JP2008232610A - スケジュール生成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数台の冷凍冷蔵装置の運転時におけるデマンドピークを抑制する運転スケジュールを自動作成する。
【解決手段】スケジュール作成演算部20は、複数台の冷凍機11の消費電力と複数台の霜取用ヒータ12の消費電力との一定期間の実測値から、デフロスト電力とリバウンド電力とベース電力とで表した近似モデルを生成する。スケジュール作成演算部20は、コンピュータであって、近似モデルからすべての冷凍冷蔵装置に関する消費電力の合計のピーク値を最小化するようにデフロスト期間を組合せて運転スケジュールを自動的に作成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍冷蔵装置についてデマンド制御を行うための運転スケジュールを作成するスケジュール生成装置に関するものである。
一般に、食品を扱うスーパマーケットや百貨店のような店舗では、照明設備、空調設備、冷凍冷蔵装置の3種類の設備機器が主な電力消費機器になる。とくに、冷凍冷蔵装置は消費電力が大きいから、冷凍冷蔵装置の消費電力の増減は店舗全体での消費電力の増減に大きく影響する。
冷凍冷蔵装置の消費電力を増減させる要因にはデフロスト(霜取り)がある。デフロストは、蒸発器に設けた霜取用ヒータに通電することにより実施され、霜取用ヒータに1日に通電する回数は各冷凍冷蔵装置ごとに2〜6回程度になる。デフロストを実施する期間には、冷凍機の運転を停止させるから冷凍機での消費電力はゼロになるが、霜取用ヒータに通電されることにより冷凍機の運転中よりも消費電力が大きくなる。また、デフロストが終了すると霜取用ヒータへの通電が停止され、冷凍冷蔵装置の庫内を設定温度まで冷却するために冷凍機での消費電力が一時的に増加する。
上述のように、デフロストの終了後には一時的に電力が増大するから、店舗内に複数台の冷凍冷蔵装置が存在する場合に、異なる冷凍冷蔵装置のデフロストの期間が重複すると、消費電力が大幅に増加することになる。
一方、電力会社は業務電力の基本料金を消費電力のピーク値に基づいて定めているから、デフロストの期間が重複することによりデフロストに引き続く電力の増大期間が重複すると、消費電力のピーク値(デマンドピーク)の増大により基本料金が増加する可能性が生じる。したがって、需要家では消費電力のピーク値を抑制するデマンド制御を行うことが必要になっている。
デマンドピークを低減させるには、冷凍冷蔵装置ごとにデフロストの期間を異ならせるのが望ましい。しかしながら、冷凍冷蔵装置ごとに、1日のデフロストの回数、設定温度、霜取ヒータの電力量、デフロスト後の電力量などの条件が異なる上に、検温の際にはデフロストを禁止しなければならないというような制約条件もあるから、デフロストの時刻を考慮した運転スケジュールの作成には困難を伴う。その結果、通常は冷凍冷蔵装置のデフォルトの設定で運用されていることが多い。
この種の問題を解決するために、デマンドピークが生じる時刻の情報に基づいて、その時刻を避けるようにデフロストの時刻を設定することが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。また、冷蔵冷蔵装置ごとに異なるタイミングでデフロストを開始する技術も提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開2006−322629号公報 特開平9−189474号公報
ところで、特許文献1に記載の技術では、デマンドピークの時間帯を回避しているものの、デフロストを実施した場合には意図しないタイミングでデマンドピークが発生する可能性がある。また、特許文献2に記載の技術では、デフロストの時間帯を各冷凍冷蔵装置でずらしているから、デフロストによるデマンドピークは回避できるが、デフロスト後に設定温度まで冷却するために必要なリバウンド期間の電力が考慮されておらず、リバウンド期間においてデマンドピークが増加する可能性がある。
また、運転スケジュールの作成にあたっては、冷凍冷却装置の台数が増加するとデフロスト期間の組合せだけでも膨大な数になるから、熟練者の経験により運転スケジュールを作成しているのが現状である。すなわち、従来技術では、適切なモデル化が行われておらず、運転スケジュールを自動生成するのは容易ではない。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、適切な近似モデルを用いることにより複数の冷凍冷蔵装置のデマンドピークを抑制する運転スケジュールを比較的少ない計算量で自動的に作成することを可能にしたスケジュール生成装置を提供することにある。
請求項1の発明は、冷凍機と霜取用ヒータとを備える複数台の冷凍冷蔵装置の運転スケジュールについて各冷凍冷蔵装置に設けた霜取用ヒータに通電するデフロスト期間を調節する運転スケジュール作成装置であって、複数台の冷凍機の消費電力と複数台の霜取用ヒータの消費電力との一定期間の実測値をそれぞれ平滑化することにより、デフロスト期間の消費電力であるデフロスト電力と、デフロスト期間の終了後から設定温度に戻るまでのリバウンド期間の消費電力であるリバウンド電力と、デフロスト期間およびリバウンド期間を除く期間の消費電力であるベース電力とで表した近似モデルを生成し、当該近似モデルからすべての冷凍冷蔵装置に関する消費電力の合計のピーク値を最小化するようにデフロスト期間を組合せてコンピュータの支援により運転スケジュールを自動的に作成するスケジュール作成演算部を備えることを特徴とする。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記スケジュール作成演算部は、前記デフロスト期間および前記リバウンド期間の重複を許した形で運転スケジュールを生成することを特徴とする。
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、各前記冷凍機は圧縮式であって前記冷凍冷蔵装置は複数台の圧縮機を備え、前記スケジュール作成演算部は、前記近似モデルのうちのベース電力とリバウンド電力として、圧縮機の稼働台数ごとの気温と運転回数との関係および気温と消費電力との関係を用いて推定した値を用いることを特徴とする。
請求項4の発明では、請求項1又は2の発明において、各前記冷凍機は圧縮式であって前記冷凍冷蔵装置は複数台の圧縮機を備え、前記スケジュール作成演算部は、前記近似モデルのうちのベース電力として、圧縮機の稼働台数ごとの気温と運転回数との関係および気温と消費電力との関係を用いて推定した値を用い、近似モデルのうちのリバウンド電力として、前記ベース電力に所定温度分に相当する規定の電力を加算した値を用いることを特徴とする。
請求項5の発明では、請求項1又は2の発明において、各前記冷凍機は圧縮式であって前記冷凍冷蔵装置は複数台の圧縮機を備え、前記スケジュール作成演算部は、前記近似モデルのうちのベース電力として、気温を用いて推定した値を用い、近似モデルのうちのリバウンド電力として、規定の特性で推定した値を用いることを特徴とする。
請求項6の発明では、請求項1〜5のいずれかの発明において、前記スケジュール作成演算部は、前記運転スケジュールを生成するためにすべての前記冷凍冷蔵装置に関する消費電力の合計のピーク値を評価するにあたり、規定の単位時間ごとの消費電力の合計の平均値を評価することを特徴とする。
請求項7の発明では、請求項6の発明において、前記スケジュール作成演算部は、前記平均値のピーク値が等しい運転スケジュールが複数存在するときには、当該運転スケジュールの前記単位時間ごとの時系列データから求められる二乗総和値または二乗平均値が小さいほうの運転スケジュールを採用することを特徴とする。
請求項8の発明では、請求項1〜7のいずれかの発明において、前記スケジュール作成演算部は、指定した時間帯では、すべての前記冷凍冷蔵装置に関する消費電力の合計に指定の電力値を加算した値でピーク値を評価することを特徴とする。
請求項9の発明では、請求項8記載の発明において、前記スケジュール作成演算部は、すべての前記冷凍冷蔵装置に関する消費電力の合計のピーク値を最小化するデフロスト期間の組合せを求めるにあたり、前記一定期間における各冷凍冷蔵装置のデフロスト期間の最初の開始時刻を成分に持つ染色体に遺伝的アルゴリズムを適用して組合せを求めることを特徴とする。
請求項1の発明の構成によれば、霜取用ヒータに通電することにより冷凍機を運転している期間よりも電力が増加するデフロスト期間に着目し、複数台の冷凍冷蔵装置においてデフロスト期間を調節するから、複数台の冷凍冷蔵装置を運転している場合の消費電力の合計のピーク値(いわゆる、デマンドピーク)を抑制することができる。たとえば、電力会社の料金体系によってデマンドピークが規定値を越えると料金単価が増加するような場合に、料金単価が増加するのを防止するようにデマンドピークを制御することができる。
また、冷凍冷蔵装置の消費電力をデフロスト電力とリバウンド電力とベース電力との3種類の電力に単純化しているから、デフロスト期間を調節するための情報を持ちながらも情報量を低減させることができ、消費電力のピーク値を低減させるデフロスト期間の良好な組合せを探索する探索空間が小さくなり、結果的に良好な解(デマンドピークを抑制できるデマンド期間の組合せ)を短時間で探索することが可能になる。
請求項2の発明の構成によれば、デフロスト期間およびリバウンド期間の重複を許した形で運転スケジュールを生成するから、従来構成のように、複数台の冷凍冷蔵装置のデフロスト期間を完全にずらす必要がなく、一部の冷凍冷蔵装置ではデフロスト期間やリバウンド期間が重複するような運転スケジュールを設定することも可能になる。その結果、ピーク電力の増加を抑制しながらも、複数台の冷凍冷蔵装置でデフロスト期間が長期間に亘って分散することを防止するように運転スケジュールを作成することが可能になる。とくに、この種の冷凍冷蔵装置を設置している店舗では、開店時刻の直前において霜取りが終了して冷凍冷蔵装置の庫内温度が設定温度に達していることが望ましいから、デフロスト期間を開店時刻の直前に集中させることになるが、こような場合でもデマンドピークを抑制しつつ比較的短時間でデフロスト期間とリバウンド期間とを終了させることが可能になる。
請求項3の発明の構成によれば、冷凍冷蔵装置が複数台の圧縮機を備える場合に、冷凍機と霜取用ヒータとの消費電力の実測値を求めたときの気温とは気温の異なる環境であっても適正な運転スケジュールを設定することが可能になる。たとえば、春季の実測値を用いて夏季の運転スケジュールを設定することが可能になる。
請求項4の発明の構成によれば、冷凍機と霜取用ヒータとの消費電力の実測値を求めたときの気温とは気温の異なる環境であっても適正な運転スケジュールを設定することが可能になる。たとえば、春季の実測値を用いて夏季の運転スケジュールを設定することが可能になる。加えて、リバウンド電力はベース電力に規定の電力を加算した値を用いるから、ベース電力とリバウンド電力とは一定の関係になり、それだけ情報量を低減させることができるから、運転スケジュールを求めるための処理負荷が低減される。また、消費電力の実測値では、気温によってはベース電力とリバウンド電力の差が小さくリバウンド期間を明確に区別できない場合があるが、リバウンド電力をベース電力と明確に区別しているから、ベース電力とリバウンド電力とを明確に区別できないような気温のときに得られた実測値を用いる場合でも、デマンドピークを抑制する運転スケジュールを作成することができる。
請求項5の発明の構成によれば、ベース電力を気温から推定しており、リバウンド電力をベース電力から推定するから、気温のみをパラメータとしてデマンドピークを抑制するように運転スケジュールを作成することができ、運転スケジュールを求める際の処理負荷を小さくすることができる。
請求項6の発明の構成によれば、運転スケジュールの評価の際に単位時間ごとの平均値を用いるから、評価のための情報量を低減させて処理負荷を低減さえることができる。また、単位時間を適正に設定することにより、消費電力の微小変動に影響されないようにしながらもデフロスト期間を精度よく決定することが可能になる。
請求項7の発明の構成によれば、運転スケジュールを評価するにあたり、すべての冷凍冷蔵装置の消費電力を合算した合計の消費電力について単位時間ごとの平均値のピーク値が等しい運転スケジュールについては、二乗総和値や二乗平均値が小さいほうの運転スケジュールを採用するから、一定期間における消費電力量の小さいほうの運転スケジュールを選択することが可能になる。
請求項8の発明の構成によれば、他の設備機器を運転するなどの必要性から冷凍冷蔵装置における消費電力を抑制する必要がある時間帯については、指定した電力値を加算してピーク値を評価することにより、当該時間帯については指定した電力値分だけ小さい電力で運転するように運転スケジュールを設定することが可能になる。つまり、運転スケジュールについて制約条件の生じる時間帯については、仮想的に電力値を設定することにより、運転スケジュールを作成する手順を変更することなく制約条件を加味した運転スケジュールを作成することが可能になる。
請求項9の発明の構成によれば、前記一定期間内でのデフロスト期間の最初の開始時刻を成分に持つ染色体に遺伝的アルゴリズムを適用してデフロスト期間の組合せを求めるから、遺伝的アルゴリズムによる探索空間を小さくすることができ、結果的に処理負荷を小さくすることができる。
以下では、図1に示すシステムを例として実施形態を説明する。図1に示す例は、大型の店舗のように複数台の冷凍冷蔵装置1を用いる場合において、消費電力を低減させるように運転スケジュールを作成し、その運転スケジュールに従って冷凍冷蔵装置1を制御するデマンド制御システムを示している。
各冷凍冷蔵装置1は、ショーケース10の庫内を冷却する冷凍機(圧縮式を想定しているが他の方式でもよい)11と、蒸発器のデフロスト(霜取り)を行う霜取用ヒータ12と、冷凍機11および霜取用ヒータ12への通電を制御する制御部13と、冷凍機11と霜取用ヒータ12とのそれぞれの消費電力を計測する電力計測部14a,14bと、伝送路3を通じて制御部13に対する指示を受信し、また電力計測部14a,14bによる計測結果を送信するネットワーク通信部15とを備える。制御部13は、冷凍機11の運転中には、ショーケース10内に配置した図示しない温度センサにより検出される温度が設定温度に維持されるように冷凍機11に電力を供給する。また、デフロストを適時行うのは、蒸発器に霜が付着すると冷凍機11による冷却効率が低下するからである。
図示例では、1台の冷凍冷蔵装置1に複数室(図示例は3室)に区分されたショーケース10を想定しているが、冷凍冷蔵装置1におけるショーケース10の構成についてはとくに制限はなく、1台の冷凍冷蔵装置1に複数段の棚を設けた構成(多段型)や、1台の冷凍冷蔵装置1の上面を開放した構成(アイランド型)などを用いることもできる。
制御部13は、冷凍機11と霜取用ヒータ12とのオン/オフを制御する機能を有し、伝送路3を通して指示される運転スケジュールを格納する内蔵記憶部(図示せず)と、現在時刻を計時する内蔵タイマ(図示せず)と、内蔵記憶部に格納した運転スケジュールと内蔵タイマが計時する時刻とを照合する照合部(図示せず)とを備える。照合部では、内蔵記憶部に格納した運転スケジュールで示された時刻が内蔵タイマの計時する時刻に一致すると冷凍機11および霜取用ヒータ12のオン/オフを制御する。すなわち、冷凍機11と霜取用ヒータ12との通電は運転スケジュールに従って制御される。
制御部13に格納される運転スケジュールは、運転スケジュール作成装置2により作成される。運転スケジュール作成装置2は、各冷凍冷蔵装置1の制御部13に渡す運転スケジュールを作成するスケジュール作成演算部20と、伝送路3を通して冷凍冷凍装置1と通信するネットワーク通信部21とを備える。スケジュール作成演算部20は、CPUと記憶装置とを備えるコンピュータであり、後述の手順で運転スケジュールを作成する。なお、通信仕様については運転スケジュールを伝送可能であるかぎりとくに制限はない。
スケジュール作成演算部20では、以下に説明する方針で各冷凍冷蔵装置1の運転スケジュールを作成する。運転スケジュールを作成するために、まず冷凍冷蔵装置1の挙動について説明する。
1台の冷凍冷蔵装置1について、冷凍機11のみの消費電力は、1日(24時間)の間にたとえば図2(a)のように推移する。また、冷凍機11と霜取用ヒータ12とを併せた消費電力は、1日の間にたとえば図2(b)のように推移する。図2からわかるように、この種の冷凍冷蔵装置1においては、日々の動作はほぼ周期的であり、1日の間では冷凍機11が運転する期間と停止する期間とがある。また、冷凍機11の運転が停止したときに、霜取用ヒータ12への通電を行う場合と、霜取用ヒータ12への通電を行わない場合とがある。
1台の冷凍冷蔵装置1について、冷凍機11のみの消費電力を合算し30分毎の平均値を求めると、1日の間の平均値の推移はたとえば図3(a)のようになり、冷凍機11と霜取用ヒータ12とを併せた消費電力を合算し30分毎の平均値を求めると、1日の間の平均値の推移はたとえば図3(b)のようになる。
複数台の冷凍冷蔵装置1が存在する場合であっても、個々の冷凍冷蔵装置1の消費電力の変化は類似した傾向を示すから、すべての冷凍冷蔵装置1の消費電力を合算し、一定時間毎(たとえば、30分毎)の平均値(すなわち、移動平均値)を求めることにより、消費電力の推移の傾向を知ることが可能になる。複数台の冷凍製造装置1の消費電力の合計の平均値について、1日の間でピーク値(デマンドピーク)を低減させることは、冷凍冷蔵装置1の消費エネルギの低減につながり、また、従来の技術として説明したように、電気料金の上でも有益である。
ところで、図3(b)に示した冷凍冷蔵装置1の消費電力の推移を考察すると、昼間と夜間で消費電力が変化するベース電力Pbと、冷凍機11は停止しているが霜取用ヒータ12に通電してデフロストを行っている期間(以下、「デフロスト期間Td」という)のデフロスト電力Pdと、デフロスト後に冷凍機11の運転を再開したときに消費電力が一時的に増加する期間(以下、「リバウンド期間Tr」という)のリバウンド電力Prとに分類することが可能である。
ベース電力Pbが昼間に増加しているのは、夜間に比較して昼間のほうが気温が高いからと考えられる。また、図2によれば、冷凍機11が停止している期間の消費電力は、ベース電力Pbの昼夜の変化には依存せず、冷凍機11が停止から運転に移行する際のリバウンド電力Prは気温の低い夜間のほうが昼間よりも低いと言える。なお、リバウンド電力Prは、デフロストを行う際に霜取用ヒータ12に通電したことに伴って上昇した温度を、設定温度まで引き下げるために冷凍機11での消費電力が一時的に増加することにより生じる。
以上の点を考慮し、スケジュール作成演算部20では、以下のようにして冷凍機11と霜取用ヒータ12との運転スケジュールを生成する。まず、冷凍冷蔵装置1の消費電力の推移を示す波形を、数1に示す電力波形関数fで表す近似モデルを考える。この近似モデルを図で示すと、図4の形で表すことができる。
Figure 2008232610
BASEは冷凍機11に通電するベース電力Pr、OFFはベース電力Prの有無、OTHERは霜取用ヒータ12に通電するデフロスト電力Pd、STEPはリバウンド電力Prとベース電力Pbとの差分をそれぞれ表す。BASE、OFF、OTHER、STEPは、それぞれ少なくとも時間を変数に含む関数であって、以下では、それぞれベース関数、オフ関数、アザー関数、ステップ関数と呼ぶ。オフ関数は冷凍機11が停止している期間にはゼロになる。また、アザー関数およびステップ関数は、冷凍機11が停止している期間にのみゼロ以外の値を持つが、冷凍機11が停止していても霜取用ヒータ12の給電が必要でない場合はアザー関数はゼロになる。
電力波形関数fの値を求めるには、昼間の時刻範囲、昼夜の各ベース電力Pb、冷凍機11が停止している時間、1日に冷凍機11が停止する回数、霜取用ヒータ12に必要なデフロスト電力Pd、リバウンド期間Tr、リバウンド電力Prを、冷凍冷蔵装置1の情報として与えておく必要がある。これらの情報によって、電力波形関数fを規定した後に、1日において冷凍機11が最初に停止する時刻(以下、「第1のオフタイミング」という。)を決めると、1日の消費電力の推移を電力波形関数fにより表すことができる。1日において冷凍機11の最初の停止中にはデフロストを必ず行うから、第1のオフタイミングはデフロストの最初の開始時刻に相当する。
以下では、複数台の冷凍冷蔵装置1の電力波形関数fを互いに区別するために、i番目の冷凍冷蔵装置1の電力波形関数をfと表す。また、以下の説明で用いる変数を、次のように定義する。t:時刻(0〜24時)、tmax: 時刻の最大値(昼間が終了する時刻)、frq:冷凍機11が1日に停止する回数、toff,i:i番目の冷凍冷蔵装置1における第1のオフタイミング(デフロストの最初の開始時刻)、mean(x):xについて30分毎に平均値を求める関数。ここで、議論を簡単にするために、電力波形関数fが、第1のオフタイミングtoff,iのみで規定できるものとし、電力波形関数をf(toff,i)と表す。
複数台の冷凍冷蔵装置1を用いる場合の消費電力を最小化するという問題を定式化すると数2の形式の組合せ最適化問題(P)として表すことができる。数2において時刻tはたとえば分単位になる。すなわち、tは1〜1440の範囲の整数値になる。
Figure 2008232610
数2の組合せ最適化問題(P)を解くことによって、冷凍冷蔵装置1に関して第1のオフタイミング(あるいは、デフロストの最初の開始時刻)を求めることができる。上述した近似モデルでは、総当たり法を採用しても有限時間で最適解を求めることが可能である。とはいうものの、総当たり法では、最適解が得られるまでに比較的長時間を要する場合があるから、制約条件を設定することにより解の範囲を絞り込むのが望ましい。
また、組合せ最適化問題(P)の最適解を総当たり法で求める代わりに、メタヒューリスティックスの一種である遺伝的アルゴリズムを用いて運転スケジュールを生成する技術を採用してもよい。運転スケジュール作成装置2のスケジュール作成演算部20では、総当たり法または遺伝的アルゴリズムを採用することにより消費電力の少ない運転スケジュールを作成する。
総当たり法は説明するまでもないので、以下では数2の組合せ最適化問題(P)の解を遺伝的アルゴリズムにより求める方法について説明する。以下の説明では、複数台の冷凍冷蔵装置1の第1のオフタイミングtoff,iを成分とするベクトルを、遺伝的アルゴリズムの染色体として用いる。たとえば、冷凍冷蔵装置1が10台あれば、染色体x1は下記のように10個の成分を持つ形で表される。
x1=(2,5,14,24,18,48,8,33,52、44)
染色体x1の成分は、先頭から順に各冷凍冷蔵装置1の第1のオフタイミングtoff,iを表す。
本実施形態は、複数台の冷凍冷蔵装置1について消費電力を最小化するように冷凍機11および霜取用ヒータ12のオン/オフに関する運転スケジュールを作成することを目的としており、各冷凍冷蔵装置1についてすべてのオフタイミングを算出しなければならないが、上述したように、冷凍冷蔵装置1の消費電力の推移には周期性があるから、第1のオフタイミングtoff,iだけを算出すれば、その後のオフタイミングを推定することができる。つまり、周期性を利用することにより組合せ最適化問題(P)の探索空間を大幅に減らし、周期性を持たない場合の冗長性を排除している。
遺伝的アルゴリズムでは、周知のように交叉と突然変異とを用い、適応度を評価することにより最適解に近い解を求める方法であるから、上述の組合せ最適化問題に遺伝的アルゴリズムを適用するには、突然変異と交叉との操作を上述した染色体x1に施し、また適応度として用いる評価値を決定しなければならない。
遺伝的アルゴリズムにおける交叉は、複数の解を組合せることによって新たな解を生成する操作であり、本実施形態では、2個の親の遺伝子間の数値を不作為(ランダム)に抽出して子の染色体を生成する数値交叉を採用している。すなわち、数値交叉では、親の染色体であるベクトルに含まれる数値の最大値と最小値とを上限および下限とした範囲内で数値を不作為に抽出し、抽出した数値を子の染色体の成分とする。さらに、数値交叉を行う場合に、個々の染色体の成分に対して、数値交叉を行う場合と、親の一方の成分を採用する場合とがある。数値交叉を行う確率を数値交叉確率としている。本実施形態の方法での数値交叉確率は一様交叉の場合と同様になる場合もあるが、数値間の任意の数値を利用することができるから、一様交叉に比べて子の解に多様性を与えることができる。また、2つの親は、染色体の集団中の多様性を確保するために、不作為に選択することにした。
遺伝的アルゴリズムにおける突然変異は、設定した変異確率で染色体の数値を変化させる操作である。突然変異の対象は、親および子を対象にする場合と、子のみとする場合とがあるが、本実施形態では子のみを突然変異の対象としている。
適応度は、各染色体の優劣を決定する評価指標であり、淘汰過程では適応度に基づいて染色体の取捨選択を行う。適応度は一般に非負であり、最大化問題では適応度を最大化するように解を求める。したがって、最大化問題であれば目的関数をそのまま適応度として扱える場合が多い。
一方、本実施形態の組合せ最適化問題(P)では、目的関数を最小化する解を求める必要があるから、目的関数をそのまま適応度として扱うことはできず、目的関数を非負で最大化できる形に変換しなければならない。数2として示した組合せ最適化問題(P)の目的関数を最大化問題に変換する。数3の(1)式は、数2の組合せ最適化問題(P)を最大化問題に変換した形であり、さらに、適応度gを非負の値とするという条件を満たすために、目的関数に適宜の値gを加算した値と0とのうち大きいほうを適応度gとして採用する。すなわち、適応度gは数3の(2)式の形になる。
Figure 2008232610
ところで、冷凍冷蔵装置1の運転スケジュールを対象とした組合せ最適化問題(P)を解くにあたり、解の探索が進むにつれて、適応度gの等しい染色体が集団中に現れることが予想される。この場合、染色体の優劣を適応度gだけでは判断できなくなる。
そこで、適応度gが等しくなった場合には、新たな評価指標g′を導入して染色体の優劣をつける。この評価指標g′には、総消費電力の推移を示す波形における一定時間毎(本実施形態では、30分毎)の平均値の時系列について1日における二乗総和値または二乗平均値を採用する。もっとも、二乗総和値や二乗平均値では値が大きいので、実際にはその平方根を採用する。目的関数では一定時間毎の平均値の最大値を用いているが、評価指標g′では二乗総和値あるいは二乗平均値の平行根を用いるのである。これにより、1日における全体の消費電力を考慮することになり、染色体を差別化できる可能性が高くなる。評価指標g′は数4の形で表すことができる。数4において、ωは運転スケジュールの作成対象となる冷凍冷蔵装置1の消費電力の合計について、一定時間毎の平均値の時系列データである(本実施形態では30分毎の平均値を求めているから1日で48個)。
Figure 2008232610
本実施形態では、遺伝的アルゴリズムにおいて淘汰する対象は親と子を含むすべての染色体であり、淘汰の方法としては、エリート戦略とルーレット選択とを採用している。エリート戦略は集団中に常に最良解を残す方法であり、本実施形態では染色体の集団中の最良解から上位の規定個数をエリートとし、エリートはすべて次世代の集団中に残す方法を採用している。さらに、エリート以外の個体についてはルーレット選択により次世代の集団中に残す個体を選択している。ルーレット選択では、適応度から算出した選出確率で個体を選択する。
ここに、エリート戦略およびルーレット選択に際して、染色体の区別には、主として適応度gを用いるが、適応度gが等しい場合には評価指標g’を用いる。また、評価指標g′も等しい場合は評価指標g′の等しい複数の染色体から不作為に染色体を抽出する。
上述のように遺伝的アルゴリズムを用い、組合せ最適化問題(P)の良解を求めることができる。得られた良解は、消費電力を最小化する運転スケジュールであることを保証するわけではないが、最小化する運転スケジュールに近い消費電力になる運転スケジュールが得られる。
ところで、冷凍冷蔵装置1の運転スケジュールを作成するにあたり、特定の時間帯の運転スケジュールに制約が生じる場合がある。たとえば、特定の時間帯において他の設備機器での消費電力が増加するという事象が既知であり、その事象が不可避である場合には、当該時間帯において冷凍冷蔵装置1で消費する電力を抑制しなければならない。この事例は、配電設備の供給電力に制限がある場合や電力会社との契約によりピーク電力が増加すると電気料金の単価が増加するような場合であって、他の設備機器の運転中のピーク電力を制限するために、冷凍冷蔵装置1による消費電力を抑制しなければならないことを意味している。また、このような事例以外にも、利用者の要求により特定の時間帯の運転スケジュールに制約が生じることは多い。たとえば、特定の時間帯には冷凍冷蔵装置1の冷凍機11を継続して運転させることが要求される場合もある。
上述のような運転スケジュールの制約を満たすために、本実施形態では、ベース電力Pbの一部を仮想的に設定する方法と、適応度に対してペナルティを設ける方法とを採用している。
ベース電力Pbの一部を仮想的に設定するとは、特定の時間帯のベース電力Pbとして、当該時間帯のベース電力Pbの実測値に適宜の仮想値を加算し、その値を用いて組合せ最適化問題(P)の解を得ることを意味している。ベース電力Pbをこのように設定することで、遺伝的アルゴリズムにより最適解を探索する過程で、仮想値を相殺する染色体が残ると予想される。冷凍冷蔵装置1の運転時には仮想値は寄与しないので、遺伝的アルゴリズムで求めた運転スケジュールにおける当該時間帯の計算結果から仮想値を減算すれば当該時間帯の消費電力を減少させることができる。
一方、ペナルティは、特定の時間帯に停止させることなく運転を継続させたい場合に利用する。すなわち、停止させることなく継続して運転させようとする時間帯に運転を停止させる運転スケジュールの染色体が出現したときに、その適応度が最大化する(つまり、消費電力を最小化する)のを妨げるようにペナルティを設ける。ペナルティを導入すると、遺伝的アルゴリズムにより最適解を探索する過程でペナルティが与えられ染色体は淘汰される。
具体的には、運転停止を禁止する時間帯を決め、当該時間帯における消費電力の平均値とベース電力Pbとを比較し、両者が異なるときにペナルティを与える。これは、消費電力の平均値とベース電力Pbとが異なる場合は、運転停止に伴う消費電力の変化が生じていると考えられるからである。なお、運転停止に伴う消費電力の変化が相殺し合って、ベース電力Pbがピーク値の平均値と偶然に一致する可能性はあるが、このような偶然が生じる可能性はきわめて少ないから、特定の時間帯に冷凍冷蔵装置1を停止させずに運転を継続するように運転スケジュールを作成するためにペナルティを採用するのは有効な方法である。
スケジュール作成演算部20において運転スケジュールを総当たり法により作成する手順を図5にまとめて示す。ここでは、すべての冷凍冷蔵装置1について、一定期間(最小値は1日=24時間)における冷凍機11および霜取用ヒータ12に関する消費電力の実測値を通信により獲得し、記憶部(図示せず)に記憶しているものとする。消費電力の実測値は、一定の時間周期(1分あるいは10分など)でサンプリングされ、当該周期における電力量を用いる。記憶部に記憶している実測値は、各冷凍冷蔵装置1ごとに区別されているが、冷凍機11と霜取用ヒータ12との消費電力は個別に記憶しても合計を記憶してもよい。また、当然のことであるが、各冷凍冷蔵装置1は、冷凍機11および霜取用ヒータ12への通電をそれぞれ制御できるものとする。
運転スケジュールを作成するには、まず記憶部から消費電力の実測値を読み出す(S1)。次に、消費電力の実測値を用いてベース電力Pb、デフロスト電力Pd、デフロスト期間Td(開始時刻を含む)、デフロスト回数、リバウンド電力Pr、リバウンド期間Tr(開始時刻を含む)を求め、これらのパラメータを用いて数1に従う近似モデル(図4参照)を作成する(S2)。ここでは、10台の冷凍冷蔵装置1について近似モデルのパラメータを表1のように設定しているものとする。
Figure 2008232610
次に、デフロストは周期性をもって実行されるという制約条件のもとで表2のように各冷凍冷蔵装置1でデフロストを行う1日における最初の開始時刻のすべての組合せを生成する(S3)。表2ではデフロスト期間の1日における最初の開始時刻を10分単位で設定している。
ここにおいて、デフロスト期間Tdおよびリバウンド期間Trが各冷凍冷蔵装置1で互いに重複することを許している。すなわち、デフロスト期間Tdのすべての組合せを許容している。したがって、複数台の冷凍冷蔵装置1のデフロスト期間Tdを完全にずらす必要がなく、一部の冷凍冷蔵装置1ではデフロスト期間Tdやリバウンド期間Trが重複するような運転スケジュールも生成される。
なお、表1のデフロスト回数がnであるときに、デフロストの開始時刻の時間間隔は24時間/nになる。たとえば、デフロスト回数が6で、1日における最初の開始時刻が0時であるときには、次の開始時刻は4時になる。
Figure 2008232610
表2の組合せのうちデフロスト期間またはリバウンド期間が指定した時間帯に含まれる組合せは削除する(S4)。
次に、残った組合せについて、表1のパラメータを用いて各冷凍冷蔵装置1ごとの消費電力の推移の近似モデルによる波形(図6参照)を作成し(S6)、冷凍冷蔵装置1の台数分の消費電力を合算することにより、すべての冷凍冷蔵装置1の消費電力の合計の推移の波形を作成する(S7)。ここで、他の設備機器の動作などにより特定の時間帯に付加電力が設定されている場合は、ステップS7で求めた合計の消費電力に対して指定の時間帯に指定された付加電力を加算する(S8)。さらに、作成した消費電力の波形について一定時間毎(ここでは、30分毎)の平均値(移動平均値)を求め、移動平均値のピーク値を記憶する(S9)。
ステップS6〜S9をステップS4で残ったすべての組合せについて行い(S5、S10、S11)、すべての組合せについて移動平均値のピーク値を記憶した後、ピーク値が最小である組合せを選択する(S12)。また、ステップS12において選択した組合せが複数存在する場合には(S13:NO)、消費電力の合計の推移の波形から得られる二乗総和平方根(二乗平均平方根でもよい)を求め、その値が最小である組合せを選択する(S14)。
ここに、ステップS14において二乗総和平方根(または二乗平均平方根)を用いているのは、たとえば、図7(a)のような消費電力がピーク値で維持される波形と、図7(b)のように消費電力がピーク値よりも小さい期間を含む波形とが得られたときに、ピーク値が等しいとしても、図7(b)を選択するほうが消費電力量を低減できるからである。
一方、遺伝的アルゴリズムを用いる場合には、1日において各冷凍冷蔵装置1がデフロストを最初に行う開始時刻の組を親の染色体とする。遺伝的アルゴリズムにより次世代の染色体を生成する際にあたっては、総当たり法と同様に、デフロスト期間Tdとリバウンド期間Trとの重複を許しており、得られた運転スケジュールについて、デフロスト期間ができるだけ集中し、かつピーク電力が最小化されるように評価する。ここで、総当たり法と同様に、デフロスト期間Tdが1日において周期的に生じるという制約条件を組み入れることにより、遺伝的アルゴリズムによる運転スケジュールの候補の生成時間を大幅に短縮することができる。
また、遺伝的アルゴリズムを適用して生成される運転スケジュールを評価する適応度としては、一定時間毎(ここでは、30分毎)の平均値(移動平均値)のピーク値およびデフロスト期間Tdの集中度のほか、二乗総和平方根(二乗平均平方根でもよい)を用いる。具体的には、次式を適応度u(x)に用い、この適応度u(x)を最小化する運転スケジュールxを採用する。
u(x)=(移動平均値のピーク値)×m+(二乗平均平方根)
ただし、mは移動平均値のピーク値や二乗平均平方根が取り得る最大値以上の値であって、各冷凍冷蔵装置1のリバウンド電力Prの合計値以上に相当する。このように、適応度をまとめることにより、適応度の評価が容易になり処理時間の短縮につながる。
同様にして、特定の時間帯においてデフロストを禁止する必要があるときには、指定された時間帯にデフロスト期間Tdとリバウンド期間Trとが重複する冷凍冷蔵装置1の台数を適応度の一部に用いる。具体的には、次式を適応度u(x)に用い、適応度u(x)を最小化する運転スケジュールxを採用する。mは上式と同じ意味である。
u(x)=(TdとTrとが重複する冷凍冷蔵装置の台数)×m+(移動平均値のピーク値)×m+(二乗平均平方根)
ところで、遺伝的アルゴリズムを用いる場合に、親の染色体から次世代の染色体の集団を生成する前に、適応度u(x)が規定の閾値以上である運転スケジュールを削除し、残った運転スケジュールの中から次世代の集団を生成するのが望ましい(エリート戦略)。閾値には、適応度u(x)の平均値に標準偏差σを加えた値などを用いればよい。特定の時間帯にデフロストを禁止する場合には、禁止した時間帯にデフロストを行う運転スケジュールが次世代の集団に含まれる可能性を低減し、結果的に遺伝的アルゴリズムの実行回数が低減されるから解が得られるまでの時間短縮につながる。
次世代の集団を生成するにあたって、より優秀な運転スケジュールが選択される確率を高めるために、適応度として次式で求めた値u′を二乗または三乗した値を用いてもよい。
u′(x)={u(x)の最大値}−u(x)
u′(x)の二乗または三乗を適応度に用いることにより、運転スケジュールの優劣が区別しやすくなり、より優秀な運転スケジュールを高い確率で選択される可能性が高くなる。
また、上述の例では、運転スケジュールにおいてデフロスト期間Tdは周期性をもって設定しているが、その場合、デフロストを禁止する時間帯が設定されていると解が得られない可能性がある。そこで、1日におけるデフロストの最初の開始時刻を親の染色体として遺伝的アルゴリズムを実施した後の次世代の染色体において、デフロスト期間Tdの開始時刻を周期性から逸脱させることが許容される時間をあらかじめ設定してもよい(開始時刻に摂動を与える)。
これにより、デフロスト期間Tdの周期性により決まる開始時刻に対して許容された時間内で開始時刻をずらすことができ、デフロストを禁止する時間帯が設定されている場合でも確実に解を得ることが可能になる。また、運転スケジュールの良解がすでに得られている場合に、さらによい解を求めたい場合でも周期性から逸脱させることが許容されている時間に制限があり、探索空間が制限されているから、計算時間が大きく増大することはない。
上述の処理では次世代の染色体を生成する際にデフロスト期間Tdを周期性から逸脱させているが、所定世代分は周期性を用いて運転スケジュールを生成した後、周期性から逸脱させるように各デフロスト期間Tdの開始時刻に許容の時間範囲内の摂動を与え、これによって適応度が改善された場合には、その運転スケジュールを採用するようにしてもよい。
たとえば、冷凍冷蔵装置1のデフロスト期間Tdの開始時刻が4時であって、摂動を与える許容範囲を10分単位で30分とした場合、3:30、3:40、3:50、4:10、4:20、4:30について適応度を評価する。1台の冷凍冷蔵装置1について、デフロスト期間Tdのすべての開始時刻に摂動を与えて適応度を評価し、同様にして各冷凍冷蔵装置1ごとに摂動を与えて適応度を評価する。これらの組合せのうち適応度が最良である運転スケジュールを採用する。
最初の染色体から子世代の運転スケジュールを生成する際に次々に摂動を与える場合に比較すると、周期性の範囲内で運転スケジュールを生成した後に摂動を与える場合には、運転スケジュールを最適化できる可能性はやや低減するが、探索空間は狭くなるから運転スケジュールの生成に要する時間は短縮される。
デフロスト期間Tdに摂動を与える場合に、1台の冷凍冷蔵装置1に関するすべてのデフロスト期間Tdの開始時刻を同じ時間分だけずらすようにしてもよい。この場合、摂動を付与する利点を享受しながらも探索空間をさらに制限することができ、すべてのデフロスト期間Tdの開始時刻に個々に摂動を与える場合の処理時間に比較すると、1/2乗程度の処理時間に短縮することができる。
総当たり法を用いるか遺伝的アルゴリズムを用いるかにかかわらず、求めた運転スケジュールを採用した場合の消費電力を利用者に提示すると、当該運転スケジュールを利用者が受け入れやすくなる。したがって、運転スケジュール作成そうci2には、求めた運転スケジュールを採用した場合の1日の消費電力量やピーク電力を数値化して示し、消費電力の実測値から求めた1日の消費電力量やピーク電力と対照できるように表示する表示器を設けるのが望ましい。提示する値としては、消費電力の実測値から得られたデマンドピークに対して求めた運転スケジュールを採用した場合のデマンドピークの低減量を用いてもよい。
ところで、図4に示した近似モデルでは、ベース電力Pbを一定としているが、実際には夜間と昼間とでは気温差があるから、ベース電力Pbは夜間と昼間とで大きく2分することができる。したがって、表3および図8に示すように夜間のベース電力Pb1と昼間のベース電力Pb2とを分けた近似モデルを生成することにより、さらに良好な運転スケジュールを生成することが可能になる。とくに、夜間のベース電力Pb1は昼間のベース電力Pb2よりも小さいから、夜間においてデフロスト期間Tdおよびリバウンド期間Trを設けることにより、デマンドピークを低減することが可能になる。
Figure 2008232610
上述のように近似モデルを生成して運転スケジュールを生成していることにより、探索空間を制限することが可能になり、運転スケジュールの生成に要する時間を短縮することができる。近似モデルを用いて運転スケジュールを生成した場合の消費電力の推移(B)と、当該運転スケジュールにより冷凍冷蔵装置1を運転した場合の消費電力の実測値の推移(A)との関係は、たとえば図9のようになる。図9によれば近似モデルを用いて運転スケジュールを生成しても妥当な運転スケジュールが得られることがわかる。
上述した例では、冷凍冷蔵装置1の冷凍機11の構成はとくに問わないが、本実施形態では圧縮式の冷凍機11を想定している。この種の冷凍冷蔵装置1では、1台の冷凍冷蔵装置1が複数個の圧縮機を備えているものがあり、その場合、圧縮機が停止している状態と圧縮機の運転台数が異なる状態とがあるから、消費電力の観点ではおおよそ(圧縮機の台数+1)種類の状態が生じることになる。もちろん、各状態において電力に多少のばらつきはあるが、圧縮機の運転台数に応じて消費電力を分類することが可能である。そこで、以下では圧縮機の運転台数に応じた消費電力のグループをクラスタと呼ぶことにする。たとえば、3台の圧縮機が存在すればクラスタ数は4になる。
ショーケース10の庫内温度を設定温度に維持するために、周囲の気温に応じて圧縮機の運転台数が変化するから、デフロスト期間Tdとリバウンド期間Trとを除く期間の電力について、一定時間(たとえば、30分)あたりに各クラスタの電力が発生する回数は気温に関係している。各クラスタの電力が発生した回数と気温との関係を考察すると、たとえば、図10に示すように、折線近似が可能であることがわかる。たとえば、3台の圧縮機を備える場合に、一定時間内に2台の圧縮機のみが運転される回数は気温が所定温度に達するまでは増加するが、所定温度を超えると3台の圧縮機が運転される回数が増加するから2台の圧縮機のみが運転される回数は減少するのである。
そこで、図示例では2本の回帰式を用いることにより、各クラスタごとに当該クラスタの電力が発生した回数と気温との関係を、y=ax+bと、y=cx+dとの2本の回帰式を用いて近似している。交点Xよりも気温の低い領域では回帰式y=ax+bを用い、交点Xよりも気温の高い領域では回帰式y=cx+dを用いるのである。
また、デフロスト期間Tdとリバウンド期間Trとを除く期間において、気温に応じた電力(ベース電力Pb)の変化を各クラスタごとに分類して単回帰式により近似することができる。
このような近似を行うことによりベース電力Pbを気温に応じて予測することが可能になり、気温を考慮したより良好な運転スケジュールを作成することが可能になる。ここに、気温をパラメータに持つから、冷凍冷蔵装置1の周囲の気温を検知する温度センサ(図示せず)が必要である。また、気温を考慮しない場合には、消費電力について少なくとも1日分の実測値があれば近似モデルを作成することができたが、気温を考慮する場合には気温の異なる複数日分の実測値が必要である。ただし、必要量の実測値があれば、異なる季節の近似が可能であるから、たとえば、夏季の運転スケジュールを春季の実測値に基づいて作成することが可能である。
さらにまた、消費電力のクラスタごとにリバウンド期間Trの発生回数と気温との関係、および気温とリバウンド電力Prとの関係も求めると、リバウンド電力Prを気温に応じて予測可能になる。一般にデフロスト期間Tdにおけるデフロスト電力Pdは、気温とは無関係に規定することが可能であるから、ベース電力Pbとリバウンド電力Prとを気温に応じて予測することにより、ベース電力Pb、デフロスト電力Pd、リバウンド電力Prを与えることが可能になる。とくに、リバウンド期間Trは1日に複数回生じるから、1日分の消費電力の実測値でも気温とリバウンド電力Prとの関係を示す回帰式を作成することが可能である。
ところで、リバウンド電力Prはベース電力Pbに対して所定温度分に相当する電力を加算することによって推定することで近似値を求めることができると考えられる。そこで、ベース電力Pbについては気温に応じて予測し、リバウンド電力Prについてはベース電力Pbに対して所定温度分の電力を加算することによって推定するようにしてもよい。
このようにリバウンド電力Prをベース電力Pbから推定することにより、気温に応じてリバウンド電力Prを変化させることを可能としながらも、リバウンド電力Prとベース電力Pbとの関係を一定とすることで探索空間を制限することができ、結果的に運転スケジュールの生成に要する時間の短縮につながる。また、実測値ではリバウンド電力Prとベース電力Pbとの差が顕著に生じない場合でもリバウンド電力Prを明示的に設定することができ、運転スケジュールを生成する際の評価が容易になる。
以下では、運転スケジュール作成装置2において上述した遺伝的アルゴリズムを採用することにより、図1に示した複数台の冷凍冷蔵装置1の運転スケジュールを自動的に作成した例を示す。
(実施例1)
運転スケジュール作成装置2のスケジュール作成演算部20は、各冷凍冷蔵装置1の冷凍機11および霜取用ヒータ12の消費電力を計測する電力計測器7a、7bの計測データを伝送路3を通して取得する。スケジュール作成演算部20では、取得した計測データから一定時間毎の平均値の最大値を算出し、さらに、上述した遺伝的アルゴリムを用い、上述したような制約を受け入れながら消費電力を最小化するように運転スケジュールを生成する。
上述の例では1分毎の計測データを取得するものとして説明したが、以下の説明では、計算量を減らすために、10分間の計測データを取得して運転スケジュールを生成するものとする。
運転スケジュールを生成する前に、まず対象となる各冷凍冷蔵装置1の諸データを計測データから求めて設定する。運転スケジュールを生成するための目的関数を定義するには、冷凍冷蔵装置1の台数、第1のオフタイミングと時刻の最大値(すなわち、昼間の時間帯)、各冷凍冷蔵装置1の昼間のベース電力Pb、各冷凍冷蔵装置1の夜間のベース電力Pb、各冷凍冷蔵装置1における冷凍機11の停止時間(すなわち、デフロスト期間Td)、各冷凍冷蔵装置1における霜取用ヒータ12の必要電力(すなわち、デフロスト電力Pd)、各冷凍冷蔵装置1において冷凍機11が停止から運転に切り替わったときに一時的に消費電力が増大する時間(すなわち、リバウンド期間Tr)、リバウンド期間の電力(すなわち、リバウンド電力Pr)を求める。
ここでは、冷凍冷蔵装置1の台数を10台とし、昼間の時間帯を9〜22時としている。また、各冷凍冷蔵装置1の昼間のベース電力Pbをそれぞれ(33,36,34,28,10,37,18,20,9,9)[kW]とし、各冷凍冷蔵装置1の夜間のベース電力Pbをそれぞれ(20,26,22,18,8,24,15,15,5,6)とする。さらに、各冷凍冷蔵装置1におけるデフロスト期間Tdおよびデフロスト電力Pdをそれぞれ(2、3、3、3、1、1、4、2、1、1)×[10分]、(4、6、3、3、6、2、2、2、6、6)[kW]とし、リバウンド期間Trおよびリバウンド電力Pr(ここではベース電力Pbとの差分)をそれぞれ(0,27,0,0,20,24,24,35,6,11)×[10分]、(4,1,0,1,1,2,9,6,2,5)[kW]とする。括弧内で並び順が同じ位置である数値は、同じ冷凍冷蔵装置1に対応する。たとえば、括弧内で4番目の数値は、当該冷凍冷蔵装置1について、昼間のベース電力Pbが34kW、夜間のベース電力が18kW、デフロスト期間Tdが30分、デフロスト電力Pdが3kW、リバウンド期間Trが0分、リバウンド電力Prとベース電力Pbとの差分が1kWであることを示している。
スケジュール作成演算部20では、遺伝的アルゴリズムに必要なパラメータとして、世代数、交叉確率、数値交叉確率、変異確率、エリート数、集団の数、生成する子の数が経験的に設定されている。本実施例では上述のパラメータが、それぞれ300世代、90%、70%、10%、10固体、20固体、80固体と設定されているものとする。
スケジュール作成演算部20では、計測データを用いて各設定値を求めた後に、各冷凍冷蔵装置1の消費電力について同時刻に得られた計測データを合計し、合計した消費電力について一定時間(ここでは、30分)の平均値を求め、求めた平均値に遺伝的アルゴリズムを適用して各冷凍冷蔵装置1の運転スケジュールを生成する。
作成された運転スケジュールは、各冷凍冷蔵装置1の制御部13に転送される。制御部13は、スケジュール作成演算部20から与えられた運転スケジュールを内蔵タイマによる現在時刻の計時に伴って実行し、各冷凍冷蔵装置1の冷凍機11および霜取用ヒータ4の運転を制御する。運転スケジュールは、冷蔵冷蔵装置1での消費電力を抑制するように設定されているから、複数台の冷凍冷蔵装置1の消費電力が抑制されるようにデマンド制御を行うことができる。
上述の例について,計測データから求めた10台の冷凍冷蔵装置1の消費電力の合計の推移(A)と30分毎の平均値の推移(B)とを図11に示す。図の横軸は1日の時間幅を有しており、数値は10分を単位としている。したがって、横軸の「1」は10分を意味する。また、縦軸は各10分間の消費電力(量)を表している。以下の図においても同様に表記している。図11の計測データに対して、運転スケジュール作成装置2において上述した遺伝的アルゴリズムを適用した運転スケジュールでは図12の動作になる。図12には消費電力の合計の推移(A)と30分毎の平均値の推移(B)とを示している。
図11の例では消費電力について30分毎の平均値の最大値は247.3kWであったのに対して、遺伝的アルゴリズムによって作成した運転スケジュールを適用した場合には消費電力について30分毎の平均値の最大値を239kWにすることができた。すなわち、8.3kWの改善効果が得られた。図13〜16に示す10例は、10台の冷凍冷蔵装置1のそれぞれについて設定した運転スケジュールに従って運転した場合の消費電力について、30分毎の平均値の推移を示している。
上述したように、計測データを用い、消費電力を最小化するように数1で表される組合せ最適化問題(P)の最適解(ないし良解)を遺伝的アルゴリズムにより求め、運転スケジュールを自動的に作成するのであり、作成された運転スケジュールは消費電力の低減に寄与するから、消費電力を低減するデマンド制御が可能になった。
(実施例2)
実施例1は冷凍機11の停止期間がほぼ周期性を有していることを利用しているが、本実施例は、周期性を緩和するために、スケジュール作成演算部20において、局所型近傍探索アルゴリズムを採用して運転スケジュールを作成している。
局所型近傍探索アルゴリズムは、各冷凍冷蔵装置1において冷凍機11が停止する個々の時刻に摂動を与え(微小変化させ)、消費電力を30分毎に平均した平均値について1日の間の最大値が減少することがあれば、冷凍機11を停止させる時刻を修正するという処理である。ただし、摂動の許容範囲は±1時間の範囲としている。
たとえば、冷凍冷蔵装置11における冷凍機11の第1のオフタイミングから±1時間の範囲で摂動を与え、すべての冷凍冷蔵装置1の第1のオフタイミングに摂動を与えた時点で処理を終了し、消費電力の平均値について最大値が得られたときの第1のオフタイミングの組合せを運転スケジュールとして採用するのである。局所型近傍探索アルゴリズムでは、許容範囲を制限しており探索空間が小さいから計算時間の大幅な増加はない。
スケジュール作成演算部20において局所型近傍探索アルゴリズムを採用した場合には、消費電力の推移(A)および30分毎の平均値の推移(B)は図17のようになる。実施例1の方法により作成した運転スケジュールでは消費電力について30分毎の平均値の最大値が239kWであったが、本実施例の方法により作成した運転スケジュールを採用すると消費電力について30分毎の平均値の最大値は237.3kWになり、1.7kWの改善効果が得られた。図18〜21に示す10例は、10台の冷凍冷蔵装置1のそれぞれについて設定した運転スケジュールに従って運転した場合の消費電力について、30分毎の平均値の推移を示している。他の構成および動作は実施例1と同様である。
(実施例3)
本実施例は、実施例1での遺伝的アルゴリズムで得られた運転スケジュールに対して、スケジュール作成演算部20においてGA型近傍探索アルゴリズムを適用することにより、運転スケジュールをさらに最適解に近付けようとするものである。
GA型近傍探索アルゴリズムは、冷凍冷蔵装置1において冷凍機11が停止するすべての期間を適宜時間だけ偏移させ、冷凍冷蔵装置1の冷凍機11が停止するすべての期間を同時に偏移させる処理である。最大値が改善されなければ、冷凍機11を停止させる時刻を偏移させる時間を変更して最大値を再び評価するという処理を繰り返す。このような一連の処理により最適解に近付く場合がある。
GA型近傍探索アルゴリズムでは、冷凍機11を停止させる時刻を偏移させる時間を染色体の成分として、交叉、突然変異、淘汰の処理を繰り返すことにより解の改善を図るのであり、遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)と同様の処理であるからGA型と称している。交叉方法は一様交叉、突然変異の対象は子のみ、淘汰規則はエリート戦略とランダム抽出とを採用した。ただし、冷凍機11を停止させることが可能なすべての時刻を含む組合せ最適化問題となるので探索空間は指数関数的に増大する。
実施例1で求めた運転スケジュールに局所型近傍探索アルゴリズムを用いて作成した運転スケジュールにより冷凍冷蔵装置1を運転した場合について、すべての冷凍冷蔵装置1の消費電力の合計の推移(A)と30分ごとの平均値の推移(B)とを図22に示す。実施例1では最大値が239kWであったのに対して、本実施例の方法で作成した運転スケジュールは最大値が236.3kWであり、2.7kWの改善効果があった。図23〜26に示す10例は、10台の冷凍冷蔵装置1のそれぞれについて設定した運転スケジュールに従って運転した場合の消費電力について、30分毎の平均値の推移を示している。他の構成および動作は実施例1と同様である。
(実施例4)
本実施例は、実施例1についてベース電力Pbの一部を仮想的に設定する例である。ベース電力Pbの一部を仮想的に設定することにより求めた運転スケジュールを用いた場合について、複数台の冷凍冷蔵装置1の消費電力の合計の推移(A)と30分毎の平均値の推移(B)とを図27に示している。
本実施例の処理で作成した運転スケジュールでは最大値は242.3kWであった。ベース電力Pbの一部を仮想的に設定していない図28の例でも最大値は242.3kWであり、最大値については変化がないが、両図を比較するとわかるように、指定した時間帯(図において矩形枠Cで示す時間帯)においては消費電力が減少した。他の構成および動作は実施例1と同様である。
(実施例5)
本実施例は、冷凍機11を停止させることができない時間帯を設定するためにペナルティを導入した例である。ペナルティを導入して作成した運転スケジュールに従って冷凍冷蔵装置1を運転した場合について、複数台の冷凍冷蔵装置1の消費電力の合計の推移(A)と30分毎の平均値の推移(B)とを図29に示している。ペナルティを導入することにより、特定の時間帯(矩形枠Dで囲んだ部位)においては冷凍機11の運転を停止させることなく運転を継続することができ、しかも全体としては最大値を低減することができた。本実施例によって作成した運転スケジュールでは最大値は241kWであった。
図30〜33に示す10例は、10台の冷凍冷蔵装置1のそれぞれについて設定した運転スケジュールに従って運転した場合の消費電力について、30分毎の平均値の推移を示している。他の構成および動作は実施例1と同様である。
表4は各実施例および実測での最大値の計算結果と計算時間であって、ベース電力Pbの一部を仮想的に設定した場合の例では最大値はベース電力を含む例として記載している。
Figure 2008232610
なお、上述した実施例では、冷凍冷蔵装置1の運転制御を冷凍冷蔵装置1に内蔵した制御部13で行っているが、運転スケジュール作成装置2に制御部13と等価な構成を設けることにより複数台の冷凍冷蔵装置1を集中的に制御してもよい。
本発明の運転スケジュール作成システムの構成図である。 (a),(b)は冷凍冷蔵装置の消費電力の推移を示す波形図である。 (a),(b)は冷凍冷蔵装置の一定時間毎の平均化した消費電力の推移を示す波形図である。 同上の近似モデルの例を示す図である。 同上の総当たり法による運転スケジュールの作成方法を示す動作説明図である。 同上の近似モデルを用いた消費電力の推移の例を示す図である。 同上においてデマンドピークが等しく消費電力量が異なる電力波形の例を示す図である。 同上においてベース電力が変化する近似モデルの例を示す図である。 同上において運転スケジュールの評価に用いた近似モデルと運転時の消費電力の推移とを示す図である。 同上に用いる折線近似の例を示す図である。 実測データによる合計電力値の推移と、30分毎の平均化した消費電力の推移を示す波形図である。 実施例1において算出した消費電力と平均値との推移を示す図である。 同上における冷凍冷蔵装置の運転スケジュールによる電力値の推移を示す図である。 同上における冷凍冷蔵装置の運転スケジュールによる電力値の推移を示す図である。 同上における冷凍冷蔵装置の運転スケジュールによる電力値の推移を示す図である。 同上における冷凍冷蔵装置の運転スケジュールによる電力値の推移を示す図である。 実施例2において算出した消費電力と平均値との推移を示す図である。 同上における冷凍冷蔵装置の運転スケジュールによる電力値の推移を示す図である。 同上における冷凍冷蔵装置の運転スケジュールによる電力値の推移を示す図である。 同上における冷凍冷蔵装置の運転スケジュールによる電力値の推移を示す図である。 同上における冷凍冷蔵装置の運転スケジュールによる電力値の推移を示す図である。 実施例3において算出した消費電力と平均値との推移を示す図である。 同上における冷凍冷蔵装置の運転スケジュールによる電力値の推移を示す図である。 同上における冷凍冷蔵装置の運転スケジュールによる電力値の推移を示す図である。 同上における冷凍冷蔵装置の運転スケジュールによる電力値の推移を示す図である。 同上における冷凍冷蔵装置の運転スケジュールによる電力値の推移を示す図である。 実施例4において算出した消費電力と平均値との推移を示す図である。 同上に対する比較例において算出した合計電力値の推移と、30分毎の平均化した消費電力の推移を示す波形図である。 実施例5において算出した消費電力と平均値との推移を示す図である。 同上における冷凍冷蔵装置の運転スケジュールによる電力値の推移を示す図である。 同上における冷凍冷蔵装置の運転スケジュールによる電力値の推移を示す図である。 同上における冷凍冷蔵装置の運転スケジュールによる電力値の推移を示す図である。 同上における冷凍冷蔵装置の運転スケジュールによる電力値の推移を示す図である。
符号の説明
1 冷凍冷蔵装置
2 運転スケジュール作成装置
3 伝送路
10 ショーケース
11 冷凍機
12 霜取用ヒータ
13 制御部
14a,14b 電力計測部
15 ネットワーク通信部
20 スケジュール作成演算部
21 ネットワーク通信部

Claims (9)

  1. 冷凍機と霜取用ヒータとを備える複数台の冷凍冷蔵装置の運転スケジュールについて各冷凍冷蔵装置に設けた霜取用ヒータに通電するデフロスト期間を調節する運転スケジュール作成装置であって、複数台の冷凍機の消費電力と複数台の霜取用ヒータの消費電力との一定期間の実測値をそれぞれ平滑化することにより、デフロスト期間の消費電力であるデフロスト電力と、デフロスト期間の終了後から設定温度に戻るまでのリバウンド期間の消費電力であるリバウンド電力と、デフロスト期間およびリバウンド期間を除く期間の消費電力であるベース電力とで表した近似モデルを生成し、当該近似モデルからすべての冷凍冷蔵装置に関する消費電力の合計のピーク値を最小化するようにデフロスト期間を組合せてコンピュータの支援により運転スケジュールを自動的に作成するスケジュール作成演算部を備えることを特徴とするスケジュール生成装置。
  2. 前記スケジュール作成演算部は、前記デフロスト期間および前記リバウンド期間の重複を許した形で運転スケジュールを生成することを特徴とする請求項1記載のスケジュール生成装置。
  3. 各前記冷凍機は圧縮式であって前記冷凍冷蔵装置は複数台の圧縮機を備え、前記スケジュール作成演算部は、前記近似モデルのうちのベース電力とリバウンド電力として、圧縮機の稼働台数ごとの気温と運転回数との関係および気温と消費電力との関係を用いて推定した値を用いることを特徴とする請求項1又は2記載のスケジュール生成装置。
  4. 各前記冷凍機は圧縮式であって前記冷凍冷蔵装置は複数台の圧縮機を備え、前記スケジュール作成演算部は、前記近似モデルのうちのベース電力として、圧縮機の稼働台数ごとの気温と運転回数との関係および気温と消費電力との関係を用いて推定した値を用い、近似モデルのうちのリバウンド電力として、前記ベース電力に所定温度分に相当する規定の電力を加算した値を用いることを特徴とする請求項1又は2記載のスケジュール生成装置。
  5. 各前記冷凍機は圧縮式であって前記冷凍冷蔵装置は複数台の圧縮機を備え、前記スケジュール作成演算部は、前記近似モデルのうちのベース電力として、気温を用いて推定した値を用い、近似モデルのうちのリバウンド電力として、規定の特性で推定した値を用いることを特徴とする請求項1又は2記載のスケジュール生成装置。
  6. 前記スケジュール作成演算部は、前記運転スケジュールを生成するためにすべての前記冷凍冷蔵装置に関する消費電力の合計のピーク値を評価するにあたり、規定の単位時間ごとの消費電力の合計の平均値を評価することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のスケジュール生成装置。
  7. 前記スケジュール作成演算部は、前記平均値のピーク値が等しい運転スケジュールが複数存在するときには、当該運転スケジュールの前記単位時間ごとの時系列データから求められる二乗総和値または二乗平均値が小さいほうの運転スケジュールを採用することを特徴とする請求項6記載のスケジュール生成装置。
  8. 前記スケジュール作成演算部は、指定した時間帯では、すべての前記冷凍冷蔵装置に関する消費電力の合計に指定の電力値を加算した値でピーク値を評価することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のスケジュール生成装置。
  9. 前記スケジュール作成演算部は、すべての前記冷凍冷蔵装置に関する消費電力の合計のピーク値を最小化するデフロスト期間の組合せを求めるにあたり、前記一定期間における各冷凍冷蔵装置のデフロスト期間の最初の開始時刻を成分に持つ染色体に遺伝的アルゴリズムを適用して組合せを求めることを特徴とする請求項8記載のスケジュール生成装置。
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