JP2008239520A - ピリジン誘導体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、医薬、殊にモノアミンオキシダーゼ(以下、MAOと略する)阻害剤として有用なピリジン誘導体に関する。
MAOは、情報伝達物質であるモノアミン類を酸化的脱アミノ化により分解、代謝して生物活性を消失させる機能を有し、その阻害剤特異性や基質特異性によってA型とB型に分類される(非特許文献1参照)。近年脳神経学の分野において、MAOがアルツハイマー病、パーキンソン病や脳血管性痴呆、うつ病等の神経疾患と強い関連性があることが見いだされ、研究開発が活発に行われている(特許文献1参照)。
例えば、うつ病は感情の憂鬱や意欲抑制を主症状とする気分障害であり、脳内のセロトニンおよびノルアドレナリン神経系における機能異常が一因と考えられている。セロトニンおよびノルアドレナリンはMAO−Aにより分解されることから、MAO−A阻害剤は抗うつ薬として有望と考えられ、研究が進められている(特許文献2〜3参照)。
また、パーキンソン病は振戦、筋固縮、無動、姿勢反射異常等を主徴とする慢性進行性疾患であり、脳内、特に尾状核と被殻に於て神経伝達物質ドパミンの含量が低下することに起因することが明らかにされている。近年、ドパミン分解酵素であるMAO−Bを阻害しドパミンの分解を抑制してパーキンソン病を治療する試みが多々行われている(特許文献3〜5参照)。
特開昭62−15547号公報
特表2001−516719号公報
特開平11−139975号公報
特表2005−539015号公報
特開平9−59264号公報
バイオケミカル ファーマコロジー(Biochemical Pharmacology)1968年、17号、1285−1297頁
また、パーキンソン病は振戦、筋固縮、無動、姿勢反射異常等を主徴とする慢性進行性疾患であり、脳内、特に尾状核と被殻に於て神経伝達物質ドパミンの含量が低下することに起因することが明らかにされている。近年、ドパミン分解酵素であるMAO−Bを阻害しドパミンの分解を抑制してパーキンソン病を治療する試みが多々行われている(特許文献3〜5参照)。
本発明者らは長年に亘り鋭意研究を行った結果、特定の構造を有するピリジン誘導体が穏やかなMAO阻害作用を有することを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の方法によって達成される。
(1)一般式(I)で表されるピリジン誘導体、またはその製薬学的に許容される塩。
(1)一般式(I)で表されるピリジン誘導体、またはその製薬学的に許容される塩。
R3はアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子を表す。R3が複数存在する場合、各々同じでも異なっていてもよい。
XはCOまたはSO2を表す。
Yはアルキレン基を表す。
Aは飽和環または芳香環を表す。
nは0〜3の整数を表す。
(2)上記(1)に記載されるピリジン誘導体またはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含む医薬組成物。
(3)モノアミンオキシダーゼ阻害剤である上記(1)に記載されたピリジン誘導体、またはその製薬学的に許容される塩。
本発明により、MAO阻害作用を有する新規なピリジン誘導体が提供される。
以下に本発明について更に詳しく説明する。
本発明は、一般式(I)で表されるピリジン誘導体、またはその製薬学的に許容される塩、それを有効成分として含む医薬組成物に関する。
本発明は、一般式(I)で表されるピリジン誘導体、またはその製薬学的に許容される塩、それを有効成分として含む医薬組成物に関する。
R3はアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基またはハロゲン原子を表す。R3が複数存在する場合、各々同じでも異なっていてもよい。
XはCOまたはSO2を表す。
Yはアルキレン基を表す。
Aは飽和環または芳香環を表す。
nは0〜3の整数を表す。
一般式(I)〜(III)において、R1およびR3が表すアルキル基とは、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシルなどの直鎖、分岐又は環状の炭素数1〜20のアルキル基を表す。
R1が表すアルケニル基とは、好ましくはビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、イコセニル、ヘキサジエニル、ドデカトリエニル等の直鎖、分岐、または環状の炭素数2〜20のアルケニル基を表す。
R1が表すアルキニル基とは、好ましくはエチニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、シクロオクチニル、シクロノニニル、シクロデシニル等の直鎖、分岐または環状の炭素数2〜20のアルキニル基を表す。
R3が表すアリール基とは、好ましくはフェニル、ナフチル等の炭素数6〜10員の単環式または二環式アリール基を表す。
R1が表すアルケニル基とは、好ましくはビニル、アリル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、トリデセニル、テトラデセニル、ペンタデセニル、ヘキサデセニル、ヘプタデセニル、オクタデセニル、ノナデセニル、イコセニル、ヘキサジエニル、ドデカトリエニル等の直鎖、分岐、または環状の炭素数2〜20のアルケニル基を表す。
R1が表すアルキニル基とは、好ましくはエチニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、シクロオクチニル、シクロノニニル、シクロデシニル等の直鎖、分岐または環状の炭素数2〜20のアルキニル基を表す。
R3が表すアリール基とは、好ましくはフェニル、ナフチル等の炭素数6〜10員の単環式または二環式アリール基を表す。
R3が表すアルコキシ基とは、好ましくはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ、オクタデシルオキシ等の炭素数1〜20のアルコキシ基を表す。
R3が表すアリールオキシ基とは、フェノキシ、ナフチルオキシ等を表す。
R1、R3が表すハロゲン原子とは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはフッ素原子を表す。
R1およびR3における上記で述べた置換基は更に置換基を有していてもよく、特に限定されない。置換基として例えばアルキル、アルケニル、フェニル、ヒドロキシ、アルコキシ、フェノキシ、アミノ、アルキルチオ、フェニルチオ、ハロゲン原子、ヘテロ環残基等が挙げられるが、必ずしもこれに限定されない。
R3が表すアリールオキシ基とは、フェノキシ、ナフチルオキシ等を表す。
R1、R3が表すハロゲン原子とは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはフッ素原子を表す。
R1およびR3における上記で述べた置換基は更に置換基を有していてもよく、特に限定されない。置換基として例えばアルキル、アルケニル、フェニル、ヒドロキシ、アルコキシ、フェノキシ、アミノ、アルキルチオ、フェニルチオ、ハロゲン原子、ヘテロ環残基等が挙げられるが、必ずしもこれに限定されない。
Yにおけるアルキレン基は、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基を表す。
Aにおける飽和環または芳香環としては、好ましくは、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の飽和環;フェニル、ナフチル等の炭素数6〜10員の単環式または二環式芳香環を表す。
nは0〜3の整数を表す。
Aにおける飽和環または芳香環としては、好ましくは、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の飽和環;フェニル、ナフチル等の炭素数6〜10員の単環式または二環式芳香環を表す。
nは0〜3の整数を表す。
本発明において、R1は好ましくは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、塩素原子、フッ素原子である。
R2は好ましくは、式(II)で表される部分構造であり、より好ましくは2−ピリジル−4’−テトラヒドロピリジン骨格を持つ構造である。
R3は好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子である。
Xは好ましくはCOである。
Yは好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数1〜2のアルキレン基である。
Aは好ましくは芳香環であり、より好ましくはベンゼン環である。
R2は好ましくは、式(II)で表される部分構造であり、より好ましくは2−ピリジル−4’−テトラヒドロピリジン骨格を持つ構造である。
R3は好ましくは、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子である。
Xは好ましくはCOである。
Yは好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数1〜2のアルキレン基である。
Aは好ましくは芳香環であり、より好ましくはベンゼン環である。
本発明の化合物は製薬学的に許容される塩の形でもよい。本発明において製薬学的に許容される塩とは、安全且つ無毒性であり、生物学的のみならずそれ以外においても無害であって、親化合物の望ましい薬理活性を有している塩を意味する。そのような塩は、無機または有機の酸または塩基から誘導される。具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸との酸付加塩;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸、2,2,2−トリフルオロ酢酸等の有機酸との酸付加塩;ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等のアルカリ金属イオン若しくはアルカリ土類金属イオンなどの金属イオンで置換されることによって形成される塩;アンモニウム塩;メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機塩基との塩等が挙げられる。更に本発明において、本発明の化合物およびその付加塩には、分子内塩や付加物、各種水和物や溶媒和物、結晶多形の物質も含まれる。
また、本発明の化合物には、生体内において本発明の化合物やその塩に変換される化合物、いわゆるプロドラッグも全て含まれる。
また、本発明の化合物には、生体内において本発明の化合物やその塩に変換される化合物、いわゆるプロドラッグも全て含まれる。
以下に本発明の化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定されない。
次に、本発明の化合物の製造法について説明する。
本発明の化合物およびその製薬学的に許容される塩は、その基本骨格や置換基の種類に応じて、従来から知られている種々の反応を組み合わせて合成することが可能である。以下に本発明の化合物の合成法の一例を示すが、本発明はこれに限定されない。
本発明の化合物およびその製薬学的に許容される塩は、その基本骨格や置換基の種類に応じて、従来から知られている種々の反応を組み合わせて合成することが可能である。以下に本発明の化合物の合成法の一例を示すが、本発明はこれに限定されない。
式中、R1およびR3は前記と同じ意味を有する。Qは脱離基を表す。
Qは通常脱離基として用いられる置換基であれば特に制限されないが、好ましくはヨウ素、臭素、塩素等のハロゲン原子;メトキシ、エトキシ等の炭素数1〜4の低級アルコキシ基;メチルチオ、エチルチオ等の炭素数1〜4の低級アルキルチオ基;ヒドロキシル基;チオール基;メチルスルホニルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ等のスルホニルオキシ基;アセチルオキシ、プロピオニルオキシ等のアシルオキシ基であり、より好ましくはハロゲン原子、特に好ましくは塩素原子または臭素原子である。
Qは通常脱離基として用いられる置換基であれば特に制限されないが、好ましくはヨウ素、臭素、塩素等のハロゲン原子;メトキシ、エトキシ等の炭素数1〜4の低級アルコキシ基;メチルチオ、エチルチオ等の炭素数1〜4の低級アルキルチオ基;ヒドロキシル基;チオール基;メチルスルホニルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ等のスルホニルオキシ基;アセチルオキシ、プロピオニルオキシ等のアシルオキシ基であり、より好ましくはハロゲン原子、特に好ましくは塩素原子または臭素原子である。
本発明の化合物の出発物質である一般式(IIa)または一般式(IIIa)で表される化合物(以下、ビピリジン化合物と略記する)は市販の試薬を用いてもよいし、公知のピリジン誘導体の合成法(例えば、特許第3032980号、特許第3272326号、特開2001−158773号、特開2005−213239号等)によって容易に合成することも可能である。
これらビピリジン化合物を用い、まず公知の方法(例えばWO2005/16910号;Bull.Soc.Chim.Fr.,1996年、369−380頁等)で還元反応を行い、一般式(IIb)または一般式(IIIb)で表される中間体に導く。この還元反応では、目的物に応じて母核の4’−または3’−ピリジン環を飽和化(以下、ピリジルピペリジン類と略記する)、または一部飽和化(以下、ピリジルテトラヒドロピリジン類と略記する)させる。
本発明では、ビピリジン化合物を適当な溶媒下、ハロゲン化ベンジル類またはベンジルオキシカルボニルハライド類と反応させ、次いで得られた中間体をパラジウム触媒類、白金触媒類、ルテニウム触媒類またはロジウム触媒類の少なくとも1つを用いて水素を添加する方法が好ましい。以下にその反応式の一例として、2,4‘−ジピリジン化合物と臭化ベンジルとの反応例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明では、ビピリジン化合物を適当な溶媒下、ハロゲン化ベンジル類またはベンジルオキシカルボニルハライド類と反応させ、次いで得られた中間体をパラジウム触媒類、白金触媒類、ルテニウム触媒類またはロジウム触媒類の少なくとも1つを用いて水素を添加する方法が好ましい。以下にその反応式の一例として、2,4‘−ジピリジン化合物と臭化ベンジルとの反応例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明で用いられるハロゲン化ベンジル類としては、具体的にはベンジルクロライド、ベンジルブロミド、ベンジルヨージド、p−メトキシベンジルクロライド等が挙げられる。またベンジルオキシカルボニルハライド類としては、ベンジルオキシカルボニルクロライド、ベンジルオキシカルボニルブロミド、ベンジルオキシカルボニルヨージド等が挙げられる。好ましくはベンジルクロライド、ベンジルブロミド、ベンジルオキシカルボニルクロライドであり、より好ましくはベンジルブロミドである。ハロゲン化ベンジル類の使用量はビピリジン化合物1molに対し、好ましくは0.5〜2.0倍molであり、より好ましくは0.9〜1.2倍molである。ベンジルオキシカルボニルハライド類の使用量はビピリジン化合物1molに対し、好ましくは0.5〜3.0倍molであり、より好ましくは1.0〜1.5倍molである。
ビピリジン化合物とハロゲン化ベンジルまたはベンジルオキシカルボニルハライド類との反応における反応温度は0〜200℃で行われ、好ましくは10〜100℃の範囲、より好ましくは20〜80℃の範囲である。これらの反応は通常24時間以内で終了し、多くの場合10分〜12時間で原料の消失が確認され、好ましくは10分〜4時間である。
ビピリジン化合物とハロゲン化ベンジルまたはベンジルオキシカルボニルハライド類との反応における反応温度は0〜200℃で行われ、好ましくは10〜100℃の範囲、より好ましくは20〜80℃の範囲である。これらの反応は通常24時間以内で終了し、多くの場合10分〜12時間で原料の消失が確認され、好ましくは10分〜4時間である。
次に、得られた中間体は水素化触媒存在下、水素接触還元を行う。
本発明で用いられる水素化触媒は、パラジウム触媒類、白金触媒類、ルテニウム触媒類、またはロジウム触媒類である。具体的には、パラジウム触媒類としては、パラジウム炭素、硫黄化合物で被毒されたパラジウム炭素、パラジウム担持シリカ触媒、パラジウム担持アルミナ触媒、パラジウム担持硫酸バリウム触媒、パラジウム担持ゼオライト触媒等の担持触媒、パラジウムブラック、ラネーパラジウム、パラジウム金属、水酸化パラジウム、酸化パラジウム等が挙げられる。白金触媒類としては、白金炭素、硫黄化合物で被毒された白金炭素、白金担持シリカ触媒、白金担持アルミナ触媒等の担持触媒、白金金属、白金ブラック、二酸化白金(アダムス触媒)等が挙げられる。ルテニウム触媒類としては、ルテニウム担持シリカ、ルテニウム担持アルミナ、ルテニウム担持炭素等の担持触媒、ルテニウムブラック、塩化ルテニウム、酸化ルテニウムが等が挙げられる。ロジウム触媒類としては、ロジウム担持シリカ触媒、ロジウム担持アルミナ触媒、ロジウム担持炭素触媒等の担持触媒、ロジウム金属、ロジウムブラック、塩化ロジウム、酸化ロジウム等が挙げられる。好ましくは、硫黄化合物で被毒されたパラジウム炭素、硫黄化合物で被毒された白金炭素、二酸化白金(アダムス触媒)が用いられる。より好ましくは硫黄化合物で被毒されたパラジウム炭素が用いられる。触媒の使用量はビピリジン誘導体に対し、通常0.001〜2倍重量の範囲で使用されるが、好ましくは0.005〜1倍重量、より好ましくは0.008〜0.08倍重量の範囲である。また2種以上の触媒を混合して用いることができ、混合使用の際の混合比は任意に定めることができる。
本発明で用いられる水素化触媒は、パラジウム触媒類、白金触媒類、ルテニウム触媒類、またはロジウム触媒類である。具体的には、パラジウム触媒類としては、パラジウム炭素、硫黄化合物で被毒されたパラジウム炭素、パラジウム担持シリカ触媒、パラジウム担持アルミナ触媒、パラジウム担持硫酸バリウム触媒、パラジウム担持ゼオライト触媒等の担持触媒、パラジウムブラック、ラネーパラジウム、パラジウム金属、水酸化パラジウム、酸化パラジウム等が挙げられる。白金触媒類としては、白金炭素、硫黄化合物で被毒された白金炭素、白金担持シリカ触媒、白金担持アルミナ触媒等の担持触媒、白金金属、白金ブラック、二酸化白金(アダムス触媒)等が挙げられる。ルテニウム触媒類としては、ルテニウム担持シリカ、ルテニウム担持アルミナ、ルテニウム担持炭素等の担持触媒、ルテニウムブラック、塩化ルテニウム、酸化ルテニウムが等が挙げられる。ロジウム触媒類としては、ロジウム担持シリカ触媒、ロジウム担持アルミナ触媒、ロジウム担持炭素触媒等の担持触媒、ロジウム金属、ロジウムブラック、塩化ロジウム、酸化ロジウム等が挙げられる。好ましくは、硫黄化合物で被毒されたパラジウム炭素、硫黄化合物で被毒された白金炭素、二酸化白金(アダムス触媒)が用いられる。より好ましくは硫黄化合物で被毒されたパラジウム炭素が用いられる。触媒の使用量はビピリジン誘導体に対し、通常0.001〜2倍重量の範囲で使用されるが、好ましくは0.005〜1倍重量、より好ましくは0.008〜0.08倍重量の範囲である。また2種以上の触媒を混合して用いることができ、混合使用の際の混合比は任意に定めることができる。
上記触媒中、本発明の化合物でピリジルテトラヒドロピリジン類を合成する場合、好ましくは、硫黄化合物で被毒されたパラジウム炭素、硫黄化合物で被毒された白金炭素、二酸化白金(アダムス触媒)が挙げられ、より好ましくは硫黄化合物で被毒されたパラジウム炭素、硫黄化合物で被毒された白金炭素である。また、ピリジルピペリジン類を合成する場合、好ましくは、パラジウム炭素、白金炭素、二酸化白金(アダムス触媒)が挙げられ、より好ましくはパラジウム炭素、二酸化白金(アダムス触媒)である。
上記触媒の使用量は、ピリジルテトラヒドロピリジン類を合成する場合、ビピリジン誘導体に対し、通常0.001〜2倍重量の範囲であり、好ましくは0.005〜1倍重量の範囲であり、より好ましくは0.008〜0.08倍重量の範囲である。ピリジルピペリジン類を合成する場合、ビピリジン誘導体に対し、通常0.001〜2倍重量の範囲であり、好ましくは0.005〜1倍重量の範囲であり、より好ましくは0.008〜0.1倍重量の範囲である。
還元反応の反応温度は、通常20〜200℃で行われるが、好ましくは20〜100℃の範囲、より好ましくは30〜80℃の範囲である。
上記触媒の使用量は、ピリジルテトラヒドロピリジン類を合成する場合、ビピリジン誘導体に対し、通常0.001〜2倍重量の範囲であり、好ましくは0.005〜1倍重量の範囲であり、より好ましくは0.008〜0.08倍重量の範囲である。ピリジルピペリジン類を合成する場合、ビピリジン誘導体に対し、通常0.001〜2倍重量の範囲であり、好ましくは0.005〜1倍重量の範囲であり、より好ましくは0.008〜0.1倍重量の範囲である。
還元反応の反応温度は、通常20〜200℃で行われるが、好ましくは20〜100℃の範囲、より好ましくは30〜80℃の範囲である。
水素源は、水素ガスを使用する他、イソプロパノール等の炭素数3〜6の二級アルコール;シクロヘキセン;1,3−シクロヘキサジエン;ヒドラジン;ホスフィン酸;ハイポホスファイトナトリウム、ハイポホスファイトカリウム等のハイポホスファイトアルカリ金属塩;インドリン;ギ酸、およびギ酸アンモニウム等のアンモニア、トリエチルアミン、アルカリ又はアルカリ土類元素、ハロゲン化水素等からなるその塩を用いることができる。これらは2種以上の水素源を混合して用いることができ、混合使用の際の混合比は任意に定めることができる。
還元の際の水素圧は、通常10〜20,000kPaの範囲で行われ、ピリジルテトラヒドロピリジン類を合成する場合、好ましくは100〜10,000kPaの範囲であり、より好ましくは100〜1,000kPaの範囲である。ピリジルピペリジン類を合成する場合、好ましくは100〜10,000kPaの範囲であり、より好ましくは300〜1,000kPaの範囲である。これらの反応は通常24時間以内で終了し、多くの場合、30分〜12時間で原料の消失が確認される。
還元の際の水素圧は、通常10〜20,000kPaの範囲で行われ、ピリジルテトラヒドロピリジン類を合成する場合、好ましくは100〜10,000kPaの範囲であり、より好ましくは100〜1,000kPaの範囲である。ピリジルピペリジン類を合成する場合、好ましくは100〜10,000kPaの範囲であり、より好ましくは300〜1,000kPaの範囲である。これらの反応は通常24時間以内で終了し、多くの場合、30分〜12時間で原料の消失が確認される。
反応で使用する溶媒としては、水;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の芳香族溶媒;ピリジン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの極性溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒;メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、ブタノ−ル、t−ブタノ−ルなどのアルコ−ル系溶媒;ジエチルエ−テル、ジイソプロピルエ−テル、ジブチルエ−テル、メチルt−ブチルエ−テル、テトラヒドロフランなどのエ−テル系溶媒等、極性、非極性溶媒を問わずいずれも利用し得る。好ましくは水、メタノ−ル、エタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、ブタノ−ル、t−ブタノ−ルなどのアルコ−ル系溶媒であり、より好ましくはメタノ−ル、エタノ−ル、イソプロピルアルコ−ルである。また2種以上の溶媒を混合して用いることができ、混合使用の際の混合比は任意に定めることができる。上記反応溶媒の使用量はビピリジン誘導体に対して、1〜50倍重量の範囲で使用されるが、より好ましくは2〜30倍重量、より好ましくは5〜10倍重量の範囲である。
反応終了後、ピリジルテトラヒドロピリジン類またはピリジルピペリジン類を精製する方法としては、水と酢酸エチルまたはトルエンなどの有機溶媒を用いた抽出、アルコ−ル、へキサン、トルエンなどを用いた再結晶、シリカゲル、アルミナ等を用いたカラム精製、減圧蒸留などが挙げられる。これらの方法は、単独又は2つ以上組み合わせて精製を行うことにより、目的物を高純度で得ることが可能である。
次に、前記の還元反応で得られた中間体(IIb)または中間体(IIIc)は、もう一方の原料である一般式(IV)で表される化合物と反応させる。一般式(IV)で表される化合物は市販されている試薬を用いても良いし、またその置換基の種類に応じて、従来から知られている種々の反応を組み合わせて合成することが可能である。XがCOの場合、例えば対応するカルボン酸にクロル化剤を反応させて酸クロリドに変換するか、または対応するカルボン酸に酢酸クロライドやメタンスルホン酸クロライド等を反応させて混合酸無水物に変換し(例えば「実験化学講座」第4版、丸善刊、22巻、115−127頁、1992年)、その後中間体(IIb)または(IIIc)と反応させる方法や、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドやN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等の脱水剤存在下で対応するカルボン酸と中間体(IIb)または(IIIc)とを反応させる方法(例えば「実験化学講座」第4版、丸善刊、22巻、137−172頁、1992年)が挙げられる。
XがSO2の場合も上記COの場合と同様、対応するスルホン酸にクロル化剤を反応させて酸クロリドに変換し(例えば「実験化学講座」第4版、丸善刊、24巻、395頁、1992年)、その後中間体(IIb)または(IIIc)と反応させる方法や、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミドやN−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド等の脱水剤存在下で対応するスルホン酸と中間体(IIb)または(IIIc)とを反応させる方法(例えば「実験化学講座」第4版、丸善刊、24巻、396頁、1992年)が挙げられる。
得られた本発明のピリジン誘導体は、通常の有機化合物の単離・精製方法を用いることが出来る。例えば、1,2−ジクロロエタン、酢酸エチル、アルコール等の溶媒で抽出し、その抽出液を濃縮すれば粗成物が得られる。更にその粗成物は酢酸エチル、トルエン、アルコール、ヘキサン等を用いた再結晶、シリカゲルを用いたカラム精製、減圧蒸留等により精製する。これらの方法は、単独または2つ以上組み合わせて精製を行うことにより目的物を高純度で得ることが可能である。
本発明の化合物は、MAO阻害作用を有する。具体的には、比較的穏やかなMAO−A阻害作用および比較的強いMAO−B阻害作用があり、抗うつ薬、パーキンソン病治療薬等として有効である。
次に本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、構造解析は1H−NMRおよびマススペクトルによって行った。
実施例1 1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジンの合成
2,4’−ビピリジン9.2g(59mmol)をイソプロピルアルコール70mlに溶解し、臭化ベンジル10.5gを加え、50℃で5時間撹拌した。反応液に2%パラジウム−炭素1.0gとトリエチルアミン6.0gを添加し、オートクレーブ中で窒素圧2kg/cm2で2回置換した後、80℃、水素圧2kg/cm2で水素ガス4200mlの吸収が終わるまで3時間吹き込んだ。窒素置換の後、触媒を濾過した液を10torrで18.0gになるまで減圧濃縮し、水50mlと25%水酸化ナトリウム水溶液10gを加え、酢酸エチル200mlで3回抽出した。有機層を濃縮し、得られた固体をNH2修飾シリカゲル(バイオタージ・ジャパン製)に吸着させて酢酸エチルで溶出し、得られた分画を濃縮し析出した結晶を乾燥して、淡黄色結晶の目的物3.8g(収率40%)を得た。
2,4’−ビピリジン9.2g(59mmol)をイソプロピルアルコール70mlに溶解し、臭化ベンジル10.5gを加え、50℃で5時間撹拌した。反応液に2%パラジウム−炭素1.0gとトリエチルアミン6.0gを添加し、オートクレーブ中で窒素圧2kg/cm2で2回置換した後、80℃、水素圧2kg/cm2で水素ガス4200mlの吸収が終わるまで3時間吹き込んだ。窒素置換の後、触媒を濾過した液を10torrで18.0gになるまで減圧濃縮し、水50mlと25%水酸化ナトリウム水溶液10gを加え、酢酸エチル200mlで3回抽出した。有機層を濃縮し、得られた固体をNH2修飾シリカゲル(バイオタージ・ジャパン製)に吸着させて酢酸エチルで溶出し、得られた分画を濃縮し析出した結晶を乾燥して、淡黄色結晶の目的物3.8g(収率40%)を得た。
実施例2 1’-[(4−クロロフェニル)アセチル]−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジン(II−1)の合成
1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジン塩酸塩590mg(3mmol)をトルエン5mlに溶解し、炭酸ナトリウム424mg(4mmol)の水5ml溶液を加えて、氷冷した。4−クロロフェニル酢酸クロリド756mg(4mmol)をゆっくり滴下し、その後室温で7時間攪拌した。反応終了後トルエンで抽出し、更にシリカゲルカラムで精製して、目的物の淡褐色結晶490mg(収率52.2%)を得た。
1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジン塩酸塩590mg(3mmol)をトルエン5mlに溶解し、炭酸ナトリウム424mg(4mmol)の水5ml溶液を加えて、氷冷した。4−クロロフェニル酢酸クロリド756mg(4mmol)をゆっくり滴下し、その後室温で7時間攪拌した。反応終了後トルエンで抽出し、更にシリカゲルカラムで精製して、目的物の淡褐色結晶490mg(収率52.2%)を得た。
実施例3 1’−[3−(3−クロロフェニル)プロパノイル]−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジン(II−2)の合成
3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸94.7mg (0.51mmol)に、氷冷下塩化チオニル0.196g(1.65mmol)を滴下し、その後30〜40℃で1時間加熱還流した。反応終了後、過剰の塩化チオニルを除去して濃縮した。
1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジン80.1mg(0.5mmol)を酢酸エチル5mlに溶解し、氷冷下でピリジン47.5mg(0.6mmol)を滴下した。次に前記で調製した3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸クロリドの酢酸エチル5ml溶液をゆっくり滴下し、その後室温で15時間攪拌した。反応終了後酢酸エチルで抽出し、更にシリカゲルカラムで精製して、目的物の褐色油状物96.4mg(収率59.0%)を得た。
3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸94.7mg (0.51mmol)に、氷冷下塩化チオニル0.196g(1.65mmol)を滴下し、その後30〜40℃で1時間加熱還流した。反応終了後、過剰の塩化チオニルを除去して濃縮した。
1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジン80.1mg(0.5mmol)を酢酸エチル5mlに溶解し、氷冷下でピリジン47.5mg(0.6mmol)を滴下した。次に前記で調製した3−(3−クロロフェニル)プロピオン酸クロリドの酢酸エチル5ml溶液をゆっくり滴下し、その後室温で15時間攪拌した。反応終了後酢酸エチルで抽出し、更にシリカゲルカラムで精製して、目的物の褐色油状物96.4mg(収率59.0%)を得た。
実施例4 1’−[(2.5−ジフルオロフェニル)アセチル]−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジン(II−3)の合成
実施例2において、2,5−ジフルオロフェニル酢酸クロリドを用いた以外は実施例2と同じ操作を行い、目的物の淡褐色結晶81.8mg(収率52.0%)を得た。
実施例2において、2,5−ジフルオロフェニル酢酸クロリドを用いた以外は実施例2と同じ操作を行い、目的物の淡褐色結晶81.8mg(収率52.0%)を得た。
実施例5 1’−[(4−フルオロフェニル)アセチル]−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジン(II−4)の合成
実施例2において、4−フルオロフェニル酢酸クロリドを用いた以外は実施例2と同じ操作を行い、目的物の淡黄色結晶70.3mg(収率47.4%)を得た。
実施例2において、4−フルオロフェニル酢酸クロリドを用いた以外は実施例2と同じ操作を行い、目的物の淡黄色結晶70.3mg(収率47.4%)を得た。
実施例6 1’−[(4−クロロフェニル)アセチル]−5−メチル−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジン(II−5)の合成
5−メチル−2,4’−ビピリジンを用い、実施例1と同じ操作で5−メチル−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジンを調製した。次に、実施例2と同じ操作を行い、目的物の淡黄色結晶30.3mg(収率30.9%)を得た。
5−メチル−2,4’−ビピリジンを用い、実施例1と同じ操作で5−メチル−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジンを調製した。次に、実施例2と同じ操作を行い、目的物の淡黄色結晶30.3mg(収率30.9%)を得た。
実施例7 1’−[(4−フルオロフェニル)アセチル]−5−メチル−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジン(II−6)の合成
5−メチル−2,4’−ビピリジンを用い、実施例1と同じ操作で5−メチル−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジンを調製した。これを用い、次に4−フルオロフェニル酢酸クロリドを用いて実施例2と同じ操作を行い、目的物の淡褐色結晶44.7mg(収率48.6%)を得た。
5−メチル−2,4’−ビピリジンを用い、実施例1と同じ操作で5−メチル−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジンを調製した。これを用い、次に4−フルオロフェニル酢酸クロリドを用いて実施例2と同じ操作を行い、目的物の淡褐色結晶44.7mg(収率48.6%)を得た。
実施例8 5−クロロ−1’−[(4−フルオロフェニル)アセチル]−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジン(II−7)の合成
5−クロロ−2,4’−ビピリジンを用い、実施例1と同じ操作で5−クロロ−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジンを調製した。次に4−フルオロフェニル酢酸クロリドを用いて実施例2と同じ操作を行い、目的物の淡褐色結晶51.0mg(収率51.3%)を得た。
5−クロロ−2,4’−ビピリジンを用い、実施例1と同じ操作で5−クロロ−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジンを調製した。次に4−フルオロフェニル酢酸クロリドを用いて実施例2と同じ操作を行い、目的物の淡褐色結晶51.0mg(収率51.3%)を得た。
実施例9 1’−[(4−クロロフェニル)アセチル]−5−クロロ−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジン(II−8)の合成
5−クロロ−2,4’−ビピリジンを用い、実施例1と同様の操作で5−クロロ−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジンを調製した。次に実施例2と同じ操作を行い、目的物の淡褐色結晶49.8mg(収率47.8%)を得た。
5−クロロ−2,4’−ビピリジンを用い、実施例1と同様の操作で5−クロロ−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジンを調製した。次に実施例2と同じ操作を行い、目的物の淡褐色結晶49.8mg(収率47.8%)を得た。
実施例10 1’−[(4−トリフルオロメチルフェニル)アセチル]−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジン(II−9)の合成
4−トリフルオロメチルフェニル酢酸クロリドを用いて実施例2と同じ操作を行い、目的物の淡黄色結晶356mg(収率34.3%)を得た。
4−トリフルオロメチルフェニル酢酸クロリドを用いて実施例2と同じ操作を行い、目的物の淡黄色結晶356mg(収率34.3%)を得た。
実施例11 1’−[(3,4−ジメトキシフェニル)アセチル]−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジン(II−10)の合成
3,4−ジメトキシフェニル酢酸クロリドを用いて実施例2と同じ操作を行い、目的物の淡黄色結晶287mg(収率28.3%)を得た。
3,4−ジメトキシフェニル酢酸クロリドを用いて実施例2と同じ操作を行い、目的物の淡黄色結晶287mg(収率28.3%)を得た。
実施例12 2−(4’−ピペリジル)ピリジンの合成
2,4’−ビピリジン1g(6.4mmol)をアセトン15mlに溶解し、次いで臭化ベンジル1.1g(6.4mmol)を加え、50℃で5時間撹拌した。反応液を冷却し析出した結晶を濾過した。得られた結晶をメタノール15mlに溶解し、パラジウム炭素(50%水湿潤、パラジウム10%含有)0.12gを添加し、オートクレーブ中で窒素圧2kg/cm2で2回置換した後、水素圧2kg/cm2をかけ水素ガス580mLの吸収が終わるまで80℃で7時間撹拌した。反応容器内を窒素置換した後で触媒を濾過し、反応液を減圧濃縮し、目的物の淡黄色油状物0.72g(収率70%)を得た。
2,4’−ビピリジン1g(6.4mmol)をアセトン15mlに溶解し、次いで臭化ベンジル1.1g(6.4mmol)を加え、50℃で5時間撹拌した。反応液を冷却し析出した結晶を濾過した。得られた結晶をメタノール15mlに溶解し、パラジウム炭素(50%水湿潤、パラジウム10%含有)0.12gを添加し、オートクレーブ中で窒素圧2kg/cm2で2回置換した後、水素圧2kg/cm2をかけ水素ガス580mLの吸収が終わるまで80℃で7時間撹拌した。反応容器内を窒素置換した後で触媒を濾過し、反応液を減圧濃縮し、目的物の淡黄色油状物0.72g(収率70%)を得た。
実施例13 2−{1−[(4−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジン−4−イル})ピリジン(II−11)の合成
2−(4’−ピペリジル)ピリジン48.7mg(0.3mmol)を酢酸エチル5mlに溶解し、氷冷下でピリジン26.1mg(0.33mmol)を滴下した。次いで4−フルオロフェニル酢酸クロリド51.7mg(0.3mmol)をゆっくり滴下し、室温で5時間攪拌した。反応終了後酢酸エチルで抽出し、更にシリカゲルカラムで精製して、目的物の淡褐色結晶44.7mg(収率48.6%)を得た。
2−(4’−ピペリジル)ピリジン48.7mg(0.3mmol)を酢酸エチル5mlに溶解し、氷冷下でピリジン26.1mg(0.33mmol)を滴下した。次いで4−フルオロフェニル酢酸クロリド51.7mg(0.3mmol)をゆっくり滴下し、室温で5時間攪拌した。反応終了後酢酸エチルで抽出し、更にシリカゲルカラムで精製して、目的物の淡褐色結晶44.7mg(収率48.6%)を得た。
実施例14 2−{1−[(4−クロロフェニル)アセチル]ピペリジン−4−イル})−5−クロロピリジン(II−12)の合成
5−クロロ−2,4’−ビピリジンを用いて実施例12と同じ操作を行い、5−クロロ−2−(4’−ピペリジル)ピリジンを調製した。次に、4−クロロフェニル酢酸クロリドを用いて実施例13と同じ操作を行い、目的物の淡黄色油状物49.8mg(収率47.8%)を得た。
5−クロロ−2,4’−ビピリジンを用いて実施例12と同じ操作を行い、5−クロロ−2−(4’−ピペリジル)ピリジンを調製した。次に、4−クロロフェニル酢酸クロリドを用いて実施例13と同じ操作を行い、目的物の淡黄色油状物49.8mg(収率47.8%)を得た。
実施例15 1’−〔(4−クロロベンジル)スルホニル〕−1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ−2,4’−ビピリジン(II−13)の合成
1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ-2,4’−ビピリジン塩酸塩1.74g(8.9mmol)を塩化メチレン30mlと水30mlの混合溶媒に溶解し、氷冷しながら炭酸カリウム3.68g(26.6mmol)を分割添加した。次いで(4−クロロフェニル)メタンスルホニルクロライド 2.41g(10.7mmol)をゆっくり滴下し、室温で6時間攪拌した。反応液は塩化メチレンで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで脱水した後ろ過した。ろ液を濃縮し、ヘキサンとと酢酸エチルの混合液から再結晶して目的物の淡褐色結晶2.11g(収率68.4%)を得た。
1’,2’,3’,6’−テトラヒドロ-2,4’−ビピリジン塩酸塩1.74g(8.9mmol)を塩化メチレン30mlと水30mlの混合溶媒に溶解し、氷冷しながら炭酸カリウム3.68g(26.6mmol)を分割添加した。次いで(4−クロロフェニル)メタンスルホニルクロライド 2.41g(10.7mmol)をゆっくり滴下し、室温で6時間攪拌した。反応液は塩化メチレンで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで脱水した後ろ過した。ろ液を濃縮し、ヘキサンとと酢酸エチルの混合液から再結晶して目的物の淡褐色結晶2.11g(収率68.4%)を得た。
実施例16 1’,2’,5’,6’−テトラヒドロ−2,3’−ビピリジンの合成
2,3’−ビピリジン1g(6.4mmol)をアセトン15mlに溶解し、臭化ベンジル1.1g(6.4mmol)を加え、50℃で5時間撹拌した。反応液を冷却し析出した結晶を濾過した。得られた結晶をメタノール15mlに溶解し、氷冷下で水素化ホウ素ナトリウム0.8gを添加し、50℃で1時間反応した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチルで抽出し、有機層を濃縮した。次にこの濃縮物にトルエン10mlと塩化ベンジルオキシカルボネート1.1gを添加し室温で2時間反応した。反応液に濃塩酸1.5gとイソプロピルアルコール5mlを添加して80℃まで加熱し、減圧下で濃縮し固体を得た。この固体を水酸化ナトリウム水溶液とトルエンで抽出し、有機層を濃縮して目的物の淡黄色油状物0.56g(収率55%)を得た。
2,3’−ビピリジン1g(6.4mmol)をアセトン15mlに溶解し、臭化ベンジル1.1g(6.4mmol)を加え、50℃で5時間撹拌した。反応液を冷却し析出した結晶を濾過した。得られた結晶をメタノール15mlに溶解し、氷冷下で水素化ホウ素ナトリウム0.8gを添加し、50℃で1時間反応した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチルで抽出し、有機層を濃縮した。次にこの濃縮物にトルエン10mlと塩化ベンジルオキシカルボネート1.1gを添加し室温で2時間反応した。反応液に濃塩酸1.5gとイソプロピルアルコール5mlを添加して80℃まで加熱し、減圧下で濃縮し固体を得た。この固体を水酸化ナトリウム水溶液とトルエンで抽出し、有機層を濃縮して目的物の淡黄色油状物0.56g(収率55%)を得た。
実施例17 1’−[(4−クロロフェニル)アセチル]−1’,2’,5’,6’−テトラヒドロ−2,3’−ビピリジン(III−1)の合成
1’,2’,5’,6’−テトラヒドロ−2,3’−ビピリジン塩酸塩590mg(3mmol)、炭酸ナトリウム530mg(5mmol)をトルエン5mlと水5mlに溶解し、氷冷しながら4−クロロフェニル酢酸クロリド756mg(4mmol)を滴下し、室温で7時間攪拌した。反応液をトルエンで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで脱水して、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムで精製し、目的物の淡黄色油状物551mg(収率58.7%)を得た。
1’,2’,5’,6’−テトラヒドロ−2,3’−ビピリジン塩酸塩590mg(3mmol)、炭酸ナトリウム530mg(5mmol)をトルエン5mlと水5mlに溶解し、氷冷しながら4−クロロフェニル酢酸クロリド756mg(4mmol)を滴下し、室温で7時間攪拌した。反応液をトルエンで抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで脱水して、濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムで精製し、目的物の淡黄色油状物551mg(収率58.7%)を得た。
実施例18 2−(3’−ピペリジル)ピリジンの合成
2,3’−ビピリジン1g(6.4mmol)をアセトン15mlに溶解し、臭化ベンジル1.1g(6.4mmol)を加え、50℃で5時間撹拌した。反応液を冷却し析出した結晶を濾過した。得られた結晶をメタノール15mlに溶解し、酸化白金0.12g(0.5mmol)とトリエチルアミン0.65g(6.4mmol)を添加し、オートクレーブ中で窒素圧2kg/cm2で2回置換した後、水素ガス430mlの吸収が終わるまで水素圧2kg/cm2で、60℃で3時間反応した。反応容器内を窒素置換し、触媒を濾過して反応液を減圧濃縮した。得られた濃縮物を酢酸エチル15mlに溶解し、更に塩化ベンジルオキシカルボネート1.1gを添加して室温で2時間反応した。反応液に濃塩酸1.5gとイソプロピルアルコール5mlを添加して80℃まで加熱し、減圧下で濃縮した。この濃縮物を水酸化ナトリウム水溶液(25%)とトルエンで抽出し、有機層を濃縮して目的物の淡黄色油状物0.42g(収率40%)を得た。
2,3’−ビピリジン1g(6.4mmol)をアセトン15mlに溶解し、臭化ベンジル1.1g(6.4mmol)を加え、50℃で5時間撹拌した。反応液を冷却し析出した結晶を濾過した。得られた結晶をメタノール15mlに溶解し、酸化白金0.12g(0.5mmol)とトリエチルアミン0.65g(6.4mmol)を添加し、オートクレーブ中で窒素圧2kg/cm2で2回置換した後、水素ガス430mlの吸収が終わるまで水素圧2kg/cm2で、60℃で3時間反応した。反応容器内を窒素置換し、触媒を濾過して反応液を減圧濃縮した。得られた濃縮物を酢酸エチル15mlに溶解し、更に塩化ベンジルオキシカルボネート1.1gを添加して室温で2時間反応した。反応液に濃塩酸1.5gとイソプロピルアルコール5mlを添加して80℃まで加熱し、減圧下で濃縮した。この濃縮物を水酸化ナトリウム水溶液(25%)とトルエンで抽出し、有機層を濃縮して目的物の淡黄色油状物0.42g(収率40%)を得た。
実施例19 2−{1−[(4−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジン−3−イル})ピリジン(III−2)の合成
2−(3’−ピペリジル)ピリジン80.1mg(0.5mmol)とピリジン47.5mg(0.5mmol)を酢酸エチル10mlに溶解した。4−フルオロフェニル酢酸クロリド86.3mg(0.5mmol)を酢酸エチル10mlに溶解したものを先の溶液に滴下し、室温で1時間攪拌した。反応液を分液し、酢酸エチルで抽出し、その有機層を濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムで精製し、目的物の淡黄色油状物86.5mg(収率58%)を得た。
2−(3’−ピペリジル)ピリジン80.1mg(0.5mmol)とピリジン47.5mg(0.5mmol)を酢酸エチル10mlに溶解した。4−フルオロフェニル酢酸クロリド86.3mg(0.5mmol)を酢酸エチル10mlに溶解したものを先の溶液に滴下し、室温で1時間攪拌した。反応液を分液し、酢酸エチルで抽出し、その有機層を濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムで精製し、目的物の淡黄色油状物86.5mg(収率58%)を得た。
実施例20 1’− [(4−クロロベンジル)スルホニル]−1’,2’,5’,6’−テトラヒドロ−2,3’−ビピリジン(III−3)の合成
1’,2’,5’,6’−テトラヒドロ−2,3’−ビピリジン塩酸塩 1.74g(8.9mmol)をトルエン30mlと水30mlに溶解し、氷冷しながら炭酸カリウム3.67g(26.6mmol)を分割添加した。次いで(4−クロロフェニル)メタンスルホニルクロライド2.40g(10.7mmol)をゆっくり滴下し、室温で15時間攪拌した。反応液を塩化メチレンで抽出し、有機層を濃縮して、その濃縮物をシリカゲルカラムで精製し、目的物の淡褐色結晶2.43g(収率78.7%)を得た。
実施例2〜11、13〜15、17、19、20の化合物の物性値を表1に示す。
1’,2’,5’,6’−テトラヒドロ−2,3’−ビピリジン塩酸塩 1.74g(8.9mmol)をトルエン30mlと水30mlに溶解し、氷冷しながら炭酸カリウム3.67g(26.6mmol)を分割添加した。次いで(4−クロロフェニル)メタンスルホニルクロライド2.40g(10.7mmol)をゆっくり滴下し、室温で15時間攪拌した。反応液を塩化メチレンで抽出し、有機層を濃縮して、その濃縮物をシリカゲルカラムで精製し、目的物の淡褐色結晶2.43g(収率78.7%)を得た。
実施例2〜11、13〜15、17、19、20の化合物の物性値を表1に示す。
実施例21〜37
上記で得られた化合物中、表2〜3に示した化合物について、FEBS Lett.,286巻,1−2号,1991年,142〜146頁;Biochem.Pharmacol.,41巻,2号,1991年,155〜162頁に記載の方法で、MDS Pharm Services社にてMAO阻害活性を測定した。以下に測定条件を示す。
source ヒト組換えHi5昆虫細胞;基質 50μMキュヌラミン;溶媒 1%ジメチルスルホキシド;試験方法 4−ヒドロキシキノリンを用いた定量蛍光分光法;リファレンス(MAO−A)クロルジリン、(MAO−B)R(−)−デプレニル
実施例21〜27の結果を表2に,実施例28〜37の結果を表3に示す。
上記で得られた化合物中、表2〜3に示した化合物について、FEBS Lett.,286巻,1−2号,1991年,142〜146頁;Biochem.Pharmacol.,41巻,2号,1991年,155〜162頁に記載の方法で、MDS Pharm Services社にてMAO阻害活性を測定した。以下に測定条件を示す。
source ヒト組換えHi5昆虫細胞;基質 50μMキュヌラミン;溶媒 1%ジメチルスルホキシド;試験方法 4−ヒドロキシキノリンを用いた定量蛍光分光法;リファレンス(MAO−A)クロルジリン、(MAO−B)R(−)−デプレニル
実施例21〜27の結果を表2に,実施例28〜37の結果を表3に示す。
表2,3の結果から、本発明の化合物がMAO−A阻害活性およびMAO−B阻害活性を有することは明らかである。
Claims (3)
- 請求項1に記載されるピリジン誘導体またはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含む医薬組成物。
- モノアミンオキシダーゼ阻害剤である請求項1に記載のピリジン誘導体、またはその製薬学的に許容される塩。
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JP2007079872A JP2008239520A (ja) | 2007-03-26 | 2007-03-26 | ピリジン誘導体 |
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