JP2008249458A - 熱変性スギ花粉アレルゲンを検出および定量するためのelisa法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱処理によって変性したスギ花粉アレルゲン(CryJ1)を検出および定量しうるELISA法を提供する。
【解決手段】CryJ1のN末端配列を抗原として作成された抗CryJ1モノクローナル抗体026または精製CryJ1を抗原として作成された抗CryJ1ポリクローナル抗体のいずれかを用いる単抗体ELISA法およびこれら抗体の両方を用いるサンドイッチELISA法により上記課題が解決される。
【選択図】なし
【解決手段】CryJ1のN末端配列を抗原として作成された抗CryJ1モノクローナル抗体026または精製CryJ1を抗原として作成された抗CryJ1ポリクローナル抗体のいずれかを用いる単抗体ELISA法およびこれら抗体の両方を用いるサンドイッチELISA法により上記課題が解決される。
【選択図】なし
Description
本発明は、熱処理によって変性したスギ花粉アレルゲン(CryJ1)を検出および定量するためのELISA法に関する。
近年、カビ、アレルゲン、ウイルス等の生理活性を有する粒子を不活性化する付加機能をもつ家電用空調機器が開発されてきており、搭載されている除菌ユニットの除菌効果を定量的に評価する必要性が生じている。
本発明者は、特に除菌ユニットの除アレルゲン性能の評価方法として、スギ花粉アレルゲンCryJ1の酵素免疫抗体法(ELISA)による検出法を検討した。
本発明者は、特に除菌ユニットの除アレルゲン性能の評価方法として、スギ花粉アレルゲンCryJ1の酵素免疫抗体法(ELISA)による検出法を検討した。
CryJ1の高感度検出法として、抗CryJ1モノクローナル抗体によるELISA法が既に知られている。
単抗体ELISA法によれば、次のようにしてCryJ1を検出する:(1)CryJ1を含む溶液をマイクロプレートの各穴に加えてCryJ1をプレートに固定し、(2)プレートの洗浄後、抗CryJ1抗体の溶液を加えて反応させ、(3)プレートの洗浄後、酵素標識抗マウスIgG抗体の溶液を加えて反応させ、(4)プレートの洗浄後、基質溶液を加えて静置し、そして(5)反応を停止させて吸光度を測定する。
単抗体ELISA法によれば、次のようにしてCryJ1を検出する:(1)CryJ1を含む溶液をマイクロプレートの各穴に加えてCryJ1をプレートに固定し、(2)プレートの洗浄後、抗CryJ1抗体の溶液を加えて反応させ、(3)プレートの洗浄後、酵素標識抗マウスIgG抗体の溶液を加えて反応させ、(4)プレートの洗浄後、基質溶液を加えて静置し、そして(5)反応を停止させて吸光度を測定する。
サンドイッチELISA法によれば、次のようにしてCryJ1を検出する:(1)固相用の第1の抗CryJ1抗体の溶液をマイクロプレートの各穴に加えて該抗体をプレートに固定し、(2)プレートの洗浄後、CryJ1を含む溶液を加えて反応させ、(3)プレートの洗浄後、酵素標識した第2の抗CryJ1抗体の溶液を加えて反応させ、(4)プレートの洗浄後、基質溶液を加えて静置し、そして(5)反応を停止させて吸光度を測定する。
しかし、除菌ユニットによる除アレルゲンメカニズムには、フィルターによる濾過の他に、空気イオンによるもの、ラジカルによるもの、熱や乾燥によるものなど様々であり、このような方法により変性あるいは分解したスギ花粉アレルゲン(CryJ1)が、ELISA法によって適切に評価できるかどうかは不明である。そこで、本発明者は、熱処理によって変性したCryJ1のELISAによる評価方法について検討し、該変性CryJ1を検出および定量しうるELISA法を構築しようとした。
本発明者は、種々検討した結果、CryJ1のN末端配列を抗原として作成された抗CryJ1モノクローナル抗体026(mAb026)および精製CryJ1を抗原として作成された抗CryJ1ポリクローナル抗体(pAb)が、熱処理によって変性したCryJ1と結合し、これらの抗体を用いて、該変性CryJ1を検出および定量しうるELISA法を構築できることを見い出した。
即ち、本発明は、熱処理によって変性したスギ花粉アレルゲン(CryJ1)を検出および定量するためのELISA法であって、mAb026またはpAbのいずれかを用いることを特徴とする単抗体ELISA法を提供するものである。
また、本発明は、熱処理によって変性したスギ花粉アレルゲン(CryJ1)を検出および定量するためのELISA法であって、mAb026およびpAbの両方を用いることを特徴とするサンドイッチELISA法を提供するものである。
また、本発明は、熱処理によって変性したスギ花粉アレルゲン(CryJ1)を検出および定量するためのELISA法であって、mAb026およびpAbの両方を用いることを特徴とするサンドイッチELISA法を提供するものである。
1.未変性CryJ1溶液の調製
精製スギ花粉抗原(株式会社林原生物化学研究所;コード HBL-C-1)をPBSに目的濃度になるように溶解し、この溶液を未変性CryJ1溶液とした。
精製スギ花粉抗原(株式会社林原生物化学研究所;コード HBL-C-1)をPBSに目的濃度になるように溶解し、この溶液を未変性CryJ1溶液とした。
2.未変性CryJ1のサンドイッチELISAによる分析
固相用抗体(mAb013)をPBSで10μg/mlとなるように希釈した。この希釈溶液を、96穴マイクロプレートの各穴に100μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で2時間静置した。次いで、固相抗体溶液を除去し、ブロッキング緩衝液(StartingBlock Blocking Buffers;PIERCE社製)を各穴に300μlずつ加え、10秒後にプレートからブロッキング緩衝液を除去した。試料溶液(各濃度に調整した未変性CryJ1溶液)および対照溶液(PBS-Tween)を各穴に100μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で2時間静置した。次いで、試料溶液および対照溶液を除去し、各穴をTween-20含有PBS(250μl)で3回洗浄した。HRP標識抗体(mAb053)をPBS-Tweenで1,000倍希釈し、各穴に100μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で2時間静置した。次いで、HRP標識抗体溶液を除去し、各穴を0.1%Tween-20含有PBSで3回洗浄した。基質溶液[10mgのオルトフェニレンジアミンを30mlの100mMクエン酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)に溶解させ、25μlの過酸化水素水を加えて調製した溶液]を各穴に100μlずつ加え、5分間静置した。次いで、各穴に2N硫酸を100μlずつ加え、30分以内に吸光度(492nm)を測定した。
この分析の結果を図1に示す。図1から、2種類の抗CryJ1モノクローナル抗体によるサンドイッチELISAの検出感度は、約1ng/mlであることがわかる。
固相用抗体(mAb013)をPBSで10μg/mlとなるように希釈した。この希釈溶液を、96穴マイクロプレートの各穴に100μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で2時間静置した。次いで、固相抗体溶液を除去し、ブロッキング緩衝液(StartingBlock Blocking Buffers;PIERCE社製)を各穴に300μlずつ加え、10秒後にプレートからブロッキング緩衝液を除去した。試料溶液(各濃度に調整した未変性CryJ1溶液)および対照溶液(PBS-Tween)を各穴に100μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で2時間静置した。次いで、試料溶液および対照溶液を除去し、各穴をTween-20含有PBS(250μl)で3回洗浄した。HRP標識抗体(mAb053)をPBS-Tweenで1,000倍希釈し、各穴に100μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で2時間静置した。次いで、HRP標識抗体溶液を除去し、各穴を0.1%Tween-20含有PBSで3回洗浄した。基質溶液[10mgのオルトフェニレンジアミンを30mlの100mMクエン酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)に溶解させ、25μlの過酸化水素水を加えて調製した溶液]を各穴に100μlずつ加え、5分間静置した。次いで、各穴に2N硫酸を100μlずつ加え、30分以内に吸光度(492nm)を測定した。
この分析の結果を図1に示す。図1から、2種類の抗CryJ1モノクローナル抗体によるサンドイッチELISAの検出感度は、約1ng/mlであることがわかる。
3.熱変性CryJ1溶液の調製
ガラスチューブ(口径10mm)にスギ花粉(0.1g)を入れ、シリコン栓で蓋をし、ボルテックスで撹拌し、スギ花粉をガラス表面に均一に吸着させた。このガラスチューブをオーブンに入れ、一定温度で一定時間にわたり熱処理した。0.125M NaHCO3(1ml)を加えて熱処理を停止し、氷冷した。この0.125M NaHCO3溶液を1.5mlエッペンドルフチューブに移し、シェーカーを用いて4℃で1時間撹拌した。次に、10,000xgで10分間遠心し、未溶解の花粉を沈殿させ、得られた上清を熱変性CryJ1溶液とした。
ガラスチューブ(口径10mm)にスギ花粉(0.1g)を入れ、シリコン栓で蓋をし、ボルテックスで撹拌し、スギ花粉をガラス表面に均一に吸着させた。このガラスチューブをオーブンに入れ、一定温度で一定時間にわたり熱処理した。0.125M NaHCO3(1ml)を加えて熱処理を停止し、氷冷した。この0.125M NaHCO3溶液を1.5mlエッペンドルフチューブに移し、シェーカーを用いて4℃で1時間撹拌した。次に、10,000xgで10分間遠心し、未溶解の花粉を沈殿させ、得られた上清を熱変性CryJ1溶液とした。
4.熱変性CryJ1のサンドイッチELISAによる分析
未変性CryJ1溶液の代わりに、100℃で30秒、1分、3分、5分、10分、30分、1時間にわたり熱処理することによって得た熱変性CryJ1溶液を用いたことを除き、mAb013およびmAb053を用いて上記2と同様の分析を行った。
この分析の結果を図2に示す。図2から、CryJ1を100℃で3分以上にわたり熱処理したときには、CryJ1の抗原活性は著しく低下することがわかる。
未変性CryJ1溶液の代わりに、100℃で30秒、1分、3分、5分、10分、30分、1時間にわたり熱処理することによって得た熱変性CryJ1溶液を用いたことを除き、mAb013およびmAb053を用いて上記2と同様の分析を行った。
この分析の結果を図2に示す。図2から、CryJ1を100℃で3分以上にわたり熱処理したときには、CryJ1の抗原活性は著しく低下することがわかる。
5.熱変性CryJ1のSDS-PAGEによる分析
100℃で30秒、1分、3分、5分、10分、30分、1時間にわたり熱処理することによって得た熱変性CryJ1溶液を、SDS-PAGEで分析した。
この分析の結果を図3に示す。図3において各レーンは次のように対応する:レーン1:熱処理なし、レーン2:30秒間処理、レーン3:1分間処理、レーン4:3分間処理、レーン5:5分間処理、レーン6:10分間処理、レーン7:30分間処理、レーン8:1時間処理。図3から明らかなように、CryJ1に対応するタンパク質が全てのレーンにおいて観察され、CryJ1は、100℃で1時間までの熱処理によって分解されないことがわかる。
即ち、上記4の結果と合わせると、CryJ1は、熱変性により抗原活性を失うが、タンパク質は残存しており、mAb013およびmAb053を用いるサンドイッチELISAによっては、熱処理によるアレルゲン除去の評価を正確に行うことができないことを示す。
100℃で30秒、1分、3分、5分、10分、30分、1時間にわたり熱処理することによって得た熱変性CryJ1溶液を、SDS-PAGEで分析した。
この分析の結果を図3に示す。図3において各レーンは次のように対応する:レーン1:熱処理なし、レーン2:30秒間処理、レーン3:1分間処理、レーン4:3分間処理、レーン5:5分間処理、レーン6:10分間処理、レーン7:30分間処理、レーン8:1時間処理。図3から明らかなように、CryJ1に対応するタンパク質が全てのレーンにおいて観察され、CryJ1は、100℃で1時間までの熱処理によって分解されないことがわかる。
即ち、上記4の結果と合わせると、CryJ1は、熱変性により抗原活性を失うが、タンパク質は残存しており、mAb013およびmAb053を用いるサンドイッチELISAによっては、熱処理によるアレルゲン除去の評価を正確に行うことができないことを示す。
実施例1:熱変性CryJ1を認識できる抗体の検索
現在入手可能な4種類の抗CryJ1抗体について、単抗体ELISAにより抗体の結合性を比較した。
未変性および熱変性CryJ1溶液を、96穴マイクロプレートの各穴に50μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で2時間もしくは4℃で終夜静置した。次いで、CryJ1溶液を除去し、0.1%Tween-20含有PBSで3回洗浄し、0.1%Tween-20含有PBSを各穴に200μlずつ加え、30分間静置した。0.1%Tween-20含有PBSを除去し、抗体溶液(mAb053、mAb013、mAb026およびpAbをPBS-Tweenで10μg/mlとなるように希釈)を各穴に50μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で4時間もしくは4℃で終夜静置した。次いで、抗体溶液を除去し、各穴を0.1%Tween-20含有PBSで3回洗浄した。HRP標識抗マウスIgG抗体を0.1%BSA含有PBSで1,000倍希釈し、各穴に50μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で4時間もしくは4℃で終夜静置した。次いで、抗体溶液を除去し、各穴を0.1%Tween-20含有PBSで3回洗浄した。上記基質溶液を各穴に200μlずつ加え、30〜40分間静置した。次いで、各穴に2N硫酸を50μlずつ加え、30分以内に吸光度(492nm)を測定した。
この分析の結果を図4A〜Dに示す。図4A〜Dから、現在入手可能な4種類の抗CryJ1抗体のうち、mAb026およびpAbは熱変性CryJ1を認識できることがわかる。
現在入手可能な4種類の抗CryJ1抗体について、単抗体ELISAにより抗体の結合性を比較した。
未変性および熱変性CryJ1溶液を、96穴マイクロプレートの各穴に50μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で2時間もしくは4℃で終夜静置した。次いで、CryJ1溶液を除去し、0.1%Tween-20含有PBSで3回洗浄し、0.1%Tween-20含有PBSを各穴に200μlずつ加え、30分間静置した。0.1%Tween-20含有PBSを除去し、抗体溶液(mAb053、mAb013、mAb026およびpAbをPBS-Tweenで10μg/mlとなるように希釈)を各穴に50μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で4時間もしくは4℃で終夜静置した。次いで、抗体溶液を除去し、各穴を0.1%Tween-20含有PBSで3回洗浄した。HRP標識抗マウスIgG抗体を0.1%BSA含有PBSで1,000倍希釈し、各穴に50μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で4時間もしくは4℃で終夜静置した。次いで、抗体溶液を除去し、各穴を0.1%Tween-20含有PBSで3回洗浄した。上記基質溶液を各穴に200μlずつ加え、30〜40分間静置した。次いで、各穴に2N硫酸を50μlずつ加え、30分以内に吸光度(492nm)を測定した。
この分析の結果を図4A〜Dに示す。図4A〜Dから、現在入手可能な4種類の抗CryJ1抗体のうち、mAb026およびpAbは熱変性CryJ1を認識できることがわかる。
実施例2:熱変性CryJ1の抗原活性の変化
100℃で種々の時間にわたり熱処理したスギ花粉から抽出された熱変性CryJ1の抗原活性の変化を、上記2および実施例1に記載したようなサンドイッチELISAおよび単抗体ELISAによって調べた。サンドイッチELISAにはmAb013/mAb053を用い、単抗体ELISAにはmAb026を用いた。熱変性CryJ1を0.1μg/mlの濃度で使用した。
この分析の結果を図5AおよびBに示す。図5AおよびBから、mAb013/mAb053のCryJ1に対する結合性は、100℃で1分の処理でほぼ失われたが、mAb026は結合性を保持しており、SDS-PAGEの結果とよく一致した。
100℃で種々の時間にわたり熱処理したスギ花粉から抽出された熱変性CryJ1の抗原活性の変化を、上記2および実施例1に記載したようなサンドイッチELISAおよび単抗体ELISAによって調べた。サンドイッチELISAにはmAb013/mAb053を用い、単抗体ELISAにはmAb026を用いた。熱変性CryJ1を0.1μg/mlの濃度で使用した。
この分析の結果を図5AおよびBに示す。図5AおよびBから、mAb013/mAb053のCryJ1に対する結合性は、100℃で1分の処理でほぼ失われたが、mAb026は結合性を保持しており、SDS-PAGEの結果とよく一致した。
実施例3:熱変性CryJ1のサンドイッチELISA(mAb013/mAb053)による分析
種々の温度および時間で熱処理したスギ花粉から抽出された熱変性CryJ1を、mAb013およびmAb053を用いてサンドイッチELISAにより分析した。
この分析の結果を図6に示す。図6から、処理温度が50℃である場合には、抗原活性が比較的長い処理時間にわたり保持されるが、処理温度が100℃、150℃、200℃である場合には、温度が高くなるほど抗原活性は短い処理時間までしか保持されないことがわかる。
種々の温度および時間で熱処理したスギ花粉から抽出された熱変性CryJ1を、mAb013およびmAb053を用いてサンドイッチELISAにより分析した。
この分析の結果を図6に示す。図6から、処理温度が50℃である場合には、抗原活性が比較的長い処理時間にわたり保持されるが、処理温度が100℃、150℃、200℃である場合には、温度が高くなるほど抗原活性は短い処理時間までしか保持されないことがわかる。
実施例4:熱変性CryJ1の単抗体ELISA(pAb)による分析
100℃で種々の時間にわたり熱処理したスギ花粉から抽出された熱変性CryJ1を、pAbを用いて単抗体ELISAにより分析した。
この分析の結果を図7に示す。図7から、pAbを用いた場合には、比較的長い時間にわたり熱処理された熱変性CryJ1であっても検出可能であることがわかる。
100℃で種々の時間にわたり熱処理したスギ花粉から抽出された熱変性CryJ1を、pAbを用いて単抗体ELISAにより分析した。
この分析の結果を図7に示す。図7から、pAbを用いた場合には、比較的長い時間にわたり熱処理された熱変性CryJ1であっても検出可能であることがわかる。
実施例5:熱変性CryJ1の単抗体ELISA(mAb026)による分析
100℃で種々の時間にわたり熱処理したスギ花粉から抽出された熱変性CryJ1を、mAb026を用いて単抗体ELISAにより分析した。
この分析の結果を図8に示す。図8から、mAb026を用いた場合には、100℃で10分未満の熱処理がなされた熱変性CryJ1を検出できることがわかる。
100℃で種々の時間にわたり熱処理したスギ花粉から抽出された熱変性CryJ1を、mAb026を用いて単抗体ELISAにより分析した。
この分析の結果を図8に示す。図8から、mAb026を用いた場合には、100℃で10分未満の熱処理がなされた熱変性CryJ1を検出できることがわかる。
実施例6:熱変性CryJ1の2種類のサンドイッチELISA(mAb013/mAb053およびpAb/mAb026)による分析
60℃および100℃で種々の時間にわたり熱処理したスギ花粉から抽出された熱変性CryJ1を用い、mAb013/mAb053を用いる場合には上記2と同様にして、また、pAb/mAb026を用いる場合には以下のようにして、サンドイッチELISAを行った。
1次抗体(pAb)をPBSで10μg/mlとなるように希釈した。この希釈溶液を、96穴マイクロプレートの各穴に50μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で2時間静置した。次いで、抗体溶液を除去し、ブロッキング緩衝液(StartingBlock Blocking Buffers;PIERCE社製)を各穴に300μlずつ加え、10秒後にプレートからブロッキング緩衝液を除去した。試料溶液(各濃度に調整したCryJ1溶液)および対照溶液(PBS-Tween)を各穴に50μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で1.5時間静置した。次いで、試料溶液および対照溶液を除去し、各穴をTween-20含有PBS(250μl)で3回洗浄した。2次抗体(mAb026)をPBS-Tweenで10μg/mlとなるように希釈し、この希釈溶液を、各穴に50μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で2時間静置した。次いで、抗体溶液を除去し、各穴をTween-20含有PBS(250μl)で3回洗浄した。HRP標識抗マウスIgG抗体をPBS-Tweenで10,000倍希釈し、各穴に50μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で1.5時間静置した。次いで、酵素標識抗体溶液を除去し、各穴を0.1%Tween-20含有PBSで3回洗浄した。上記基質溶液を各穴に100μlずつ加え、5分間静置した。次いで、各穴に2N硫酸を100μlずつ加え、30分以内に吸光度(492nm)を測定した。
この分析の結果を図9AおよびBに示す。図9AおよびBから、pAbとmAb026を組み合わせることにより、熱変性CryJ1を特異的に検出できるサンドイッチELISAを構築できることがわかる。
60℃および100℃で種々の時間にわたり熱処理したスギ花粉から抽出された熱変性CryJ1を用い、mAb013/mAb053を用いる場合には上記2と同様にして、また、pAb/mAb026を用いる場合には以下のようにして、サンドイッチELISAを行った。
1次抗体(pAb)をPBSで10μg/mlとなるように希釈した。この希釈溶液を、96穴マイクロプレートの各穴に50μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で2時間静置した。次いで、抗体溶液を除去し、ブロッキング緩衝液(StartingBlock Blocking Buffers;PIERCE社製)を各穴に300μlずつ加え、10秒後にプレートからブロッキング緩衝液を除去した。試料溶液(各濃度に調整したCryJ1溶液)および対照溶液(PBS-Tween)を各穴に50μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で1.5時間静置した。次いで、試料溶液および対照溶液を除去し、各穴をTween-20含有PBS(250μl)で3回洗浄した。2次抗体(mAb026)をPBS-Tweenで10μg/mlとなるように希釈し、この希釈溶液を、各穴に50μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で2時間静置した。次いで、抗体溶液を除去し、各穴をTween-20含有PBS(250μl)で3回洗浄した。HRP標識抗マウスIgG抗体をPBS-Tweenで10,000倍希釈し、各穴に50μlずつ加え、プレートシールで上面をシールし、室温で1.5時間静置した。次いで、酵素標識抗体溶液を除去し、各穴を0.1%Tween-20含有PBSで3回洗浄した。上記基質溶液を各穴に100μlずつ加え、5分間静置した。次いで、各穴に2N硫酸を100μlずつ加え、30分以内に吸光度(492nm)を測定した。
この分析の結果を図9AおよびBに示す。図9AおよびBから、pAbとmAb026を組み合わせることにより、熱変性CryJ1を特異的に検出できるサンドイッチELISAを構築できることがわかる。
Claims (2)
- 熱処理によって変性したスギ花粉アレルゲン(CryJ1)を検出および定量するためのELISA法であって、CryJ1のN末端配列を抗原として作成された抗CryJ1モノクローナル抗体026または精製CryJ1を抗原として作成された抗CryJ1ポリクローナル抗体のいずれかを用いることを特徴とする単抗体ELISA法。
- 熱処理によって変性したスギ花粉アレルゲン(CryJ1)を検出および定量するためのELISA法であって、CryJ1のN末端配列を抗原として作成された抗CryJ1モノクローナル抗体026および精製CryJ1を抗原として作成された抗CryJ1ポリクローナル抗体の両方を用いることを特徴とするサンドイッチELISA法。
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JP2014214909A (ja) * | 2013-04-23 | 2014-11-17 | 矢崎エナジーシステム株式会社 | ソーラーシステム |
CN106405090A (zh) * | 2015-08-14 | 2017-02-15 | 翁晖 | 一种用于鉴定每品种变应原制剂批间差异的方法 |
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