JP2008252263A - Ethernetフレームの送受信方式とその送受信変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】無用な輻輳に係わらずデータを転送できるようにすることである。
【解決手段】ネットワークを介して接続された端末間の送信側で、動画用ストリーミングパケットのペイロード長に基づいて、Ethernetフレームをパケタイズし、IPパケットのヘッダでカプセル化して送信する。このように、動画ストリーミングにカプセル化することにより、NAT機能を有したネットワーク、プロキシィサーバやファイヤーウォールを通過できるようにする。また、輻輳制御を受けないようにして無用な輻輳に係わらずデータを転送できるようにする。一方、受信側では受信したIPパケットからIPヘッダを取り外してカプセル化を解除し、順に結合することにより、Ethernetフレームを復元する。
【選択図】図6
【解決手段】ネットワークを介して接続された端末間の送信側で、動画用ストリーミングパケットのペイロード長に基づいて、Ethernetフレームをパケタイズし、IPパケットのヘッダでカプセル化して送信する。このように、動画ストリーミングにカプセル化することにより、NAT機能を有したネットワーク、プロキシィサーバやファイヤーウォールを通過できるようにする。また、輻輳制御を受けないようにして無用な輻輳に係わらずデータを転送できるようにする。一方、受信側では受信したIPパケットからIPヘッダを取り外してカプセル化を解除し、順に結合することにより、Ethernetフレームを復元する。
【選択図】図6
Description
この発明は、既存のテレビ電話サービスを用いてEthernetフレームの送受信を可能としたEthernetフレームの送受信方式とその送受信変換装置に関するものである。
遠く離れた事業所や個人のパソコン間で、ネットワークを介してデータの共有やプリンタなどの機器類の共有ができれば、両者の距離を縮められるので好都合である。
このようなことを実現する一つの方法として、VPN(Virtual PrivateNetwork)がある。VPNは、「仮想ネットワーク」と言われるもので、トンネリングと暗号化により、一対一あるいは一対複数のネットワークを安全に形成するというものである。
すなわち、前記トンネリングは、例えば、送信パケットに別のプロトコルのヘッダを付け「カプセル化」して通信を行なう技術で、カプセル化の際にデータを暗号化することで、セキュリティを向上できるというものである。このカプセル化されたパケットは、送信側と受信側で「トンネル」と言われるセッションでもって伝送される。伝送されたパケットは受信側でカプセル化の解除を行なってパケット本体を取り出し暗号化を解除する。このように、トンネリングと暗号化により、安全にデータを伝送するというものである。
ところで、このようなVPNでは、従来、TCP/IPなどの一般的なプロトコルと異なる特殊なプロトコルを用いているため、NAT機能を有したネットワーク、プロキシィサーバやファイヤーウォールを通過することができず、そのままでは、通信ができないという問題がある。
このため、例えば、(特許文献1)では、図13に示すように、ネットワーク上にエッジルータPEを配置して共有ネットワークを形成し、その共有ネットワーク上にVPNを形成することにより、通信を行なうようにしている。
すなわち、VPNのコア網をラベルスイッチ網であるMPLS(Multi−Protocol−Label−Switching)で形成し、ラベルスイッチ網で形成したコア網に対するアクセス網をVLAN(Virtual LAN)で形成して、このVLANとラベルスイッチ網のインターフェイスをエッジルータPEで行なうようにしたのである。
そのため、送信側のエッジルータPEは、VLANから送出されるパケットをMPLSのパケットに変換してラベルスイッチ網へ送出する。すると、受信側のエッジルータPEは、MPLS網から受信したパケットをVLANのパケットに変換することでVPNを構築するのである。
しかし、上記の方法では、特殊なエッジルータを設置して共有ネットワークを形成するため、設置に費用が掛かったり、設定も難しかったり、管理に手間が掛かる問題が考えられる。したがって、個人での使用や中小の企業などでの使用は難しい。
このような問題を解決する一つの方法として、使用するプロトコルを一般にネットワークで使われているTCP(Transmission Control Protocol)/IPをベースとしたもので構成することが考えられている。
すなわち、トンネリングの通信をレイヤ2のEthernetに設定し、EthernetフレームをTCP/IPプロトコルでカプセル化するというもので、VPNを全てTCP/IPプロトコルで行なうことにより、NAT機能を有したネットワーク、プロキシィサーバやファイヤーウォールを通過してVPNを確立できるというものである。
しかしながら、上記の方法では、ネットワークが輻輳すると、大切なデータの転送が制限されてしまう。
すなわち、IPネットワークは、1本の回線に複数のデータを流すので回線効率は良いが、伝送速度の保証が成されないベストエフォート型の運用となっている。
ベストエフォート型の通信は、ネットワークで通信を開始する全てのIPによるコネクション(例えば、一般にIP伝送で使用されるTCP)は、全て受け付ける。そのため、輻輳が生じるとボトルネックとなるリンクやノードにおける同時接続コネクション数に反比例して、TCPの品質は著しく劣化する。
また、輻輳時には、パケット損や遅延変動を生じて、TCPによる再送パケットを増加させて無用なトラヒックも増加させる。さらに、無用なトラヒックによるネットワークリソースの無効保留も生じる。
この問題を解決する方法として、例えば、TCPセグメントのヘッダ部分のコードビット(Code Bit)をチェックすることにより、受け付けコネクション数を制限する方法が考えられる。具体的には、通信開始を示すTCPのコードビットのSYNフラグを持つセグメント(パケット)をネットワークの輻輳時に廃棄するというものである。こうすることで、コネクション毎に状態を管理することなく、SYNフラグが立っているか否かで制御を行うのであるが、この方法では、ネットワークが輻輳するとコネクションの確立要求であるSYNフラグの立ったパケットを無条件で破棄してしまう。そのため、平等ではあるが、無用な輻輳によって大切なデータの転送が制限されてしまうのである。
そこで、この発明の課題は、管理や手間の掛かる共有ネットワークを形成することなく、誰でも低コストでEthernetフレームを伝送できるようにし、しかも、無用な輻輳に係わらずデータを転送できるようにすることである。
上記の課題を解決するため、この発明では、ネットワークを介して接続された端末間の送信側で、動画用ストリーミングパケットのIPパケットのペイロード長に基づいて、送信データのEthernetフレームをパケタイズし、そのパケタイズしたEthernetフレームを前記ストリーミングのIPパケットのヘッダでカプセル化して送信し、一方、受信側ではIPパケットを受信すると、IPヘッダを取り外してカプセル化を解除し、パケタイズされたEthernetフレームを順に結合して復元する送受信方式を採用したのである。
このような構成を採用することにより、送信側で、動画用ストリーミングパケットの圧縮フレームに埋め込まれる映像や音声データに換えて、前記フレームのペイロード長に合わせてEthernetフレームを細分化(パケタイズ)し埋め込んで送信する。このようにストリーミングのパケットにカプセル化して送信するので、NAT機能を有したネットワーク、プロキシィサーバやファイヤーウォールを通過してVPNを確立できる。また、プロトコルをTCP以外にしたので輻輳制御の影響を受けなくできる。一方、受信側では、ストリーミング処理として受信したパケットからパケットの正確性や欠落したパケットの検証を行なったのち、IPヘッダを取り外してカプセル化を解除し、パケタイズしたEthernetフレームを順序通りに結合して復元する。このとき、パケットの結合順は、例えば、送信時のタイムスタンプに基づいて行なうようにすればよい。また、欠落したパケットが見つかった場合は、そのパケットを再送するようにすれば良い。このように特殊なプロトコルを使用せずにEthernetフレームの送受信ができる。
このとき、ネットワークを介して接続された端末間の送信側で、テレビ電話の動画用ストリーミングのIPパケットのペイロード長に基づいてEthernetフレームをパケタイズし、そのパケタイズしたEthernetフレームを前記ストリーミングのIPパケットのヘッダでカプセル化して順に送信し、一方、受信側では、受信した伝送パケットのIPヘッダを取り外してカプセル化を解除し、パケタイズしたEthernetフレームを順に結合して復元する構成を採用することができる。
このような構成を採用することにより、テレビ電話サービスを使用してEthernetフレームを送受信する際、地域IP網(電話局間を結ぶバックボーンのIPネットワーク)を使用するので、伝送品質やセキュリティが保証される。
また、このとき、送信側処理手段と受信側処理手段とからなり、送信側処理手段は、Ethernetフレームを取得する第1のEthernetフレーム処理手段と、前記処理手段で取得したEthernetフレームを動画用ストリーミングパケットの圧縮フレームのペイロード長に基づいてパケタイズする第1の画像圧縮パケット処理手段と、前記パケタイズしたEthernetフレームを動画用ストリーミングのIPヘッダでカプセル化して送信用IPパケットを生成する第1のIPパケット処理手段を備え、一方、受信用処理手段は、受信したパケットのIPパケットからIPヘッダを取り外し、パケタイズされたパケットを取り出す第2のIPパケット処理手段と、前記取り出したパケタイズされたパケットを結合してEthernetフレームを復元する第2の画像圧縮パケット処理手段と、復元されたEthernetフレームのチェックを行なう第2のEthernetフレーム処理手段を備え、ネットワークを介して接続される端末とその端末と回線の終端装置の間に配置して、動画用ストリーミングでもってEthernetフレーム送受信を行なう構成を採用することができる。
このような構成を採用することにより、Ethernetフレームを送受信処理手段の第1のEthernetフレーム処理手段へ入力すると、入力したEthernetフレームを第1の画像圧縮パケット処理手段が送信用パケットの圧縮フレームのペイロード長に基づいてパケタイズする。パケタイズしたEthernetフレームは、第1のIPパケット処理手段が送信用IPヘッダでカプセル化して送信用IPパケットを生成し送信する。一方、送受信用処理手段の受信用処理手段は、受信したIPパケットからIPヘッダを取り外すと第2のIPパケット処理手段が、ヘッダを取り外した圧縮フレームからパケタイズされたパケットを取り出す。すると、取り出されたパケットを第2の画像圧縮パケット処理手段が結合してEthernetフレームを復元する。復元したEthernetフレームは、第2のEthernetフレーム処理手段がチェックを行なって送出する。
また、このとき、上記動画用ストリーミングに換えて、テレビ電話の動画ストリーミングとし、終端装置とテレビ電話端末間に配置して、テレビ電話の動画用ストリーミングでもってEthernetフレーム受信を行なう構成を採用することもできる。
このような構成を採用することにより、テレビ電話サービスでもってEthernetフレームの送受信ができる。
また、送信側処理手段と受信側処理手段とで構成され、ネットワークを介して接続される端末とその端末と回線の終端装置の間に設けられ、動画用ストリーミングでもってEthernetフレームの送受信を行なう送受信装置の前記送信側処理手段が、Ethernetフレームを取得すると、その取得したEthernetフレームを動画用ストリーミングパケットの圧縮フレームのペイロード長に基づいてパケタイズするステップと、パケタイズしたEthernetフレームを動画用ストリーミングのIPヘッダでカプセル化して送信パケットを生成して送信するステップを有し、一方、受信側処理手段は、IPパケットを受信すると、前記IPパケットを分解しIPヘッダをパケットから取り出すステップと、取り出したパケットを結合してEthernetフレームを生成するステップを有する構成を採用することができる。
このような構成を採用することにより、Ethernetフレームをストリーミングパケットにカプセル化して送受信することができる。
また、送信側処理手段と受信側処理手段とで構成され、ネットワークを介して接続される端末と、その端末と回線の終端装置の間に設けられ、テレビ電話の動画用ストリーミングでもってEthernetフレームの送受信を行なう送受信装置の前記送信側処理手段が、Ethernetフレームを取得すると、その取得したEthernetフレームを動画用ストリーミングパケットの圧縮フレームのペイロード長に基づいてパケタイズするステップと、パケタイズしたEthernetフレームをテレビ電話の動画用ストリーミングのIPヘッダでカプセル化し送信パケットを生成して送信するステップを有し、一方、受信側処理手段は、IPパケットを受信すると、前記IPパケットを分解してIPヘッダをパケットから取り出すステップと、取り出したパケットを結合してEthernetフレームを生成するステップを有する構成を採用することができる。
このような構成を採用することにより、Ethernetフレームの送受信をテレビ電話サービスの使用によって行なうことができる。
この発明は、以上のように構成したことにより、既存のテレビ電話サービスを用いて、Ethernetフレームを送受信することができる。その結果、既存のサービスを利用するので、例えば、管理や手間の掛かる共有ネットワークを形成してVPN網を構築するより安価で利便性が高く、個人や中小企業で使用することもできる。また、テレビ電話サービスを利用するので、データ転送速度を速くできる。さらに、テレビ電話サービスの地域IP網を利用することで、通信品質やセキュリティも高くできる。
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
この形態のEthernetフレームの送受信システムは、図1の模式図に示すように、IPネットワーク1を介して接続された端末2、2´と回線終端装置3との間に、送受信変換装置4を配置した構成となっている。
送受信変換装置4は、図2に示すように、2つの回線制御手段5を有し、送受信用処理手段6と内部メモリ7を備えた構成となっている。
2つの回線制御手段5は、回線制御機能を有する接続手段(例えば、物理層のLANポート)で、一方をネットワーク1に接続し、他方を端末2、2´に接続する。
送受信用処理装置6は、送信側に、第1のEthernetフレーム処理手段8、第1の画像圧縮処理手段9、第1のIPパケット処理手段10を備え、受信側に、第2のIPパケット処理手段13、第2の画像圧縮処理手段12、第2のEthernetフレーム処理手段11を備えた構成となっている。
送信側の第1のEthernetフレーム処理手段8は、回線制御手段5から入力したEthernet信号からEthernetフレームを取得するものである。また、第1の画像圧縮処理手段9は、前記Ethernetフレーム処理手段8で取得したEthernetフレームを動画(音声含む)の送信用パケットの圧縮フレームのペイロード長に基づいてパケタイズする。そして、第1のIPパケット処理手段10は、前記第1の画像圧縮パケット処理手段9がパケタイズしたEthernetフレームを動画用のIPヘッダでカプセル化してIPパケットを生成する。生成したIPパケットは回線制御手段5を介してネットワーク1へ送出する。
受信側の第2のIPパケット処理手段13は、回線制御手段5で受信したIPパケットからIPヘッダを取り外し、パケタイズされたパケットを取り出す。第2の画像圧縮処理手段12は、前記取り出されたパケット(パケタイズされたもの)を結合してEthernetフレームを復元する。そして、第2のEthernetフレーム処理手段11が、復元されたEthernetフレームのチェックを行なって、回線制御手段5から端末2、2´へ送出する。
内部メモリ7は、パケタイズ処理あるいはデパケタイズ(パケット分解)処理のための空き容量を有するとともに、自身のMACや送信相手先のMACアドレスなどの設定情報を記憶するようになっている。
この形態は上記のように構成されており、次に、図1のようにIPネットワーク1を介して接続された送受信変換装置4の動作を説明することにより、本願の送受信方式を説明するのであるが、本願についての理解を容易にするため、まず、本形態で使用する動画用ストリーミングのフォーマットについて説明し、次に、Ethernetフレームについて説明する。さらに、動画フォーマットについても説明する。
図3のように、動画用ストリーミング20は、RTP(Real−time Transport Protocol)を使ったもので、UDP(User Datagram Protocol)と組み合わせて使用する。RTPは、リアルタイムデータを運ぶためのRTPヘッダと、データを格納するRTPペイロードで構成され、RTPペイロードは、運ぶ動画フォーマット(例えば、H.261、H.262(MPEG−2)、H.263、H.264)ごとに定義されるものである。一方、UDPは、トランスポート層に位置するコネクションレス型のプロトコルで、通信が確立しているかを確認する機能やデータの再送信の機能が省かれており、信頼性の確保を行なわない分だけ処理が速く、トラフィック軽減の効果もある。これらは、宛先であるIPヘッダを付加して送信される。
次に、図4に示すように、Ethernetフレーム21は、概ね、プリアンブル(図4ではEthernetヘッダ)、宛先アドレス(同IPヘッダ)、送信元アドレス(同TCPヘッダ)、データフィールド、FCSフィールドで構成されている。プリアンブルは、フレーム送信の開始を認識させるためのもので、宛先アドレスは、宛先となるインターフェイスのMACアドレスを設定するためのものである。また、送信元アドレスは、フレームを送信したインターフェイスのMACアドレスを設定するためのもので、データフィールドは、データを格納し、FCSフィールドは、エラー検出のためのCRCを設定するためのものである。
また、動画は、先にも述べたが、ITU−T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)、ISO/IEC(国際標準化機構/国際電気標準会議合同技術委員会1専門部会29。ISO)において標準化されている規格、H.261、H.262(MPEG−2)、H.263、H.264などを使用する(図5に一覧を示す)。
例えば、MPEG−2を多重化した伝送用の規格であるMPEG−2システムのフォーマットの場合は、PS(MPEG−2プログラムストリーム)とTS(MPEG−2のトランスポートストリーム)の二種類が用いられる。また、符号化された画像・音声のそれぞれをES(エレメンタリーストリーム)とし、画像ESまたは音声ESを適当な大きさに分割してパケット化したものをPES(パケタイズドエレメンタリーストリーム)とする。このPESを多重化し、伝送または蓄積する形式については、PS(プログラムストリーム)とTS(トランスポートストリーム)の2種類が定義されている。
PSは、単一のプログラムをエラーの可能性の低い環境で取り扱うことを想定した形式で、複数のPESパケットを連結し、先頭にパックヘッダを付与したものをパックと呼び、この複数のパックを連結したものがPS(プログラムストリーム)である。
TSは、同時に1つ以上のプログラムをエラーが発生しうる環境で取り扱うことを想定した形式で、TSにおいては、PESパケットをトランスポートパケットと呼ばれる固定長のパケットへ分割する。このトランスポートパケットの連続がTS(トランスポートストリーム)である。
そのため、ここでは、まず、PSを用いた場合について述べる。送信の際は、送受信変換装置4は、図6(a)の「送信」の(1)〜(4)の各ステップによる処理を実行する。まず、図6(b)の(i)のように、送信するEthernetデータを、図6(b)の(ii)に示すようにPESパケットのペイロード長に合わせて順次パケット化する。パケット化したPESは分解し、図6(b)の(iii)のように、PSパック・パケット化して、IPヘッダでカプセル化する。そして、図6(b)の(iv)のように、順次ネットワークへ送信する。その際、パケットには、動画のストリーミングと同様にタイムスタンプがヘッダに付記されることは当然である。
このように送信されたパケットは、ストリーミングパケットのUDP(TCPと異なる)プロトコルでカプセル化してあるので、輻輳に制限を受けることなくデータを転送できる。また、軽量なプロトコルでカプセル化したことにより、転送速度も速くなる。
一方、ネットワークを介した受信先では、前記変換装置4が、送信時と逆の手順で、Ethernetフレームを復元する。すなわち、図6(a)の「受信」の(1)〜(4)に示すステップによる処理を実行することによりEthernetフレームを復元する。まず、図6(b)の(iv)のように、IPパケットを受信すると、IPパケットを分解し、図6(b)の(iii)のように、IPヘッダをPSパケットから取り外し、取り出したPSパケットを、図6(b)の(ii)のように、一度PESパケット化して、タイムスタンプ順に結合することによりEthernetフレームを復元する。このとき、エラーチェックを行なって、欠落したパケットが見つかった場合は、そのパケットを、例えば一つの方法として、再送するようにすれば、Ethernetフレームの復元に支障は生じない。
このように、Ethernetフレームを復元できるので、NAT機能を有したネットワーク、プロキシィサーバやファイヤーウォールを通過し、ネッワーク1を介してEthernetフレーム21を送受信できる。
図7(a)、(b)にMPEG−2のTSを使って送信する場合を示す。この場合、パケットは先述したように固定長となるので、それに合わせてカプセル化する。他の構成及び作用効果はプログラムストリームPSの場合と同じなので、図6(a)、(b)と同符号を付して説明を省略する。
実施例1は、本願の応用例の一つを示すもので、図8のように、テレビ電話サービスまたはテレビ会議サービスなどの動画用ストリーミングを使用する回線に、本願の送受信方式や装置4を適用しようとするものである。
具体的には、テレビ電話サービスやテレビ会議サービスに使用するパソコンあるいはテレビ電話端末15などに接続した地域IP網やIPv6網に、回線終端装置(例えば、ONUやCTUなど)3を介して本願の送受信変換装置4を接続し、その変換装置4にパソコンなどの端末2a、2bを接続してEthernetフレームを送受信するようにしたものである。なお、図8では、前記変換装置4に単独のパソコン2a、2b同士を接続したものを示したが、これに限定されるものではない。例えば、パソコン2a、2bに換えて複数のパソコンで構成されるLANを接続しても良い。
また、テレビ電話サービスでは、図9(a)の(i)〜(iv)に示すようなH.263動画圧縮方式を使用しているが、実施形態の場合と同様にカプセル化することができる。
すなわち、「送信」の際は、図9(b)の(i)のように、Ethernetフレームを、図9(b)の(ii)のように、1パケット分のデータに分割して、図9(b)の(iii)のように、動画ストリーミングのIPパケット化し、図9(b)の(iv)のように、カプセル化して順次送信する。一方、「受信」の際には、図9(b)の(iv)のように、受信したIPパケットから、図9(b)の(iii)のように、1パケット分のデータを取り出し、取り出したデータを結合してEthernetフレームを復元するのである。
ところで、テレビ電話サービスあるいはテレビ会議サービスでは、図8に示すように、SIPサーバ(Session Initiation Protocol)22を設けてテレビ電話サービスのセッション開始を管理するようにしており、まず、接続先の端末と送受信変換装置4がテレビ電話回線に接続されているかの確認作業を行なう必要がある。その後、ダイヤルによる相手先への接続作業が必要である。
ダイヤルは、例えば、図10に示すように、送信側の端末2から送受信変換装置4へダイヤルすると、前記変換装置4がダイヤル接続する方法と、送信側の端末2から送受信変換装置4を介してEthernetフレームを相手先へ送信して接続する自動発呼がある。ダイヤル接続には、送受信変換装置4が一度だけ接続を行なう直接接続(パターン1)と再ダイヤル(パターン2)の2種類あり、自動発呼は、発呼の元となるパケットを指定することで、そのパケットを受信すると発呼するようにしたものである(パターン3)。このように、ダイヤルには、3つのパターンが考えられ、このようなダイヤリング機能を送受信変換装置4は有するのである。さらに、送受信変換装置4にあらかじめconfig(環境設定ファイル)等で設定しておき、前記装置4が起動した時にダイヤル発呼をするという方法や送受信変換装置4にダイヤルボタンを設け、そのボタンをプッシュし発呼するという方法も考えられる。
いずれかのダイヤルにより、接続が確立すると、送信側の端末2と送信側の変換装置4は、相手先の受信側の変換装置4と受信側の端末2´間で、例えば図11に示すようなシーケンスで、Ethernetフレームの送信を行なう。
すなわち、送信側の端末2へ送信側の送受信変換装置4がMACアドレスを要求すると、送信側の端末がMACアドレスを返す。一方、相手先の受信側の送受信変換装置4も受信側の端末2´にMACアドレスを要求し取得する。取得したMACアドレスは、送信側と受信側の送受信変換装置間4、4でやり取りする。このようなネゴシエーションが終了すると、送信側の端末2aから送信側の送受信変換装置4へEthernetフレームが送出されるので、前記変換装置4は、実施形態で述べた図6のものと同様の送信方式によって、IPパケット化でカプセル化したEthernetフレームを受信側へ送信する。このとき、取得した相手先のMACアドレスをIPパケットのヘッダに付与することで、MACアドレスの一致する受信側の端末2bへ直接伝送することができる。
一方、受信側の変換装置4は、IPパケットを受信すると、パケットを結合し、Ethernetフレームを復元して受信側の端末2bへ送出する。
このように、既存のテレビ電話サービスを用いてEthernetフレームを送受信することができるので、オンデマンドVPNとして利用することができる。また、テレビ電話サービスを利用するため、電話サービスと比較するとデータ転送速度が速い。さらに、既存のテレビ電話サービスの回線を利用し、接続には電話と同じでダイヤルして接続するので、利用者にとってテレビ電話サービスと同様の利用法で使用できるため利便性も高く、ダイヤル番号も電話会社が管理するので、伝送品質やセキュリティ性能も高い。
実施例2は、テレビ会議回線を使用して本願で多地点接続を行なう概念図を示したものである。
すなわち、ネットワークを介して接続されたテレビ会議用の端末2〜2cごとに送受信装置4を配置する。このとき、送受信は端末ごとのIPアドレスとMACアドレスが取得できれば良い。その際、本願は、Ethernetフレームをストリーミングフレームでカプセル化したものなので、本来、多地点接続に対応しているが、図12から分かるように、受信したEthernetフレームを折り返し転送する機能があれば、図12の矢印に示すような相互のやり取りができるので好ましい。
この発明は、Ethernetフレームをカプセル化してネットワーク上をやり取りできるので、セキュリティ性も高い。そのため、VPN(Virtual Private Network)として十分に使用できると考えられる。
1 ネットワーク
2、2´、2a、2b、2c 端末
3 回線終端装置
4 送受信変換装置
8 第1のEthernetフレーム処理手段
9 第1の画像圧縮処理手段
10 第1のIPパケット処理手段
11 第2のEthernetフレーム処理手段
12 第2の画像圧縮処理手段
13 第2のIPパケット処理手段
2、2´、2a、2b、2c 端末
3 回線終端装置
4 送受信変換装置
8 第1のEthernetフレーム処理手段
9 第1の画像圧縮処理手段
10 第1のIPパケット処理手段
11 第2のEthernetフレーム処理手段
12 第2の画像圧縮処理手段
13 第2のIPパケット処理手段
Claims (6)
- ネットワークを介して接続された端末間の送信側で、動画用ストリーミングパケットのIPパケットのペイロード長に基づいて、送信データのEthernet(登録商標)フレームをパケタイズし、そのパケタイズしたEthernetフレームを前記ストリーミングのIPパケットのヘッダでカプセル化して送信し、
一方、受信側ではIPパケットを受信すると、IPヘッダを取り外してカプセル化を解除し、パケタイズされたEthernetフレームを順に結合して復元するEthernetフレームの送受信方式。 - ネットワークを介して接続された端末間の送信側で、テレビ電話の動画用ストリーミングのIPパケットのペイロード長に基づいてEthernetフレームをパケタイズし、そのパケタイズしたEthernetフレームを前記ストリーミングのIPパケットのヘッダでカプセル化して順に送信し、
一方、受信側では、受信した伝送パケットのIPヘッダを取り外してカプセル化を解除し、パケタイズしたEthernetフレームを順に結合して復元するEthernetフレームの送受信方式。 - 送信側処理手段と受信側処理手段とからなり、
送信側処理手段は、Ethernetフレームを取得する第1のEthernetフレーム処理手段と、前記処理手段で取得したEthernetフレームを動画用ストリーミングパケットの圧縮フレームのペイロード長に基づいてパケタイズする第1の画像圧縮パケット処理手段と、前記パケタイズしたEthernetフレームを動画用ストリーミングのIPヘッダでカプセル化して送信用IPパケットを生成する第1のIPパケット処理手段を備え、
一方、受信用処理手段は、受信したパケットのIPパケットからIPヘッダを取り外し、パケタイズされたパケットを取り出す第2のIPパケット処理手段と、前記取り出したパケタイズされたパケットを結合してEthernetフレームを復元する第2の画像圧縮パケット処理手段と、復元されたEthernetフレームのチェックを行なう第2のEthernetフレーム処理手段を備え、
ネットワークを介して接続される端末とその端末と回線の終端装置の間に配置して、動画用ストリーミングでもってEthernetフレーム送受信を行なうEthernetフレームの送受信変換装置。 - 上記動画用ストリーミングに換えて、テレビ電話の動画ストリーミングとし、テレビ電話の動画用ストリーミングでもってEthernetフレーム受信を行なう請求項3に記載のEthernetフレームの送受信変換装置。
- 上記請求項3に記載の送信側処理手段が、Ethernetフレームを取得すると、その取得したEthernetフレームを動画用ストリーミングパケットの圧縮フレームのペイロード長に基づいてパケタイズするステップと、そのパケタイズしたEthernetフレームを動画用ストリーミングのIPヘッダでカプセル化して送信パケットを生成して送信するステップを有し、
一方、受信側処理手段は、IPパケットを受信すると、前記IPパケットを分解してIPヘッダをパケットから取り出すステップと、取り出したパケットを結合してEthernetフレームを生成するステップを有して、動画用ストリーミングでもってEthernetフレームの送受信を行なうEthernetフレームの送受信装置の制御プログラム。 - 上記請求項4記載の送信側処理手段が、取得したEthernetフレームを動画用ストリーミングパケットの圧縮フレームのペイロード長に基づいてパケタイズするステップと、パケタイズしたEthernetフレームをテレビ電話の動画用ストリーミングのIPヘッダでカプセル化して送信パケットを生成して送信するステップを有し、
一方、受信側処理手段は、IPパケットを受信すると、前記IPパケットを分解してIPヘッダをパケットから取り出すステップと、取り出したパケットを結合してEthernetフレームを生成するステップを有し、テレビ電話の動画用ストリーミングでもってEthernetフレームの送受信を行なうEthernetフレームの送受信装置の制御プログラム。
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Family Applications (1)
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JP2007088251A Pending JP2008252263A (ja) | 2007-03-29 | 2007-03-29 | Ethernetフレームの送受信方式とその送受信変換装置 |
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Cited By (1)
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CN112586032A (zh) * | 2018-11-15 | 2021-03-30 | Oppo广东移动通信有限公司 | 无线通信的方法和通信设备 |
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-
2007
- 2007-03-29 JP JP2007088251A patent/JP2008252263A/ja active Pending
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