JP2008231270A - バイオマスガスからの炭化水素類の製造方法 - Google Patents

バイオマスガスからの炭化水素類の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 バイオマスガスに含まれる炭酸ガスを簡便に炭化水素類の製造に有効に利用することができ、さらには、炭素数3〜4の軽質の液化石油ガス(LNG)炭化水素のように、特有の炭化水素を主成分とするものを選択的に取得することを可能とする。
【解決手段】
炭酸ガスを含むバイオマスガスから炭化水素類を製造する方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする炭化水素類の製造方法。
<A>炭酸ガスを5モル%以上45モル%以下含むバイオマスガスを逆シフト触媒に300℃以上900℃以下の温度で接触させて、水素/一酸化炭素のモル比が0.9以上2.8以下の混合ガスを生成させるガス成分の調整工程
<B>混合ガスをフィッシャー・トロプシュ触媒に200℃以上300℃以下の温度で接触させて炭化水素類を含む反応物を生成させる工程。
【選択図】図1

Description

本発明は、炭酸ガスを含むバイオマスガスからの炭化水素類の製造方法に関するものである。
従来から、森林や農産物やそれらを利用した後の有機性廃棄物、及び家畜糞等よりなる生物由来の有機資源(バイオマスという)を、エネルギーや工業原材料等に変換するバイオマス変換技術の開発が進んでいる。最近は、バイオマスをガス化して水素、プロパン、ブタンなどのガス燃料を製造することや、ジメチルエーテル、アルコール、軽油などの液状炭化水素類を製造する方法が提案されている。たとえば、バイオマスを用いて炭化水素類を合成する方法としては、バイオマスを水(水蒸気を含む)とともに熱処理して水素(H2)及び一酸化炭素(CO)を含むガスを取り出し、この混合ガスから触媒を用いて炭化水素類を合成する方法が提案されている( 特許文献1 参照)
しかしながら、これまでに提案されているバイオマスからの炭化水素類の製造方法では、バイオマスをガス化した時に得られるガス中に含まれる炭酸ガスを炭化水素類の合成に利用することが難しい面があり、地球温暖化ガスの対策として不充分である。
確かに、たとえば従来の提案のように、バイオマスは熱処理、水蒸気処理、水熱処理、酸化処理、部分酸化処理などにより水素、一酸化炭素、二酸化炭素を含む混合ガスに変換できることから、これらの処理を経て得られるバイオマスガスからは、フィッシャー・トロプシュ(FT)触媒を用いての反応により炭化水素類を生成させることができる。このFT反応は次の反応式によって表わされるものである。
[化1]
nCO + mH2→ CnH(2m-2n) +nH2O
FT反応では一酸化炭素と水素が反応し炭化水素と水を生成することになる。ディーゼル燃料用の軽油などを考えた場合、飽和炭化水素が好ましく、該炭化水素の平均的な水素と炭素の元素比は2対1であることから、バイオマスガス中に含まれる水素と一酸化炭素の比もこれに近いことが生産性向上の観点から望ましい。
だが、バイオマスガスを用いて、好適な反応条件のもとにFT反応を行い所望の炭化水素類を得ることは容易ではない。
たとえば、バイオマスガスに炭酸ガスが大量に含まれる場合、FT反応生成物中の軽質炭化水素の内、メタンに転化される割合が高くなることが報告されている。(非特許文献1)が、このようなメタンへの転化の制御をはじめとして、所望の炭素数の炭化水素類を選択的に生成できるようにすることが大変に重要な課題になっている。
なお、FT反応に際して、従来のガスツーリキッド(GTL)の商業プロセスにおけるアミン吸収脱炭酸プロセスのように、あらかじめ炭酸ガスを除去することも考えられるが、バイオマスガスの有効利用と比較的小規模のプラントとすることが望ましいとの観点からは、GTLの商業プロセスのような大がかりな脱炭酸ユニットを設置することは好ましくない。
実際、FT反応生成物としては炭素数4以下の軽質ガス、炭素数5〜11のナフサ、炭素数12〜22の灯軽油及び炭素数23以上のワックスなどの炭化水素類が得られるが、該反応生成物から特定の炭化水素類のみを選択的に、かつ簡便に効率的に得ることができれば、蒸留等の分離操作が不要になり、小規模で経済的なプロセスの実現が期待できる。
特にプロパン、ブタンなどの炭素数3,炭素数4の炭化水素類を主成分とする液化石油ガス(LPG)は、液体の状態で貯蔵及び輸送が可能であり、供給にパイプラインを必要とする天然ガスとは違い、ボンベに充填が可能であり輸送性に優れる可搬型の特徴がある。FT反応により炭素数3,炭素数4の炭化水素類を選択的に生成できれば、LPGに変換し家庭用・業務用の燃料として広く利用することができる。
しかしながら、従来では、バイオマスガスに含まれる炭酸ガスを、比較的小規模なプラントにより簡便に、炭化水素類の製造に有効に利用すること、そして炭素数が3〜4の炭化水素類のように、特有の炭化水素を主成分とするものを選択的に高効率で取得することは実現されていない。
特開2002−121571 田島、鈴木 第31回群馬県分析研究会要旨集 (2007)
本発明は、上記のとおりの背景から、従来の問題点を解消して、バイオマスガスに含まれる炭酸ガスを簡便に炭化水素類の製造に有効に利用することができ、さらには、炭素数3〜4の軽質の液化石油ガス(LNG)炭化水素のように、特有の炭化水素を主成分とするものを選択的に取得することをも可能とする、バイオマスガスの炭素源から高効率で炭化水素類を製造することのできる新しい方法を提供することを課題としている。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、炭化水素合成工程(FT反応工程)の前段に炭酸ガスの一部を一酸化炭素に変換するための工程(逆シフト反応工程)を設置することにより、簡便にバイオマスガスに含まれる炭素源を炭化水素類に変換できることを見いだし本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のバイオマスガスからの炭化水素類の製造方法は、以下のことを特徴としている。
第1:炭酸ガスを含むバイオマスガスから炭化水素類を製造する方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする炭化水素類の製造方法。
<A>炭酸ガスを5モル%以上45モル%以下含むバイオマスガスを逆シフト触媒に300℃以上900℃以下の温度で接触させて、水素/一酸化炭素のモル比が0.9以上2.8以下の混合ガスを生成させるガス成分の調整工程。
<B>混合ガスをフィッシャー・トロプシュ触媒に200℃以上300℃以下の温度で接触させて炭化水素類を含む反応物を生成させる工程。
第2:上記方法において、<A>混合ガスを生成させるガス成分の調整工程の後段で、該混合ガスを冷却することで水分を凝縮除去する工程を介して、<B>混合ガスをフィッシャー・トロプシュ触媒に接触させて炭化水素類を含む反応物を生成させる工程が設けられることを特徴とする炭化水素類の製造方法
第3:反応生成物中の各成分のうち、炭素数3の炭化水素類の炭素基準モル数[C3]と炭素数4の炭化水素類の炭素基準モル数[C4]の合計がバイオマスガス中炭素モル数[C]比で0.01以上である。
第4:逆シフト反応とフィッシャー・トロプシュ反応のうち少なくとも1つ以上の反応圧力が1MPa未満である。
第5:ガス空間速度が1000hr−1以上30,000hr−1以下である。
第6:バイオマスガスが家畜糞又は家畜糞コンポストをガス化して得られるガスである。
上記のとおりの本発明の方法によれば、従来の問題点を解消して、バイオマスガスに含まれる炭酸ガスを簡便に炭化水素類の製造に有効に利用することができ、さらには、炭素数3〜4の軽質の液化石油ガス(LNG)炭化水素のように、特有の炭化水素を主成分とするものを選択的に取得することをも可能となる。
本発明は、炭酸ガスを含むバイオマスガスを炭化水素類へ転換する方法において、より改善された炭素変換効率で促進されるように、逆シフト反応工程において、炭酸ガスの十分な利用を図りつつ、FT反応に好適な水素/一酸化炭素比の合成ガスを生産する。
(逆シフト反応工程に導入するバイオマスガスの組成)
本発明におけるバイオマスガスは、林産、農産、畜産等からの有機廃棄物より得られる各種のものであってよく、水素、一酸化炭素、炭酸ガスのほかに低級炭化水素ガスを含むものである。低級炭化水素ガスとしては、特に限定されないがメタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン等の炭素数1以上4以下の低級炭化水素が好ましく、メタンを主成分とすることが好ましい。エチレン、プロピレン等のオレフィン系炭化水素、シクロヘキサン、デカリン、テトラリンなど脂環式化合物骨格を含む炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族およびその誘導体などを含んでいてもよい。さらにまた窒素、酸素、空気、水蒸気などが含まれていてもよい。生産性や水素消費量低減の観点から、水蒸気含量の低い乾燥ガスおよび不飽和炭化水素含量が低い方が好ましい。
そして本発明では、次の反応式
[化2]
CO+H→HO+CO
で表わされる反応を主としている逆シフト反応の原料として上記のようなバイオマスガスを用いるが、このバイオマスガス中の炭酸ガス濃度としては5モル%以上45モル%以下とする。8モル%以上35モル%以下がより好ましく、10モル%以上25モル%以下が最も好ましい。5モル%未満の場合、逆シフト工程を設置する技術的意義が希薄となり、45モル%を超過した場合には分圧の低下などによる生産性の低下、流量増加などによる付帯機器増加につながり、小型プロセスを指向する本発明の技術範囲から外れる傾向が見られる。
例えば、豚ぷんコンポスト、牛糞コンポスト、鶏糞コンポスト等の畜産系バイオマス、鋸屑、廃材、稲藁、食品残渣などの植物系バイオマス、およびこれらの混合物等をガス化することにより該バイオマスガスが得られる。ガス化条件、コンポストの成分等の性状によりガス組成は提示した範囲内で変動する。
(逆シフト反応での生成ガスの組成)
逆シフト工程での生成ガスは、後段に設置するFT反応工程に導入するものとして、水素/一酸化炭素比のモル比は0.9以上2.8以下とする。1.3以上2.5以下が最も好ましい。このモル比2.8を超過した場合、FT反応では未反応水素の排出量が増加し炭化水素類の生産性が低下するため好ましくない。モル比0.9未満では、未反応一酸化炭素の排出量が増加し、炭化水素類の生産性が低下するため好ましくない。炭酸ガスを含むバイオマスガスをFT反応に要求される組成の合成ガスに転換させるための逆シフト反応では、上記反応式のように炭酸ガスと水素を逆シフト触媒に接触させることで、一酸化炭素と水又は水蒸気を生成する反応であるが、この反応は吸熱反応のため、高い温度ほど反応が進みやすい。従って、バイオマスガスを適切な反応温度に保持された逆シフト反応器に供し、逆シフト反応を行うことで、バイオマスガス中の水素/一酸化炭素比をFT反応に適した比に調整することが可能となる。
(逆シフト反応に使用できる触媒)
逆シフト反応に使用する触媒としては、公知の種々触媒を使用してもよいし、銅−亜鉛、鉄−クロム等の金属や合金、そして酸化モリブデン等の金属酸化物からなる群から少なくとも1種以上の群を含む触媒を共沈法、混練法、含浸法、ゾル−ゲル法などの方法で作成したものであってよい。本発明では逆シフト反応に活性を示す任意の触媒系を好ましく使用できる。逆シフト反応では反応温度を高く設定する場合もあるため、耐熱性、耐ヒートショック性に優れる触媒を選択もしくは調製することが安定操業の観点から望ましい。
(逆シフト反応の反応条件)
逆シフト反応は、300℃以上900℃以下の温度範囲で効果的に進めることができる。400℃以上850℃以下がより好適であり、500℃以上800℃以下が最も好適である。300℃未満では平衡上、炭酸ガスを一酸化炭素に十分に転化できなくなる傾向かあり好ましくない。また900℃を超過した場合、配管等付帯設備の製造コストが上昇する面があり好ましくない。
(FT反応に使用できる触媒)
FT反応に使用する触媒としては、公知の種々触媒を使用してもよいし、コバルト、ルテニウム、鉄、ロジウム、ニッケル等の活性金属を少なくとも1種以上含む触媒を共沈法、混練法、含浸法、ゾル−ゲル法などの方法により調製したものであってよい。本発明ではFT反応に活性を示す任意の触媒系を好ましく使用できる。触媒系は特に限定されないが、公知GTLプロセスなどで実績のある鉄系、コバルト系、ルテニウム系触媒が好ましく、鉄系、コバルト系触媒がより好ましい。
(FT反応生成物)
バイオマスガスの利用は畜産業、酪農業などの分野が主体となるため、燃料ガスとして使いやすい低級炭化水素類を製造することが望ましく、炭素数3,炭素数4の炭化水素類の収率向上が重要な要素の一つである。即ち次式(3)で示すように、FT反応生成物中の各成分のうち、炭素数3の炭化水素類の炭素基準モル数[C3]と炭素数4の炭化水素類の炭素基準モル数[C4]の和とバイオマスガス中炭素モル数[C]の比で示されるLPG転換率(R)が0.01以上であることが好ましい。
[数1]
R=([C3]+[C4])/[C]≧0.01
(FT反応の反応条件)
FT反応は200℃以上300℃以下の温度範囲で効果的に進めることができる、220℃以上275℃以下が好ましく、235℃以上260℃以下がより好ましく、235℃以上250℃以下が最も好適である。200℃未満では充分な触媒活性が得られなくなる傾向が見られ、300℃を超過するとLPG転換率(R)が望ましい範囲から外れる傾向が強くなるため好ましくない。また反応圧は1MPa未満が好ましい。これを超過すると付帯機器コストが増加する傾向が強くなる。反応圧の下限に特に制限はないが、生成ガスを利用することを考えるとある程度の圧力を持たせることが望ましく、実質的には0.1MPa前後と考えられる。
(ガス空間速度)
ガス空間速度は、1000hr−1以上30,000hr−1以下が好ましく、3000hr−1以上23,000hr−1以下がより好ましく、5000hr−1以上15,000hr−1以下が最も好ましい。この範囲未満ではプロセスの生産性に不十分な面があり、またこの範囲を超過するとLPG転換率(R)が好ましい範囲から外れる傾向が見られるからである。
(プロセスの構成)
図1に本発明の炭化水素類製造方法を実施するのに好適な第1の実施形態を示す。
まず、バイオマスガスは逆シフト反応器10に供給され、該バイオマスガス中の水素/一酸化炭素比が調整される。次に逆シフト反応器10で得られた生成ガス3はフィッシャー・トロプシュ反応器11に供給され、炭化水素類を含む生成ガス4が得られる。生成ガス4は冷却器13で水蒸気等が除去され生成ガス5が得られる。冷却器13の代わりに吸着等の水蒸気除去手段も好ましく利用でき、また冷却器13を使用せずに生成ガス4から炭化水素類を得てもよい。
図2には、本発明の炭化水素類製造方法を実施するのに好適な第2の実施形態を示す。
まず、バイオマスガスは逆シフト反応器10に供給され、該バイオマスガス中の水素/一酸化炭素比が調整される。次に逆シフト反応器10で得られた生成ガス2は冷却器12に供給され、水蒸気が除去される。冷却器12の代わりに吸着等の水蒸気除去手段を利用することも妨げない。フィッシャートロプシュ反応は一酸化炭素と水素から炭化水素類と水を生成する。このため、反応系に水(水蒸気)が過剰に存在した場合、FT反応が阻害される傾向が見られる。また、FT反応そのものには影響が無くても、水素とCOの分圧が低下するため、水(水蒸気)が過剰に存在しない方が好ましい。中間で水分凝縮工程を設置すると、FT反応器に供給される水分が制限されるため、さらに効率的に炭化水素類を製造することが可能になる。
そして、冷却器12を経て得られる生成ガス3はフィッシャー・トロプシュ反応器11に供給され、炭化水素類を含む生成ガス4が得られる。生成ガス4は冷却器13で水蒸気等が除去され生成ガス5が得られる。冷却器13の代わりに吸着等の水蒸気除去手段も好ましく利用でき、また冷却器13を使用せずに生成ガス4から炭化水素類を得てもよい。
そこで、以下に、実施例挙げて本発明の実施態様をより詳細に説明する。もちろん、以下の例により、本発明が限定されることはない。
図1に示すプロセスフローに従い炭化水素類を製造した。水素68モル%、一酸化炭素7モル%、二酸化炭素25モル%含むバイオマスガス1を含浸法で作成した酸化亜鉛担持酸化モリブデン触媒を2ml充填した逆シフト反応器10に390ml/min(ガス空間速度11700hr−1)で供給し、800℃で逆シフト反応を行ったところ、生成ガス3を得た。次に含浸法で作成したシリカ担持コバルト触媒2mlを充填したフィッシャー・トロプシュ反応器11に生成ガス3を供給し、温度240℃、圧力0.1MPaで反応を行った。得られた生成ガス4に含まれる水蒸気を冷却器13で除去したところ、生成ガス5を得た。生成ガス5中の成分は1時間あたり以下のとおりであった。
Figure 2008231270
(ここでmmolはミリモル数、mmolCは炭素基準のミリモル数を表す)
このときLPG転換率(R)は0.025となり、好ましい範囲を満たす。
図2に示すプロセスフローに従い炭化水素類を製造した。水素67モル%、一酸化炭素23モル%、二酸化炭素10モル%含むバイオマスガス1を含浸法で作成した酸化亜鉛担持酸化モリブデン触媒2ml充填した逆シフト反応器10に390ml/min(ガス空間速度11700hr−1)で供給し、700℃で逆シフト反応を行った。得られた生成ガス2を冷却器12で冷却し、水蒸気を除去したところ、生成ガス3を得た。生成ガス3のうち1mlをサンプリングし、組成を調べたところ水素66.3モル%、一酸化炭素28.7モル%、二酸化炭素5.0モル%であった。次に含浸法で作成したシリカ担持コバルト触媒2mlを充填したフィッシャー・トロプシュ反応器11に生成ガス3を供給し、温度240℃、圧力0.1MPaで反応を行った。得られた生成ガス4に含まれる水蒸気を冷却器13で除去したところ、生成ガス5を得た。生成ガス5中の成分は1時間あたり以下のとおりであった。
Figure 2008231270
このときLPG転換率(R)は0.025となり、好ましい範囲を満たす。
図2に示すプロセスフローに従い炭化水素類を製造した。水素68モル%、一酸化炭素7モル%、二酸化炭素25モル%含むバイオマスガス1を含浸法で作成した酸化亜鉛担持酸化モリブデン触媒を2ml充填した逆シフト反応器10に390ml/min(ガス空間速度11700hr−1)で供給し、800℃で逆シフト反応を行った。得られた生成ガス2を冷却器12で冷却し、水蒸気を除去したところ、生成ガス3を得た。生成ガス3のうち1mlをサンプリングし、組成を調べたところ水素65.8モル%、一酸化炭素24.0モル%、二酸化炭素10.2モル%であった。次に含浸法で作成したシリカ担持コバルト触媒2mlを充填したフィッシャー・トロプシュ反応器11に生成ガス3を供給し、温度240℃、圧力0.1MPaで反応を行った。得られた生成ガス4に含まれる水蒸気を冷却器13で除去したところ、生成ガス5を得た。生成ガス5中の成分は1時間あたり以下のとおりであった。
Figure 2008231270
このときLPG転換率(R)は0.026となり、好ましい範囲を満たす。
[比較例1]
図1に示すプロセスフローに従い炭化水素類を製造した。水素50モル%、二酸化炭素50モル%含むバイオマスガス1を含浸法で作成した酸化亜鉛担持酸化モリブデン触媒2ml充填した逆シフト反応器10に390ml/min(ガス空間速度11700hr−1)で供給し、800℃で逆シフト反応を行った。得られた生成ガス2を冷却器12で冷却し、水蒸気を除去したところ、生成ガス3を得た。生成ガス3のうち1mlをサンプリングし、組成を調べたところ水素34モル%、一酸化炭素33モル%、二酸化炭素33モル%であった。次に含浸法で作成したシリカ担持コバルト触媒2mlを充填したフィッシャー・トロプシュ反応器11に生成ガス3を供給し、温度240℃、圧力0.1MPaで反応を行った。得られた生成ガス4に含まれる水蒸気を冷却器13で除去したところ、生成ガス5を得た。生成ガス5中の成分は1時間あたり以下のとおりであった。
Figure 2008231270
このときLPG転換率(R)は0.0097であった。これは、バイオマスガス1中の炭酸ガス濃度が好適な範囲を満たさないと、フィッシャー・トロプシュ反応器11入り口の水素/一酸化炭素比が好適範囲内でも、LPG転換率(R)が好適な範囲を満たさない例である。
バイオマスガスから炭化水素類を製造する方法の第1の実施形態にかかる主要な構成を示すプロセスフロー図である。 バイオマスガスから炭化水素類を製造する方法の第2の実施形態にかかる主要な構成を示すプロセスフロー図である。
符号の説明
1 バイオマスガス
2 生成ガス
3 生成ガス
4 生成ガス
5 生成ガス
10 逆シフト反応器
11 フィッシャー・トロプシュ反応器
12 冷却器
13 冷却器

Claims (6)

  1. 炭酸ガスを含むバイオマスガスから炭化水素類を製造する方法であって、以下の工程を含むことを特徴とする炭化水素類の製造方法。
    <A>炭酸ガスを5モル%以上45モル%以下含むバイオマスガスを逆シフト触媒に300℃以上900℃以下の温度で接触させて、水素/一酸化炭素のモル比が0.9以上2.8以下の混合ガスを生成させるガス成分の調整工程。
    <B>混合ガスをフィッシャー・トロプシュ触媒に200℃以上300℃以下の温度で接触させて炭化水素類を含む反応物を生成させる工程。
  2. 請求項1に記載の方法において、<A>混合ガスを生成させるガス成分の調整工程の後段で、該混合ガスを冷却することで水分を凝縮除去する工程を介して、<B>混合ガスをフィッシャー・トロプシュ触媒に接触させて炭化水素類を含む反応物を生成させる工程が設けられることを特徴とする炭化水素類の製造方法。
  3. 反応生成物中の各成分のうち、炭素数3の炭化水素類の炭素基準モル数[C3]と炭素数4の炭化水素類の炭素基準モル数[C4]の合計がバイオマスガス中炭素モル数[C]比で0.01以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の炭化水素類の製造方法。
  4. 逆シフト反応とフィッシャー・トロプシュ反応のうちの少なくとも1つ以上の反応圧力が1MPa未満であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の炭化水素類の製造方法。
  5. ガス空間速度が1000hr−1以上30,000hr−1以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の炭化水素類の製造方法。
  6. バイオマスガスが家畜糞又は家畜糞コンポストをガス化して得られるガスであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の炭化水素類の製造方法。
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