JP2008243921A - 容量値測定方法及び容量値測定器 - Google Patents

容量値測定方法及び容量値測定器 Download PDF

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Abstract

【課題】ゲート絶縁膜の容量値Cを高精度に且つ安定して算出することが可能な容量値測定方法及び容量値測定器を提供する。
【解決手段】MIS構造の複素インピーダンスZの周波数依存性を測定した後、当該測定結果に基づいて、複素インピーダンスZの虚部(反転値)測定値−Im(Z)の周波数依存性におけるピーク高さRp/2を算出し、当該算出結果を用いて並列抵抗の抵抗値Rpを算出する。また、前記測定結果に基づいて、複素インピーダンスZの実部Re(Z)の低周波測定値(Rp+Rs)を算出し、当該算出結果及び算出した抵抗値Rpを用いて直列抵抗の抵抗値Rsを算出する。以上の結果に基づいて、Re(Z)=Rp/2+Rsであるときの周波数fを求め、当該周波数f及び算出した抵抗値Rpをf(Re(Z)=Rp/2+Rs)=1/(2πRpC)の関係式に代入することによって、容量値Cを算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、MIS(metal insulator semiconductor )型半導体装置で使用されるゲート絶縁膜の容量値測定に関し、特に、リーク電流の大きい極薄ゲート絶縁膜の容量値の高精度測定に関する。
近年、半導体集積回路装置の高集積化に伴って、その中で使用されるMISトランジスタの微細化が進行している。それに伴い、MISトランジスタに使用されるゲート絶縁膜の薄膜化も著しく、膜厚2.0nm程度又はそれよりも小さい膜厚のゲート絶縁膜も使用されるようになってきた。
このような極薄膜においては、従来のゲート絶縁膜と異なり、直接トンネリングに起因するリーク電流が無視できない。一方、MISキャパシタ等のMIS構造の電気容量値の電圧依存性を評価するC−V測定技術は、ゲート絶縁膜の膜厚や膜質の評価に必要な技術であるが、このリーク電流成分のために従来のC−V測定法では大きい容量値測定誤差が生じてしまい、従来のC−V測定法の使用が困難な状況になっている。
以下、従来のC−V測定技術を用いたMIS構造の容量値測定法について説明する。
図7は、ゲート絶縁膜の容量値測定用のMIS構造(断面構成)と容量値測定器(概略構成)とを示している。図7に示すように、基板23の上にはゲート絶縁膜21を介してゲート電極22が形成されている。基板23におけるゲート電極22の両側にはソース・ドレイン領域24が形成されている。ここで、ゲート絶縁膜21を挟むゲート電極22と基板23とがMISキャパシタを構成しており、ゲート絶縁膜21の容量値測定用に、インピーダンス測定器25としてLCRメータ又はインピーダンス・アナライザ等が設けられている。
インピーダンス測定器25の一端子はゲート電極22に接続されており、他端子は基板23及びソース・ドレイン領域24に接続されている。従って、MIS構造に印加されるゲート電圧の大きさが蓄積領域又は空乏領域のときは、基板23とゲート電極22との間の容量値が測定される。また、ゲート電圧の大きさが反転領域のときは、ソース・ドレイン領域24と電気的に接続された反転層がゲート絶縁膜21直下に形成されるため、ソース・ドレイン領域24とゲート電極22との間の容量値が測定される。
インピーダンス測定器25は、DCバイアスに10〜30mV程度の微小な高周波のAC信号を重ね合わせてMIS構造に印加することにより、当該MIS構造の複素インピーダンスZを測定し、その測定結果を用いて容量値を算出する。この容量値算出に際しては、MIS構造の等価回路として後述する2素子モデルが使用される。
ところで、ゲート絶縁膜の膜厚が3.5nm以上である場合には、ゲート絶縁膜の絶縁性は非常に良く、C−V測定中のリーク電流をほとんど無視できるので、容量値測定対象となる素子の等価回路を、例えば図8に示すような2素子直列モデルを用いて表すことができる。図8に示すように、容量値Cの容量26と、抵抗値Rsの直列抵抗27とが互いに直列に接続されている。尚、容量26は、図1に示すゲート絶縁膜21の容量に対応し、直列抵抗27は、図1に示すゲート電極22及び基板23等の直列抵抗を一つに合わせたものに対応する。
図8に示す2素子直列等価回路モデルにおいて複素インピーダンスZは次式(1)によって表される。
Z=Rs−j/(2πfC)・・・(1)
式(1)において、jは虚数単位、πは円周率、fは測定周波数である。
例えばLCRメータ等のインピーダンス測定器25の内部には、式(1)を使用して複素インピーダンスZの実部Re(Z)及び虚部Im(Z)からそれぞれRs及びCを求める機能が組み込まれている。
ところが、膜厚が3.0nm以下の極薄ゲート絶縁膜においてはリーク電流が無視できなくなり、図8に示す従来の2素子等価回路モデルによって容量値を正しく計算できなくなるという問題点が生じる。
それに対して、膜厚が3.0nm以下の極薄ゲート絶縁膜を持つMIS構造の等価回路を、例えば図9に示すような3素子モデルを用いて表すことができる。図9に示すように、3素子モデルは、容量値Cの容量26と、容量26に並列に接続された抵抗値Rpの並列抵抗28と、容量26及び並列抵抗28に直列に接続された抵抗値Rsの直列抵抗27とから構成されている。尚、並列抵抗28はリーク電流成分に対応する。
このような3素子等価回路モデルにおける容量値C等のパラメータを求める手法として、複素インピーダンスZの周波数依存性を測定し、当該複素インピーダンスZの虚部Im(Z)のピークの位置及び高さから容量値C等のパラメータを計算する方法が提案されている(例えば非特許文献1参照)。
以下、図10を参照しながら、従来の3素子等価回路モデルのパラメータを求める手法について説明する。尚、図10において、「29」は複素インピーダンスZの実部Re(Z)の周波数依存性であり、「30」は複素インピーダンスZの虚部Im(Z)の極性を反転させた値−Im(Z)の周波数依存性であり、横軸は測定周波数fの対数スケールであり、縦軸は複素インピーダンスZの実部Re(Z)及び虚部(反転値)−Im(Z)のそれぞれの対数スケールである。
ここで、ゲート絶縁膜にリーク電流が生じる場合、複素インピーダンスZの虚部反転値−Im(Z)はピークを持つ。
図9に示す3素子等価回路モデルにおいては、複素インピーダンスZの実部Re(Z)及び虚部Im(Z)はそれぞれ次式(2)及び(3)によって表される。
Re(Z)=Rp/[1+(2πfRpC)2 ]+Rs・・・(2)
Im(Z)=−(2πfCRp2 )/[1+(2πfRpC)2 ]・・・(3)
ここで、−Im(Z)のピークの高さはRp/2になり、当該ピークのときの周波数fはfpeak=1/(2πRpC)になる。また、複素インピーダンスZの実部Re(Z)は低周波数ではRp+Rsになる。
また、複素インピーダンスZの虚部−Im(Z)の実測値からピーク高さRp/2及びピーク周波数fpeak=1/(2πRpC)を求める際には、当該実測値の中で比較的ピークに近い3点を選び、両対数スケールにおいて、それらの3点を通る2次関数を使用してピーク高さ及びピーク周波数を算出することができる。
以下、図11を参照しながら、従来技術において3素子等価回路モデルのパラメータRp、Rs及びCを求める具体的な手順について説明する。
図11は、従来技術における3素子等価回路モデルのパラメータを求める手順を示すフロー図である。図11のフロー図に示す方法は、パラメータを求めるためのステップS11〜S14を含んでいる。
まず、ステップS11において、MIS構造の複素インピーダンスZの周波数依存性をインピーダンス・アナライザ等を用いて測定する。
次に、ステップS12において、ステップS11での測定結果に基づいて−Im(Z)のピーク高さRp/2を算出し、当該算出結果から抵抗値Rpを算出する。
続いて、ステップS13において、ステップS11での測定結果に基づいてRe(Z)の低周波での値Rp+Rsを算出し、当該算出結果及びステップS12で算出した抵抗値Rpを用いて抵抗値Rsを算出する。
さらに、ステップS14において、ステップS11での測定結果に基づいて−Im(Z)のピーク周波数fpeakを求め、当該ピーク周波数fpeak及びステップS12で算出した抵抗値Rpをfpeak=1/(2πRpC)の関係式に代入することによって、容量値Cを算出する。
以上に説明した図11に示す手順をC−V測定の対象となる各ゲート電圧において実施することにより、極薄ゲート絶縁膜のC−V測定を実現することができる。
また、図9に示すような3素子等価回路モデルにおける容量値C等のパラメータを求める手法として、前述の方法のほかに、複素インピーダンスZの周波数依存性の実測値に対して、適切な値を初期値とする非線型最小二乗法等の数値反復計算を使用することにより、式(2)及び式(3)中の3素子等価回路モデルのパラメータを求める方法も提案されている(例えば非特許文献2参照)。
M. Matsumura他、Extraction of the capacitance of a metal oxide semiconductor tunnel diode (MISTD) biased in accumulation、Jpn. J. Appl. Phys. 、日本国、1999年8月 、vol. 38 、pp.L845-L847 L. Pantisano他、A comprehensive model to accurately calculate the gate capacitance and the leakage from DC to 100MHz for ultra thin dielectrics 、Proc. IEEE International Conference on Microelectronic Test Structures、アメリカ合衆国、2006年、pp.222-225
しかしながら、従来の−Im(Z)のピークを使用した容量値測定方法においては、−Im(Z)の周波数依存性におけるピーク周辺での傾きが小さいため、−Im(Z)の測定誤差の影響が大きい。その結果、−Im(Z)のピーク周波数を精度良く求めることができなくなるので、容量値Cの誤差が大きくなってしまうという問題点がある。
一方、従来の非線型最小二乗法等の数値反復計算を使用した容量値測定方法においては、初期値とする値が適切ではない場合には数値反復計算が収束せず、計算結果が安定して得られないという問題点がある。
前記に鑑み、本発明は、ゲート絶縁膜の容量値Cを高精度に且つ安定して算出することが可能な容量値測定方法及び容量値測定器を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本願発明者らは、容量値測定方法及び容量値測定器において、従来のように複素インピーダンスZの虚部反転値−Im(Z)のピークを利用する代わりに、複素インピーダンスZの実部Re(Z)における虚部反転値−Im(Z)のピークに対応する点を利用するという発明を想到した。
より具体的には、本発明に係る第1の容量値測定方法は、ゲート絶縁膜が半導体基板とゲート電極とによって挟まれたMIS構造の等価回路を構成する、容量値Cの容量、前記容量に並列に接続された抵抗値Rpの並列抵抗、及び前記容量及び前記並列抵抗に直列に接続された抵抗値Rsの直列抵抗からなる3素子モデルを用いて前記容量値Cを測定する絶縁膜の容量値測定方法であって、前記MIS構造の複素インピーダンスZの周波数依存性を測定する工程(a)と、前記工程(a)での測定結果に基づいて、前記複素インピーダンスZの虚部Im(Z)の反転測定値−Im(Z)の周波数依存性におけるピーク高さ(Rp/2)を算出し、当該算出結果を用いて前記抵抗値Rpを算出する工程(b)と、前記工程(a)での測定結果に基づいて、前記複素インピーダンスZの実部Re(Z)の低周波測定値(Rp+Rs)を算出し、当該算出結果及び前記工程(b)で算出した前記抵抗値Rpを用いて前記抵抗値Rsを算出する工程(c)と、前記工程(a)での測定結果並びに前記工程(b)及び前記工程(c)での算出結果に基づいて、Re(Z)=Rp/2+Rsであるときの周波数f(Re(Z)=Rp/2+Rs)を求め、当該周波数f(Re(Z)=Rp/2+Rs)及び前記工程(b)で算出した前記抵抗値Rpをf(Re(Z)=Rp/2+Rs)=1/(2πRpC)の関係式に代入することによって、前記容量値Cを算出する工程(d)とを備えている。
尚、本発明において、低周波とは、複素インピーダンスZの虚部Im(Z)の反転測定値のピーク周波数fpeakよりも十分に低い周波数であって、複素インピーダンスZの実部Re(Z)の周波数依存性がほとんど見られない周波数を意味し、実際には例えば1kHz程度の周波数である。
また、本発明に係る第2の容量値測定方法は、前述の本発明の第1の容量値測定方法において、前記工程(d)の後に、前記工程(b)、前記工程(c)及び前記工程(d)で算出した前記抵抗値Rp、前記抵抗値Rs及び前記容量値Cをそれぞれ初期値として数値反復計算を行う工程(e)と、前記数値反復計算の結果が収束したかどうかを判断する工程(f)と、前記工程(f)で前記数値反復計算の結果が収束したと判断した場合に、当該収束値である、最適化後の前記抵抗値Rp、前記抵抗値Rs及び前記容量値Cを出力する工程(g)と、前記工程(f)で前記数値反復計算の結果が収束しなかったと判断した場合に、前記初期値である、前記工程(b)、前記工程(c)及び前記工程(d)で算出した前記抵抗値Rp、前記抵抗値Rs及び前記容量値Cを出力する工程(h)とをさらに備えている。
尚、本発明において、数値反復計算とは、非線型最小二乗法等の最適化法の数値反復計算を意味し、例えば非線型最小二乗法の具体的な手法としては、ニュートン・ラフソン法や修正マルカート法等がある。
また、本発明に係る第1の容量値測定器は、前述の本発明の第1の容量値測定方法を行う容量値測定器であって、MIS構造にDCバイアスを印加するDCバイアス源と、前記DCバイアス源に直列に接続された周波数可変のAC信号源と、前記MIS構造に流れる電流を測定するAC電流計と、前記MIS構造に印加される電圧を測定するAC電圧計と、前記AC信号源、前記AC電流計及び前記AC電圧計のそれぞれから出力されるデータに基づいて、前記MIS構造の複素インピーダンスZの周波数依存性を出力するインピーダンス算出部と、前記インピーダンス算出部の出力結果に基づいて、前記工程(b)、前記工程(c)及び前記工程(d)を実施し、前記抵抗値Rp、前記抵抗値Rs及び前記容量値Cを出力する3素子モデルパラメータ抽出部とを備えている。
また、本発明に係る第2の容量値測定器は、前述の本発明の第2の容量値測定方法を行う容量値測定器であって、MIS構造にDCバイアスを印加するDCバイアス源と、前記DCバイアス源に直列に接続された周波数可変のAC信号源と、前記MIS構造に流れる電流を測定するAC電流計と、前記MIS構造に印加される電圧を測定するAC電圧計と、前記AC信号源、前記AC電流計及び前記AC電圧計のそれぞれから出力されるデータに基づいて、前記MIS構造の複素インピーダンスZの周波数依存性を出力するインピーダンス算出部と、前記インピーダンス算出部の出力結果に基づいて、前記工程(b)、前記工程(c)及び前記工程(d)を実施し、前記抵抗値Rp、前記抵抗値Rs及び前記容量値Cを出力する3素子モデルパラメータ抽出部と、前記3素子モデルパラメータ抽出部が出力した前記抵抗値Rp、前記抵抗値Rs及び前記容量値Cをそれぞれ初期値として数値反復計算を行い、前記数値反復計算の結果が収束した場合に、当該収束値である最適化後の前記抵抗値Rp、前記抵抗値Rs及び前記容量値Cを出力する3素子モデルパラメータ最適化部とを備えている。
本発明に係る容量値測定方法及び容量値測定器によると、複素インピーダンスZの虚部反転値−Im(Z)のピークに対応する複素インピーダンスZの実部Re(Z)の値(Rp/2+Rs)は、前記式(2)に示すように、実部Re(Z)が低周波での値(Rp+Rs)から単調減少していく途中の値であるため、周波数fに対して大きい依存性を有する。このため、虚部反転値−Im(Z)のピーク周波数と等価な周波数f(Re(Z)=Rp/2+Rs)を精度良く求めることができるので、容量値Cの測定精度を大幅に向上させることができる。
さらに、本発明の容量値測定は、数値反復計算を使用することなく解析的な計算のみによって行うことができるので、数値反復計算の問題点である計算が収束しないという事態を回避して容量値Cを安定して算出することもできる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る容量値測定方法について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の容量値測定方法をMIS構造の複素インピーダンスZの周波数依存性の実測値に基づいて説明するものである。本実施形態において、測定対象となるMIS構造は、例えば膜厚2.2nmのSiON膜からなるゲート絶縁膜が半導体基板とゲート電極とによって挟まれた構造であり、当該膜厚のゲート絶縁膜では直接トンネリングに起因するリーク電流を無視することができない。尚、測定対象となるMIS構造は、ソース・ドレイン領域が設けられたトランジスタであってもよいし、ソース・ドレイン領域が設けられていないキャパシタであってもよい。また、ゲート絶縁膜の下側の半導体基板は、絶縁性基板上に半導体層が設けられたものであってもよい。
図1において、曲線「1」は複素インピーダンスZの実部Re(Z)の周波数依存性であり、曲線「2」は複素インピーダンスZの虚部Im(Z)の極性を反転させた値−Im(Z)の周波数依存性であり、「3」は複素インピーダンスZの実部Re(Z)の値がRp/2+Rsになる点(つまり虚部反転値−Im(Z)のピークに対応する点)、横軸は測定周波数fの対数スケールであり、縦軸は複素インピーダンスZの実部Re(Z)及び虚部反転値−Im(Z)のそれぞれの線形スケールである。
例えば図9に示すような3素子等価回路モデルにおいては、図1並びに前記式(2)及び前記(3)に示すように、−Im(Z)の周波数依存性「2」が周波数fpeak=1/(2πRpC)において高さRp/2のピーク値を持つとき、実部Re(Z)の周波数依存性「3」が低周波数領域での値Rp+RsからRp/2低下して、点「3」におけるRp/2+Rsの値となる。このとき、虚部反転値−Im(Z)と実部Re(Z)との差はRsとなる。
そこで、本実施形態においては、まず、従来方法と同様に、虚部反転値−Im(Z)の実測値の中からピークに近い3点を選び、両対数スケールにおいて、それらの3点を通る2次関数を使用してピーク高さRp/2を算出し、その算出結果を用いて抵抗値Rpを求める。
尚、虚部反転値−Im(Z)の実測値の中から選ぶピークに近い点の数は4点以上であっても良い。また、ピーク高さの算出において片対数スケールではなく両対数スケールを使用するのは、両対数スケールを使用した方がピーク付近の虚部反転値−Im(Z)の傾きの変化が小さくなって2次関数によるフィッティング精度が向上するからである。
また、従来の虚部反転値−Im(Z)からピーク周波数を求める方法においては、−Im(Z)の周波数依存性におけるピーク周辺での傾きが小さいため、−Im(Z)の測定誤差の影響がピーク周波数において特に大きく現れるのに対し、本実施形態のように虚部反転値−Im(Z)からピーク高さRp/2を求める場合には、−Im(Z)の測定誤差の影響がピーク高さRp/2にそのまま現れるだけであって、当該誤差の影響が特に大きく現れることはない。
続いて、算出した抵抗値Rpと、実部Re(Z)の低周波数領域での値Rp+Rsとを用いて抵抗値Rsを求める。そして、実部Re(Z)=Rp/2+Rsとなるときの周波数f(Re(Z)=Rp/2+Rs)を求め、当該周波数f(Re(Z)=Rp/2+Rs)と算出した抵抗値Rpとをf(Re(Z)=Rp/2+Rs)=1/(2πRpC)の関係式に代入することによって、容量値Cを求めることができる。
次に、図2を参照しながら、本実施形態の容量値測定方法、つまり3素子等価回路モデルのパラメータを求める手順について具体的に説明する。図2は、本実施形態における3素子等価回路モデルのパラメータを求める手順を示すフロー図である。図2のフロー図に示す方法は、パラメータを求めるためのステップS1〜S4を含んでいる。
まず、ステップS1において、MIS構造の複素インピーダンスZの周波数依存性を例えばインピーダンス・アナライザ等を用いて測定する。
次に、ステップS2において、ステップS1での測定結果に基づいて−Im(Z)のピーク高さRp/2を算出し、当該算出結果から抵抗値Rpを算出する。
次に、ステップS3において、ステップS1での測定結果に基づいてRe(Z)の低周波での値Rp+Rsを算出し、当該算出結果及びステップS2で算出した抵抗値Rpを用いて抵抗値Rsを算出する。
次に、ステップS4において、ステップS1での測定結果並びにステップS2及びステップS3での算出結果に基づいて、Re(Z)=Rp/2+Rsであるときの周波数f(Re(Z)=Rp/2+Rs)を求め、当該周波数f(Re(Z)=Rp/2+Rs)及びステップS2で算出した抵抗値Rpをf(Re(Z)=Rp/2+Rs)=1/(2πRpC)の関係式に代入することによって、容量値Cを算出する。
以上に説明した図2に示す手順をC−V測定の対象となる各ゲート電圧において実施することにより、極薄ゲート絶縁膜のC−V測定を実現することができる。
図3は、以上に述べた本実施形態の容量値測定(C−V測定)の実施例を、従来の−Im(Z)のピークを使用する方法と比較した結果を示している。
図3において、横軸はゲート電圧Vgを示し、縦軸は容量値Cを示す。また、点線「4」は従来の−Im(Z)のピークを使用する方法によるC−V測定結果であり、実線「5」は本実施形態によるC−V測定結果であり、破線「6」は物理的なゲート絶縁膜の膜厚を用いて算出したゲート絶縁膜の容量値の目標値であり、破線「7」は2素子直列等価回路モデルを使用する方法によるC−V測定結果である。
尚、従来の−Im(Z)のピークを使用する方法及び本実施形態の方法のいずれにおいても−Im(Z)のピークを使用しているが、Vg=0V付近のリーク電流が少ない条件では、−Im(Z)のピークを観測することができなくなるため、容量値測定に3素子等価回路モデルを使用することはできなくなる。この場合、測定周波数f=1MHzとして、式(1)を使用して2素子直列等価回路モデルにおける複素インピーダンスZの実部Re(Z)及び虚部Im(Z)からそれぞれRs及びCを求め、破線「7」に示すC−V測定結果を得た。
一方、Vg<0Vの高電圧側の蓄積領域、及びVg>0Vの反転領域のそれぞれにおいては、−Im(Z)のピークが観測されるため、3素子等価回路モデルを使用することができる。これらの蓄積領域及び反転領域に対しては、図3に示すように、従来の方法及び本実施形態の方法のそれぞれによりC−V曲線が得られている。ここで、本実施形態の方法によるC−V曲線「5」は、従来の方法によるC−V曲線「4」と比べてはるかに滑らかな曲線になっていることがわかる。さらに、Vg=−3.0V程度の蓄積領域において本実施形態の方法により得られた容量値Cは、ゲート絶縁膜の容量値の目標値「6」とほぼ一致している。このように、本実施形態の方法によって、極薄ゲート絶縁膜の容量値Cを高精度に測定することができる。
すなわち、本実施形態によると、複素インピーダンスZの虚部反転値−Im(Z)のピークに対応する複素インピーダンスZの実部Re(Z)の値(Rp/2+Rs)は、図1及び前記式(2)に示すように、実部Re(Z)が低周波での値(Rp+Rs)から単調減少していく途中の値であるため、周波数fに対して大きい依存性を有する。このため、虚部反転値−Im(Z)のピーク周波数と等価な周波数f(Re(Z)=Rp/2+Rs)を精度良く求めることができるので、容量値Cの測定精度を大幅に向上させることができる。
また、本実施形態によると、数値反復計算を使用することなく解析的な計算のみによって容量値測定を行うことができるので、数値反復計算の問題点である計算が収束しないという事態を回避して容量値Cを安定して算出することもできる。
尚、本実施形態の容量値測定方法における解析的な計算等は、例えばインピーダンス・アナライザ等のインピーダンス測定器とは別個のコンピュータ上で動作するプログラムにより実行することが可能である。
(第2の実施形態)
前述の本発明の第1の実施形態に係る容量値測定方法は、例えばインピーダンス測定器の内部に組み込んだ複素インピーダンスZの周波数依存性測定機能と容量値C等の3素子等価回路モデルパラメータ算出機能とを有する容量値測定器によって実施することも可能である。
以下、本発明の第2の実施形態に係る容量値測定器として、第1の実施形態に係る容量値測定方法を実行する容量値測定器について、図面を参照しながら説明する。
図4は、本実施形態における3素子等価回路モデルの容量値C等のパラメータを求める容量値測定器の構成を示している。
図4に示すように、本実施形態の容量値測定器8は、例えば図9に示すような3素子モデルパラメータ(容量値Cの容量、抵抗値Rsの直列抵抗、抵抗値Rpの並列抵抗)で表されるMIS構造16にDCバイアス(Vdc)を印加するDCバイアス源9と、DCバイアス源9に直列に接続された周波数(f)可変のAC信号源10と、MIS構造16に流れる電流を測定するAC電流計11と、MIS構造16に印加される電圧を測定するAC電圧計12と、インピーダンス算出部13と、3素子モデルパラメータ抽出部14とを備えている。インピーダンス算出部13は、AC信号源10、AC電流計11及びAC電圧計12のそれぞれから出力されるデータに基づいて、MIS構造16の複素インピーダンスZ(f,Vdc)の周波数依存性を出力する。3素子モデルパラメータ抽出部14は、インピーダンス算出部13の出力結果に基づいて、第1の実施形態のステップS2〜S4を実施し、容量値C(Vdc)、抵抗値Rp(Vdc)及び抵抗値Rs(Vdc)を出力する。
ここで、容量値測定器8において、「インピーダンス測定器」は、例えば、DCバイアス源9、AC信号源10、AC電流計11、AC電圧計12及びインピーダンス算出部13から構成されている。また、3素子モデルパラメータ抽出部14は、例えば、インピーダンス測定器とは別個に容量値測定器8に内蔵されているコンピュータ上で動作するプログラムである。
具体的には、容量値測定器8において、DCバイアス電圧源9によりMIS構造16にDCバイアスVdcを印加する。このとき、DCバイアスVdcに加えて、AC信号源10により、例えば10〜30mV程度の微小なAC信号の周波数fを、例えば1kHzから100MHzまで掃引しながらMIS構造16に印加する。このとき、各周波数においてMIS構造16に流れるAC電流の振幅及び位相をAC電流計11により測定すると共に、各周波数においてMIS構造16の両端に印加されるAC電圧の振幅及び位相をAC電圧計12により測定する。そして、インピーダンス算出モジュール13において、これらのAC電流及びAC電圧のそれぞれの振幅及び位相の測定値に基づいて、各DCバイアスVdcにおけるMIS構造16の複素インピーダンスZの周波数(f)依存性を求める。そして、容量値測定器8の内部に組み込まれた3素子モデルパラメータ算出モジュール14において、インピーダンス算出部13の出力結果に基づいて、前述の第1の実施形態の方法におけるステップS2〜S4を実施し、各DCバイアスVdcに対する3素子モデルパラメータC、Rp及びRsを算出する。
以上に説明したように、本実施形態によると、第1の実施形態に係る容量値測定方法を実行することができるので、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
尚、本実施形態の容量値測定器8において、DCバイアスVdcについては所定の1バイアスのみを(つまり1バイアスずつ)MIS構造16に印加することによって3素子モデルパラメータC、Rp及びRsを測定する仕様を用いてもよい。或いは、本実施形態の容量値測定器8において、DCバイアスVdcを所定の範囲に亘って掃引することによって、複数のDCバイアスVdcのそれぞれにおける3素子モデルパラメータC、Rp及びRsを求め、その結果を例えば画面上にプロットし又は数値データとしてデータファイル若しくはデータバス等に出力する仕様を用いてもよい。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る容量値測定方法について、図面を参照しながら説明する。本実施形態において、測定対象となるMIS構造は、例えば膜厚2.2nmのSiON膜からなるゲート絶縁膜が半導体基板とゲート電極とによって挟まれた構造であり、当該膜厚のゲート絶縁膜では直接トンネリングに起因するリーク電流を無視することができない。尚、測定対象となるMIS構造は、ソース・ドレイン領域が設けられたトランジスタであってもよいし、ソース・ドレイン領域が設けられていないキャパシタであってもよい。また、ゲート絶縁膜の下側の半導体基板は、絶縁性基板上に半導体層が設けられたものであってもよい。
図5は、本実施形態における3素子等価回路モデルのパラメータを求める手順を示すフロー図である。図5のフロー図に示す方法は、パラメータを求めるためのステップS1〜S8を含んでいる。尚、本実施形態におけるステップS1〜S4は、前述の第1の実施形態のステップS1〜S4と同様である。
すなわち、まず、ステップS1において、MIS構造の複素インピーダンスZの周波数依存性を例えばインピーダンス・アナライザ等を用いて測定する。
次に、ステップS2において、ステップS1での測定結果に基づいて複素インピーダンスZの虚部反転値−Im(Z)のピーク高さRp/2を算出し、当該算出結果から抵抗値Rpを算出する。
次に、ステップS3において、ステップS1での測定結果に基づいて複素インピーダンスZの実部Re(Z)の低周波での値Rp+Rsを算出し、当該算出結果及びステップS2で算出した抵抗値Rpを用いて抵抗値Rsを算出する。
次に、ステップS4において、ステップS1での測定結果並びにステップS2及びステップS3での算出結果に基づいて、Re(Z)=Rp/2+Rsであるときの周波数f(Re(Z)=Rp/2+Rs)を求め、当該周波数f(Re(Z)=Rp/2+Rs)及びステップS2で算出した抵抗値Rpをf(Re(Z)=Rp/2+Rs)=1/(2πRpC)の関係式に代入することによって、容量値Cを算出する。
次に、ステップS5において、ステップS2〜S4で算出された抵抗値Rp、抵抗値Rs及び容量値Cをそれぞれ初期値として、例えば非線型最小二乗法等の数値反復計算を行うことにより、抵抗値Rp、抵抗値Rs及び容量値Cのそれぞれを最適化する。
次に、ステップS6において、ステップS5での数値反復計算が収束したかどうかを判断し、当該数値反復計算が収束したと判断した場合にはステップS7に進み、当該数値反復計算の収束値である最適化後の抵抗値Rp、抵抗値Rs及び容量値Cのそれぞれを出力する。また、ステップS6において、ステップS5での数値反復計算が収束しなかったと判断した場合にはステップS8に進み、ステップS5での数値反復計算の初期値である、ステップS2〜S4で算出された抵抗値Rp、抵抗値Rs及び容量値Cのそれぞれを出力する。
本実施形態によると、数値反復計算の初期値として、第1の実施形態の方法により高精度で求めた3素子モデルパラメータ(抵抗値Rp、抵抗値Rs及び容量値C)を使用するため、数値反復計算が収束する可能性が高くなるので、容量値計算の安定性が向上する。また、仮に数値反復計算が収束しなかった場合でも、第1の実施形態の方法により高精度で求めた容量値C等のパラメータを出力することができるため、極薄ゲート絶縁膜の容量値についても高精度の測定値を確実に得ることができる。
尚、本実施形態の容量値測定方法における解析的計算及び数値反復計算等は、例えばインピーダンス・アナライザ等のインピーダンス測定器とは別個のコンピュータ上で動作するプログラムにより実行することが可能である。
また、本実施形態の容量値測定方法における数値反復計算として非線型最小二乗法を用いたが、これに代えて、例えば、誤差の分布に応じた適切な最尤法等を用いてもよい。
(第4の実施形態)
前述の本発明の第3の実施形態に係る容量値測定方法は、例えばインピーダンス測定器の内部に組み込んだ複素インピーダンスZの周波数依存性測定機能と容量値C等の3素子等価回路モデルパラメータ算出機能及び3素子等価回路モデルパラメータ最適化機能とを有する容量値測定器によって実施することも可能である。
以下、本発明の第4の実施形態に係る容量値測定器として、第3の実施形態に係る容量値測定方法を実行する容量値測定器について、図面を参照しながら説明する。
図6は、本実施形態における3素子等価回路モデルの容量値C等のパラメータを求める容量値測定器の構成を示している。
図6に示すように、本実施形態の容量値測定器8は、例えば図9に示すような3素子モデルパラメータ(容量値Cの容量、抵抗値Rsの直列抵抗、抵抗値Rpの並列抵抗)で表されるMIS構造16にDCバイアス(Vdc)を印加するDCバイアス源9と、DCバイアス源9に直列に接続された周波数(f)可変のAC信号源10と、MIS構造16に流れる電流を測定するAC電流計11と、MIS構造16に印加される電圧を測定するAC電圧計12と、インピーダンス算出部13と、3素子モデルパラメータ抽出部14と、3素子モデルパラメータ最適化部15とを備えている。インピーダンス算出部13は、AC信号源10、AC電流計11及びAC電圧計12のそれぞれから出力されるデータに基づいて、MIS構造16の複素インピーダンスZ(f,Vdc)の周波数依存性を出力する。3素子モデルパラメータ抽出部14は、インピーダンス算出部13の出力結果に基づいて、第3の実施形態のステップS2〜S4を実施し、容量値C0(Vdc)、抵抗値Rp0(Vdc)及び抵抗値Rs0(Vdc)を出力する。3素子モデルパラメータ最適化部15は、3素子モデルパラメータ抽出部14が出力した容量値C0(Vdc)、抵抗値Rp0(Vdc)及び抵抗値Rs0(Vdc)をそれぞれ初期値として、例えば非線型最小二乗法等の数値反復計算を行い、当該数値反復計算の結果が収束した場合に、当該収束値である、最適化後の容量値C(Vdc)、抵抗値Rp(Vdc)及び抵抗値Rs(Vdc)を出力する。
ここで、容量値測定器8において、「インピーダンス測定器」は、例えば、DCバイアス源9、AC信号源10、AC電流計11、AC電圧計12及びインピーダンス算出部13から構成されている。また、3素子モデルパラメータ抽出部14及び3素子モデルパラメータ最適化部15は、例えば、インピーダンス測定器とは別個に容量値測定器8に内蔵されているコンピュータ上で動作するプログラムである。
具体的には、容量値測定器8において、DCバイアス電圧源9によりMIS構造16にDCバイアスVdcを印加する。このとき、DCバイアスVdcに加えて、AC信号源10により、例えば10〜30mV程度の微小なAC信号の周波数fを、例えば1kHzから100MHzまで掃引しながらMIS構造16に印加する。このとき、各周波数においてMIS構造16に流れるAC電流の振幅及び位相をAC電流計11により測定すると共に、各周波数においてMIS構造16の両端に印加されるAC電圧の振幅及び位相をAC電圧計12により測定する。そして、インピーダンス算出モジュール13において、これらのAC電流及びAC電圧のそれぞれの振幅及び位相の測定値に基づいて、各DCバイアスVdcにおけるMIS構造16の複素インピーダンスZの周波数(f)依存性を求める。そして、容量値測定器8の内部に組み込まれた3素子モデルパラメータ抽出モジュール14において、前述の第3の実施形態の方法におけるステップS2〜S4を実施し、各DCバイアスVdcに対する3素子モデルパラメータC0、Rp0及びRs0を算出する。
最後に、容量値測定器8の内部に組み込まれた3素子モデルパラメータ最適化モジュール15において、3素子モデルパラメータ抽出モジュール14で算出された3素子モデルパラメータC0、Rp0及びRs0を初期値として、前述の第3の実施形態の方法におけるステップS5〜S8を実施し、数値反復計算の結果が収束した場合に、各DCバイアスVdcに対して、当該収束値である最適化後の3素子モデルパラメータC、Rp及びRsを出力する。
以上に説明したように、本実施形態によると、第3の実施形態に係る容量値測定方法を実行することができるので、第3の実施形態と同様の効果が得られる。
尚、本実施形態の容量値測定器8において、DCバイアスVdcについては所定の1バイアスのみを(つまり1バイアスずつ)MIS構造16に印加することによって3素子モデルパラメータC、Rp及びRsを測定する仕様を用いてもよい。或いは、本実施形態の容量値測定器8において、DCバイアスVdcを所定の範囲に亘って掃引することによって、複数のDCバイアスVdcのそれぞれにおける3素子モデルパラメータC、Rp及びRsを求め、その結果を例えば画面上にプロットし又は数値データとしてデータファイル若しくはデータバス等に出力する仕様を用いてもよい。
また、本実施形態の3素子モデルパラメータ最適化部15における数値反復計算として非線型最小二乗法を用いたが、これに代えて、例えば、誤差の分布に応じた適切な最尤法等を用いてもよい。
以上に説明したように、本発明は、ゲート絶縁膜の容量値Cを高精度に且つ安定して算出することが可能な容量値測定方法及び容量値測定器を提供するものであり、特に、リーク電流の大きい極薄ゲート絶縁膜の膜厚や膜質の評価等に有用である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る容量値測定方法の説明図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係る容量値測定方法の手順を示すフロー図である。 図3は、本発明の第1の実施形態に係る容量値測定方法の実施結果を従来の方法と比較して示す図である。 図4は、本発明の第2の実施形態に係る容量値測定器の構成を示す図である。 図5は、本発明の第3の実施形態に係る容量値測定方法の手順を示すフロー図である。 図6は、本発明の第4の実施形態に係る容量値測定器の構成を示す図である。 図7は、ゲート絶縁膜の容量値測定用のMIS構造の構成を示す図である。 図8は2素子直列等価回路モデルの説明図である。 図9は3素子等価回路モデルの説明図である。 図10は、従来の容量値測定方法の説明図である。 図11は、従来の容量値測定方法の手順を示すフロー図である。
符号の説明
1、29 複素インピーダンスZの実部Re(Z)の周波数依存性
2、30 複素インピーダンスZの虚部反転値−Im(Z)の周波数依存性
3 複素インピーダンスZの実部Re(Z)の値がRp/2+Rsになる点
4 従来の容量値測定方法による容量値測定結果
5 本発明の容量値測定方法による容量値測定結果
6 容量値の目標値
7 2素子直列等価回路モデルを用いた容量値測定方法による容量値測定結果
8 容量値測定器
9 DCバイアス電圧源
10 AC信号源
11 AC電流計
12 AC電圧計
13 インピーダンス算出部
14 3素子モデルパラメータ抽出部
15 3素子モデルパラメータ最適化部
16 3素子モデルパラメータで表されるMIS構造
21 ゲート絶縁膜
22 ゲート電極
23 基板
24 ソース・ドレイン領域
25 インピーダンス測定器
26 容量
27 直列抵抗
28 並列抵抗

Claims (4)

  1. ゲート絶縁膜が半導体基板とゲート電極とによって挟まれたMIS構造の等価回路を構成する、容量値Cの容量、前記容量に並列に接続された抵抗値Rpの並列抵抗、及び前記容量及び前記並列抵抗に直列に接続された抵抗値Rsの直列抵抗からなる3素子モデルを用いて前記容量値Cを測定する容量値測定方法であって、
    前記MIS構造の複素インピーダンスZの周波数依存性を測定する工程(a)と、
    前記工程(a)での測定結果に基づいて、前記複素インピーダンスZの虚部Im(Z)の反転測定値−Im(Z)の周波数依存性におけるピーク高さ(Rp/2)を算出し、当該算出結果を用いて前記抵抗値Rpを算出する工程(b)と、
    前記工程(a)での測定結果に基づいて、前記複素インピーダンスZの実部Re(Z)の低周波測定値(Rp+Rs)を算出し、当該算出結果及び前記工程(b)で算出した前記抵抗値Rpを用いて前記抵抗値Rsを算出する工程(c)と、
    前記工程(a)での測定結果並びに前記工程(b)及び前記工程(c)での算出結果に基づいて、Re(Z)=Rp/2+Rsであるときの周波数f(Re(Z)=Rp/2+Rs)を求め、当該周波数f(Re(Z)=Rp/2+Rs)及び前記工程(b)で算出した前記抵抗値Rpをf(Re(Z)=Rp/2+Rs)=1/(2πRpC)の関係式に代入することによって、前記容量値Cを算出する工程(d)とを備えていることを特徴とする容量値測定方法。
  2. 請求項1に記載の容量値測定方法において、
    前記工程(d)の後に、前記工程(b)、前記工程(c)及び前記工程(d)で算出した前記抵抗値Rp、前記抵抗値Rs及び前記容量値Cをそれぞれ初期値として数値反復計算を行う工程(e)と、
    前記数値反復計算の結果が収束したかどうかを判断する工程(f)と、
    前記工程(f)で前記数値反復計算の結果が収束したと判断した場合に、当該収束値である、最適化後の前記抵抗値Rp、前記抵抗値Rs及び前記容量値Cを出力する工程(g)と、
    前記工程(f)で前記数値反復計算の結果が収束しなかったと判断した場合に、前記初期値である、前記工程(b)、前記工程(c)及び前記工程(d)で算出した前記抵抗値Rp、前記抵抗値Rs及び前記容量値Cを出力する工程(h)とをさらに備えていることを特徴とする容量値測定方法。
  3. 請求項1に記載の容量値測定方法を行う容量値測定器であって、
    MIS構造にDCバイアスを印加するDCバイアス源と、
    前記DCバイアス源に直列に接続された周波数可変のAC信号源と、
    前記MIS構造に流れる電流を測定するAC電流計と、
    前記MIS構造に印加される電圧を測定するAC電圧計と、
    前記AC信号源、前記AC電流計及び前記AC電圧計のそれぞれから出力されるデータに基づいて、前記MIS構造の複素インピーダンスZの周波数依存性を出力するインピーダンス算出部と、
    前記インピーダンス算出部の出力結果に基づいて、前記工程(b)、前記工程(c)及び前記工程(d)を実施し、前記抵抗値Rp、前記抵抗値Rs及び前記容量値Cを出力する3素子モデルパラメータ抽出部とを備えていることを特徴とする容量値測定器。
  4. 請求項2に記載の容量値測定方法を行う容量値測定器であって、
    MIS構造にDCバイアスを印加するDCバイアス源と、
    前記DCバイアス源に直列に接続された周波数可変のAC信号源と、
    前記MIS構造に流れる電流を測定するAC電流計と、
    前記MIS構造に印加される電圧を測定するAC電圧計と、
    前記AC信号源、前記AC電流計及び前記AC電圧計のそれぞれから出力されるデータに基づいて、前記MIS構造の複素インピーダンスZの周波数依存性を出力するインピーダンス算出部と、
    前記インピーダンス算出部の出力結果に基づいて、前記工程(b)、前記工程(c)及び前記工程(d)を実施し、前記抵抗値Rp、前記抵抗値Rs及び前記容量値Cを出力する3素子モデルパラメータ抽出部と、
    前記3素子モデルパラメータ抽出部が出力した前記抵抗値Rp、前記抵抗値Rs及び前記容量値Cをそれぞれ初期値として数値反復計算を行い、前記数値反復計算の結果が収束した場合に、当該収束値である最適化後の前記抵抗値Rp、前記抵抗値Rs及び前記容量値Cを出力する3素子モデルパラメータ最適化部とを備えていることを特徴とする容量値測定器。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013044751A (ja) * 2011-08-22 2013-03-04 Keithley Instruments Inc インピーダンス測定方法
JP2015188273A (ja) * 2014-03-26 2015-10-29 学校法人東京理科大学 欠陥診断装置
US11119157B2 (en) 2017-11-02 2021-09-14 Lg Chem, Ltd. Method, apparatus and recording medium for estimating parameters of battery equivalent circuit model

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