JP2008246732A - 感熱転写受像シート及びその製造方法 - Google Patents

感熱転写受像シート及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の同時重層塗布方式により作成された感熱転写受像シートの断熱層に由来する上記問題を解消し、高濃度の印画特性を有し画像故障が少ない感熱転写記録用受像シ−トおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】支持体上に中空ポリマーを少なくとも1種含む断熱層を少なくとも1層有し、ポリマーラテックスを少なくとも1種含む受容層を少なくとも1層有する感熱転写受像シートであって、少なくとも2層が同時重層塗布により形成される感熱転写受像シートの製造であるところの、上記塗布液の温度が塗布点の液温より3℃以上高い温度で送液する製造方法で作成した感熱転写受像シートによって優れた画像形成を達成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、感熱転写受像シート及びその製造方法に関し、詳しくは感度が高く画像故障の少ない感熱転写受像シートおよびその製造方法に関する。
従来、種々の熱転写記録方法が知られているが、中でも染料拡散転写記録方式は、銀塩写真の画質に最も近いカラーハードコピーが作製できるプロセスとして注目されている(例えば、非特許文献1及び2参照)。しかも、銀塩写真に比べて、ドライであること、デジタルデータから直接可視像化できる、複製作りが簡単であるなどの利点を持っている。
この染料拡散転写記録方式では、色素を含有する感熱転写シート(以下、インクシートともいう。)と感熱転写受像シート(以下、受像シートともいう。)を重ね合わせ、次いで、電気信号によって発熱が制御されるサーマルヘッドによってインクシートを加熱することでインクシート中の色素を受像シートに転写して画像情報の記録を行うものであり、シアン、マゼンタ、イエローの3色を重ねて記録することで色の濃淡に連続的な変化を有するカラー画像を転写記録することができる。
このような染料拡散転写方式の記録方式においては、良好な画像を得るために受像シートに高い断熱性及びクッション性をもたせることが重要であることが以前より知られている(例えば、非特許文献1及び2参照)。
そこで、断熱性及びクッション性を持たせるために、受像シートの基材として、ミクロボイドを含有する二軸延伸ポリオレフィンフィルムを用いた複合支持体を用いることがある。しかし、この方法では、延伸時の残留応力がプリント時の熱や、受像層塗工時の熱で緩和して収縮し、受像シートにシワやカールが発生する。
受像シートに断熱性及びクッション性を持たせる他の方法が検討されている。例えば、支持体と受容層との間に、樹脂と発泡剤からなる発泡層(例えば特許文献1)を形成する方法、マイクロカプセル状の中空ポリマーと耐有機溶剤性の高分子を主成分として形成する方法(特許文献2)が挙げられる。これらの方法は、基材上に塗布方式にて断熱層を形成させることができるため、前記複合支持体で見られた受像シートにシワやカールの発生が抑えられるという利点はある。しかし、均一で平滑な受像シートを得るのが困難であり、転写不良、白抜け、面荒れ、保護層密着不良などの故障が発生する欠点がある。この解決手段として、シート状基材上に中空粒子を含有する樹脂を主成分として含む中間層を形成するに際し、シート状基材に中間層形成用塗料を塗工後、塗工面をキャストドラムに圧着させて受像シートを形成する方法(特許文献3)も提案されている。しかし、この方法は、十分な平滑性は得られるものの、製造工程が複雑になり生産性の観点で不利を生じる。
このような課題に対し、例えば基材上に断熱層、受容層を有する感熱転写受像シートにおいて、断熱層に中空ポリマーを含有し、かつその中空ポリマー含有率が65質量%以上であって、該断熱層およびそれに隣接する受容層側の層が同時重層塗布により形成された感熱転写受像シートが開示されている(特許文献4)。上記提案されている方法では、十分な断熱効果を得るために粒子の高充填率を確保しなければならず、中空ポリマー比率が高い塗布液になっている。しかしながら、本発明者らが検討した結果、同時重層塗布することで断熱層と、その断熱層に隣接する層の塗布液の混合や、水の移動があり、局所的な粘度変化などの発生から凹凸が発生し、結果として最表面の平滑性に影響して画像故障が生じる場合があった。このような現象は、従来、同時重層塗布されているハロゲン化銀写真感光材料では発生しなかった。それは、嵩高い固形物を高濃度で含有する塗布液を同時重層塗布するという点で技術的に異なっているためで、その問題の解決は困難であった。
一方で、基材上に断熱層、受容層を有する感熱転写受像シートにおいて、断熱層に中空ポリマーを含有し、該断熱層に含まれる中空ポリマー含有率が40質量%以上であって、該受容層が塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体エマルジョンまたは塩化ビニル/アクリル化合物共重合体エマルジョンを用いた感熱転写受像シートが開示されている(特許文献5)。上記提案されている方法では、断熱層と受容層とを逐次塗布で形成している。しかしながら、断熱層は十分な断熱効果を得るべく、高濃度の塗布液を用いて中空ポリマー粒子間の空隙をも利用する程に高い充填率で用いているため、断熱層上に受容層側の層を逐次塗布すると断熱層として一番有効に機能する断熱層の最表面の中空ポリマー粒子間空隙に、受容層側の層の塗布液が浸透してしまい断熱効果を低下させてしまうという問題があった。
このような背景から、同時重層塗布により中空ポリマーの空隙を活かすことで高濃度の印画特性を達成し、さらに重層塗布時の液界面での界面混合による凹凸を解消することで高い平滑性をも実現するような感熱転写受像シートおよびその製造方法が強く望まれていた。塗布時の凹凸を解消する解決方法として、特許文献6には塗布液粘度の温度依存性を規定することにより印画均一性を改良する方法が開示されているが、重層塗布における隣り合った二層の界面混合起因による凹凸の解消について特に記載がない。
上記目的を達成するため鋭意研究の結果、重層塗布時において塗布液の温度を塗布点よりも高温に保つことにより、問題を解決可能であることを見出した。この際、上記中空ポリマーを含む断熱層の塗布液温度を高温に保つことが好ましい。同時重層塗布において塗布点での塗布液温度を低温にすると、より高粘度状態で層間の水の輸送が行われ、局所的な粘度差が大きくなり、層崩れ、面荒れの原因となると推定している。本発明によれば、調液および送液温度を塗布点より高温に保つことにより層間での粘度の影響なく、均一な塗膜を形成できる。
特許第2541796号公報 特許第3226167号公報 特開平5−8572号公報 特開2006−88691号公報 特開2006−264092号公報 特開2006−68918号広報 「情報記録(ハードコピー)とその材料の新展開」,(株)東レリサーチセンター発行,1993年,p.241−285 「プリンター材料の開発」,(株)シーエムシー発行,1995年,p.180
本発明は従来の同時重層塗布方式により作成された感熱転写受像シートの断熱層に由来する上記問題を解消し、高濃度の印画特性を有し画像故障が少ない感熱転写記録用受像シ−トおよびその製造方法を提供するものである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、
支持体上に中空ポリマーを少なくとも1種含む断熱層を少なくとも1層有し、ポリマーラテックスを少なくとも1種含む受容層を少なくとも1層有し、少なくとも2層が同時重層塗布により形成される感熱転写受像シートの製造方法であって、上記塗布液の少なくとも一層の調液及び送液温度が塗布点の液温より3℃以上高い温度で設定することを特徴とした製造方法で作成した感熱転写受像シートによって優れた画像形成を達成されることを見い出した。本発明はこのような知見に基づきなされるに至ったものである。
上記課題は下記の手段により達成された。
(1)支持体上に
中空ポリマーを少なくとも1種含む断熱層を少なくとも1層有し、
ポリマーラテックスを少なくとも1種含む受容層を少なくとも1層有し、
少なくとも2層が同時重層塗布により形成される感熱転写受像シートの製造方法であって、
上記塗布液の温度が塗布点の液温より3℃以上高い温度で設定することを特徴とした製造方法。
(2)該断熱層の調液及び送液温度が塗布点の液温より3℃以上高い温度で設定することを特徴とした(1)に記載の感熱転写受像シート及び製造方法。
(3)該断熱層と該断熱層に隣接する層との固形分濃度の差が5%以上あることを特徴とする(1)又は(2)に記載の感熱転写受像シート及び製造方法。
(4)該断熱層の固形分濃度が15%以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート及び製造方法。
(5)該塗布工程中、全塗布液の総塗布量が150ml/m以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート及び製造方法。
(6)該塗布工程の配管温度が塗布点より3℃以上高い温度で保温することを特徴とした(1)〜(5)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート及び製造方法。
(7)該塗布工程の塗布速度が50m/s以上であることを特徴とした(1)〜(6)のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート及び製造方法。
本発明の感熱転写受像シートは感度が高く、かつ画像故障が少ない。さらに低コストで製造できる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の感熱転写受像シートは、支持体上に中空ポリマーを少なくとも1種含む断熱層を少なくとも1層有し、ポリマーラテックスを少なくとも1種含む受容層を少なくとも1層有し、少なくとも断熱層及び断熱層と隣接する受容層側の層が同時重層塗布により形成される。断熱層と隣接する受容層側の層は、受容層であっても他の機能を有する中間層であっても良い。また、断熱層および受容層は、各々複数の層で形成されていても良い。支持体と断熱層との間に、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層、下塗層などの中間層が形成されていてもよい。中間層を含む場合は、受容層、断熱層および中間層を同時重層塗布により形成することができる。また、転写材と重ね合わせられる面の最外層には、離型層が形成されてもよい。
さらに、支持体の裏面側にはカール調整層、筆記層、帯電調整層が形成されていることが好ましい。
これらの感熱転写受像シートの作成は、支持体上への塗布液の塗布、乾燥によってなされる。本発明において、受容層および断熱層がそれぞれ2層以上もしくは一方が2層以上の場合も好ましい態様であるが、少なくとも断熱層と隣接する受容層側の層が同時重層塗布される。受容層側の層は、受容層であっても他の機能を有する中間層であっても良い。
以下、該工程について詳しく説明する。
(調液)
塗布液の作製工程は、塗布液に使用される各種乳化物、添加剤などを準備・計量する工程と、これらを添加・混合して塗布液を調製する工程からなる。乳化物・添加剤などの計量には、重量計量、容量計量などの方法があるが、いずれの方法も用いることができる。塗布液を調製する方法は、連続調液方式とバッチ調液方式の2つに大別される。
感熱転写インクシートおよび感熱転写受像シートの作製には、いずれの方法も用いることができる。連続調液方式は、基準と成る液を一定流量で流すところに必要な添加物を順次又は同時に基準液に対して一定比率で添加することを特徴とした塗布液の調製方法である。連続調液方式のメリットとして塗布液の経時時間が一律で製品性能が安定化することが挙げられるが、一方、デメリットとして定常状態になるまでのロスが大きいことが挙げられる。また、調製時に反応、吸着などの反応待ち時間が必要な処方には不向きである。
バッチ調液方式はより一般的な方法であって、釜等の容器中で分散液と添加剤を攪拌・混合装置を用いて混ぜ合わせるバッチ式の方法である。この方式には、反応、吸着などに対応した時間設定がし易く、また、攪拌強化、調製サイクル短縮などの対応策が取りやすいというメリットがある。逆に、デメリットとしては、塗布液の経時時間が一定化しないことが挙げられる。
バッチ調液方式では、塗布液を調製する調製タンクの他に、ストックタンク、液物性を測定するユニット、移液ポンプおよび濾過装置、液レベルの測定ユニット等が備えられることがある。液面レベル計としては、差圧電送器、超音波レベル計、追随式レベル計、ロードセルなど各種方式が知られていりが、液量が測定可能であればどの方式も採用可能である。液物性を測定するユニットはストックタンクに備えられることが多い。さらに、塗布液を塗布工程に送るためのバッファータンクを備えることもある。ストックタンク中の調製液の物性に異常が無い事を確認後移液される。調製液ストックタンクとバッファータンクとの間には濾過装置を設けることもある。これらのタンクはスケール変更が可能な場合もある。
調製タンクでは、その対象とする塗布液に必要なもの(乳化物、各種薬品など)が、塗布液処方に従ってシーケンシャルに添加される。
調製タンクは、温度調節可能なジャケットを有することが多く、ジャケットの温度制御によりタンク内の塗布液の温度を調整できる。本発明の調液タンク温度は塗布点の温度よりも3℃以上高いことが必要で、3℃〜10℃高いことがより好ましい。
添加される薬品を攪拌機により均一に混合する。攪拌羽根としてはプロペラ、パドル、ジェット型、アンカー型など市販されている各種攪拌羽根が適用可能である。攪拌流れはダウンフロー型でもアップフロー型でも可能である。
調製液の各スケールにおいて、同一の攪拌混合効率が得られる様に塗布液調製タンクの攪拌機の回転数を制御する装置、および、液量が少ない場合に発生する渦流が攪拌羽根に到達して発生する泡を防止するためにタンク内面又は/及び攪拌羽根の周辺にバッフルが設けられることもある。これらにより実用攪拌領域が広くなる。
(塗布)
塗布方式としては、多くの方式が知られている。ディップ塗布、エアナイフ塗布、ブレード塗布、順転ロール塗布、逆転ロール塗布、グラビア塗布、ロッド塗布、スピン塗布、スロット塗布、カーテン塗布、スライド塗布等である。これらの中で、カーテン塗布、スライド塗布は、ポンプなどによる送液流量で塗布膜厚が決まる方式であり、多層同時塗布が可能である。
感熱転写受像シートの製造においては、上記の方式の中から適宜選択して用いることができるが、均一な塗布膜厚が得られることと、多層同時塗布が可能であることから、カーテン塗布およびスライド塗布が本発明で好ましく用いられる。
スライド塗布方法のための装置としては、Russell等により米国特許第2,761,791号に提案された多層スライドビード装置がある。この装置は、スライド面を流下する複数の塗布液が、スライド面先端において連続走行されている支持体と出会う間隙部にビードを形成するようにし、このビードを介して塗布液を支持体面に塗布するものである。従って、この種の装置は、ビードを安定に形成できることが重要である。スライドコーターの形状の例は、Stephen F. Kistler、PetertM. Schweizer著“LIQUID FILM COATING”(CHAPMAN & HALL社刊、1997年)にも記載されている。
カーテン塗布は、自由落下する液膜の下を一定の速度で連続走行している支持体に塗布する方法である。エクストルージョン型、スライド型等、いくつかの方式がある。スライド型コーターでは、スライド面上に作成された多層液膜がスライド端より自由落下する。そのため、スライド面終端には、落下液膜がスムーズに形成されるよう形状の工夫がなされる。
液濃度、粘度、表面張力、pH等の物性値が適切な値となるように調製された塗布液を塗布部に送液するには、泡や異物の除去を行いながら連続的に行う必要がある。また、送液時の温度は配管温度を調節することにより制御することが可能であり、本発明の配管温度は塗布点の温度よりも3℃以上高いことが必要で、3℃〜10℃高いことがより好ましい。
一定流量で塗布液を連続的に供給するには、各種の方法が考えられるが、精度・信頼性の点から定量ポンプを用いるのが好ましい。例として、プランジャーポンプ,ダイヤフラム型ポンプを挙げることができる。ダイヤフラム型では、プランジャーと送液される液体が2枚のダイヤフラムで隔離されており、駆動オイルおよび2枚のダイヤフラム間の純水を経由してプランジャーの動作が送液される液体に伝えられる。送液ポンプの流量変動は塗布膜厚の変動に結びつくものであり、十分な精度が必要とされる。
ポンプの脈動の影響を低減する必要がある場合には、脈動を吸収するための補助装置が用いられる。いくかの方式が公知であるが、一例としてパイプライン型の脈動吸収装置を挙げることができる(特開平1−255793)。
異物の除去のため、塗布液の濾過を行うのが好ましい。濾材としては各種のものを用いることができるが、例としてカートリッジ濾材を挙げることができる。使用にあたっては、濾材の空孔中に保持されている空気が気泡の形で塗布液に混入するのを防ぐために、前もって処理しておくことが好ましい。いくつかの方法が公知であるが、一例として、界面活性剤を含む液体等で処理しておくこと(US5,096,602)を挙げることができる。
異物と並んで、気泡も塗布面状故障の原因となる。そのため、塗布液中に混入している気泡および液体表面に浮遊している泡沫を脱法・消泡することが好ましい。そのための手法としては、気泡の液体からの分離、あるいは気泡の液体への溶解がある。分離の方法としては、減圧脱泡、超音波脱泡、遠心脱泡などが公知である。液体への溶解の方法としては、超音波パイプライン脱泡が挙げられる。
塗布液に添加することによって塗布液の経時安定性が悪化するような添加物を用いる場合には、添加してから塗布までの経時時間を短くするために、送液工程内で、塗布部の直前で添加を行う方式が知られている。本発明においてもこのような方式を採用することができる。このための混合器としては、静的混合器、動的混合器がある。
スライドビード塗布装置は、主として塗布ヘッドと、連続走行する支持体を巻き掛け支持するバックアップローラとで構成される。塗布ヘッドを形成するブロック内部には、送液ラインから送液された塗布液を支持体の幅方向に拡流する液溜りが形成され、この液溜りに連通して狭隘なスリットがスライド面まで開口して形成される。このスライド面は塗布ヘッド上面に形成され、バックアップローラ側に向かって下方に傾斜している。
それぞれの液溜りに供給された塗布液は、各スリットからスライド面に押し出され、スライド面を流下しながら順次重畳して複層塗布膜を形成し、互いに混ざり合うことなくスライド面下端の先端部に達する。先端部に達した塗布液は、先端部と、バックアップローラに巻き掛けられて走行する支持体面との隙間に塗布液ビードを形成し、この塗布液ビードを介して支持体面に塗布される。ビードを安定化させるために下部を減圧される。そのため、バックアップローラの下方に減圧室が形成される。この減圧室は、ビードの下側を負圧にしてビードを安定化させると共に、ウエブに塗布されなかった余剰の塗布液を減圧室に流れ落ち易くする働きがある。
塗布の開始は、スライド面上で層流を形成させた状態で、塗布ヘッドを待機位置から支持体側に移動させて塗布ヘッドと支持体の間のギャップを適当な大きさにすることによって行われる。
多量の塗布を行う場合には、接合した支持体を用いる場合がある。塗布ヘッドと支持体の間のギャップが狭いために、接合部の僅かな段差でビードが乱され、塗布故障となることがある。接合直後に凹凸を設けたり(特開昭50−43140)、ギーサを微小待避する方法(特開昭63−80872)がある。
カーテン塗布方法として、エクストラルージョン型とスライド型がある。エクストラルージョン型では、液溜りに送液ポンプによって供給された塗布液が、狭いスリットから塗布幅方向に均一になるように押し出される。スリット出口の両端には一対のエッジガイドが設けられており、この間でカーテン状の液膜が形成される。液膜は自由落下し、連続走行している支持体に衝突して塗布層を形成する。
スライド型では、スライドビード塗布の場合と似た塗布ヘッドが用いられ、コータの液溜りにポンプによって送られた塗布液が狭いスリットから吐出され、スライド面を落下し、下端部の両端に設けられたエッジガイドの間にカーテン状の液膜を形成する。多層同時塗布の場合には、スライド面を流下する間に各塗布液は混ざることなく積層されて液膜を形成する。スライド面は傾斜しており、重力によって塗布液はスライド面上を流下する。
塗布の開始・停止の方法はいくつかあるが、例えば形成されたカーテン膜と支持体の間に遮蔽物を置く方法が知られている。遮蔽物を除去することによって塗布を開始し、元の位置に戻すことで塗布を停止する。
(乾燥)
塗布された後、セットゾーン(冷却固化する場合のみ)、乾燥ゾーン、調湿ゾーン、巻取りを経て、塗布済み品はいったん貯蔵される。
ゼラチン、ペクチン、寒天、カラギーナン、ジェランガム等の各種公知のゲル化剤を添加された塗布液は、セットゾーンにおいて冷却によりゲル化・固化される。この段階で水分蒸発も起こる。
乾燥ゾーンでは、乾燥速度が一定で、材料温度とほぼ湿球温度が等しい恒率乾燥期間と、乾燥速度が遅くなり、材料温度が上昇する減率乾燥期間を経て乾燥が進む。恒率乾燥期間では、外部から与えられた熱はすべて水分の蒸発に使われる。減率乾燥期間では、材料内部での水分拡散が律速になり、蒸発表面の後退等により乾燥速度が低下し、与えられた熱は材料温度上昇にも使われるようになる。
セットゾーンおよび乾燥ゾーンにおいては、各塗布膜の間および支持体と塗布膜の間で水分移動が起こり、また塗布膜の冷却と水分蒸発による固化が起こる。このため、製品の品質・性能には乾燥途中での膜面温度・乾燥時間等の履歴が大きく影響し、要求品質に応じた条件の設定が必要とされる。
乾燥された塗布済み品は、一定の含水率に調整され巻き取られるが、巻取り、塗布済み品の保存過程での含水率、温度によって硬膜進行が影響されるため、巻取りでの含水率について適切な調湿過程条件の設定が必要となる。
一般に、硬膜反応は高温・多湿条件ほど進行しやすい。しかし、含水率が高すぎると、塗布品同士が接着したり、性能上の問題が生じる場合がある。この為、巻取りの含水率(調湿条件)と貯蔵条件は品質に応じた設定が必要とされる。
代表的な乾燥装置としては、エアループ方式、つるまき方式等がある。エアループ方式は、ローラーで支持された塗布済み品に乾燥風噴流を吹き付ける方式であり、ダクトは縦に配置する方式と、横に配置する方式がある。乾燥機能と搬送機能は基本的に分離されていて、風量等の自由度が大きい。しかし、多くのローラーを使うため、寄り・シワ・スリップ等のベースの搬送不良が発生しやすい。つる巻き方式は、円筒状のダクトに塗布済み品をつる巻き状に巻きつけて乾燥風で浮上させて(エアフローティング)搬送・乾燥する方式で、基本的にローラー支持がいらない(特公昭43−20438)。その他、上下互いにダクトを設置して搬送する乾燥方式がある。一般的に乾燥分布はつるまき式に比べ良いが、浮上能力が劣る。
以下、本発明の感熱転写受像シートの構成について詳しく説明する。
(受容層)
受容層は、インクシートから移行してくる染料を受容し、形成された画像を維持する役割を果たす。本発明の受像シートにおいて、受容層はポリマーラテックスを含有する。
また受容層には、紫外線吸収剤、離型剤、滑剤、酸化防止剤、防腐剤、界面活性剤、高沸点有機溶媒、その他の添加物を含有させることができる。
<ポリマーラテックス>
本発明に用いられるポリマーラテックスについて説明する。本発明の感熱転写受像シートにおいて、受容層に用いうるポリマーラテックスは水不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散媒中に分散したものである。分散状態としてはポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散したものなどいずれでもよい。なおポリマーラテックスについては、奥田平,稲垣寛編集,「合成樹脂エマルジョン」,高分子刊行会発行(1978年)、杉村孝明,片岡靖男,鈴木聡一,笠原啓司編集,「合成ラテックスの応用」,高分子刊行会発行(1993年)、室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年)、三代澤良明監修,「水性コーティング材料の開発と応用」,シーエムシー出版(2004年)および特開昭64−538号公報などに記載されている。分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度の範囲が好ましい。
分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。
ポリマーラテックスとしては通常の均一構造のポリマーラテックス以外、いわゆるコア/シェル型のラテックスでもよい。この場合コアとシェルはガラス転移温度を変えると好ましい場合がある。本発明のポリマーラテックスのガラス転移温度(Tg)は、−30℃〜130℃が好ましく、0℃〜120℃がより好ましい。このなかでも、ガラス転移温度が40℃以上(好ましくは40〜120℃)が好ましく、70℃以上(70〜100℃)がさらに好ましい。
本発明のポリマーラテックスの好ましい態様としては、アクリル系ポリマー、ポリエステル類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリウレタン類、ポリ塩化ビニル類、ポリ酢酸ビニル類、ポリ塩化ビニリデン類、ポリオレフィン類等のポリマーラテックスを好ましく用いることができる。これらポリマーラテックスとしてはポリマーが、直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000〜1000000、好ましくは10000〜500000がよい。分子量が小さすぎるものはラテックスを含有する層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く好ましくない。また、架橋性のポリマーラテックスも好ましく使用される。
本発明に使用するポリマーラテックスの合成に用いるモノマーとしては、特に制限はなく、通常のラジカル重合又はイオン重合法で重合可能なものでは、下記に示すモノマー群(a)〜(j)を好適に用いることができる。これらモノマーを独立かつ自由に組み合わせて選択し、ポリマーラテックスを合成することができる。
−モノマー群(a)〜(j)−
(a) 共役ジエン類:1,3−ペンタジエン、イソプレン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、シクロペンタジエン等。
(b) オレフィン類:エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、6−ヒドロキシ−1−ヘキセン、4−ペンテン酸、8−ノネン酸メチル、ビニルスルホン酸、トリメチルビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、1,4−ジビニルシクロヘキサン、1,2,5−トリビニルシクロヘキサン等。
(c) α,β−不飽和カルボン酸エステル類:アルキルアクリレート(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート等)、置換アルキルアクリレート(例えば、2−クロロエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート等)、アルキルメタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート等)、置換アルキルメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、グリセリンモノメタクリレート、2−アセトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(ポリオキシプロピレンの付加モル数=2ないし100のもの)、3−N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート、クロロ−3−N,N,N−トリメチルアンモニオプロピルメタクリレート、2−カルボキシエチルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、4−オキシスルホブチルメタクリレート、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレート等)、不飽和ジカルボン酸の誘導体(例えば、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸ジブチル等)、多官能エステル類(例えばエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラメタクリレート等)。
(d) α,β−不飽和カルボン酸のアミド類:例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−tert−オクチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン、ジアセトンアクリルアミド、イタコン酸ジアミド、N−メチルマレイミド、2−アクリルアミド−メチルプロパンスルホン酸、メチレンビスアクリルアミド、ジメタクリロイルピペラジン等。
(e) 不飽和ニトリル類:アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(f) スチレン及びその誘導体:スチレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−スチレンスルホン酸ナトリウム塩、p−スチレンスルフィン酸カリウム塩、p−アミノメチルスチレン、1,4−ジビニルベンゼン等。
(g) ビニルエーテル類:メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル等。
(h) ビニルエステル類:酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニルクロロ酢酸ビニル等。
(i) α,β−不飽和カルボン酸及びその塩類:アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、イタコン酸カリウム等。
(j) その他の重合性単量体:N−ビニルイミダゾール、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリン、ジビニルスルホン等。
本発明で使用できるポリマーラテックスは市販もされており、以下のようなポリマーが利用できる。アクリル系ポリマーの例としては、ダイセル化学工業(株)製セビアンA−4635,4718,4601、日本ゼオン(株)製Nipol Lx811、814、821、820、855(P−17:Tg36℃)、857x2(P−18:Tg43℃)、大日本インキ化学(株)製Voncoat R3370(P−19:Tg25℃)、4280(P−20:Tg15℃)、日本純薬(株)製ジュリマーET−410(P−21:Tg44℃)、JSR(株)製AE116(P−22:Tg50℃)、AE119(P−23:Tg55℃)、AE121(P−24:Tg58℃)、AE125(P−25:Tg60℃)、AE134(P−26:Tg48℃)、AE137(P−27:Tg48℃)、AE140(P−28:Tg53℃)、AE173(P−29:Tg60℃)、東亞合成(株)製アロンA−104(P−30:Tg45℃)、高松油脂(株)製NS−600X、NS−620X、日信化学工業(株)製ビニブラン2580、2583、2641、2770、2770H、2635、2886、5202C、2706などが挙げられる(いずれも商品名)。
ポリエステル類の例としては、大日本インキ化学(株)製FINETEX ES650、611、675、850、イーストマンケミカル製WD−size、WMS、高松油脂(株)製A−110、A−115GE、A−120、A−21、A−124GP、A−124S、A−160P、A−210、A−215GE、A−510、A−513E、A−515GE、A−520、A−610、A−613、A−615GE、A−620、WAC−10、WAC−15、WAC−17XC、WAC−20、S−110、S−110EA、S−111SL、S−120、S−140、S−140A、S−250、S−252G、S−250S、S−320、S−680、DNS−63P、NS−122L
、NS−122LX、NS−244LX、NS−140L、NS−141LX、NS−282LX、東亞合成(株)製アロンメルトPES−1000シリーズ、PES−2000シリーズ、東洋紡(株)製バイロナールMD−1100、MD−1200、MD−1220、MD−1245、MD−1250、MD−1335、MD−1400、MD−1480、MD−1500、MD−1930、MD−1985、住友精化(株)製セポルジョンESなどが挙げられる(いずれも商品名)。
ポリウレタン類の例としては、大日本インキ化学(株)製HYDRAN AP10、AP20、AP30、AP40、101H、Vondic 1320NS、1610NS、大日精化(株)製D−1000、D−2000、D−6000、D−4000、D−9000、高松油脂(株)製NS−155X、NS−310A、NS−310X、NS−311X、第一工業製薬(株)製エラストロンなどが挙げられる(いずれも商品名)。
ゴム類の例としては、LACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以上、大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416、LX410、LX430、LX435、LX110、LX415A、LX438C、2507H、LX303A、LX407BPシリーズ、V1004、MH5055(以上日本ゼオン(株)製)などが挙げられる(いずれも商品名)。
ポリ塩化ビニル類の例としては、日本ゼオン(株)製G351、G576、日信化学工業(株)製ビニブラン240、270、277、375、386、609、550、601、602、630、660、671、683、680、680S、681N、685R、277、380、381、410、430、432、860、863、865、867、900、900GT、938、950などが挙げられる(いずれも商品名)。ポリ塩化ビニリデン類の例としては、旭化成工業(株)製L502、L513、大日本インキ化学(株)製D−5071など挙げられる(いずれも商品名)。ポリオレフィン類の例としては、三井石油化学(株)製ケミパールS120、SA100、V300(P−40:Tg80℃)、大日本インキ化学(株)製Voncoat 2830、2210、2960、住友精化(株)製ザイクセン、セポルジョンG、共重合ナイロン類の例としては、住友精化(株)製セポルジョンPA、などが挙げられる(いずれも商品名)。
ポリ酢酸ビニル類の例としては、日信化学工業(株)製ビニブラン1080、1082、1085W、1108W、1108S、1563M、1566、1570、1588C、A22J7−F2、1128C、1137、1138、A20J2、A23J1、A23J1、A23K1、A23P2E、A68J1N、1086A、1086、1086D、1108S、1187、1241LT、1580N、1083、1571、1572、1581、4465、4466、4468W、4468S、4470、4485LL、4495LL、1023、1042、1060、1060S、1080M、1084W、1084S、1096、1570K、1050、1050S、3290、1017AD、1002、1006、1008、1107L、1225、1245L、GV−6170、GV−6181、4468W、4468Sなどが挙げられる(いずれも商品名)。
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。本発明のポリマーラテックスとしては、塩化ビニル/アクリル化合物共重合体ラテックス、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体ラテックス、塩化ビニル/酢酸ビニル/アクリル化合物共重合体ラテックスのいずれか1つまたは任意の組み合わせが好ましく、塩化ビニル/アクリル化合物共重合体ラテックスがもっとも好ましい。
本発明では受容層の少なくとも1層を水系の塗布液で塗布するものであるが、複数の受容層を有する場合、これらの全ての受容層を水系の塗布液を塗布後乾燥して調製することが好ましい。ただし、ここで言う「水系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の60質量%以上が水であることをいう。塗布液の水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、オキシエチルフェニルエーテルなどの水混和性の有機溶媒を用いることができる。
ポリマーラテックスの最低造膜温度(MFT)は−30℃〜90℃、より好ましくは0℃〜70℃程度が好ましい。
本発明に用いられるポリマーラテックスの好ましい例としては、ポリ乳酸エステル類、ポリウレタン類、ポリカーボネート類、ポリエステル類、ポリアセタール類、SBR類、ポリ塩化ビニル類を挙げることができ、この中でも、ポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリ塩化ビニル類を含むことが最も好ましい。
本発明においては、上述のポリマーラテックスのなかでも本発明においては、ポリ塩化ビニル類が好ましい。ポリ塩化ビニル類、すなわち塩化ビニルから得られる繰り返し単位を少なくとも含むポリマーラテックス、のなかでも、該塩化ビニルから得られる繰り返し単位を50モル%以上含むポリマーラテックスが好ましく、さらに好ましくは共重合のポリマーラテックスである。このような共重合のポリマーラテックスとしては、塩化ビニルと共重合するモノマーとしては、アクリルまたはメタクリル酸もしくはこのエステル、酢酸ビニル、エチレンが好ましく、アクリルまたはメタクリル酸もしくはこのエステルがさらに好ましく、アクリル酸エステルがより好ましい。アクリル酸エステルのエステル部のアルコール部分は炭素数1〜10が好ましく、1〜8がより好ましい。
このようなポリ塩化ビニル類としては、前述のものが挙げられるが、なかでもビニブラン240、ビニブラン270、ビニブラン276、ビニブラン277、ビニブラン375、ビニブラン380、ビニブラン386、ビニブラン410、ビニブラン430、ビニブラン432、ビニブラン550、ビニブラン601、ビニブラン602、ビニブラン609、ビニブラン619、ビニブラン680、ビニブラン680S、ビニブラン681N、ビニブラン683、ビニブラン685R、ビニブラン690、ビニブラン860、ビニブラン863、ビニブラン685、ビニブラン867、ビニブラン900、ビニブラン938、ビニブラン950(以上いずれも日信化学工業(株)、SE1320、S−830(以上いずれも住友ケムテック(株))が好ましい。
本発明に用いられるポリマーラテックスは、インクシートから移行してくる染料を受容するために使用されるものであるが、該ポリマーラテックスとともに、いかなるポリマーも併用してもよい。
併用することのできるポリマーとしては、染料を受容するために使用されてもよいが、上記ポリマーラテックスを保持するためのバインダーとして使用することもできる。
このようなポリマーとしては透明又は半透明で、無色であることが好ましく、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリビニルピロリドン類、カゼイン、デンプン、ポリアクリル酸類、ポリメチルメタクリル酸類、ポリ塩化ビニル類、ポリメタクリル酸類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリビニルアセタール類(例えば、ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン類、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリ酢酸ビニル類、ポリオレフィン類、ポリアミド類がある。バインダーは水又は有機溶媒またはエマルションから被覆形成してもよい。
インクシートから移行する染料を受容することを目的として使用する前記ポリマーラテックス以外に、主に上記のバインダーとして使用するポリマーラテックスを使用する場合、該ポリマーラテックスとしては、加工脆性と画像保存性の点でガラス転移温度(Tg)が−30℃〜70℃の範囲のものが好ましく、より好ましくは−10℃〜50℃の範囲、さらに好ましくは0℃〜40℃の範囲である。バインダーとして2種以上のポリマーをブレンドして用いることも可能で、この場合、組成分を考慮し加重平均したTgが上記の範囲に入ることが好ましい。また、相分離した場合やコア−シェル構造を有する場合には加重平均したTgが上記の範囲に入ることが好ましい。
このガラス転移温度(Tg)は下記式で計算することができる。
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)は「Polymer Handbook(3rd Edition)」(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用できる。
なお、本発明における染料を受容するための前記ポリマーラテックスや後述の中空ポリマーのガラス転移温度は、実測値で規定するものであるが、上記の計算方法で推定することも可能である。
<水溶性ポリマー>
本発明においては、受容層は水溶性ポリマーを含有することも好ましい態様の一つである。
ここで、水溶性ポリマーとは、20℃における水100gに対し0.05g以上溶解すればよく、より好ましくは0.1g以上、さらに好ましくは0.5g以上、特に好ましくは1g以上である。また、ポリマーラテックスは、ポリマー微粒子が分散媒体で分散されたものであり、本発明の水溶性ポリマーとは異なる。
本発明に用いることのできる水溶性ポリマーは、天然高分子(多糖類系、微生物系、動物系)、半合成高分子(セルロース系、デンプン系、アルギン酸系)および合成高分子系(ビニル系、その他)であり、以下に述べるポリビニルアルコールを始めとする合成ポリマーや、植物由来のセルロース等を原料とする天然あるいは半合成ポリマーが本発明で使用できる水溶性ポリマーに該当する。
本発明において、水溶性ポリマーを前記ポリマーラテックスと区別するためにバインダーと標記することもある。
本発明に用いることのできる水溶性ポリマーのうち、天然高分子および半合成高分子について詳しく説明する。植物系多糖類としては、アラビアガム、κ−カラギーナン、ι−カラギーナン、λ−カラギーナン、グアガム(Squalon製Supercolなど)、ローカストビーンガム、ペクチン、トラガント、トウモロコシデンプン(National Starch & Chemical Co.製Purity−21など)、リン酸化デンプン(National Starch & Chemical Co.製National 78−1898など)など、微生物系多糖類としては、キサンタンガム(Kelco製Keltrol Tなど)、デキストリン(National Starch & Chemical Co.製Nadex360など)など、動物系天然高分子としては、ゼラチン(Croda製Crodyne B419など)、カゼイン、コンドロイチン硫酸ナトリウム(Croda製Cromoist CSなど)などが挙げられる(いずれも商品名)。セルロース系としては、エチルセルロース(I.C.I.製Cellofas WLDなど)、カルボキシメチルセルロース(ダイセル製CMCなど)、ヒドロキシエチルセルロース(ダイセル製HECなど)、ヒドロキシプロピルセルロース(Aqualon製Klucelなど)、メチルセルロース(Henkel製Viscontranなど)、ニトロセルロース(Hercules製Isopropyl Wetなど)、カチオン化セルロース(Croda製Crodacel QMなど)などが挙げられる(いずれも商品名)。デンプン系としては、リン酸化デンプン(National Starch & Chemical製National 78−1898など)、アルギン酸系としては、アルギン酸ナトリウム(Kelco製Keltoneなど)、アルギン酸プロピレングリコールなど、その他の分類として、カチオン化グアガム(Alcolac製Hi−care1000など)、ヒアルロン酸ナトリウム(Lifecare Biomedial製Hyalureなど)が挙げられる(いずれも商品名)。
本発明においてはゼラチンが好ましい態様の一つである。本発明に用いるゼラチンは分子量10,000から1,000,000までのものを用いることができる。本発明に用いられるゼラチンはCl、SO 2−等の陰イオンを含んでいてもよいし、Fe2+、Ca2+、Mg2+、Sn2+、Zn2+などの陽イオンを含んでいても良い。ゼラチンは水に溶かして添加することが好ましい。
本発明に用いることのできる水溶性ポリマーのうち、合成高分子について詳しく説明する。アクリル系としてはポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸共重合体、ポリアクリルアミド、ポリアクリルアミド共重合体、ポリジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート四級塩またはその共重合体など、ビニル系としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン共重合体、ポリビニルアルコールなど、その他としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリイソプロピルアクリルアミド、ポリメチルビニルエーテル、ポリエチレンイミン、ポリスチレンスルホン酸又はその共重合体、ナフタレンスルホン酸縮合物塩、ポリビニルスルホン酸又はその共重合体、ポリアクリル酸又はその共重合体、アクリル酸又はその共重合体等、マレイン酸共重合体、マレイン酸モノエステル共重合体、アクリロイルメチルプロパンスルホン酸又はその共重合体、など)、ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライドまたはその共重合体、ポリアミジンまたはその共重合体、ポリイミダゾリン、ジシアンシアミド系縮合物、エピクロルヒドリン・ジメチルアミン縮合物、ポリアクリルアミドのホフマン分解物、水溶性ポリエステル(互応化学(株)製プラスコートZ−221、Z−446、Z−561、Z−450、Z−565、Z−850、Z−3308、RZ−105、RZ−570、Z−730、RZ−142(いずれも商品名))などである。
また、米国特許第4,960,681号明細書、特開昭62−245260号公報等に記載の高吸水性ポリマー、すなわち−COOMまたは−SOM(Mは水素原子またはア
ルカリ金属)を有するビニルモノマーの単独重合体またはこのビニルモノマー同士もしくは他のビニルモノマーの共重合体(例えばメタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモニウム、住友化学(株)製のスミカゲルL−5H(商品名))も使用することができる。
本発明に用いることのできる水溶性合成高分子のうちポリビニルアルコール類が好ましい。
以下に、ポリビニルアルコールについてさらに詳しく説明する。
完全けん化物としては、PVA−105[ポリビニルアルコール(PVA)含有率94.0質量%以上、鹸化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.5質量%以下、揮発分5.0質量%以下、粘度(4質量%、20℃)5.6±0.4CPS]、PVA−110[PVA含有率94.0質量%、鹸化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.5質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)11.0±0.8CPS]、PVA−117[PVA含有率94.0質量%、鹸化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)28.0±3.0CPS]、
PVA−117H[PVA含有率93.5質量%、鹸化度99.6±0.3モル%、酢酸ナトリウム含有率1.85質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)29.0±3.0CPS]、PVA−120[PVA含有率94.0質量%、鹸化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)39.5±4.5CPS]、PVA−124[PVA含有率94.0質量%、鹸化度98.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)60.0±6.0CPS]、
PVA−124H[PVA含有率93.5質量%、鹸化度99.6±0.3モル%、酢酸ナトリウム含有率1.85質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)61.0±6.0CPS]、PVA−CS[PVA含有率94.0質量%、鹸化度97.5±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)27.5±3.0CPS]、PVA−CST[PVA含有率94.0質量%、鹸化度96.0±0.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)27.0±3.0CPS]、PVA−HC[PVA含有率90.0質量%、鹸化度99.85モル%以上、酢酸ナトリウム含有率2.5質量%、揮発分8.5質量%、粘度(4質量%、20℃)25.0±3.5CPS](以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)など、
部分鹸化物としては、PVA−203[PVA含有率94.0質量%、鹸化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)3.4±0.2CPS]、PVA−204[PVA含有率94.0質量%、鹸化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)3.9±0.3CPS]、PVA−205[PVA含有率94.0質量%、鹸化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)5.0±0.4CPS]、
PVA−210[PVA含有率94.0質量%、鹸化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)9.0±1.0CPS]、PVA−217[PVA含有率94.0質量%、鹸化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)22.5±2.0CPS]、PVA−220[PVA含有率94.0質量%、鹸化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)30.0±3.0CPS]、
PVA−224[PVA含有率94.0質量%、鹸化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)44.0±4.0CPS]、PVA−228[PVA含有率94.0質量%、鹸化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)65.0±5.0CPS]、PVA−235[PVA含有率94.0質量%、鹸化度88.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)95.0±15.0CPS]、
PVA−217EE[PVA含有率94.0質量%、鹸化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)23.0±3.0CPS]、PVA−217E[PVA含有率94.0質量%、鹸化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)23.0±3.0CPS]、PVA−220E[PVA含有率94.0質量%、鹸化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)31.0±4.0CPS]、
PVA−224E[PVA含有率94.0質量%、鹸化度88.0±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)45.0±5.0CPS]、PVA−403[PVA含有率94.0質量%、鹸化度80.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)3.1±0.3CPS]、PVA−405[PVA含有率94.0質量%、鹸化度81.5±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)4.8±0.4CPS]、
PVA−420[PVA含有率94.0質量%、鹸化度79.5±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%]、PVA−613[PVA含有率94.0質量%、鹸化度93.5±1.0モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%、揮発分5.0質量%、粘度(4質量%、20℃)16.5±2.0CPS]、L−8[PVA含有率96.0質量%、鹸化度71.0±1.5モル%、酢酸ナトリウム含有率1.0質量%(灰分)、揮発分3.0質量%、粘度(4質量%、20℃)5.4±0.4CPS](以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)などがある。
なお、上記の測定値はJIS K−6726−1977に準じて求めたものである。
変性ポリビニルアルコールについては、長野浩一ら共著,「ポバール」(高分子刊行会発行)に記載のものが用いられる。カチオン、アニオン、−SH化合物、アルキルチオ化合物、シラノールによる変性がある。
このような変性ポリビニルアルコール(変性PVA)としては、CポリマーとしてC−118、C−318、C−318−2A、C−506(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、HLポリマーとしてHL−12E、HL−1203(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、HMポリマーとしてHM−03、HM−N−03(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、KポリマーとしてKL−118、KL−318、KL−506、KM−118T、KM−618(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、MポリマーとしてM−115(クラレ(株)製の商品名)、MPポリマーとしてMP−102、MP−202、MP−203(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、MPKポリマーとして、MPK−1、MPK−2、MPK−3、MPK−4、MPK−5、MPK−6(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、RポリマーとしてR−1130、R−2105、R−2130(以上、いずれもクラレ(株)製の商品名)、VポリマーとしてV−2250(クラレ(株)製の商品名)などがある。
ポリビニルアルコールは、その水溶液に添加する微量の溶剤あるいは無機塩類によって粘度調整をしたり粘度安定化させたりすることが可能であって、詳しくは上記文献、長野浩一ら共著,「ポバール」,高分子刊行会発行,144〜154頁記載のものを使用することができる。その代表例としてホウ酸を含有させることで塗布面質を向上させることができ、好ましい。ホウ酸の添加量は、ポリビニルアルコールに対し0.01〜40質量%であることが好ましい。
本発明に用いられるポリマーラテックスは、インクシートから移行してくる染料を受容するために使用されるものであるが、該ポリマーラテックスとともに、いかなるポリマーも併用してもよい。
併用することのできるポリマーとしては、染料を受容するために使用されてもよいが、上記ポリマーラテックスを保持するためのバインダーとして使用することもできる。このようなポリマーとしては透明又は半透明で、一般に無色であることが好ましく、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゴム類、ポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリビニルピロリドン類、デンプン、ポリアクリル酸類、ポリメチルメタクリル酸類、ポリ塩化ビニル類、ポリメタクリル酸類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリビニルアセタール類(例えば、ポリビニルホルマール及びポリビニルブチラール)、ポリエステル類、ポリウレタン類、フェノキシ樹脂、ポリ塩化ビニリデン類、ポリエポキシド類、ポリカーボネート類、ポリ酢酸ビニル類、ポリオレフィン類、セルロースエステル類、ポリアミド類がある。バインダーは水又は有機溶媒またはエマルションから被覆形成してもよい。
本発明においては、水溶性ポリマーがポリビニルアルコール類、ゼラチンが好ましく、ゼラチンが最も好ましい。
受容層における水溶性ポリマーの添加量は、当該受容層全体の1〜25質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。また、水溶性ポリマーを使用しないことも好ましい態様の一つである。
本発明でバインダーに用いられる、水溶性ポリマー以外のポリマーは、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法、アニオン重合法、カチオン重合等により容易に得ることができるが、ラテックスとして得られる乳化重合法が最も好ましい。また、ポリマーを溶液中で調製し、中和するか乳化剤を添加後に水を加え、強制的に撹拌により水分散体を調製する方法も好ましい。乳化重合法は、例えば、水、或いは、水と水に混和し得る有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、アセトン等)との混合溶媒を分散媒とし、分散媒に対して5〜150質量%のモノマー混合物と、モノマー総量に対して乳化剤と重合開始剤を用い、30〜100℃程度、好ましくは60〜90℃で3〜24時間、攪拌下重合させることにより行われる。分散媒、モノマー濃度、開始剤量、乳化剤量、分散剤量、反応温度、モノマー添加方法等の諸条件は、使用するモノマーの種類を考慮し、適宜設定される。また、必要に応じて分散剤を用いることが好ましい。
乳化重合法は、一般的には次に示す文献に従って行うことができる。奥田平,稲垣寛編集,「合成樹脂エマルジョン」,高分子刊行会発行(1978年)、杉村孝明,片岡靖男,鈴木聡一,笠原啓司編集,「合成ラテックスの応用」,高分子刊行会発行(1993年)、室井宗一著,「合成ラテックスの化学」,高分子刊行会発行(1970年)。本発明に用いられるポリマーラテックスを合成する乳化重合法において、一括重合法、モノマー(連続・分割)添加法、エマルジョン添加法、シード重合法などを選択することができ、ラテックスの生産性の観点から一括重合法、モノマー(連続・分割)添加法、エマルジョン添加法が好ましい。
前記重合開始剤としてはラジカル発生能があればよく、過硫酸塩や過酸化水素などの無機過酸化物、日本油脂(株)「有機過酸化物カタログ」などに記載の過酸化物および和光純薬工業(株)「アゾ重合開始剤カタログ」などに記載のアゾ化合物を用いることができる。その中でも、過硫酸塩などの水溶性過酸化物および和光純薬工業(株)「アゾ重合開始剤カタログ」などに記載の水溶性アゾ化合物が好ましく、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)塩酸塩、アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、アゾビスシアノ吉草酸がより好ましく、特に、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムなどの過酸化物が画像保存性、溶解性、コストの観点から好ましい。
前記重合開始剤の添加量としては、重合開始剤がモノマー総量に対して0.3質量%〜2.0質量%であることが好ましく、0.4質量%〜1.75質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜1.5質量%であることが特に好ましい。
前記重合乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤のいずれも用いることができるが、アニオン性界面活性剤が分散性と画像保存性の観点から好ましく、少量で重合安定性が確保でき、加水分解耐性もあることからスルホン酸型アニオン界面活性剤がより好ましく、ペレックスSS−H(商品名、花王(株))に代表される長鎖アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩がさらに好ましく、パイオニンA−43−S(商品名、竹本油脂(株))のような低電解質タイプが特に好ましい。
前記重合乳化剤として、スルホン酸型アニオン界面活性剤がモノマー総量に対して0.1質量%〜10.0質量%使用されていることが好ましく、0.2質量%〜7.5質量%使用されていることがより好ましく、0.3質量%〜5.0質量%使用されていることが特に好ましい。
本発明に用いられるポリマーラテックスの合成には、キレート剤を使用するのが好ましい。キレート剤は、鉄イオンなど金属イオンやカルシウムイオンなどのアルカリ土類金属イオンなどの多価イオンを配位(キレート)できる化合物であり、特公平6−8956号、米国特許5053322号、特開平4−73645号、特開平4−127145号、特開平4−247073号、特開平4−305572号、特開平6−11805号、特開平5−173312号、特開平5−66527号、特開平5−158195号、特開平6−118580号、特開平6−110168号、特開平6−161054号、特開平6−175299号、特開平6−214352号、特開平7−114161号、特開平7−114154号、特開平7−120894号、特開平7−199433号、特開平7−306504号、特開平9−43792号、特開平8−314090号、特開平10−182571号、特開平10−182570号、特開平11−190892号に記載の化合物を用いることができる。
前記キレート剤としては、無機キレート化合物(トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、テトラポリリン酸ナトリウム等)、アミノポリカルボン酸系キレート化合物(ニトリロトリ三酢酸、エチレンジアミン四酢酸等)、有機ホスホン酸系キレート化合物(Research Disclosure18170号、特開昭52−102726号、同53−42730号、同56−97347号、同54−121127号、同55−4024号、同55−4025号、同55−29883号、同55−126241号、同55−65955号、同55−65956号、同57−179843号、同54−61125号、及び西独特許1045373号などに記載の化合物)、ポリフェノール系キレート剤、ポリアミン系キレート化合物など好ましく、アミノポリカルボン酸誘導体が特に好ましい。
前記アミノポリカルボン酸誘導体の好ましい例としては、「EDTA(−コンプレキサンの化学−)」(南江堂、1977年)の付表の化合物があげられ、またこれら化合物のカルボキシル基の一部がナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩やアンモニウム塩など置換されてもよい。特に好ましいアミノカルボン酸誘導体としては、イミノ二酢酸、N−メチルイミノ二酢酸、N−(2−アミノエチル)イミノ二酢酸、N−(カルバモイルメチル)イミノ二酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸、エチレンジアミン−N,N’−ジ−α−プロピオン酸、エチレンジアミン−N,N’−ジ−β−プロピオン酸、N,N’−エチレン−ビス(α−o−ヒドロキシフェニル)グリシン、N,N’−ジ(2−ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン−N,N’−二酢酸、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸−N,N’−ジアセトヒドロキサム酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン−N,N’,N’−三酢酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、1,2−プロピレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、d,l−2,3−ジアミノブタン−N,N,N’,N’−四酢酸、meso−2,3−ジアミノブタン−N,N,N’,N’−四酢酸、1−フェニルエチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、d,l−1,2−ジフェニルエチレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、1,4−ジアミノブタン−N,N,N’,N’−四酢酸、trans−シクロブタン−1,2−ジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、trans−シクロペンタン−1,2−ジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、trans−シクロヘキサン−1,2−ジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、cis−シクロヘキサン−1,2−ジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、シクロヘキサン−1,3−ジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、シクロヘキサン−1,4−ジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、o−フェニレンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、cis−1,4−ジアミノブテン−N,N,N’,N’−四酢酸、trans−1,4−ジアミノブテン−N,N,N’,N’−四酢酸、α,α’−ジアミノ−o−キシレン−N,N,N’,N’−四酢酸、2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジアミン−N,N,N’,N’−四酢酸、2,2’−オキシ−ビス(エチルイミノ二酢酸)、2,2’−エチレンジオキシ−ビス(エチルイミノ二酢酸)、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸−N,N’−ジ−α−プロピオン酸、エチレンジアミン−N,N’−二酢酸−N,N’−ジ−β−プロピオン酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N’−テトラプロピオン酸、ジエチレントリアミン−N,N,N’,N’’,N’’−五酢酸、トリエチレンテトラミン−N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−六酢酸、1,2,3−トリアミノプロパン−N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−六酢酸があげられ、またこれら化合物のカルボキシル基の一部がナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩やアンモニウム塩など置換されたものもあげることができる。
前記キレート剤の添加量は、モノマー総量に対して0.01質量%〜0.4質量%であることが好ましく、0.02質量%〜0.3質量%であることがより好ましく、0.03質量%〜0.15質量%であることが特に好ましい。キレート剤量が0.01質量%未満であると、ポリマーラテックスの製造工程で混入する金属イオンの捕捉が不十分となり、ラテックスの凝集に対する安定性が低下し、塗布性を悪化させる。また、0.4%を超えると、ラテックスの粘度が上昇し塗布性を低下させる。
本発明に用いられるポリマーラテックスの合成には、連鎖移動剤を使用することが好ましい。連鎖移動剤としては、「Polymer Handbook,第3版」(Wiley−Interscience,1989)に記載されているものが好ましい。硫黄化合物は連鎖移動能が高く、少量で用いることで済むことからより好ましい。tert−ドデシルメルカプタンやn−ドデシルメルカプタン等疎水的なメルカプタン系の連鎖移動剤が特に好ましい。
前記連鎖移動剤量は、モノマー総量に対して0.2質量%〜2.0質量%が好ましく、0.3質量%〜1.8質量%がより好ましく、0.4質量%〜1.6質量%が特に好ましい。
乳化重合では、上記化合物以外に、電解質、安定化剤、増粘剤、消泡剤、酸化防止剤、加硫剤、凍結防止剤、ゲル化剤、加硫促進剤など合成ゴムハンドブック等に記載の添加剤を使用してもよい。
本発明に用いられるポリマーラテックスは、その塗布液における溶媒として、水系溶媒を用いることができるが、水混和性の有機溶媒を併用してもよい。水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルミアミド等を挙げることができる。これら有機溶媒の添加量は、溶媒の40%以下、より好ましくは30%以下であることが好ましい。
また、本発明に用いられるポリマーラテックスは、ポリマー濃度がラテックス液に対して10〜70質量%であることが好ましく、さらに20〜60質量%、特に30〜55質量%であることが好ましい。
ポリマーラテックスの添加量は、ポリマーラテックスの固形分が受容層中の全ポリマーの50〜95質量%であることが好ましく、70〜90質量%であることがより好ましい。
なお、本発明の受像シートにおけるポリマーラテックスは、塗布後に溶媒の一部を乾燥させることにより形成されるゲルまたは乾燥皮膜の状態を含む。
<有機溶媒>
本発明には支持体上の受容層側に塗設される構成層の塗布液に沸点が140〜220℃の有機溶媒を使用してもよい。好ましくは、前述の染料を受容するポリマーラテックスを造膜する作用を結果として機能する。なお、該有機溶媒は、支持体上の受容層側に塗設される構成層の塗布液のいずれの層の塗布液に添加されていてもよいが、好ましくは少なくとも受容層に存在させることであり、該受容層を塗設するための塗布液である。
なお、本発明で使用する有機溶媒は、本発明の効果を達成するために効果的に作用するが、この作用の一部が受容層中のポリマーラテックスを造膜する作用(主に塗布・乾燥工程で造膜を進行させる)であり、従来から知られている単なる造膜助剤のみの作用ではない。
感熱転写受像シート製造のための塗布液に添加できる有機溶媒としては、例えばアセト酢酸エチル、テトラメチルスルホン、γ−ブチルラクトン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジアセトンアルコール、ジグライム、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール−n−ブチルアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、乳酸エチル、乳酸メチル、酢酸ブチル、酢酸シクロヘキシル、2−ヘプタノン、ピルビン酸エチル、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、ブチルラクテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−n−プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−エチルヘキシルアセテート、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエチルアセテート、1−メトキシプロピルアセテート、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフリルアルコール、エトキシプロピルプロピオネートなどが挙げられる。
本発明においては、有機溶媒は、使用するポリマーラテックスに可塑剤が含有されている場合の可塑剤も包含し、ポリマーラテックスを添加するための助剤、後述する乳化分散物で使用する分散助剤や、断熱層を形成する際の溶媒として用いたものをも包含するが、前述のように好ましくは受容層の塗布液に添加、さらに好ましくは、溶媒として添加する場合である。
本発明においては、有機溶媒は、沸点が140〜220℃であり、沸点が140℃以下の有機溶媒を用いると、受容層の強度を均一化することができず、出力画像内に引っ掻き状の故障が発生するのを防止する効果が小さい。沸点が140℃以上の有機溶媒では、前記の故障防止効果がさらに大きくなる。沸点が220℃の有機溶媒を用いると、受容層の強度を均一化して故障を防ぐことはできるものの、印画画像の滲みが発生し、画質が低下する。
有機溶媒の沸点は、好ましくは150℃〜220℃、より好ましくは170〜220℃、さらに好ましくは180〜220℃である。
特に、本発明においては、単に造膜助剤とし使用される有機溶媒と比較した場合、多くのこれらの有機溶媒が、造膜作用が不十分であるかもしくは感熱転写受像シートを製造後の膜中に残存することによる弊害(色にじみの悪化等)を起こすような欠点が解消されると同時に、本発明の効果に効果的に作用する。
本発明の有機溶媒は、水溶性有機溶媒が好ましく、100mlの水に50g以上溶解する、すなわち層分離することなく混和する、ものが好ましく、100g以上溶解するものが好ましい。一方、有機溶剤の組成としては、炭素原子数が4以上(好ましくは12以下)が好ましく、5以上(好ましくは10以下)がさらに好ましい。さらに、有機溶媒の構成原子が、炭素原子、水素原子からなりかつ酸素原子もしくは/および硫黄原子から構成されるものが好ましく、さらに好ましくは、炭素原子、水素原子および酸素原子から構成されるものである。また、有機溶媒は、酸性やアルカリ性を示すものでなく中性のものが好ましい。有機溶媒を構成する官能基で見た場合、少なくとも水酸基または/およびアルキレンオキシ基(好ましくは−CH20−、−CH2CH2O−)を有するものである。
このような有機溶媒は、アルコール系溶媒、エチレングリコール系溶媒、プロピレングリコール系溶媒、ジエチレングリコール系溶媒が挙げられ、これらの水酸基がエーテル化、エステル化されたものが挙げられる。
例えば、エチレングリコール(197.2℃)、プロピレングリコール(187.3℃)、ブチルセロソルブ(171.2℃)、メチルセルソルブアセテート(144.5℃)、セロソルブアセテート(156.3℃)、メチルカルビトール(193.2℃)、カルビトール(201.9℃)、ジエチルカルビトール(186.0℃)、カルビトールアセテート(218.0℃)、ジアセトンアルコール(168.0℃)が挙げられる。
これらの有機溶媒は、使用するラテックスの造膜を進めるという性質においては、ポリマーラテックスを含む塗布液の状態で、ポリマーラテックスの分散安定性上不利に働くこともあるため、使用するポリマーラテックスに応じて適切なものを選択する必要がある。
また、塗布液中でのポリマーラテックスの分散安定性の向上させるため、塗布送液途中で塗布直前に塗布液に本発明で用いられる有機溶媒を混合させる方法も好適に使用できる。
本発明の有機溶媒の添加量は、受容層のラテックスポリマーの固形分に対して質量比で1%以上100%以下で使用するのが好ましく、より好ましくは3%以上80%以下、更に好ましくは10%以上60%以下である。なお、他の層に添加する場合も、受容層中の上記ポリマーラテックスの固形分との質量比で添加するのが好ましい。
本発明の上記有機溶媒は、塗布、乾燥工程さらには保存時に揮散するものが好ましく、感熱転写受像シート製造直後、もしくは製造後から画像形成するまでのいずれかの間に、感熱転写受像シートの支持体上の受容層側の全構成層中の全塗布固形分に対して、3%以下(好ましくは1%以下)である。3%以上残留すると印画画像の滲みが発生し、画質が低下し問題となる。なお、このような残存量にするには、乾燥工程での条件や、通常に行われる乾燥工程に加えて、この目的のための加熱処理を行ってもよいが、通常に実施される乾燥工程で達成することが好ましい。
また、本発明における上記の有機溶媒の含有量、残留量は、0.001%〜3%である態様と0〜0.001%未満(実質的に含有しない態様)である態様が好ましい。
<紫外線吸収剤>
また、本発明では耐光性を向上するために受容層に紫外線吸収剤を添加してもよい。このとき、紫外線吸収剤を高分子量化することで受容層に固定でき、インクシートへの拡散や加熱による昇華・蒸散などを防ぐことができる。
紫外線吸収剤としては、情報記録分野において広く知られている各種紫外線吸収剤骨格を有する化合物を使用することができる。具体的には、2−ヒドロキシベンゾトリアゾール型紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾトリアジン型紫外線吸収剤、2−ヒドロキシベンゾフェノン型紫外線吸収剤骨格を有する化合物を挙げることができる。紫外線吸収能(吸光係数)・安定性の観点では、ベンゾトリアゾール型、トリアジン骨格を有する化合物が好ましく、高分子量化・ラテックス化の観点ではベンゾトリアゾール型、ベンゾフェノン型の骨格を有する化合物が好ましい。具体的には、特開2004−361936号公報などに記載された紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤は、紫外域に吸収をもち、可視領域に吸収端がかからないことが好ましい。具体的には、受容層に添加して感熱転写受像シートを形成したとき、370nmの反射濃度がAbs0.5以上になることが好ましく、380nmの反射濃度がAbs0.5以上になることが更に好ましい。また、400nmの反射濃度がAbs0.1以下であることが好ましい。なお、400nmを超える範囲での反射濃度が高いと画像が黄ばむため好ましくない。
本発明では、紫外線吸収剤は高分子量化され、質量平均分子量10000以上が好ましく、質量平均分子量100000以上が更に好ましい。高分子量化する手段としては、紫外線吸収剤をポリマーにグラフトすることが好ましい。主鎖となるポリマーとしては、併用する受容ポリマーより色素の染着性が劣るポリマー骨格を有することが好ましい。また、製膜した際に十分な皮膜強度を有することが好ましい。ポリマー主鎖に対する紫外線吸収剤のグラフト率は、5〜20質量%が好ましく、8〜15質量%がより好ましい。
また、紫外線吸収剤をグラフトしたポリマーはラテックス化することが更に好ましい。ラテックス化することにより水分散系の塗布液を塗布製膜することにより受容層を形成することができ、製造コストを軽減することが可能である。ラテックス化する方法は例えば特許第3450339号明細書などに記載された方法を用いることができる。ラテックス化された紫外線吸収剤としては、例えば一方社油脂工業株式会社製ULS−700、ULS−1700、ULS−1383MA、ULS−1635MH、XL−7016、ULS−933LP、ULS−935LH、新中村化学製New Coat UVA−1025W、New Coat UVA−204W、New Coat UVA−4512M(いずれも商品名)など市販の紫外線吸収剤を使用することもできる。
紫外線吸収剤をグラフトしたポリマーをラテックス化する場合、前記の染着性受容ポリマーのラテックスと混合してから塗布することで紫外線吸収剤が均一に分散した受容層を形成することができる。
紫外線吸収剤をグラフトしたポリマー又はそのラテックスの添加量は、受容層を形成する染着性受容ポリマーラテックスに対して5〜50質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。
<離型剤>
また、受容層には、画像形成時に感熱転写シートとの熱融着を防ぐために、離型剤を配合することもできる。離型剤は、シリコーンオイル、リン酸エステル系可塑剤フッ素系化合物を用いることができるが、特にシリコーンオイルが好ましく用いられる。シリコーンオイルとしては、エポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル変性、アルコール変性、フッ素変性、アルキルアラルキルポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリエーテル変性等の変性シリコーンオイルが好ましく用いられるが、中でもビニル変成シリコーンオイルとハイドロジェン変成シリコーンオイルとの反応物が良い。離型剤の添加量は、受容ポリマーに対して0.2〜30質量部が好ましい。
下記の乳化物の項で説明する滑剤は、ここで説明する離型剤とほぼ同等の効果が認められ、ほぼ同義である。本発明では、便宜上分散物として用いられるものは、滑剤乳化物として、それ以外のものをここで説明する離型剤とした。
<乳化物>
滑剤、酸化防止剤などの疎水性添加剤は米国特許第2,322,027号明細書に記載の方法などの公知の方法により受像シートの層(例えば、受容層、断熱層、中間層、下塗層など)中に導入することができる。この場合には、米国特許第4,555,470号、同第4,536,466号、同第4,536,467号、同第4,587,206号、同第4,555,476号、同第4,599,296号、特公平3−62256号の公報または明細書などに記載のような高沸点有機溶媒を、必要に応じて沸点50℃〜160℃の低沸点有機溶媒と併用して用いることができる。またこれら滑剤や酸化防止剤、高沸点有機溶媒などは2種以上併用することができる。
滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類;シリコーンオイル、リン酸エステル系化合物、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤およびその他当該技術分野で公知の離型剤を使用することができる。各種ワックス類、フッ素系界面活性剤等に代表されるフッ素系化合物、シリコーン系界面活性剤、シリコーンオイル及び/又はその硬化物等のシリコーン系化合物が好ましく用いられる。
<界面活性剤>
また、本発明の感熱転写受像シートは、前記の任意の層に界面活性剤を含有させることが出来る。その中でも、受容層及び中間層中に含有させることが好ましい。
界面活性剤の添加量は、全固形分量に対して0.01〜5質量%であることが好ましく、0.01〜1質量%であることがより好ましく、0.02〜0.2質量%であることが特に好ましい。
界面活性剤としては、アニオン系、ノニオン系、カチオン系など種々の界面活性剤が知られている。本発明で用いることのできる界面活性剤としては、公知のものが使用でき、例えば、「機能性界面活性剤監修/角田光雄、発行/2000年8月、第6章」で紹介されているもの等を用いることができるが、その中でもアニオン系のフッ素含有界面活性剤が好ましい。
界面活性剤を含有しない場合でも塗布は可能であるが、塗布液の表面張力が高いために塗布面状が不均一となり、ムラとなる場合がある。界面活性剤を塗布液に含有させることで表面張力を下げ、塗布時のムラを無くし、塗布面状を均一とし、安定的に塗布することができる。
フッ素化合物の具体例を以下に例示するが、本発明で用いることができるフッ素化合物は以下の具体例によってなんら制限されるものではない。下記例示化合物の構造表記の中で特に断りのない限りアルキル基、パーフルオロアルキル基は直鎖の構造を有する基を意味する。
Figure 2008246732
Figure 2008246732
これらのフッ素化合物は、界面活性剤として、感熱転写受像シートを構成している層(特に、受容層、断熱層、中間層、下塗り層、バック層など)を形成するための塗布組成物に用いられるが、本発明において好ましくは受容層及び中間層に含有させることができる。
<マット剤>
本発明において、離型性付与のためにマット剤を添加するのが好ましい。マット剤は感熱転写受像シートの最外表面層若しくは最外表面層として機能する層、または外表面に近い層に含有されるのが好ましい。最外表面層は必要に応じて2層にすることもできる。最も好ましいのは、最外層である受容層に添加する場合である。マット剤は、画像形成層面の最外層及びバック面の最外層いずれにも添加することが可能であり、両層に添加することもできる。特に、支持体に対し、すべり剤を含有する面側にマット剤を含有させることが好ましい。
マット剤は、予めバインダーによって分散し、マット剤粒子分散物として使用することが好ましい。
マット剤は、一般に水に不溶性の有機化合物の微粒子、無機化合物の微粒子を挙げることができるが、本発明では、分散性の観点から、有機化合物を含有する微粒子が好ましい。有機化合物を含有していれば、有機化合物単独からなる有機化合物微粒子であっても良いし、有機化合物だけでなく無機化合物をも含有した有機/無機複合微粒子であっても良い。マット剤の例としては、例えば米国特許第1,939,213号、同2,701,245号、同2,322,037号、同3,262,782号、同3,539,344号、同3,767,448号等の各明細書に記載の有機マット剤など、銀塩感材業界で良く知られたものを用いることができる。
画像プリント時、受容層表面の温度は高温になるため、マット剤は耐熱性を有することが好ましい。
特に、熱分解温度が200℃以上のポリマーであることが好ましい。より好ましくは、熱分解温度が240℃以上のポリマーである。
また、画像プリント時、熱だけでなく圧力も受容層表面にかかるため、マット剤は硬いものが好ましい。
画像形成層面側の最外層及び最外層隣接層に含有されるマット剤は、予めバインダーによって分散して、マット剤粒子分散物として使用されるが、その分散方法は、(a)マット剤となるべきポリマーを溶液(例えば低沸点の有機溶媒に溶解)として、水性媒体中で乳化分散させてポリマーの液滴を得て、乳化物から低沸点有機溶媒を除去することにより、マット剤の分散物を調製する方法、(b)予めマット剤となるべきポリマーなどの微粒子を用意しておき、水性媒体中でダマの発生がないように分散物を調製する方法の2通りの方法がある。本発明においては、環境に配慮し低沸点の有機溶媒を環境に排出しない(b)の方法が好ましい。
本発明におけるマット粒子分散物は、界面活性剤を含有すると分散状態が安定するため、界面活性剤を添加することが好ましい。
<防腐剤>
塗布液、受像シートおよび印画画像等を保存しておくと、保存中にこれらの材料に微生物(特に細菌、カビ、酵母等)が付着し、それらの性能を低下させることが多い。これを防止する為に、その他の性能に影響を与えない範囲で防腐剤を含有させることができる。
本発明でいう防腐剤とは受像シートに用いられる化合物が該微生物の生育により分解反応を受けることを抑制する為に用いられる化合物であって、一般式による定義と具体的化合物は、防腐防黴ハンドブック、技報堂出版(1986)、堀口博著、防菌防黴の化学、三共出版(1986)、防菌防黴剤事典、日本防菌防黴学会発行(1986)等に記載されている。
本発明の受像シートに含有される防腐剤としては、特に限定されないが、フェノール又はその誘導体、ホルマリン、イミダゾール誘導体、デヒドロ酢酸ナトリウム、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン、ベンゾトリアゾール誘導体、アミジングアニジン誘導体、四級アンモニウム塩類、ピロジン,キノリン,グアニジン等の誘導体、ダイアジン、トリアゾール誘導体、オキサゾール、オキサジン誘導体、2−メルカプトピリジン−N−オキサイドまたはその塩、ホルムアルデヒドドナー系抗菌剤等が挙げられる。これらの中でも、フェノール又はその誘導体、4−イソチアゾリン−3−オン誘導体、ベンゾイソチアゾリン−3−オン等が好ましい。
これら以外にも、下記一般式〔I〕〜〔IV〕のいずれかで表される化合物を防腐剤として用いることができる。
Figure 2008246732
一般式〔I〕中、R、Rは同じでも異なっていてもよく、水素原子、ヒドロキシ基、又は低級アルキル基を表す。Xは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アリール基、低級アルキル基、低級アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ基、−COR、−SO、又は−N(R)Rを表し、R、Rは水素原子、−OM、低級アルキル基、低級アルコキシ基、又は−N(R)Rを表す。
、Rは同じでも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、−COR、又は−SO10を表わす。R、R10は低級アルキル基、又は−N(R11)R12を表し、R、R、R11、R12は同じであっても異なっていてもよく水素原子又は低級アルキル基を表す。
Mは、水素原子、アルカリ金属原子又は1価のカチオンを形成するに必要な原子群を表わし、lは2〜6の整数を表し、mは1〜4までの整数を表し、nは6−mの整数を表す。ただし、R、R、Xが複数存在する時はそれぞれが互いに異なっていてもよい。
Figure 2008246732
一般式〔II〕中、R13は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、
Figure 2008246732
を表し、R14、R15は各々水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、複素環基、アルキルチオ基、アルキルスルホキシ基、アルキルスルホニル基を表し、R14とR15は互いに結合して芳香環を形成していても良い。
16、R17は各々水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基を表す。
これらの中でも、R14,R15が水素原子であり、R13がメチル基であるもの(以下、化合物II−aと称する)が好ましい。また、R14とR15が互いに結合して芳香環を形成しR13が水素原子であるものと化合物II−aとの組み合わせ、および、R14が塩素原子、R15が水素原子、R13がメチル基であるものと化合物II−aとの組み合わせはさらに好ましい。
Figure 2008246732
一般式〔III〕中、R18は水素原子、アルキル基、ヒドロキシメチル基を表わし、R
19は水素原子、アルキル基を表す。
Figure 2008246732
一般式〔IV〕式中、R20は低級アルキレン基を表し、Xは水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、シアノ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、−COR21、−N(R22)R23、−SOMを表し、R21は水素原子、−OM、低級アルキル基、アリール基、アラルキル基、低級アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、−N(R24)R25を表す。
22、R23は各々水素原子、低級アルキル基、アリール基、アラルキル基、−CO
26、−SO26を表し、互に同じであっても異なっていてもよく、R24、R25は各々水素原子、低級アルキル基、アリール基、アラルキル基を表わし、互に同じであっても異なっていてもよく、R26は低級アルキル基、アリール基、アラルキル基を表わし、Mは水素原子、アルカリ金属原子及び1価のカチオンを形成するに必要な原子群を表し、pは0または1を表わし、qは0または1から5までの整数を表わす。
防腐剤はいずれか、1種類を単独で用いてもよいし、任意の化合物を2種類以上選んで組み合わせて使用してもかまわない。防腐剤はそのまま添加してもかまわないが、水又はメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、エチレン、エトレングリコールなどの有機溶媒に溶解し、溶液として受像シート塗布液に添加してもよい。またはラテックス中に添加してもよい。あるいは高沸点溶媒、低沸点溶媒、もしくは両者の混合溶媒に溶解した後、界面活性剤の存在下に乳化分散して、ラテックス中に添加することも可能である。
<硬膜剤>
架橋剤として本発明に用いられる硬膜剤は、受像シートの塗設層(例えば、受容層、断熱層、下塗層など)中に添加することができる。
本発明で用いることができる硬膜剤としては、特開平1−214845号公報17頁のH−1,4,6,8,14,米国特許第4,618,573号明細書のカラム13〜23の式(VII)〜(XII)で表わされる化合物(H−1〜54)、特開平2−214852号公報8頁右下の式(6)で表わされる化合物(H−1〜76),特にH−14、米国特許第3,325,287号明細書のクレーム1に記載の化合物などが好ましく用いられる。硬膜剤の例としては米国特許第4,678,739号明細書の第41欄、同第4,791,042号、特開昭59−116655号、同62−245261号、同61−18942号、特開平4−218044号の公報または明細書等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N,N’−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタンなど)、N−メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素など)、ほう酸、メタほう酸あるいは高分子硬膜剤(特開昭62−234157号公報などに記載の化合物)が挙げられる。
好ましくはビニルスルホン系硬膜剤やクロロトリアジン類が挙げられる。
本発明においてさらに好ましい硬膜剤は下記一般式(B)または(C)で表される化合物である。
一般式(B)
(CH=CH−SO)n−L
一般式(C)
(X−CH−CH−SO)n−L
一般式(B)、(C)中でXはハロゲン原子を表し、Lはn価の有機連結基を表す。一般式(B)または(C)で表される化合物が低分子化合物である場合nは1ないし4の整数を表す。高分子化合物である場合Lはポリマー鎖を含む有機連結基であり、このときnは10〜1000の範囲である。
一般式(B)、(C)中で、Xは好ましくは塩素原子または臭素原子で、臭素原子がより好ましい。nは1ないし4の整数であるが、好ましくは2ないし4の整数、より好ましくは2ないし3の整数、最も好ましくは2である。
Lはn価の有機基を表し、好ましくは脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基またはヘテロ環基であり、これらの基がエーテル結合、エステル結合、アミド結合、スルホンアミド結合、ウレア結合、ウレタン結合等でさらに連結していてもよい。また、これらの基は置換基を有していてもよく、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイルオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基、カルボキシル基、スルホ基等が挙げられ、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基およびアシルオキシ基が好ましい。
これらの硬膜剤は、米国特許第4,173,481号明細書等の記載の方法を参照して得ることができる。
また、クロロトリアジン系硬膜剤としては、少なくとも1個のクロル原子が、2位、4位または6位に置換した1,3,5−トリアジン化合物が好ましい。
塩素原子は、2位、4位または6位に、2個または3個置換したものもがより好ましい。2位、4位または6位に、少なくとも1個の塩素原子が置換して、残りの位置に、塩素原子以外の基が置換してもよく、これらの基としては、水素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシルアミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アルケノキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニルオキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アルケニルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルオキシもしくはアリールオキシカルボニル基などが挙げられる。
クロロトリアジン系硬膜剤の具体的な例は、4,6−ジクロロ−2−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンもしくはこのNa塩、2−クロロ−4,6−ジフェノキシトリアジン、2−クロロ−4,6−ビス〔2,4,6−トリメチルフェノキシ〕トリアジン、2−クロロ−4,6−ジグリシドキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(n−ブトキシ)−6−グリシドキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−6−グリシドキシ−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2−クロロエトキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2−ブロモエトキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2−ジ−n−ブチルホスファトエトキシ)−6−(2,4,6−トリメチルフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、2−クロロ−4−(2−ジ−n−ブチルホスファトエトキシ)−6−(2,6−キシレノキシ)−1,3,5−トリアジン等であるが、本発明においてこれらに限定されない。
このような化合物は、塩化シアヌル(すなわち2,4,6−トリクロロトリアジン)を、複素環上の置換基に対応するヒドロキシ化合物、チオ化合物またはアミノ化合物等と反応させることによって容易に製造できる。
これらの硬膜剤は、水溶性ポリマー1gあたり0.001〜1g、好ましくは0.005〜0.5gが用いられる。
<消泡剤>
本発明で用いる消泡剤とは、起泡の原因物質に代わって、それ自体が液体表面に存在し、それ自体には泡膜の薄化に抵抗する反発力を付与する作用を有していない化合物を意味する。具体的には、例えば、アルコール類、エーテル類、ポリオール類、脂肪酸エステル類、金属石鹸類、燐酸エステル類、シリコーン類、及びノニオン性界面活性剤類等を挙げることができる。これらの構造を有する市販の消泡剤及び化合物等の内、消泡効果を有するものであれば単独又は併用して、あるいは混合物として使用することができる。
(A)アルコール類
炭素原子数1〜10の脂肪酸アルコール、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、オクチノール、又は2−エチルヘキサノール等を挙げることができる。
しかし炭素数1〜3の脂肪酸アルコールは明確に効果を発現させるには1%以上添加することが必要でありラテックス又は中空ポリマー等を膨潤させ凝集を促進する場合あがあるため、炭素数4以上の脂肪酸アルコールが好ましい。
(B)脂肪酸エステル類
ステアリン酸イソアミル、コハク酸ジエステル、ソルビタンラウリン酸モノエステル、ソルビタンオレイン酸モノエステル、ソルビタンオレイン酸トリエステル、オキシエチレンソルビタンラウリル酸モノエステル、ジエチレングリコールジステアレート、又は低分子量ポリエチレングリコールオレイン酸エステル等を挙げることができる。
(C)エーテル類
エチレングリコールのモノフェニルエーテル(例えば、ジ−t−ジアミノフェノキシエタノール)、エチレングリコールのジアルキルエーテル(例えば、3−ヘプチルセロソルブ、又はノニルセロソルブ)、ジエチレングリコールのジアルキルエーテル(例えば、3−ヘプチルカルビトール)等を挙げることができ、市販品としては、例えばバイオニンK−17(竹本油脂株式会社製)、又はノプコDF122−NS(サンノプコ株式会社製)を用いることができる。
(D)ポリオール類
その構造中にアルキレンオキサイド基(特に、エチレンオキサイド基)を多く有する化合物(例えば、ポリエーテル類)を挙げることができ、これらの化合物は水への分散安定性に優れているので、液中の抑泡効果に優れている。ポリエーテル系の消泡剤の市販品としては、例えば、アデカプルロニックシリーズやアデカノールシリーズLG−109、LG−121、LG−294、LG−297など〔旭電化工業(株)〕、又はSNデフォーマー157、247、375、470〔サンノプコ(株)〕を用いることができる。
(E)金属石鹸類
種々の有機酸金属塩を用いることができ、例えば、ナフテン酸系金属石鹸、合成酸系金属石鹸、又はステアリン酸系金属石鹸等を挙げることができる。具体的には、ステアリン酸アルミニウム等を挙げることができ、ナフテネート、ディックネート、又はステアレート(いずれも大日本インキ化学工業株式会社製)等を挙げることができる。
(F)シリコーン類
オイル型、コンパウンド型、自己乳化型、又はエマルジョン型シリコーン消泡剤等を挙げることができ、特にオイル型としては、一般的なジメチルポリシロキサン構造のシリコーンオイルの他にメチル基の一部を変性させた変性シリコーンオイルを挙げることができ、例えば、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、異種官能基変性、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪酸エステル変性、親水性特殊変性、高級アルコキシ変性、高級脂肪酸含有、又はフッ素変性等の変性シリコーンオイルを挙げることができる。市販品としては、オイル型としてSH200(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、KF96、KS604、KI−6702(信越シリコーン株式会社製)、コンパウンド型としてSNデフォーマー5016(サンノプコ株式会社製)、SH5500,SC5540(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、自己乳化型としてBY28−503(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、KS508、KS530、KS−538(信越シリコーン株式会社製)、エマルジョン型としてSM5511、SM5512、SM5515(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、KM72、KM73、KM98(信越シリコーン株式会社製)等を挙げることができ、また変性シリコーンオイル型としては、アミノ変性としてSF5417、エポキシ変性としてSF8411、SF8413、カルボキシル変性としてBY16−880、フッ素変性としてFS1265(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製)、ポリエーテル変性としてKF−6017(信越シリコーン株式会社製)、アルキル変性シリコーンとポリエーテル変性を含有したFORM BAN MS−575(Ultra Additives Inc.製)、カルビノール変性としてKF−6001、KF−6003(信越シリコーン株式会社製)等を挙げることができる。
(G)ノニオン性界面活性剤類
以下の例を挙げることができる。
(1)アルキルアリールエーテルエチレンオキシド付加体、
(2)式:HO−(CO)n−(CO)m−(CO)n−OH
で表され、分子量が500〜10000で、CO含有量が0〜55%の化合物、
(3)式:R(R)CHCOO(CO)n
(式中、R及びRは、炭素原子数1〜15のアルキル基であり、nは1〜8である)で表されるアルキルエステル型化合物
及びRはそれぞれ炭素原子数5以上が好ましく、10以上がさらに好ましい。
(4)アセチレンジオール類及びそのエチレンオキシド0〜8モル付加体。
本発明で用いられる消泡剤としては、単独で又は2種以上を併用し、あるいは混合物として用いることができる。
上記(A)〜(G)の消泡剤のうち、本発明のラテックス、中空粒子を含んだ塗布液の消泡に用いる場合、(F)シリコーンは膜の粘弾性を変化させ、インクシートとの接着を促進する場合があり、(G)ノニオン性界面活性剤は効果が温度依存性を有し塗布液の温度を厳密に制御しないと効果を発揮しない点など使用法が難しい欠点があり、本発明に使用するには上記(A)〜(E)の消泡剤が好ましく、
使用量としては消泡効果を発現させ、かつラテックス、中空粒子の凝集等を発現しないために、0.01〜5%が好ましく、0.1〜1%がさらに好ましい。
受容層の塗布量は、0.5〜10g/m(固形分換算、以下本発明における塗布量は
特に断りのない限り、固形分換算の数値である。)が好ましい。受容層の膜厚は1〜20μmであることが好ましい。
(断熱層)
断熱層(多孔質層)は、サーマルヘッドを用いた加熱転写時における熱から支持体を保護する役割を果たす。また、高いクッション性を有するので、支持体として紙を用いた場合であっても、印字感度の高い感熱転写受像シートを得ることができる。
本発明の受像シートにおいて、断熱層は中空ポリマーを含有する。
本発明における中空ポリマーとは粒子内部に独立した気孔を有するポリマー粒子であり、好ましくはポリマーラテックスであり、例えば、1)ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂等により形成された隔壁内部に水が入っており、塗布乾燥後、粒子内の水が粒子外に蒸発して粒子内部が中空となる非発泡型の中空ポリマー粒子、2)ブタン、ペンタンなどの低沸点液体を、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルのいずれか又はそれらの混合物もしくは重合物よりなる樹脂で覆っており、塗工後、加熱により粒子内部の低沸点液体が膨張することにより内部が中空となる発泡型マイクロバルーン、3)上記の2)をあらかじめ加熱発泡させて中空ポリマーとしたマイクロバルーンなどが挙げられる。
これらの中空ポリマーの平均粒子径は0.3〜1.0μmであることが好ましい。このサイズが小さすぎると、中空率が下がる傾向があり望まれる断熱性が得られなくなり、サイズが大きすぎると、断熱層の粗大粒子以外の面状故障が発生する頻度が高くなる。
また、中空ポリマーは、中空率が20〜70%程度のものが好ましく、20〜50%のものが特に好ましい。中空率が小さすぎると望まれる断熱性が得られなくなり、大きすぎると割れやすい中空ポリマー粒子および不完全な中空粒子の比率が増えて、印画欠陥が生じ、また、十分な膜強度が得られない。
中空ポリマーは必要に応じて2種以上混合して使用することができる。前記1)の具体例としてはローアンドハース社製ローペイク1055、大日本インキ社製ボンコートPP−1000、JSR社製SX866(B)、日本ゼオン社製ニッポールMH5055(いずれも商品名)などが挙げられる。前記2)の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30、F−50(いずれも商品名)などが挙げられる。前記3)の具体例としては松本油脂製薬社製のF−30E、日本フェライト社製エクスパンセル461DE、551DE、551DE20(いずれも商品名)が挙げられる。断熱層に用いられる中空ポリマーはラテックス化されていてもよい。
中空ポリマーのガラス転移温度(Tg)は特に制限はないが、70℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましい。中空ポリマーは必要に応じて2種以上混合して使用することができる。
中空ポリマーを含む断熱層中には中空ポリマー以外に水分散型樹脂または水溶解型樹脂をバインダーとして含有することが好ましい。本発明で使用されるバインダー樹脂としては、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、ウレタン樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、セルロース誘導体、カゼイン、デンプン、ゼラチンなどの公知の樹脂を用いることができる。これらは、受容層で記載した水溶性ポリマーが好ましい。これらバインダー樹脂のなかで、ゼラチン、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエン共重合体、ウレタン樹脂がこのましく、ゼラチン、ポリビニルアルコールがより好ましい。またこれらの樹脂は単独又は混合して用いることができる。
断熱層における中空ポリマーの固形分含有量は、バインダー樹脂の固形分含有量を100質量部としたとき5〜2000質量部の間であることが好ましい。また、中空ポリマーの固形分の塗工液に対して占める質量比は、1〜70質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。中空ポリマーの比率が少なすぎると十分な断熱性をえることができず、中空ポリマーの比率が多すぎると中空ポリマー同士の結着力が低下し、処理中に粉落ち、または膜はがれなどの問題を生じる。
中空ポリマー粒子の粒子サイズは0.1〜20μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましく、0.1〜1μmが特に好ましい。
断熱層の上記バインダーの塗工液に占める量は0.5〜14質量%が好ましく、1〜6質量%が特に好ましい。また、断熱層における前記中空ポリマーの塗布量は1〜100g/mが好ましく、5〜20g/mがより好ましい。
中空ポリマーを含む断熱層の厚みは5〜50μmであることが好ましく、5〜40μmであることがより好ましい。
(中間層)
受容層と支持体との間には中間層が形成されていてもよく、例えば白地調整層、帯電調節層、接着層、プライマー層、下塗層が形成される。これらの層については、例えば特許第3585599号明細書、特許第2925244号明細書などに記載されたものと同様の構成とすることができる。
(支持体)
本発明では、支持体として耐水性支持体を用いることが好ましい。耐水性支持体を用いることで支持体中に水分が吸収されるのを防止して、受容層の経時による性能変化を防止することができる。耐水性支持体としては例えばコート紙やラミネート紙を用いることができる。なかでもラミネート紙が表面平滑性の点で好ましい。銀塩写真分野で印画紙に用いられているポリエチレンラミネート紙(WP紙と略称されることがある)類似のもの、すなわち、セルロースを主成分とする支持体であって、少なくとも受容層が塗布される面がポリオレフィン樹脂で被覆された支持体を好適に用いることができる。
−コート紙−
前記コート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴムラテックス又は高分子材料を片面又は両面に塗工した紙であり、用途に応じて、塗工量が異なる。このようなコート紙としては、例えば、アート紙、キャストコート紙、ヤンキー紙等が挙げられる。
前記原紙等の表面に塗工する樹脂としては、熱可塑性樹脂を使用することが適当である。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、以下の(イ)〜(チ)の熱可塑性樹脂を例示することができる。
(イ)ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、エチレンやプロピレン等のオレフィンと、他のビニルモノマーとの共重合体樹脂や、アクリル樹脂等が挙げられる。
(ロ)エステル結合を有する熱可塑性樹脂である。例えば、ジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、アルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等が挙げられる。
具体的には、特開昭59−101395号公報、同63−7971号公報、同63−7972号公報、同63−7973号公報、同60−294862号公報などに記載のものを挙げることができる。
また、市販品としては、東洋紡(株)製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130;花王(株)製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010;ユニチカ(株)製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153、KZA−7049、KZA−1449;日本合成化学(株)製のポリエスターTP−220、R−188;星光化学工業(株)製のハイロスシリーズの各種熱可塑性樹脂(いずれも商品名)等が挙げられる。
(ハ)ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
(ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
(ホ)ポリスルホン樹脂等が挙げられる。
(ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられる。
(ト)ポリビニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等が挙げられる。
(チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
なお、前記熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記熱可塑性樹脂には、増白剤、導電剤、填料、酸化チタン、群青、カーボンブラック等の顔料や染料等を必要に応じて含有させておくことができる。
−ラミネート紙−
前記ラミネート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴム又は高分子シート又はフィルム等をラミネートした紙である。前記ラミネート材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、トリアセチルセルロース等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ポリオレフィンは、一般に低密度ポリエチレンを用いて形成することが多いが、支持体の耐熱性を向上させるために、ポリプロピレン、ポリプロピレンとポリエチレンとのブレンド、高密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンド等を用いるのが好ましい。特に、コストや、ラミネート適性等の点から、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いるのが最も好ましい。
前記高密度ポリエチレンと、前記低密度ポリエチレンとのブレンドは、例えば、ブレンド比率(質量比)1/9〜9/1で用いられる。該ブレンド比率としては、2/8〜8/2が好ましく、3/7〜7/3がより好ましい。該支持体の両面に熱可塑性樹脂層を形成する場合、支持体の裏面は、例えば、高密度ポリエチレン、或いは高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いて形成されるのが好ましい。ポリエチレンの分子量としては、特に制限はないが、メルトインデックスが、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンのいずれについても、1.0〜40g/10分の間のものであって、押出し適性を有するものが好ましい。
尚、これらのシート又はフィルムには、白色反射性を与える処理を行ってもよい。このような処理方法としては、例えば、これらのシート又はフィルム中に酸化チタンなどの顔料を配合する方法が挙げられる。これは銀塩写真分野において、印画紙用の支持体として一般的に用いられている(WP紙と略称されることがある)。
前記支持体の厚みとしては、25μm〜300μmが好ましく、50μm〜260μmがより好ましく、75μm〜220μmが更に好ましい。該支持体の剛度としては、種々のものがその目的に応じて使用することが可能であり、写真画質の感熱転写受像シート用の支持体としては、カラー銀塩写真印画紙用の支持体に近いものが好ましい。
(カール調整層)
支持体がそのまま露出していると環境中の湿度・温度により感熱転写受像シートがカールしてしまうことがあるため、支持体の裏面側にカール調整層を形成することが好ましい。カール調整層は、受像シートのカールを防止するだけでなく防水の役割も果たす。カール調整層には、ポリエチレンラミネートやポリプロピレンラミネート等が用いられる。具体的には、例えば特開昭61−110135号公報、特開平6−202295号公報などに記載されたものと同様にして形成することができる。
(筆記層・帯電調整層)
筆記層・帯電調整層には、無機酸化物コロイドやイオン性ポリマー等を用いることができる。帯電防止剤として、例えば第四級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル等のノニオン系帯電防止剤など任意のものを用いることができる。具体的には、例えば特許第3585585号明細書などに記載されたものと同様にして形成することができる。
熱転写画像形成の際に、上述した本発明の感熱転写受像シートと併せて使用される感熱転写シート(インクシート)は支持体上に拡散転写染料を含む色素層を設けたものであり、任意のインクシートを使用することができる。熱転写時の熱エネルギーの付与手段は、従来公知の付与手段のいずれも使用することができ、例えば、サーマルプリンター(例えば、ASK−2000 富士フイルム(株)製)等の記録装置によって記録時間をコントロールすることにより、0〜50mJ/mm程度の熱エネルギーを付与することによって所期の目的を十分に達成することができる。
また、本発明の感熱転写受像シートは、支持体を適宜選択することにより、熱転写記録可能な枚葉またはロール状の感熱転写受像シート、カード類、透過型原稿作成用シート等の各種用途に適用することもできる。
本発明は、感熱転写記録方式を利用したプリンター、複写機などに利用することができる。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中で、部または%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
実施例
(インクシートの作製)
厚さ6.0μmのポリエステルフィルム(ルミラー、商品名、(株)東レ製)を基材フィルムとして用いた。そのフィルム背面側に耐熱スリップ層(厚み1μm)を形成し、かつ表面側に下記組成のイエロー、マゼンタ、シアン組成物、保護層組成物を、それぞれ単色に塗布(乾膜時の塗布量1g/m)した。
イエロー組成物
染料(マクロレックスイエロー6G、商品名、バイエル社製) 5.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
マゼンタ組成物
マゼンタ染料(ディスパーズレッド60) 5.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
シアン組成物
シアン染料(ソルベントブルー63) 5.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂 4.5質量部
(エスレックBX−1、商品名、積水化学工業(株)製)
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 90質量部
保護層組成物
ポリビニルアセタール樹脂 5.5質量部
(KS‐10、商品名、積水化学工業(株)製)
コロイダルシリカ(IPA‐ST、商品名、日産化学(株)製) 4質量部
ジエチルケトン/イソプロピルアルコール(質量比8/2) 90質量部
(受像シート用支持体の作製)
アカシアからなるLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)50質量部及びアスペンからなるLBKP 50質量部をそれぞれディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに叩解しパルプスラリーを調製した。
次いで、上記で得られたパルプスラリーに、対パルプ当り、カチオン変性でんぷん(日本NSC(株)製、商品名、CAT0304L)1.3%、アニオン性ポリアクリルアミド(星光PMC(株)製、商品名、DA4104)0.15%、アルキルケテンダイマー(荒川化学(株)製、商品名、サイズパインK)0.29%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.29%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(荒川化学(株)製、商品名、アラフィックス100)0.32%を加えた後、消泡剤0.12%を加えた。
前記のようにして調製したパルプスラリーを長網抄紙機で抄紙し、ウェッブのフェルト面をドラムドライヤーシリンダーにドライヤーカンバスを介して押し当てて乾燥する工程において、ドライヤーカンバスの引張り力を1.6kg/cmに設定して乾燥を行なった後、サイズプレスにて原紙の両面にポリビニルアルコール((株)クラレ製、商品名、KL−118)を1g/m塗布して乾燥し、カレンダー処理を行った。なお、原紙の坪量は157g/mで抄造し、厚さ160μmの原紙(基紙)を得た。
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側に、コロナ放電処理を行なった後、溶融押出機を用いてMFR(メルトフローレート;以下同様)16.0g/10分、密度0.96g/cmの高密度ポリエチレン(ハイドロタルサイト(商品名:DHT−4A、協和化学工業(株)製)250ppmと、二次酸化防止剤(トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、商品名:イルガフォス168、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製、200ppmを含有)と、MFR 4.0g/10分、密度0.93g/cmの低密度ポリエチレンと、を75/25(質量比)の割合で配合した樹脂組成物を、厚さ21g/mとなるようにコーティングし、マット面からなる熱可塑性樹脂層を形成した(以下、この熱可塑性樹脂層面を「裏面」と称する。)。この裏面側の熱可塑性樹脂層に更にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として、酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製、商品名、アルミナゾル100)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製、商品名、スノーテックスO)とを1:2の質量比で水に分散した分散液を、乾燥質量が0.2g/mとなるように塗布した。続いて表面にコロナ処理し10質量%の酸化チタンを有するMFR 4.0g/10分、密度0.93g/mの低密度ポリエチレンを27g/mになるように溶融押出機を用いてコーティングし、鏡面からなる熱可塑性樹脂層を形成した。
(乳化物Aの作成)
乳化物Aを以下の手順で調製した。化合物EB−9を高沸点溶媒(Solv−5)高沸42g及び酢酸エチル20mlに溶解し、この液を1gのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む20質量%ゼラチン水溶液250g中に高速攪拌乳化機 (ディゾルバー) で乳化分散し、水を加えて380gの乳化物Aの調製を行った。
ここで、化合物EB−9の添加量は乳化物A中に30mmolとなるよう調整した。ただし、実際の実験においては、必要量に応じて作製スケールを変更した。この際、各添加物および各溶媒の比率は上記と同じになるようにした。
(参考までに構造式を以下に示す)
Figure 2008246732
Figure 2008246732
(乳化物Bの作成)
乳化物Bを以下の手順で調製した。高沸点溶媒(Solv−5)11.0g、KF−96(信越化学(株)製 ジメチルシリコーン)9g、(EB−9)15.5g、KAYARAD DPCA−30(日本化薬(株)製)7.5g、及び酢酸エチル20mlに溶解し、この液を1gのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含む20質量%ゼラチン水溶液250g中に高速攪拌乳化機(ディゾルバー)で乳化分散し、水を加えて380gの乳化物Bの調整を行った。ただし、実際の実験においては、必要量に応じて作製スケールを変更した。この際、各添加物および各溶媒の比率は上記と同じになるようにした。
(受像シートの作製)
上記のように作成した支持体上に下層から順に下塗層、断熱層、受容層の構成の受像シート101を作製した。塗工液の組成と塗布量を以下に示す。
塗布は表1に示した温度に調液タンク温度、配管温度、塗布点(=塗布ヘッド)温度を設定し、下記の全ての層を同時に重層塗布した。塗布は前述したスライドコーティングで行い、塗布後6℃のセットゾーンを30秒通過させて液の流動性をなくした後、22℃45%RHの乾燥風を2分塗布面に吹き付けて乾燥させることで行った。
下塗層塗工液
(組成)
スチレンブタジエンラテックス 60質量部
(日本エイアンドエル(株)社製 SR103)
ポリビニルアルコール(PVA) 6%水溶液 40質量部
界面活性剤1%水溶液(BFS−1) 2質量部
NaOHでpHを8に調節
(塗布量) 11ml/m
断熱層塗工液
(組成)
先に調整した乳化物A 21質量部
中空ポリマー 48質量部
(日本ゼオン(株)製MH5055)
10%ゼラチン水溶液 28質量部
水 3質量部
防腐剤(式PR−1で示す化合物) 0.2質量部
NaOHでpHを8に調節
(塗布量) 50ml/m
(塗布液粘度) 45cp
受容層塗工液
(組成)
先に調整した乳化物B 4質量部
塩化ビニル系ポリマーラテックス 53質量部
(日信化学(株)社製 ビニブラン900)
塩化ビニル系ポリマーラテックス 10質量部
(日信化学(株)社製 ビニブラン276)
マイクロクリスタリンワックス 6質量部
(日本製蝋(株)製 EMUSTAR−42X)
水 22質量部
界面活性剤1%水溶液(BFS−1) 4質量部
マット剤 1質量部
(メラミン−シリカ樹脂 比重1.65(オプトビーズ3500M 日産化学工業(株)製))
防腐剤(式PR−1で示す化合物) 0.1質量部
NaOHでpHを8に調節
(塗布量) 18ml/m
(塗布液粘度) 7cp
Figure 2008246732
各層の水の添加量を変化させ塗布液濃度を表1に示したように変化させ、表1に示した温度に調液タンク温度、配管温度、塗布点(=塗布ヘッド)温度を設定した以外は、試料101と同様にして試料102〜114を作製した。
Figure 2008246732
(画像形成)
インクシートと、感熱転写受像シート101〜114を装填可能なように加工し、昇華型熱転写プリンターASK−2000(富士フイルム(株)社製)を用いて、高速プリントモードで出力した。このとき、1枚目が排出されてから、2枚目が排出されるまでの時間は8秒間であった。出力画像は、白からマックスグレー(黒ベタ)に変化する階調画像、又は白からマックスマゼンタ(マゼンタベタ)に変化する階調画像とした。
(性能評価)
得られた感熱転写受像シート101〜114について、下記判断を基準に性能評価試験を行った。そのときの結果を表2に示す。
白抜けの評価は白からマックスマゼンタの階調画像を用い、下記判断を基準に行った。
5:画像中、白抜けが全く認められず、実用上問題ない。
4:マゼンタベタ部分は全く白抜けが認められず、低濃度部分はわずかに白抜けが認められるが、実用上問題ない。
3:マゼンタベタ部分はほとんど白抜けが認められないが、低濃度部分に若干の白抜けが認められ、実用上問題である。
2:マゼンタベタ部分にわずかの白抜け、低濃度部分に多数の白抜けが認められ、実用上問題である。
1:低濃度部分、マゼンタベタともに白抜けが多数認められ、実用上問題である。
保護層転写不良の評価は白からマックスグレー(黒ベタ)の階調画像を用い、下記判断を基準に行った。
5:画像中、保護層転写不良が全く認められず、実用上問題ない。
4:画像中、一部に軽微な保護層転写不良があるが、実用上問題ない。
3:画像中、全面に軽微な保護層転写不良があり、実用上問題である。
2:画像中、全面に軽微な保護層転写不良があり、かつ一部に明らかな保護層転写不良があり、実用上問題である。
1:画像中、全面に明らかな保護層転写不良があり、実用上問題である
感度の評価は白からマックスマゼンタ(マゼンタベタ)の階調画像を用いて評価した。Visual黒濃度をPhotographic Densitometer(X−Rite incorporated社製)で測定し、感熱転写受像シート105(比較例)の黒濃度1.0の地点での濃度を100として、相対感度を下記判断で記載した。
5:116%より大きい
4:108%より大きく〜116%以下
3:100%より大きく〜108%以下
2:92%より大きく〜100%以下
1:86%より大きく〜92%以下
Figure 2008246732
試料104〜106、108に対し、本発明の「支持体上に中空ポリマーを少なくとも1種含む断熱層を少なくとも1層有し、ポリマーラテックスを少なくとも1種含む受容層を少なくとも1層有し、少なくとも2層が同時重層塗布により形成される感熱転写受像シートの製造方法であって、上記塗布液の温度が塗布点の液温より3℃以上高い温度で送液することを特徴とした試料」101〜103、107は、高濃度の印画特性を有し、かつ高い平滑性ゆえに画像故障のない優れた画像形成を達成できることが分かった。また、上記効果は、試料111に対する試料109の効果よりも、試料105に対する試料101の効果のほうが大きく、断熱層と断熱層に隣接する層との固形分濃度の差が5%以上ある場合に顕著であることが分かった。さらに、上記効果は、試料114に対する試料112の効果よりも、試料105に対する試料101の効果のほうが大きく、断熱層の固形分濃度が15%以上である場合に顕著であることが分かった。

Claims (7)

  1. 支持体上に
    中空ポリマーを少なくとも1種含む断熱層を少なくとも1層有し、
    ポリマーラテックスを少なくとも1種含む受容層を少なくとも1層有し、
    少なくとも2層が同時重層塗布により形成される感熱転写受像シートの製造方法であって、
    上記塗布液の少なくとも一層の調液及び送液温度が塗布点の液温より3℃以上高い温度で設定することを特徴とした製造方法。
  2. 該断熱層の調液及び送液温度が塗布点の液温より3℃以上高い温度で設定することを特徴とした請求項1に記載の感熱転写受像シート及び製造方法。
  3. 該断熱層と該断熱層に隣接する層との固形分濃度の差が5%以上あることを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱転写受像シート及び製造方法。
  4. 該断熱層の固形分濃度が15%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート及び製造方法。
  5. 該塗布工程中、全塗布液の総塗布量が150ml/m以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート及び製造方法。
  6. 該塗布工程の配管温度が塗布点より3℃以上高い温度で保温することを特徴とした請求項1〜5のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート及び製造方法。
  7. 該塗布工程の塗布速度が50m/s以上であることを特徴とした請求項1〜6のいずれか1項に記載の感熱転写受像シート及び製造方法。
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