JP2008244462A - 有機エレクトロニクス用材料、並びにこれを用いた有機エレクトロニクス素子及び有機エレクトロルミネセンス素子 - Google Patents

有機エレクトロニクス用材料、並びにこれを用いた有機エレクトロニクス素子及び有機エレクトロルミネセンス素子 Download PDF

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Abstract

【課題】発光効率が高く、色純度が改善された有機エレクトロルミネセンス素子を得ることができる有機エレクトロニクス用材料を提供すること。
【解決手段】りん光材料、及び前記りん光材料の最大発光波長よりも、吸収末端波長が100nm以上短波長であるポリマー又はオリゴマーを含む有機エレクトロニクス用材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機エレクトロニクス用材料、並びにこれを用いた有機エレクトロニクス素子及び有機エレクトロルミネセンス素子(以下、有機EL素子ということもある)に関する。
有機エレクトロニクス素子は、有機物を用いて電気的な動作を行う素子であり、省エネルギー、低価格、柔軟性といった特長を発揮できると期待され、従来のシリコンを主体とした無機半導体に替わる技術として注目されている。
有機エレクトロニクス素子の中でも有機EL素子は、例えば、白熱ランプ、ガス充填ランプの代替えとして、大面積ソリッドステート光源用途として注目されている。また、フラットパネルディスプレイ(FPD)分野における液晶ディスプレイ(LCD)に置き換わる最有力の自発光ディスプレイとしても注目されており、製品化が進んでいる。
有機EL素子は、有機化合物の薄膜を、陰極と陽極とで挟んだ構成を有しており、薄膜の形成方法としては、蒸着法と塗布法とに大別される。蒸着法は、主に低分子化合物を用い、真空中で基板上に薄膜を形成する手法であり、製品化が先行している。一方、塗布法は、インクジェットや印刷など、溶液を用いて基板上に薄膜を形成する手法であり、材料の利用効率が高く、大面積化、高精細化に向いており、今後の大画面有機ELディスプレイには不可欠な手法である。しかし、どちらの手法を用いた有機EL素子とも、これまでの精力的な研究にもかかわらず、その発光効率の低さ、色純度の改善などが問題となっている。
ところで、近年、有機EL素子の高効率化のため、燐光有機EL素子の開発が活発に行われている。この燐光有機EL素子では、一重項状態のエネルギーのみならず三重項状態のエネルギーも利用することが可能であり、内部量子収率を原理的には100%まで上げることが可能となる。
また、燐光有機EL素子では、燐光を発するドーパントとして、白金やイリジウムなどの重金属を含む金属錯体系発光材料を、ホスト材料にドーピングすることで燐光発光を取り出す(例えば、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4参照)。この燐光ドーパントの発光には、ホスト材料に対する依存性がある。ホスト材料に必要とされる基本性能としては、正孔輸送性及び電子輸送性を有すること、ホスト材料の三重項状態エネルギーレベルが高いことなどが挙げられ、一般にはCBP(4,4’−Bis(Carbazol−9−yl)−biphenyl)などのカルバゾールの誘導体が好適に用いられている(例えば、特許文献2参照)。しかし、CBPのような電荷輸送材料は、結晶化しやすく、塗布法による成膜は困難であった。一方、塗布法による有機EL素子では、ポリフルオレン誘導体やポリパラフェニレンビニレン(PPV)誘導体などが広く用いられているが、これらは3重項状態のエネルギーレベルが低く、燐光有機EL素子のホスト材料としては不十分であった。
また、その一方で、有機EL素子の発光効率の低さに加え、素子寿命の短さも問題になっており、これらを解決する一つの手段として、蒸着法による有機EL素子の多層化が行われている。図1に多層化された有機EL素子の一例を示す。図1において、発光を担う層を発光層1、それ以外の層を有する場合、陽極2に接する層を正孔注入層3、陰極4に接する層を電子注入層5と記述する。さらに、発光層1と正孔注入層3の間に異なる層が存在する場合、正孔輸送層6と記述、また発光層1と電子注入層5の間に異なる層が存在する場合、電子輸送層7と記述する。なお、図1において、8は基板である。
ここで、蒸着法によって製膜を行う場合、用いる化合物を順次変更しながら蒸着を行うことで容易に多層化が達成できる。一方、塗布法によって製膜、多層化する場合には、新たな層を製膜する際に既に製膜した層が変化しないような方法が必要である。そこで、塗布法による有機EL素子の多くは、水分散液を用いて製膜を行うポリチオフェン:ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)からなる正孔注入層、トルエン等の芳香族系有機溶媒を用いて製膜を行う発光層の2層構造を有している。この場合、PEDOT:PSS層はトルエンに溶解しないため、2層構造を作製することが可能となっている。
塗布法による有機EL素子でさらなる多層化が困難であったのは、類似溶媒で積層を行った場合に下層が溶解してしまうことが原因である。この問題に対処するために、重合可能な置換基を有する低分子化合物を塗布後、重合させることにより溶解度を変化させ、多層構造を形成する技術が知られている(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。しかしながら、低分子化合物は結晶化しやすい傾向があり、良質な薄膜を形成しにくいという問題があった。
これらの問題を解決するために、大面積でも製膜が容易な塗布法により良質な薄膜(有機層)を形成し、なおかつ多層化により各層の機能を分離することによって、発光効率及び発光寿命を向上させることが求められている。
特開2006−279007号公報 特開2003−068466号公報 廣瀬健吾、熊木大介、小池信明、栗山晃、池畑誠一郎、時任静士、第53回応用物理学関係連合講演会、26p−ZK−4(2006) M.A.Baldo et al.,Nature,vol.395,p.151(1998) M.A.Baldo et al.,Apllied Physics Letters,vol.75,p.4(1999) M.A.Baldo et al.,Nature,vol.403,p.750(2000)
上記問題に鑑み、本発明は、発光効率が高く、色純度が改善された有機エレクトロルミネセンス素子を得ることができる有機エレクトロニクス用材料を提供することを目的とする。また、さらに、必要に応じ、発光効率が高く、長寿命である有機エレクトロルミネセンス素子を得ることができる有機エレクトロニクス用材料を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、上記の有機エレクトロニクス用材料を用いることにより、発光効率が高く、色純度に優れ、さらには、長寿命である有機エレクトロニクス素子、特に有機エレクトロルミネセンス素子を得ることを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、りん光材料と、前記りん光材料の最大発光波長よりも、吸収末端波長が100nm以上短波長であるポリマー又はオリゴマーとを含む混合物が、有機EL素子の高効率化、また、色純度の改善に適した有機エレクトロニクス用材料であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、りん光材料、及び前記りん光材料の最大発光波長よりも、吸収末端波長が100nm以上短波長であるポリマー又はオリゴマーを含む有機エレクトロニクス用材料に関する。
前記ポリマー又はオリゴマーの多分散度は、1.0より大きいことが好ましく、また、前記ポリマー又はオリゴマーの数平均分子量は、1,000以上100,000以下であることが好ましい。
また、本発明者らは、前記ポリマー又はオリゴマーが重合性置換基を有する場合、重合反応によって溶解度が変化するために、塗布法により容易に、生産性よく、膜の多層化が可能であることを見出した。
したがって、本発明の一態様においては、前記ポリマー又はオリゴマーは、1つ以上の重合可能な置換基を有する。前記重合可能な置換基として、例えば、オキセタン基、エポキシ基、ビニル基、アクリロイルオキシ基、又は、メタクリロイルオキシ基などを挙げることができる。前記重合可能な置換基は、好ましくは、前記ポリマー又はオリゴマーの末端に存在する。
本発明の一態様においては、前記ポリマー又はオリゴマーは、下記一般式(1a)〜(8a)のいずれかで表される繰り返し単位を有する。
Figure 2008244462
〔式中、R、Rx、Ry、Rz、Rv、及びRwは、それぞれ独立に−R、−OR、−SR、−OCOR、−COOR、−SiR、又は下記一般式(9a)〜(11a)
Figure 2008244462
(ただし、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜22個の直鎖、環状若しくは分岐アルキル基、又は炭素数2〜30個のアリール基若しくはヘテロアリール基を表し、a、b、及びcは、1以上の整数を表す。)を表す。ただし、複数のRx、Ry、Rz、Rv、及びRwにおいて、それぞれの少なくとも1つは、水素原子以外の基である。x、y、及びzは、それぞれ独立に、1〜4の整数である。〕
また、本発明の一態様においては、前記ポリマー又はオリゴマーは、下記一般式(12a)〜(19a)のいずれかで表される構造を有する。
Figure 2008244462
〔式中、R、Rx、Ry、Rz、Rv、及びRwは、それぞれ独立に−R、−OR、−SR、−OCOR、−COOR、−SiR、又は下記一般式(9a)〜(11a)
Figure 2008244462
(ただし、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜22個の直鎖、環状若しくは分岐アルキル基、又は炭素数2〜30個のアリール基若しくはヘテロアリール基を表し、a、b、及びcは、1以上の整数を表す。)を表す。ただし、複数のRx、Ry、Rz、Rv、及びRwにおいて、それぞれの少なくとも1つは、水素原子以外の基である。x、y、及びzは、それぞれ独立に1〜4の整数であり、Arは、それぞれ独立に置換若しくは非置換のアリーレン基及び/又はヘテロアリーレン基、トリアリールアミン誘導体を表し、Eは、重合可能な置換基を含む基を表し、nは、2以上の整数である。〕
前記一般式(12a)〜(19a)において、nの数平均は、2〜20であることが好ましい。
また、本発明においては、前記りん光材料の例として、イリジウム錯体又は白金錯体を挙げることができる。
さらに、本発明の有機エレクトロニクス用材料は、重合開始剤を含有していてもよい。
また、本発明は、上記の有機エレクトロニクス用材料を用いて作製された有機エレクトロニクス素子または有機エレクトロルミネセンス素子に関する。
前記有機エレクトロルミネセンス素子の態様としては、例えば、少なくとも陽極、発光層及び陰極が積層されてなる有機エレクトロルミネセンス素子であって、前記発光層が上記の有機エレクトロニクス用材料により形成された層である有機エレクトロルミネセンス素子がある。
本発明によれば、発光効率が高く、色純度が改善された有機エレクトロルミネセンス素子を得ることができる有機エレクトロニクス用材料を提供することが可能となる。また、さらに、本発明の一態様によれば、発光効率が高く、長寿命である有機エレクトロルミネセンス素子を得ることができる有機エレクトロニクス用材料を提供することが可能となる。
さらに、本発明によれば、上記の有機エレクトロニクス用材料を用いることにより、発光効率が高く、色純度に優れ、さらには、長寿命である有機エレクトロニクス素子、特に有機エレクトロルミネセンス素子を得ることが可能となる。
本発明の有機エレクトロニクス用材料は、りん光材料と、当該りん光材料の最大発光波長よりも、吸収末端波長が100nm以上短波長であるポリマー又はオリゴマーとを含む。以下、ポリマー又はオリゴマー、及びりん光材料について詳細に説明する。
本発明で用いるポリマー又はオリゴマーは、りん光材料の最大発光波長よりも、吸収末端波長が100nm以上短波長であることを特徴とする。ここで、りん光材料の最大発光波長とは、りん光材料を光励起した場合の発光スペクトルの発光強度が最大となる波長である。光励起には、例えば、250nmの紫外光を用いることができる。また、吸収末端波長とは、ポリマー又はオリゴマーの吸収スペクトルにおいて、ポリマー又はオリゴマーの吸収がほぼ消失する最大波長(吸収波長の最大値)であり、図2のように、吸収スペクトルの接線と、ベースラインとの交点の波長で定義することができる。なお、本発明において、吸収スペクトルの接線は、吸収スペクトルの最大波長側から数えて1つ目のピークに対し、吸収強度が1/2となる点における接線とする。また、本発明において、吸収末端波長は、ポリマー又はオリゴマーが示す吸収波長の最大値であり、吸収スペクトルの測定範囲は、ポリマー又はオリゴマーに応じて適宜設定するものとする。本発明においては、吸収末端波長は、例えば、250nmから450nmの波長範囲において観察される吸収波長の最大値とすることができる。
また、本発明で用いるポリマー又はオリゴマーは、りん光材料の最大発光波長よりも、吸収末端波長が100nm以上短波長のものであれば使用可能であるが、色純度を改善するため可能な限り短波長側のものであることが好ましい。具体的には、りん光材料の最大発光波長よりも、ポリマー又はオリゴマーの吸収末端波長が、120nm以上短波長であることがより好ましく、140nm以上短波長であることが最も好ましい。また、ポリマー又はオリゴマーの吸収末端波長とりん光材料の最大発光波長との差の上限は特に限定されないが、有機EL素子に適用した場合の素子寿命の観点から、350nm以下であることが好ましい。
ポリマー又はオリゴマーの吸収末端波長とりん光材料の最大発光波長との差が100nm以上となる組み合わせは、ポリマー又はオリゴマーの吸収末端波長とりん光材料の最大発光波長とを測定することにより、適宜選択することが可能である。
また、本発明で用いるポリマー又はオリゴマーは、製膜安定性を高めるため、多分散度を制御することが好ましい。多分散度の範囲は、1.0より大きいことが好ましく、1.1以上5.0以下がより好ましく、1.2以上3.0以下が最も好ましい。多分散度が小さすぎると、成膜後に凝集しやすくなる傾向がある。なお、ポリマー又はオリゴマーの多分散度は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン換算で測定したときの(重量平均分子量/数平均分子量)のことである。
また、本発明で用いるポリマー又はオリゴマーは、吸収末端波長と製膜安定性を両立させるため、その数平均分子量が特定範囲に制御されたものであることが好ましい。数平均分子量の範囲は、1,000以上100,000以下であることが好ましく、1,000以上10,000以下であることがより好ましい。分子量が1,000未満であると製膜安定性が低下する傾向があり、100,000を超えると吸収末端波長が長波長化する傾向がある。また、後述する重合性を有する置換基を導入した場合、数平均分子量が大きすぎると、重合反応を行っても溶解度の変化が小さく、積層化が困難になる場合がある。なお、ポリマー又はオリゴマーの数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて、ポリスチレン換算で測定したときの数平均分子量のことである。
また、本発明で用いるポリマー又はオリゴマーは、吸収末端波長を短波長化するため、繰り返し単位として、m−フェニレン基、又は、隣接する繰り返し単位との結合位置の少なくとも1つのオルト位に、水素原子以外の置換基を有する芳香環を含む基を有していることが好ましい。このような繰り返し単位の例として、例えば、下記一般式(1a)〜(5a)が挙げられる。
Figure 2008244462
〔式中、R、Rx、及びRyは、それぞれ独立に−R、−OR、−SR、−OCOR、−COOR、−SiR、又は(9a)〜(11a)
Figure 2008244462
(ただし、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜22個の直鎖、環状若しくは分岐アルキル基、又は炭素数2〜30個のアリール基若しくはヘテロアリール基を表し、a、b、及びcは、1以上の整数、好ましくは1〜4の整数を表す。)を表し、複数のRx及びRyにおいて、それぞれのうちの少なくとも1つは、水素原子以外の基であり、x、y、及びzは、それぞれ独立に、1〜4の整数である。〕
特に、隣接する繰り返し単位に含まれる芳香環との間の二面角を増大させることで高エネルギー化させ、りん光材料からの発光を効率化させるという観点から、一般式(4a)又は(5a)で表される繰り返し単位が好ましい。
また、ビフェニレン基、又はターフェニレン基であって、芳香環同士をつなぐ結合位置のオルト位の少なくとも1つ以上に、水素原子以外の置換基を有する基も、繰り返し単位として好ましい。このような繰り返し単位の例として、例えば、下記一般式(6a)〜(8a)が挙げられる。
Figure 2008244462
〔式中、R、Rz、Rv、及びRwは、それぞれ独立に−R、−OR、−SR、−OCOR、−COOR、−SiR、又は(9a)〜(11a)
Figure 2008244462
(ただし、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜22個の直鎖、環状若しくは分岐アルキル基、又は炭素数2〜30個のアリール基若しくはヘテロアリール基を表し、a、b、及びcは、1以上の整数、好ましくは1〜4の整数を表す。)を表し、複数のRz、Rv、及びRwにおいて、それぞれのうちの少なくとも1つは、水素原子以外の基である。〕
また、本発明で用いるポリマー又はオリゴマーは、分子内に「重合可能な置換基」を1つ以上有していてもよい。ここで、上記「重合可能な置換基」とは、重合反応を起こすことにより2分子以上の分子間で結合を形成可能な置換基のことであり、以下、その詳細について述べる。
上記重合可能な置換基としては、炭素−炭素多重結合を有する基(例えば、ビニル基、アセチレン基、ブテニル基、アクリロイル基、アクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリロイル基、メタクリロイルオキシ基、メタクリルアミド基、アレーン基、アリル基、ビニルオキシ基、ビニルアミノ基、フリル基、ピロール基、チオフェン基、シロール基等を挙げることができる)、小員環を有する基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、エポキシ基、オキセタン基、ジケテン基、エピスルフィド基等)、ラクトン基、ラクタム基又はシロキサン誘導体を含有する基等が挙げられる。
また、上記基の他に、エステル結合やアミド結合を形成可能な基の組み合わせなども重合可能な置換基として利用できる。例えば、エステル基とアミノ基、エステル基とヒドロキシル基などの組み合わせである。重合可能な置換基としては、特に、オキセタン基、エポキシ基、ビニル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が反応性の観点から好ましく、オキセタン基が最も好ましい。
また、重合可能な置換基は、ポリマー又はオリゴマーの側鎖として導入されていても、末端に導入されていてもよく、側鎖と末端の両方に導入されていてもよい。特に、末端に導入されている場合は、ポリマー又はオリゴマー主鎖の特性へ与える影響が小さく、好ましい。
重合可能な置換基がポリマー又はオリゴマーの末端に導入された場合の本発明におけるポリマー又はオリゴマーとしては、例えば、下記一般式(12a)〜(19a)が例示される。
Figure 2008244462
〔式中、R、Rx、Ry、Rz、Rv、及びRwは、それぞれ独立に−R、−OR、−SR、−OCOR、−COOR、−SiR、又は下記一般式(9a)〜(11a)
Figure 2008244462
(ただし、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜22個の直鎖、環状若しくは分岐アルキル基、又は炭素数2〜30個のアリール基若しくはヘテロアリール基を表し、a、b、及びcは、1以上の整数を表す。)を表す。ただし、複数のRx、Ry、Rz、Rv、及びRwにおいて、それぞれのうちの少なくとも1つは、水素原子以外の基である。x、y、及びzは、それぞれ独立に1〜4の整数であり、Arは、それぞれ独立に置換若しくは非置換のアリーレン基及び/又はヘテロアリーレン基、トリアリールアミン誘導体を表し、Eは、重合可能な置換基を含む基を表し、nは、2以上の整数である。〕
上記一般式(12a)〜(19a)中のArは、それぞれ独立に置換又は非置換のアリーレン基、置換又は非置換のヘテロアリーレン基、置換又は非置換のアリーレン基とヘテロアリーレン基を組み合わせた基、または、置換又は非置換のトリアリールアミン誘導体を表す。ここで、アリーレン基とは、芳香族炭化水素から水素原子2個を除いた原子団であり、ヘテロアリーレン基とは、ヘテロ原子を有する芳香族化合物から水素原子2個を除いた原子団であり、トリアリールアミン誘導体は、トリアリールアミンから水素原子2個を除いた原子団(トリアリールアミン残基)である。また、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、またはトリアリールアミン誘導体は、置換又は非置換であってもよい。アリーレン基、ヘテロアリーレン基、またはトリアリールアミン誘導体が有する置換基としては、例えば、上記一般式(1a)〜(8a)における置換基Rが挙げられる。
アリーレン基としては、例えば、フェニレン、ビフェニル−ジイル、ターフェニル−ジイル、ナフタレン−ジイル、アントラセン−ジイル、テトラセン−ジイル、フルオレン−ジイル、フェナントレン−ジイルなどが挙げられ、ヘテロアリーレン基としては、例えば、ピリジン−ジイル、ピラジン−ジイル、キノリン−ジイル、イソキノリン−ジイル、アクリジン−ジイル、フェナントロリン−ジイル、フラン−ジイル、ピロール−ジイル、チオフェン−ジイル、オキサゾール−ジイル、オキサジアゾール−ジイル、チアジアゾール−ジイル、トリアゾール−ジイル、ベンゾオキサゾール−ジイル、ベンゾオキサジアゾール−ジイル、ベンゾチアジアゾール−ジイル、ベンゾトリアゾール−ジイル、ベンゾチオフェン−ジイル、カルバゾール−ジイルなどが挙げられる。また、置換又は非置換であってもよいアリーレン基及び/又はヘテロアリーレン基の例を下記構造式(1)〜(32)に示す。
Figure 2008244462
また、上記一般式(12a)〜(19a)において、Arは、溶解度や化学的安定性、吸収末端波長の観点から、フェニレン基、フルオレン−ジイル基、フェナントレン−ジイル基、縮環構造を有する上記の構造式(29)、(30)、カルバゾール基が好ましく、縮環構造を有する上記の構造式(29)、(30)、カルバゾール基がより好ましく、カルバゾール基が最も好ましい。なお、上記構造式(29)、(30)におけるl、m、nは1〜5の整数であり、2〜4が好ましい。
上記一般式(1a)〜(8a)、(12a)〜(19a)の置換基R等及び上記構造式(1)〜(32)における置換基R等としては、特に制限はないが、例えば、−R、−OR、−SR、−OCOR、−COOR、−SiR又はポリエーテルである下記一般式(33)
Figure 2008244462
(ただし、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜22個の直鎖、環状若しくは分岐アルキル基、又は炭素数2〜30個のアリール基若しくはヘテロアリール基を表し、a、b、及びcは、それぞれ独立に1以上の整数、好ましくは1〜4の整数を表す。)で表される置換基を挙げることができ、それぞれは同一であっても異なっていてもよい。これらの置換基のうち、R等としては、それぞれ独立して、未置換のもの、すなわち水素原子であるか又は−Rで表されるアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基が直接置換したもの、−ORで表される水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基が、重合反応性及び耐熱性の点から好ましい。
上記一般式(12a)〜(19a)のEは、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、カルバゾール基、またはこれらを組み合わせてなる基などに前述の重合可能な置換基が1つ以上結合した基である。Eは同一であっても、異なっていても良い。アリール基、ヘテロアリール基としては、例えば、上記一般式(1a)〜(14a)におけるArと同様の基が挙げられる。Eとして、好ましくはオキセタン基含有基であり、例えば、一般式(34)〜(40)が挙げられる。
Figure 2008244462
また、上記一般式(12a)〜(19a)において、繰り返し数nの数平均は、2以上であり、2以上100以下が好ましく、2以上20以下がより好ましい。nが小さすぎると製膜安定性が低下し、大きすぎると重合反応を行っても溶解度の変化が小さく、積層化が困難になる場合がある。
本発明で用いるポリマー又はオリゴマーは、種々の当業者公知の合成法により製造できる。例えば、各モノマー単位が芳香族環を有し、芳香族環同士を結合させたポリマーを製造する場合には、ヤマモト(T. Yamamoto、Bull.Chem.Soc.Jap.,51巻、7号、2091頁(1978))及びゼンバヤシ(M. Zembayashi、Tet.Lett.,47巻4089頁(1977))に記載されている方法を用いることができるが、スズキ(A. Suzuki)(Synthetic Communications,Vol.11,No.7,p.513(1981))において報告されている方法がポリマーの製造には一般的である。
この反応は、芳香族ボロン酸(boronic acid)誘導体と芳香族ハロゲン化物の間でPd触媒化クロスカップリング反応(通常、「鈴木反応」と呼ばれる)を起こさしめるものであり、対応する芳香族環同士を結合する反応に用いることにより、本発明で用いるポリマー又はオリゴマーを製造することができる。また、この反応はPd(II)塩又はPd(0)錯体の形態の可溶性Pd化合物を必要とする。芳香族反応体を基準として0.01〜5モル%のPd(PhP)、3級ホスフィンリガンドとのPd(OAc)錯体及びPdCl(dppf)錯体が一般に好ましいPd源である。また、この反応は塩基も必要とし、水性アルカリカーボネート若しくはバイカーボネートが最も好ましい。また、相間移動触媒を用いて、非極性溶媒中で反応を促進することもできる。溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、アニソール、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等が用いられる。
本発明の有機エレクトロニクス用材料において、りん光材料は、3重項励起状態から発光を取り出せる物質であり、特に制限はないが、IrやPtなどの中心金属を含む金属錯体などを好適に用いることができる。
Ir錯体としては、例えば、緑色発光を行うIr(ppy)(トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム)(M.A.Baldo et al.,Apllied Physics Letters,vol.75,p.4(1999)参照)、Ir(tpy)(トリス(2−(4−トリル)ピリジン)イリジウム)又は赤色発光を行う(btp)Ir(acac)(bis(2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナート−N,C)イリジウム(アセチル−アセトネート)(Adachi etal.,Appl.Phys.Lett.,78no.11,2001,1622参照)、Ir(piq)(トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム)等が挙げられる。
Pt錯体としては、例えば、赤色発光を行う2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−フォルフィンプラチナ(PtOEP)等が挙げられる。燐光材料は低分子又はデンドライド種、例えば、イリジウム核デンドリマーが使用され得る。またこれらの誘導体も好適に使用できる。
りん光材料の配合割合は、ポリマー又はオリゴマーに対して0.1重量%〜20重量%の範囲であることが好ましく、0.5重量%〜15重量%の範囲であることがより好ましく、1重量%〜10重量%の範囲であることが最も好ましい。りん光材料の配合割合が0.1重量%未満であると色純度が低下し、20重量%を超えると駆動電圧が増大する傾向がある。
本発明の有機エレクトロニクス用材料には、上記りん光材料とポリマー又はオリゴマーの他に、さらに重合開始剤を配合することもできる。この重合開始剤としては、熱、光、マイクロ波、放射線、電子線等の印加によって、重合可能な置換基を重合させる能力を発現するものであればよく、特に制限はないが、光照射及び/又は加熱によって重合を開始させるものであることが好ましく、光照射によって重合を開始させるもの(以後、光開始剤と記す)であることがより好ましい。
光開始剤としては、200nm〜800nmの光照射によって重合可能な置換基を重合させる能力を発現するものであればよく、特に制限はないが、例えば、重合可能な置換基がオキセタン基の場合には、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、フェロセン誘導体が反応性の観点から好ましく、以下の化合物(41)〜(45)が例示される。
Figure 2008244462
また、上記光開始剤は、感光性を向上させるために光増感剤と併用してもよい。光増感剤としては、例えば、アントラセン誘導体、チオキサントン誘導体が挙げられる。
また、重合開始剤の配合割合は、有機エレクトロニクス用材料の全重量に対して0.1重量%〜10重量%の範囲であることが好ましく、0.2重量%〜8重量%の範囲であることがより好ましく、0.5重量%〜5重量%の範囲であることが特に好ましい。重合開始剤の配合割合が0.1重量%未満であると積層化が困難になる傾向があり、10重量%を超えると素子特性が低下する傾向がある。
また、本発明の有機エレクトロニクス用材料には、電気特性を調整するために、上記ポリマー又はオリゴマーの他に、さらにカーボンナノチューブやフラーレンなどの炭素材料を配合することもできる。
本発明の有機エレクトロニクス用材料を用いて有機エレクトロニクス素子などに用いられる各種の層を形成するためには、例えば、本発明の有機エレクトロニクス用材料を含む溶液を、例えば、インクジェット法、キャスト法、浸漬法、凸版印刷、凹版印刷、オフセット印刷、平板印刷、凸版反転オフセット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷法、スピンコーティング法などの公知の方法で所望の基体上に塗布した後、光照射や加熱処理などによりポリマー又はオリゴマーの重合反応を進行させ、塗布層の溶解度を変化(硬化)させることによって行うことができる。このような作業を繰り返すことで、塗布法を用いた有機エレクトロニクス素子や有機EL素子の多層化を図ることが可能となる。
上記のような塗布方法は、通常、−20〜+300℃の温度範囲、好ましくは10〜100℃、特に好ましくは15〜50℃で実施することができ、また上記溶液に用いる溶媒としては、特に制限はないが、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、アニソール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセロソルブアセテート等を挙げることができる。
また、上記光照射には、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、蛍光灯、発光ダイオード、太陽光等の光源を用いることができる。
また、上記加熱処理は、ホットプレート上やオーブン内で行うことができ、0〜+300℃の温度範囲、好ましくは20〜250℃、特に好ましくは80〜200℃で実施することができる。
本発明の有機エレクトロニクス用材料は、単独で、又は、他の材料と混合して有機エレクトロニクス素子の機能材料として使用することができる。
また、本発明の有機エレクトロニクス用材料は、単独で、又は、他の材料と混合して有機EL素子の正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層、発光層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層として使用することができ、発光層として用いることが最も好ましい。
本発明の有機エレクトロニクス素子及び有機EL素子は、本発明の有機エレクトロニクス用材料を用いてなる層を備えるものであればよく、その構造などは特に制限はない。なお、有機ELの一般的な構造は、例えば、米国特許第4,539,507号明細書、米国特許第5,151,629号明細書等に開示されているものがあり、また、ポリマー含有の有機EL素子については、例えば、国際公開第90/13148号パンフレット、欧州特許出願公開第0443861号明細書等に開示されている。
これらは通常、電極の少なくとも1つが透明であるカソード(陰極)とアノード(陽極)との間に、エレクトロルミネセント層(発光層)を含むものである。さらに、1つ以上の電子注入層及び/又は電子輸送層がエレクトロルミネセント層(発光層)とカソードとの間に挿入されているもの、1つ以上の正孔注入層及び/又は正孔輸送層がエレクトロルミネセント層(発光層)とアノードとの間に挿入されているものもある。
上記カソード材料としては、例えば、Li、Ca、Mg、Al、In、Cs、Ba、Mg/Ag、LiF、CsF等の金属又は金属合金であることが好ましい。アノード材料としては、透明基体(例えば、ガラス又は透明ポリマー)上に、金属(例えば、Au)又は金属導電率を有する他の材料、例えば、酸化物(例えば、ITO:酸化インジウム/酸化錫)を使用することもできる。
本発明のエレクトロニクス用材料は、前述のとおり、有機エレクトロニクス素子の正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などとして使用することができるが、特に有機EL素子の発光層として用いることが最も好ましい。また、これら層の膜厚は、特に限定されないが、5〜100nmであることが好ましく、より好ましくは10〜80nm、さらに好ましくは20〜60nmである。
本発明において、重合可能な置換基を有する有機エレクトロニクス用材料を用いることにより、良質な薄膜を形成することができる。ここで、良質な薄膜とは、表面平滑性が高い膜、すなわち、表面粗さが小さい薄膜のことである。表面粗さは、プローブ顕微鏡(SPM)、原子間力顕微鏡(AFM)等の分解能の高い顕微鏡を用いることで測定することができる。表面粗さを示す値として、例えば算術平均粗さ(Ra)を用いることができる。算術平均粗さ(Ra)は、1.0nm以下が好ましく、0.5nm以下がより好ましい。表面平滑性が低いと、一般的に、有機エレクトロニクス素子に適用した場合にショートや抵抗値の増大を引き起こしやすい傾向があり、素子特性が悪化する場合がある。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに制限するものではない。
<重合可能な置換基を有するモノマーの合成>
(モノマー合成例1)
Figure 2008244462
丸底フラスコに、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(50mmol)、4−ブロモベンジルブロミド(50mmol)、n−ヘキサン(200mL)、テトラブチルアンモニウムブロミド(2.5mmol)及び50重量%水酸化ナトリウム水溶液(36g)を加え、窒素下、70℃で6時間加熱撹拌した。
室温(25℃)まで冷却後、水200mLを加え、n−ヘキサンで抽出した。溶媒留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーと減圧蒸留によって精製し、重合可能な置換基を有するモノマーAを無色油状物として9.51g得た(収率67重量%。H−NMR(300MHz,CDCl,δppm);0.86(t,J=7.5Hz,3H),1.76(q,J=7.5Hz,2H),3.57(s,2H),4.39(d,J=5.7Hz,2H),4.45(d,J=5.7Hz,2H),4.51(s,2H),7.22(d,J=8.4Hz,2H),7.47(d,J=8.4Hz,2H)。
<重合可能な置換基を有するオリゴマーの合成>
(オリゴマー合成例1)
Figure 2008244462
グローブボックス中で、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(25mmol)、t−ブチルホスフィン(200mmol)及びアニソール(6.25mL)を混合し、Pd触媒溶液を調製した。
密閉可能なフッ素樹脂製容器に、4,9−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−10b−オクチル−1,2,3,10b−テトラヒドロフルオランテン(0.4mmol)、N−フェニル−3,6−ジブロモカルバゾール(0.32mmol)、重合可能な置換基を有するモノマーA(0.16mmol)、アニソール(3ml)、10%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(8mL)及び上記で調製したPd触媒溶液(1mL)を入れ、窒素雰囲気下で密閉した。
密閉容器へマイクロ波を照射し、90℃、1時間加熱撹拌した。反応溶液を抽出、水洗し、メタノール/水混合溶媒(9:1)に注ぎ、析出したポリマーをろ別した。再沈殿を3回繰り返し行って精製し、オリゴマーAを得た。得られたオリゴマーAの数平均分子量はポリスチレン換算で3414、多分散度は1.51であった。
(オリゴマー合成例2)
Figure 2008244462
モノマーとして、1,4−ビス(ピナコルボロラン)−2,5−ビス−ヘキシルオキシ−ベンゼン(0.4mmol)、N−フェニル−3,6−ジブロモカルバゾール(0.32mmol)及び重合可能な置換基を有するモノマーA(0.16mmol)を用い、オリゴマー合成例1と同様の方法で合成を行い、オリゴマーBを得た。得られたオリゴマーBの数平均分子量はポリスチレン換算で3267、多分散度は1.50であった。得られたオリゴマーBのNMRスペクトルを図3に、GPCクロマトグラムを図4に示す。
(オリゴマー合成例3)
Figure 2008244462
モノマーとして、1,4−ビス(ピナコルボレート)−2,5−ジシクロヘキシルベンゼン(0.4mmol)、N−フェニル−3,6−ジブロモカルバゾール(0.32mmol)及び重合可能な置換基を有するモノマーA(0.16mmol)を用い、オリゴマー合成例1と同様の方法で合成を行い、オリゴマーCを得た。得られたオリゴマーCの数平均分子量はポリスチレン換算で2228、多分散度は1.37であった。
(実施例1)
<オリゴマーの吸収スペクトルの測定>
上記で作製した各オリゴマーA〜C、またはポリフルオレンのアニソール溶液(濃度1.5重量%)を、窒素中、石英基板上にスピンコートし、80℃/10分加熱乾燥して膜厚50〜100nmの薄膜を作製した。この薄膜の吸収スペクトル(測定波長範囲200〜500nm)を、分光光度計(日立製U−3310)を用いて測定した。得られた吸収スペクトルの接線と、ベースラインとが交差する波長より吸収末端波長(吸収波長の最大値)を求めた。その結果を表1に示す。
<りん光材料の発光スペクトルの測定>
石英基板上に、トリス(2−(4−トリル)ピリジン)イリジウムを真空蒸着法により40nmの厚さで成膜した。この薄膜を、空気中、250nmの紫外光で励起し、発光スペクトルを300〜700nmの範囲で測定した。最大発光波長は512nmであった。
Figure 2008244462
<有機エレクトロニクス用材料の発光スペクトルの測定>
上記で作製した各オリゴマーA〜C、またはポリフルオレンと、トリス(2−(4−トリル)ピリジン)イリジウムの重量比97:3の混合物を、アニソールに溶解し、濃度1.5重量%の塗布溶液を調製した。この溶液を、窒素中、石英基板上にスピンコートし、80℃/10分加熱乾燥して膜厚50〜100nmの薄膜を作製した。
ついで、得られた各薄膜の発光スペクトルを、330nmの紫外光で励起し、分光蛍光光度計(日立製F−4500)を用いて測定した。その結果を図5に示す。図5に示されるように本発明の有機エレクトロニクス用材料を用いた場合、イリジウム錯体に由来する500nm〜600nmの発光が主たる発光となり、発光効率及び色純度が改善できた。
(実施例2 発光層としての適用例)
<有機EL素子の作製>
ITOを1.6mm幅にパターンニングしたガラス基板上に、PEDOT:PSS分散液(シュタルク・ヴィテック社製、CH8000 LVW233)を4000min−1でスピン塗布し、ホットプレート上で空気中200℃/10分加熱乾燥して正孔注入層(40nm)を形成した。以後の工程は乾燥窒素環境下で行った。
次いで、正孔注入層上に上記で得たオリゴマーB(20mg)、トリス(2−(4−トリル)ピリジン)イリジウム(0.6mg)、アニソール(1ml)を混合した塗布溶液を、2000rpmでスピンコートした後、ホットプレート上で80℃、15分間加熱して乾燥させ、発光層(80nm)を形成した。
さらに、得られたガラス基板を真空蒸着機中に移し、上記発光層上にBa(膜厚3nm)、Al(膜厚100nm)の順に電極を形成した。
電極形成後、大気開放することなく、乾燥窒素環境中に基板を移動し、0.7mmの無アルカリガラスに0.4mmのザグリを入れた封止ガラスとITO基板を、光硬化性エポキシ樹脂を用いて貼り合わせることにより封止を行い、有機EL素子を作製した。以後の工程は大気中、室温(25℃)で行った。
この有機EL素子のITOを陽極、Alを陰極として電圧を印加したところ、約8Vで均一な緑色発光が観測された。
(比較例1)
オリゴマーBの代わりにポリフルオレンを用いた以外は、実施例1と同様にしてEL素子を作製した。しかし、緑色発光は観測できなかった。
(比較例2)
オリゴマーBの代わりにCBPを用いた以外は、実施例1と同様にしてEL素子を作製した。しかし、ダークスポットが多数発生し、均一な発光が得られなかった。
多層化された有機EL素子の一例を示す概略図である。 吸収末端波長の測定方法を示すグラフである。 得られたオリゴマーBのNMRスペクトルを示すグラフである。 得られたオリゴマーBのGPCクロマトグラムを示すグラフである。 実施例で合成したオリゴマーと、トリス(2−(4−トリル)ピリジンイリジウムとの混合物の発光スペクトルを示すグラフである。
符号の説明
1 発光層
2 陽極
3 正孔注入層
4 陰極
5 電子注入層
6 正孔輸送層
7 電子輸送層
8 基板

Claims (14)

  1. りん光材料、及び前記りん光材料の最大発光波長よりも、吸収末端波長が100nm以上短波長であるポリマー又はオリゴマーを含む有機エレクトロニクス用材料。
  2. 前記ポリマー又はオリゴマーの多分散度が1.0より大きい請求項1記載の有機エレクトロニクス用材料。
  3. 前記ポリマー又はオリゴマーの数平均分子量が1,000以上100,000以下である請求項1又は2記載の有機エレクトロニクス用材料。
  4. 前記ポリマー又はオリゴマーが1つ以上の重合可能な置換基を有する請求項1〜3のいずれかに記載の有機エレクトロニクス用材料。
  5. 前記重合可能な置換基が、オキセタン基、エポキシ基、ビニル基、アクリロイルオキシ基、又は、メタクリロイルオキシ基のいずれかを含む請求項4記載の有機エレクトロニクス用材料。
  6. 前記ポリマー又はオリゴマーが、前記重合可能な置換基を末端に有する請求項4または5に記載の有機エレクトロニクス用材料。
  7. 前記ポリマー又はオリゴマーが、下記一般式(1a)〜(8a)のいずれかで表される繰り返し単位を有する請求項1〜6のいずれかに記載の有機エレクトロニクス用材料。
    Figure 2008244462
    〔式中、R、Rx、Ry、Rz、Rv、及びRwは、それぞれ独立に−R、−OR、−SR、−OCOR、−COOR、−SiR、又は下記一般式(9a)〜(11a)
    Figure 2008244462
    (ただし、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜22個の直鎖、環状若しくは分岐アルキル基、又は炭素数2〜30個のアリール基若しくはヘテロアリール基を表し、a、b、及びcは、1以上の整数を表す。)を表す。ただし、複数のRx、Ry、Rz、Rv、及びRwにおいて、それぞれの少なくとも1つは、水素原子以外の基である。x、y、及びzは、それぞれ独立に、1〜4の整数である。〕
  8. 前記ポリマー又はオリゴマーが、下記一般式(12a)〜(19a)のいずれかで表される構造を有する請求項1〜7のいずれかに記載の有機エレクトロニクス用材料。
    Figure 2008244462
    〔式中、R、Rx、Ry、Rz、Rv、及びRwは、それぞれ独立に−R、−OR、−SR、−OCOR、−COOR、−SiR、又は下記一般式(9a)〜(11a)
    Figure 2008244462
    (ただし、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜22個の直鎖、環状若しくは分岐アルキル基、又は炭素数2〜30個のアリール基若しくはヘテロアリール基を表し、a、b、及びcは、1以上の整数を表す。)を表す。ただし、複数のRx、Ry、Rz、Rv、及びRwにおいて、それぞれの少なくとも1つは、水素原子以外の基である。x、y、及びzは、それぞれ独立に1〜4の整数であり、Arは、それぞれ独立に置換若しくは非置換のアリーレン基及び/又はヘテロアリーレン基、トリアリールアミン誘導体を表し、Eは、重合可能な置換基を含む基を表し、nは、2以上の整数である。〕
  9. 前記一般式(12a)〜(19a)におけるnの数平均が、2〜20である請求項8記載の有機エレクトロニクス用材料。
  10. 前記りん光材料が、イリジウム錯体又は白金錯体である請求項1〜9のいずれかに記載の有機エレクトロニクス用材料。
  11. さらに重合開始剤を含有してなる請求項1〜10のいずれかに記載の有機エレクトロニクス用材料。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の有機エレクトロニクス用材料を用いて作製された有機エレクトロニクス素子。
  13. 請求項1〜11のいずれかに記載の有機エレクトロニクス用材料を用いて作製された有機エレクトロルミネセンス素子。
  14. 少なくとも陽極、発光層及び陰極が積層されてなる有機エレクトロルミネセンス素子であって、前記発光層が請求項1〜11のいずれかに記載の有機エレクトロニクス用材料により形成された層である有機エレクトロルミネセンス素子。
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