JP2008233685A - 平版印刷版原版及び平版印刷方法 - Google Patents

平版印刷版原版及び平版印刷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 経時安定性に優れ、レーザー露光により視認性良好な色画像を形成できる機上現像型平版印刷版原版、及びそのための重合性組成物、並びに該平版印刷版原版を用いる平版印刷方法を提供する。
【解決手段】(A)ピリミジウム塩又はベンゾピリミジウム塩で表される化合物、(B)赤外線吸収剤、及び(C)付加重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物を含有することを特徴とする重合性組成物、ならびに該重合性組成物を含有し、印刷インキ及び/又は湿し水により除去可能な画像記録層を有する平版印刷版原版。赤外線吸収剤はシアニン色素が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、平版印刷版原版及びそれを用いる平版印刷方法に関する。詳しくは、コンピュータ等のデジタル信号に基づいて、例えば300〜1200nmの波長を有するレーザーを走査することにより直接製版することができる、いわゆるダイレクト製版可能な平版印刷版原版、及び、前記平版印刷版原版を、現像処理工程を経ることなく、印刷機上で直接現像して印刷する平版印刷方法に関する。
一般に、平版印刷版は、印刷過程でインキを受容する親油性の画像部と、湿し水を受容する親水性の非画像部とからなる。平版印刷は、水と油性インキが互いに反発する性質を利用して、平版印刷版の親油性の画像部をインキ受容部、親水性の非画像部を湿し水受容部(インキ非受容部)として、平版印刷版の表面にインキの付着性の差異を生じさせ、画像部のみにインキを着肉させた後、紙等の被印刷体にインキを転写して印刷する方法である。
この平版印刷版を作製するため、従来、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層(画像記録層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)が広く用いられている。通常は、平版印刷版原版を、リスフィルム等の原画を通した露光を行った後、画像部となる画像記録層を残存させ、それ以外の不要な画像記録層をアルカリ性現像液又は有機溶剤によって溶解して除去することで親水性の支持体の表面を露出させる方法により製版を行って、平版印刷版を得ている。
従来の平版印刷版原版の製版工程においては、露光の後、不要な画像記録層を現像液等によって溶解除去する工程が必要であるが、このような付加的に行われる湿式処理を不要化し又は簡易化することが課題の一つとして挙げられている。特に、近年、地球環境への配慮から湿式処理に伴って排出される廃液の処分が産業界全体の大きな関心事となっているので、上記課題の解決の要請は一層強くなってきている。
これに対して、簡易な製版方法の一つとして、平版印刷版原版の非画像部の除去を通常の印刷工程の中で行えるような画像記録層を用い、露光後、印刷機上で画像記録層の不要部分を除去して平版印刷版を得る、機上現像と呼ばれる方法が提案されている。
機上現像の具体的方法としては、例えば、湿し水、インキ溶剤又は湿し水とインキとの乳化物に溶解し又は分散することが可能な画像記録層を有する平版印刷版原版を用いる方法、印刷機のローラー類やブランケット胴との接触により、画像記録層の力学的除去を行う方法、湿し水、インキ溶剤等の浸透によって画像記録層の凝集力又は画像記録層と支持体との接着力を弱めた後、ローラー類やブランケット胴との接触により、画像記録層の力学的除去を行う方法が挙げられる。
なお、本発明においては、特別な説明がない限り、「現像処理工程」とは、印刷機以外の装置(通常は自動現像機)を使用し、液体(通常はアルカリ性現像液)を接触させることにより、平版印刷版原版の赤外線レーザー未露光部分の画像記録層を除去し、親水性表面を露出させる工程を指し、「機上現像」とは、印刷機を用いて、液体(通常は印刷インキ及び/又は湿し水)を接触させることにより、平版印刷版原版の赤外線レーザー未露光部分の画像記録層を除去し、親水性表面を露出させる方法及び工程を指す。
一方、近年、画像情報をコンピュータで電子的に処理し、蓄積し、出力する、デジタル化技術が広く普及してきており、このようなデジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用されるようになってきている。これに伴い、レーザー光のような高収斂性の輻射線にデジタル化された画像情報を担持させて、その光で平版印刷版原版を走査露光し、リスフィルムを介することなく、直接平版印刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)技術が注目されてきている。したがって、このような技術に適応した平版印刷版原版を得ることが重要な技術課題の一つとなっている。
上述したように、近年、製版作業の簡素化、乾式化及び無処理化は、地球環境への配慮とデジタル化への適合化との両面から、従来にも増して、強く望まれるようになってきている。
一般に、印刷版を印刷機に取り付ける前工程として、印刷版が目的通りの画像記録がされているか、印刷版上の画像を検査、識別する作業が行われる。現像処理行程を伴う通常の平版印刷版原版は、一般に画像記録層を着色しておくことで、製版後(現像処理後)、印刷前(印刷機に印刷版を取り付ける前)に、画像を確認することは容易である。
しかし、印刷前に現像処理を伴わない機上現像型又は無処理(無現像)型の平版印刷版原版では、印刷版を印刷機に取り付ける段階で印刷版上に画像がなく、版の識別を行うことができない。特に、多色印刷において見当合わせの目印となるトンボ(レジスタマーク)が描きこまれていることを判別できるか否かは印刷作業にとって重要である。そのため、機上現像型又は無処理(無現像)型平版印刷版原版は、露光又は加熱した段階で画像を確認する手段(焼き出し剤)が要求されている。
焼き出し剤として、光又は熱で酸、塩基又はラジカルを発生する化合物と、発生した酸、塩基又はラジカルと相互作用して変色する化合物とを用いた印刷版が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、熱分解性化合物の色変化を、感熱層を有する直描型平版印刷版原版の焼き出し剤として利用することも提案されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、熱分解温度が250℃以下の熱分解性色素を焼き出し剤として用いることも提案されている(例えば、特許文献3参照)。
これらによれば、露光部において発色あるいは消色が生じ、画像の確認性はある程度向上しているものの、例えば、実用的な観点ではまだ発色性が不十分だったり、発色した色素、あるいは、露光により分解、消色されなかった色素が湿し水を染色して、印刷物の仕上がりに影響を与えたり、インキや湿し水中に不溶性の色素が残存したり、インキや湿し水の成分と色素とが反応して析出しカスとなったり、経時で感光層成分が分解してしまい露光前に発色してしまうなどの問題を有していた。
特開平11−277927号公報 特開2000−335129公報 特開2003−191657公報
本発明の目的は、経時安定性に優れ、レーザー露光により視認性良好な色画像を形成できる機上現像型平版印刷版原版、及びそのための重合性組成物、並びに該平版印刷版原版を用いる平版印刷方法を提供する。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定構造を有するアジニウム塩を用いることによって、経時安定性に優れ、且つレーザー露光による視認性の良好な焼き出し画像を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
1.(A)下記一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物、(B)赤外線吸収剤、及び(C)付加重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも一つ有する化合物、を含有することを特徴とする重合性組成物。
Figure 2008233685
(式中、Rは、一価の有機基を表し、RからR13は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は一価の有機基を表す。Xは任意のアニオンを表す。Aは炭素原子もしくは窒素原子を表しており、Aが窒素原子の場合は、一般式(1)中のR及び一般式(2)中のRはそれぞれ非共有電子対を表す。また、式中において、一般式(1)のR、R及びRのうち少なくとも一つ、ならびに一般式(2)のR及びRのうち少なくとも一つは、炭素原子数1から20までの直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基、又は置換アリール基によって置換される。)
2.前記(B)赤外線吸収剤が、シアニン色素であることを特徴とする、前記1に記載の重合性組成物。
3.前記(B)赤外線吸収剤が、分子内に溶剤溶解性基を有する化合物であることを特徴とする前記1又は2に記載の重合性組成物。
4.前記(B)赤外線吸収剤が有する溶剤溶解性基が、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、及び、アリールオキシカルボニル基からなる群より選択される少なくとも一種以上である前記1〜3のいずれか一項に記載の重合性組成物。
5.前記(B)赤外線吸収剤が、下記一般式(3)で表されるシアニン色素構造を有し、分子中に少なくとも一つの溶剤溶解性基を有する前記1〜4のいずれか一項に記載の重合性組成物。
Figure 2008233685
(式中、Z及びZはそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香環あるいは複素芳香環を表す。R及びRはそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素数20以下の炭化水素基を表し、R及びR10はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を表す。Zaは、電荷の中和が必要な場合に存在する対アニオンを表す。)
6.前記(B)赤外線吸収剤がカチオンとアニオンとからなる塩構造を有し、該アニオン及び(A)前記一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物のアニオンの少なくとも一方が無機アニオンであることを特徴とする前記1〜5のいずれか一項に記載の重合性組成物。
7.前記重合性組成物が、さらに、(D)バインダーポリマーを含有することを特徴とする前記1〜6のいずれか一項に記載の重合性組成物。
8.前記重合性組成物が、(E)マイクロカプセル又はミクロゲルを含有することを特徴とする前記1〜7のいずれか一項に記載の重合性組成物。
9.支持体上に、前記1〜8のいずれか一項に記載の重合性組成物を含有し、油性インキ及び/又は水性成分により除去される画像記録層を有する平版印刷版原版。
10.前記の平版印刷版原版を、赤外線レーザーで画像様に露光する工程と、露光後の平版印刷版原版になんらの現像処理を施すことなく、油性インキと水性成分とを供給して、印刷する印刷工程とを有し、該印刷工程の途上において画像記録層の赤外線レーザー未露光部分が油性インキ及び/又は水性成分により除去されることを特徴とする平版印刷方法。
本発明における経時安定性向上の機構は、明確ではないが、一般式(1)又は(2)で表される化合物のように特定の位置を置換基により保護することにより水による求核分解を抑制していると推定している。
本発明によれば、経時安定性に優れ、レーザー露光により視認性良好な色画像を形成できる機上現像型平版印刷版原版、及びそのための重合性組成物、並びに該平版印刷版原版を用いる平版印刷方法を提供できる。
また、該重合性組成物は、高濃度状態で画像記録層をムラ無く塗布することができ、且つ、画像記録層中の成分に起因する機上現像時におけるカスの発生や、湿し水の染色が抑制されるという利点をも有する。
以下、本発明を詳細に説明する。
〔重合性組成物〕
本発明の重合性組成物は、(A)下記一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物、(B)赤外線吸収剤、及び(C)付加重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物を含有することを特徴とし、好ましくはさらに、(D)バインダーポリマーを含有する。このような重合性組成物を含有する画像記録層を有する平版印刷版原版は、経時安定性に優れ、赤外線レーザー露光により視認性良好な色画像を形成することができる。また、この平版印刷版原版は、赤外線露光による画像記録後に、なんらの湿式現像処理工程を経ることなく印刷工程に付して印刷することで、印刷途上においてインキや湿し水などの油性成分及び/又は水性成分により非画像部が除去される、所謂、機上現像が可能である。
以下、平版印刷版原版の画像記録層への応用を例にして、重合性組成物の構成成分を説明する。
<(A)一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物>
まず、一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物(以下、適宜、(A)特定化合物と称する)について説明する。
Figure 2008233685
一般式(1)及び一般式(2)中、Rは、一価の有機基を表し、RからR13は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は一価の有機基を表す。Xはアニオンを表す。
〜R13で表される1価の置換基について説明する。
〜R13が1価の置換基を表す場合、該1価の置換基としては、例えば、アミノ基、置換アミノ基、置換カルボニル墓、ヒドロキシル基、置換オキシ基、チオール基、チオエーテル基、シリル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロ環基、スルホ基、置換スルホニル基、スルホナト基、置換スルフィニル基、ホスホノ基、置換ホスホノ基、ホスホナト基、置換ホスホナト基、等が挙げられ、導入可能な場合にはさらに置換基を有していてもよい。
〜R13で表されるアルキル基としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を挙げることができる。これらの中でも、炭素原子数1から12までの直鎖状のアルキル基、炭素原子数3から12までの分岐状のアルキル基、及び炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、及び2−ノルボルニル基を挙げられる。
〜R13で表されアルキル基が置換基を有する場合(すなわち、置換アルキル基である場合)、置換アルキル基のアルキル部分としては、上述した炭素数1から20までのアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましい炭素原子数の範囲についても上記アルキル基と同様である。
〜R13が置換アルキル基である場合の、好ましい具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシカルボニルメチル基、イソプロポキシメチル基、ブトキシメチル基、s−ブトキシブチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、アセチルオキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、ピリジルメチル基、テトラメチルピペリジニルメチル基、N−アセチルテトラメチルピペリジニルメチル基、トリメチルシリルメチル基、メトキシエチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、
カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスホノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスホノブチル基、ホスホナトヘキシル基、ジエチルホスホノブチル基、ジフェニルホスホノプロピル基、メチルホスホノブチル基、メチルホスホナトブチル基、トリルホスホノヘキシル基、トリルホスホナトヘキシル基、ホスホノオキシプロピル基、ホスホナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、等を挙げることができる。
〜R13で表されるアルキル基に導入可能な置換基としては、上記置換アルキル基の説明中に記載された置換基の他、以下に例示する非金属原子から構成される1価の置換基も挙げられる。上述した置換基を含む好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、
アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SOH)及びその共役塩基基(スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィイナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、
ホスホノ基(−PO)及びその共役塩基基(ホスホナト基と称する。)、ジアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))「alkyl=アルキル基、以下同」、ジアリールホスホノ基(−PO(aryl))「aryl=アリール基、以下同」、アルキルアリールホスホノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))及びその共役塩基基(アルキルホスホナト基と称する。)、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基(アリールホスホナト基と称する。)、ホスホノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基(ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO(aryl))、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基(アルキルホスホナトオキシ基と称する。)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基基(アリールホスホナトオキシ基と称する。)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロ環基、シリル基、等が挙げられる。
〜R13で表されるアルキル基に導入可能な置換基におけるアルキル部分の具体例としては、上述したR〜R13が置換アルキル基である場合と同様であり、好ましい範囲も同様である。
また、R〜R13で表されるアルキル基に導入可能な置換基におけるアリール部分の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスホノフェニル基、ホスホナトフェニル基、等を挙げることができる。
〜R13で表されるアルケニル基としては、炭素原子数2から20のアルケニル基を挙げることができる。これらの中でも、炭素原子数2から10までのアルケニル基が好ましく、炭素原子数2から8までのアルケニル基がより好ましい。アルケニル基は、さらに置換基を有していてもよい。導入可能な置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、及び置換アリール基を挙げることができ、ハロゲン原子、炭素原子数1から10までの直鎖状、分岐状、環状のアルキル基が好ましい。アルケニル基の具体例としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−オクテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−フェニル−1−エテニル基、2−クロロ−1−エテニル基、等が挙げられる。
〜R13で表されるアルキニル基としては、炭素原子数2から20のアルキニル基を挙げることができる。これらの中でも、炭素原子数2から10までのアルキニル基が好ましく、炭素原子数2から8までのアルキニル基がより好ましい。その具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、フェニルエチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。
〜R13で表されるアリール基としては、ベンゼン環、2個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものなどが挙げられる。具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
また、R〜R13で表されるアリール基は、環を形成する炭素原子上に置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、非金属原子から構成される1価の置換基が挙げられる。導入される置換基の好ましい例としては、前述したアルキル基、置換アルキル基、及び、置換アルキル基における置換基の説明において、記載したものを挙げることができる。
〜R13で表されるヘテロ環基としては、3員環から8員環のヘテロ環基が好ましく、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含む3乃至6員環のヘテロ環基がより好ましく、窒素原子、酸素原子、硫黄原子を含む5乃至6員環のヘテロ環基がさらに好ましい。具体的には、ピロール環基、フラン環基、チオフェン環基、ベンゾピロール環基、ベンゾフラン環基、ベンゾチオフェン環基、ピラゾール環基、イソキサゾール環基、イソチアゾール環基、インダゾール環基、ベンゾイソキサゾール環基、ベンゾイソチアゾール環基、イミダゾール環基、オキサゾール環基、チアゾール環基、ベンズイミダゾール環基、ベンズオキサゾール環基、ベンゾチアゾール環基、ピリジン環基、キノリン環基、イソキノリン環基、ピリダジン環基、ピリミジン環基、ピラジン環基、フタラジン環基、キナゾリン環基、キノキサリン環基、アシリジン環基、フェナントリジン環基、カルバゾール環基、プリン環基、ピラン環基、ピペリジン環基、ピペラジン環基、モルホリン環基、インドール環基、インドリジン環基、クロメン環基、シンノリン環基、アクリジン環基、フェノチアジン環基、テトラゾール環基、トリアジン環基、等が挙げられる。
また、R〜R13で表されるヘテロ環基は、環を形成する炭素原子上に置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、非金属原子から構成される1価の置換基が挙げられる。導入される置換基の好ましい例としては、前述したアルキル基、置換アルキル基、及び、置換アルキル基における置換基の説明において、記載したものを挙げることができる。
〜R13で表されるシリル基としては、置換基を有していてもよく、炭素数0から30のシリル基が好ましく、炭素数3から20のシリル基がより好ましく、炭素数3から10のシリル基がさらに好ましい。その具体例としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、シクロヘキシルジメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基等が挙げられる。
〜R13で表されるチオール基としては、置換基を有していてもよく、炭素数0から30のチオール基が好ましく、炭素数3から20のチオール基がよりこのましく、炭素数1から10のチオール基がさらに好ましい。その具体例としては、メルカプトメチル基、メルカプトエチル基、4−メルカプトシクロへキシル基、4−メルカプトフェニル基等が挙げられる。
〜R13で表されるチオエーテル基としては、置換基を有していてもよく、炭素数0から30のチオエーテル基が好ましく、炭素数3から20のチオエーテル基がよりこのましく、炭素数1から10のチオエーテル基がより好ましい。
その具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、シクロへキシルチオ基などのアルキルチオ基、フェニルチオ基等のアリールチオ基等が挙げられる。
〜R13で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子が挙げられ、これらの中でも、塩素原子及び臭素原子が好ましい。
置換オキシ基(R06O−)としては、R06が水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基であるものを用いることができる。好ましい置換オキシ基としては、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基を挙げることができる。これらにおけるアルキル基、ならびにアリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基ならびに、アリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。また、アシルオキシ基におけるアシル基(R07CO−)としては、R07が、先の例として挙げたアルキル基、置換アルキル基、アリール基ならびに置換アリール基のものを挙げることができる。これらの置換基の中では、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシルオキシ基、アリールスルホキシ基がより好ましい。好ましい置換オキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ベンジルオキシ基、アリルオキシ基、フェネチルオキシ基、カルボキシエチルオキシ基、メトキシカルボニルエチルオキシ基、エトキシカルボニルエチルオキシ基、メトキシエトキシ基、フェノキシエトキシ基、メトキシエトキシエトキシ基、エトキシエトキシエトキシ基、モルホリノエトキシ基、モルホリノプロピルオキシ基、アリロキシエトキシエトキシ基、フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、メシチルオキシ基、メシチルオキシ基、クメニルオキシ基、メトキシフェニルオキシ基、エトキシフェニルオキシ基、クロロフェニルオキシ基、ブロモフェニルオキシ基、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、ナフチルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基、ホスホノオキシ基、ホスホナトオキシ基等が挙げられる。
アミノ基はアミド基も含む置換アミノ基であってもよい。アミド基も含む置換アミノ基(R08NH−、(R09)(R010)N−)としては、R08、R09、R010が水素原子を除く一価の非金属原子団からなる基のものを使用できる。なおR09とR010とは結合して環を形成してもよい。置換アミノ基の好ましい例としては、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N’−アリール、ウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができ、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基おけるアシル基(R07CO−)のR07は前述のとおりである。これらの内、より好ましいものとしては、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、アシルアミノ基が挙げられる。好ましい置換アミノ基の具体例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジノ基、フェニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、アセチルアミノ基等が挙げられる。
置換スルホニル基(R011−SO−)としては、R011が一価の非金属原子団からなる基のものを使用できる。より好ましい例としては、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、置換又は未置換のスルファモイル基、を挙げることができる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。このような、置換スルホニル基の具体例としては、ブチルスルホニル基、フェニルスルホニル基、クロロフェニルスルホニル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、等が挙げられる。
スルホナト基(−SO−)は前述のとおり、スルホ基(−SOH)の共役塩基陰イオン基を意味し、通常は対陽イオンとともに使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類等)、ならびに金属イオン類(Na、K+、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
置換カルボニル基(R013−CO−)としては、R013が一価の非金属原子団からなる基のものを使用できる。置換カルボニル基の好ましい例としては、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N’−アリールカルバモイル基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。これらの内、より好ましい置換カルボニル基としては、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基が挙げられ、さらにより好ましいものとしては、ホルミル基、アシル基、アルコキシカルボニル基ならびにアリーロキシカルボニル基が挙げられる。好ましい置換カルボニル基の具体例としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、ジメチルアミノフェニルエテニルカルボニル基、メトキシカルボニルメトキシカルボニル基、N−メチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N,N−ジエチルカルバモイル基、モルホリノカルボニル基等が挙げられる。
置換スルフィニル基(R014−SO−)としては、R014が一価の非金属原子団からなる基のものを使用できる。好ましい例としては、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基が挙げられる。これらにおけるアルキル基、アリール基としては前述のアルキル基、置換アルキル基、ならびにアリール基、置換アリール基として示したものを挙げることができる。これらの内、より好ましい例としてはアルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基が挙げられる。このような置換スルフィニル基の具体例としては、ヘキシルスルフィニル基、ベンジルスルフィニル基、トリルスルフィニル基等が挙げられる。
置換ホスホノ基とはホスホノ基上のヒドロキシル基の一つもしくは二つが他の有機オキソ基によって置換されたものを意味し、好ましい例としては、前述のジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、アルキルアリールホスホノ基、モノアルキルホスホノ基、モノアリールホスホノ基が挙げられる。これらの中ではジアルキルホスホノ基、ならびにジアリールホスホノ基がより好ましい。このような具体例としては、ジエチルホスホノ基、ジブチルホスホノ基、ジフェニルホスホノ基等が挙げられる。
ホスホナト基(−PO−、−POH−)とは、ホスホノ基(−PO)の、酸第一解離もしくは、酸第二解離に由来する共役塩基陰イオン基を意味する。通常は対陽イオンと共に使用されるのが好ましい。このような対陽イオンとしては、一般に知られるもの、すなわち、種々のオニウム類(アンモニウム類、スルホニウム類、ホスホニウム類、ヨードニウム類、アジニウム類、等)、ならびに金属イオン類(Na、K、Ca2+、Zn2+等)が挙げられる。
置換ホスホナト基とは前述の置換ホスホノ基の内、ヒドロキシル基を一つ有機オキソ基に置換したものの共役塩基陰イオン基であり、具体例としては、前述のモノアルキルホスホノ基(−POH(alkyl))、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))の共役塩基が挙げられる。
経時安定性向上という観点からは、前記一般式(1)のR、R、Rのうち少なくとも一つ、一般式(2)のR、Rのうち少なくとも一つが、炭素原子数1から20までの直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基、置換アリール基によって置換されていることが重要である。特に炭素原子数4から9の分岐アルキル基が置換されていることが好ましい。
また、一般式(1)においてはR又はRのいずれかとRとが前記置換基で置換されていることが好ましい。特にR、R、及びRの全てが置換されていることが経時安定性の観点から最も好ましい。
一般式(2)においては、R及びRの両方が置換されていることが、経時安定性の観点から好ましい。
前記アルキル基としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を挙げることができる。これらの中でも、炭素原子数1から12までの直鎖状のアルキル基、炭素原子数3から12までの分岐状のアルキル基、及び炭素原子数5から10までの環状のアルキル基がより好ましい。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、及び2−ノルボルニル基を挙げられる。
前記アリール基としては、ベンゼン環、2個から3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものなどが挙げられる。具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
前記置換アリール基は、環を形成する炭素原子上に置換基を有しているものであり、そのような置換基としては、非金属原子から構成される1価の置換基が挙げられる。導入される置換基の好ましい例としては、前述したアルキル基の説明において、記載したものを挙げることができる。
また、視認性の観点から、一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物における特定構造の骨格(カチオン部)のlogP値は、好ましくは2.00以上、より好ましくは3.00以上、さらに好ましくは4.00以上を有していることが望ましい。ここで、logP値とは、分配係数P(Partition Coefficient)の常用対数を意味し、ある有機化合物が油(一般的には1−オクタノール)と水の2相系の平衡でどのように分配されるかを定量的な数値として表す物性値である。
logP=log(Coil/Cwater)
Coil=油相中のモル濃度
Cwater=水相中のモル濃度
なお、ここでいう「logP」値は、特定構造の骨格(カチオン部)を、米国Pomona大学のC. Hansch, A. LeoらMedchemプロジェクト及びBiobyte社によって開発されたlogP値推算プログラム:CLOGP(Daylight Chemical Information System社のシステム:PCModels(ver1.02)に組み込まれたCLOGPプログラム:アルゴリズム=4.01・フラグメントデータベース=17)を用いて算出した値を表す。このプログラムは「Hansch−Leoのフラグメント法」に基づいており、化学構造を部分構造(フラグメント)に分割し、そのフラグメントに対して 割り当てられたlogP寄与分を合計することによりlogP値を推算している。この方法については、以下の文献に詳細に記載されており、この記載を参照することができる。
C. Hansch & A. Leo. Substituent Constants For Correlation Analysis in Chemistry and Biology. John Wiley & Sons. ;A. J. Leo. "Calculating logPoct from structure." Chem. Rev.,Vol.93, P1281-1306, 1993年。
は、任意のアニオンであり、酸アニオンであることが好ましい。具体例としては、ハロゲン原子アニオン、BF 、BCl 、ZnCl 、SbCl 、FeCl 、GaCl 、GaBr 、AlI 、AlCl 、SbF 、CFSO 、PF 、BPh 、ナフタレン−1−スルホン酸、アントラセン−1−スルホン酸等の縮合多核スルホン酸アニオン、アントラキノンスルホン酸アニオン、アントラセンスルホン酸アニオン、スルホン酸基含有染料(スルホ基と発色原子団とを有するアニオン)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
視認性向上の観点からは、Xは無機アニオンあるいは強酸のアニオンであることが好ましく、このような観点からは、PF 、BF 、CFSO 、CSO が挙げられ、なかでもPF が最も好ましい。
さらに、一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物は、R〜R13のいずれかを介して、ポリマー側鎖に導入されていてもよく、好ましい態様として挙げられる。
一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物が、ポリマー側鎖に導入されている態様としては、特に、下記一般式(4)又は一般式(5)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2008233685
一般式(4)及び一般式(5)中、R〜R13は、水素原子、ハロゲン原子、又は1価の有機基を表す。Pはポリマー主鎖を表す。Aは炭素原子もしくは窒素原子を表しており、Aが窒素原子の場合は一般式(1)中のR及び一般式(2)中のRは非共有電子対を表す。Bは単結合又は2価の有機連結基を表す。mは1以上の整数を表し、Xはアニオンを表す。
一般式(4)及び一般式(5)においてR〜R13で表される1価の有機基は、前記一般式(1)及び一般式(2)においてR〜R13で表される1価の有機基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
Pで表されるポリマー主鎖には特に制限はないが、好ましくは、ポリビニル鎖、ポリウレタン鎖、ポリアセタール鎖等が挙げられる。その中でも、平版印刷版原版の記録層に適用した際の耐刷性等の観点からは、特に好ましくは、ポリ(メタ)アクリレート鎖、ポリスチレン鎖等が挙げられる。
Bで表される2価の有機連結基としては、非金属原子から構成される2価の有機基であり、1から60個までの炭素原子、0個から10個までの窒素原子、0個から50個までの酸素原子、1個から100個までの水素原子、及び0個から20個までの硫黄原子から構成されるものが好ましい。より具体的な例としては、下記の構造が単独で又は複数組み合わさって構成される有機連結基を挙げることができる。
Figure 2008233685
Bで表される有機連結基は、さらに置換基を有してもよく、導入可能な置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホナト基、ニトロ基、シアノ基、アミド基、アミノ基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換オキシ基、置換スルホニル基、置換カルボニル基、置換スルフィニル基、スルホ基、ホスホノ基、ホスホナト基、シリル基、ヘテロ環基、等が挙げられる。
mは2以上の整数であり、2〜6が好ましく、2〜3がより好ましい。
一般式(4)及び一般式(5)におけるXは、前記一般式(1)及び一般式(2)におけるXと同義であり、好ましい範囲も同様である。
経時安定性向上という観点からは、前記一般式(4)のR、R、Rのうち少なくとも一つ、一般式(5)のR、Rのうち少なくとも一つが、炭素原子数1から20までの直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基、置換アリール基によって置換されていることが重要であり、前記一般式(1)から一般式(4)で表されているアルキル基、アリール基、及び置換アリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
以下に、一般式(1)、一般式(2)、一般式(4)又は一般式(5)で表される化合物の具体例〔例示化合物(A−1)〜(A−26)〕を列挙するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
Figure 2008233685
Figure 2008233685
Figure 2008233685
(A)特定化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。その場合、単量体、二量体、ポリマーと種類の異なる化合物を組み合わせて用いることもできる。
本発明における(A)特定化合物の含有量としては、平版印刷版原版の画像記録層全固形分中、0.1〜50質量%が好ましく、より好ましくは、0.5〜30質量%であり、さらに好ましくは1〜20質量%である。
含有量がこの範囲で、良好な感度と印刷時の非画像部の良好な汚れ難さが得られる。また、(A)特定化合物は、画像記録層のほかに別の層に添加することもできる。
<その他の重合開始剤>
本発明においては、前記(A)特定化合物が重合開始能を有することから、他の重合開始剤は必須ではないが、本発明の効果を損なわない限りにおいて、前記(A)特定化合物以外のその他の重合開始剤を併用することができる。本発明に用いられる併用可能な重合開始剤としては、光、熱あるいはその両方のエネルギーによりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を開始、促進する化合物であって、公知の熱重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物、光重合開始剤などが挙げられる。本発明において好適に用いられるラジカルを発生する化合物は、熱エネルギーによりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を、開始、促進させる化合物を指す。本発明に係る熱ラジカル発生剤としては、公知の重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物などを、適宜、選択して用いることができる。また、ラジカルを発生する化合物は、単独又は2種以上を併用して用いることができる。
ラジカルを発生する化合物としては、例えば、(a)有機ハロゲン化物、(b)カルボニル化合物、(c)有機過酸化物、(d)アゾ系重合開始剤、(e)アジド化合物、(f)メタロセン化合物、(g)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(h)有機ホウ酸化合物、(i)ジスルホン化合物、(j)オキシムエステル化合物、(k)オニウム塩化合物などが挙げられる。
以下、それぞれの化合物について説明する。
(a)有機ハロゲン化物としては、具体的には、若林等、「Bull Chem.Soc Japan」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号の各公報、M.P.Hutt“Jurnal of Heterocyclic Chemistry”1(No3),(1970)」に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物:S−トリアジン化合物が挙げられる。
より好適には、すくなくとも一つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2―n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−ナトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
(b)カルボニル化合物としては、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドトキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−(4’−(メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトン等のアセトフェノン誘導体、チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体等を挙げることができる。
(c)有機過酸化物としては、例えば、トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−オキサノイルパーオキサイド、過酸化こはく酸、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシオクタノエート、tert−ブチルパーオキシラウレート、ターシルカーボネート、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、カルボニルジ(t−ブチルパーオキシ二水素二フタレート)、カルボニルジ(t−ヘキシルパーオキシ二水素二フタレート)等が挙げられる。
(d)アゾ化合物としては例えば、特開平8−108621号公報に記載のアゾ化合物等を使用することができる。
(e)アジド化合物としては、日本写真学会1968年春季研究発表会講演要旨55頁記載のアジドポリマー、米国特許第3,282,693号明細書記載の2−アジドベンゾオキサゾール、ベンゾイルアジド、2−アジドベンズイミダゾール等の化合物を挙げることができる。
(f)メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報、特開平5−83588号公報記載の種々のチタノセン化合物、例えば、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
(g)ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号公報、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各明細書記載の種々の化合物、具体的には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル))4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイジダゾール、2,2’−ビス(o,o’−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メチルフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−トリフルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
(h)有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号、特開2000−131837号、特開2002−107916号、特許第2764769号、特開2002−116539号、等の各公報、及び、Kunz,Martin“Rad Tech’98.Proceeding April 19−22,1998,Chicago”等に記載される有機ホウ酸塩、特開平6−157623号公報、特開平6−175564号公報、特開平6−175561号公報に記載の有機ホウ素スルホニウム錯体あるいは有機ホウ素オキソスルホニウム錯体、特開平6−175554号公報、特開平6−175553号公報に記載の有機ホウ素ヨードニウム錯体、特開平9−188710号公報に記載の有機ホウ素ホスホニウム錯体、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられる。
(i)ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号公報、特開2003−328465号公報等に記載される化合物が挙げられる。
(j)オキシムエステル化合物としては、J.C.S. Perkin II (1979)P1653−1660)、J.C.S. Perkin II (1979)P156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995)P202−232、特開2000−66385公報記載の化合物、特開2000−80068公報記載の化合物、具体的には以下に記載の化合物などが挙げられる。
Figure 2008233685
Figure 2008233685
(k)オニウム塩化合物としては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号明細書、特開平4−365049号公報等に記載のアンモニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号の各明細書に記載のホスホニウム塩、欧州特許第104、143号、米国特許第339,049号、同第410,201号の各明細書、特開平2−150848号、特開平2−296514号の各公報に記載のヨードニウム塩、欧州特許第370,693号、同390,214号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号の各明細書に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer
Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩等が挙げられる。
特に反応性、安定性の面から上記オキシムエステル化合物あるいは以下に詳述するジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩が好ましい重合開始剤として挙げられる。本発明において、これらのオニウム塩は酸発生剤ではなく、イオン性のラジカル重合開始剤として機能する。
本発明において好適に用いられるオニウム塩は、下記一般式(RI−I)〜(RI−III)で表されるオニウム塩である。
Figure 2008233685
一般式(RI−I)中、Ar11は置換基を1〜6有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表し、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。
11 は1価の陰イオンを表し、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンであり、安定性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオンが好ましい。
一般式(RI−II)中、Ar21、Ar22は各々独立に置換基を1〜6有していてもよい炭素数20以下のアリール基を表し、好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。
21 は1価の陰イオンを表し、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンであり、安定性、反応性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましい。
一般式(RI−III)中、R31、R32、R33は各々独立に置換基を1〜6有していてもよい炭素数20以下のアリール基又はアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を表し、好ましくは反応性、安定性の面から、アリール基であることが望ましい。好ましい置換基としては炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数1〜12のアリーロキシ基、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキルアミノ基、炭素数1〜12のジアルキルアミノ基、炭素数1〜12のアルキルアミド基又はアリールアミド基、カルボニル基、カルボキシル基、シアノ基、スルホニル基、炭素数1〜12のチオアルキル基、炭素数1〜12のチオアリール基が挙げられる。
31 は1価の陰イオンを表し、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、チオスルホン酸イオン、硫酸イオンであり、安定性、反応性の面から過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、テトラフルオロボレートイオン、スルホン酸イオン、スルフィン酸イオン、カルボン酸イオンが好ましく、より好ましいものとして特開2001−343742号公報記載のカルボン酸イオン、特に好ましいものとして特開2002−148790号公報記載のカルボン酸イオンが挙げられる。
以下に、本発明において重合開始剤として好適に用いられるオニウム塩の例を挙げるが、本発明はこれら制限されるものではない。
Figure 2008233685
Figure 2008233685
Figure 2008233685
Figure 2008233685
Figure 2008233685
Figure 2008233685
Figure 2008233685
これら併用可能な他の重合開始剤のなかでも視認性向上の観点からは、オニウム塩であって、対イオンとして無機アニオン、例えば、PF 、BF 、及びCSO などを有するものが好ましく、さらに、発色に優れていることから、電子供与性基を2つ以上有するジアリールヨードニウム塩が好ましい。この開始剤は、ジアリールヨードニウム骨格を有する化合物であり、このアリール基に、アルキル基、アルコキシ基などの電子供与性基を2以上、好ましくは3以上有する化合物である。電子供与性基はヨードニウム塩のアリール基のパラ位、オルト位に導入されていることが好ましい。
これら他の重合開始剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これらの重合開始剤は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。
本発明における重合開始剤の総含有量、すなわち、(A)特定化合物と前記した併用可能なその他の重合開始剤との合計量は、画像記録層を構成する全固形分に対し0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜30質量%がさらに好ましく、1〜20質量%の割合であることが最も好ましい。
この併用可能な他の重合開始剤を用いる場合の含有量は、(A)特定化合物に対して、0〜200mol%であることが好ましく、0〜100mol%の範囲であることが好ましい。
<(B)赤外線吸収剤>
本発明の平版印刷版原版を、760〜1200nmの赤外線を発するレーザーを光源により画像形成する場合には、通常、赤外線吸収剤を用いることが必須である。赤外線吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能と赤外線により励起して、前記した(A)特定化合物を含む重合開始剤(ラジカル発生剤)に電子移動/エネルギー移動する機能を有する。本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760〜1200nmに吸収極大を有する染料又は顔料であり、効果の観点からは赤外線吸収染料が好ましい。
染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭60−78787号等の公報に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等の公報に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等の公報に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許第434,875号明細書記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、米国特許第5,156,938号明細書記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号明細書記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号公報(米国特許第4,327,169号明細書)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号の各公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号の各公報に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)及び(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
また、本発明の赤外線吸収色素の好ましい他の例としては、以下に例示するような特開2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
Figure 2008233685
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。この範囲で、顔料分散物の画像記録層塗布液中での良好な安定性と画像記録層の良好な均一性が得られる。
顔料を分散する方法としては、インキ製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
これらの赤外線吸収剤うち、本発明の重合性組成物において好ましい赤外線吸収剤はシアニン色素である。特に好ましい一つの例として下記一般式(i)で示されるシアニン色素が挙げられる。
Figure 2008233685
一般式(i)中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、−NPh2、X2−L1又は以下に示す基を表す。ここで、X2は酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、ハロゲン原子、セレン原子を示す。X -は後述するZ -と同様に定義され、Raは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
Figure 2008233685
及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。記録層塗布液の保存安定性から、R及びRは、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、さらに、RとRとは互いに結合し、5員環又は6員環を形成していることが特に好ましい。
Ar及びArは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい芳香環あるいは複素芳香環を示す。好ましい芳香環としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられ、炭素原子数12個以下の炭化水素基、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が最も好ましい。Y及びYは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R及びRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられ、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が最も好ましい。R、R、R及びRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Z は、対アニオンを示す。ただし、一般式(i)で示されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZ は必要ない。好ましいZ は、記録層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
また、視認性向上の観点からは、Z は無機アニオンあるいは強酸のアニオンであることが好ましく、このような観点からは、PF 、BF 、CFSO 、CSO が挙げられ、なかでもPF が最も好ましい。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(i)で示されるシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969公報の段落番号[0017]から[0019]に記載されたものを挙げることができる。
また、特に好ましい他の例としてさらに、前記した特開2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
本発明におけるより好ましい赤外線吸収剤としては、下記一般式(3)で表されるシアニン色素が挙げられる。
Figure 2008233685
式中、Z及びZはそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香環あるいは複素芳香環を表し、一般式(i)のAr及びArと同義である。R及びRはそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素数20以下の炭化水素基を表し、一般式(i)のR及びRと同義である。R及びR10はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を表す。Zaは、電荷の中和が必要な場合に存在する対アニオンを表し、一般式(i)のZaと同義である。
上記のなかでも、本発明の平版印刷版原版に特に好ましい(B)赤外線吸収剤としては、シアニン色素の骨格上に少なくとも1つの溶剤溶解性基を有する化合物が挙げられる。本発明における溶剤溶解性基とは、赤外線吸収剤の溶剤溶解性を向上させることができる有機官能基を指し、このような機能を有する官能基であれば特に制限はないが、好ましくは、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホニルアミド基、カルボキシル基、スルホニル酸基、ヒドロキシル基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、及び、アミド基が挙げられる。これらのうちで、さらに好ましい溶剤溶解性基としては、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基が挙げられる。さらにもっとも好ましい溶剤溶解性基としては、アルキルオキシ基、アリールオキシ基が挙げられる。
(A)赤外線吸収剤としては、より具体的には、前記一般式(3)で示されるシアニン色素構造を有し、分子中に少なくとも一つの溶剤溶解性基を有するものが好ましい。前記一般式(3)で示されるシアニン色素構造のいずれか、好ましくは、Z、Zで示される芳香族炭化水素基、両末端の窒素原子上のR及びR、−NPh上のR及びR10などに溶剤溶解性基が導入されているものがより好ましい。機上現像性向上の観点から、両末端の窒素原子上に溶剤溶解性基が導入されるものがもっとも好ましい。導入される溶剤溶解性基の数は少なくとも1つであるが、高濃度状態で画像記録層をムラ無く塗布することができ、且つ、画像記録層中の成分に起因する機上現像時におけるカスの発生抑制や機上現像性の向上という観点からは、シアニン色素一分子上に2〜6個導入されていることが好ましい。
本発明において、好適に用いることのできる赤外線吸収剤の具体例としては、下記のものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2008233685
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Figure 2008233685
Figure 2008233685
Figure 2008233685
Figure 2008233685
Figure 2008233685
(B)赤外線吸収剤は、平版印刷版原版を作製する際に、画像記録層のほかに別の層を設けそこへ添加してもよいが、画像記録層の波長760nm〜1200nmの範囲における極大吸収波長での吸光度が、反射測定法で0.3〜1.2の範囲にあるように添加する。好ましくは、0.4〜1.1の範囲である。この範囲で、画像記録層の深さ方向での均一な重合反応が進行し、良好な画像部の膜強度と支持体に対する密着性が得られる。画像記録層の吸光度は、画像記録層に添加する赤外線吸収剤の量と画像記録層の厚みにより調整することができる。吸光度の測定は常法により行うことができる。測定方法としては、例えば、アルミニウム等の反射性の支持体上に、乾燥後の塗布量が平版印刷版として必要な範囲において適宜決定された厚みの画像記録層を形成し、反射濃度を光学濃度計で測定する方法、積分球を用いた反射法により分光光度計で測定する方法等が挙げられる。
(B)赤外線吸収剤の画像記録層への添加量としては全固形分中、0.1〜30質量%添加されることが好ましく、0.5〜20質量%であることがさらに好ましく、1〜10質量%添加されることがより好ましい。
<(C)付加重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物>
本発明の画像記録層には、効率的な硬化反応を行うため(C)付加重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物(以下、適宜、重合性化合物と称する)を含有させることが好ましい。
本発明に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、及び単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、さらにハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能もしくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー、イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート等がある。
メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号の各公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号の各公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。さらに、前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報に記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートとヒドロキシル基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(ii)で示されるヒドロキシル基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH=C(R)COOCHCH(R)OH (ii)
(ただし、R及びRは、H又はCHを示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号の各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号の各公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。さらに、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号の各公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号、各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂とアクリル酸もしくはメタクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号、各公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
これらの付加重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な平版印刷版原版の性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、次のような観点から選択される。
感度の点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、さらに、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。
また、画像記録層中の他の成分(例えばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶性、分散性に対しても、付加重合化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や、2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、基板や後述の保護層等の密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択することもあり得る。
(C)重合性化合物は、画像記録層中の不揮発性成分に対して、好ましくは5〜80質量%、さらに好ましくは25〜75質量%の範囲で使用される。また、これらは単独で用いても2種以上併用してもよい。そのほか、付加重合性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法も実施しうる。
<(D)バインダーポリマー>
本発明に係る画像記録層には、形成する画像記録層の皮膜特性向上などの目的で、必要に応じて、さらにバインダーポリマーを使用することができる。
本発明に用いることができるバインダーポリマーは、従来公知のものを制限なく使用でき、皮膜性を有する線状有機ポリマーが好ましい。このようなバインダーポリマーの例としては、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリウレア樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂、ポリエステル樹脂、合成ゴム、天然ゴムが挙げられる。
バインダーポリマーは、画像部の皮膜強度を向上するために、架橋性を有していることが好ましい。バインダーポリマーに架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の主鎖中又は側鎖中に導入すればよい。架橋性官能基は、共重合により導入してもよい。
分子の主鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、ポリ−1,4−ブタジエン、ポリ−1,4−イソプレン等が挙げられる。
分子の側鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、アクリル酸又はメタクリル酸のエステル又はアミドのポリマーであって、エステル又はアミドの残基(−COOR又はCONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有するポリマーを挙げることができる。
エチレン性不飽和結合を有する残基(上記R)の例としては、−(CHCR=CR、−(CHO)CHCR=CR、−(CHCHO)CHCR=CR、−(CHNH−CO−O−CHCR=CR、−(CH−O−CO−CR=CR及び(CHCHO)−X(式中、R〜Rはそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基もしくはアリールオキシ基を表し、RとR又はRとは互いに結合して環を形成してもよい。nは、1〜10の整数を表す。Xは、ジシクロペンタジエニル残基を表す。)を挙げることができる。
エステル残基の具体例としては、−CHCH=CH(特公平7−21633号公報に記載されている。)、−CHCHO−CHCH=CH、−CHC(CH)=CH、−CHCH=CH−C、−CHCHOCOCH=CH−C、−CHCH−NHCOO−CHCH=CH及びCHCHO−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)が挙げられる。
アミド残基の具体例としては、−CHCH=CH、−CHCH−Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)、−CHCH−OCO−CH=CHが挙げられる。
架橋性を有するバインダーポリマーは、例えば、その架橋性官能基にフリーラジカル(重合開始ラジカル又は重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、ポリマー間で直接に又は重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。又は、ポリマー中の原子(例えば、官能性架橋基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてポリマーラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。
バインダーポリマー中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、バインダーポリマー1g当たり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.0〜5.5mmolである。この範囲で、良好な感度と良好な保存安定性が得られる。
また、機上現像性向上の観点から、バインダーポリマーは、インキ及び/又は湿し水に対する溶解性又は分散性が高いことが好ましい。
インキに対する溶解性又は分散性を向上させるためには、バインダーポリマーは、親油的な方が好ましく、湿し水に対する溶解性又は分散性を向上させるためには、バインダーポリマーは、親水的な方が好ましい。このため、本発明においては、親油的なバインダーポリマーと親水的なバインダーポリマーを併用することも有効である。
親水的なバインダーポリマーとしては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、ポリオキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホ基、リン酸基等の親水性基を有するものが好適に挙げられる。
具体例として、アラビアゴム、カゼイン、ゼラチン、デンプン誘導体、カルボキシメチルセルロース及びそのナトリウム塩、セルロースアセテート、アルギン酸ナトリウム、酢酸ビニル−マレイン酸コポリマー類、スチレン−マレイン酸コポリマー類、ポリアクリル酸類及びそれらの塩、ポリメタクリル酸類及びそれらの塩、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシエチルアクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシピロピルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシプロピルアクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシブチルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ヒドロキシブチルアクリレートのホモポリマー及びコポリマー、ポリエチレングリコール類、ヒドロキシプロピレンポリマー類、ポリビニルアルコール類、加水分解度が60モル%以上、好ましくは80モル%以上である加水分解ポリビニルアセテート、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドのホモポリマー及びコポリマー、メタクリルアミドのホモポリマー及びポリマー、N−メチロールアクリルアミドのホモポリマー及びコポリマー、ポリビニルピロリドン、アルコール可溶性ナイロン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンとのポリエーテル等が挙げられる。
バインダーポリマーは、質量平均分子量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましく、また、数平均分子量が1000以上であるのが好ましく、2000〜25万であるのがより好ましい。多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であるのが好ましい。
バインダーポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマーのいずれでもよいが、ランダムポリマーであるのが好ましい。また、バインダーポリマーは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
バインダーポリマーは、市販品を購入するか、従来公知の方法により合成することにより、入手できる。合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水が挙げられる。これらは単独で又は2種以上混合して用いられる。
バインダーポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等の公知の化合物を用いることができる。
(D)バインダーポリマーの含有量は、画像記録層の全固形分に対して、0〜90質量%であり、0〜80質量%であるのが好ましく、0〜70質量%であるのがより好ましい。この範囲で、良好な画像部の強度と画像形成性が得られる。
また、(C)重合性化合物と(D)バインダーポリマーは、質量比で0.5/1〜4/1となる量で用いるのが好ましい。
本発明の平版印刷版原版の画像記録層には、上記(A)〜(C)成分、さらに所望により用いられる他の重合開始剤や(D)バインダーポリマーなどの各成分に加え、本発明の効果を損なわない範囲において、目的に応じて種々の化合物を含有することができる。
<界面活性剤>
本発明において、画像記録層には、印刷開始時の機上現像性を促進させるため、及び、塗布面状を向上させるために界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられるノニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールの共重合体が挙げられる。
本発明に用いられるアニオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類が挙げられる。
本発明に用いられるカチオン界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
本発明に用いられる両性界面活性剤は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げられる。
なお、上記界面活性剤の中で、「ポリオキシエチレン」とあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン等の「ポリオキシアルキレン」に読み替えることもでき、本発明においては、それらの界面活性剤も用いることができる。
さらに好ましい界面活性剤としては、分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系界面活性剤が挙げられる。このようなフッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオン型;パーフルオロアルキルベタイン等の両性型;パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン型;パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基及び親水性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基及び親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基及び親油性基を含有するオリゴマー、パーフルオロアルキル基及び親油性基を含有するウレタン等のノニオン型が挙げられる。また、特開昭62−170950号、同62−226143号及び同60−168144号の各公報に記載されているフッ素系界面活性剤も好適に挙げられる。
界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
界面活性剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、0.001〜10質量%であるのが好ましく、0.01〜7質量%であるのがより好ましい。
<着色剤>
本発明では、さらに必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添加してもよい。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。具体的には、オイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等、及び特開昭62−293247号に記載されている染料を挙げることができる。また、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料も好適に用いることができる。
これらの着色剤は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。なお、添加量は、画像記録材料全固形分に対し、0.01〜10質量%の割合である。
<焼き出し剤>
本発明の画像記録層には、焼き出し画像生成のため、酸又はラジカルによって変色する化合物を添加することができる。
なお、本発明においては、前記(A)特定化合物と(B)赤外線吸収剤との相乗効果により露光領域において視認性に優れた画像が形成されるため、このような焼き出し剤は必ずしも必要ではないが、視認性向上の目的で併用することができる。
この目的で用いうる化合物としては、例えばジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、チアジン系、オキサジン系、キサンテン系、アンスラキノン系、イミノキノン系、アゾ系、アゾメチン系等の各種色素が有効に用いられる。
具体例としては、ブリリアントグリーン、エチルバイオレット、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニルイエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、パラメチルレッド、コンゴーフレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチルレッド、ナイルブルー2B、ナイルブルーA、メチルバイオレット、マラカイドグリーン、パラフクシン、ビクトリアピュアブルーBOH[保土ケ谷化学(株)製]、オイルブルー#603[オリエント化学工業(株)製]、オイルピンク#312[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッド5B[オリエント化学工業(株)製]、オイルスカーレット#308[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドOG[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドRR[オリエント化学工業(株)製]、オイルグリーン#502[オリエント化学工業(株)製]、スピロンレッドBEHスペシャル[保土ケ谷化学工業(株)製]、m−クレゾールパープル、クレゾールレッド、ローダミンB、ローダミン6G、スルホローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシアニリノ−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシステアリルアミノ−4−p−N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−フェニルイミノナフトキノン、1−フェニル−3−メチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン、1−β−ナフチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン等の染料やp,p’,p”−ヘキサメチルトリアミノトリフェニルメタン(ロイコクリスタルバイオレット)、Pergascript Blue SRB(チバガイギー社製)等のロイコ染料が挙げられる。
上記の他に、感熱紙や感圧紙用の素材として知られているロイコ染料も好適なものとして挙げられる。具体例としては、クリスタルバイオレットラクトン、マラカイトグリーンラクトン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、2−(N−フェニル−N−メチルアミノ)−6−(N−p−トリル−N−エチル)アミノ−フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−p−トルイジノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−5−メチル−7−(N,N−ジベンジルアミノ)−フルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−6−メトキシ−7−アミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−(4−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−クロロフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7−ベンジルアミノフルオラン、3−(N,N−ジエチルアミノ)−7,8−ベンゾフロオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−キシリジノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−ザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、などが挙げられる。
酸又はラジカルによって変色する染料の好適な添加量は、それぞれ、画像記録層固形分に対して0.01〜10質量%の割合である。
<重合禁止剤>
本発明の画像記録層には、画像記録層の製造中又は保存中において(C)重合性化合物の不要な熱重合を防止するために、少量の熱重合防止剤を添加するのが好ましい。
熱重合防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩が好適に挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.01〜約5質量%であるのが好ましい。
<高級脂肪酸誘導体等>
本発明の画像記録層には、酸素による重合阻害を防止するために、ベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で画像記録層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、画像記録層の全固形分に対して、約0.1〜約10質量%であるのが好ましい。
<可塑剤>
本発明の画像記録層は、機上現像性を向上させるために、可塑剤を含有してもよい。
可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジオクチルフタレート、オクチルカプリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジアリルフタレート等のフタル酸エステル類;ジメチルグリコールフタレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカプリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレエート等の脂肪族二塩基酸エステル類;ポリグリシジルメタクリレート、クエン酸トリエチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル等が好適に挙げられる。
可塑剤の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、約30質量%以下であるのが好ましい。
<無機微粒子>
本発明の画像記録層は、画像部の硬化皮膜強度向上及び非画像部の機上現像性向上のために、無機微粒子を含有してもよい。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシウム又はこれらの混合物が好適に挙げられる。これらは光熱変換性でなくても、皮膜の強化、表面粗面化による界面接着性の強化等に用いることができる。
無機微粒子は、平均粒径が5nm〜10μmであるのが好ましく、0.5〜3μmであるのがより好ましい。上記範囲であると、画像記録層中に安定に分散して、画像記録層の膜強度を十分に保持し、印刷時の汚れを生じにくい親水性に優れる非画像部を形成することができる。
上述したような無機微粒子は、コロイダルシリカ分散物等の市販品として容易に入手することができる。
無機微粒子の含有量は、画像記録層の全固形分に対して、20質量%以下であるのが好ましく、10質量%以下であるのがより好ましい。
<低分子親水性化合物>
本発明の画像記録層は、機上現像性向上のため、親水性低分子化合物を含有してもよい。親水性低分子化合物としては、例えば、水溶性有機化合物としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のグリコール類及びそのエーテル又はエステル誘導体類、グリセリン、ペンタエリスリトール等のポリヒドロキシ類、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンモノエタノールアミン等の有機アミン類及びその塩、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸等の有機スルホン酸類及びその塩、フェニルホスホン酸等の有機ホスホン酸類及びその塩、酒石酸、シュウ酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸、アミノ酸類等の有機カルボン酸類及びその塩等が上げられる。
<(E)マイクロカプセル・ミクロゲル>
本発明においては、上記の画像記録層構成成分(A)〜(D)及び前述のその他構成成分を画像記録層に含有させる方法として、いくつかの態様を用いることができる。一つは、例えば、特開2002−287334号公報に記載のごとく、該構成成分を適当な溶媒に溶解して塗布する分子分散型画像記録層である。他の一つの態様は、例えば、特開2001−277740号公報、特開2001−277742号公報に記載のごとく、該構成成分の全て又は一部をマイクロカプセルに内包させて画像記録層に含有させるマイクロカプセル型画像記録層である。さらに、マイクロカプセル型画像記録層において、該構成成分は、マイクロカプセル外にも含有させることもできる。ここで、マイクロカプセル型画像記録層は、疎水性の構成成分をマイクロカプセルに内包し、親水性構成成分をマイクロカプセル外に含有することが好ましい態様である。さらに他の態様として、画像記録層に架橋樹脂粒子、すなわちミクロゲルを含有する態様が挙げられる。該ミクロゲルは、その中及び/又は表面に該構成成分の一部を含有することが出来る。特に重合性化合物をその表面に有することによって反応性ミクロゲルとした態様が、画像形成感度や耐刷性の観点から特に好ましい。
より良好な機上現像性を得るためには、画像記録層は、マイクロカプセル型もしくはミクロゲル型画像記録層であることが好ましい。
画像記録層構成成分をマイクロカプセル化、もしくはミクロゲル化する方法としては、公知の方法が適用できる。
例えばマイクロカプセルの製造方法としては、米国特許第2800457号明細書、同第2800458号明細書にみられるコアセルベーションを利用した方法、米国特許第3287154号明細書、特公昭38−19574号公報、同42−446号公報にみられる界面重合法による方法、米国特許第3418250号明細書、同第3660304号明細書にみられるポリマーの析出による方法、米国特許第3796669号明細書に見られるイソシアナートポリオール壁材料を用いる方法、米国特許第3914511号明細書に見られるイソシアナート壁材料を用いる方法、米国特許第4001140号明細書、同第4087376号明細書、同第4089802号明細書にみられる尿素−ホルムアルデヒド系又は尿素ホルムアルデヒド−レゾルシノール系壁形成材料を用いる方法、米国特許第4025445号明細書にみられるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ヒドロキシセルロース等の壁材を用いる方法、特公昭36−9163号公報、同51−9079号公報にみられるモノマー重合によるin situ法、英国特許第930422号明細書、米国特許第3111407号明細書にみられるスプレードライング法、英国特許第952807号明細書、同第967074号明細書にみられる電解分散冷却法などがあるが、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる好ましいマイクロカプセル壁は、3次元架橋を有し、溶剤によって膨潤する性質を有するものである。このような観点から、マイクロカプセルの壁材は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、及びこれらの混合物が好ましく、特に、ポリウレア及びポリウレタンが好ましい。また、マイクロカプセル壁に、バインダーポリマー導入可能なエチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を有する化合物を導入してもよい。
一方、ミクロゲルを調製する方法としては、特公昭38−19574号公報、同42−446号公報に記載されている界面重合による造粒、特開平5−61214号公報に記載されているような非水系分散重合による造粒を利用することが可能である。但し、これらの方法に限定されるものではない。
上記界面重合を利用する方法としては、上述した公知のマイクロカプセル製造方法を応用することができる。
本発明に用いられる好ましいミクロゲルは、界面重合により造粒され3次元架橋を有するものである。このような観点から、使用する素材は、ポリウレア、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、及びこれらの混合物が好ましく、特に、ポリウレア及びポリウレタンが好ましい。
上記のマイクロカプセルやミクロゲルの平均粒径は、0.01〜3.0μmが好ましい。0.05〜2.0μmがさらに好ましく、0.10〜1.0μmが特に好ましい。この範囲内で良好な解像度と経時安定性が得られる。
〔画像記録層の形成〕
本発明に係る画像記録層は、必要な上記成分を溶剤に溶解又は分散して画像記録層塗布液を調製し、適切な支持体上に塗布することで形成される。ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン、水等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
これらの溶剤は、単独又は混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
本発明の画像記録層は、同一又は異なる上記各成分を同一又は異なる溶剤に分散、又は溶かした塗布液を複数調製し、複数回の塗布、乾燥を繰り返して形成することも可能である。
また塗布、乾燥後に得られる支持体上の画像記録層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、一般的に0.3〜3.0g/mが好ましい。この範囲で、良好な感度と画像記録層の良好な皮膜特性が得られる。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
〔支持体〕
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状物であればよい。例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上述した金属がラミネートされ又は蒸着された紙又はプラスチックフィルム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエステルフィルム及びアルミニウム板が挙げられる。なかでも、寸法安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板が好ましい。
アルミニウム板は、純アルミニウム板、アルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板、又は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミネートされているものである。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタン等がある。合金中の異元素の含有量は10質量%以下であるのが好ましい。本発明においては、純アルミニウム板が好ましいが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、わずかに異元素を含有するものでもよい。アルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、公知公用の素材のものを適宜利用することができる。
支持体の厚さは0.1〜0.6mmであるのが好ましく、0.15〜0.4mmであるのがより好ましく、0.2〜0.3mmであるのがさらに好ましい。
アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すのが好ましい。表面処理により、親水性の向上及び画像記録層と支持体との密着性の確保が容易になる。アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための界面活性剤、有機溶剤、アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行われる。
アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。
機械的粗面化処理の方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等の公知の方法を用いることができる。
電気化学的粗面化処理の方法としては、例えば、塩酸、硝酸等の酸を含有する電解液中で交流又は直流により行う方法が挙げられる。また、特開昭54−63902号公報に記載されているような混合酸を用いる方法も挙げられる。
粗面化処理されたアルミニウム板は、必要に応じて、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液を用いてアルカリエッチング処理を施され、さらに、中和処理された後、所望により、耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理を施される。
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成させる種々の電解質の使用が可能である。一般的には、硫酸、塩酸、シュウ酸、クロム酸又はそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化処理の条件は、用いられる電解質により種々変わるので一概に特定することはできないが、一般的には、電解質濃度1〜80質量%溶液、液温5〜70℃、電流密度5〜60A/dm、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分であるのが好ましい。形成される陽極酸化皮膜の量は、1.0〜5.0g/mであるのが好ましく、1.5〜4.0g/mであるのがより好ましい。この範囲で、良好な耐刷性と平版印刷版の非画像部の良好な耐傷性が得られる。
陽極酸化処理を施した後、必要に応じて、アルミニウム板の表面に親水化処理を施す。親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、同第3,280,734号及び同第3,902,734号の各明細書に記載されているようなアルカリ金属シリケート法がある。この方法においては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水溶液で浸漬処理し、又は電解処理する。そのほかに、特公昭36−22063号公報に記載されているフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号及び同第4,689,272号の各明細書に記載されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法等が挙げられる。
支持体は、中心線平均粗さが0.10〜1.2μmであるのが好ましい。この範囲で、画像記録層との良好な密着性、良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
また、支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜0.65であるのが好ましい。この範囲で、画像露光時のハレーション防止による良好な画像形成性と現像後の良好な検版性が得られる。
〔バックコート層〕
支持体に表面処理を施した後又は下塗り層を形成させた後、必要に応じて、支持体の裏面にバックコート層を設けることができる。
バックコート層としては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好適に挙げられる。なかでも、Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si(OC等のケイ素のアルコキシ化合物を用いるのが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
〔下塗り層〕
本発明の平版印刷版原版においては、特に機上現像型平版印刷版原版の場合、必要に応じて、画像記録層と支持体との間に下塗り層を設けることができる。下塗り層は、未露光部において、画像記録層の支持体からのはく離を生じやすくさせるため、機上現像性が向上する。また、赤外線レーザー露光の場合は、下塗り層が断熱層として機能することにより、露光により発生した熱が支持体に拡散せず、効率よく利用されるようになるため、高感度化が図れるという利点がある。
下塗り層用化合物(下塗り化合物)としては、具体的には、特開平10−282679号公報に記載されている付加重合可能なエチレン性二重結合反応基を有しているシランカップリング剤、特開平2−304441号公報記載のエチレン性二重結合反応基を有しているリン化合物等が好適に挙げられる。
最も好ましい下塗り化合物としては、吸着性基を有するモノマー、親水性基を有するモノマー、及び架橋性基を有するモノマーを共重合した高分子樹脂が挙げられる。
下塗り用高分子樹脂の必須成分は、親水性支持体表面への吸着性基である。親水性支持体表面への吸着性の有無に関しては、例えば以下のような方法で判断できる。
試験化合物を易溶性の溶媒に溶解させた塗布夜を作製し、その塗布夜を乾燥後の塗布量が30mg/m2となるように支持体上に塗布・乾燥させる。次に試験化合物を塗布した支持体を、易溶性溶媒を用いて十分に洗浄した後、洗浄除去されなかった試験化合物の残存量を測定して支持体吸着量を算出する。ここで残存量の測定は、残存化合物量を直接定量してもよいし、洗浄液中に溶解した試験化合物量を定量して算出してもよい。化合物の定量は、例えば蛍光X線測定、反射分光吸光度測定、液体クロマトグラフィー測定などで実施できる。支持体吸着性がある化合物は、上記のような洗浄処理を行っても1mg/m2以上残存する化合物である。
親水性支持体表面への吸着性基は、親水性支持体表面に存在する物質(例えば、金属、金属酸化物)あるいは官能基(例えば、ヒドロキシル基)と、化学結合(例えば、イオン結合、水素結合、配位結合、分子間力による結合)を引き起こすことができる官能基である。吸着性基は、酸基又はカチオン性基が好ましい。
酸基は、酸解離定数(pKa)が7以下であることが好ましい。酸基の例は、フェノール性ヒドロキシル基、カルボキシル基、−SOH、−OSOH、−PO、−OPO、−CONHSO−、−SONHSO−及びCOCHCOCHを含む。なかでも−OPO及びPOが特に好ましい。またこれら酸基は、金属塩であっても構わない。
カチオン性基は、オニウム基であることが好ましい。オニウム基の例は、アンモニウム基、ホスホニウム基、アルソニウム基、スチボニウム基、オキソニウム基、スルホニウム基、セレノニウム基、スタンノニウム基、ヨードニウム基を含む。アンモニウム基、ホスホニウム基及びスルホニウム基が好ましく、アンモニウム基及びホスホニウム基がさらに好ましく、アンモニウム基が最も好ましい。
吸着性基を有するモノマーの特に好ましい例としては、下記式(iii)又は(iv)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008233685
上式中、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数が1乃至6のアルキル基である。R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数が1乃至6のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素原子数が1乃至3のアルキル基であることがさらに好ましく、水素原子又はメチル基であることが最も好ましい。R及びRは、水素原子であることが特に好ましい。Zは、親水性支持体表面に吸着する官能基である。
式(iii)において、Xは、酸素原子(−O−)又はイミノ(−NH−)である。Xは、酸素原子であることがさらに好ましい。式(iii)において、Lは、2価の連結基である。Lは、2価の脂肪族基(アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基)、2価の芳香族基(アリレン基、置換アリレン基)又は2価のヘテロ環基であるか、あるいはそれらと、酸素原子(−O−)、硫黄原子(―S―)、イミノ(−NH−)、置換イミノ(−NR−、Rは脂肪族基、芳香族基又はヘテロ環基)又はカルボニル(−CO−)との組み合わせであることが好ましい。
脂肪族基は、環状構造又は分岐構造を有していてもよい。脂肪族基の炭素原子数は、1乃至20が好ましく、1乃至15がさらに好ましく、1乃至10が最も好ましい。脂肪族基は、不飽和脂肪族基よりも飽和脂肪族基の方が好ましい。脂肪族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、芳香族基及びヘテロ環基を含む。
芳香族基の炭素原子数は、6乃至20が好ましく、6乃至15がさらに好ましく、6乃至10が最も好ましい。芳香族基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基及びヘテロ環基を含む。
ヘテロ環基は、ヘテロ環として5員環又は6員環を有することが好ましい。ヘテロ環に他のヘテロ環、脂肪族環又は芳香族環が縮合していてもよい。ヘテロ環基は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、イミノ基(=NH)、置換イミノ基(=N−R、Rは脂肪族基、芳香族基又はヘテロ環基)、脂肪族基、芳香族基及びヘテロ環基を含む。
Lは、複数のポリオキシアルキレン構造を含む二価の連結基であることが好ましい。ポリオキシアルキレン構造は、ポリオキシエチレン構造であることがさらに好ましい。言い換えると、Lは、−(OCHCH)−(nは2以上の整数)を含むことが好ましい。
式(iv)において、Yは炭素原子又は窒素原子である。Y=窒素原子でY上にLが連結し四級ピリジニウム基になった場合、それ自体が吸着性を示すことからZは必須ではなく、Zが水素原子でもよい。Lは式(iii)の場合と同じ2価の連結基又は単結合を表す。
吸着性の官能基については、前述した通りである。
以下に、式(iii)又は(iv)で表される代表的な化合物の例を示す。
Figure 2008233685
本発明に用いることができる下塗り用高分子樹脂の親水性基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、ポリオキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシプロピル基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホ基、リン酸基等が好適に挙げられる。なかでも高親水性を示すスルホ基を有するモノマーが好ましい。スルホ基を有するモノマーの具体例としては、メタリルオキシベンゼンスルホン酸, アリルオキシベンゼンスルホン酸 , アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、p-スチレンスルホン酸、メタリルスルホン酸、アクリルアミドt-ブチルスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、(3−アクリロイルオキシプロピル)ブチルスルホン酸のナトリウム塩、アミン塩が挙げられる。なかでも親水性能及び合成の取り扱いから2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸ナトリウム塩が好ましい。
本発明の下塗り層用の高分子樹脂は、架橋性基を有すことが好ましい。架橋性基によって画像部との密着の向上が得られる。下塗り層用の高分子樹脂に架橋性を持たせるためには、エチレン性不飽和結合等の架橋性官能基を高分子の側鎖中に導入したり、高分子樹脂の極性置換基と対荷電を有する置換基とエチレン性不飽和結合を有する化合物で塩構造を形成させたりして導入することができる。
分子の側鎖中にエチレン性不飽和結合を有するポリマーの例としては、アクリル酸又はメタクリル酸のエステル又はアミドのポリマーであって、エステル又はアミドの残基(−COOR又はCONHRのR)がエチレン性不飽和結合を有するポリマーを挙げることができる。
エチレン性不飽和結合を有する残基(上記R)の例としては、−(CH)CR=CR、−(CHO)CHCR=CR、−(CHCHO)CHCR=CR、−(CH)NH−CO−O−CHCR=CR、−(CH)−O−CO−CR=CR、及び(CHCHO)−X(式中、R〜Rはそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基もしくはアリールオキシ基を表し、RとR又はRとは互いに結合して環を形成してもよい。nは、1〜10の整数を表す。Xは、ジシクロペンタジエニル残基を表す。)を挙げることができる。
エステル残基の具体例としては、−CHCH=CH(特公平7−21633号公報に記載されている。)、−CHCHO−CHCH=CH、−CHC(CH)=CH、−CHCH=CH−C、−CHCHOCOCH=CH−C、−CHCHNHCOO−CHCH=CH、及びCHCHO−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)が挙げられる。
アミド残基の具体例としては、−CHCH=CH、−CHCHO−Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)、−CHCHOCO−CH=CHが挙げられる。
下塗り層用高分子樹脂の架橋性基を有するモノマーとしては、上記架橋性基を有するアクリル酸又はメタクリル酸のエステル又はアミドが好適である。
下塗り層用高分子樹脂中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、高分子樹脂1g当たり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.0〜5.5mmolである。この範囲で、良好な感度と汚れ性の両立、及び良好な保存安定性が得られる。
下塗り層用の高分子樹脂は、質量平均分子量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましく、また、数平均分子量が1000以上であるのが好ましく、2000〜25万であるのがより好ましい。多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であるのが好ましい。
下塗り層用の高分子樹脂は、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよいが、ランダムポリマーであるのが好ましい。
下塗り用高分子樹脂は単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。下塗り層用塗布液は、上記下塗り用の高分子樹脂を有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトンなど)及び/又は水に溶解して得られる。下塗り層用塗布液には、赤外線吸収剤を含有させることもできる。
下塗り層塗布液を支持体に塗布する方法としては、公知の種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
下塗り層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/mであるのが好ましく、1〜30mg/mであるのがより好ましい。
〔保護層〕
本発明の平版印刷版原版には、酸素遮断性付与、画像記録層での傷等の発生防止、高照度レーザー露光時に生じるアブレーション防止等のために、必要に応じて画像記録層の上に保護層(オーバーコート層)を設けることができる。
通常、平版印刷版の露光処理は大気中で実施する。露光処理によって生じる画像記録層中での画像形成反応は、大気中に存在する酸素、塩基性物質等の低分子化合物によって阻害され得る。保護層は、この酸素、塩基性物質等の低分子化合物が画像記録層へ混入することを防止し、結果として大気中での画像形成阻害反応を抑制する。従って、保護層に望まれる特性は、酸素等の低分子化合物の透過性を低くすることであり、さらに、露光に用いられる光の透過性が良好で、画像記録層との密着性に優れ、かつ、露光後の機上現像処理工程で容易に除去することができるものである。このような特性を有する保護層については、例えば、米国特許第3,458,311号明細書及び特公昭55−49729号公報に記載されている。
保護層に用いられる材料としては、水溶性ポリマー、水不溶性ポリマーのいずれをも適宜選択して使用することができる。具体的には例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ酢酸ビニルの部分鹸化物、エチレン−ビニルアルコール共重合体、水溶性セルロース誘導体、ゼラチン、デンプン誘導体、アラビアゴム等の水溶性ポリマーや、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリサルホン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、セロハン等のポリマー等が挙げられる。これらは、必要に応じて2種以上を併用して用いることもできる。
上記材料中で比較的有用な素材としては、結晶性に優れる水溶性高分子化合物が挙げられる。具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリアクリル酸等の水溶性アクリル樹脂、ゼラチン、アラビアゴム等が好適であり、なかでも、水を溶媒として塗布可能であり、かつ、印刷時における湿し水により容易に除去されるという観点から、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾールが好ましい。その中でも、ポリビニルアルコール(PVA)は、酸素遮断性、現像除去性等の基本的な特性に対して最も良好な結果を与える。
保護層に用い得るポリビニルアルコールは、必要な水溶性を有する実質的量の未置換ビニルアルコール単位を含有するかぎり、一部がエステル、エーテル、及びアセタールで置換されていてもよい。また、同様に一部が他の共重合成分を含有していてもよい。例えば、カルボキシル基、スルホ基等のアニオンで変性されたアニオン変性部位、アミノ基、アンモニウム基等のカチオンで変性されたカチオン変性部位、シラノール変性部位、チオール変性部位等種々の親水性変性部位をランダムに有す各種重合度のポリビニルアルコール、前記のアニオン変性部位、前記のカチオン変性部位、シラノール変性部位、チオール変性部位、さらにはアルコキシル変性部位、スルフィド変性部位、ビニルアルコールと各種有機酸とのエステル変性部位、前記アニオン変性部位とアルコール類等とのエステル変性部位、エポキシ変性部位等種々の変性部位をポリマー鎖末端に有す各種重合度のポリビニルアルコール等も好ましく用いられる。
これら変性ポリビニルアルコールは71〜100モル%加水分解された重合度300〜2400の範囲の化合物が好適に挙げられる。具体的には、(株)クラレ製のPVA−105,PVA−110,PVA−117,PVA−117H,PVA−120,PVA−124,PVA124H,PVA−CS,PVA−CST,PVA−HC,PVA−203,PVA−204,PVA−205,PVA−210,PVA−217,PVA−220,PVA−224,PVA−217EE,PVA−217E,PVA−220E,PVA−224E,PVA−405,PVA−420,PVA−613,L−8等が挙げられる。また変性ポリビニルアルコールとしては、アニオン変性部位を有すKL−318、KL−118、KM−618、KM−118、SK−5102、カチオン変性部位を有すC−318、C−118、CM−318、末端チオール変性部位を有すM−205、M−115、末端スルフィド変性部位を有すMP−103、MP−203、MP−102、MP−202、高級脂肪酸とのエステル変性部位を末端に有すHL−12E、HL−1203、その他反応性シラン変性部位を有すR−1130、R−2105、R−2130等が挙げられる。
また保護層には層状化合物を含有することが好ましい。層状化合物とは薄い平板状の形状を有する粒子であり、例えば、下記一般式
A(B,C)2−5D10(OH,F,O)
〔ただし、AはLi,K,Na,Ca,Mg,有機カチオンの何れか、B及びCはFe(II),Fe(III),Mn,Al,Mg,Vの何れかであり、DはSi又はAlである。〕で表される天然雲母、合成雲母等の雲母群、式3MgO・4SiO・HOで表されるタルク、テニオライト、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、りん酸ジルコニウムなどが挙げられる。
保護層に用いられる天然雲母としては白雲母、ソーダ雲母、金雲母、黒雲母及び鱗雲母が挙げられる。また、合成雲母としては、フッ素金雲母KMg(AlSi10)F、カリ四ケイ素雲母KMg2.5Si10)F等の非膨潤性雲母、及びNaテトラシリリックマイカNaMg2.5(Si10)F、Na又はLiテニオライト(Na,Li)MgLi(Si10)F、モンモリロナイト系のNa又はLiヘクトライト(Na,Li)1/8Mg/5Li/8(Si10)F等の膨潤性雲母等が挙げられる。また合成スメクタイトも有用である。
上記の層状化合物の中でも、合成の層状化合物であるフッ素系の膨潤性雲母が、入手容易性、均一性の観点から特に有用である。すなわち、雲母、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイト等の膨潤性粘土鉱物類等は、10〜15Å程度の厚さの単位結晶格子層からなる積層構造を有し、格子内金属原子置換が他の粘度鉱物より著しく大きい。その結果、格子層は正電荷不足を生じ、それを補償するために層間にLi、Na、Ca2+、Mg2+、アミン塩、第4級アンモニウム塩、ホスホニウム塩及びスルホニウム塩等の有機カチオンの陽イオンを吸着している。これらの層状化合物は水により膨潤する。その状態でシェアーをかけると容易に劈開し、水中で安定したゾルを形成する。ベントナイト及び膨潤性合成雲母はこの傾向が強い。
層状化合物の形状としては、拡散制御の観点からは、厚さは薄ければ薄いほどよく、平面サイズは塗布面の平滑性や活性光線の透過性を阻害しない限りにおいて大きいほどよい。従って、アスペクト比は20以上であり、好ましくは100以上、特に好ましくは200以上である。なお、アスペクト比は粒子の長径に対する厚さの比であり、たとえば、粒子の顕微鏡写真による投影図から測定することができる。アスペクト比が大きい程、得られる効果が大きい。
層状化合物の粒子径は、その平均径が1〜20μm、好ましくは1〜10μm、特に好ましくは2〜5μmである。粒子径が1μmよりも小さいと酸素や水分の透過の抑制が不十分であり、効果を十分に発揮できない。また20μmよりも大きいと塗布液中での分散安定性が不十分であり、安定的な塗布を行うことができない問題が生じる。また、該粒子の平均の厚さは、0.1μm以下、好ましくは、0.05μm以下、特に好ましくは、0.01μm以下である。例えば、無機質の層状化合物のうち、代表的化合物である膨潤性合成雲母のサイズは厚さが1〜50nm、面サイズが1〜20μm程度である。
このようにアスペクト比が大きい無機質の層状化合物の粒子を保護層に含有させると、塗膜強度が向上し、また、酸素や水分の透過を効果的に防止しうるため、変形などによる保護層の劣化を防止し、高湿条件下において長期間保存しても、湿度の変化による平版印刷版原版における画像形成性の低下もなく保存安定性に優れる。
保護層中の無機質層状化合物の含有量は、保護層に使用されるバインダーの量に対し、質量比で5/1〜1/100であることが好ましい。複数種の無機質の層状化合物を併用した場合でも、これら無機質の層状化合物の合計の量が上記の質量比であることが好ましい。
保護層に上記無機質の層状化合物を用いる場合は、着肉性向上のため、画像記録層及び/又は保護層にホスホニウム化合物を添加することが好ましい。該ホスホニウム化合物としては、下記一般式(v)又は(vi)で表されるホスホニウム化合物が好ましい。なかでも、一般式(v)で表されるホスホニウム化合物が好ましい。
Figure 2008233685
式(v)中、Ar1〜Ar6は、各々独立してアリール基又はヘテロ環基を表し、Lは2価の連結基を表し、Xn−はn価の対アニオンを表し、nは1〜3の整数を表し、mはn×m=2を満たす数を表す。ここでアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、ジメチルアミノフェニル基などが好適なものとして挙げられる。ヘテロ環基としては、ピリジル基、キノリル基、ピリミジニル基、チエニル基、フリル基などが挙げられる。
Lは2価の連結基を表す。連結基中の炭素数は6〜15が好ましく、より好ましくは、炭素数6〜12の連結基である。
-は対アニオンを表し、好ましいものとしては、Cl、Br、Iなどのハロゲンアニオン、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、硫酸エステルアニオン、PF6、BF4、過塩素酸アニオンなどが挙げられる。なかでも、Cl、Br、Iなどのハロゲンアニオン、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオンが特に好ましい。
本発明に用いられる上記一般式(v)で表されるホスホニウム塩の具体例を以下に示す。
Figure 2008233685
Figure 2008233685
上記一般式(vi)において、R1〜R4は、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ヘテロ環基又は水素原子を表す。R1〜R4の少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。Xは対アニオンを示す。
ここで、R1〜R4がアルキル基、アルコキシ基又はアルキルチオ基であるときの炭素数は通常1〜20、アルケニル基又はアルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、シクロアルキル基であるときの炭素数は通常3〜8であり、アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が、アリールオキシ基としてはフェノキシ基、ナフチルオキシ基等が、アリールチオ基としてはフェニルチオ基等が、ヘテロ環基としてはフリル基、チエニル基等が、それぞれ挙げられる。また、これらの有してもよい置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、スルフィノ基、スルホ基、ホスフィノ基、ホスホリル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ヒドロキシル基及びハロゲン原子等が挙げられる。なお、これらの置換基はさらに置換基を有していてもよい。
- の表すアニオンとしては、Cl、Br、Iなどのハロゲン化物イオン、ClO4 -、PF6 -、SO −2などの無機酸アニオン、有機カルボン酸アニオン、有機スルホン酸アニオンが挙げられる。有機カルボン酸アニオン、有機スルホン酸アニオンの有機基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、メトキシフェニル、ナフチル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、チエニル、ピロリル等が挙げられる。これらの中で、Cl- 、Br- 、I- 、ClO4 - 、PF6 - 等が好ましい。本発明において好適なホスホニウム化合物の具体例を以下に示す。
Figure 2008233685
画像記録層又は保護層へのホスホニウム塩の添加量としては、各層の固形分中0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がさらに好ましく、0.1〜5質量%がもっとも好ましい。これらの範囲内で良好なインキ着肉性が得られる。
保護層の他の組成物として、グリセリン、ジプロピレングリコール等を(共)重合体に対して数質量%相当量添加して可撓性を付与することができ、また、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤;アルキルアミノカルボン酸塩、アルキルアミノジカルボン酸塩等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン界面活性剤を添加することができる。これら活性剤の添加量は(共)重合体に対して0.1〜100質量%添加することができる。
また、画像部との密着性を良化させるため、例えば、特開昭49−70702号公報及び英国特許出願公開第1303578号明細書には、主にポリビニルアルコールからなる親水性ポリマー中に、アクリル系エマルション、水不溶性ビニルピロリドン−ビニルアセテート共重合体等を20〜60質量%混合させ、画像記録層上に積層することにより、十分な接着性が得られることが記載されている。本発明においては、これらの公知の技術をいずれも用いることができる。
さらに、保護層には、他の機能を付与することもできる。例えば、露光に用いられる赤外線の透過性に優れ、かつ、それ以外の波長の光を効率よく吸収しうる、着色剤(例えば、水溶性染料)の添加により、感度低下を引き起こすことなく、セーフライト適性を向上させることができる。
次に、保護層に用いる層状化合物の一般的な分散方法の例について述べる。まず、水100質量部に先に層状化合物の好ましいものとして挙げた膨潤性の層状化合物を5〜10質量部添加し、充分水になじませ、膨潤させた後、分散機にかけて分散する。ここで用いる分散機としては、機械的に直接力を加えて分散する各種ミル、大きな剪断力を有する高速攪拌型分散機、高強度の超音波エネルギーを与える分散機等が挙げられる。具体的には、ボールミル、サンドグラインダーミル、ビスコミル、コロイドミル、ホモジナイザー、ティゾルバー、ポリトロン、ホモミキサー、ホモブレンダー、ケディミル、ジェットアジター、毛細管式乳化装置、液体サイレン、電磁歪式超音波発生機、ポールマン笛を有する乳化装置等が挙げられる。上記の方法で分散した無機質層状化合物の5〜10質量%の分散物は高粘度あるいはゲル状であり、保存安定性は極めて良好である。この分散物を用いて保護層塗布液を調製する際には、水で希釈し、充分攪拌した後、バインダー溶液と配合して調製するのが好ましい。
この保護層塗布液には、塗布性を向上させためのアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、フッ素系界面活性剤や皮膜の物性改良のため水溶性可塑剤などの公知の添加剤を加えることができる。水溶性の可塑剤としては、例えば、プロピオンアミド、シクロヘキサンジオール、グリセリン、ソルビトール等が挙げられる。また、水溶性の(メタ)アクリル系ポリマーを加えることもできる。さらに、この塗布液には、画像記録層との密着性、塗布液の経時安定性を向上するための公知の添加剤を加えてもよい。
このように調製された保護層塗布液を、支持体上に備えられた画像記録層の上に塗布し、乾燥することで保護層を形成する。塗布溶剤はバインダーとの関連において適宜選択することができるが、水溶性ポリマーを用いる場合には、蒸留水、精製水を用いることが好ましい。保護層の塗布方法は、特に制限されるものではなく、米国特許第3,458,311号明細書又は特公昭55−49729号公報に記載されている方法など公知の方法を適用することができる。具体的には、例えば、保護層は、ブレード塗布法、エアナイフ塗布法、グラビア塗布法、ロールコーティング塗布法、スプレー塗布法、ディップ塗布法、バー塗布法等が挙げられる。
保護層の塗布量としては、乾燥後の塗布量で、0.01〜10g/mの範囲であることが好ましく、0.02〜3g/mの範囲がより好ましく、最も好ましくは0.02〜1g/mの範囲である。
〔平版印刷方法〕
本発明の平版印刷版原版を露光する光源としては、公知のものを用いることができる。具体的には各種レーザーを光源として用いることが好適である。本発明の平版印刷方法においては、平版印刷版原版を赤外線レーザーで画像様に露光する。用いられる赤外線レーザーは、特に限定されないが、波長760〜1200nmの赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーが好適なものとして挙げられる。
露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等のいずれでもよい。赤外線レーザーの出力は、100mW以上であるのが好ましい。また、露光時間を短縮するため、マルチビームレーザーデバイスを用いるのが好ましい。1画素あたりの露光時間は、20μs以内であるのが好ましい。また、照射エネルギー量は、10〜300mJ/cm2であるのが好ましい。
本発明の平版印刷方法においては、上述したように、本発明の平版印刷版原版を赤外線レーザーで画像様に露光した後、なんらの現像処理工程を経ることなく油性インキと水性成分とを供給して印刷する。
具体的には、平版印刷版原版を赤外線レーザーで露光した後、現像処理工程を経ることなく印刷機に装着して印刷する方法、平版印刷版原版を印刷機に装着した後、印刷機上において赤外線レーザーで露光し、現像処理工程を経ることなく印刷する方法等が挙げられる。
平版印刷版原版をレーザーで画像様に露光した後、湿式現像処理工程等の現像処理工程を経ることなく水性成分と油性インキとを供給して印刷すると、画像記録層の露光部においては、露光により硬化した画像記録層が、親油性表面を有する油性インキ受容部を形成する。一方、未露光部においては、供給された水性成分及び/又は油性インキによって、未硬化の画像記録層が溶解し又は分散して除去され、その部分に親水性の表面が露出する。
その結果、水性成分は露出した親水性の表面に付着し、油性インキは露光領域の画像記録層に着肉し、印刷が開始される。ここで、最初に版面に供給されるのは、水性成分でもよく、油性インキでもよいが、水性成分が未露光部の画像記録層により汚染されることを防止する点で、最初に油性インキを供給するのが好ましい。水性成分及び油性インキとしては、通常の平版印刷用の湿し水と印刷インキが用いられる。
このようにして、平版印刷版原版はオフセット印刷機上で機上現像され、そのまま多数枚の印刷に用いられる。
以下、本発明の重合性組成物を用いた平版印刷版原版作製の実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔支持体の作製〕
厚み0.3mmのアルミニウム板(材質1050)の表面の圧延油を除去するため、10質量%アルミン酸ソーダ水溶液を用いて50℃で30秒間、脱脂処理を施した後、毛径0.3mmの束植ナイロンブラシ3本とメジアン径25μmのパミス−水懸濁液(比重1.1g/cm)を用いアルミ表面を砂目立てして、水でよく洗浄した。この板を45℃の25質量%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い、水洗後、さらに60℃で20質量%硝酸に20秒間浸漬し、水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/mであった。
次に、60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温は50℃であった。交流電源波形は、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電流密度は電流のピーク値で30A/dm、補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。硝酸電解における電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量175C/dmであった。その後、スプレーによる水洗を行った。
さらに、塩酸0.5質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、液温50℃の電解液にて、アルミニウム板が陽極時の電気量50C/dmの条件で、硝酸電解と同様の方法で、電気化学的な粗面化処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。この板を15質量%硫酸(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)を電解液として電流密度15A/dmで2.5g/mの直流陽極酸化皮膜を設けた後、水洗、乾燥した。この基板の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.51μmであった。さらに、下記下塗り液(1)を乾燥塗布量が6mg/mになるよう塗布して支持体とした。
−下塗り液(1)−
・下塗り化合物(1)(質量平均分子量:60,000) 0.017g
・メタノール 9.00g
・水 1.00g
Figure 2008233685
〔実施例1〜9、比較例1〜3〕
1.平版印刷版原版の作製
上記下塗り層形成済みの支持体上に、下記組成の画像記録層塗布液をバー塗布した後、100℃で60秒間オーブン乾燥し、乾燥塗布量1.0g/mの画像記録層を形成した。
引き続き、下記組成の保護層塗布液を前記画像記録層上にバー塗布し、120℃、60秒でオーブン乾燥し、乾燥塗布量0.15g/mの保護層を形成することで平版印刷版原版(1)〜(9)及び比較用平版印刷版原版(R1)〜(R3)を得た。
画像記録層塗布液は、下記の、感光液{(1)〜(9)、(R1)〜(R3)}及びミクロゲル液(1)を塗布直前に混合し、攪拌することにより得た。
なお、比較例1〜3に使用した感光液(R1)〜(R3)においては、本発明の(A)特定化合物に換えて、それぞれ下記構造の比較重合開始剤(R−1)〜(R−3)を用いた。
−感光液(1)〜(9)、(R1)〜(R3)−
(D)バインダーポリマー(1) 0.177g
(A)特定化合物又は比較重合開始剤
(表1に記載の化合物) Xg
(B)赤外線吸収剤(1) 0.031g
(C)重合性モノマー(アロニックスM−215(東亜合成(株)製) 0.319g
ホスホニウム化合物(1) 0.035g
フッ素系界面活性剤(1) 0.004g
アニオン系界面活性剤 0.125g
(パイオニンA−24−EA(竹本油脂(株)製、40質量%水溶液)
メチルエチルケトン 2.554g
1−メトキシ−2−プロパノール 7.023g

―ミクロゲル液(1)―
ミクロゲル分散液(1) 1.800g
水 1.678g
−ミクロゲル分散液(1)の合成−
油相成分として、トリメチロールプロパンとキシレンジイソシアナート付加体(三井武田ケミカル(株)製、タケネートD−110N、75質量%酢酸エチル溶液)10.0g、重合性モノマーとしてアロニックスM−215(東亜合成(株)製)6.00g、パイオニンA−41C(竹本油脂(株)製)0.12gを酢酸エチル16.67gに溶解した。水相成分としてPVA−205の4質量%水溶液37.5gを調製した。油相成分及び水相成分を混合し、ホモジナイザーを用いて12,000rpmで10分間乳化した。得られた乳化物を、蒸留水25gに添加し、室温で30分攪拌後、40℃で2時間攪拌した。このようにして得られたマイクロカプセル液の固形分濃度を、21質量%になるように蒸留水を用いて希釈し、ミクロゲル分散液(1)を得た。平均粒径は0.23μmであった。
なお、前記感光液に使用する各化合物の構造を以下に示す。
Figure 2008233685
Figure 2008233685
Figure 2008233685
保護層塗布液
・下記層状化合物分散液(1) 1.5g
・ポリビニルアルコール 0.06g
(PVA105、(株)クラレ製、けん化度98.5モル%、重合度500)
・ポリビニルピロリドン 0.01g
(ポリビニルピロリドンK30、東京化成工業(株)製、分子量Mw=4万)
・ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体 0.01g
(LUVITEC VA64W、ISP社製、共重合比=6/4)
・ノニオン系界面活性剤 0.01g (エマレックス710、日本エマルジョン(株)製)
・イオン交換水 6.0g
層状化合物分散液(1)の調製
イオン交換水193.6gに合成雲母ソマシフME−100(コープケミカル(株)製)6.4gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)が3μmになるまで分散した。得られた層状化合物粒子のアスペクト比は100以上であった。
2.平版印刷版原版の評価
(露光)
得られた平版印刷版原版(1)〜(9)及び(R1)〜(R3)を水冷式40W赤外線半導体レーザー搭載のCreo社製Trendsetter3244VXにて、出力11.7W、外面ドラム回転数250rpm、解像度2400dpiの条件で露光した。
(検版性の評価)
得られた露光済み原版をそのまま暗所、25℃、相対湿度50%の雰囲気下で30分間静置した後に検版性を評価した。検版のし易さは、L表色系のL値(明度)を用い、露光部のL値と未露光部のL値の差ΔLで表記した。ΔLの値が大きい程、検版性が優れることを意味しており、この数値が2.0以上であれば、目視での検版性に優れるといえる。測定は、KONICA−MINOLTA製分光測色計CM2600dとオペレーションソフトCM−S100Wを用い、SCE(正反射光除去)方式で行った。SCE方式では、正反射光を除去し、拡散光だけを測定しているので、目視に近い色の評価となり、実際の人による検版とよく相関する。結果を表1に示す。
(経時安定性の評価)
塗布した原版を温度60度、湿度50%に保たれたオーブンに入れて2日間保管し、上記ΔLを測定した。安定性のよい原版は経時による色見の変化がなく、露光時のみに発色するのに対して、安定性の悪い原版は経時により原版が発色する。そこで、経時安定性の指標として経時前後の明度差を安定性ΔLとして表記した。値が小さいほど安定性がよいということを示す。
Figure 2008233685
表1の結果より、本発明の画像記録材料を適用した平版印刷版原版は、レーザー露光により露光部と未露光部のコントラストは良好であり、優れた視認性を維持したまま経時安定性が向上することが確認された。

Claims (10)

  1. (A)下記一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物、(B)赤外線吸収剤、及び(C)付加重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも一つ有する化合物、を含有することを特徴とする重合性組成物。
    Figure 2008233685
    (式中、Rは、一価の有機基を表し、RからR13は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、又は一価の有機基を表す。Xは任意のアニオンを表す。Aは炭素原子もしくは窒素原子を表しており、Aが窒素原子の場合は、一般式(1)中のR及び一般式(2)中のRはそれぞれ非共有電子対を表す。また、式中において、一般式(1)のR、R及びRのうち少なくとも一つ、ならびに一般式(2)のR及びRのうち少なくとも一つは、炭素原子数1から20までの直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基、又は置換アリール基によって置換される。)
  2. 前記(B)赤外線吸収剤が、シアニン色素であることを特徴とする請求項1に記載の重合性組成物。
  3. 前記(B)赤外線吸収剤が、分子内に溶剤溶解性基を有する化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の重合性組成物。
  4. 前記(B)赤外線吸収剤が有する溶剤溶解性基が、アルキルオキシ基、アリールオキシ基、アルキルオキシカルボニル基、及び、アリールオキシカルボニル基からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか一項に記載の重合性組成物。
  5. 前記(B)赤外線吸収剤が、下記一般式(3)で表されるシアニン色素構造を有し、分子中に少なくとも一種の溶剤溶解性基を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の重合性組成物。
    Figure 2008233685
    (式中、Z及びZはそれぞれ独立に置換基を有していてもよい芳香環あるいは複素芳香環を表す。R及びRはそれぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素数20以下の炭化水素基を表し、R及びR10はそれぞれ独立に水素原子又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を表す。Zaは、電荷の中和が必要な場合に存在する対アニオンを表す。)
  6. 前記(B)赤外線吸収剤がカチオンとアニオンとからなる塩構造を有し、該アニオン及び(A)前記一般式(1)又は一般式(2)で表される化合物のアニオンの少なくとも一方が無機アニオンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の重合性組成物。
  7. 前記重合性組成物が、さらに、(D)バインダーポリマーを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の重合性組成物。
  8. 前記重合性組成物が、(E)マイクロカプセル又はミクロゲルを含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の重合性組成物。
  9. 支持体上に、請求項1〜8のいずれか一項に記載の重合性組成物を含有し、油性インキ及び/又は水性成分により除去される画像記録層を有する平版印刷版原版。
  10. 前記の平版印刷版原版を、赤外線レーザーで画像様に露光する工程と、露光後の平版印刷版原版になんらの現像処理を施すことなく、油性インキと水性成分とを供給して、印刷する印刷工程とを有し、該印刷工程の途上において画像記録層の赤外線レーザー未露光部分が油性インキ及び/又は水性成分により除去されることを特徴とする平版印刷方法。
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