JP2008232633A - Fbg水圧変動測定センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】観測点の水を制限的にセンサ内に出入りさせることによって、深海などの高水圧下でも高精度に水圧の変化(水圧変動)が測定できるFBG水圧変動測定センサを提供する。本発明のFBG水圧変動測定センサは、津波観測用の水圧計として利用できる。
【解決手段】観測点の水圧の変化を受けて水圧検出面1bの面形状が変形する、外部との水の出入りを可能にしたチャンバ1と、チャンバ1の開口1aに連通し、このチャンバ1への水の出入りを制限する水量調整器2と、チャンバ1の水圧検出面1bにファイバ3を介して設けられ、この水圧検出面1bの面形状の変形の度合いにより伸縮するFBG4とを備え、観測点の水圧の変化により変形したチャンバ1の水圧検出面1bの面形状が、水量調整器2を介して行われる水の出入りとともに復元されてしまう前に、水圧検出面1bの面形状の変形の度合いをFBG4の伸縮により検出して観測点の水圧変動を測定する。
【選択図】図1
【解決手段】観測点の水圧の変化を受けて水圧検出面1bの面形状が変形する、外部との水の出入りを可能にしたチャンバ1と、チャンバ1の開口1aに連通し、このチャンバ1への水の出入りを制限する水量調整器2と、チャンバ1の水圧検出面1bにファイバ3を介して設けられ、この水圧検出面1bの面形状の変形の度合いにより伸縮するFBG4とを備え、観測点の水圧の変化により変形したチャンバ1の水圧検出面1bの面形状が、水量調整器2を介して行われる水の出入りとともに復元されてしまう前に、水圧検出面1bの面形状の変形の度合いをFBG4の伸縮により検出して観測点の水圧変動を測定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、観測点における水圧の変化(水圧変動)をFBG(ファイバブラッググレーティング)の伸縮(反射波長が変化する)により測定するFBG水圧変動測定センサに関し、特に深海などの高水圧下でも高精度の測定ができるFBG水圧変動測定センサに関する。本発明のFBG水圧変動測定センサは、津波観測用の水圧計として利用できる。
FBGは、ファイバの所定長さ範囲のコア部の屈折率を一定間隔で周期的に変化させたもので、このFBGの一端側に光を入射すると、その入射光のうち特定波長(ブラッグ波長という)の光だけが反射されて、他の波長の光は透過する。このブラッグ波長は、屈折率が一定間隔で周期的に変化している部分が受ける軸方向の歪み(圧縮、伸長)に応じて変化する。したがって、このFBGの一端側に光を入射して反射してくる光の波長(反射波長)あるいは透過してくる光の波長を測定することで、FBGに加わった歪み(FBGの伸縮)を測定することができる。
従来、このようなFBGの性質を利用して観測点における水圧変動を大気圧に対して測定し、その水圧変動から観測点の水位を求める水位センサがあった(例えば特許文献1及び2参照)。
しかしながら、このような従来の水位センサでは、水深約2000mの海底に設置されて、海底の水圧変化から海面変動を数cm程度の精度で測定することが要求される津波観測用の水圧計として利用できないという問題があった。
ここで、その理由を説明する。例えば、高水圧になるほどFBGが伸張する(反射波長が長くなる)というような構造の水位センサにおいて、FBGの最大の伸張範囲(越えると破損する)を波長範囲で2000pmとし、このFBGが陸上(大気圧状態)でテンションなしで取り付けられているとする。この水位センサを水深2000mの海底に沈めた場合、水位センサの感度は1pm/m以下に設定する必要がある。もしこれ以上に感度を上げた場合、水深が2000mに達する前にFBGの伸びが2000pmを越えてしまい、破損する。一方、FBGからの反射波長を測定する光スペクトラムアナライザ等での波長測定精度は数pm程度である。したがって、上記の水位センサの感度(1pm/m)及び波長測定精度(数pm程度)から、この水位センサによる海面変動の測定精度は数m程度となり、津波観測用の水圧計としての測定精度が満足できない。
本発明は、観測点の水を制限的にセンサ内に出入りさせることによって、これらの課題を解決し、深海などの高水圧下でも高精度に水圧の変化(水圧変動)が測定できるFBG水圧変動測定センサを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1のFBG水圧変動測定センサでは、観測点の水圧の変化を受けてその少なくとも一部の面の形状が変形する、外部との水の出入りを可能にしたチャンバ(1)と、該チャンバに連通し、当該チャンバへの水の出入りを制限する水量調整器(2)と、前記チャンバにファイバ(3)を介して設けられ、前記一部の面の形状の変形の度合いにより伸縮するFBG(4)とを備え、観測点の水圧の変化により変形した前記チャンバの一部の面の形状が前記水量調整器を介して行われる水の出入りとともに復元されてしまう前に当該水圧の変化を前記FBGの伸縮により測定するようにした。
また、本発明の請求項2のFBG水圧変動測定センサでは、上述した請求項1のFBG水圧変動測定センサにおいて、前記FBGの伸縮による反射波長の変化量が水深1m当たり50pm以上であるようにした。
本発明の請求項1のFBG水圧変動測定センサでは、観測点の水圧の変化により変形したチャンバの一部の面の形状が水量調整器を介して行われる水の出入りとともに復元されてしまう前にこの水圧の変化をFBGの伸縮により測定するようにしたので、深海などの高水圧下でも高精度に水圧変動が測定できる。
本発明の請求項2のFBG水圧変動測定センサでは、FBGの伸縮による反射波長の変化量が水深1m当たり50pm以上であるようにしたので、水深約2000mの海底に設置されて、海底の水圧変化から海面変動を数cm程度の精度で測定することが要求される津波観測用の水圧計として利用できる。
本発明の実施形態のFBG水圧変動測定センサの基本的な構成を図1に示す。チャンバ1は、観測点の水が出入りできる開口1aと、観測点の水圧の変化を受けて面の形状が図2、3に示すように変形する水圧検出面1bを備えている。水圧検出面1bは、外力(水圧)による変形に対して、変形のない元の状態に戻る復元力を有している。なお、図1〜3に示す形態はあくまで模式図であり、実際の形態においては十分な剛性を有する構造・材質にて構成されている。従って、観測点である海底等においても圧力差によって破損することなく、観測点の水圧変動を測定することが可能である。
水量調整器2は、チャンバ1の開口1aに連通し、チャンバ1への水の出入りを制限する。なお、水量調整器2は、図1に示すようなくびれた管のほかに、バルブ(弁)を用いてもよい。
FBG4は、チャンバ1における水圧検出面1bの面形状の変形の度合いによって伸縮するように水圧検出面1bに取り付けられている。具体的には、図2に示すように水圧が上昇したときには伸張し、また図3に示すように水圧が下降したときには圧縮するように取り付けられている。なお、FBG4は、ファイバ3を介して、広帯域光源、光スペクトラムアナライザ等で構成される反射波長の測定器(図示しない)に接続されている。
このように構成されたFBG水圧変動測定センサの測定原理を説明する。例えば、チャンバ1に掛かる水圧が上昇して水圧検出面1bが図2に示すように変形し、その結果、チャンバ1は圧縮され体積がΔV減少したとする。水量調整器2の単位時間当たりの水の通過量がSであれば、水圧検出面1bはΔV/Sの時間を掛けて元の変形のない状態に戻り、その結果、チャンバ1は元の体積に復元する。水圧の変化に対して、ΔV/Sが充分に遅いならば、FBG4で検出された水圧検出面1bの面形状の変形の度合い(チャンバ1の体積の減少量ΔVに相当する)が水圧の変化(水圧変動)に比例し、水位の変化にも比例する。すなわち、観測点の水圧変動によって変形したチャンバ1の水圧検出面1bの面形状が、水量調整器2を介して行われる水の出入りとともに復元されてしまう前に、水圧検出面1bの面形状の変形の度合いをFBG4の伸縮により検出して観測点の水圧変動を測定する。
ここで、観測点の水深がL(水圧P)であったものが、L+ΔL(水圧P+ΔPに上昇)に変化した場合について、チャンバ1における水圧検出面1bの変形とFBG4の伸縮(FBG歪量で表す)の関係を図2に示す。図2に示すA〜Dは、それぞれ次のような状態を表している。Aは、水深がL(水圧P)でFBG4にテンションが掛かっていない(FBG歪量の0で表す)状態。Bは、水深がL+ΔL(水圧P+ΔPに上昇)に変化し、水圧検出面1bが内側に変形してFBG4が伸張した(FBG歪量の+側で表す)状態。Cは、水深がL+ΔL(水圧P+ΔP)のままで、水圧検出面1bが復元するとともに水がチャンバ1内に吸入されて、FBG4が伸張からテンションの掛からないFBG歪量0に変化していく状態。Dは、水深がL+ΔL(水圧P+ΔP)でFBG4にテンションが掛かっていない(FBG歪量0)状態。
次に、観測点の水深がL(水圧P)であったものが、L−ΔL(水圧P−ΔPに下降)に変化した場合について、チャンバ1における水圧検出面1bの変形とFBG4の伸縮(FBG歪量で表す)の関係を図3に示す。図3に示すE〜Hは、それぞれ次のような状態を表している。Eは、水深がL(水圧P)でFBG4にテンションが掛かっていない(FBG歪量の0で表す)状態。Fは、水深がL−ΔL(水圧P−ΔPに下降)に変化し、水圧検出面1bが外側に変形してFBG4が圧縮した(FBG歪量の−側で表す)状態。Gは、水深がL−ΔL(水圧P−ΔP)のままで、水圧検出面1bが復元するとともに水がチャンバ1外に排出されて、FBG4が圧縮からテンションの掛からないFBG歪量0に変化していく状態。Hは、水深がL−ΔL(水圧P−ΔP)でFBG4にテンションが掛かっていない(FBG歪量0)状態。
以上のように、本発明のFBG水圧変動測定センサは、チャンバ1内に水量調整器2を介して観測点の水を出入りさせている(チャンバ1は密閉されていない)ため、高水圧に耐える必要がない。したがって、水深約2000mの海底の水圧変動を測定するような場合に、FBG4の検出感度を数10pm〜数100pm/m(FBG4の伸縮による反射波長の変化量が水深1m当たり数10pm〜数100pm)にしても、従来のように破損することを心配する必要がない。しかも、FBG4の検出感度を50pm/m以上とすると、上述した反射波長の測定器の波長測定精度が数pm程度であったとしても、本発明のFBG水圧変動測定センサによる水位変動(海面変動)の測定精度は数cm程度以上となり、上述した津波観測用の水圧計として利用できる。
1・・・チャンバ、1a・・・開口、1b・・・水圧検出面、2・・・水量調整器、3・・・ファイバ、4・・・FBG。
Claims (2)
- 観測点の水圧の変化を受けてその少なくとも一部の面の形状が変形する、外部との水の出入りを可能にしたチャンバ(1)と、
該チャンバに連通し、当該チャンバへの水の出入りを制限する水量調整器(2)と、
前記チャンバにファイバ(3)を介して設けられ、前記一部の面の形状の変形の度合いにより伸縮するFBG(4)とを備え、観測点の水圧の変化により変形した前記チャンバの一部の面の形状が前記水量調整器を介して行われる水の出入りとともに復元されてしまう前に当該水圧の変化を前記FBGの伸縮により測定することを特徴とするFBG水圧変動測定センサ。 - 前記FBGの伸縮による反射波長の変化量が水深1m当たり50pm以上であることを特徴とする請求項1に記載のFBG水圧変動測定センサ。
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JP2007068153A JP2008232633A (ja) | 2007-03-16 | 2007-03-16 | Fbg水圧変動測定センサ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2007
- 2007-03-16 JP JP2007068153A patent/JP2008232633A/ja not_active Ceased
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