JP2008237143A - 魚釣用リール - Google Patents

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Takashi Nagayama
剛史 永山
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Abstract

【課題】ネジロック剤の塗布量を一定にしてネジロック強度を安定化させることができるとともに、塗布の有無や塗布量の確認が容易な塗布作業性の良い魚釣用リールの提供を目的としている。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る魚釣用リールでは、リール本体1aに外装部材20が当て付けられ、ネジ部材25により外装部材20がリール本体1aに対して締結固定される。この締結構造において、リール本体1aには、ネジ部材25が螺合するネジ孔30と、ネジ部材25の緩みを防止するネジロック剤Pが収容される収容凹部32とが形成される。収容凹部32は、ネジ孔30に隣接しており、接続部33を介してネジ孔30に接続している。
【選択図】図2

Description

本発明は、駆動機構等を収容する本体部材に対して外装部材をネジ止め固定する魚釣用リールに関する。
一般に、魚釣用リールには、主に、スピニングリールと、両軸受リールと、片軸受リールとがあり、これらはいずれも、釣竿に装着されるリール本体と、リール本体に装着されて釣糸が巻回されるスプールとを備えている。
また、例えばスピニングリールにおいては、特許文献1に開示されるように、巻き取り駆動機構やスプール前後往復動機構等を収容するリール本体(本体部材)の開口を蓋部材(外装部材)によって閉塞し、この蓋部材を複数のネジ部材で締結固定している。
実開昭59−95879号公報
ところで、リール本体に対して蓋部材をネジ止め固定する前述したような魚釣用リールでは、車中の運搬時や釣場の移動時および実釣時の巻き取り操作時等において生じる振動や変形等の影響により、締結固定したネジ部材が緩んでしまうことが考えられる。そのため、従来においては、製造段階のリール組み立て時に、リール本体のネジ孔や、ネジ部材のネジ形成部位に対して、液体の嫌気性封着剤等から成るネジロック剤を塗布し、このネジロック剤によりネジ部材の緩みを防止するようにしている。
しかしながら、このようなネジロック剤の塗布作業が、例えば製造ラインにおいて所定の容器内からネジロック剤をネジ部材のネジ形成部位に対して直接に塗布することにより行なわれる場合には、塗布量に過不足が生じ易く、塗布量を一定にすることが難しい。そのため、ネジロック強度が安定しない。また、このような塗布形態は作業性も悪い。
一方、ネジロック剤の塗布作業が、ネジロック剤をリール本体のネジ孔の内部に注入することにより行なわれる場合には、注入量の確認および注入の有無の目視での判別が難しく、ネジ部材のネジ形成部位への塗布量を安定化させることが更に困難になる。
本発明は、前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、ネジロック剤の塗布量を一定にしてネジロック強度を安定化させることができるとともに、塗布の有無や塗布量の確認が容易な塗布作業性の良い魚釣用リールを提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明は、本体部材に外装部材を当て付けて、ネジ部材により前記外装部材を前記本体部材に対して締結固定する魚釣用リールにおいて、前記ネジ部材の緩みを防止するネジロック剤が収容される収容凹部を、前記ネジ部材が螺合する前記本体部材のネジ孔に連通するように該ネジ孔に隣接して形成したことを特徴とする。
なお、上記構成において、1つのネジ孔に対する収容凹部の配設数は任意である。また、ネジ孔に対する収容凹部の隣接形態としては、例えば、1つのネジ孔に1または複数の収容凹部が並設される形態、1つのネジ孔の周囲に沿って複数の収容凹部が設けられる形態、1つのネジ孔の周囲に同心的に環状の収容凹部が設けられる形態など、様々な形態が挙げられる。また、ネジロック剤は、例えば嫌気性の封着剤など、ネジ部材の緩みを防止できるものであれば何でも良い。更に、収容凹部の断面形状も、所望量のネジロック剤を収容できさえすれば、どのような形状であっても構わない。
本発明によれば、ネジロック剤の塗布量を一定にしてネジロック強度を安定化させることができるとともに、塗布の有無や塗布量の確認が容易な塗布作業性の良い魚釣用リールを提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る魚釣用リールとして、魚釣用スピニングリール1が示されている。図示のように、この魚釣用スピニングリール1は、リール本体(本体部材)1aと、リール本体1aから延出する脚部1bと、脚部1bの端部に形成され且つ図示しない釣竿に取り付けられる竿取付部1cとを有している。また、リール本体1aは、ベール6および釣糸案内装置を備えた回転可能なロータ(本体部材)8を有しており、リール本体1aには、釣糸が巻回されるスプール(本体部材)10が往復駆動(前後動)可能に装着されている。更に、リール本体1a内には、図示しないハンドルの回転操作でロータ8を回転駆動するための巻き取り駆動機構およびスプール10を前後動させるためのオシレーティング機構などの駆動機構が収容されている。
また、本実施形態において、リールの本体部材を構成するロータ8やリール本体1a或いはスプール10等には、その開口を閉塞するための閉塞部材として或いは化粧板として蓋板20A,20B,20C,20D・・・(以下、総称して外装部材20と記す)が取り付けられている。この場合、外装部材20は、図3に示されるように、リール本体1aに当て付けられて、ネジ部材25によりリール本体1aに対して締結固定されている。
また、このような締結構造において、リール本体1aには、図2〜図5に示されるように、ネジ部材25が螺合するネジ孔30と、ネジ部材25の緩みを防止するネジロック剤Pが収容される収容凹部32とが形成されている。この場合、収容凹部32は、ネジ孔30に隣接しており、接続部(連通部)33を介してネジ孔30に接続している。すなわち、収容凹部32は、ネジ孔30に並設されており、接続部33を通じてその内部がネジ孔30の内部と連通している。
また、収容凹部32は、断面が円形の上側収容部32aと、断面が円形で且つその内径が上側収容部32aの内径よりも小さい下側収容部32bとから成っている。また、下側収容部32bの底面はネジ孔30へ向けて下側に傾斜するテーパ面40として形成されている。
また、上側収容部32aと下側収容部32bとの間には、これらの内径の違いに起因して、段差部35が形成されている。この段差部35は、収容凹部32内に収容されるべきネジロック剤Pの量を規定するための塗布量目安ラインとしての機能を果たしている。つまり、本実施形態では、収容凹部32内に収容されるべきネジロック剤Pの量に応じて、上側収容部32aおよび下側収容部32bの深さ、したがって、段部35の位置が設定される。
なお、本実施形態において、収容凹部32とネジ孔30とを接続する接続部33の幅Hは、ネジロック剤Pの種類やその収容量などに応じて任意に設定される。また、収容凹部32内に収容されるネジロック剤Pとしては、例えば株式会社スリーボンドから市販されている1303N(商品名)や、ヘンケルジャパン株式会社から市販されているLOCTITE262(商品名)などの嫌気性封着剤を挙げることができる。
したがって、以上のような締結構造において、外装部材20をネジ部材25によってリール本体1aに対して締結する場合には、まず、図2に示されるように、塗布量目安ラインとしての段差部35の位置まで下側収容部32b内にネジロック剤Pを注入する。その後、外装部材20をリール本体1aの外面に当て付けて、ネジ部材25を外装部材20の挿通孔20aに挿通するとともに、その挿通したネジ部材25をリール本体1aのネジ孔30に螺合していく(図3参照)と、すなわち、ネジ部材25の雄ネジ(ネジ形成部位)25aをネジ孔30の雌ネジに捩じ込んでいくと、それに伴って、収容凹部32内のネジロック剤Pがネジ部材25の雄ネジ25aとネジ孔30の雌ネジとの間に巻き込まれていき、ネジ部材25(ネジ孔30)にネジロック剤Pが満遍なく略均一に塗布されていく。また、ネジ部材25による外装部材20の締結後に収容凹部32内に残存するネジロック剤Pも、経時的にネジ間に浸透(流出)していくようになる。
以上のように、本実施形態では、ネジ部材25の緩みを防止するネジロック剤Pが収容される収容凹部32を、リール本体1aのネジ孔30に連通するようにネジ孔30に隣接して形成し、それにより、ネジ部材25の螺合に伴って収容凹部32内のネジロック剤Pがネジ部に巻き込まれるように自然に塗布されるようにしているため、ネジロック剤Pの塗布量を一定にしてネジロック強度を安定化させることが可能になる。また、リール本体1aに外装部材20を当て付けてネジ部材25で締め付け固定する前に収容凹部32内にネジロック剤Pを注入しておくだけで良いため、塗布作業も簡単且つ良好である。更に、収容凹部32内のネジロック剤Pの有無を確認するだけで簡単に塗布の有無を確認できるため有益である。
また、本実施形態では、収容凹部32に塗布量目安ライン(段差部35)が設けられているため、塗布量の確認が容易であるとともに、使用するネジロック剤Pの種類(量)を変更した時など、塗布量の変化に適切に対応できる。
また、本実施形態では、下側収容部32bの底面がネジ孔30へ向けて下側に傾斜するテーパ面40として形成されているため、収容凹部32内のネジロック剤Pをネジ孔30へと円滑に送り出すことができる。また、テーパ面40の傾斜角度あるいは接続部33の幅Hを変化させることにより、収容凹部32内からネジ孔30へのネジロック剤Pの流出速度を制御することもできる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは言うまでもない。例えば、前述した実施形態では、魚釣用スピニングリールのリール本体を本体部材としているが、ロータ8やスプール10を本体部材として外装部材20の装着に本発明を適用しても良く、また、両軸受型リール(電動リールも含む)、片軸受型リールなどのフレームを本体部材とし、その側板を外装部材として本発明を適用することもできる。また、前述した実施形態では、1つのネジ孔30に対して1つの収容凹部32が対応して設けられているが、1つのネジ孔30に対する収容凹部32の配設数は任意である。また、前述した実施形態では、1つのネジ孔30に1つの収容凹部32が並設されているが、1つのネジ孔30に複数の収容凹部32が並設されていても良く(例えばネジ孔30の両側に収容凹部32が設けられるなど)、1つのネジ孔30の周囲に沿って複数の収容凹部32が設けられていても良く、あるいは、1つのネジ孔30の周囲に同心的に環状の収容凹部32が設けられても良い。また、1つのネジ孔30に対して複数の収容凹部32を設ける場合には、各収容凹部32の深さ及び対応する接続部33の幅Hが互いに異なっていても良く或いは同じであっても良い。また、ネジロック剤Pは、嫌気性の封着剤に限らず、ネジ部材の緩みを防止できるものであれば何でも良い。また、収容凹部32の断面形状も前述した形状に限らない。例えば、図6に示されるように、下側収容部32bのテーパ面40を排除して(側収容部32bの断面形状が完全な円形;下側収容部32bの底面が水平)収容凹部32全体の深さを浅くしても良く、あるいは、図7に示されるように、下側収容部32bのテーパ面40を伴ったまま収容凹部32全体の深さを浅くして対向して複数形成しても良く、所望量のネジロック剤Pを収容できさえすれば、どのような形状であっても構わない。また、前述した実施形態では、上側収容部32aと下側収容部32bとの間の段差部35が塗布量目安ラインとして利用されているが、塗布量目安ラインは段差部に限らず、収容凹部32の所定の内面部位に明確に視認できる(例えば色付きの)所定のラインが描かれ或いは刻設されていても良く、その形態は任意である。また、塗布量目安ラインの数も任意であり、複数種のネジロック剤Pに対応できるように複数の塗布量目安ラインが設けられていても良い。
本発明の一実施形態に係る魚釣用スピニングリールの側面図である。 リール本体に対して外装部材を締結する前の段階における当該部位の断面図である。 リール本体に対して外装部材を締結する前の段階における当該部位の断面図である。 図3のA−A方向から見た平面図である。 図4のB−B線に沿う断面図である。 第1の変形例に係る魚釣用スピニングリールの要部断面図である。 第2の変形例に係る魚釣用スピニングリールの要部断面図である。
符号の説明
1 魚釣用スピニングリール
1a リール本体(本体部材)
8 ロータ(本体部材)
10 スプール(本体部材)
20 蓋板(外装部材)
25 ネジ部材
30 ネジ孔
32 収容凹部
40 テーパ面
P ネジロック剤

Claims (2)

  1. 本体部材に外装部材を当て付けて、ネジ部材により前記外装部材を前記本体部材に対して締結固定する魚釣用リールにおいて、前記ネジ部材の緩みを防止するネジロック剤が収容される収容凹部を、前記ネジ部材が螺合する前記本体部材のネジ孔に連通するように該ネジ孔に隣接して形成したことを特徴とする魚釣用リール。
  2. 前記収容凹部の底面が前記ネジ孔へ向けて傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リール。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101349072B1 (ko) * 2013-09-09 2014-01-16 한국지질자원연구원 드릴링 라이저의 플랜지 체결장치
US10563567B2 (en) * 2017-08-31 2020-02-18 Hanon Systems Reserver tank for motor vehicle

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