JP2008239574A - 高純度尿素水の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、尿素製造過程で生成した尿素水溶液から固体状尿素を晶出させることなく、該尿素水溶液を純水で希釈するのみの簡略化された工程で効率的に高純度尿素水を製造する方法を提供する。
【解決手段】 アンモニアと二酸化炭素とを尿素合成圧力および温度下に尿素合成域において反応せしめて尿素の結晶を得る尿素製造において、その工程の途中の過剰アンモニア及び未反応アンモニウムカーバメートを分離して得られる尿素水溶液を希釈することにより高純度尿素水を得ることを特徴とする。また、該尿素水溶液の希釈の前または後に、(i)減圧脱アンモニア、(ii)イオン交換樹脂に接触、(iii) 窒素、空気による曝気等の処理を行い、高純度尿素水を得ることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 アンモニアと二酸化炭素とを尿素合成圧力および温度下に尿素合成域において反応せしめて尿素の結晶を得る尿素製造において、その工程の途中の過剰アンモニア及び未反応アンモニウムカーバメートを分離して得られる尿素水溶液を希釈することにより高純度尿素水を得ることを特徴とする。また、該尿素水溶液の希釈の前または後に、(i)減圧脱アンモニア、(ii)イオン交換樹脂に接触、(iii) 窒素、空気による曝気等の処理を行い、高純度尿素水を得ることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、高純度尿素水の製造方法に関する。特に、内燃機関排気処理用NOx還元剤として用いられる高純度尿素水の効率的な製造方法に関する。
ディーゼルエンジンから排出される排気ガスには、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)及びPM(Particulate Matter:パティキュレート)等の汚染物質が含まれる。これらの汚染物質の中でもNOxは、酸化触媒やガソリン自動車で実用化されている三元触媒では浄化が難しく、NOxを浄化することができる有望な触媒として、選択還元型NOx触媒(以下、SCR触媒という)の開発が行われている。
SCR触媒はTiO2あるいはSiO2−TiO2、WO3−TiO2、SiO2−TiO2などの二元系複合酸化物、または、WO3−SiO2−TiO2、Mo3−SiO2−TiO2などの三元系複合酸化物などの担体に、V,Cr,Mo,Mn,Fe,Ni,Cu,Ag,Au,Pd,Y,Ce,Nd,W,In,Irなどの活性成分を担持してなるハニカム構造を有し、アンモニアなどの還元剤の存在下でNOxを浄化する触媒である。このアンモニア源として、尿素水が使用されている。
従来の尿素水の製造方法は、固体状尿素を水に溶解することで行われている。
一般的には、尿素水の尿素濃度は、20〜60重量%、好ましくは25〜55重量%である。
一般的には、尿素水の尿素濃度は、20〜60重量%、好ましくは25〜55重量%である。
例えば、特許文献1には、10〜60℃で固体状尿素を電気伝導度が0.3mS/m以下の水に20〜60重量%の濃度で溶解させ、かかる尿素水を濾過する工程及びオイル吸着剤で処理する工程からなる高純度尿素水の製法が記載されている。
固体状尿素の製法としては、非特許文献1に、「MTC Urea Process Mitsui Toatsu Chemicals,Inc.」が記載されており、二酸化炭素、液体アンモニア及び回収カーバメイト水溶液を高温、高圧下の合成管内で反応させて尿素を合成し、分解、回収工程を経て、約70%の尿素水溶液を得、次いで、該尿素水溶液は晶出器に送られ、濃縮しながら結晶を析出させ、その後遠心分離して、結晶尿素を得ている。この結晶尿素は空気乾燥輸送タイプのドライヤーで造粒塔の上部に運ばれ、メルターでスチーム加熱により溶融され、ノズル板から造粒塔内に液滴として分散され、該液滴は塔内を落下しながら上昇空気流により冷却固化し、塔底にある流動層冷却器で常温近くまで冷却されて製品の粒状尿素となる。この製法では、造粒尿素を得るまでに加熱工程が数箇所あり、その熱履歴により尿素二量体であるビウレットや、一部尿素が分解しアンモニアが副生するなどの問題点がある。
特開2006−298828号公報
石油学会編 プロセスハンドブック VOL.2[昭和53年2月28日第2回配本(完結)]
本発明は上記状況に鑑みてなされたものであり、尿素製造過程で生成した尿素水溶液から固体状尿素を晶出させることなく、該尿素水溶液を純水で希釈するのみの簡略化された工程で効率的に高純度尿素水を製造する方法を提供する。
上記課題を解決する本発明は以下の通りである。
(1)アンモニアと二酸化炭素とを尿素合成圧力および温度下に尿素合成域において反応せしめ、得られた尿素合成液から、過剰のアンモニアおよび未反応のアンモニウムカーバメートをアンモニアおよび二酸化炭素を含む混合ガスとして分離し、該混合ガスを該尿素合成域に循環し、一方、過剰アンモニアおよび未反応アンモニウムカーバメートを分離して得られる尿素水溶液を濃縮し、尿素を晶析させ尿素の結晶を得る尿素製造工程において、過剰アンモニア及び未反応アンモニウムカーバメートを分離して得られる尿素水溶液を希釈することにより高純度尿素水を得ることを特徴とする高純度尿素水の製造方法。
(2)前記過剰アンモニアおよび未反応アンモニウムカーバメートを分離して得られる尿素水溶液を希釈する前または希釈した後に、以下の(i)〜(iii)から選ばれる少なくとも1種の方法で処理する上記(1)に記載の高純度尿素水の製造方法。
(i) 減圧脱アンモニアによる方法
(ii) イオン交換樹脂に接触させる方法
(iii) 窒素、空気により曝気する方法
(1)アンモニアと二酸化炭素とを尿素合成圧力および温度下に尿素合成域において反応せしめ、得られた尿素合成液から、過剰のアンモニアおよび未反応のアンモニウムカーバメートをアンモニアおよび二酸化炭素を含む混合ガスとして分離し、該混合ガスを該尿素合成域に循環し、一方、過剰アンモニアおよび未反応アンモニウムカーバメートを分離して得られる尿素水溶液を濃縮し、尿素を晶析させ尿素の結晶を得る尿素製造工程において、過剰アンモニア及び未反応アンモニウムカーバメートを分離して得られる尿素水溶液を希釈することにより高純度尿素水を得ることを特徴とする高純度尿素水の製造方法。
(2)前記過剰アンモニアおよび未反応アンモニウムカーバメートを分離して得られる尿素水溶液を希釈する前または希釈した後に、以下の(i)〜(iii)から選ばれる少なくとも1種の方法で処理する上記(1)に記載の高純度尿素水の製造方法。
(i) 減圧脱アンモニアによる方法
(ii) イオン交換樹脂に接触させる方法
(iii) 窒素、空気により曝気する方法
本発明により、例えば内燃機関排気処理用NOx還元触媒におけるアンモニア源として用いられる高純度の尿素水を、尿素製造過程で生成した尿素水溶液から固体状尿素を晶出させることなく、該尿素水溶液を純水で希釈するのみの簡略化された工程で効率的に製造することができる。また、固体状尿素を製造する過程での加熱工程が省略されているので、ビウレット、アンモニアなどの副生物が少ないという利点がある。
また、該尿素水溶液の希釈の前または後に、(i)減圧脱アンモニア、(ii)イオン交換樹脂に接触、(iii) 窒素、空気による曝気等の処理を行い、より高純度の尿素水を調製することができる。
また、該尿素水溶液の希釈の前または後に、(i)減圧脱アンモニア、(ii)イオン交換樹脂に接触、(iii) 窒素、空気による曝気等の処理を行い、より高純度の尿素水を調製することができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の高純度尿素水の製造法は、 以下のとおりである。
二酸化炭素はガス圧縮機で、液体アンモニア及び回収カーバメイト水溶液はポンプにて、それぞれ昇圧されて尿素合成管に送入され、温度170〜210℃、圧力16〜22MPaGの合成管内で尿素合成が行われ、合成反応生成物は合成管出口バルブを通って1.5〜2.0MPaに減圧され高圧分解塔に入る。この際合成液の持っている熱量は有効に利用されて過剰アンモニアが放出され、未反応カーバメイトの大部分がスチーム過熱によりアンモニアと二酸化炭素に分解される。高圧分解塔を出た尿素液は0.1〜2MPaGに減圧されて低圧分解塔に入り、残留する少量のアンモニアと二酸化炭素が除去され、さらに100〜120℃、0.02〜0.04MPaGのガス分離器を通って50〜70重量%の尿素水溶液となる。
本発明の高純度尿素水の製造法は、 以下のとおりである。
二酸化炭素はガス圧縮機で、液体アンモニア及び回収カーバメイト水溶液はポンプにて、それぞれ昇圧されて尿素合成管に送入され、温度170〜210℃、圧力16〜22MPaGの合成管内で尿素合成が行われ、合成反応生成物は合成管出口バルブを通って1.5〜2.0MPaに減圧され高圧分解塔に入る。この際合成液の持っている熱量は有効に利用されて過剰アンモニアが放出され、未反応カーバメイトの大部分がスチーム過熱によりアンモニアと二酸化炭素に分解される。高圧分解塔を出た尿素液は0.1〜2MPaGに減圧されて低圧分解塔に入り、残留する少量のアンモニアと二酸化炭素が除去され、さらに100〜120℃、0.02〜0.04MPaGのガス分離器を通って50〜70重量%の尿素水溶液となる。
ガス分離器、低圧分解塔からでるガスは、それぞれガスコンデンサー及び低圧吸収塔で凝縮されて高圧吸収塔に送られ、ここで高圧分解塔からくるガスと接触・吸収して、約100℃の回収カーバメイトとなり合成管に返送される。一方ガス分離器から出る尿素水溶液は晶出器に送られ、60〜65℃、9.0〜10.0kPaAで濃縮しながら結晶を析出させ、約80重量%の尿素スラリーとし、その後遠心分離機等で分離して、結晶尿素を得ている。この結晶尿素は、空気乾燥輸送タイプの乾燥機において100〜120℃で乾燥させ、粉状尿素として造粒塔の上部に運ばれ、メルターでスチーム加熱により約140℃で溶融された後、ノズル板から造粒塔内に液滴として分散され、該液滴は塔内を落下しながら上昇空気流により冷却固化し、塔底にある流動層冷却器で常温近くまで冷却されて製品の粒状尿素となる。
この工程において、ガス分離器を通って得られる50〜70重量%尿素水溶液を希釈することにより本発明の高純度尿素水を得ることができる。
この方法を具体的に説明する。尿素合成工程で得られた尿素、水、アンモニアおよびアンモニウムカーバメートを含む尿素合成液は、分解工程で未反応アンモニウムカーバメートが分解され、ガス分離器でアンモニアおよび二酸化炭素を除去した後に50〜70重量%程度の尿素水溶液となる。この尿素水溶液を純水で希釈することにより所定濃度の尿素水を調整する。希釈に用いる純水は、電気伝導度 0.3mS/m以下のものが望ましい。希釈後の尿素濃度は20〜60重量%である。好ましくは、25〜55重量%である。
所定濃度に調整する前又は後に、処理を行うことにより、より高純度な尿素水の調製が可能となる。
処理方法としては(i)減圧脱アンモニアによる方法、(ii)イオン交換樹脂に接触させる方法、(iii) 窒素、空気により曝気する方法等がある。
処理方法としては(i)減圧脱アンモニアによる方法、(ii)イオン交換樹脂に接触させる方法、(iii) 窒素、空気により曝気する方法等がある。
(i)による方法では、温度として20〜50℃、好ましくは30〜40℃である。20℃未満では脱アンモニアの効率が低下し、50℃を超えた温度では尿素の加水分解が進行するために脱アンモニアが効率に実施できない。圧力は0.002〜0.05MPaAが好ましい。この圧力範囲を逸脱した場合は、それぞれ効率的でなくなるので好ましくない。
(ii)のイオン交換樹脂に接触させる方法では、交換基としてスルホン酸を持つ強酸性イオン交換樹脂やカルボン酸を持つ弱酸性イオン交換樹脂等の酸性の置換基を持つものであれば使用可能である。処理条件としては、温度はそれぞれの尿素水溶液の凝固点以上から50℃までが好ましい。50℃を超えた温度では尿素の加水分解が進行し好ましくない。通液速度は、空間速度(SV)として1〜50(1/時間)が好ましい。1未満では装置が大きくなりすぎ非効率であり、50を超えた場合は除去効率が低下し好ましくない。
本発明に使用できるイオン交換樹脂としては、例えば、ロームアンドハース社製造のアンバーライト(Amberlite)、ダウケミカル社製のダウエックス(Dowex)、及びジビニルベンゼンで架橋したスルホン化ポリスチレンのようなその他のスルホン化芳香族重合体などが挙げられる。
本発明に使用できるイオン交換樹脂としては、例えば、ロームアンドハース社製造のアンバーライト(Amberlite)、ダウケミカル社製のダウエックス(Dowex)、及びジビニルベンゼンで架橋したスルホン化ポリスチレンのようなその他のスルホン化芳香族重合体などが挙げられる。
(iii)の窒素、空気により曝気する方法では、温度は(i)と同様の条件で実施される。曝気に使用する窒素、空気の流量については曝気の方法、すなわち散気管の設置等により効率の差があるため一概には言えないが各装置でアンモニアが減少する量を導入できれば十分である。
以上の方法は尿素水を所定濃度に希釈した後でも、前でも実施可能であり、その効果に差はない。所定温度での析出等が考えられる場合は、希釈後に処理するほうが有利である。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
定されるものではない。
<実施例1>
図1に示したフローに従って実験を行った。
二酸化炭素、液体アンモニアを190℃、19MPaG下の合成管内で反応させて尿素を合成し、合成反応生成物を合成管出口バルブを通して1.7MPaに減圧した高圧分解塔に送り、そこで過剰アンモニアが放出され、未反応カーバメイトは大部分がスチーム過熱によりアンモニアと二酸化炭素に分解された。高圧分解塔を出た尿素液は0.15MPaGに減圧されて低圧分解塔に入り、残留する少量のアンモニアと二酸化炭素を除去し、さらに110℃、0.03MPaGのガス分離器を通して60重量%尿素水溶液が得られた。それより60重量%尿素水溶液 11.7Kgを採取し、これに 0.2mS/mの純水を8.3Kg加え、35.1重量%尿素水溶液 20Kgを調整した。これより約3Kgを35℃、−0.005MPaの圧力で空気を微量吹き込みながら脱アンモニアを実施した。脱アンモニア後の尿素濃度を測定したところ39.1重量%であった。その液の2.7Kgを採取し、0.2mS/mの純水を0.538Kg添加し、32.6重量%尿素水 3.24Kgを調整した。この試料液をDIN 70071の測定方法で尿素濃度、アルカリ度、炭酸塩、および不溶解分の測定を行った。また、尿素水1L中の異物を孔径5.0μmろ紙でろ過し、ろ紙を水洗後、乾燥させ顕微鏡にて異物個数を観察した。次に尿素水1Lを孔径0.45μmろ紙でろ過し、そのろ過に必要な時間を測定した。
DIN 70070の規格値と測定結果を表1に、ろ過試験の結果を表2に示す。
図1に示したフローに従って実験を行った。
二酸化炭素、液体アンモニアを190℃、19MPaG下の合成管内で反応させて尿素を合成し、合成反応生成物を合成管出口バルブを通して1.7MPaに減圧した高圧分解塔に送り、そこで過剰アンモニアが放出され、未反応カーバメイトは大部分がスチーム過熱によりアンモニアと二酸化炭素に分解された。高圧分解塔を出た尿素液は0.15MPaGに減圧されて低圧分解塔に入り、残留する少量のアンモニアと二酸化炭素を除去し、さらに110℃、0.03MPaGのガス分離器を通して60重量%尿素水溶液が得られた。それより60重量%尿素水溶液 11.7Kgを採取し、これに 0.2mS/mの純水を8.3Kg加え、35.1重量%尿素水溶液 20Kgを調整した。これより約3Kgを35℃、−0.005MPaの圧力で空気を微量吹き込みながら脱アンモニアを実施した。脱アンモニア後の尿素濃度を測定したところ39.1重量%であった。その液の2.7Kgを採取し、0.2mS/mの純水を0.538Kg添加し、32.6重量%尿素水 3.24Kgを調整した。この試料液をDIN 70071の測定方法で尿素濃度、アルカリ度、炭酸塩、および不溶解分の測定を行った。また、尿素水1L中の異物を孔径5.0μmろ紙でろ過し、ろ紙を水洗後、乾燥させ顕微鏡にて異物個数を観察した。次に尿素水1Lを孔径0.45μmろ紙でろ過し、そのろ過に必要な時間を測定した。
DIN 70070の規格値と測定結果を表1に、ろ過試験の結果を表2に示す。
<実施例2>
実施例1で得られた35.1重量%尿素水溶液を3Kg採取し、40℃で、窒素 7L/分の流量で曝気した。曝気後の尿素水溶液に0.2mS/mの純水を添加し、約3Kgの32.6重量%尿素水を調整した。この試料液をDIN 70071の測定方法で尿素濃度、アルカリ度、炭酸塩、および不溶解分の測定を行った。また、尿素水1L中の異物を孔径5.0μmろ紙でろ過し、ろ紙を水洗後、乾燥させ顕微鏡にて異物個数を観察した。次に、尿素水1Lを孔径0.45μmろ紙でろ過し、そのろ過に必要な時間を測定した。DIN 70070の規格値と測定結果を表1に、ろ過試験の結果を表2に示す。
実施例1で得られた35.1重量%尿素水溶液を3Kg採取し、40℃で、窒素 7L/分の流量で曝気した。曝気後の尿素水溶液に0.2mS/mの純水を添加し、約3Kgの32.6重量%尿素水を調整した。この試料液をDIN 70071の測定方法で尿素濃度、アルカリ度、炭酸塩、および不溶解分の測定を行った。また、尿素水1L中の異物を孔径5.0μmろ紙でろ過し、ろ紙を水洗後、乾燥させ顕微鏡にて異物個数を観察した。次に、尿素水1Lを孔径0.45μmろ紙でろ過し、そのろ過に必要な時間を測定した。DIN 70070の規格値と測定結果を表1に、ろ過試験の結果を表2に示す。
<比較例1>
図2に示したフローに従って実験を行った。
二酸化炭素、液体アンモニアを190℃、19MPaG下の合成管内で反応させて尿素を合成し、合成反応生成物を合成管出口バルブを通して1.7MPaに減圧した高圧分解塔に送り、そこで過剰アンモニアが放出され、未反応カーバメイトは大部分がスチーム過熱によりアンモニアと二酸化炭素に分解された。高圧分解塔を出た尿素液は0.15MPaGに減圧されて低圧分解塔に入り、残留する少量のアンモニアと二酸化炭素を除去し、さらに110℃、0.03MPaGのガス分離器を通して60重量%尿素水溶液が得られた。次いで、該尿素水溶液は晶出器に送られ、63℃、9.5kPaAで濃縮しながら結晶を析出させ、約80重量%の尿素スラリーとし、その後遠心分離して、結晶尿素を得た。この結晶尿素は、空気乾燥輸送タイプの乾燥機において100〜120℃で乾燥させ、粉状尿素として造粒塔の上部に運ばれ、メルターでスチーム加熱により約140℃で溶融された後、ノズル板から造粒塔内に液滴として分散され、該液滴は塔内を落下しながら上昇空気流により冷却固化し、塔底にある流動層冷却器で常温近くまで冷却されて製品の粒状尿素を得た。
図2に示したフローに従って実験を行った。
二酸化炭素、液体アンモニアを190℃、19MPaG下の合成管内で反応させて尿素を合成し、合成反応生成物を合成管出口バルブを通して1.7MPaに減圧した高圧分解塔に送り、そこで過剰アンモニアが放出され、未反応カーバメイトは大部分がスチーム過熱によりアンモニアと二酸化炭素に分解された。高圧分解塔を出た尿素液は0.15MPaGに減圧されて低圧分解塔に入り、残留する少量のアンモニアと二酸化炭素を除去し、さらに110℃、0.03MPaGのガス分離器を通して60重量%尿素水溶液が得られた。次いで、該尿素水溶液は晶出器に送られ、63℃、9.5kPaAで濃縮しながら結晶を析出させ、約80重量%の尿素スラリーとし、その後遠心分離して、結晶尿素を得た。この結晶尿素は、空気乾燥輸送タイプの乾燥機において100〜120℃で乾燥させ、粉状尿素として造粒塔の上部に運ばれ、メルターでスチーム加熱により約140℃で溶融された後、ノズル板から造粒塔内に液滴として分散され、該液滴は塔内を落下しながら上昇空気流により冷却固化し、塔底にある流動層冷却器で常温近くまで冷却されて製品の粒状尿素を得た。
この様にして得た粒状尿素を0.2mS/mの純水で溶解し、約3Kgの32.6重量%尿素水を調整した。この試料液をDIN 70071の測定方法で尿素濃度、アルカリ度、炭酸塩、および不溶解分の測定を行った。また、尿素水1L中の異物を孔径5.0μmろ紙でろ過し、ろ紙を水洗後、乾燥させ顕微鏡にて異物個数を観察した。次に尿素水1Lを孔径0.45μmろ紙でろ過し、そのろ過に必要な時間を測定した。DIN 70070の規格値と測定結果を表1に、ろ過試験の結果を表2に示す。
Claims (2)
- アンモニアと二酸化炭素とを尿素合成圧力および温度下に尿素合成域において反応せしめ、得られた尿素合成液から、過剰のアンモニアおよび未反応のアンモニウムカーバメートをアンモニアおよび二酸化炭素を含む混合ガスとして分離し、該混合ガスを該尿素合成域に循環し、一方、過剰アンモニアおよび未反応アンモニウムカーバメートを分離して得られる尿素水溶液を濃縮し、尿素を晶析させ尿素の結晶を得る尿素製造工程において、過剰アンモニア及び未反応アンモニウムカーバメートを分離して得られる尿素水溶液を希釈することにより高純度尿素水を得ることを特徴とする高純度尿素水の製造方法。
- 前記過剰アンモニアおよび未反応アンモニウムカーバメートを分離して得られる尿素水溶液を希釈する前または希釈した後に、以下の(i)〜(iii)から選ばれる少なくとも1種の方法で処理することを特徴とする請求項1に記載の高純度尿素水の製造方法。
(i) 減圧脱アンモニアによる方法
(ii) イオン交換樹脂に接触させる方法
(iii) 窒素、空気により曝気する方法
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