JP2008230108A - 耐熱性樹脂チューブの製造方法 - Google Patents

耐熱性樹脂チューブの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】色相や清浄性が重要な用途や医療用途にも好適に適用可能な、外観の良好な耐熱性樹脂チューブの製造方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも表面が銅よりも酸化しにくい金属材料からなる金属線状体に、耐熱性樹脂塗料を塗布し、耐熱性樹脂塗料を硬化して耐熱性樹脂層を形成し、金属線状体と耐熱性樹脂層とを分離する。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性樹脂チューブの製造方法に関し、特に、色相や清浄さが重要な用途や医療用途にも好適に適用可能な、外観の良好で残留不純物の少ない耐熱性樹脂チューブの製造方法に関する。
従来、各種配線の絶縁チューブとして、耐熱性樹脂材料を用いて形成された耐熱性樹脂チューブが多用されている。耐熱性樹脂チューブの中でも、特に、ポリイミド系樹脂材料を用いて形成されたポリイミドチューブは、高い耐熱性を有することから、熱電対やサーミスタ温度計の配線、電子機器や計測器内の高温部の配線等の絶縁チューブとして使用されている。また、ポリイミドチューブは、耐薬品性(アルカリを除く)及び耐放射線性をも有することから、耐薬品性が要求される高温部の配線、原子力関連施設の配線等の絶縁チューブとしての使用が期待されている。
また、ポリイミドチューブは、チューブ肉厚が小さくても材料自身が柔軟でありながら形状維持性に優れ、つまりコシがあるチューブであることから、半導体チップの検査用プローブカードのプローブの絶縁スリーブとしても使用されている。さらに、近年では、カテーテル等の医療用途にも使用されている。
このようなポリイミドチューブの製造方法として、下記特許文献1には、銅線にポリイミド前駆体塗料を塗布硬化して樹脂層を形成し、被覆銅線を、銅線の降伏点以上に引き伸ばして樹脂層と銅線との密着性を失わせ、その後、銅線と樹脂層とを分離することによりポリイミドチューブを製造する方法が記載されている。
上記のような製造方法によるポリイミドチューブは、継ぎ目のないシームレスポリイミドチューブであり、例えばポリイミドフィルムをテープ状に切断し、接着剤を用いてスパイラル状に巻き付けて製造されたポリイミドチューブと比較して、以下のような利点を有する。
(1)スパイラル巻きポリイミドチューブは、接着剤が熱によって剥がれやすいのに対し、シームレスポリイミドチューブは、接着剤を使用する必要がなく、素材の持つ耐熱性を充分に発揮できる。また、接着剤によっては、ポリイミドチューブの加熱等によって不要なガスを発生することがあるが、シームレスポリイミドチューブには接着剤に起因するそのおそれがない。
(2)スパイラル巻きポリイミドチューブは、接着部分の強度が低く、衝撃や屈曲によっても剥がれやすいのに対し、シームレスポリイミドチューブは、繰り返しの衝撃や屈曲にも強く、剥離や破れが発生しにくい。このため、可動部分の使用に有利である。
(3)シームレスポリイミドチューブは、材料自身が引っ張りに強くコシがあることから、スパイラル巻きポリイミドチューブに比して、チューブ内径及び肉厚を小さく形成することができ、微小部分の配線に有効である。
(4)製造プロセスがシンプルであり、製造コストが低い。
また、上記のような製造方法によるポリイミドチューブは、例えば厚肉且つ内径の大きいフッ素樹脂チューブでは実現できなかった密度の高い配線が可能である。
特開昭51−50378号公報
しかしながら、上記のような製造方法においては、線状金型として銅線を用いていることから、チューブ内面に酸化銅が残留し、それが原因で、色相が変化したり、斑模様が発生したり、不純物や固形物が残留したりして、絶縁性は満足するものの、外観や清浄性を損なうという問題がある。さらに、使用時にチューブ内面を洗浄した場合、銅の酸化物やその溶液が流出するおそれがある。これらのことから、銅線を用いて製造された樹脂チューブは、色相や清浄性が重要な用途や医療用途に好適に適用することができず、用途が制限されるという問題がある。
本発明の目的は、色相や清浄性が重要な用途や医療用途にも好適に適用可能な、外観の良好な耐熱性樹脂チューブの製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するための本発明の第1の態様は、少なくとも表面が銅よりも酸化しにくい金属材料からなる金属線状体に、耐熱性樹脂塗料を塗布する工程と、前記耐熱性樹脂塗料を硬化し、耐熱性樹脂層を形成する工程と、前記金属線状体と前記耐熱性樹脂層とを分離する工程とを有することを特徴とする耐熱性樹脂チューブの製造方法である。
本発明の第2の態様は、前記第1の態様に係る耐熱性樹脂チューブの製造方法において、前記耐熱性樹脂塗料を塗布する工程に先立ち、前記金属線状体表面に離型剤を塗布する工程をさらに有することを特徴とする。
本発明の第3の態様は、前記第1又は第2の態様に係る耐熱性樹脂チューブの製造方法において、前記耐熱性樹脂層で被覆された前記金属線状体を引き伸ばす工程をさらに有することを特徴とする。
本発明の第4の態様は、前記第1から第3のいずれかの態様に係る耐熱性樹脂チューブの製造方法において、前記銅よりも酸化しにくい金属材料は、リン青銅及び洋白から選択される銅合金であることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、前記第1から第3のいずれかの態様に係る耐熱性樹脂チューブの製造方法において、前記銅よりも酸化しにくい金属材料は、ステンレス鋼であることを特徴とする。
本発明の第6の態様は、前記第1から第3のいずれかの態様に係る耐熱性樹脂チューブの製造方法において、前記金属線状体は、表面に錫、ニッケル、銀、金から選択されるめっきが施された線状体であることを特徴とする。
本発明の第7の態様は、前記第1から第5のいずれかの態様に係る耐熱性樹脂チューブの製造方法において、前記耐熱性樹脂層は、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエステルアミドイミド、非直鎖型ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、及びポイサルフォンから選択される少なくとも1種の樹脂からなることを特徴とする。
本発明の第8の態様は、前記第1から第7のいずれかの態様に係る耐熱性樹脂チューブの製造方法において、前記金属線状体の外径は、5mm以下であることを特徴とする。
本発明の第9の態様は、前記第1から第8のいずれかの態様に係る耐熱性樹脂チューブの製造方法において、耐熱樹脂チューブの肉厚は、0.3mm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、線状金型として、少なくとも表面が銅よりも酸化しにくい金属材料からなる金属線状体を用いるので、チューブ内面の残留酸化銅を低減させることができる。したがって、チューブ内の残留酸化銅に起因する外観の劣化が少なく、且つ、使用時に残留酸化銅がチューブ内から流出するおそれが少ない耐熱性樹脂チューブを提供することができる。これにより、色相や清浄性が重要な用途や医療用途等、幅広い用途に好適に適用することが可能となる。
以下に本発明に係る耐熱性樹脂チューブの製造方法の一実施形態について説明する。
まず、線状金型としての金属線状体表面に離型剤を塗布する。金属線状体表面への離型剤の塗布は、従来公知の方法によって行うことができる。離型剤として、代表的なものとしてシリコーン系離型剤(金属シリコーンオイル、シリコーン樹脂)、フッ素系離型剤、炭化水素系絶縁オイル、ワックス、水ガラス、亜リン酸エステル、次亜リン酸エステル、フタル酸エステル、脂肪酸等を用いることができる。
このような離型剤の塗布により、後述する金属線状体と耐熱性樹脂層との分離を円滑に行うことができる。
金属線状体は、少なくとも表面層が銅よりも酸化しにくい金属材料からなり、例えば、リン青銅及び洋白から選択される銅合金、及びステンレス鋼等の線状体の他に、表面に錫、ニッケル、銀、金から選択されるめっきが施された線状体が挙げられる。これらのうち、特に、ステンレス鋼線やめっき線は、完全に銅を排除できる点で好ましい。
また、金属線状体の断面形状は、最終的に得られる樹脂チューブの用途に応じて選択することができ、例えば、円形、楕円形、六角形、四角形、三角形等などが挙げられる。
金属線状体の外径は、要求される樹脂チューブの内径に応じて選択することができるが、5mm以下であることが好ましい。この理由については、後に詳述する。
次に、耐熱性樹脂塗料を金属線状体に塗布する。耐熱性樹脂塗料としては、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエステルアミドイミド等のイミド基含有樹脂の前駆体の塗料、または非直鎖型ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、及びポリサルフォンなどの樹脂の前駆体の塗料、及びポリパラバン酸の塗料が挙げられる。
ここでいう前駆体とは、各耐熱性樹脂について以下に示す物質を主体とするものである。例えば、ポリイミドの場合には、ポリアミド酸、又はそのエステルであり、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエステルアミドイミドの場合には、それぞれのイミド基が加水分解によって開環構造を有するポリアミド酸類、又はそのエステル類、あるいは分子内にイミド基を有する有機溶剤、可溶な低分子量重合体であり、非直鎖型ポリエステルの場合には、三次元的に結合し得るカルボキシル基、もしくは水酸基を側鎖に有する直鎖状ポリエステルを指す。
以上のうち、ポリイミド樹脂の前駆体塗料は、優れた耐熱性、体薬品性、機械特性、難燃性をチューブに付与することができ、特に好ましい。
上記の各塗料の形態としては、有機溶剤型、水溶性型、エマルジョン型、無溶剤型のいずれも使用可能であるが、有機溶剤型、水溶性型が特に均質な樹脂層を形成できる点において好ましい。
樹脂塗料には、例えば、劣化防止剤、レベリング剤など、通常塗料に用いる添加剤を添加することができる。また、樹脂塗料には、各種の染料、顔料を加えて着色することも可能である。着色した塗料を樹脂層の全体または外層部分に用いることにより、着色されたチューブを得ることができる。これは、特に電気機器内の配線や熱電対の絶縁チューブとして用いる際の線種の識別に極めて有用である。
金属線状体に耐熱性樹脂塗料を塗布する方法としては、特に制限はなく従来公知の方法を用いることができ、例えば、耐熱性樹脂溶液中に金属線状体を浸漬して引き上げるといった浸漬法や、電着法などが挙げられる。
また、耐熱性樹脂塗料の塗布により形成される塗布膜の厚さは、特に制限されず、最終的に得られる耐熱性樹脂チューブの肉厚に応じて適宜設定することができる。
次に、耐熱性樹脂塗料の硬化を行う。硬化方法としては、特に制限はないが、塗布された金属線状体を、加熱炉中を通過させることにより、樹脂塗料を熱硬化させる方法が最も容易である。また、放射線を照射することにより、樹脂塗料を硬化する方法を採用することができる。
次に、耐熱性樹脂層で被覆された金属線状体を引き伸ばす。この工程は、硬化後の樹脂層と金属線状体との密着性を失わせるために有効であり、引き伸ばし工程後の金属線状体の外径が、樹脂層の内径よりも小さくなるように引き伸ばすことが重要である。例えば、金属線状体の弾性限界内で引き伸ばしが行われた場合には、引っ張り力を解除したときに金属線状体の外径が元に戻り、樹脂層との分離を円滑に行い難い。したがって、金属線状体の引き伸ばしは、用いた金属線状体の降伏点以上の力で引き伸ばし、金属線状体に塑性変形を生じさせることが必要である。ただし、その上限値は、所定の内径のチューブを得る目的から、被覆樹脂層の降伏点以内に止めなければならない。これにより、引っ張り力を解除した後、金属線状体はその長さにとどまる一方、被覆樹脂層は、内径及び長さが引き伸ばし前の大きさに回復するため、両者の分離を容易に行うことができる。
また、樹脂で被覆された金属線状体を引き伸ばす際、予め樹脂膜の円周方向の一部に傷を与えておくことにより、引き伸ばし時に樹脂膜が切断されるようにしてもよいし、あるいは、樹脂膜が所望の長さを有するように予め樹脂膜を全周に渡って切断しておいて、引き伸ばし時に所望の長さを有するチューブが生成されるようにしてもよい。この場合は、引き伸ばし時に樹脂膜にかかる歪みが小さいため、チューブを金属線状体から分離した後の熱処理を省略することができる。このような方法は、伸びの少ない樹脂を使用した場合、具体的には、例えば、顔料などの充填剤を添加した樹脂塗料を使用した場合などには、引き伸ばしの程度を低く抑える必要があるため、特に有効である。
次に、樹脂で被覆された金属線状体を引き伸ばす。引き伸ばし方法については、特に制限されないが、例えば以下の(1)〜(3)に示す方法が挙げられる。
(1)回動する巻枠(例えば、ゴム張りロール)に金属線状体を適当回数巻き付けた後に、別の回動する巻枠に所定回数巻き付け、2つの巻枠間の金属線状体が所定の伸びとなるようにして連続的に引き伸ばす方法、
(2)ダイスを用いた、従来公知の線引き方法、
(3)樹脂で被覆された金属線状体を適当な長さに切断後、任意の方法で金属線状体の両端を固定して引っ張る方法。
これらの中で、上記(1)及び(2)の方法は量産に適した連続的な方法であり、製造コストが低減できる点で好ましい。
次に、引き伸ばされた樹脂被覆金属線状体と耐熱性樹脂層とを分離する。分離方法としては、引き伸ばされた状態の樹脂被覆金属線状体を、所定長さごとに切断するか、あるいは樹脂層のみを任意の方法で切断するなどの方法を適用することができる。このような方法によれば、樹脂層は、切断後直ちに長さ方向に収縮すると同時に内径を増して金属線状体から剥離するので、金属線を引き抜くことにより容易に樹脂チューブを得ることができる。
分離後の樹脂チューブには、なお引き伸ばし時に受けた歪みがわずかに残り、使用中に寸法変化を起こす可能性があるので、樹脂層の切断後、あるいはチューブの分離取得後に樹脂チューブを100℃〜300℃の温度で熱処理することが望ましい。分離前に熱処理した場合には、樹脂チューブの引き伸ばし前の大きさへの収縮を完全に行わせることができるので、樹脂チューブと金属線状体との分離をより容易に行うことができる。
上記の製造方法によって製造される耐熱性樹脂チューブの肉厚は、用途に応じて適宜選択することができるが、0.3mm以下であることが好ましい。この理由は、次の通りである。すなわち、厚肉のチューブを得るためには、浸漬法を応用するのか良いが、浸漬法により0.3mm以上の厚さを得るためには浸漬回数が極めて多くならざるを得ないことから生産スピードが低下し、製造コストが高くなり、また、肉厚0.3mm以上のチューブを製造する場合、塗布膜の硬化の際に発泡を生ずるなど、外観が損なわれやすいからである。
また、上記の製造方法によって製造される耐熱性樹脂チューブの内径は、特に制限されないが、内径5mm以下であることが好ましい。その理由は、内径5mm超の樹脂チューブを製造するためには、外径5mm超の金属線状体を使用する必要があるが、このように外径の大きい金属線状体を使用すると、引き伸ばし工程で大きな力を必要とするために製造設備が高価となり、また製造スピードが低下することから製造コストが増大するからである。
上記のような製造方法によれば、線状金型として、少なくとも表面が銅よりも酸化しにくい金属材料からなる金属線状体を用いるので、チューブ内面の残留酸化銅を低減させることができる。したがって、チューブ内の残留酸化銅に起因する外観の劣化が少なく、且つ、使用時に残留酸化銅がチューブ内から流出するおそれが少ない耐熱性樹脂チューブを得ることができる。これにより、色相や清浄性が重要な用途や医療用途等、幅広い用途に好適に適用することが可能となる。特に、金属線状体としてステンレス鋼線又はめっき線を使用すれば、完全に銅を排除することができ、医療用途等に好適である。
次に、本発明の実施例を示す。
(実施例1)
炉長4m、炉温400℃の焼付炉を用い、0.2mmのリン青銅線に、3.5m/分の速度で1回シリコーン(信越化学製 KS701)を薄く塗布し、焼き付けた後、この上にポリイミド前駆体ワニス(米国デュポン社製 MLワニス)を10回塗布し焼き付けて厚さ40μmの樹脂被覆線をボビン取りして得た。
次いで、このボビンから線を引き出し、直径50cmのゴム張りしたロールに10回巻き付けた後、約2mの間隔を隔てて設置した直径50cmのゴム張りしたロールに10回巻き付け、最後に巻取りボビンに巻き付けた。次いで、2つのロールの回転速度を調整し、2つのロールの間で約15%の伸びが線に与えられるようにして、連続的に引き伸ばしながらボビン取りした。次いで、このボビンから樹脂被覆線を取り出し、約1mずつに切断し、密着を失ったチューブとリン青銅線とを分離し、ポリイミド樹脂チューブを得た。
製造されたポリイミドチューブの内面を観察したところ、残留銅は少なく、また、チューブの外観についても、斑模様や色相ムラの無い良好な外観であった。
(実施例2)
ベンゾフェノンテトラカルボン酸と芳香族ジアミンより合成されたクレゾールに溶解しているポリイミド樹脂前駆体塗料(主成分はポリアミド酸エステル)を直径0.5mmのステンレス鋼線に塗布し、これを炉長4m、炉温400℃の炉中を3.5m/分の速度で通過させて焼き付ける操作を12回繰り返し、被覆厚50μmの樹脂被覆線を得た。次いで、この被覆線を線引用ダイス装置に掛け連続的に引き伸ばし、30%伸張させた。次いで、この被覆線を約1mに切断したところ、ステンレス鋼線上の焼付樹脂被覆層が収縮し、被覆線のステンレス鋼線が露出したので、ステンレス鋼線を引き抜くことで容易にポリイミドチューブが得られた。
製造されたポリイミドチューブの内面を観察したところ、残留銅は少なく、また、チューブの外観についても、斑模様や色相ムラの無い良好な外観であった。

Claims (9)

  1. 少なくとも表面が銅よりも酸化しにくい金属材料からなる金属線状体に、耐熱性樹脂塗料を塗布する工程と、
    前記耐熱性樹脂塗料を硬化し、耐熱性樹脂層を形成する工程と、
    前記金属線状体と前記耐熱性樹脂層とを分離する工程と
    を有することを特徴とする耐熱性樹脂チューブの製造方法。
  2. 前記耐熱性樹脂塗料を塗布する工程に先立ち、前記金属線状体表面に離型剤を塗布する工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の耐熱性樹脂チューブの製造方法。
  3. 前記耐熱性樹脂層で被覆された前記金属線状体を引き伸ばす工程をさらに有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の耐熱性樹脂チューブの製造方法。
  4. 前記銅よりも酸化しにくい金属材料は、リン青銅及び洋白から選択される銅合金であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の耐熱性樹脂チューブの製造方法。
  5. 前記銅よりも酸化しにくい金属材料は、ステンレス鋼であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の耐熱性樹脂チューブの製造方法。
  6. 前記金属線状体は、表面に錫、ニッケル、銀、金から選択されるめっきが施された線状体であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の耐熱性樹脂チューブの製造方法。
  7. 前記耐熱性樹脂層は、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエステルアミドイミド、非直鎖型ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、及びポリサルフォンから選択される少なくとも1種の樹脂からなることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の耐熱性樹脂チューブの製造方法。
  8. 前記金属線状体の外径は、5mm以下であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の耐熱性樹脂チューブの製造方法。
  9. 耐熱樹脂チューブの肉厚は、0.3mm以下であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の耐熱性樹脂チューブの製造方法。
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