JP2008238205A - パルスレーザー加工方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、樹脂材料内部に埋没しているマイクロメーターサイズの微小な金属または半導体部材を、熱的にダメージを与えず、所望の断面位置まで短時間で加工する。
【解決手段】パルス幅が1ピコ秒以下の超短パルスレーザー光をY方向から被加工物の加工位置に集光して照射し、前記加工位置をXZ面内で移動させ、前記加工位置から発生する複数の異なる波長帯域の発光を検出し、前記各加工位置毎に、前記異なる波長帯域の発光強度の比を計算し前記発光強度の比の値により前記被加工物の前記各加工位置の材質判別データを作成し、制御手段が前記各加工位置の材質判別データーから前記被加工物の所定材質の部分の形状と位置を判別する第1の工程を有し、次に、前記制御手段が、前記所定材質の部分の位置を基準にし前記被加工物を前記超短パルスレーザー光により所定位置まで加工する第2の工程で加工する。
【選択図】図2
【解決手段】パルス幅が1ピコ秒以下の超短パルスレーザー光をY方向から被加工物の加工位置に集光して照射し、前記加工位置をXZ面内で移動させ、前記加工位置から発生する複数の異なる波長帯域の発光を検出し、前記各加工位置毎に、前記異なる波長帯域の発光強度の比を計算し前記発光強度の比の値により前記被加工物の前記各加工位置の材質判別データを作成し、制御手段が前記各加工位置の材質判別データーから前記被加工物の所定材質の部分の形状と位置を判別する第1の工程を有し、次に、前記制御手段が、前記所定材質の部分の位置を基準にし前記被加工物を前記超短パルスレーザー光により所定位置まで加工する第2の工程で加工する。
【選択図】図2
Description
本発明は、樹脂部材に埋没したマイクロメータサイズの微小な金属または半導体部材を機械的な加工により露出させる技術に係わり、詳しくは、超短パルスレーザー光による材料加工方法および装置に関する。
IT技術、エレクトロニクス技術の進展に伴い、LSIやICが実装された製品が急速に増加している。例えば、RFIDタグと呼ばれる製品は、微小なICチップがアンテナ配線に接続された基本構成をとるものであるが、タグを取り付けた製品の流通、在庫管理の効率化の目的で急速に広がっている。このような製品においてICと配線間の接続保持は非常に重要である。ICチップの電極と配線間の接続状態を確認するためには、接続部の断面加工を行った後、電子顕微鏡などで観察が行われる。
従来、断面加工方法としては研磨紙や研磨塗粒により材料を徐々に研磨加工していく事が行われる。一般的に加工量は人の力加減に左右されるため、微小な部材の断面加工は熟練と時間を要する。上述したような製品では、ICが1mm角程度と微小であるため、電極はさらに微小となる。また、IC、電極、配線とも樹脂材料中に埋没されている事が多く、難易度が高い加工となる。
これを改善するため、特許文献1では、1ピコ秒以下の超短パルスレーザー光を用いる精密加工を提唱した。また、特許文献2では、加工位置のモニタを行うパルスレーザー加工として、特許文献2に入射光をハーフミラーで2つに分け、被加工物から反射してきたものと、参照光路を往復したものとの干渉光を分光解析し加工深さを求める手法が提案されている。
以下に公知文献を記す。
特開2005−262284号公報
特開2004−306100号公報
しかし、特許文献1の方法では、この超短パルスレーザー光で微小接合箇所の断面を加工する際に、加工している位置が正確に分からない事がある。この原因は主として2つ考えられる。一つは加工時に発生する加工塵により加工箇所が隠れてしまうためであり、もう一つは接合箇所が樹脂内部に埋没しているため、正確な加工位置を予め外側から判断することが難しいためである。このため、所望の断面位置が露出されたかどうかは、加工装置から試料を取り外し、電子顕微鏡などで確認する必要があり、加工自体は短時間であっても確認に時間を要する問題があった。また、特許文献2の方法は、加工の際に微小な異種部材の材料種別を区別するのが困難である問題があった。
本発明は、樹脂材料内部に埋没しているマイクロメーターサイズの微小な金属または半導体部材を、熱的なダメージを与えずに、所望の断面位置まで短時間で断面加工を行う方法を提供することを目的とする。この課題を解決するため、超短パルスレーザー光を材料に照射すると材料に特有の発光スペクトルが観測される現象を利用して、加工位置を検出することを検討した。従来は、超短パルスレーザー光による材料の励起機構はレーザーの特性条件によって大きく異なるなどの事から、各材料に特有な発光スペクトルはあまり知られていなかった。そのため、各材料の発光スペクトルを実験し測定した。それにより得
られた知見から本発明を得た。
られた知見から本発明を得た。
本発明は、上記の課題を解決するために、XYZ軸の直交座標系において、パルス幅が1ピコ秒以下の超短パルスレーザー光をY方向から被加工物の加工位置に集光して照射し、加工位置走査手段が前記加工位置をXZ面内で移動させ、前記超短パルスレーザー光が集光することで前記加工位置から発生する複数の異なる波長帯域の発光を発光検出手段が検出し、発光強度演算手段が前記各加工位置毎に、前記異なる波長帯域の発光強度の比を計算し前記発光強度の比の値により前記被加工物の前記各加工位置の材質判別データを作成し、制御手段が前記各加工位置の材質判別データーから前記被加工物の所定材質の部分の形状と位置を判別する第1の工程を有し、次に、前記制御手段が、前記所定材質の部分の位置を基準にし前記被加工物を前記超短パルスレーザー光により所定位置まで加工する第2の工程を有することを特徴とするパルスレーザー加工方法である。
また、本発明は、上記加工位置走査手段が、上記超短パルスレーザー光をX方向に走査し、上記被加工物を設置した試料ステージをZ方向に移動することで上記加工位置を移動させることを特徴とする上記のパルスレーザー加工方法である。
また、本発明は、上記発光検出手段が、300nmから400nm以内の中心波長を有する第1の波長帯域の発光強度と、400nmから600nm以内の中心波長を有する第2の波長帯域の発光強度を検出することを特徴とする上記のパルスレーザー加工方法である。
また、本発明は、パルス幅が1ピコ秒以下の超短パルスレーザー光を発生する超短パルスレーザー発振器を有し、前記超短パルスレーザー光をY方向から被加工物の加工位置に集光して照射する集光手段を有し、XYZ軸の直交座標系において、前記被加工物のXZ面内の前記超短パルスレーザー光を集光する前記加工位置を移動させる加工位置走査手段を有し、前記加工位置から発生する複数の異なる波長帯域の発光を検出する発光検出手段を有し、前記各加工位置において前記異なる波長帯域の発光強度の比を計算し、前記発光強度の比の値により前記各加工位置の前記被加工物の材質判別データを作成する発光強度演算手段を有し、前記各加工位置の前記被加工物の材質判別データーから前記被加工物の所定材質の部分の形状と位置を判別する制御手段を有し、次に、前記制御手段が、前記所定材質の部分の位置を基準にし前記被加工物を前記超短パルスレーザー光により所定位置まで加工する制御を行うことを特徴とするパルスレーザー加工装置である。
また、本発明は、上記加工位置走査手段が、上記超短パルスレーザー光をX方向に走査する手段と、上記被加工物をZ方向に移動させる試料ステージから成ることを特徴とする上記のパルスレーザー加工装置である。
また、本発明は、上記発光検出手段が、300nmから400nm以内の中心波長を有する第1の波長帯域の発光強度と、400nmから600nm以内の中心波長を有する第2の波長帯域の発光強度を検出することを特徴とする上記のパルスレーザー加工装置である。
本発明のパルスレーザー加工方法は、熱緩和時間よりも短いパルス幅のレーザー光により加工を行うので熱影響のない加工が可能であるとともに、加工用のレーザー光の波長とは異なる波長帯域の発光を検出するので、加工用のレーザー光の影響を減少させ、被加工物から発生する光を効率よく取得し、被加工物中に埋もれた微細構造の加工位置を特定することが出来る効果がある。
特に、発光スペクトルに含まれる300〜400nmの波長を中心波長とする波長帯域の発光を検出し、400〜600nmの波長を中心波長とする波長帯域の発光を検出し、それらの発光強度の比を得ることで、被加工物が樹脂材料に埋もれた微小な金属または半導体部材の加工位置をより明確に特定することが出来る効果がある。その結果、本発明では、所望の断面位置まで加工が出来たかどうか、取り外して確認することなく、短時間で加工を行うことが出来る効果がある。
<第1の実施形態>
図3から図6に示すように、RFIDタグなどIC実装製品などにおける微細接合部分の微小電極17を、それを埋設した表面樹脂層15と接着樹脂層16を超短パルスレーザー光により除去する加工により微小電極部17の金属部材を断面露出させる実験を行った。その超端パルスレーザーを用いる加工時に発生する発光スペクトルについて鋭意研究を進めた結果、ある波長以上の発光は、樹脂材料と金属または半導体材料では、発光スペクトルが顕著に異なるという知見を得た。
図3から図6に示すように、RFIDタグなどIC実装製品などにおける微細接合部分の微小電極17を、それを埋設した表面樹脂層15と接着樹脂層16を超短パルスレーザー光により除去する加工により微小電極部17の金属部材を断面露出させる実験を行った。その超端パルスレーザーを用いる加工時に発生する発光スペクトルについて鋭意研究を進めた結果、ある波長以上の発光は、樹脂材料と金属または半導体材料では、発光スペクトルが顕著に異なるという知見を得た。
具体的には、発光スペクトルは、図1のように、300nmから400nmの波長の発光強度分布では、材料による差は少ないとともに、波長に関する発光強度はほとんど変わらず平坦な発光スペクトルが得られた。一方、400nm〜700nm波長では、波長が大きくなる程発光強度が強くなる傾向が見られたが、樹脂材1と樹脂材2などの樹脂材料は、波長が400nm以上では、波長が長くなるにつれ発光強度が強くなり、一方、金属材3や半導体材4では、波長が550nm未満では発光強度が弱く、波長が550nm以上では、波長が長くなるにつれ発光強度が強くなることを見出した。また、波長が400nm以上では、金属材3や半導体材4では、樹脂材料よりも発光強度が弱かった。
本発明に関する超短パルスレーザー加工方法を、以下に、図面を用いさらに詳しく説明する。図2は、本発明の超短パルスレーザー加工方法を実施するための加工装置の構成を示し、Y方向を超短パルスレーザー光6の照射方向とし、XZ面をそれに垂直な面とするXYZ軸の直交座標系を取る。すなわち、超短パルスレーザー発振器5が発生する超短パルスレーザー光6をアクロマティックレンズなどの集光手段7により、Y方向から、被加工物8の加工位置9に集光照射する。超短パルスレーザー光6は、図3(a)のように、ガルバノミラーなどの走査手段で被加工物8上のX方向の直線上を走査する。そして、図3(b)のように、そのレーザー光6の走査方向(X方向)に垂直な方向のZ方向に試料ステージ14を駆動することで被加工物8をZ方向に移動させ、両者の走査手段により、被加工物8のXZ面に超短パルスレーザー光6の集光点(スポット)を走査する。このXZ面の走査を繰り返して被加工物8を表面の面から超短パルスレーザー光6で掘り進める加工をする。
超短パルスレーザー光6を被加工物8に照射し加工する際に、被加工物8の加工位置9が発光する。その発光10のうち、250nmから400nmの範囲の波長帯域の光と、410nmから700nmの範囲の波長帯域の光との2つの波長帯域の光を、それぞれの波長帯域毎に用意した2つの発光検出手段11、すなわち、発光検出手段11aと発光検出手段11bが検出する。発光検出手段11は、フォトダイオードで受光して光強度を検出する。発光検出手段11が検出する波長帯域の選択方法は、それぞれの発光検出手段11のフォトダイオードの前に波長フィルターを設置して行う。
また、各発光検出手段11は、フォトダイオードが検出した光強度をAD変換回路でデジタル値に変換し、得られた光強度のデジタル値を発光強度演算手段12に伝達する。発光強度演算手段12は、発光検出手段11aと発光検出手段11bから得たそれぞれの光
強度の値の比(発光強度比)を計算する。さらに、発光強度演算手段12は、この発光強度比が図1から得られる所定値以上の場合に、被加工物8の材料を樹脂であると判別し、発光強度比が所定値未満の場合は、金属または半導体材料であると判別し、判別した結果から材質判別データを作成し、その材質判別データを制御手段13に送る。
強度の値の比(発光強度比)を計算する。さらに、発光強度演算手段12は、この発光強度比が図1から得られる所定値以上の場合に、被加工物8の材料を樹脂であると判別し、発光強度比が所定値未満の場合は、金属または半導体材料であると判別し、判別した結果から材質判別データを作成し、その材質判別データを制御手段13に送る。
制御手段13は、ガルバノミラーなどの走査手段による超短パルスレーザー光6の走査位置と、試料ステージ14の移動量を制御するとともに、超短パルスレーザー光6の走査位置と、試料ステージ14の移動量と加工の繰り返し回数から、超短パルスレーザー光6を照射する被加工物8の加工位置9の座標値を演算する。また、制御手段13は、各加工位置9毎に、発光強度演算手段12から受け取った材質判別データを記憶する。こうして、走査手段と試料ステージ14を制御することにより被加工物8の二次元の面(XZ面)を超短パルスレーザー光6で走査することで、被加工物8のXZ面の加工面の二次元スライス材質判別データを作成し記憶する。そして、被加工物8のXZ面を掘り進めて得た二次元スライス材質判別データをY方向に積み重ねた三次元の材質判別データを構築する。
制御手段13は、被加工物8の加工した部分の材質判別データを、三次元の画像にして表示装置(モニター)に表示する。また、制御手段13は、得られた二次元スライス材質判別データから、金属材料の微小電極部17を、XZ面の加工面での金属材料の形状や位置、寸法を判別する演算を行い、必要なパラメーターを抽出する。そして、制御手段13は、設定されたプログラムに従い、金属材料の微小電極部17の所定部分を加工する以下の制御を行う。すなわち、制御手段13は、試料ステージ14により被加工物8をZ方向に駆動し微小電極部17のZ方向の中心位置まで超短パルスレーザー光6を走査した後に、ガルバノミラーの走査を停止しシャッター機構などのレーザー光スイッチング手段により、超短パルスレーザー光6の照射を停止することで、その領域での被加工物8の加工を停止する。試料ステージ14は、被加工物8のZ方向への駆動の精度を確保するため、しばらく被加工物8の駆動を継続した後に停止する。このようにガルバノミラーの走査を停止しシャッター機構により超短パルスレーザー光6の照射を停止することで、被加工物8の加工部分の境界をはっきりさせる。また、被加工物8の面の所定領域を更に掘り進めるために、試料ステージ14を逆方向に駆動し、所定位置で、ガルバノミラーによるY方向の走査を開始するとともにシャッターを開いて超短パルスレーザー光6の被加工物8への照射を再開する。このように、試料ステージ14の往復動作を繰り返すことにより、被加工物8の形状に合わせた所定位置の領域のみを、超短パルスレーザー光6で掘り進めることができる。
以下、図3から図6の概略図により、本発明の超短パルスレーザー加工方法により、表面樹脂層15および接着樹脂層16の下に埋没した微小電極部17の金属部材を断面露出させる手順を説明する。図3は、表面樹脂層15を加工している場合を示す図である。図3(a)は、XY面をあらわし、図3(b)はYZ面をあらわす。また、図3(a)の下のグラフは、超短パルスレーザー光6が被加工物8をX方向に走査して加工した際に発生する発光10のうち、発光検出手段11が取得した2つの波長帯域の発光強度の比(発光強度比)を時間(=加工位置)に対して表したものである。P1は、第1の発光検出手段11aが検出する波長帯域の発光強度であり、410nm〜600nm範囲から実際の材料構成に応じて適当な波長帯域を選ぶことが出来る。ここでは、約470nm前後の波長帯域の発光を検出した。P2は、第2の発光検出手段11bが検出する波長帯域の発光強度であり、300〜400nm範囲から適当な波長帯域を選択することが出来る。ここでは、約380nmの発光を検出した。この2波長帯域の発光強度比は、金属材料における値が樹脂における値より小さくなる。図2(a)には、表面樹脂層15の加工段階の発光強度比を示すが、その値は約2で、表面樹脂層15の加工の過程で一定値になった。
次に、図4(a)の下のグラフは、内部の銅配線層18を加工している場合を示す図で
ある。図4(a)は、XY面をあらわし、図4(b)はYZ面をあらわす。この場合は、金属材料を加工しているため、発光強度比の値は1.3程度の小さい値になった。
ある。図4(a)は、XY面をあらわし、図4(b)はYZ面をあらわす。この場合は、金属材料を加工しているため、発光強度比の値は1.3程度の小さい値になった。
図5は、内部の微小電極部17を加工している場合の模式図である。図5(a)は、XY面をあらわし、図5(b)はYZ面をあらわす。図5(a)の下の時間に対する発光強度比のグラフでは、金属の微小電極部17を加工している場合は低く、微小電極部17の周囲の接着樹脂層16を加工している場合は高くなる。これにより微小電極部17を加工していることを制御手段13が判別することができる。
図6は、さらに加工を進め、Siチップ19を加工している場合の模式図である。図6(a)は、XY面をあらわし、図6(b)はYZ面をあらわす。図6(a)の下の時間に対する発光強度比のグラフでは、接着樹脂層16を加工している場合は高く、半導体材料のSiチップ19を加工している場合は低くなる。これにより、加工がSiチップ19まで及んだことを制御手段13が判別することが出来る。
以上のように本実施形態では、超短パルスレーザー光6により加工中に発生する発光10のうち、被加工物8中に埋もれた微細構造物の材質が異なると、その加工位置9の発光強度が、材質により変わる波長帯域の発光を発光検出手段11aで検出し、異なる材質でほぼ同様な強度で発光する波長帯域の発光を発光検出手段11bで検出する。これらの異なる波長帯域の発光強度比を計算することで材質を判別し、制御手段13がその材質の二次元スライス材質判別データを記憶し、スライス画像から三次元構造の材質判別データを構築する。これにより、制御手段13が、それに設定されたプログラムに従い、樹脂材料中に埋没した微小な金属および半導体部材の被加工物8を、微小な金属および半導体部材の位置に合わせた適切な位置まで加工する制御を行うことができる。その結果、短時間で所望の位置まで加工することが出来る。
<第2の実施形態>
本発明の発光検出手段11は第1の実施形態に限定されず、以下のように、発光検出手段11bも、発光検出手段11aのように加工位置9の発光強度が、材質により変わる波長帯域の発光を検出しても良い。発光検出手段11aと発光検出手段11bの検出した光強度が、被加工物8の加工位置9が異なる材質の場合に異なれば足りる。すなわち、第1の発光検出手段11aが検出する波長帯域を410nm〜700nmの範囲内に設定し、第2の発光検出手段11bが検出する発光10の波長帯域は、それより短い波長帯域にする。具体的には、第1の実施形態の第1の発光検出手段11aが検出する発光10の波長帯域の中心波長を約550nmにし、第2の発光検出手段11bが検出する発光10の波長帯域の中心波長を約450nmにする。この第2の実施形態の場合も、第1の発光検出手段11aが検出する発光強度と第2の発光検出手段11bが検出する発光強度の比は、図1の発光スペクトルによると、550nmと450nmの発光強度比は、樹脂の場合には約2で、金属の場合には約1になる。
本発明の発光検出手段11は第1の実施形態に限定されず、以下のように、発光検出手段11bも、発光検出手段11aのように加工位置9の発光強度が、材質により変わる波長帯域の発光を検出しても良い。発光検出手段11aと発光検出手段11bの検出した光強度が、被加工物8の加工位置9が異なる材質の場合に異なれば足りる。すなわち、第1の発光検出手段11aが検出する波長帯域を410nm〜700nmの範囲内に設定し、第2の発光検出手段11bが検出する発光10の波長帯域は、それより短い波長帯域にする。具体的には、第1の実施形態の第1の発光検出手段11aが検出する発光10の波長帯域の中心波長を約550nmにし、第2の発光検出手段11bが検出する発光10の波長帯域の中心波長を約450nmにする。この第2の実施形態の場合も、第1の発光検出手段11aが検出する発光強度と第2の発光検出手段11bが検出する発光強度の比は、図1の発光スペクトルによると、550nmと450nmの発光強度比は、樹脂の場合には約2で、金属の場合には約1になる。
<第3の実施形態>
本発明の超短パルスレーザー光6の走査手段は第1の実施形態に限定されず、制御手段13が被加工物8をXZ方向の2軸に駆動する試料ステージ14で移動させて超短パルスレーザー光6を被加工物8の加工位置9に集光して照射させることもできる。また、制御手段13が、超短パルスレーザー光6の強度を弱くして被加工物8のXZ面上を移動させ被加工物8の所定の材質の部分の形状と位置を判別した後に、超短パルスレーザー光6の強度を強くし、所定の材質の部分の位置を基準にして、被加工物8をXZ方向の2軸方向に移動させて、超短パルスレーザー光6により被加工物8の所定位置に溝を掘る加工を行うことも可能である。超短パルスレーザー光6の集光点のスポットの形状も円に限定されず、超短パルスレーザー発振器5とアクロマティックレンズなどの集光手段7の間に矩形
のアパーチャを設置し、そのアパーチャの像の矩形にスポットを集光手段7により加工位置9に集光させ、そのスポットを移動させることで被加工物8に溝を掘る加工を行うこともできる。
本発明の超短パルスレーザー光6の走査手段は第1の実施形態に限定されず、制御手段13が被加工物8をXZ方向の2軸に駆動する試料ステージ14で移動させて超短パルスレーザー光6を被加工物8の加工位置9に集光して照射させることもできる。また、制御手段13が、超短パルスレーザー光6の強度を弱くして被加工物8のXZ面上を移動させ被加工物8の所定の材質の部分の形状と位置を判別した後に、超短パルスレーザー光6の強度を強くし、所定の材質の部分の位置を基準にして、被加工物8をXZ方向の2軸方向に移動させて、超短パルスレーザー光6により被加工物8の所定位置に溝を掘る加工を行うことも可能である。超短パルスレーザー光6の集光点のスポットの形状も円に限定されず、超短パルスレーザー発振器5とアクロマティックレンズなどの集光手段7の間に矩形
のアパーチャを設置し、そのアパーチャの像の矩形にスポットを集光手段7により加工位置9に集光させ、そのスポットを移動させることで被加工物8に溝を掘る加工を行うこともできる。
本発明の加工方法を実施するための被加工物8として、表面樹脂層15上に銅配線層18を有する厚さ50μmのポリエステル樹脂基材と、0.1mm角の金の微小電極部17を有する1mm角のSiチップ19を、エポキシ樹脂の接着剤樹脂層16により接着し、銅配線層18と金の微小電極部17を圧接接合したものを用いた。一方、超短パルスレーザー発振器5から、波長775nmでパルス幅0.15ピコ秒の超短パルスレーザー光6を、1パルスあたりの出力0.034mJ、パルス周期1kHzで発生させ、この超短パルスレーザー光6を集光手段7で光学的ビームスポット径を10umまで集光し、被加工物8のポリエステル基材にY方向から照射した。
発光検出手段11は、被加工物8の加工位置9からの発光10をアクロマティックレンズの集光手段7によりフォトダイオードに集光させて、加工位置9からの発光のみをフォトダイオードに受光させた。この、集光手段7とフォトダイオードの組み合わせによる第1の発光検出手段11aと第2の発光検出手段11bとの2組を用意した。フォトダイオードの受光面の前に、第1の発光検出手段11aでは中心波長550nmの波長帯域を透過する干渉フィルターを設置し、第2の発光検出手段11bでは中心波長400nmの波長帯域を通過する干渉フィルターを設置した。それぞれの発光検出手段11のフォトダイオードの出力信号を光マルチメーターでAD変換してデジタルデータを得、その各デジタルデータをコンピュータに伝送し、コンピュータ内のプログラムで構成した発光強度演算手段12で両者の値を割り算して発光強度比を計算した。この発光強度比の値による材質判別データを得て、被加工物8を超短パルスレーザー光6で走査する位置毎の材質判別データをコンピュータ内のプログラムで構成した制御手段13に記憶させた。
制御手段13に、微小電極部17の中心をXZ面内の目標加工位置として指令し、XZ面内の加工領域のサイズを0.5mm×0.5mmとし、加工深さを100μmに設定して加工を行った。表示装置(モニタ)に、材質判別データの発光強度比を表示させて、加工部分の材質を観察しつつ加工し、材料の材質に対応して発光強度比が変化する事を確認した。先ず、制御手段13が制御して、被加工物8の面を、ガルバノミラーで超短パルスレーザー光6をX方向に走査しつつ、試料ステージ14により被加工物8をZ方向に駆動し、第1の面加工処理を行い、次に、試料ステージ14をZ方向に逆戻しして第2の面加工を行い、Z方向に試料ステージ14を往復しつつ、被加工物8の加工面を掘り進め、表面樹脂層15と接着剤樹脂層16を除去した。この過程で、制御手段13が、微小電極部17の上面の金属を検出することで微小電極部17の面の形状を検出した。次に、材質判別データから、その微小電極部17の面の二次元の形状を抽出し、その微小電極部17の面の中心位置のデータを計算した。
次に、制御手段13が、試料ステージ14が、被加工物8をZ方向に駆動し、超短パルスレーザー光6のX方向の走査線が微小電極部17のZ方向の中心位置まで進んだ場合に、超短パルスレーザー光6のガルバノミラーによるY方向の走査を停止しシャッターを遮断した。そして、次に、試料ステージ14をZ方向に逆戻りしつつ、Z方向の所定位置でガルバノミラーによるY方向の走査を開始するとともにシャッターを開いて超短パルスレーザー光6の被加工物8への照射を再開し第2回目の面を掘り進める加工を行った。こうして、Z方向に試料ステージ14を往復する処理を繰り返して、被加工物8の面を、深さ100μmまで掘り進めた。こうして加工した被加工物8のSiチップ19を接着剤樹脂層16から剥がして観察した結果、ほぼ微小電極部17の中心位置まで加工していることを確認した。
また、制御手段13のその他のプログラムの変形例として、被加工物8をY方向に掘り進める過程で、制御手段13が、微小電極部17の上面の金属を検出した位置から所定深さまでY方向に掘り進めてから加工を終了させることもできる。これにより、加工のY方向の深さを微小電極部17の中心位置まで加工することも可能である。
本発明は、樹脂材料中に埋没したマイクロメーターサイズの金属または半導体部材の加工を、非熱的かつ迅速に行うことが出来る。RFIDタグなどIC実装製品などにおける微細接合部分の観察を効率的に行うことが可能となる。
1・・・樹脂材
2・・・樹脂材
3・・・金属材
4・・・半導体材料
5・・・超短パルスレーザー発振器
6・・・超短パルスレーザー光
7・・・集光手段
8・・・被加工物
9・・・加工位置
10・・・発光
11、11a、11b・・・発光検出手段
12・・・発光強度演算手段
13・・・制御手段
14・・・試料ステージ
15・・・表面樹脂層
16・・・接着樹脂層
17・・・微小電極部
18・・・銅配線層
19・・・Siチップ
2・・・樹脂材
3・・・金属材
4・・・半導体材料
5・・・超短パルスレーザー発振器
6・・・超短パルスレーザー光
7・・・集光手段
8・・・被加工物
9・・・加工位置
10・・・発光
11、11a、11b・・・発光検出手段
12・・・発光強度演算手段
13・・・制御手段
14・・・試料ステージ
15・・・表面樹脂層
16・・・接着樹脂層
17・・・微小電極部
18・・・銅配線層
19・・・Siチップ
Claims (6)
- XYZ軸の直交座標系において、パルス幅が1ピコ秒以下の超短パルスレーザー光をY方向から被加工物の加工位置に集光して照射し、加工位置走査手段が前記加工位置をXZ面内で移動させ、前記超短パルスレーザー光が集光することで前記加工位置から発生する複数の異なる波長帯域の発光を発光検出手段が検出し、発光強度演算手段が前記各加工位置毎に、前記異なる波長帯域の発光強度の比を計算し前記発光強度の比の値により前記被加工物の前記各加工位置の材質判別データを作成し、制御手段が前記各加工位置の材質判別データーから前記被加工物の所定材質の部分の形状と位置を判別する第1の工程を有し、次に、前記制御手段が、前記所定材質の部分の位置を基準にし前記被加工物を前記超短パルスレーザー光により所定位置まで加工する第2の工程を有することを特徴とするパルスレーザー加工方法。
- 前記加工位置走査手段が、前記超短パルスレーザー光をX方向に走査し、前記被加工物を設置した試料ステージをZ方向に移動することで前記加工位置を移動させることを特徴とする請求項1記載のパルスレーザー加工方法。
- 前記発光検出手段が、300nmから400nm以内の中心波長を有する第1の波長帯域の発光強度と、400nmから600nm以内の中心波長を有する第2の波長帯域の発光強度を検出することを特徴とする請求項1記載のパルスレーザー加工方法。
- パルス幅が1ピコ秒以下の超短パルスレーザー光を発生する超短パルスレーザー発振器を有し、前記超短パルスレーザー光をY方向から被加工物の加工位置に集光して照射する集光手段を有し、XYZ軸の直交座標系において、前記加工位置をXZ面内で移動させる加工位置走査手段を有し、前記超短パルスレーザー光が集光することで前記加工位置から発生する複数の異なる波長帯域の発光を検出する発光検出手段を有し、前記各加工位置毎に前記異なる波長帯域の発光強度の比を計算し、前記発光強度の比の値により前記各加工位置の前記被加工物の材質判別データを作成する発光強度演算手段を有し、前記各加工位置の前記被加工物の材質判別データーから前記被加工物の所定材質の部分の形状と位置を判別する制御手段を有し、次に、前記制御手段が、前記所定材質の部分の位置を基準にし前記被加工物を前記超短パルスレーザー光により所定位置まで加工する制御を行うことを特徴とするパルスレーザー加工装置。
- 前記加工位置走査手段が、前記超短パルスレーザー光をX方向に走査する手段と、前記被加工物をZ方向に移動させる試料ステージから成ることを特徴とする請求項4記載のパルスレーザー加工装置。
- 前記発光検出手段が、300nmから400nm以内の中心波長を有する第1の波長帯域の発光強度と、400nmから600nm以内の中心波長を有する第2の波長帯域の発光強度を検出することを特徴とする請求項4記載のパルスレーザー加工装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007081284A JP2008238205A (ja) | 2007-03-27 | 2007-03-27 | パルスレーザー加工方法および装置 |
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JP2007081284A JP2008238205A (ja) | 2007-03-27 | 2007-03-27 | パルスレーザー加工方法および装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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ID=39910168
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8520182B2 (en) | 2010-02-08 | 2013-08-27 | Samsung Display Co., Ltd. | Flat panel display and manufacturing method thereof |
CN109014623A (zh) * | 2018-09-13 | 2018-12-18 | 苏州新火花机床有限公司 | 一种数控超短脉冲激光微小孔加工装置 |
-
2007
- 2007-03-27 JP JP2007081284A patent/JP2008238205A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8520182B2 (en) | 2010-02-08 | 2013-08-27 | Samsung Display Co., Ltd. | Flat panel display and manufacturing method thereof |
US8654304B2 (en) | 2010-02-08 | 2014-02-18 | Samsung Display Co., Ltd. | Flat panel display and manufacturing method thereof |
CN109014623A (zh) * | 2018-09-13 | 2018-12-18 | 苏州新火花机床有限公司 | 一种数控超短脉冲激光微小孔加工装置 |
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