JP2008238617A - 印刷物およびこれを用いた印刷物の真贋判定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の印刷物10は、基材11と、基材11の一方の面11aに設けられた印刷情報12とを備え、印刷情報12は、色相が異なる2つ以上の印刷領域α1、・・・、αn(nは2以上の自然数)を有し、印刷領域α1、・・・、αn(nは2以上の自然数)はそれぞれ、複数の印刷層が積層されてなる印刷領域β1、・・・、βn(nは2以上の自然数)と、1層の印刷層からなる印刷領域γ1、・・・、γn(nは2以上の自然数)から構成され、印刷領域β1、・・・、βn(nは2以上の自然数)は、印刷領域γ1、・・・、γn(nは2以上の自然数)よりも厚みが大きいことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
偽造を防止するとともに、真贋の判定を可能にした印刷物としては、所望の図柄の少なくとも一部を、視覚上は容易に識別できないが近赤外部反射吸収特性の異なる少なくとも2種のインキを用いて印刷するか、または実質的に近赤外光を吸収しない黒色ないし暗色系インキを用いて印刷した印刷物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、基材上に微粒子金属酸化物を配合したインキ皮膜によって画像が形成され、インキ膜厚の厚みが段階的に変化、連続的に変化のうち、どちらか一方、または両方で形成された印刷物であって、印刷物を可視光下で観察した場合、インキ膜厚の厚み毎に異なった波長の光が干渉して異なる色相を有した、二色性で、かつ、虹彩色を有する画像が視認される印刷物が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、特許文献2に記載の方法では、画像を形成する各領域の色相が異なるため、目視により容易に真贋を判定できる一方、各領域の厚みが異なっていても、色相が同じであれば真贋判定が出来ず、信頼性に欠けるという問題があった。
また、本発明の印刷物は、新たな材料の混合調節なども必要なく、複数の印刷層を順に積層して印刷領域が形成されているので、この印刷領域の色相を簡略に、1層の印刷層からなる印刷領域と略等しくすることができる。
また、本発明の印刷物は、印刷領域が複数の印刷層を順に積層してなるので、インクを略同一量塗布するだけで、各印刷層の厚みを所定の大きさに形成することができ、印刷層を積層すると同時に必然的に厚みが増し、所定の厚みの印刷領域を形成することができるので、効率的である。
また、本発明の印刷物の真贋判定方法は、印刷物に背景画像などがある場合、画像認識センサによる文字や記号などの読み取り(認識)などと異なり、読み取り対象の文字や記号などと背景画像の色とを混同することがなく、正確に読み取り(認識)することができる。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の印刷物の第一の実施形態を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
この実施形態の印刷物10は、基材11と、基材11の一方の面11aに設けられた印刷情報12とから概略構成されている。
印刷情報12は、印刷領域13,14,15,16,17,18,19,20,21,22から構成されている。また、印刷領域13,15,17,19,21からなる群と、印刷領域14,16,18,20,22からなる群とは、基材11の一方の面11a側から見て、色相が異なっている。
また、印刷領域15(数字「2」)は2つの印刷層15A,15Bが順に積層されてなり、印刷領域19(数字「6」)は2つの印刷層19A,19Bが順に積層されてなるものである。これらの印刷領域15,19は、厚みが等しくなっている。
また、印刷領域16(数字「3」)は3つの印刷層16A,16B,16Cが順に積層されてなり、印刷領域18(数字「5」)は3つの印刷層18A,18B,18Cが順に積層されてなるものである。これらの印刷領域16,18は、厚みが等しくなっている。
さらに、印刷領域13,14,17,20,21,22と、印刷領域15,19と、印刷領域16,18とは厚みが異なり、この順に厚みが大きくなっている。
このインクジェットプリンタ用インクとしては、シアンインク(Cインク)、マゼンダインク(Mインク)、イエローインク(Yインク)、黒インク(Kインク)、ライトシアンインク(Lcインク)、ライトマゼンダインク(Lmインク)、グリーンインク(Gインク)、ブルーインク(Bインク)、レッドインク(Rインク)、ホワイトインク(Wインク)などのインクから構成されるフルカラー印刷用の紫外線硬化型インクが用いられる。
マゼンダインク(Mインク)としては、マゼンダ顔料を2〜5%含み、光重合開始剤などを含むアクリル酸エステル組成物(紫外線硬化型樹脂)からなるものが挙げられる。
イエローインク(Yインク)としては、イエロー顔料を2〜5%含み、光重合開始剤などを含むアクリル酸エステル組成物(紫外線硬化型樹脂)からなるものが挙げられる。
黒インク(Kインク)としては、カーボンブラックを2〜5%含み、光重合開始剤などを含むアクリル酸エステル組成物(紫外線硬化型樹脂)からなるものが挙げられる。
ライトシアンインク(Lcインク)としては、ライトシアン顔料を2〜5%含み、光重合開始剤などを含むアクリル酸エステル組成物(紫外線硬化型樹脂)からなるものが挙げられる。
ライトマゼンダインク(Lmインク)としては、ライトマゼンダ顔料を2〜5%含み、光重合開始剤などを含むアクリル酸エステル組成物(紫外線硬化型樹脂)からなるものが挙げられる。
グリーンインク(Gインク)としては、グリーン顔料を2〜5%含み、光重合開始剤などを含むアクリル酸エステル組成物(紫外線硬化型樹脂)からなるものが挙げられる。
ブルーインク(Bインク)としては、ブルー顔料を2〜5%含み、光重合開始剤などを含むアクリル酸エステル組成物(紫外線硬化型樹脂)からなるものが挙げられる。
レッドインク(Rインク)としては、レッド顔料を2〜5%含み、光重合開始剤などを含むアクリル酸エステル組成物(紫外線硬化型樹脂)からなるものが挙げられる。
ホワイトインク(Wインク)としては、ホワイト顔料を2〜5%含み、光重合開始剤などを含むアクリル酸エステル組成物(紫外線硬化型樹脂)からなるものが挙げられる。
また、印刷領域15,19をなす印刷層15A,19AはYインクで形成され、印刷層15B,19BはMインクで形成されており、印刷領域15,19の色相は、基材11の一方の面11a側から見て「赤」である。さらに、印刷層15A,19A,15B,19Bの厚みはそれぞれ、特に限定されず、等しくても異なっていてもよいが、2μm〜3μm程度が好ましい。
また、印刷領域14,20,22をなす印刷層14A,20A,22Aは、Kインクで形成され、これらの印刷領域の色相は、基材11の一方の面11a側から見て「黒」である。さらに、印刷層14A,20A,22Aの厚みは等しくなっており、その厚みは特に限定されないが、2μm〜3μm程度が好ましい。
また、印刷領域16,18をなす印刷層16A,18AはCインクで形成され、印刷層16B,18BはMインクで形成され、印刷層16C,18CはYインクで形成されており、印刷領域16,18の色相は、基材11の一方の面11a側から見て「黒」である。さらに、印刷層16A,18A,16B,18B,16C,18Cの厚みはそれぞれ、特に限定されず、全て等しくても異なっていてもよいが、2μm〜3μm程度が好ましい。
まず、インクジェットプリンタを用いて、基材11の一方の面11aに、MインクとYインクを所定の割合で混合したインク混合物により印刷層13A,17A,21Aからなる印刷領域13,17,21を形成し、同時に、Yインクにより印刷層15A,19Aを形成し、Kインクにより印刷層14A,20A,22Aを形成し、Cインクにより印刷層16A,18Aを形成する。
次いで、インクジェットプリンタを用いて、印刷層15A,19Aの上に、Mインクにより印刷層15B,19Bを形成して、印刷領域15,19の形成を完了するとともに、印刷層16A,18Aの上に、Mインクにより印刷層16B,18Bを形成する。
次いで、インクジェットプリンタを用いて、印刷層16B,18Bの上に、Yインクにより印刷層16C,18Cを形成し、印刷領域16,18の形成を完了して、印刷情報12の形成を完了する。
また、従来の印刷物のように、一回のインクの塗布により印刷領域(印刷層)の厚みが決まる場合、インクの塗布量によって印刷領域(印刷層)の厚みを調整することは難しいが、印刷物10のように、例えば、印刷層16A,16B,16Cを順に積層してなる印刷領域16は、各印刷層16A,16B,16Cのそれぞれを形成するインクを略同一量塗布するだけで形成することができ、それと同時に必然的に厚みが増すので、効率的である。
上記の印刷物10に関して、印刷情報12の印刷領域13,14,15,16,17,18,19,20,21,22の厚みを測定し、その測定結果(厚みに関する情報)をデータベースなどとして保存する。
印刷領域の厚みを測定するには、例えば、二次元変位センサ(8ポイント同時測定(繰り返し精度1μm) 高速・高精度ラインレーザ型 LJ−Gシリーズ、株式会社キーエンス製)が用いられる。
次いで、印刷物δに関する測定結果を、データベースなどとして保存されている印刷物10の印刷情報12に関する測定結果と照合して、印刷物δの真贋判定を行う。
この照合の結果、これらの測定結果が一致した場合、印刷物δを本物と判定し、一方、測定結果が一致しなかった場合、印刷物γを偽物と判定する。
また、この実施形態の印刷物の真贋判定方法は、印刷物に背景画像などがある場合、画像認識センサによる文字や記号などの読み取り(認識)などと異なり、読み取り対象の文字や記号などと背景画像の色とを混同することがなく、正確に読み取り(認識)することができる。
図2は、本発明の印刷物の第二の実施形態を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。
この実施形態の印刷物30は、基材31と、基材31の一方の面31aに設けられた印刷情報32とから概略構成されている。
印刷情報32は、印刷領域33,36,39,42,45から構成されている。また、印刷領域33,39,45からなる群と、印刷領域36,42からなる群とは、基材31の一方の面31a側から見て、色相が異なっている。
印刷層34A,35A,35B,37A,38A,38B,38C,40A,40B,41A,43A,43B,43C,44A,46A,47A,47Bを形成するインクとしては、上記の印刷層13A,14A,15A,16A,17A,18A,19A,20A,21A,22Aを形成するインクと同様のものが用いられる。
また、印刷層35A,40A,47AはYインクで形成され、印刷層35B,40B,47Bで形成されており、印刷領域35,40,47の色相は、基材31の一方の面31a側から見て「赤」である。さらに、印刷層35A,40A,47A,35B,40B,47Bの厚みは等しくなっており、その厚みは特に限定されないが、2μm〜3μm程度が好ましい。
また、印刷層37A,44Aは、Kインクで形成され、印刷領域37,44の色相は、基材31の一方の面31a側から見て「黒」である。さらに、印刷層37A,44Aの厚みは等しくなっており、その厚みは特に限定されないが、2μm〜3μm程度が好ましい。
また、印刷層38A,43AはCインクで形成され、印刷層38B,43BはMインクで形成され、印刷層38C,43CはYインクで形成されており、印刷領域38,43の色相は、基材31の一方の面31a側から見て「黒」である。さらに、印刷層38A,43A,38B,43B,38C,43Cの厚みは等しくなっており、その厚みは特に限定されないが、2μm〜3μm程度が好ましい。
Claims (2)
- 基材と、該基材上に設けられた印刷情報とを備えた印刷物であって、
前記印刷情報は、色相が異なる2つ以上の印刷領域α1、・・・、αn(nは2以上の自然数)を有し、
前記印刷領域α1、・・・、αn(nは2以上の自然数)はそれぞれ、複数の印刷層が積層されてなる印刷領域β1、・・・、βn(nは2以上の自然数)と、1層の印刷層からなる印刷領域γ1、・・・、γn(nは2以上の自然数)から構成され、
前記印刷領域β1、・・・、βn(nは2以上の自然数)は、前記印刷領域γ1、・・・、γn(nは2以上の自然数)よりも厚みが大きいことを特徴とする印刷物。 - 印刷物δの印刷情報の厚みを測定し、当該厚みを、予め測定しておいた請求項1に記載の印刷物をなす印刷情報の厚みと照合して、前記印刷物δの真贋判定を行うことを特徴とする印刷物の真贋判定方法。
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