JP2008254277A - ガスバリア積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたガスバリア特性や繰り返し曲げ密着性を有する、Zn−Al合金を用いたガスバリア積層体を提供することである。
【解決手段】薄いフレキスブルなポリイミド類などの結晶性の高分子基材表面に、Zn:68〜88質量%を含む特定組成と厚みが20μm以下である特定膜厚のZn−Al合金薄膜を設けたガスバリア積層体とし、レトルト食品包装容器用材料などとしての使用中に繰り返しの曲げ変形を受けてもガスバリア性が低下しない特性とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、食品、医薬品などのガスバリア性を必要とする包装容器用、あるいは、ガスバリア性を必要とする建築材や精密機械、部品用などの各種用途に使用できる、ガスバリア積層体に関するものである。
ガスバリア性を必要とする分野は様々あるが、代表的には、食品及び医薬品等の包装に用いられる包装材料があり、これを例にとって、以下に説明する。
近年、食品及び医薬品等の包装に用いられる包装材料は、内容物の変質を抑制しそれらの機能や性質を保持するために、包装材料を透過する酸素、水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、これらを遮断するガスバリア性等を備えることが求められている。そのため従来から、温度・湿度などの影響が少ないアルミ等の金属箔をガスバリア層として用いた包装材料が一般的に用いられてきた。
ところが、アルミ等の金属箔を用いた包装材料は、温度・湿度の影響がなく、高度なガスバリア性に優れるが、使用後の廃棄の際は金属箔を不燃物として処理しなければならないなどの欠点を有する問題があった。
そこで、これらの欠点を克服した包装材料として、有機樹脂(有機高分子樹脂、プラスチック)フィルム上に、真空蒸着法やスパッタリング法等の形成手段によりアルミニウムなどの金属、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を形成したフィルムが開発されている。これらの蒸着フィルムは、酸素、水蒸気等のガス遮断性(ガスバリア性)を有していることが知られ、包装材料として好適とされている(特許文献1参照)。
これらのガスバリア性を有する包装材料は、包装材料としての使用中に、ガスバリア性を維持できない問題がある。このようなガスバリア性の劣化の原因は、レトルト・インパクトなどによる、無機酸化物の蒸着膜に対する繰り返しの曲げ負荷(曲げ変形)などにより、蒸着膜中にクラックが導入されることに由来するものと考えられる。
また、プラスチック基材上の少なくとも一方の面に、厚さ5〜100nmの無機蒸着層を設け、更にその上に無機フィラーを5〜60体積%含む溶液を樹脂コーティングにより無機フィラー含有層を設けたレトルト食品包装容器用積層体も提案されている(特許文献2)。
更に、この特許文献2に開示されているように、従来から、プラズマを用いるなど、蒸着条件を変えることによって、プラスチック基材上の無機酸化物蒸着の密着性を改善するという試みもなされていた。
しかし、プラスチック基材上に設けるのが延性の無い無機酸化物蒸着膜である以上、蒸着膜に対する繰り返しの曲げ負荷などにより、蒸着膜中にクラックが導入されることは避けがたい。このため、上記した従来技術では、いずれも十分な効果は発揮し得ていない。
これに対して、プラスチック基材上に、アルミニウムやチタンなどの金属蒸着膜を形成した積層体も提案されている(特許文献3)。
しかし、特許文献3のアルミニウムやチタンなどの金属蒸着膜も、無機酸化物蒸着膜に比べれば延性は高いものの、基材との密着性は低い。このため、やはり、金属蒸着膜に対する繰り返しの曲げ変形(曲げ負荷)などにより、蒸着膜中にクラックが導入されることは避けがたい。このため、包装材料としての使用中に、どうしてもガスバリア性が低下することとなる。
一方で、従来から、室温で超塑性を示すZn−Al合金が公知である。本発明者らは、室温で180%以上の伸びを示すような優れた超塑性を有するZn−Al合金について、これまでも種々提案している(特許文献4、5、6参照)。
特開2003−246000号公報 特開2006−142494号公報 特開2005−126786号公報 特開平11−222643号公報 特開2004−162103号公報 特開2005−194541号公報
しかし、このZn−Al合金のこれまでの用途は、前記特許文献4、5、6などの開示される通り、板などのバルク(塊)として使用した場合の室温での超塑性が求められる、建築用ダンパーなどの免震・制震デバイス用、自動車などの衝撃吸収部材、減衰性能を持つばね用材料、精密成形部品用、シール部材用、ガスケット部材用ダンパーなどである。
このため、プラスチック基材上に、上記アルミニウムやチタンなどの他の金属と同様に、このZn−Al合金の金属蒸着膜を形成した場合に、このZn−Al合金の薄膜にガスバリア性なる特性があるのかどうかさえ、全く不明であった。また、このZn−Al合金の金属膜に対する繰り返しの曲げ変形などにより、蒸着膜中にクラックが導入されるか否か、包装材料などとしての使用中にガスバリア性が低下するか否か、も全く不明であった。
本発明はこれらの課題を解決するためになされたものであって、その目的は、包装材料などとしての使用中に繰り返しの曲げ変形を受けても、ガスバリア性が低下しないガスバリア積層体を提供することである。
この目的を達成するために、本発明のガスバリア積層体の要旨は、結晶性の高分子基材の表面に、Zn:68〜88質量%を含み、残部Alおよび不可避不純物からなるとともに、厚みが20μm以下であるZn−Al合金膜を設けたこととする。
本発明者らは、Zn−Al合金の薄膜には、厚みが20μm以下であっても、ガスバリア性なる特性があることを知見して、本発明をなしたものである。なお、本発明で言うZn−Al合金の薄膜は、以下、単に膜、あるいは金属薄膜とも言い、代表例としては蒸着膜である。
また、更に、結晶性の高分子基材上に、このZn−Al合金の薄膜を形成した場合に、このZn−Al合金の薄膜に対する繰り返しの曲げ変形がかかっても、この薄膜中にはクラックが導入されにくく、包装材料などとしての使用中にガスバリア性が低下しないことも知見して、本発明をなした。
前記した通り、Zn−Al合金の薄膜に、果たしてガスバリア性なる特性があるのかどうかは全く不明であった。また、このZn−Al合金の薄膜に対する繰り返しの曲げ変形などにより、薄膜中にクラックが導入されるか否か、包装材料などとしての使用中にガスバリア性が低下するか否かも全く不明であった。
これに対して、Zn−Al合金は、前記した通り、室温で180%以上の高い伸びを示すことが公知ゆえに、Zn−Al合金薄膜に対する繰り返しの曲げ変形に対しても、薄膜中にクラックが導入されにくいことが推測可能ではないか、ということがある。
しかし、Zn−Al合金が、このような室温で180%以上の高い伸びを示すためには、通常インゴットから製造されるZn−Al合金は、通常、再加熱して、急冷し、β相をα相内で析出させたままとして、超塑性を発揮し得るβ分散のα組織を得ることが必要である。このようなβが析出していないα相では超塑性は示さないが、β分散α相は、結晶粒の移動による塑性変形によって、室温で180%以上の伸びを示すことができる。
これに対して、本発明のZn−Al合金の薄膜は、このような組織を有さない、ただのZnとAlとが均一に混合したZn−Al合金薄膜である。即ち、Zn−Al合金の薄膜は、Zn−Al合金のスパッタリングターゲットから、一旦蒸発させ、別の有機樹脂などの基材上にスパッタ(蒸着)することによって製作される。したがって、インゴットから製造される元々のZn−Al合金のスパッタリングターゲットが、例え、上記超塑性を発揮し得るβ分散のα組織を有していたとしても、ZnやAlが蒸発、蒸着して形成されたZn−Al合金の薄膜では、このようなターゲットでの組織は、全て一旦キャンセルされてしまうからである。
したがって、このような、ただのZnとAlとが均一に混合したZn−Al合金薄膜(薄膜)が、前記した通りのような、室温で180%以上の高い伸びを示すか否かがは全く不明である。ただ、元々がZn−Al合金であるがゆえに、Zn−Al合金薄膜(薄膜)もそれなりに高い伸びを示すことが類推可能であるとは言える。しかし、例えZn−Al合金薄膜(薄膜)が高い伸びを示したとしても、それが、果たしてガスバリア性なる特性につながるのか否か、繰り返しの曲げ変形などにより、薄膜中にクラックが導入されるか否か、使用中にガスバリア性が低下するか否かも全く不明である事情に変わりはない。
この点、本発明では、実際に、Zn−Al合金薄膜(薄膜)がガスバリア性を有すること、繰り返しの曲げ変形などによっても、薄膜中にクラックが導入されず、使用中にガスバリア性が低下しないことを、実際に試験することにより確認したものである。本発明によれば、包装材料などとしての使用中に繰り返しの曲げ変形を受けても、ガスバリア性が低下しないガスバリア積層体を提供することができる。
(使用態様)
本発明の使用態様は、包装容器、建築材、精密機械、部品などの、結晶性の高分子基材表面に、本発明薄膜を形成して、基材を被覆するガスバリア薄膜として用いる。また、前記したレトルト食品包装容器用(レトルト用)などの包装容器として、結晶性の高分子の材料からなる、薄いフレキスブルな基材フィルムや基材箔の表面に、本発明薄膜を形成して、ガスバリア積層体として用いる。なお、本発明で言う、薄膜を形成する基材表面とは、この基材の形状にもよるが、ガスバリア積層体のガスバリア性を達成するために必要な面(表面)という意味であり、全部の表面や一部の表面であっても構わない。例えば、基材が板状、箔状、フィルム状であれば、表裏2面の片面あるいは両面、少なくとも一方の表面の意味である。
包装容器としての基材は、薄いフレキスブルな結晶性の高分子材料として好適な、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド類、ポリアミド類、ポリエステル類、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、セルロース、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリウレタン類の少なくとも一種類以上を、成分に持つ、あるいは共重合を成分に持つ、あるいはそれらの化学修飾体を成分に持つものが例示される。これらは、分子配列がかなりの秩序を持つため、結晶性のX線回折が見られ、また、分子間力が強いため、一般に融点が見られる。
(化学成分組成)
本発明のZn−Al合金薄膜の化学成分組成について説明する。本発明では、Zn−Al合金薄膜の成分は、Zn含有量が68〜88質量%で、残部がAlおよび不可避不純物とし、薄膜の組成は、ZnとAlとが均一に混合したZn−Al合金とする。これによって、Zn−Al合金薄膜(薄膜)がガスバリア性を有し、使用中の繰り返しの曲げ変形などによっても、薄膜中にクラックが導入されず、使用中にガスバリア性が低下しないことが保証される。
Zn含有量が少なすぎても、また多すぎても、Zn−Al合金薄膜(薄膜)のガスバリア性が低下する。また、繰り返しの曲げ変形などによって、薄膜中にクラックが導入され、使用中にガスバリア性が低下する。したがって、Zn含有量は68〜88質量%の範囲とする。
なお、本発明のZn−Al合金薄膜には、ターゲットなどの蒸着源の製造に伴う他の金属元素や、蒸着に伴う窒素、酸素などのガス成分が、不可避不純物として混入される。これら不可避不純物の含有は、Zn−Al合金薄膜の基本特性であるガスバリア性や基材との密着性を低下させない範囲で許容される。例えば、混入しやすい不純物金属元素としては、Fe、Cu、Si、Mn、Mg、Zr、Ti、Bなどがあり、これらの合計量で0.5質量%以下の含有までは許容される。
(薄膜の厚み)
本発明のZn−Al合金薄膜の厚みは20μm以下の薄膜とする。但し、好ましくは、Zn−Al合金薄膜の最小の厚みを50nm以上とする。この厚みが薄すぎると、成膜時の膜厚の不均一さが致命傷となって、薄膜として機能できなくなり、ガスバリア性が低下する。一方、この厚みが厚すぎても、繰り返しの曲げ変形などによって、剥離、あるいは薄膜中にクラックが導入されやすくなり、使用中にガスバリア性が低下する。
(薄膜の製作方法)
本発明のZn−Al合金薄膜は、薄膜の成膜法として公知および汎用されている蒸着法を用いて、前記基材のガスバリア性を発揮するために必要な表面に形成することが可能である。蒸着法によって、例えば、基材が板状、箔状、フィルム状であれば、表裏2面の片面あるいは両面、少なくとも一方の表面に薄膜を形成することが可能である。例えば、スパッタリング法、アンバランスドマグネトロンスパッタ(UBMS)法、電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式などの真空蒸着法、イオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などが例示される。言い換えると、本発明のZn−Al合金薄膜は、これらの成膜法で製作された薄膜の総称である。
これらの蒸着法に使用するターゲットは、公知である室温で超塑性を示すZn−Al合金か、これに対応する組成範囲のZn−Al合金を用いる。あるいはZn、Alの各合金要素から純金属の各々別々のターゲットを用い、成膜時にZn−Al合金化する。
ターゲットとしてZn−Al合金を用いた場合、ターゲット自体が超塑性を発揮し得るβ分散のα組織を有した微細均一な組織を有しており、Alなどのマクロ偏析もなく、スパッタなどの蒸着率が安定していると共に、ターゲットからの原子の出射角度も均一である。このため、Zn−Al合金組成の均一、均質な薄膜が得られ易い利点もある。また、これらターゲットの製造は、Zn、Alの各合金要素から各々なる純金属、あるいはZn−Al合金を、大気溶解、真空溶解、スプレーフォーミング、あるいは粉末冶金法などにより溶解し、円板状など適宜のターゲット形状に製造する。鍛造、押出、圧延や、切断などの加工工程が適宜入っても良い。
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
(供試材の成膜)
表1に示すZn−Al合金薄膜組成に対応する組成のZn−Al合金ターゲットを溶解・鋳造法によって作製した。そして、各例とも共通して、これらのターゲットを用いて、基材として、市販の0.038mm厚のポリイミドフィルム(10cm角)の表面片側(一方の面)に、表1に示す各組成、膜厚のZn−Al合金薄膜(蒸着膜)を、スパッタリングにより成膜してガスバリア積層体とし、ガスバリア積層体評価の供試材とした。
スパッタリングはRFマグネトロンスパッタリング装置により行った。スパッタガス種はArを使用した。成膜条件は、共通して、基材とターゲットとの距離:70mm、基材温度:22℃、Arガス圧:2mTorr、成膜パワー100W、成膜圧力:2×10-3Torrとした。また、成膜のプレスパッタ時間は共通して10分とし、成膜時間(一定成膜速度:成膜厚み900nmを40分で成膜するペース)によって膜厚を制御した。
(膜厚測定)
Zn−Al合金薄膜の膜厚(nm)は、薄膜を設けたサンプルを切断し、樹脂に埋め込み、表面研磨をし、薄膜界面のSEM観察を行った。SEM観察は2000倍の視野にて3点厚さを測定し、部位の違う5カ所程度の観察結果の平均で求めた。
(組成分析)
Zn−Al合金薄膜の組成(質量%)は、X線回折法により、亜鉛とアルミのピーク強度から、算出した。使用した装置は、リガク製RINT1500、ターゲットとしてはCuを用いた。
この様にして得られたガスバリア積層体供試材の、ガスバリア特性(初期)、使用時における繰り返し曲げ変形負荷時の密着性を評価した。これらの結果を表1に示す。比較のために、アルミ箔のガスバリア特性も、測定評価した。
(ガスバリア特性)
前記ガスバリア積層体供試材のガスバリア特性は、ASTM D−1434−75法(関連:JIS K7126A法)に規定されている差圧法に準拠した、下記ガス透過率測定装置および試験条件により、He(ヘリウム)ガスの透過性を測定、評価した。ガス透過性が問題となる酸素や水素に比して、分子が小さいHeを試験ガスとして選択することで、このHeのガスバリア特性が高ければ、より分子が大きい酸素や水素などのガスバリア特性も必然的に高いと言える。
(ガス透過率試験条件)
(株)東洋精機製作所製「ガス透過率測定装置:M−C3」、測定面積:Φ70mm。圧力条件、高圧側であるガス透過入側セルのHe:800mmHg、セル容量約1L、低圧側であるガス透過出側セルの大気圧:10mmHg(Torr)以下、容量約1.9mL。試験温度:26〜27℃(室温、空調あり)。出力は時間ごとの低圧側であるガス透過出側セルの内圧の変化「cm3 stp/(cm2 ・s・cmHg」表示とした。なお、前記ガスバリア積層体供試材のZn−Al合金薄膜側を高圧側であるガス透過入側セル側とした。
Heガスの透過性はガス透過出側セルの内圧から求めた。Heガスの透過性は、7.5×102 cc/m2・day・atm以下を◎とし、1.5×103 cc/m2・day・atm以下を○とし、これを超えるガス透過出側セルの内圧を×として評価した。このHeガスの透過性はアルミ箔と同等の◎か、○が合格となる。
(密着性試験条件)
前記ガスバリア積層体供試材の中央部を中心にして180°に二つ折りにする折り返し曲げ(曲げ部のRは100mmの半円状)と、元に戻す、繰り返し曲げ操作を10回行い、密着性試験材とした。
この試験材を、JIS5600−5−6の規定にしたがい、Zn−Al合金薄膜側に、1mm角で100マスの碁盤目の傷を入れた供試材について、粘着テープ剥離試験を行い、薄膜の密着性を評価した。試験は、室温にて各例とも5枚の供試材について各々行い、いずれも薄膜のテープ剥離が全くないものを◎、1枚でも試験片にマス目の10%未満について塗膜のテープ剥離が生じたものを○、1枚でも試験片にマス目の10%以上30%未満について塗膜のテープ剥離が生じたものを△、1枚でも試験片にマス目の30%以上の塗膜のテープ剥離が生じたものを×として評価した。繰り返し曲げに対する密着性としては、◎か○が合格となる。
発明例2は、Heガスの透過性が共通して6.2×102 cc/m2・day・atmであり、Heのガスバリア特性が特に優れていた。また、繰り返し曲げに対する優れた密着性を有しており、使用中のガスバリア特性が低下しないと言える。
この他の発明例1、3〜5も、表1から明らかな通り、1.5×103 cc/m2・day・atm以下のHeガスバリア特性(○)を有し、また、繰り返し曲げに対する密着性もほぼ優れていると言える。ただ、発明例2に比して、発明例1は、Zn−Al合金薄膜のZn量が下限値で少なめ、発明例5は、Zn−Al合金薄膜のZn量が上限値で多め、発明例3は膜厚が薄め、発明例4は膜厚が上限値近くの厚めとなっている。このため、これら発明例は、発明例2に比して、Heガスバリア特性や繰り返し曲げに対する密着性がやや劣る。
これに対して、比較例6はZn−Al合金薄膜のZn量が下限値未満で少なすぎる。比較例7はZn−Al合金薄膜のZn量が上限値を超えて多すぎる。比較例8は膜厚が上限値を超えて厚すぎる。このため、比較例6、7はHeガスバリア特性や、繰り返し曲げに対する密着性が、発明例に比して劣っている。また、比較例8はHeガスバリア特性が優れているものの、繰り返し曲げに対する密着性が、発明例に比して劣っており、使用中にガスバリア特性が低下すると言える。
以上の結果から、ガスバリア特性や繰り返し曲げ密着性に対する、本発明の意義、化学成分組成、厚みの意義が裏付けられる。なお、本実施例では、結晶性の高分子フィルムとして、代表的なポリイミド類を選択したが、本実施例から、前記した他の結晶性の高分子有機樹脂フィルムについても同様の結果が得られるものと類推できる。
Figure 2008254277
以上説明したように、本発明によれば、優れたガスバリア特性や繰り返し曲げ密着性を有する(兼備した)、Zn−Al合金を用いたガスバリア積層体を提供できる。このため、食品、医薬品などのガスバリア性を必要とする包装容器用、あるいは、ガスバリア性を必要とする建築材や精密機械、部品用などの各種用途に使用できる。

Claims (1)

  1. 結晶性の高分子基材表面に、Zn:68〜88質量%を含み、残部Alおよび不可避不純物からなるとともに、厚みが20μm以下であるZn−Al合金膜を設けたことを特徴とするガスバリア積層体。
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