、ファイバ6と、第2のレンズ7と、第2のダイクロイックミラー8と、レーザ径変換機構9と、中間ミラー10と、波長変換素子11と、出射ミラー12と、第1の励起光源13と、第2の励起光源14とから構成される。
ファイバ6は、長さ1m、直径200μmの偏光保持ファイバである。図2は、ファイバ6の断面図である。このファイバ6は、ネオジウム(Nd)を添加した石英ガラスからなる直径20μmのコア部材6aを有している。そして、コア部材6aの周囲に、コア部材6aより屈折率の低い内側クラッド6bを有する。内側クラッド6bをなす材料としては、例えばフッ素添加石英ガラスが挙げられる。また、内側クラッド6bには、コア部材6aの両脇に酸化ボロンなどの熱膨脹係数の大きい添加剤を混入した2つの応力付与部6c、6dが配置されている。この内側クラッド6bの周囲に、内側クラッド6bより屈折率の低い外側クラッド6eを有する。外側クラッド6eをなす材料としては、例えばフッ素系樹脂が挙げられる。以下の記述において、このファイバ6から出射する光をレーザ光L1と称する。
第1の励起光源13は、ファイバ6の一端6f側に配置されており、第2の励起光源14は、ファイバ6の他端6g側に配置されている。それぞれの励起光源13、14には、800nmの波長の励起光L2を出射する半導体レーザを用いる。
第1の励起光源13からの励起光L2の光軸上には、第1の励起光源13からファイバ6の一端6fへ順に第1のダイクロイックミラー4と、第1のレンズ5が配置されている。また、第2の励起光源14からの励起光L2の光軸上には、第2の励起光源14からファイバ6の他端6gへ順に第2のダイクロイックミラー8と、第2のレンズ7が配置されている。
第1のダイクロイックミラー4及び第2のダイクロイックミラー8は、励起光L2を透過し、レーザ光L1を全反射するコーティングが施されている。なお、第1のダイクロイックミラー4及び第2のダイクロイックミラー8は、レーザ光L1の光軸を90度傾ける向きに配置されている。
第1のレンズ5は、焦点をファイバ6の一端6fに合わせて配置されている。また、第2のレンズ7は、焦点をファイバ6の他端6gに合わせて配置されている。
ファイバ6の一端6fから出射されるレーザ光L1の光軸上には、前記第1のレンズ5と、前記第1のダイクロイックミラー4と、Qスイッチ素子3と、リアミラー2とが配置されている。一方、ファイバ6の他端6gから出射されるレーザ光L1の光軸上には、前記第2のレンズ7と、前記第2のダイクロイックミラー8と、レーザ径変換機構9と、中間ミラー10と、波長変換素子11と、出射ミラー12とが配置されている。
Qスイッチ素子3は、音響光学素子の1つであるブラッグ回折を利用して共振器内の光を偏光させるAO(acousto-optic)−Qスイッチ素子である。Qスイッチ素子3は、共振器の光軸とQスイッチの回折光の方向とが一致するように、ブラッグ角を満足するように配置されている。
リアミラー2は、レーザ光L1を全反射するコーティングが施されており、その反射面をレーザ光L1の光軸に対して垂直として配置されている。
レーザ径変換機構9は、図3で示すように、入射したレーザ光L1を集光するレンズ9aで構成されている。レンズ9aは、その焦点が出射ミラー12の位置となるように配置されている。
中間ミラー10は、波長変換素子11側に凹部を有する凹面ミラーであり、レーザ光L1を透過し、波長変換素子11により波長変換された変換光L3を全反射するコーティングが施されている。凹部の曲率半径は、中間ミラー10と出射ミラー12との間の距離に等しく、変換光L3の半波長の整数倍の距離で決められている。
波長変換素子11は、非線形結晶であり例えばKTPを用いる。
出射ミラー12は、レーザ光L1を全反射し、波長変換された変換光L3を透過するコーティングが施されている。
次に、本実施例のファイバレーザ発振器1の動作について説明する。
第1の励起光源13から出射された励起光L2は、第1のダイクロイックミラー4を透過し、第1のレンズ5で集光し、ファイバ6の一端6fからファイバ6内に入射する。同様に、第2の励起光源14から出射された励起光L2は、第2のダイクロイックミラー8を透過し、第2のレンズ7で集光し、ファイバ6の他端6gからファイバ6内に入射する。ファイバ6内に入射したそれぞれの励起光L2は、内側クラッドと外側クラッドの屈折率の違いによる全反射によりファイバ6内に閉じ込められた状態を保ちながら伝搬する。励起光L2は、伝搬しながらコア部材に照射され、コア部材に添加されたネオジウムに衝突し、ネオジウムを励起する。その後、励起したネオジウムが低いエネルギー準位にエネルギー遷移することで光を放出する(自然放出)。自然放出された光は、コア部材と内側クラッドとの屈折率の違いによる全反射によりコア部材に閉じ込められた状態で伝搬する。コア部材を伝搬する光が他の励起状態にあるネオジウムに衝突すると、そこからも同じ性質の光が放出され、光が増幅する(誘導放出)。この光がレーザ光L1であり、波長は1μmである。なお、ファイバの内側クラッドに応力付与部を有する偏光保持ファイバを用いているため、出射するレーザ光L1は直線偏光の光となる。
ファイバ6の一端6fから出射したレーザ光L1は、第1のレンズ5により平行な光になり、第1のダイクロイックミラー4で全反射して光軸を90度曲げられて、Qスイッチ素子3を介してリアミラー2に到達する。リアミラー2に到達したレーザ光L1は、リアミラー2で全反射し、入射した向きと逆向きへ進む。その後、レーザ光L1は、Qスイッチ素子3、第1のダイクロイックミラー4、第1のレンズ5を介してファイバ6の一端6fからファイバ6内に入射する。
一方、ファイバ6の他端6gから出射したレーザ光L1は、第2のレンズ7により平行な光になり、第2のダイクロイックミラー8で全反射して光軸を90度曲げられて、レーザ径変換機構9に入射する。レーザ径変換機構9に入射したレーザ光L1は、レーザ径変換機構4で集光されて、中間ミラー10を透過し、波長変換素子11へ入射する。波長変換素子11は、入射されたレーザ光L1の光密度が一定の閾値を超えたときのみ、第1の中間ミラー10と第1の出射ミラー12との間で波長変換を起こし共振して、第1の出射ミラー12から変換光L3を発生させる。
ここで、光密度が閾値を超えていない場合と、超えた場合とを分けて動作を説明する。
光密度が一定の閾値を超えていないとき、レーザ光L1は、波長変換を起こさずに波長変換素子11を透過した後、レーザ光L1を全反射するコーティングが施された出射ミラー12で反射する。反射したレーザ光L1は、再び波長変換素子11、中間ミラー10、レーザ径変換機構9、第2のダイクロイックミラー8、第2のレンズ7を介してファイバ6の他端6gからファイバ6内へ入射する。そして、ファイバ6内で光エネルギーを増幅し、第1のダイクロイックミラー4、Qスイッチ素子3を介してリアミラー1で全反射する。このように、波長変換素子11へ入射されるレーザ光L1の光密度が一定の閾値を超えていないとき、レーザ光L1は、リアミラー2と出射ミラー12との間を共振し、エネルギーを増幅する。
一方、波長変換素子11へ入射するレーザ光L1の光密度が一定の閾値を超えたとき、レーザ光L1は、波長変換されて2μm帯の波長を有する変換光L3となり、中間ミラー10と出射ミラー12との間で共振して出射ミラー12から出射する。
次に、レーザ光L1の共振の際に通過するQスイッチ素子3の動作について説明をする。Qスイッチ素子3へRFパワーを印加すると、Qスイッチ素子3の媒質に周期的な屈折率変化をもたらす。Qスイッチ素子3を通るレーザ光は、この屈折率変化に伴う位相格子によって特定の方向に回折される。そのため、Qスイッチ素子3へRFパワーを印加している最中は、共振器内の光エネルギーの損失が増えてレーザ光の発振を抑えることができる。この間に、ファイバ6内のネオジウムは励起光L3により励起が進み多数のネオジウムが励起状態となる。そして、Qスイッチ素子3にRFパワーの印加を停止すると、レーザ発振が急速に立ち上がり、レーザ発振が行われる。このQスイッチ素子3へのRFパワー印加のオンオフによりパルスレーザが発生する。
次に、レーザ径変換機構9に入射したレーザ光L1のレーザ径変換について説明する。図3は、ファイバ6からのレーザ光L1が第2のレンズ7、第2のダイクロイックミラー(図示せず)、レーザ径変換機構9、中間ミラー10、波長変換素子11、出射ミラー12を通る光路を示した概略構成図である。一般に、dを焦点でのレーザ径、fを焦点距離、λを波長、Dをレンズ9aに入射するレーザ径とすると、レーザ光を集光したときの焦点でのレーザ径dは、d=2.44fλ/Dとみなすことができる。つまり、焦点距離fが大きいほど焦点でのレーザ径dは大きくなる。図3(a)は、焦点距離fを小さくとり、レーザ径dを小さく変換した図である。一方、図3(b)は、焦点距離fを大きくとり、レーザ径dを大きく変換した図である。
次に、レーザ径変換機構9によってレーザ径が変更された後の波長変換について説明する。レーザ径変換機構9は、レーザ光L1のレーザ径を変換することで、波長変換素子12に入射するレーザ光L1の光密度を変換することができる。レーザ径を小さくし光密度を上げると、波長変換素子11を通過するレーザ光L1は、波長変換に必要な光密度の閾値を超えるまで共振する回数が少なく、早いタイミングで波長変換される。逆に、レーザ径を大きくして光密度を下げると、波長変換に必要な光密度の閾値を超えるまで共振する回数が多くなり、波長変換が行われるタイミングが遅くなる。
これらの動作を組み合わせることによる作用について説明する。Qスイッチ素子3へのRFパワーの印加を停止すると、リアミラー2と出射ミラー12との間で共振が行われ共振器内に光エネルギーがたまっていく。レーザ径を小さくすると、共振器内にたまった光エネルギーが早いタイミングで波長変換され変換光を出射ミラーから出射する。レーザ径が小さく早いタイミングで出射するため、単位時間当たりに出射する光エネルギーが少ない。そのため、たまった光エネルギーを出射するのに時間がかかりパルス幅が長くなる。一方、レーザ径を大きくすると、共振器内にたまった光エネルギーが遅いタイミングで(所定の閾値を超えるまで共振を続けた後)波長変換され変換光を出射ミラーから出射する。レーザ径が大きく遅いタイミングで出射されるため、単位時間当たりに出射する光エネルギーが多い。そのため、レーザ径が小さい場合と比較して、共振器内にたまった光エネルギーを出射するのに時間がかからずパルス幅が短くなる。
本実施例のファイバレーザ発振器1によれば、Qスイッチ素子3を共振器内に設けることによりパルスレーザを得ることができ、また光を波長変換素子11に通すため変換光L3を得ることができる。そして、波長変換素子11へ入射するレーザ径を変換することで、パルス幅を変えることができる。具体的には、小さいレーザ径にすると出射レーザのパルス幅が長くなり、大きいレーザ径にするとパルス幅が短くなる。そして、パルス幅を変えることにより、レーザのピークパワーを変えることができる。
また、レーザ径の変換により出射するレーザ光の出射タイミングを変えることができる。具体的には、ビーム径を小さくすると出射ビームはQスイッチ素子3へのRFパワーの印加を停止したあとの出射タイミングを早くすることができる。一方、ビーム径を大きくすると出射ビームはQスイッチ素子3へのRFパワーの印加を停止したあとの出射タイミングを遅くすることができる。
また、ファイバ6を偏光保持ファイバとすることで、波長変換素子11の偏光方向に合わせた直線偏光のレーザ光L1を得ることができる。これにより、ファイバ6からのレーザ光を偏光に応じて分岐してそれぞれ波長変換を行いその後合成していたのと比較して、装置構成を少なくすることができる。
本発明の実施例2について図5を参照して説明する。なお、この実施例2の各部について、実施例1のファイバレーザ発振器1の各部と同一部分は同一符号で示す。
図5は、本発明の実施例2にかかるファイバレーザ発振器1aの概略構成図である。ファイバレーザ発振器1aは、リアミラー2と、Qスイッチ素子3と、第1のダイクロイックミラー4と、第1のレンズ5と、第2のレンズ7と、第2のダイクロイックミラー8と、第1の励起光源13と、第2の励起光源14との構成については図1に示した実施例1のファイバレーザ発振器1と同じ構成であり、ファイバ6hと、ファイバ6hの他端6gから出射するレーザ光の光路上で第2のダイクロイックミラーより下流の部分の構成とが異なるものとなっている。
ファイバ6hは、長さ1m、直径200μmのファイバである。このファイバ6hは、ネオジウム(Nd)を添加した石英ガラスからなる直径20μmのコア部材を有している。そして、コア部材の周囲に、コア部材より屈折率の低い内側クラッドを有する。内側クラッドをなす材料としては、例えばフッ素添加石英ガラスが挙げられる。さらに内側クラッドの周囲に、内側クラッドより屈折率の低い外側クラッドを有する。外側クラッドをなす材料としては、例えばフッ素系樹脂が挙げられる。以下の記述において、このファイバから出射する光をレーザ光L4と称する。
ファイバ6hの他端6gから出射したレーザ光L4の光路上で第2のダイクロイックミラー8より下流に第1の偏光ビームスプリッタ15が配置されている。第1の偏光ビームスプリッタ15は、1μm波長の光に対してs偏光の光L5を透過しp偏光の光L6を反射するコーティングが施されており、p偏光の光L6の光軸を90度傾ける向きに配置されている。
s偏光のレーザ光L5の光路上に、第1のレーザ径変換機構9dと、第1の中間ミラー10aと、第1の波長変換素子11aと、第1の出射ミラー12aと、第1の反射ミラー16が配置されている。一方、p偏光のレーザ光L6の光路上に、第2の反射ミラー17と、第2のレーザ径変換機構9eと、第2の中間ミラー10bと、第2の波長変換素子11bと、第2の出射ミラー12bと、第2の偏光ビームスプリッタ18が配置されている。ここで、第1の偏光ビームスプリッタ15から第1のレーザ径変換機構9dまでの距離と、第1の偏光ビームスプリッタ15から第2の反射ミラー17を介して第2のレーザ径変換機構9eまでの距離とを等しく配置する。また、第1の出射ミラー12aから第1の反射ミラー16を介して第2の偏光ビームスプリッタ18までの距離と、第2の出射ミラー12bから第2の偏光ビームスプリッタ18までの距離とを等しく配置する。
第1の偏光ビームスプリッタ15は、1μm波長の光に対してp偏光のレーザ光L6を反射し、s偏光のレーザ光L5を透過するコーティングが施されており、p偏光のレーザ光L6の光軸を90度傾ける向きに配置されている。
第1の反射ミラーは、s偏光のレーザ光L5を全反射するコーティングが施されており、その光軸を90度傾ける向きに配置されている。
第1の波長変換素子9d及び第2の波長変換素子9eは、非線形光学素子であるKTPであり、それぞれの偏光方向を90度傾けて配置されている。
第2の偏光ビームスプリッタ18は、s偏光のレーザ光L5を反射し、p偏光のレーザ光L6を透過するコーティングが施されており、s偏光のレーザ光L5の光軸を90度傾ける向きに配置されている。
次に、この構成のファイバレーザ発振器1aの動作について説明する。
ファイバ6hの一端6fから出射したレーザ光L4は、第1のレンズ5により平行な光になり、第1のダイクロイックミラー4で全反射して光軸を90度曲げられて、Qスイッチ素子3を介してリアミラー2に到達する。リアミラー2に到達したレーザ光L1は、リアミラー2で全反射し、入射した向きと逆向きへ進む。その後、レーザ光L1は、Qスイッチ素子3、第1のダイクロイックミラー4、第1のレンズ5を介してファイバ6の一端6fからファイバ6内に入射する。
一方、ファイバ6hの他端6gから出射したレーザ光L4は、第2のレンズ7により平行な光になり、第2のダイクロイックミラー8で全反射して光軸を90度曲げられて、第1の偏光ビームスプリッタ15に入射する。第1の偏光ビームスプリッタ15に入射したレーザ光L4は、s偏光のレーザ光L5とp偏光のレーザ光L6とに分岐する。s偏光のレーザ光L5は、第1の偏光ビームスプリッタ15を透過し、第1のレーザ径変換機構9dに入射する。一方、p偏光のレーザ光L6は、第1の偏光ビームスプリッタ15及び第2の反射ミラー17で反射した後、第2のレーザ径変換機構9eに入射する。
第1のレーザ径変換機構9dに入射したs偏光のレーザ光L5は、第1の中間ミラー10aを透過し、第1の波長変換素子11aへ入射する。第1の波長変換素子11aに入射したs偏光のレーザ光L5は、レーザ光の光密度が一定の閾値を超えたときのみ波長変換を起こし変換光を発生させる。一方、第2のレーザ径変換機構9eに入射したp偏光のレーザ光L6は、第2の中間ミラー10bを透過し、第2の波長変換素子11bへ入射する。第2の波長変換素子11bに入射したp偏光のレーザ光L6は、レーザ光の光密度が一定の閾値を超えたときのみ波長変換を起こし変換光を発生させる。
ここで、光密度が閾値を超えていない場合と、超えた場合とを分けて動作を説明する。
光密度が一定の閾値を超えていないとき、s偏光のレーザ光L5は、波長変換を起こさずに第1の波長変換素子11aを透過した後、第1の出射ミラー12aで反射する。反射したs偏光のレーザ光L5は、再び第1の波長変換素子11a、第1の中間ミラー10a、第1のレーザ径変換機構9dを介して第1の偏光ビームスプリッタ15に入射する。同様に、p偏光のレーザ光L6は、波長変換を起こさずに第2の波長変換素子11bを透過した後、第2の出射ミラー12bで反射する。反射したp偏光のレーザ光L6は、再び第2の波長変換素子11b、第2の中間ミラー10b、第2のレーザ径変換機構9e、第2の反射ミラー17を介して第1の偏光ビームスプリッタ15に入射する。このとき、第1の偏光ビームスプリッタ15から第1の波長変換機構9dまでの距離と、第1の偏光ビームスプリッタ15から第2の波長変換機構9eまでの距離とを等しくしていることにより、s偏光のレーザ光L5の光路長とp偏光のレーザ光L6の光路長とが等しくなり、2つのレーザ光が同じタイミングで第1の偏光ビームスプリッタ15に入射し合成されることとなる。第1の偏光ビームスプリッタ15で合成されたレーザ光は、第2のダイクロイックミラー8、第2のレンズ7を介してファイバ6hの他端6gからファイバ6h内に入射する。そして、ファイバ6h内で光エネルギーを増幅し、第1のダイクロイックミラー4、Qスイッチ素子3を介してリアミラー1で全反射する。このように、第1の波長変換素子11a及び第2の波長変換素子11bへ入射されるレーザ光の光密度が一定の閾値を超えていないとき、レーザ光L4は、リアミラー2と出射ミラー12との間を共振し、エネルギーを増幅する。
一方、第1の波長変換素子11a、第2の波長変換素子11bへ入射するs偏光のレーザ光L5及びp偏光のレーザ光L6の光密度が一定の閾値を超えたとき、それぞれのレーザ光L5、L6は、波長変換されて2μm帯の波長を有する変換光となり、第1の出射ミラー12a、第2の出射ミラー12bから出射する。
第1の出射ミラー12aから出射されたs偏光のレーザ光L5は、第1の反射ミラー16で反射し、第2の偏光ビームスプリッタ18に入射する。第2の出射ミラー12bから出射されたp偏光のレーザ光L6は、第2の偏光ビームスプリッタ18に入射する。ここで、第1の出射ミラー12aから第2の偏光ビームスプリッタ18までの距離と、第2の出射ミラー12bから第2の偏光ビームスプリッタ18までの距離とを等しくしているため、同じタイミングで第2の偏光ビームスプリッタ18に入射し合成されることとなる。そして、合成されたレーザ光が出射光L3として取り出される。
次に、それぞれのレーザ径変換機構9d、9eによってレーザ径が変更された後の波長変換について説明する。レーザ径変換機構9d、9eは、s偏光のレーザ光L5及びp偏光のレーザ光L6のレーザ径を変換することで、第1の波長変換素子11aに入射するs偏光のレーザ光L5及び第2の波長変換素子11bに入射するp偏光のレーザ光L6の光密度を変換することができる。レーザ径を小さくし光密度を上げると、それぞれの波長変換素子11a、11bを通過するレーザ光L5、L6は、波長変換に必要な光密度の閾値を超えるまで共振する回数が少なく、早いタイミングで波長変換される。逆に、レーザ径を大きくして光密度を下げると、波長変換に必要な光密度の閾値を超えるまで共振する回数が多くなり、波長変換が行われるタイミングが遅くなる。
この構成による作用について説明する。Qスイッチ素子3へのRFパワーの印加を停止すると、s偏光のレーザ光L5は、リアミラー2と第1の出射ミラー12aとの間で共振が行われ共振器内に光エネルギーがたまっていく。p偏光のレーザ光L6は、リアミラー2と第2の出射ミラー12bとの間で共振が行われ共振器内に光エネルギーがたまっていく。それぞれのレーザ光L5、L6のレーザ径を小さくすると、共振器内にたまった光エネルギーが早いタイミングで波長変換され変換光をそれぞれの出射ミラー12a、12bから出射する。レーザ径が小さく早いタイミングで出射するため、単位時間当たりに出射する光エネルギーが少ない。そのため、たまった光エネルギーを出射するのに時間がかかりパルス幅が長くなる。一方、レーザ径を大きくすると、共振器内にたまった光エネルギーが遅いタイミングで(所定の閾値を超えるまで共振を続けた後)波長変換され変換光をそれぞれの出射ミラー12a、12bから出射する。レーザ径が大きく遅いタイミングで出射されるため、単位時間当たりに出射する光エネルギーが多い。そのため、レーザ径が大きい場合と比較して、たまった光エネルギーを出射するのに時間がかからずパルス幅が短くなる。
実施例2のファイバレーザ発振器によれば、Qスイッチ素子3を共振器内に設けることによりパルスレーザを得ることができ、また光を第1の波長変換素子11a及び第2の波長変換素子11bに通すため変換光を得ることができる。そして、それぞれの波長変換素子11a、11bへ入射するレーザ径を変換することで、パルス幅を変えることができる。具体的には、小さいレーザ径にすると出射レーザのパルス幅が長くなり、大きいレーザ径にするとパルス幅が短くなる。そして、パルス幅を変えることにより、レーザのピークパワーを変えることができる。
また、レーザ径の変換により出射するレーザ光の出射タイミングを変えることができる。具体的には、ビーム径を小さくすると出射ビームはQスイッチ素子3へのRFパワーの印加を停止したあとの出射タイミングを早くすることができる。一方、ビーム径を大きくすると出射ビームはQスイッチ素子3へのRFパワーの印加を停止したあとの出射タイミングを遅くすることができる。
また、第1の偏光ビームスプリッタ15を配置し、偏光に応じた波長変換を行った後に合成することで、ファイバを偏光保持ファイバとする必要がなく、多種のファイバを利用することができる。
なお、本発明は前述の実施例に限るものではない。
ファイバ6は、コア部材に添加した物質をネオジウムとしたが、これに限るものではない。添加する元素が希土類元素であればよく、例えばイットリウム(Yb)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)などであってもよい。
また、レーザ光を出射するレーザ媒体としてファイバを用いたが、これに限るものではなく、ネオジウム等の希土類元素を添加したロッドを用いてもよい。この場合でも、ロッドの長さによらずパルス幅を設定することができる効果を得ることができる。
また、レーザ径変換機構9は、図4に示すように、レンズ9aよりファイバ側に2枚のレンズ9b、9cを、2枚のレンズ9b、9cの焦点が一致する位置に平行に並べて配置するものであってもよい。このとき、d=2.44fλ/Dより、2枚のレンズ9b、9cを透過した後のレーザ径D(レンズ9aに入射する前のレーザ径D)が大きい程、焦点でのレーザ径dは小さくなる。図4(a)は、2枚のレンズ9b、9cを透過した後のレーザ径Dを小さくし、焦点でのレーザ径dを大きく変換した図である。一方、図4(b)は、2枚のレンズ9b、9cを透過した後のレーザ径Dを大きくし、焦点でのレーザ径dを小さく変換した図である。このように2枚のレンズ9b、9cを配置することにより、レンズ9aの焦点距離を変える必要がなく、レーザ径変換機構9を交換するだけでレーザ径を変換することができる。
また、パルスレーザにするための手段として、音響光学的Qスイッチを用いたが、これに限るものではなく、回転鏡によるQスイッチや電気工学的Qスイッチであってもよい。
また、波長変換素子11は、KTPを用いるとしたが、光を透過する際に波長変換を行う非線形結晶であればよく、例えばBaB、LiB、LiNbO、ZnGePなどであってもよい。
また、励起光L2をファイバ6の両端部から入射するとしたがこれに限るものではなく、片方の端部からのみ入射するものであってもよい。ファイバ6へ入射する励起光L2の強度を大きくするなら両端から励起光L2を入射する方が好ましい。
また、ファイバレーザ発振器1は、実施例では励起光L2の光軸を傾けずにファイバレーザ基本波L1の光軸を90度傾けるように配置したが、励起光L2の光軸を90度傾けてファイバレーザ基本波L1の光軸を傾けないように配置してもよい。このとき、第1のダイクロイックミラー4及び第2のダイクロイックミラー7は、励起光L2を全反射し、ファイバレーザ基本波L1、L4を透過するコーティングが施されている必要がある。
本発明によるファイバレーザ発振器の実施例1の概略構成図。 図1の示すファイバレーザ発振器の偏光保持ファイバの断面図。 図1に示すファイバレーザ発振器のレーザ径変換機構、波長変換素子、中間ミラー、出射ミラーを示す概略構成図。 レーザ径変換機構の変形例を示す概略構成図。 本発明によるファイバレーザ発振器の実施例2の概略構成図。 従来のファイバレーザ発振器の概略構成図。
符号の説明
1…ファイバレーザ発振器、2…リアミラー、3…Qスイッチ素子、4…第1のダイクロイックミラー、5…第1のレンズ、6…ファイバ、7…第2のレンズ、8…第2のダイクロイックミラー、9…レーザ径変換機構、10…中間ミラー、11…波長変換素子、12…出射ミラー、13…第1の励起光源、14…第2の励起光源、15…第1の偏光ビームスプリッタ、16…第1の反射ミラー、17…第2の反射ミラー、18…第2の偏光ビームスプリッタ、L1、L4…レーザ光、L2…励起光、L3…変換光、L5…s偏光のレーザ光、L6…p偏光のレーザ光

Claims (3)

  1. レーザ光を出射するファイバと、
    前記ファイバの一端からのレーザ光の光軸上に設置され、前記レーザ光を反射するリアミラーと、
    前記ファイバの他端からのレーザ光の光軸上に設置され、前記レーザ光の波長変換をする波長変換素子と、
    前記ファイバの他端からのレーザ光の光軸上で波長変換素子より下流に設置され、前記レーザ光を反射し前記波長変換素子で波長変換された変換光を透過する出射ミラーと、
    前記レーザ媒質の他端と前記波長変換素子との間に設置され、前記レーザ光を透過し前記変換光を全反射する中間ミラーと、
    前記ファイバの他端と前記中間ミラーとの間に設置され、焦点を出射ミラーの位置として配置されたレーザ径変換機構と、
    前記リアミラーと前記出射ミラーとの間に設置されたQスイッチ素子と、
    を有することを特徴とするファイバレーザ発振器。
  2. 前記ファイバの他端と前記レーザ径変換機構との間に設置され、互いの焦点位置を一致させて配置された2枚のレンズをさらに有することを特徴とする請求項1に記載のファイバレーザ発振器。
  3. 前記ファイバは、直線偏光の光を出射する偏光保持ファイバであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のファイバレーザ発振器。
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