JP2008226974A - 多層膜構造体、多層膜構造体で構成される面発光レーザおよびその製造方法 - Google Patents

多層膜構造体、多層膜構造体で構成される面発光レーザおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】フォトニック結晶層とそれに隣接するクラッド層との屈折率差が十分にとれると共に、該クラッド層の電気抵抗を小さくすることができる多層膜構造体、多層膜構造体で構成される面発光レーザおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】2次元フォトニック結晶層106とそれに隣接するクラッド層105を備える多層膜構造体または多層膜構造体で構成される面発光レーザであって、
前記クラッド層が、前記2次元フォトニック結晶層よりも低い屈折率を有し、該クラッド層の一部または全部に細孔が形成されている構成とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多層膜構造体、多層膜構造体で構成される面発光レーザおよびその製造方法に関するものである。
近年、フォトニック結晶を半導体レーザに適用した例が多く報告されている。特に、非特許文献1ではGR(Guided Resonance;以下、これをGR効果と記す)を用いた半導体レーザについて報告されている。図3はその構造図である。
ここで、GR効果とは、光を導波モードで共振させ定在波を発生させる現象の総称であり、1次元のものとしてはDFBレーザがこれを利用した代表的なデバイスである。
また、2次元の場合には、GR効果はフォトニック結晶が作製されている薄膜(以下コア層と称する)内で生じるが、面と垂直方向には放射モードが存在し、構造パラメメータを調整することで、外部への取り出し効率を制御することができる。
例えば、コア層に垂直に光が入射したとき、特定の光に対して高反射ミラーとして作用させることができる。
上記非特許文献1では、図3に示されるように、2次元のフォトニック結晶層(コア層)、およびスペーサ層およびDBR層を積層することで面発光レーザ構造が構成されている。
ここで、コア層はInPとInAsPからなる多重量子井戸構造となっており、2次元のフォトニック結晶構造を形成すると同時に発光層にもなっている。
一方、スペーサ層はSiO2、DBR層はSi/SiO2の多層膜となっている。コア層表面からレーザ光(波長780nm)で励起することで、発振波長1500nm付近でレーザ発振を得たとしている。
また、非特許文献2では可視領域のGR効果の例が報告されている。図4はその模式図である。
この非特許文献2では、サファイア基板の上にAlNバッファ層を積層したあと、GaNコア層を形成し、2次元のフォトニック結晶構造を作製し、その透過特性を測定し、シミュレーションと比較されている。
ここでは、空気とサファイア基板をクラッドとして用いるGaN系でも、GR効果を発現し得ることが示されている。
さらに、特許文献1では、p型GaNを低電気抵抗化する方法が提案されている。
ここには、p型不純物をドープした窒化物半導体を非水素雰囲気中でアニーリングする。
これにより、水素が半導体中に混入されてMgと結合して高電気抵抗となっているMgドープGaNから、アニーリングする。
そして、水素を除去し、Mgを正常なアクセプターとして作用させて、低電気抵抗なp型GaN層を得る方法が開示されている。
¨Surface−emitting microlaser combining two−dimensional photonic crystal membrane and vertical Bragg mirror¨,APPLIED PHYSICS LETTERS 88, 081113 (2006) ¨Guided resonances in asymmetrical GaN photonic crystal slabs observed in the visible spectrum¨,22 August 2005/Vol.13,No.17/OPTICS EXPRESS 6564 特開平5−183189号公報
しかしながら、コア層にGaN/InGaN量子を用い、クラッド層にp型AlGaNを用いた場合、つぎの(1)及び(2)のような課題が生じる。
(1)一般的なフォトニック結晶構造を用いた場合、比屈折率差を10%以下にすると強いGR効果が得られないという課題が生じる。
(2)仮にGR効果が得られたとしても、p型AlGaNの電気抵抗が高く、電流注入が効果的に行なわれず半導体レーザとして機能し得ないという課題が生じる。
つまり、GR効果をGaNデバイスに適用とする場合、上記した(1)の屈折率差に関する課題と、上記した(2)の電流注入に関する課題とによる2つの課題を同時に解決することが必要となる。
まず、上記(1)の屈折率差に関する課題について、更に説明する。
2次元のフォトニック結晶によるGR効果を利用した半導体レーザにおいては、フォトニック結晶層とこれに隣接するクラッド層との間の屈折率差が大きいことが望ましい。
それは厚さ方向にはフォトニック結晶による光閉じ込め効果は作用しないからである。
しかしながら、半導体レーザの共振器として利用することを考えた場合、コア層の少なくとも片側は半導体層にする必要がある。このことは、フォトニック結晶層との屈折率差を小さくすることになる。
上記非特許文献1によれば、通常の正方格子構造を有するフォトニック結晶層にGaN(屈折率2.37)を、クラッド層の一方に空気(屈折率1)を用いた場合には、他のクラッド層にはつぎのような屈折率が必要となる。
すなわち、大きな反射率(たとえば、80%以上)を得るためには、他のクラッド層の屈折率は、2.12程度が必要であることを示している。
比屈折率差Δ=(n2−n1)/n1で定義すると、約12%程度の比屈折率差が必要であることを示唆している。
実際、本発明者が試作を行い、通常の正方格子を有するフォトニック結晶で試作を行なったところ、比屈折率差が10%以下ではGR効果が極めて起こり難いことを確認している。
これを回避するため、上記非特許文献1では、クラッドの一方を空気、他方をSiO2(屈折率1.5)とされている。
また、上記非特許文献2では、クラッドの一方を空気(屈折率1)他方をサファイア基板(屈折率1.7)とされている。
しかしながら、これらにおいて、強いGR効果は得られるが、電流注入を行なうことは困難である。例えば、上記非特許文献1では、光励起のデータを示しているのみである。
AlGaAs系の場合には、AlAsをクラッド層に使えるため、コア層をGaAsとして構成することによって、屈折率差を稼ぐことができ、大きな問題にはならない。
一方、AlGaN系の場合には、AlGaAs系に比べ格子定数差が大きいため、臨界膜厚が薄くなる。仮に、成長が可能だったとしても、上記(2)の電気抵抗の課題が生じる。
つぎに、上記(2)の電気抵抗の課題について説明する。
一般に、GaN系の結晶成長技術では、低抵抗のp型GaNは得難いとされている。
このように低抵抗のp型GaNが得られ難い理由については、つぎのような理由によるものと考えられている。
(1)GaNでは不純物(MgやZn)が格子位置に入りにくく、格子間に存在する確率が高いため、活性化率が大きくできない。
(2)また、GaN系結晶では結晶性が悪く結晶中に窒素空孔が多いため、不純物をドープしなくても低抵抗のn型半導体となりやすく、このためp型不純物をドープしたものは補償効果で高抵抗となる。
(3)さらに、GaN系半導体の成長中または成長後にN源であるNH3が分解して水素原子が発生し、この水素原子が、p型不純物であるMg、Zn等と結合して、これらp型不純物がアクセプターとして機能するのを妨げる。
その結果、このp型不純物をドープしたGaN系半導体が高抵抗を示す。
以上が、低抵抗のp型GaNが得られ難い理由であると考えられている。
このうち、上記(3)の不純物の水素との結合の影響がもっとも大きいものと考えられている。
一方、特許文献1によるとp型GaNを低電気抵抗化することが可能であるが、この方法はGaNに対するものであり、AlGaNに対してはほとんど効果はないことが知られている。
そのため、GaN/AlGaNの超格子構造が、AlGaN層に代えて用いられている。
AlGaNの場合には、表面からの水素離脱を行なうものであり、数10nmの厚さであれば十分な効果が得られるが、数100nm以上になると表面から遠い部分の活性化が不十分となる。
その結果、膜厚が厚いほどバルク全体としては十分な低抵抗化がなされないという問題を有している。
2次元のフォトニック結晶によるGR効果を利用した半導体レーザにおいては、フォトニック結晶層とこれに隣接するクラッド層との間の屈折率差が大きいことが望ましい。
したがって、このようなGR効果の観点からは、フォトニック結晶層との屈折率差を稼ぐため、これに隣接するクラッド層はその屈折率をより小さくするためにAlGaNにすることが望ましい。
しかしながら、上記したようにAlGaNはGaNよりも、さらに高抵抗になる傾向にある。
このようなことから、GR効果と電気抵抗との両者を両立させることは極めて困難であった。
本発明は、上記課題に鑑みフォトニック結晶層とそれに隣接するクラッド層との屈折率差が十分にとれると共に、該クラッド層の電気抵抗を小さくすることができ、
GR効果と効果的な電流注入との両立が可能となる多層膜構造体、多層膜構造体で構成される面発光レーザおよびその製造方法の提供を目的とする。
本発明は、次のように構成した多層膜構造体、多層膜構造体で構成される面発光レーザおよびその製造方法を提供するものである。
本発明の多層膜構造体は、2次元フォトニック結晶層とそれに隣接するクラッド層を備える多層膜構造体であって、
前記クラッド層が、前記2次元フォトニック結晶層よりも低い屈折率を有し、該クラッド層の一部または全部に細孔が形成されていることを特徴とする。
また本発明の面発光レーザは、第1の反射鏡と第2の反射鏡との間に、コア層を挟んで第1のクラッド層と第2のクラッド層を含み構成される面発光レーザであって、
前記第1または第2の反射鏡と前記第1のクラッド層または第2のクラッド層が、上記した多層膜構造体で構成されていることを特徴とする。
また本発明の面発光レーザは、前記第1または第2のクラッド層が、p型GaN、p型AlGaN、p型InGaNまたはAlInGaNのいずれかを含む材料で形成されていることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記第1の反射鏡が基板側に位置するDBR構造による反射鏡で構成され、前記第2の反射鏡が上記した多層膜構造体における2次元フォトニック結晶層で構成されていることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記第1の反射鏡が基板側に位置する2次元フォトニック結晶層による反射鏡で構成され、前記第2の反射鏡が上記した多層膜構造体の2次元フォトニック結晶層で構成されていることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザの製造方法は、基板上に、第1の反射鏡と第2の反射鏡との間に、コア層を挟んで第1のクラッド層と第2のクラッド層を含み構成される面発光レーザの製造方法であって、
前記基板上に、前記第1の反射鏡、前記第1のクラッド層、前記コア層および前記第2のクラッド層を、この順に積層する工程と、
前記第2のクラッド層の表面から多孔質化した後に熱処理する工程と、
前記第2のクラッド層上に、該第2のクラッド層と屈折率差を有する材料による前記第2の反射鏡を積層する工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザの製造方法は、前記第1または第2のクラッド層が、p型GaN、p型AlGaN、p型InGaNまたはAlInGaNのいずれかを含む材料で形成されることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザの製造方法は、前記第1の反射鏡がDBR構造による反射鏡であり、前記第2の反射鏡が2次元フォトニック結晶層による反射鏡であることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザの製造方法は、前記第1の反射鏡が2次元フォトニック結晶層による反射鏡であり、前記第2の反射鏡が2次元フォトニック結晶層による反射鏡であることを特徴とする。
本発明によれば、フォトニック結晶層とそれに隣接するクラッド層との屈折率差が十分にとれると共に、該クラッド層の電気抵抗を小さくすることができ、
GR効果と効果的な電流注入との両立が可能となる多層膜構造体、多層膜構造体で構成される面発光レーザおよびその製造方法の実現が可能になる。
つぎに、本発明の実施の形態における2次元フォトニック結晶層とそれに隣接するクラッド層を備える多層膜構造体を用いた面発光レーザについて説明する。すなわち、基板上に設けられた第1または第2の反射鏡と前記第1のクラッド層または第2のクラッド層が、本発明の多層膜構造体で構成された面発光レーザについて説明する。
図1に、本実施の形態における第1の反射鏡と第2の反射鏡との間に、コア層を挟んで第1のクラッド層と第2のクラッド層を含み構成される面発光レーザを説明するための模式的断面図を示す。
図1において、101は基板、102は第1の反射鏡を構成するn型DBR層である。
103は第1のクラッド層を構成するn型クラッド層、104はコア層(活性層)、105は第2のクラッド層を構成するp型クラッド層である。
106は第2の反射鏡を構成するp型2次元フォトニック結晶層(反射鏡層)、107はカソード電極、108はアノード電極である。
本実施の形態の面発光レーザにおいて、2次元フォトニック結晶層に隣接するp型クラッド層105は、2次元フォトニック結晶層よりも低い屈折率を有するAl0.1Ga0.9Nで構成されている。
これにより、クラッド層105とPhC層106の間の屈折率差を稼ぎ、かつ両者の電気抵抗を小さくすることができる。
本実施の形態においては、p型クラッド層105を積層した後、該p型クラッド層105の一部または全部に、陽極化成によって径がナノオーダの細孔を多数ランダムに形成する。
径がナノオーダでランダムに形成されているため、可視域の光(波長400nm〜800nm)にとっては、光学的な作用はなく、単に等価的に屈折率が小さくなるだけの効果が生じる。
その後、MOCVD法によりAlGaNクラッド層を形成している場合には、非水素雰囲気、例えば窒素雰囲気中で熱処理(温度1000℃、時間30分)を行なう。
このように熱処理することで、Al0.1Ga0.9Nクラッド層の電気抵抗は飛躍的に改善され、低電気抵抗化することができる。
なお、MBE法などで、AlGaNクラッド層を形成している場合には、非水素雰囲気による熱処理に限定されず、例えば、水素雰囲気中での熱処理や窒素雰囲気中の熱処理でもよい。
熱処理温度は、900℃から1100℃、好ましくは、950℃から1050℃、更に好ましくは、980℃から1020℃の範囲である。
キャリア密度で表現すると、従来1E+17cm−3乃至3E+17cm−3だったものが、一桁程度キャリア密度が上がる。
これにより、フォトニック結晶層とそれに隣接するクラッド層との屈折率差が十分にとれると共に、これら両層間の電気抵抗を小さくすることができ、GR効果と効果的な電流注入との両立が可能となる面発光レーザが実現される。
なお、ここではp型クラッド層105をp型AlGaNで形成したが、これに限定されるものではない。
これ以外にもp型GaN、p型InGaNまたはAlInGaNのいずれかを含む材料で形成するようにしてもよい。
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1においては、共振器を構成する一方のミラーがDBRで形成され、他方のミラーがフォトニック結晶で形成された、発振波長405nmの面発光レーザの構成例について説明する。
本実施例は、第1の反射鏡が基板側に位置するDBR構造による反射鏡で構成され、前記第2の反射鏡が本発明の多層膜構造体における2次元フォトニック結晶層で構成された本発明の面発光レーザを具体化した構成例である。
本実施例は、基本的に図1に示される実施の形態における面発光レーザと同様に構成されており、実施の形態と共通する部分の説明は省略する。
本実施例における面発光レーザの製造方法について説明する。
まず、前記基板上に、前記第1の反射鏡を積層する工程において、基板101にGaN基板を用い、GaN基板101上に、MOCVD法等により、GaNおよびAl0.2Ga0.8Nからなる第1の反射鏡としてn型DBR層102を積層する。
次に、前記第1のクラッド層、前記コア層および前記第2のクラッド層を積層する工程において、
n型DBR層102上に、第1のクラッド層としてn型AlGaNクラッド層103、コア層としてGaN/InGaN量子井戸活性層104、および第2のクラッド層としてp型AlGaNクラッド層105を、この順に積層する。
つぎに、第2のクラッド層の表面からナノサイズの細孔を多数ランダム形成して多孔質化した後、水素あるいは窒素雰囲気中で熱処理する工程において、
該p型AlGaNクラッド層105に陽極化成法により、表面から活性層近傍まで達するように径がナノオーダの細孔を多数ランダムに形成する。
プロセス条件は、例えば、陽極化成溶液として、フッ酸:水:エチルアルコール=1:1:1(体積比)を用い、電流密度1mA/cm2、100nm/min程度の反応速度とする。
ここで、陽極化成の反応速度は、電流密度、空孔度溶液の濃度、等で制御することができる。
また、時間は11(分)40秒とし、多孔質の厚みを12(μm)とする。
陽極化成は、例えば、弗化水素酸(HF)を含む電解溶液中に陽極及び陰極を配置し、それらの電極の間にゲルマニウム基板を配置し、それらの電極間に電流を流すことにより実施することができる。
多孔質ゲルマニウム層は、互いに多孔度が異なる2層以上の複数層で構成されてもよい。
ここで、電流密度や陽極化成溶液の濃度は、形成すべき分離層(多孔質Ge層)の厚さや構造等に応じて適宜変更し得る。
電流密度は、0.5〜700mA/cm2の範囲が好ましく、陽極化成溶液の濃度は、1:10:10〜1:0:0の範囲が好ましい。
空孔率30%程度で表面積は、約10倍に拡大する。このあと、窒素雰囲気中で、400℃で1時間アニールすることにより、p型AlGaN全体で水素脱離が可能となり、格子間に入っていたMgが格子に入ることで活性化し、低電気抵抗化される。
多孔質化することで、体積が減ることによる高電気抵抗化成分もあるので、むやみに空孔率を大きくすることはできない。本実施例では、電気抵抗は約1/5に見積もられる。
次に、前記第2のクラッド層上に、該第2のクラッド層と屈折率差を有する材料による前記第2の反射鏡を積層する工程において、p型GaN反射鏡層106を積層する。
積層方法はMOCVD法が適当である。多孔質層になっていても成長初期で横方向成長モードが機能し、完全に細孔が埋まって成長するのでまったく問題はない。
次に、該p型AlGaNには発振波長近傍が反射帯域になるよう2次元フォトニック結晶構造を作製する。
本実施例では、正方格子で、格子定数450nm、ホール径145nmを用いる。
この結果、非屈折率差Δは、10%以上を確保することができるとともに、シリーズ抵抗が1/5程度まで低減化する。
最後に、GaN基板101側にカソード電極107、p型2次元フォトニック結晶層(反射鏡層)106の表面側にアノード電極108を形成することで、本実施例の面発光レーザが完成する。
これにより、フォトニック結晶層とそれに隣接するクラッド層との屈折率差が十分にとれると共に、クラッド層を低電気抵抗化することができ、GR効果と効果的な電流注入との両立が可能となる面発光レーザが得られる。
[実施例2]
実施例2においては、共振器を構成する第1の反射鏡がDBRで形成された実施例とは異なり、この第1の反射鏡を2次元フォトニック結晶層で形成した面発光レーザの構成例について説明する。
本実施例は、前記第1の反射鏡が基板側に位置する2次元フォトニック結晶層による反射鏡で構成され、前記第2の反射鏡が本発明の多層膜構造体の2次元フォトニック結晶層で構成された本発明の面発光レーザを具体化した構成例である。図2に、本実施例における第1の反射鏡にフォトニック結晶を用いた面発光レーザを説明するための模式的断面図を示す。
本実施例は、基本的に図1に示される実施例における面発光レーザと、第1の反射鏡を2次元フォトニック結晶層で形成した点を除いて同様に構成されており、実施例1と共通する部分の説明は省略する。
サファイヤ基板201上に、MOCVD法等を用いて、GaNバッファ層、AlNエッチングストップ層およびn型GaN反射鏡層202を形成する。
次に、実施例1と同様にn型GaN反射鏡層202上に、n型AlGaNクラッド層103、GaN/InGaN量子井戸活性層104、およびp型AlGaNクラッド層105を、この順に積層する。
次に、実施例1と同様のプロセスにより、該p型AlGaNクラッド層105に陽極化成法により、表面から活性層近傍まで達するように径がナノオーダの細孔を多数ランダムに形成する。
その後、実施例1と同様にp型GaN反射鏡層106を積層2次元フォトニック結晶構造を作製する。
最後に、サファイヤ基板201側にカソード電極107、p型2次元フォトニック結晶層(反射鏡層)106の表面側にアノード電極108を形成することで、本実施例の面発光レーザが完成する。
これにより、フォトニック結晶層とそれに隣接するクラッド層との屈折率差が十分にとれると共に、クラッド層を低電気抵抗化することができ、GR効果と効果的な電流注入との両立が可能となる面発光レーザが得られる。
本発明の実施の形態及び実施例1におけるフォトニック結晶を用いた面発光レーザを説明するための模式的断面図。 本発明の実施例2における第1の反射鏡にフォトニック結晶を用いた面発光レーザを説明するための模式的断面図。 非特許文献1におけるGR効果を用いた半導体レーザについて説明するための構造図。 非特許文献2における可視領域のGR効果の例について説明するための模式図。
符号の説明
101:基板
102:n型DBR層
103:n型クラッド層
104:コア層(活性層)
105:p型クラッド層
106:p型2次元フォトニック結晶層(反射鏡層)
107:カソード電極
108:アノード電極
201:基サファイヤ基板
202:n型GaN反射鏡層

Claims (9)

  1. 2次元フォトニック結晶層とそれに隣接するクラッド層を備える多層膜構造体であって、
    前記クラッド層が、前記2次元フォトニック結晶層よりも低い屈折率を有し、該クラッド層の一部または全部に細孔が形成されていることを特徴とする多層膜構造体。
  2. 第1の反射鏡と第2の反射鏡との間に、コア層を挟んで第1のクラッド層と第2のクラッド層を含み構成される面発光レーザであって、
    前記第1または第2の反射鏡と前記第1のクラッド層または第2のクラッド層が、請求項1に記載の多層膜構造体で構成されていることを特徴とする面発光レーザ。
  3. 前記第1または第2のクラッド層が、p型GaN、p型AlGaN、p型InGaNまたはAlInGaNのいずれかを含む材料で形成されていることを特徴とする請求項2に記載の面発光レーザ。
  4. 前記第1の反射鏡が基板側に位置するDBR構造による反射鏡で構成され、前記第2の反射鏡が請求項1に記載の多層膜構造体における2次元フォトニック結晶層で構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の面発光レーザ。
  5. 前記第1の反射鏡が基板側に位置する2次元フォトニック結晶層による反射鏡で構成され、前記第2の反射鏡が請求項1に記載の多層膜構造体の2次元フォトニック結晶層で構成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の面発光レーザ。
  6. 基板上に、第1の反射鏡と第2の反射鏡との間に、コア層を挟んで第1のクラッド層と第2のクラッド層を含み構成される面発光レーザの製造方法であって、
    前記基板上に、前記第1の反射鏡、前記第1のクラッド層、前記コア層および前記第2のクラッド層を、この順に積層する工程と、
    前記第2のクラッド層の表面から多孔質化した後に熱処理する工程と、
    前記第2のクラッド層上に、該第2のクラッド層と屈折率差を有する材料による前記第2の反射鏡を積層する工程と、
    を有することを特徴とする面発光レーザの製造方法。
  7. 前記第1または第2のクラッド層が、p型GaN、p型AlGaN、p型InGaNまたはAlInGaNのいずれかを含む材料で形成されることを特徴とする請求項6に記載の面発光レーザの製造方法。
  8. 前記第1の反射鏡がDBR構造による反射鏡であり、前記第2の反射鏡が2次元フォトニック結晶層による反射鏡であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の面発光レーザの製造方法。
  9. 前記第1の反射鏡が2次元フォトニック結晶層による反射鏡であり、前記第2の反射鏡が2次元フォトニック結晶層による反射鏡であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の面発光レーザの製造方法。
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JP2018517295A (ja) * 2015-05-19 2018-06-28 イェール ユニバーシティーYale University 格子整合クラッド層を有する高い閉じ込め係数のiii窒化物端面発光レーザーダイオードに関する方法およびデバイス
US11018231B2 (en) 2014-12-01 2021-05-25 Yale University Method to make buried, highly conductive p-type III-nitride layers
US11043792B2 (en) 2014-09-30 2021-06-22 Yale University Method for GaN vertical microcavity surface emitting laser (VCSEL)
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