JP2008238948A - 可変ダンパ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成によって制動時の車両の偏走を防止した可変ダンパ制御装置を提供する。
【解決手段】サスペンション装置に設けられた減衰力を変更可能な可変ダンパ3の減衰力を制御する可変ダンパ制御装置4を、車両の減速を検出する減速検出手段1を備え、減速検出手段1による減速の検出に応じて、後輪用サスペンションに設けられた後輪用可変ダンパ3RL,3RRのリバウンド側減衰力を小さくする構成として接地荷重の変動を抑制し後輪のコーナリングパワーを確保する。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動車等の車両のサスペンション装置に設けられる可変ダンパの減衰力を制御する可変ダンパ制御装置に関し、特に、制動時における車両の安定性を向上した可変ダンパ制御装置に関するものである。
自動車等の車両のサスペンションに設けられるダンパ(ショックアブソーバ)は、その減衰力を変更可能とし、車両の走行状態に応じて自動的に減衰力を変更するものが知られている。
例えば、車両の速度と横加速度に応じて前後のダンパの減衰力を切換えることによって、ロールの低減とヨー特性の改善とを図ったものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
また、車両のアンダーステア又はオーバーステアの発生時に、エンジン出力及び各車輪の制動力を制御してアンダーステア又はオーバーステアを低減する車両スタビリティ制御装置において、駆動力及び制動力の制御と同時に減衰力を変更し、車両のスタビリティをより向上するものが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
また、自動車の車体姿勢制御装置において、前輪側サスペンションの圧側(縮側)減衰力を高めることなく車両のブレーキング時のピッチング(ノーズダイブ)を抑制するため、ブレーキ操作時に後輪用サスペンションの伸側減衰力を高めたものが知られている(例えば、特許文献3を参照)。
特開平8−183317号公報 特開平10−100634号公報 特開2003−63473号公報
車両のブレーキング時において、ブレーキパッドとロータ、あるいは、ライニングとドラムとの摩擦係数のばらつき等により、ブレーキの制動力に左右で差が生じる場合がある。また、積荷や乗員が左右いずれかに偏って搭載され、車両の重心位置が左右にオフセットする場合がある。このような場合には、ブレーキング時に車両にヨーモーメント(鉛直軸回りの回転モーメント)が発生し、制動力の強い方向や、重心位置とは逆の方向に車両が偏走してしまう。
特に、例えば軽貨物自動車のように重心位置が高い車両の場合には、ブレーキング時に後輪側から前輪側への荷重移動量が大きく、後輪の接地荷重が大きく低下してしまう。このため、前輪のコーナリングパワーに対し、後輪のコーナリングパワーが低下してヨーモーメントに対する安定性が損なわれ、大きく偏走する場合がある。
これに対し、制動時に後輪用サスペンションの伸側減衰力を高める上述した従来技術の場合には、車両のピッチングは抑制することができても、後輪の接地荷重が失われやすくなるため、かえって偏走を助長するおそれがある。
また、各車輪の制動力等を個別に制御するヨーコントロール装置を設ければ、車両の偏走は防止することができるが、各ブレーキの液圧を制御するハイドロリックコントロールユニットや、複雑な制御を行う制御装置を設ける必要があり、構成が複雑化しかつ大幅なコスト増となる。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、簡単な構成によって制動時の車両の偏走を防止した可変ダンパ制御装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1の発明は、サスペンション装置に設けられた減衰力を変更可能な可変ダンパの減衰力を制御する可変ダンパ制御装置であって、車両の減速を検出する減速検出手段を備え、前記減速検出手段による減速の検出に応じて、後輪用サスペンションに設けられた後輪用可変ダンパのリバウンド側減衰力を小さくすることを特徴とする可変ダンパ制御装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の可変ダンパ制御装置であって、前記減速検出手段による減速の検出に応じて、前輪用サスペンションに設けられた前輪用可変ダンパのバンプ側減衰力を大きくすることを特徴とする可変ダンパ制御装置である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の可変ダンパ制御装置であって、前記車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段を備え、前記減速検出手段により減速が検出されかつ前記旋回状態検出手段により旋回が検出された場合に、前輪用サスペンションに設けられた旋回内輪側の前輪用可変ダンパの減衰力を、旋回外輪側の前輪用可変ダンパの減衰力よりも大きくすることを特徴とする可変ダンパ制御装置である。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)減速時に後輪用可変ダンパのリバウンド側(伸側)減衰力を小さくすることによって、後輪の路面に対する追従性を向上し、接地荷重の変動を抑制することができる。これによって、後輪の接地性が向上し、車両の方向安定性を確保して制動時の偏走を防止することができる。
また、各輪制動力を独立して制御するヨーコントロール装置のようにハイドロリックコントロールユニットや複雑な制御を行う制御装置を設ける必要がないため、車両構造の簡素化、軽量化、低コスト化を図ることができる。
さらに、制動時にのみ可変ダンパの減衰力を切換えることによって、通常走行時の走行性能に悪影響を及ぼすことがない。
(2)減速時に前輪用可変ダンパのバンプ側(縮側)減衰力を大きくすることによって、後輪用可変ダンパのリバウンド側減衰力を小さくすることによるピッチング量の増大を抑制し、車両の姿勢を安定させることができる。
(3)減速中に旋回が検出された場合に、前輪用可変ダンパの減衰力を、旋回内輪側において旋回外輪側よりも大きくすることによって、制動による前輪荷重の増大に伴い、内輪側前輪の接地荷重が外輪側よりも大きくなり、接地荷重に起因するキングピン回りのトーイン方向への回転モーメントが、内輪側において大きく、外輪側において小さくなる。また、自動車のサスペンションは一般的にバンプ側にストロークした際にトーアウト側へ変化するバンプステア特性を備えるが、本発明では外輪側のサスペンションのほうが内輪側よりもバンプ側へのストローク量が大きくなるため、内輪側のほうが外輪側よりもトーアウト側へのトー変化量が小さくなる。
これによって、内輪側、外輪側いずれの前輪も偏走方向とは逆方向へのトー変化が発生し、偏走を抑制することができる。
本発明は、簡単な構成によって制動時の車両の偏走を防止した可変ダンパ制御装置を提供する課題を、ブレーキランプスイッチがオンの場合に後輪用の可変ダンパのリバウンド側減衰力を低下させ、後輪の接地荷重変動を抑制して後輪のコーナリングパワーによる車両の方向安定性を確保することによって解決した。
以下、本発明を適用した可変ダンパ制御装置の実施例1について説明する。なお、実施例1において、車両は例えば軽トラック等の自動車である。
図1は、実施例1の車両の構成を示すブロック図である。
車両は、ブレーキランプスイッチ1、横Gセンサ2、可変ダンパ3、制御装置4等を備えて構成されている。
ブレーキランプスイッチ(減速検出手段)1は、運転者がサービスブレーキによる制動操作を行うブレーキペダルが踏込まれた際にオンとなるスイッチであって、ブレーキランプの点灯、消灯を切換えるものである。
横Gセンサ(旋回検出手段)2は、車両に対して車幅方向に作用する加速度を検出するものである。
可変ダンパ3は、車両のサスペンションに設けられた油圧式の緩衝装置(ショックアブソーバ)である。可変ダンパ3は、シリンダが形成されたシェルケース及びシリンダ内に挿入されたピストンを備え、ピストンの変位時にピストンバルブをオイルが通過する際の流体抵抗等によって、ピストンスピードに応じた減衰力を発生する。この減衰力は、制御装置4の出力に応じて変更可能となっている。この減衰力の変更は、例えばステッピングモータ等のアクチュエータによってピストンに設けられたロータリバルブを回転させ、オリフィスを開閉することによって行うことができるが、他の方式によるものであってもよい。
可変ダンパ3は、前後左右の各サスペンションにそれぞれ設けられ、以下、左前にFL、右前にFR、左後にRL、右後にRRの添え字を付して説明する。
制御装置4は、ブレーキランプスイッチ1及び横Gセンサ2の出力に応じて、可変ダンパ3の減衰力を変更する制御信号を出力する情報処理装置である。ブレーキランプスイッチ1及び横Gセンサ2の出力は、車載LANの一種であるCAN通信システムを介して制御装置4に提供される。
図2は、制動時に車両に生じる各車輪の制動力、接地荷重、車体のモーメント等の変化を示す模式図である。図2(a)及び図2(b)は、それぞれ車両の上方及び側方から見た図である。
先ず、鉛直方向の力の釣り合いについて説明する。各車輪に作用する接地荷重Lf,Lrの和は、車両重量VWと釣り合う。制動時においては、前輪側の接地荷重Lfが大きくなり、これに応じて後輪側の接地荷重Lrが小さくなる。
ここで、後輪のタイヤが発生するコーナリングパワー(タイヤが発生する横力(コーナリングフォース)のタイヤ横滑り角(スリップアングル)に対する変化率)は、タイヤ踏面と路面との間に作用する接地荷重と相関することから、後輪の接地荷重が下がるとコーナリングパワーも小さくなり、車両にヨー方向(鉛直軸回りの回転方向)のモーメントが発生した場合の復元力が不足して車両の方向安定性が損なわれる。
次に、水平方向の力の釣り合いについて説明する。車両の制動時には、前後左右の各車輪に、制動力BFfl,BFfr,BFrl,BFrrが作用し、その合力は、車両の減速加速度Gbに車両重量を乗じた値と釣り合う。
ここで、左右のブレーキのブレーキパッドとディスクロータ(ディスクブレーキの場合)、あるいは、ライニングとドラム(ドラムブレーキの場合)の摩擦係数のばらつき等によって、例えば左側前後輪の制動力BFfl,BFrlの和が、右側前後輪の制動力BFfr,BFrrの和よりも大きくなると、この制動力の左右差によって、車両には上から見たときに車両を反時計方向に回転させようとするヨー方向のモーメントMyが作用する。
この場合、車両は、このモーメントMyによって、左側に旋回しつつ左側へ偏走してしまう。
図3は、実施例1の可変ダンパ制御装置における後輪用の可変ダンパ3RL,3RRの減衰係数比特性を示すグラフである。ここではダンパ減衰力DfをピストンスピードVpで除算して減衰係数Cとする。これを臨界減衰係数(Cc=√2km)で除算し減衰係数比(ζ=C/Cc)と呼ぶ。図3において、横軸はピストンスピードを示し、縦軸上側はリバウンド側(伸側)減衰係数比、縦軸下側はバンプ側(縮側)減衰係数比をそれぞれ示している。また、ブレーキランプスイッチがオンの場合の減衰係数比、オフの場合の減衰係数比を、それぞれ実線及び破線で示している。
図3に示すように、減衰係数比は、ピストンスピードの増大に応じてほぼ双曲線状に減少するようになっている。
実施例1の制御装置4は、ブレーキランプスイッチ1がオンとなった際に、後輪用の可変ダンパ3RL,3RRのリバウンド(伸び)側減衰力を、調整可能な範囲のうち最も低い最小減衰力まで小さくしている。これによって、可変ダンパ3RL,3RRのリバウンド(伸び)側減衰力は、ストロークに応じて不可避的に生じる抵抗力のみとなり、ピストンバルブが発生する流体抵抗はほぼゼロとなる。
次に、上述した実施例1の効果を、本発明の比較例と対比して説明する。なお、以下説明する各実施例及び比較例において、従前の実施例と実質的に同様の箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
比較例の車両は、上述したような可変ダンパ制御装置を備えず、サスペンションのダンパ減衰力は、実施例1におけるブレーキランプスイッチ1がオフの場合と同じ(減衰力固定)に設定されている。
図4は、実施例1と比較例の車両における制動時の後輪接地荷重を示すグラフである。図4において、横軸は時間を示し、縦軸は接地荷重を示している。また、実施例1を実線、比較例を破線によって示している。
図4に示すように、実施例1は、ブレーキランプスイッチ1がオンとなった際に、後輪用の可変ダンパ3RL,3RRのリバウンド側減衰力を、最小減衰力まで小さくしたことによって、路面に凹み等があった場合であっても、後輪用サスペンションがリバウンド側に変位しやすく路面への追従性が良好であることから、比較例1に対して接地荷重の変動が抑制される。これによって、後輪の接地性が向上してコーナリングパワーの低下を防止し、車両の方向安定性を確保して制動時の偏走を防止することができる。
また、実施例1によれば、例えば各車輪の制動力や駆動力を個別に制御するヨーコントロールデバイスを用いる場合と比較して、ハイドロリックコントロールユニットや複雑な制御を行う制御装置を設ける必要がないから、車両構造の簡素化、軽量化、コストの低下を図ることができる。
さらに、上述した減衰力の変更は制動時にのみ行われることから、通常走行時の走行性能に悪影響を及ぼすことがない。
次に、本発明を適用した可変ダンパ制御装置の実施例2について説明する。
図5は、実施例2の可変ダンパ制御装置における前後の可変ダンパの減衰係数比特性を示すグラフである。図5(a)は前輪用の可変ダンパ3FL,3FRの減衰係数比特性を示し、図5(b)は後輪用の可変ダンパ3RL,3RRの減衰係数比特性を示している。また、各図において、横軸はピストンスピードを示し、縦軸上側はリバウンド側減衰係数比、縦軸下側はバンプ側減衰係数比をそれぞれ示している。
実施例2の可変ダンパ制御装置は、車両の制動時(ブレーキランプスイッチオン時)に後輪用の可変ダンパ3RL,3RRのリバウンド側減衰力を最小減衰力まで小さくするとともに、前輪用の可変ダンパ3FL,3FRのバンプ側(縮み側)減衰力を大きくしている。
以上説明した実施例2によれば、上述した実施例1と同様の効果に加えて、前輪用の可変ダンパ3FL,3FRのバンプ側減衰力を大きくしてノーズダイブを軽減し、後輪用の可変ダンパ3RL,3RRのリバウンド側減衰力を小さくすることによるピッチング量の増大を抑制し、車両の姿勢を安定させることができる。
次に、本発明を適用した可変ダンパ制御装置の実施例3について説明する。
実施例3の可変ダンパ制御装置は、車両の制動時に、実施例1では後輪用の可変ダンパ3RL,3RRのリバウンド側減衰力を最小減衰力としていたことに代えて、後輪用の可変ダンパ3RL,3RRのリバウンド側及びバンプ側の減衰力を、以下説明する接地性最適減衰係数比ζopに設定するものである。
図6は、車両の後輪用サスペンションのバネ−質点モデルを示す図である。
図6において、質量m1は、サスペンションのバネ下部分及びタイヤ、リムの質量である。ここで、バネ下部分とは、サスペンションのストローク時に車体に対して相対移動する部分を指すものとする。質量m2は、車両の質量m1を除いた部分の質量である。
また、バネ定数k1は、タイヤの縦バネ定数を示す。バネ定数k2は、サスペンションスプリングのバネ定数を示す。減衰係数c2は、サスペンションに設けられたダンパの減衰係数を示す。
変位x0は、車両の走行に伴う路面の上下方向変位を示す。変位x1は、サスペンションのバネ下部分の上下方向変位を示す。変位x2は、車体の上下方向変位を示す。
図7は、実施例3の可変ダンパ制御装置における後輪用の可変ダンパの減衰係数比特性を示すグラフである。図7において、横軸はピストンスピードを示し、縦軸上側はリバウンド側減衰係数比、縦軸下側はバンプ側減衰係数比をそれぞれ示している。また、ブレーキランプスイッチがオンの場合の減衰係数比、オフの場合の減衰係数比を、それぞれ実線及び破線で示している。
実施例3においては、制御装置4は、ブレーキランプスイッチ1がオンの際に、後輪用の可変ダンパ3RL,3RRの減衰係数比が以下の接地性最適減衰係数比ζopとなるように各ダンパの減衰力を設定する。なお、このときの減衰力は、リバウンド側、バンプ側ともに通常走行時(ブレーキランプスイッチオフ時)の減衰力よりも小さくなっている。
この接地性最適減衰係数比ζopは、路面変位x0に対するバネ下相対変位x1−x0の変動が最も小さくなる減衰係数比であって、以下の式1によって与えられる。
Figure 2008238948
図8は、実施例3と上述した比較例における制動時の後輪接地荷重を示すグラフである。図8において、横軸は時間を示し、縦軸は接地荷重を示している。また、実施例3を実線、比較例を破線によって示している。
図8に示すように、実施例3によれば、制動時に後輪用の可変ダンパ3RL,3RRの減衰比を接地性最適減衰係数比ζopに設定することによって、上述した実施例1よりもさらに後輪接地荷重変動を抑制し、後輪の接地性を改善して制動時の偏走をより確実に防止することができる。
次に、本発明を適用した可変ダンパ制御装置の実施例4について説明する。
実施例4の可変ダンパ制御装置は、実施例1と同様の後輪用の可変ダンパ3RL,3RRの減衰力制御に加えて、以下説明する前輪用の可変ダンパ3FR,3FLの減衰力制御を行うものである。
図9は、実施例4において制御装置4が行う制御を示すフローチャートである。以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:ブレーキランプスイッチオン判断>
制御装置4は、ブレーキランプスイッチ1のオンオフを確認し、オンである場合はステップS02に進み、オフである場合はステップS01を繰り返す。
<ステップS02:後輪ダンパ減衰力変更>
制御装置4は、後輪用の可変ダンパ3RL,3RRの減衰力を上述した最小減衰力に変更し、ステップS03に進む。
<ステップS03:横G検出有無判断>
制御装置4は、横Gセンサ2の出力に基づいて、車両が偏走によって旋回を開始しているか否かを判断する。所定値以上の横Gが検出され車両が偏走していると判断された場合にはステップS04に進み、その他の場合はステップS07に進む。
<ステップS04:旋回方向判断>
制御装置4は、横Gセンサ2が検出した横方向の加速度の向きに基づいて、車両の旋回方向(偏走方向)を判別する。その結果、左旋回の場合にはステップS05に進み、右旋回の場合にはステップS06に進む。
<ステップS05:左前ダンパ減衰力変更>
制御装置4は、左前輪用の可変ダンパ3FLのバンプ側減衰力を、もとの減衰力よりも大きくし、ステップS07に進む。
<ステップS06:左前ダンパ減衰力変更>
制御装置4は、右前輪用の可変ダンパ3FRのバンプ側減衰力を、もとの減衰力よりも大きくし、ステップS07に進む。
<ステップS07:ブレーキランプスイッチオフ判断>
制御装置4は、ブレーキランプスイッチ1のオンオフを確認し、オフである場合はステップS08に進み、オフである場合はステップS07を繰り返す。
<ステップS08:初期減衰力復帰>
制御装置4は、前後左右の各可変ダンパ3の減衰力を、もとの減衰力に復帰させて一連の処理を終了する。
次に、上述した実施例4の効果を、前輪用ダンパの減衰力制御をしていない本発明の比較例と対比して説明する。
図10は、実施例4及び比較例における制動時の前輪接地荷重(図10(a))、前輪キングピンモーメント(図10(b))、前輪サスペンションストローク(図10(c))、前輪トー角(図10(d))の一例を示すグラフである。図10においては、車両が左側に偏走し、これに応じて左前の可変ダンパ3FLのバンプ側減衰力を大きくした場合を例にとって示している。
図10において、実施例4の左側を実線、右側を破線で示し、比較例の左側を一転鎖線、右側を二点鎖線で示す。
先ず、制動による前後の荷重移動によって、実施例4、比較例ともに前輪接地荷重は増加するが、比較例においては、左右の接地荷重はほぼ同じである。
これに対し、実施例4においては、左側の可変ダンパ3FLのバンプ側減衰力を高めた結果、左側の接地荷重は比較例より大きくなり、右側の接地荷重は比較例よりも小さくなる。
一方、接地荷重に起因するキングピン回りのトーイン側へのモーメントは、接地荷重と正の相関を有することから、実施例4、比較例ともに制動によって大きくなっているが、比較例の場合にはここでも左右のモーメントはほぼ同じである。
これに対し、実施例4においては、上述した接地荷重の左右の差により、左側のほうが右側よりもトーイン側へのモーメントが大きくなる。
次に、前輪サスペンションストロークに着目すると、実施例4、比較例とも上述した荷重移動によって前輪サスペンションがバンプ側にストロークしているが、ここでも比較例は左右のストロークがほぼ同じである。
これに対し、実施例4においては、左側の可変ダンパ3FLの減衰力を大きくしたことによって、左側のストローク変化は比較例よりも小さくなり、右側のストローク変化は比較例よりも大きくなる。
サスペンションのバンプ側へのストロークに伴う前輪トー角の変化(バンプステア)特性は、一般的にはバンプ側へのストロークに応じてトーアウト側に変化するようになっており、実施例4及び比較例においても、上述したストローク量の変化によって、前輪はトーアウト方向にステアされている。このトー変化量は、比較例においては左右でほとんど差はないが、実施例4では左側においては比較例よりも小さく、右側においては比較例よりも大きくなっている。
以上のことから、実施例4においては、比較例に対して、左側(旋回内輪側)前輪はトーイン側、右側(旋回外輪側)前輪はトーアウト側にトー角が変化する傾向となる。これらの傾向は、ともに車両の偏走方向とは逆方向に前輪をステアする結果となることから、上述した実施例1と同様の効果に加えて、車両の偏走をよりいっそう抑制することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)各実施例において、車両は軽トラックを例として説明したが、本発明は乗用車等の他の種類の車両にも適用することができる。
(2)各実施例では、ブレーキランプスイッチの出力に基づいて車両の減速を検出しているが、これに限らず、車両の減速Gを検出する加速度センサの出力や、ブレーキフルードの液圧、車速センサ出力の変化等、実施例以外の手段によって車両の減速を検出してもよい。
(3)実施例4においては、横Gを検出する加速度センサの出力に基づいて車両の旋回を検出しているが、これに限らず、例えばヨーレートセンサの出力や道路等を撮像した画像データの画像処理等、他の手段によって車両の旋回を検出してもよい。
(4)ダンパの減衰力を変更する手段は上述した実施例のものに限らず、例えば磁性粘性流体を用いたもの等に適宜変更することができる。
本発明を適用した可変ダンパ制御装置の実施例1の構成を示すブロック図である。 制動時に車両に作用する制動力、モーメント等を示す模式図である。 実施例1の可変ダンパ制御装置における後輪用ダンパの減衰力特性を示すグラフである。 本発明の実施例1及び比較例1における制動時の後輪接地荷重を示すグラフである。 本発明を適用した可変ダンパ制御装置の実施例2における前後輪用ダンパの減衰力特性を示すグラフである。 車両の後輪用サスペンションのバネ−質点モデルを示す図である。 本発明を適用した可変ダンパ制御装置の実施例3における後輪用ダンパの減衰力特性を示すグラフである。 本発明の実施例3及び比較例における制動時の後輪接地荷重を示すグラフである。 本発明を適用した可変ダンパ制御装置の実施例4における制動時の制御を示すフローチャートである。 本発明を適用した可変ダンパ制御装置の実施例4及び比較例における制動時の前輪接地荷重、前輪キングピンモーメント、前輪サスペンションストローク、前輪トー角を示すグラフである。
符号の説明
1 ブレーキランプスイッチ
2 横Gセンサ
3 可変ダンパ
4 制御装置

Claims (3)

  1. サスペンション装置に設けられた減衰力を変更可能な可変ダンパの減衰力を制御する可変ダンパ制御装置であって、
    車両の減速を検出する減速検出手段を備え、
    前記減速検出手段による減速の検出に応じて、後輪用サスペンションに設けられた後輪用可変ダンパのリバウンド側減衰力を小さくすること
    を特徴とする可変ダンパ制御装置。
  2. 請求項1に記載の可変ダンパ制御装置であって、
    前記減速検出手段による減速の検出に応じて、前輪用サスペンションに設けられた前輪用可変ダンパのバンプ側減衰力を大きくすること
    を特徴とする可変ダンパ制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の可変ダンパ制御装置であって、
    前記車両の旋回状態を検出する旋回状態検出手段を備え、
    前記減速検出手段により減速が検出されかつ前記旋回状態検出手段により旋回が検出された場合に、前輪用サスペンションに設けられた旋回内輪側の前輪用可変ダンパの減衰力を、旋回外輪側の前輪用可変ダンパの減衰力よりも大きくすること
    を特徴とする可変ダンパ制御装置。
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