JP2008236480A - ラマンクロストークを低減させる分散補償制御装置、システム及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】データ信号と放送信号とが混在した光伝送路について、ラマンクロストークの影響を容易に低減する分散補償制御装置、システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】分散補償制御装置は、制御信号によって分散補償装置の分散量を可変する。分散補償制御装置は、アナログ放送信号に基づく光信号における特定周波数成分だけをフィルタリングするフィルタ部と、搬送波レベルに対する、フィルタされた受信信号レベルの比を算出するレベル比算出部と、レベル比と第1の閾値との差から現差分情報を算出する差分情報算出部と、現差分情報を一時的に蓄積し、前差分情報を出力するメモリ部と、現差分情報と前差分情報とを比較する比較部と、現差分情報≦前差分情報であれば、分散量を大きくする制御信号を生成する第1の制御信号生成部と、そうでなければ、分散補償装置の分散量を小さくする制御信号を生成する第2の制御信号生成部とを有する。
【選択図】図8
【解決手段】分散補償制御装置は、制御信号によって分散補償装置の分散量を可変する。分散補償制御装置は、アナログ放送信号に基づく光信号における特定周波数成分だけをフィルタリングするフィルタ部と、搬送波レベルに対する、フィルタされた受信信号レベルの比を算出するレベル比算出部と、レベル比と第1の閾値との差から現差分情報を算出する差分情報算出部と、現差分情報を一時的に蓄積し、前差分情報を出力するメモリ部と、現差分情報と前差分情報とを比較する比較部と、現差分情報≦前差分情報であれば、分散量を大きくする制御信号を生成する第1の制御信号生成部と、そうでなければ、分散補償装置の分散量を小さくする制御信号を生成する第2の制御信号生成部とを有する。
【選択図】図8
Description
本発明は、ラマンクロストークを低減させる分散補償装置又はシステムに関する。
メトロエリアネットワークには、ギガビットイーサネット(Giga bit Ethernet)信号(「イーサネット」は登録商標)又はファイバチャネル(Fiber Channel)信号のフレームが、そのまま伝送される。即ち、それらフレームは、SDH(Synchronous Digital Hierarchy, ITU-T G707)/SONET(Synchronous Optical NETwork, ANSI T1.105)又はOTN(Optical Transport Network, ITU-T G.709)のフレームにマッピングされない。
一方、近年の急速な光アクセスネットワークの拡充に伴って、アナログ放送信号に基づく光信号を、光ファイバを介して配信するニーズも顕在化している。ここで、放送サービスを迅速且つ安価に提供するために、通信用光信号と放送用光信号を別波長で伝送する波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)が用いられる(例えば特許文献1参照)。
図1は、従来技術におけるメトロエリアネットワークのシステム構成図である。
メトロエリアネットワーク5には、複数のWDM装置が接続されている。説明を容易にするために、WDM送信装置2及びWDM受信装置3として説明する。図1によれば、WDM送信装置2は、ギガビットイーサネット信号(又はファイバチャネル信号)をインターネットから受信し、且つ、アナログ放送信号を放送局から受信している。そして、WDM送信装置2は、メトロエリアネットワーク5へ、ギガビットイーサネット信号に基づく光信号と、アナログ放送波に基づく光信号とを、波長分割多重化して送信する。
図1によれば、メトロエリアネットワーク5は、現用系光伝送路501及び予備系光伝送路511を用いて、冗長的に2ルートに構成されている。通常、現用系光伝送路501が用いられており、その現用系光伝送路501に障害が発生した際に、予備系光伝送路511へ切り替えられる。
現用系光伝送路501は、実質的な光伝送路であるシングルモードファイバ502(SMF:Single Mode Fiber)によって構成され、更に、プリ分散補償ファイバ503(DCF:Dispersion Compensation Fiber)が接続される。プリ分散補償ファイバ503は、シングルモードファイバ502の分散を保証するためのファイバである。プリ分散補償ファイバ503は、実質的な光伝送路ではなく、シングルモードファイバ502の分散に対して逆符号となる同程度の分散を付加する。これによって、波形劣化を防ぐ。
予備系光伝送路511も、現用系光伝送路501と同様に、シングルモードファイバ512によって構成され、更に、プリ分散補償ファイバ513を備える。
図1によれば、WDM送信装置2は、ギガビットイーサネット信号用に電気−光変換部201及び光変調部202を有し、アナログ放送信号用に電気−光変換部211及び光変調部212を有する。
電気−光変換部201は、電気的なギガビットイーサネット信号を、無変調状態の光信号に変換する。ギガビットイーサネット信号に基づく光信号は、光変調部202へ出力される。光変調部202は、無変調状態のその光信号に対して、ギガビットイーサネット信号の信号送出パターンとなるように、変調を施す。変調された光信号は、波長合波部220へ出力される。
電気−光変換部211は、電気的なアナログ放送信号を、無変調状態の光信号に変換する。アナログ放送信号に基づく光信号は、光変調部212へ出力される。光変調部212は、無変調状態のその光信号に対して、アナログ放送信号の信号送出パターンとなるように、変調を施す。変調された光信号は、波長合波部220へ出力される。
波長合波部220は、光変調部202から入力されたギガビットイーサネット信号の変調成分を持つ光信号と、光変調部212から入力されたアナログ放送信号の変調成分を持つ光信号とを、合波する。合波された光信号は、メトロエリアネットワーク5へ送信される。
図1によれば、WDM受信装置3は、波長分波部320と、ギガビットイーサネット信号用に光−電気変換部301及び光変調部302と、アナログ放送信号用に光−電気変換部311及び光変調部312とを有する。
波長分波部320は、現用系光伝送路501又は予備系光伝送路511から受信した光信号を分波する。図1によれば、ギガビットイーサネット信号に基づく光信号と、アナログ放送信号に基づく光信号とに分波される。
光復調部302は、波長分波部320から入力されたギガビットイーサネット信号に基づく光信号を復調する。復調された光信号は、光−電気変換部301に出力される。光−電気変換部301は、ギガビットイーサネット信号に基づく光信号を、電気信号に変換する。
光復調部312は、波長分波部320から入力されたアナログ放送信号に基づく光信号を復調する。ここで、アナログ放送信号の光レベルが一定になるように調整される。復調された光信号は、光−電気変換部311に出力される。光−電気変換部311は、アナログ放送信号に基づく光信号を、電気信号に変換する。
ここで、信号間干渉の問題が発生する。WDMを用いて、データ信号に基づく光信号と放送信号に基づく光信号とを同時伝送した場合、一般に、両信号の間でラマンクロストークが発生する。図1によれば、アナログ放送信号に基づく光信号が、ギガビットイーサネット信号に基づく光信号によってラマンクロストークの影響を受けることとなる。
図2は、ラマンクロストークの原理説明図である。
図2によれば、光伝送路への入力について、2波長の光信号の波形ならびに光スペクトルの位置関係が示されている。この場合、ラマン効果の現象を分かり易く説明するため、例としてアナログ放送信号を波長1の無変調信号で模擬し、ギガビットイーサネット信号を波長2のトーン変調信号で模擬している。
これに対し、光伝送路からの出力については、光伝送路中で発生したラマン効果により、各波長のパワーレベルが変化していることが示されている。ラマン効果では、100nm以内の波長間隔の時に、短波長側から長波長側の信号へエネルギーが遷移することが知られている。図2によれば、短波長側のギガビットイーサネット信号のパワーが長波長側のアナログ放送信号に遷移していることが理解できる。
前述のラマン効果に加え、分散の影響によりアナログ放送信号に基づく波長λ1の光信号と、データ信号に基づく波長λ2の光信号との間にはwalk-offの効果が生じる。そのため、結果的にラマンクロストークが特定の周波数において著しく低減することが知られている。
図3は、ギガビットイーサネット信号のアイドルパターンの波形図である。
縦軸は、光強度のパワーを表し、横軸は、時間を表す。ギガビットイーサネット信号は、無信号状態について20bitの繰り返しのアイドルパターンを伝送する。また、ファイバチャネル信号は、無信号状態について40bitの繰り返しのアイドルパターンを伝送する。
図4は、図3の波形に対するRFスペクトル図である。
縦軸は、光強度のパワーを表し、横軸は、RF周波数を表す。図3に表されギガビットイーサネット信号のアイドルパターンは、62.5MHz間隔で急峻なスペクトルを持つ。この62.5MHz周期のピークは、アナログ放送信号に基づく光信号を劣化させる。
尚、ファイバチャネル信号のアイドルパターンは、26.5625MHz間隔で急峻なスペクトルを持つ。
図5は、従来技術における具体的な周波数分布図である。
図5によれば、アナログ放送波、アイドル状態のファイバチャネル(1.0625Gbit/s)及びアイドル状態のギガビットイーサネット信号(1.25Gbit/s)のRF周波数分布を表す。縦軸は、RFパワーであり、横軸は、RF周波数である。
例えば、アナログ放送信号によれば、VHFの3chのRF周波数は96〜102MHzであり、VHFの6chのRF周波数帯は182〜188MHzである。これに対し、ギガビットイーサネット信号では、RF周波数187.5(=62.5×3)(MHz)にアイドルパターンのピークスペクトルがある。これは、VHFの6chに影響する。他方、ファイバチャネル信号では、RF周波数106.3(=4×26.5625)(MHz)及び185.9(=7×26.5625)(MHz)にアイドルパターンのピークスペクトルがある。これらは、VHFの3ch及び6chに影響する。
図6は、ラマンクロストークの影響が大きい場合のスペクトル図である。
縦軸がラマンクロストーク[dB]を表し、横軸が周波数を表す。図6によれば、187.5MHzについて−72dBの影響を受けている。
図7は、ラマンクロストークの影響が小さい場合のスペクトル図である。
縦軸がラマンクロストーク[dB]を表し、横軸が周波数を表す。図7によれば、187.5MHzについて−88dBの影響しか受けていない。
図5で説明したように、ギガビットイーサネット信号(又はファイバチャネル信号)のアイドルパターンが、アナログ放送信号の特定のチャネルに対して、ラマンクロストークの影響を及ぼすこととなる。また、図6及び図7で説明したように、特定のチャネルのアナログ放送信号の波長に対して、ギガビットイーサネット信号の波長配置を最適化することによって、ラマンクロストークの影響を低減することができることも理解できる。波長配置の最適化は、伝送路構成が大きく影響する。
例えば、図1に表されたように、光伝送路が2ルートに冗長化されている場合、現用系光伝送路501について、ラマンクロストークを十分に低減するように設定することは可能である。しかしながら、現用系光伝送路501に障害が発生し、予備系光伝送路511に切り替えられた場合、通常、その波長配置が最適とならない場合がある。
しかしながら、予備系光伝送路への切り替えの毎に、波長配置を最適化することは現実的でない。
図1によれば、予備系光伝送路511には、分散補償装置1が接続されている。分散補償装置1は、分散量を可変設定することができ、波長配置を最適化することができる。一般に、手動操作によって最適な分散量に調整する(例えば非特許文献1参照)。
そこで、本発明は、データ信号と放送信号とが混在した光伝送路について、ラマンクロストークの影響を容易に低減することができる分散補償制御装置、システム及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明によれば、波長分割多重受信装置に接続されており、制御信号によって分散量を可変設定することができる分散補償装置と通信可能な分散補償制御装置であって、
アナログ放送信号に基づく光信号における特定周波数成分だけをフィルタリングするフィルタ手段と、
アナログ放送信号に基づく光信号の搬送波レベルに対する、フィルタ手段から出力された受信信号レベルの比を算出するレベル比算出手段と、
レベル比と第1の閾値との差から現差分情報を算出する差分情報算出手段と、
現差分情報を一時的に蓄積し、前差分情報を出力するメモリ手段と、
差分情報算出手段から出力された現差分情報と、メモリ手段から出力された前差分情報とを比較する比較手段と、
現差分情報≦前差分情報の場合に、分散補償装置の分散量を大きくする旨の制御信号を生成する第1の制御信号生成手段と、
現差分情報>前差分情報の場合に、分散補償装置の分散量を小さくする旨の制御信号を生成する第2の制御信号生成手段と
を有することを特徴とする。
アナログ放送信号に基づく光信号における特定周波数成分だけをフィルタリングするフィルタ手段と、
アナログ放送信号に基づく光信号の搬送波レベルに対する、フィルタ手段から出力された受信信号レベルの比を算出するレベル比算出手段と、
レベル比と第1の閾値との差から現差分情報を算出する差分情報算出手段と、
現差分情報を一時的に蓄積し、前差分情報を出力するメモリ手段と、
差分情報算出手段から出力された現差分情報と、メモリ手段から出力された前差分情報とを比較する比較手段と、
現差分情報≦前差分情報の場合に、分散補償装置の分散量を大きくする旨の制御信号を生成する第1の制御信号生成手段と、
現差分情報>前差分情報の場合に、分散補償装置の分散量を小さくする旨の制御信号を生成する第2の制御信号生成手段と
を有することを特徴とする。
本発明の分散補償制御装置における他の実施形態によれば、
レベル比算出手段から出力されたレベル比が、第2の閾値未満又は以上であるかを判定する閾値判定手段と、
判定結果が、第2の閾値未満であれば、分散量を維持する旨の制御信号を生成する第3の制御信号生成手段と
を更に有し、
閾値判定手段は、判定結果が、第2の閾値以上であれば、差分情報算出手段へレベル比を出力することも好ましい。
レベル比算出手段から出力されたレベル比が、第2の閾値未満又は以上であるかを判定する閾値判定手段と、
判定結果が、第2の閾値未満であれば、分散量を維持する旨の制御信号を生成する第3の制御信号生成手段と
を更に有し、
閾値判定手段は、判定結果が、第2の閾値以上であれば、差分情報算出手段へレベル比を出力することも好ましい。
本発明の分散補償制御装置における他の実施形態によれば、フィルタ手段は、ラマンクロストーク成分周波数についてフィルタリングすることも好ましい。
本発明の分散補償制御装置における他の実施形態によれば、
光伝送路を介して制御信号を分散補償装置へ送信するために、制御信号に対する電気−光変換手段と、
制御信号に基づく光信号を、分散補償装置へ送信する波長合波手段と
を更に有することも好ましい。
光伝送路を介して制御信号を分散補償装置へ送信するために、制御信号に対する電気−光変換手段と、
制御信号に基づく光信号を、分散補償装置へ送信する波長合波手段と
を更に有することも好ましい。
本発明によれば、前述した分散補償制御装置と通信する分散補償装置であって、
制御信号に基づく光信号を分離するサーキュレータ手段と、
制御信号に基づく光信号を電気信号に変換する光−電気変換手段と
を更に有し、
電気信号の制御信号に基づいて分散量を可変設定することを特徴とする。
制御信号に基づく光信号を分離するサーキュレータ手段と、
制御信号に基づく光信号を電気信号に変換する光−電気変換手段と
を更に有し、
電気信号の制御信号に基づいて分散量を可変設定することを特徴とする。
本発明によれば、波長分割多重送信装置と波長分割多重受信装置との間に接続された光伝送路に、分散補償装置が接続されており、前述した分散補償制御装置が波長分割多重受信装置に接続されているシステムであって、
光伝送路には、ギガビットイーサネット信号又はファイバチャネル信号に基づく光信号と、アナログ放送信号に基づく光信号とが波長分割多重されて伝送されていることを特徴とする。
光伝送路には、ギガビットイーサネット信号又はファイバチャネル信号に基づく光信号と、アナログ放送信号に基づく光信号とが波長分割多重されて伝送されていることを特徴とする。
本発明のシステムにおける他の実施形態によれば、
波長分割多重送信装置と波長分割多重受信装置との間の光伝送路は、現用系光伝送路と予備系光伝送路とによって冗長的に構成されており、
分散補償装置が、予備系光伝送路に接続されている
ことも好ましい。
波長分割多重送信装置と波長分割多重受信装置との間の光伝送路は、現用系光伝送路と予備系光伝送路とによって冗長的に構成されており、
分散補償装置が、予備系光伝送路に接続されている
ことも好ましい。
本発明によれば、制御信号によって分散量を可変設定することができる分散補償装置と通信可能な波長分割多重受信装置に搭載されたコンピュータを機能させる分散補償制御プログラムであって、
アナログ放送信号に基づく光信号における特定周波数成分だけをフィルタリングするフィルタ手段と、
アナログ放送信号に基づく光信号の搬送波レベルに対する、フィルタ手段から出力された受信信号レベルの比を算出するレベル比算出手段と、
レベル比と第1の閾値と差から現差分情報を算出する差分情報算出手段と、
現差分情報を一時的に蓄積し、前差分情報を出力するメモリ手段と、
差分情報算出手段から出力された現差分情報と、メモリ手段から出力された前差分情報とを比較する比較手段と、
現差分情報≦前差分情報の場合に、分散補償装置の分散量を大きくする旨の制御信号を生成する第1の制御信号生成手段と、
現差分情報>前差分情報の場合に、分散補償装置の分散量を小さくする旨の制御信号を生成する第2の制御信号生成手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
アナログ放送信号に基づく光信号における特定周波数成分だけをフィルタリングするフィルタ手段と、
アナログ放送信号に基づく光信号の搬送波レベルに対する、フィルタ手段から出力された受信信号レベルの比を算出するレベル比算出手段と、
レベル比と第1の閾値と差から現差分情報を算出する差分情報算出手段と、
現差分情報を一時的に蓄積し、前差分情報を出力するメモリ手段と、
差分情報算出手段から出力された現差分情報と、メモリ手段から出力された前差分情報とを比較する比較手段と、
現差分情報≦前差分情報の場合に、分散補償装置の分散量を大きくする旨の制御信号を生成する第1の制御信号生成手段と、
現差分情報>前差分情報の場合に、分散補償装置の分散量を小さくする旨の制御信号を生成する第2の制御信号生成手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする。
本発明の分散補償制御プログラムにおける他の実施形態によれば、
レベル比算出手段から出力されたレベル比が、第2の閾値未満又は以上であるかを判定する閾値判定手段と、
判定結果が、第2の閾値未満であれば、分散量を維持する旨の制御信号を生成する第3の制御信号生成手段と
してコンピュータを更に機能させ、
閾値判定手段は、判定結果が、第2の閾値以上であれば、差分情報算出手段へレベル比を出力するようにコンピュータを機能させることも好ましい。
レベル比算出手段から出力されたレベル比が、第2の閾値未満又は以上であるかを判定する閾値判定手段と、
判定結果が、第2の閾値未満であれば、分散量を維持する旨の制御信号を生成する第3の制御信号生成手段と
してコンピュータを更に機能させ、
閾値判定手段は、判定結果が、第2の閾値以上であれば、差分情報算出手段へレベル比を出力するようにコンピュータを機能させることも好ましい。
本発明の分散補償制御プログラムにおける他の実施形態によれば、フィルタ手段は、ラマンクロストーク成分周波数についてフィルタリングすることも好ましい。
本発明の分散補償制御装置、システム及びプログラムによれば、データ信号と放送信号とが混在した光伝送路について、ラマンクロストークの影響を容易に低減することができる。
以下では、図面を用いて、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図8は、本発明におけるシステムの機能構成図である。
分散補償装置1(DCFadd:Dispersion Compensation Fiber additional)は、制御信号によって分散量を可変設定する機能を有する。図8によれば、図1と比較して、WDM受信装置3に接続された分散補償制御装置4を更に有する。尚、分散補償制御装置4と同じ機能を、WDM受信装置3自身が備えるものであってもよい。
図8によれば、分散補償制御装置4は、フィルタ部401と、搬送波レベル入力部402と、レベル比算出部403と、閾値判定部404と、差分情報算出部405と、メモリ部406と、比較部407と、第1の制御信号生成部408と、第2の制御信号生成部409と、第3の制御信号生成部410とを有する。分散補償制御装置4の機能部は、WDM受信装置3に搭載されていてもよい。また、これら機能部は、WDM受信装置に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによっても実現できる。
フィルタ部401は、アナログ放送信号の特定周波数成分だけをフィルタリングする。ここでフィルタリングされる周波数成分は、ラマンクロストーク成分周波数である。例えば、図5に基づいて、ラマンクロストーク成分周波数である187.5MHzを中心として、1MHzの電気信号の周波数成分[dBm]だけを抽出する。抽出された周波数成分は、レベル比較部402へ出力される。
搬送波レベル入力部402は、送信元(WDM送信装置2)におけるアナログ放送信号の搬送波の電気信号入力レベル[dBm]を、レベル比算出部403へ出力する。
レベル比算出部403は、搬送波レベル入力部402から出力された搬送波レベルに対する、フィルタ部401から出力された出力レベルのレベル比[dB]を算出する。算出されたレベル比は、閾値判定部404へ出力される。
閾値判定部404は、レベル比算出部403から出力されたレベル比が、第2の閾値(例えば−52dB)未満であるか、又はそれ以上であれるかを判定する。閾値判定部404は、判定結果が第2の閾値以上であれば、差分情報算出部405へそのレベル比を出力する。判定結果が第2の閾値未満であれば、その旨を、第3の制御信号生成部410へ通知する。
第3の制御信号生成部410は、閾値判定部404から出力された判定結果が、第2の閾値未満であれば、分散量を維持する旨の制御信号「分散量維持」を生成する。生成された制御信号は、分散補償装置1へ送信される。
尚、閾値判定部404及び第3の制御信号生成部410は、分散補償装置1の分散量が常に変動してもよい場合には、必須となる構成要素ではない。
差分情報算出部405は、閾値判定部404から出力されたレベル比と、第1の閾値との差から、現差分情報を算出する。分散補償装置1の分散量は、第1の閾値のレベル比に近づくように制御されることとなる。第1の閾値としては、クロストークによるノイズ成分が検知外となることを目的として、例えば、以下の文献を参照することもできる。
「有線テレビジョン放送技術者用 法規テキスト(第1級、第2級共通)、第2章、第26条の4」
この文献によれば、映像信号搬送波レベルと相互変調による電磁波とのレベル差を−52dB以下となるように規定しているが、ラマンクロストークによるノイズ成分についても同様であり、この場合の映像搬送波レベルに対するラマンクロストーク成分のレベル差についても同様であり、第1の閾値は、−52dBに設定することも好ましい。算出された現差分情報は、メモリ部406及び比較部407へ通知される。
「有線テレビジョン放送技術者用 法規テキスト(第1級、第2級共通)、第2章、第26条の4」
この文献によれば、映像信号搬送波レベルと相互変調による電磁波とのレベル差を−52dB以下となるように規定しているが、ラマンクロストークによるノイズ成分についても同様であり、この場合の映像搬送波レベルに対するラマンクロストーク成分のレベル差についても同様であり、第1の閾値は、−52dBに設定することも好ましい。算出された現差分情報は、メモリ部406及び比較部407へ通知される。
メモリ部406は、現差分情報を一時的に蓄積し、前差分情報を出力する。メモリ部406は、過去のタイミングで発生した差分情報(前差分情報)を出力する。尚、メモリ部406は、初めて現差分情報が差分情報算出部405から入力されたとき、前差分情報として0を出力する。
比較部407は、差分情報算出部405から出力された現差分情報と、メモリ部406から出力された前差分情報とを比較する。現差分情報≦前差分情報であれば、その旨を第1の制御信号生成部408へ通知する。一方、現差分情報>前差分情報であれば、その旨を第2の制御信号生成部409へ通知する。
第1の制御信号生成部408は、現差分情報≦前差分情報であるので、分散補償装置1の分散量を大きくする旨の制御信号「分散量増加」を生成する。生成された制御信号は、分散補償装置1へ送信される。尚、現差分情報と前差分情報との差を大きければ、分散量をより大きくする旨の制御信号を生成することも好ましい。
第2の制御信号生成部409は、現差分情報>前差分情報であるので、分散補償装置1の分散量を小さくする旨の制御信号「分散量減少」を生成する。生成された制御信号は、分散補償装置1へ送信される。尚、現差分情報と前差分情報との差を大きければ、分散量をより小さくする旨の制御信号を生成することも好ましい。
図9は、光伝送路を介して分散補償装置に対する制御信号を転送するシステムの機能構成図である。
図9によれば、図8と比較して、分散補償制御装置4は、第1〜第3の制御信号生成部408〜409からの出力信号に対して、電気−光変換部411と、光変調部412とを有し、更に、WDM受信装置3は、波長合分波部320に変更される。
電気−光変換部411は、電気的な制御信号を光信号に変換する。制御信号に基づく光信号は、光変調部412によって変調が施される。そして、変調された光信号は、波長合分波部320へ転送する。波長合分波部320は、制御信号に基づく光信号を、光伝送路へ送信する。
図9によれば、分散補償装置1は、光伝送路を介してWDM受信装置3から制御信号を受信することができる。分散補償装置1は、サーキュレータ部101と、光−電気変換部102と、分散量可変部103と、分散補償部104とを有する。
サーキュレータ部101は、光伝送路に接続されており、制御信号に基づく光信号を分離する。具体的には、サーキュレータ部101は、第1〜第3のポートの光伝送路に接続され、第1のポートから入力された光信号は、第2のポートへ出力し、第2のポートから入力された光信号は、第3のポートへ出力される。図9によれば、WDM送信装置2から受信した光信号は、WDM受信装置3へ送信し、WDM受信装置3から受信した制御信号に基づく光信号は、光−電気変換部102へ送信される。
光−電気変換部102は、制御信号に基づく光信号を電気信号に変換する。変換された制御信号は、分散量可変部103へ出力される。
分散量可変部103は、制御信号の指示を解析し、その指示に基づいて分散補償部104の分散量を設定する。
分散補償部104は、分散補償制御装置4からの制御信号に応じて、以下の3つの制御がなされる。
(1)「分散量維持」:現在の分散量がそのまま維持される。
(2)「分散量増加」:現状の分散量に20ps/nmを加えた値を新規の分散量として設定する。
(3)「分散量減少」:現状の分散量に20ps/nmを差し引いた値を新規の分散量として設定する。
(1)「分散量維持」:現在の分散量がそのまま維持される。
(2)「分散量増加」:現状の分散量に20ps/nmを加えた値を新規の分散量として設定する。
(3)「分散量減少」:現状の分散量に20ps/nmを差し引いた値を新規の分散量として設定する。
以上、詳細に説明したように、本発明の分散補償制御装置、システム及びプログラムによれば、データ信号と放送信号とが混在した光伝送路について、ラマンクロストークの影響を容易に低減することができる。
ラマンクロストークは、伝送路の分散量に大きく依存する。従って、予備系光伝送路に分散補償装置を挿入し、その分散補償装置の分散量を、WDM受信装置に接続された分散補償制御装置から制御する。これにより、アナログ放送信号に基づく光信号に対する、ギガビットイーサネット信号(又はファイバチャネル信号)に基づく光信号のラマンクロストークの影響を低減することでき、波形劣化を防ぐことができる。具体的には、ラマンクロストークの影響を受ける特定の周波数成分(例えばVHF帯の187.5MHz)について、分散量を調整する。本発明によれば、アナログ放送信号に対するラマンクロストークに起因した映像妨害成分は、検知できなくなるまで低減させることができる。
前述した本発明における種々の実施形態によれば、当業者は、本発明の技術思想及び見地の範囲における種々の変更、修正及び省略を容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
1 分散補償部
101 サーキュレータ部
102 光−電気変換部
103 分散量可変部
104 分散補償部
2 WDM送信装置
201 ギガビットイーサネット信号用の電気−光変換部
202 ギガビットイーサネット信号用の光変調部
211 アナログ放送信号用の電気−光変換部
212 アナログ放送信号用の光変調部
220 波長合波部
3 WDM受信装置
301 ギガビットイーサネット信号用の光−電気変換部
302 ギガビットイーサネット信号用の光復調部
311 アナログ放送信号用の光−電気変換部
312 アナログ放送信号用の光復調部
313 光レベル調整部
320 波長分波部
4 分散補償制御装置
401 フィルタ部
402 搬送波レベル入力部
403 レベル比算出部
404 閾値判定部
405 差分情報算出部
406 メモリ部
407 比較部
408 第1の制御信号生成部
409 第2の制御信号生成部
410 第3の制御信号生成部
411 電気−光変換部
412 光変調部
5 メトロエリアネットワーク
501 現用系光伝送路
502 シングルモードファイバ、SMF
503 プリ分散補償ファイバ、DCF
511 予備系光伝送路
512 シングルモードファイバ、SMF
513 プリ分散補償ファイバ、DCF
101 サーキュレータ部
102 光−電気変換部
103 分散量可変部
104 分散補償部
2 WDM送信装置
201 ギガビットイーサネット信号用の電気−光変換部
202 ギガビットイーサネット信号用の光変調部
211 アナログ放送信号用の電気−光変換部
212 アナログ放送信号用の光変調部
220 波長合波部
3 WDM受信装置
301 ギガビットイーサネット信号用の光−電気変換部
302 ギガビットイーサネット信号用の光復調部
311 アナログ放送信号用の光−電気変換部
312 アナログ放送信号用の光復調部
313 光レベル調整部
320 波長分波部
4 分散補償制御装置
401 フィルタ部
402 搬送波レベル入力部
403 レベル比算出部
404 閾値判定部
405 差分情報算出部
406 メモリ部
407 比較部
408 第1の制御信号生成部
409 第2の制御信号生成部
410 第3の制御信号生成部
411 電気−光変換部
412 光変調部
5 メトロエリアネットワーク
501 現用系光伝送路
502 シングルモードファイバ、SMF
503 プリ分散補償ファイバ、DCF
511 予備系光伝送路
512 シングルモードファイバ、SMF
513 プリ分散補償ファイバ、DCF
Claims (10)
- 波長分割多重受信装置に接続されており、制御信号によって分散量を可変設定することができる分散補償装置と通信可能な分散補償制御装置であって、
アナログ放送信号に基づく光信号における特定周波数成分だけをフィルタリングするフィルタ手段と、
前記アナログ放送信号に基づく前記光信号の搬送波レベルに対する、前記フィルタ手段から出力された受信信号レベルの比を算出するレベル比算出手段と、
レベル比と第1の閾値との差から現差分情報を算出する差分情報算出手段と、
前記現差分情報を一時的に蓄積し、前差分情報を出力するメモリ手段と、
前記差分情報算出手段から出力された前記現差分情報と、前記メモリ手段から出力された前記前差分情報とを比較する比較手段と、
前記現差分情報≦前記前差分情報の場合に、前記分散補償装置の分散量を大きくする旨の制御信号を生成する第1の制御信号生成手段と、
前記現差分情報>前記前差分情報の場合に、前記分散補償装置の分散量を小さくする旨の制御信号を生成する第2の制御信号生成手段と
を有することを特徴とする分散補償制御装置。 - 前記レベル比算出手段から出力されたレベル比が、第2の閾値未満又は以上であるかを判定する閾値判定手段と、
判定結果が、第2の閾値未満であれば、前記分散量を維持する旨の前記制御信号を生成する第3の制御信号生成手段と
を更に有し、
前記閾値判定手段は、前記判定結果が、第2の閾値以上であれば、前記差分情報算出手段へ前記レベル比を出力することを特徴とする請求項1に記載の分散補償制御装置。 - 前記フィルタ手段は、ラマンクロストーク成分周波数についてフィルタリングすることを特徴とする請求項1又は2に記載の分散補償制御装置。
- 前記光伝送路を介して前記制御信号を前記分散補償装置へ送信するために、前記制御信号に対する電気−光変換手段と、
前記制御信号に基づく光信号を、前記分散補償装置へ送信する波長合波手段と
を更に有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の分散補償制御装置。 - 請求項4に記載の分散補償制御装置と通信する分散補償装置であって、
前記制御信号に基づく光信号を分離するサーキュレータ手段と、
前記制御信号に基づく光信号を電気信号に変換する光−電気変換手段と
を更に有し、
前記電気信号の前記制御信号に基づいて前記分散量を可変設定することを特徴とする分散補償装置。 - 波長分割多重送信装置と波長分割多重受信装置との間に接続された光伝送路に、前記分散補償装置が接続されており、請求項1から4のいずれか1項に記載の分散補償制御装置が前記波長分割多重受信装置に接続されているシステムであって、
前記光伝送路には、ギガビットイーサネット信号又はファイバチャネル信号に基づく光信号と、アナログ放送信号に基づく光信号とが波長分割多重されて伝送されていることを特徴とするシステム。 - 前記波長分割多重送信装置と前記波長分割多重受信装置との間の光伝送路は、現用系光伝送路と予備系光伝送路とによって冗長的に構成されており、
前記分散補償装置が、前記予備系光伝送路に接続されている
ことを特徴とする請求項6に記載のシステム。 - 制御信号によって分散量を可変設定することができる分散補償装置と通信可能な波長分割多重受信装置に搭載されたコンピュータを機能させる分散補償制御プログラムであって、
アナログ放送信号に基づく光信号における特定周波数成分だけをフィルタリングするフィルタ手段と、
前記アナログ放送信号に基づく前記光信号の搬送波レベルに対する、前記フィルタ手段から出力された受信信号レベルの比を算出するレベル比算出手段と、
レベル比と第1の閾値と差から現差分情報を算出する差分情報算出手段と、
前記現差分情報を一時的に蓄積し、前差分情報を出力するメモリ手段と、
前記差分情報算出手段から出力された前記現差分情報と、前記メモリ手段から出力された前記前差分情報とを比較する比較手段と、
前記現差分情報≦前記前差分情報の場合に、前記分散補償装置の分散量を大きくする旨の制御信号を生成する第1の制御信号生成手段と、
前記現差分情報>前記前差分情報の場合に、前記分散補償装置の分散量を小さくする旨の制御信号を生成する第2の制御信号生成手段と
してコンピュータを機能させることを特徴とする分散補償制御プログラム。 - 前記レベル比算出手段から出力されたレベル比が、第2の閾値未満又は以上であるかを判定する閾値判定手段と、
判定結果が、第2の閾値未満であれば、前記分散量を維持する旨の前記制御信号を生成する第3の制御信号生成手段と
してコンピュータを更に機能させ、
前記閾値判定手段は、前記判定結果が、第2の閾値以上であれば、前記差分情報算出手段へ前記レベル比を出力するようにコンピュータを機能させることを特徴とする請求項8に記載の分散補償制御プログラム。 - 前記フィルタ手段は、ラマンクロストーク成分周波数についてフィルタリングすることを特徴とする請求項8又は9に記載の分散補償制御プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007074315A JP2008236480A (ja) | 2007-03-22 | 2007-03-22 | ラマンクロストークを低減させる分散補償制御装置、システム及びプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007074315A JP2008236480A (ja) | 2007-03-22 | 2007-03-22 | ラマンクロストークを低減させる分散補償制御装置、システム及びプログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008236480A true JP2008236480A (ja) | 2008-10-02 |
Family
ID=39908695
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007074315A Pending JP2008236480A (ja) | 2007-03-22 | 2007-03-22 | ラマンクロストークを低減させる分散補償制御装置、システム及びプログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008236480A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8611748B2 (en) | 2011-05-12 | 2013-12-17 | Fujitsu Limited | WDM optical transmission system and wavelength dispersion compensation method |
JP5665958B1 (ja) * | 2013-12-17 | 2015-02-04 | 日本電信電話株式会社 | 波長多重光通信システム、光送信器、及び波長多重光通信方法 |
-
2007
- 2007-03-22 JP JP2007074315A patent/JP2008236480A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8611748B2 (en) | 2011-05-12 | 2013-12-17 | Fujitsu Limited | WDM optical transmission system and wavelength dispersion compensation method |
JP5665958B1 (ja) * | 2013-12-17 | 2015-02-04 | 日本電信電話株式会社 | 波長多重光通信システム、光送信器、及び波長多重光通信方法 |
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