JP2008225460A - 学習効果判定装置及び該装置用プログラム並びに該装置の使用方法 - Google Patents

学習効果判定装置及び該装置用プログラム並びに該装置の使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】学習効果を客観的に判定することができる学習効果判定装置を提供することにある。
【解決手段】 自己アフィンフラクタル次元変化演算手段4が、安静時における自己アフィンフラクタル次元の平均値を基準として、学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率を求める。学習効果判定手段6は、学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率の学習進行に対する変化の傾向が、学習効果と負の相関を有しているとの判定基準に基づいて、被測定者の学習の効果を判定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自己アフィンフラクタル次元解析を用いて学習効果を判定する学習効果判定装置、該装置をコンピュータを用いて実現するためのプログラム、及びこの学習効果判定装置の使用方法に関するものである。
特開2004−194924号公報[特許文献1]には、本出願の発明者が先に提案した脳機能の平均認識率を高めることを可能にする脳機能計測方法が開示されている。この方法では、状況の変化に対応して被測定者の脳から複数種類の脳波信号を予め測定する。そして測定した複数の脳波信号とフラクタル次元解析法とに基づいて脳機能を定量的に判別するための脳機能判別用リファレンス信号を所定の条件下ごとにそれぞれ取得する。また所定の状況下にある被測定者の脳から複数の脳波信号を測定する。そして実測ステップで得た複数の脳波信号とフラクタル次元解析法とを用いて脳機能計測用解析信号を取得する。最後に、脳機能計測用解析信号を脳機能判別用リファレンス信号を用いて所定の判別法により解析判別することにより被測定者の脳機能の状態を計測する。
また特開2003−230551号公報[特許文献2]には、所定の着色図形による問題項目を用いて、右前頭葉の脳高次機能を測定する神経心理テストの検査の方法が開示されている。
また、2002−112981号公報[特許文献3]には、所定の順番でポイントされる所定数のターゲットを表示し、それを被験者にポイントさせることで被験者の神経機能を演算する精神機能検査方法が開示されている。
さらに特開2006−158421号公報[特許文献4]には、前頭連合野の機能を統一的に測定する技術が開示されている。
特開2004−194924号公報 特開2003−230551号公報 特開2002−112981号公報 特開2006−158421号公報
学習は基本的に、余剰学習(被験者にとって不必要な情報を積極的に捨てる学習)、連合学習(被験者に2つの刺激が時間的に同時または近接して与えられたとき生じる学習)、結果学習(被験者が行動した結果に基づいて生じる学習)の3種類に分類される。しかしながら従来は、余剰学習や連合学習等の学習の効果を客観的に判定する技術は開発されていなかった。
本発明の目的は、学習効果を客観的に判定することができる学習効果判定装置及び該装置用のプログラムを提供することにある。
余剰学習が進むことで、作業(タスク)を処理する上で必要な情報のみを取り入れ、処理効率の向上が期待できる。このとき脳の活性度は学習開始時に比べ、低下すると考えられる。この考え方に基づいて、発明者が研究した結果によると、学習作業時におけるタスクに対する順応によって脳内における学習効果が増大していることを、学習作業時の脳波信号の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率を見ることにより推定できることがわかった。本発明は、この研究成果を基礎として、完成されたものである。
そこで本発明の学習効果判定装置は、自己アフィンフラクタル次元演算手段と、自己アフィンフラクタル次元変化演算手段と、学習効果判定手段とを備えている。自己アフィンフラクタル次元演算手段は、被測定者の脳の複数の領域のうち学習機能を有する所定の領域から測定した、安静時及び学習作業時における脳波信号から、自己アフィンフラクタル次元を求める。ここで所定の領域とは、一般的には、ウエルニッケ野または言語野のように、脳の皮質下にあって学習機能を有する領域である。しかしながら判定精度を高めるためには、作業(タスク)に対応した適切な領域を特定することが好ましい。
また自己アフィンフラクタル次元とは、座標軸に対する関数として表現されている脳波波形のグラフから求めたフラクタル次元である。そして安静時とは、何等の学習作業を行わずに安静状態にあるときを意味する。また学習作業時とは、学習効果を判定するために用意した作業(タスク)を被測定者が行っているときを意味する。
そして自己アフィンフラクタル次元変化演算手段は、安静時における自己アフィンフラクタル次元の平均値を基準として、学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率を求める。ここで学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率は、過渡期を除いた安定時期における自己アフィンフラクタル次元からその平均値を求めるのが好ましい。過渡期とは、学習作業に入った初期の一時期と学習作業が終了する終期の一時期のように、演算した自己アフィンフラクタル次元の時間に対する変化が大きい時期を意味する。このような時期の演算結果を除外すれば、演算精度が高くなる。また平均値を基準にすると、外部環境等の変化による自己アフィンフラクタル次元の一時的な変化の影響を除外できる。ここで自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率の演算方法は、変化分または変化率の変化の傾向が判定できるものであれば、どのようなものでもよい。例えば、自己アフィンフラクタル次元変化演算手段は、安静時における自己アフィンフラクタル次元の平均値と学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値との差を、変化分として演算することができる。また自己アフィンフラクタル次元変化演算手段は、安静時における自己アフィンフラクタル次元の平均値と学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値との差を、安静時における自己アフィンフラクタル次元の平均値によって除算した値を変化率として演算してもよい。
さらに学習効果判定手段は、学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率の学習進行に対する変化の傾向が、学習効果と負の相関を有しているとの判定基準に基づいて、被測定者の学習の効果を判定する。すなわち負の相関とは、一方が増えると、他方が減り、一方が減ると、他方が増えるという関係である。そこで学習効果判定手段は、自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率の全体的な変化の傾向が、学習効果と負の相関関係にあることを基準にして学習効果を計測する。例えば、被測定者の脳波に基づいて求めた自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化率Drateが、学習進行に対して、減少する傾向にあれば、学習効果が増加する傾向にあると判断し、変化率Drateの学習進行に対する変化が、増加する傾向にあれば、学習効果が減少する傾向にあるものと学習効果を判定するように、学習効果判定手段を構成することができる。
自己アフィンフラクタル次元演算手段が、自己アフィンフラクタル次元の推定値Dを求める場合には、D=2−Hの演算式を用いて推定値Dを演算することができる。ここでHは下記の式により求められるHurst指数である。
上記Hurst指数の式において、f(t)は時刻tにおける脳波信号の時系列データである。またf(t+τ)は時刻tから時刻τだけ離れた脳波信号の時系列データである。そしてαはα次のモーメントを下記の式のように表した場合における次数である。
そして一般的には、αを2として、自己アフィンフラクタル次元の推定値Dを求める。
自己アフィンフラクタル次元変化演算手段は、安静時における自己アフィンフラクタル次元の平均値Drestを基準として、学習時における自己アフィンフラクタル次元の平均値Dtaskの変化率Drateを求める。具体的にはDrate=(Dtask−Drest)/Drestの式により変化率を求めればよい。
本発明の学習効果判定装置用プログラムは、コンピュータにおいて実行されて、コンピュータ内に、被測定者の脳の複数の領域のうち学習機能を有する所定の領域から測定した、安静時及び学習作業時における脳波信号から、自己アフィンフラクタル次元を求める自己アフィンフラクタル次元演算手段と、安静時における自己アフィンフラクタル次元の平均値を基準として、学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率を求める自己アフィンフラクタル次元変化演算手段と、変化分または変化率の学習進行に対する変化の傾向が、学習進行と共に低下し、且つ、学習効果と負の相関を有しているとの判定基準に基づいて、被測定者の学習の効果を判定する学習効果判定手段とを実現する。
また本発明の学習効果判定装置を使用して被測定者の学習効果を測定する場合、被測定者が行う作業(タスク)に応じて、最も適切な領域から脳波信号を測定することが望まれる。前述の作業(タスク)に応じた適切な領域を「所定の領域」と定める場合の学習効果判定装置の使用方法は以下の通りである。まず事前に、学習作業で行う具体的な作業について被験者に解答方針を与えることなく、被験者が前記具体的な作業を行っているときにおける複数の領域から測定した複数の脳波信号に基づいて、自己アフィンフラクタル次元演算手段により複数の自己アフィンフラクタル次元を求める。ここで被験者は、学習効果判定装置で判定の対象となる被測定者とは異なる一人以上の者である。そして次に、自己アフィンフラクタル次元変化演算手段を用いて、複数の脳波信号における第1回目の複数の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率を求める。次に、学習作業で行う具体的な作業について被験者に解答方針を与え、被験者が具体的な作業を行っているときにおける複数の領域から測定した複数の脳波信号に基づいて、自己アフィンフラクタル次元演算手段により複数の自己アフィンフラクタル次元を求める。そしてその後、自己アフィンフラクタル次元変化演算手段を用いて、複数の脳波信号における第2回目の複数の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率を求める。その後、第1回目の複数の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率と第2回目の複数の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率とを対比して、変化幅が増加方向に最も大きくなる脳波信号が測定された1つの領域を具体的な作業に対する「所定の領域」と定める。前述の変化幅が増加方向に最も大きい領域が、最も反応の強い領域であり、この反応の強い領域からの脳波信号が、その具体的な作業(タスク)における学習効果の判定に最も適している。このようにして「所定の領域」を特定すると、学習の判定精度が高くなる。
本発明によれば、学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率の変化の傾向から、学習効果を客観的に判定することができる利点が得られる。
以下図面を参照して、本発明の学習効果判定装置の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、脳波信号測定器1から出力された脳波信号を入力とする本発明の学習効果判定装置7の実施の形態の一例を、コンピュータを用いて実現する場合に、コンピュータ内に実現される機能実現手段を示すブロック図である。この学習効果判定装置は、市販の脳波信号測定器1から脳波信号を取得する。図2は、被測定者の頭部に配置する電極の電極配置図を示している。例えば被測定者の脳のウエルニッケ野からの脳波信号を取得する場合には、図2の電極T5から出力される脳波信号を、学習効果判定装置7に入力することになる。
本実施の形態の学習効果判定装置7は、自己アフィンフラクタル次元演算手段2と、次元記憶手段3と、自己アフィンフラクタル次元変化演算手段4と、次元変化記憶手段5と、学習効果判定手段6とを備えている。本実施の形態では、理解を容易にするために次元記憶手段3と次元変化記憶手段5を独立した手段として示してあるが、実際的には、次元記憶手段3は自己アフィンフラクタル次元演算手段2に含まれているものであり、次元変化記憶手段5は自己アフィンフラクタル次元変化演算手段4に含まれている。
自己アフィンフラクタル次元演算手段2は、被測定者の脳の複数の領域のうち学習機能を有する所定の領域から測定した、安静時及び学習作業時における脳波信号から、自己アフィンフラクタル次元を求める。本実施の形態では、自己アフィンフラクタル次元演算手段2は、自己アフィンフラクタル次元の推定値Dを、D=2−Hの演算式を用いて演算する。この式において、HはHurst指数である。Hurst指数は、以下のように導かれる。すなわち自己アフィンフラクタル次元がDである時刻tにおける脳波信号の時系列データf(t)と時刻τだけ離れた脳波信号の時系列データf(t+τ)のα次のモーメントは次のように表される。
もし解析データが一様なフラクタル性を有するならば、Hurst指数Hはモーメントの次数αに依存しない。このときHurst指数Hは、以下の式で求められる。
本実施の形態では、上記式においてα=2の場合の時系列データの分散のスケーリング特性を求め、この分散のスケーリング特性から自己アフィンフラクタル次元を推定する。したがって自己アフィンフラクタル次元の推定値Dは、上記式でα=2とした場合に求められるHurst指数Hを用いて、D=2−Hの演算式を用いて演算する。
このようにして求められる自己アフィンフラクタル次元の推定値Dとは、座標軸に対する関数として表現されている脳波波形のグラフから求めたフラクタル次元である。具体的には、例えば、図3(A)のように測定された脳波の原信号から、1秒サイズのウィンドウのデータに対して、上記演算式を用いて自己アフィンフラクタル次元の推定値Dを求め、ウィンドウを0.25秒ずつスライドさせて次の時刻での自己アフィンフラクタル次元を求める。この手順を繰り返すことにより、原信号に対する自己アフィンフラクタル次元の時間変化が図3(B)に示すように得られる。演算した自己アフィンフラクタル次元は、次元記憶手段3に記憶される。
本実施の形態では、安静状態で脳波信号を測定した後に、学習作業を開始して、学習作業時の脳波信号を測定して解析の対象とする脳波信号を取得する。すなわち自己アフィンフラクタル次元演算手段2で用いる脳波信号は、まず被測定者が所定時間目を閉じた状態(閉眼安静状態)で測定した脳波信号と、その後所定時間目を開いた状態(開眼安静状態)で測定した脳波信号とを安静時の脳波信号として含んでいる。そして安静状態の脳波信号に引き続いて、学習作業(タスク)時の脳波信号を含んでいる。
そして自己アフィンフラクタル次元変化演算手段4は、安静時における自己アフィンフラクタル次元の平均値を基準として、学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率を求める。図5は、後に説明する自己アフィンフラクタル次元と学習効果との関係を調べるための実験を行ったときに得られた自己アフィンフラクタル次元の演算結果をグラフにしたものである。図5のグラフは、タスクとして色情報と文字情報を同時に処理するStroop Testを行った際に、被測定者に文字の意味を解答させたときの1回目の解答の際に得られた自己アフィンフラクタル次元を縦軸にとり、横軸に時間をとって作成したグラフである。なおこの被測定者は、Stroop Testの経験が殆ど無い20代の成人男子である。図5において、「閉眼安静」時期は、目を閉じた状態の安静状態であり、「開眼安静」は目を開いた状態の安静状態であり、「タスク」は学習作業状態である。本実施の形態では、「開眼安静」の状態で取得した自己アフィンフラクタル次元の平均値Drestを基準として求める。そして学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値Dtaskを求める。自己アフィンフラクタル次元の変化分は、(Dtask−Drest)の演算式で求め、変化率Drateは、Drate=(Dtask−Drest)/Drestの式により求める。変化分または変化率の演算結果は、次元変化記憶手段5に記憶される。通常は、図4に示すように、1回目のタスクにおける自己アフィンフラクタル次元の波形に引き続いて、2回目、3回目・・のタスクにおける自己アフィンフラクタル次元の波形を得る。したがって実際の学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率は、複数回のタスクにおける自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率の平均値を採用することになる。
なお開眼安静状態における初期時における自己アフィンフラクタル次元は、過渡的なものとなる場合が多く、また学習作業開始時も自己アフィンフラクタル次元は、過渡的なものとなる場合が多い。そこで本実施の形態では、安静状態における自己アフィンフラクタル次元の平均値Drestを求める場合も、学習作業時の自己アフィンフラクタル次元の平均値Dtaskを求める場合も、過渡期を除いた安定時期における自己アフィンフラクタル次元からその平均値を求めている。このような過渡期の演算結果を除外すれば、演算精度が高くなる。また平均値を基準にすると、外部環境等の変化による自己アフィンフラクタル次元の一時的な変化の影響を除外できる。
なお自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率の演算方法は、変化分または変化率の変化の傾向が判定できるものであれば、どのようなものでもよく上記の例に限定されるものではない。
学習効果判定手段6は、学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率の学習進行に対する変化の傾向が、学習効果と負の相関を有しているとの判定基準に基づいて、被測定者の学習の効果を判定する。この判定基準は、発明者が自己アフィンフラクタル次元と学習効果との関係を研究した結果発見した、自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率の学習進行に対する変化の傾向と学習効果との関係から導き出されたものである。なおこの相関が正しいものであることについては、後に詳しく説明する。負の相関があるために、例えば、被測定者の脳波に基づいて求めた自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化率Drateが、学習進行に対して、減少する傾向にあるとする。このような場合には、学習効果判定手段6は、学習効果が増加する傾向にあると判断する。また変化率Drateの学習進行に対する変化が、増加する傾向にあるとする。この場合には、学習効果判定手段6は、学習効果が減少する傾向にあるものと学習効果を判定する。
本実施の形態によれば、学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率の学習進行に対する変化の傾向をみるだけで、学習効果を判定することができる。したがって本実施の形態によれば、学習効果を具体的に点数判定等により判定することなく、従来よりも、簡単にしかも客観的に学習効果の判定を行うことができる。
なお図4は、図1の実施の形態をコンピュータを用いて実現する場合に、コンピュータにインストールされるプログラムの基本アルゴリズムを示すフローチャートである。なお図4のアルゴリズムにおいて、ステップST1においては、自己アフィンフラクタル次元演算手段が実現され、ステップST2においては自己アフィンフラクタル元変化演算手段が実現され、ステップST3では学習効果判定手段が実現される。
次に、学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率の学習進行に対する変化の傾向が、学習効果と負の相関を有していることを確認したときの、実験例を説明する。脳波信号の測定のために、脳波信号測定器として使用したのは日本光電社製の測定器MEG−6116である。図2に示すように、16個の皿電極を国際10−20電極法に基づき、右耳朶A2を基準電極として図2のように配置し、計16チャンネルで測定した。測定データは、遮断周波数1.5[Hz]のローカットフィルタ、100[Hz]のハイカットフィルタ、HUMフィルタを通り、サンプリング周波数1024[Hz]で、量子化分解能16[bits]のA/D変換器により記録した。実際に自己アフィンフラクタル次元の演算に用いた脳波信号は、図2のT5の電極から測定した側頭連合野からの脳波信号であった。
そしてVisual Basicで作成したStroop Testをタスク(学習作業)として用いた。出題色は赤、青、黄、緑、の4種類であり、出題する文字は漢字の「赤」、「青」、「黄」、「緑」とした。4色の色と、4種類の文字をランダムに組み合わせたものが、図6(A)に示すように画面に出力される。すなわち、青色で表示した「赤」の文字、黄色で表示した「緑」の文字のような、色と文字の組合せからなる画面を出力する。問題数は16問であり、1問あたりの解答時間を1秒とした。そして時間内に答えられなかった問題は不正解とした。また、出題色はJISで規定されている物体色の色名と一致するものを使用した。以上のように設定した、タスクにおいて10回の試行を行った。そのうち、前半5回は、文字の表現している色を、後半の5回は、文字の書かれている色を解答することとした。
実験開始前に被測定者には、図6(B)に示すように、タスク内容の説明を行い、閉眼安静状態で待機してもらった。そしてこの状態を15秒間記録した後、声による合図で、開眼安静状態へ移行した。この開眼安静状態を15秒記録した後に、声による合図と共にタスクを開始した。タスクの時間は30秒とした。タスク終了後はそのままの状態で約1分間、待機するようにあらかじめ伝えておいた。そして解答時には、マウス操作などによるアーティファクトの混入を避けるため、指先だけで解答ができるように、出題用のパソコンにつなげられたコントロールパッドを用いた。
実験は、Stroop Testの経験に差がある被測定者2人について調査を行った。各被測定者に対するStroop Testの経験度は以下のようになっている。
A:Stroop Testの経験が豊富な経験者。
B:Stroop Testの経験は数回ある若干の経験者。
測定して得られた脳波信号の全データに関して解析を行った。時間依存性の解析では、サイズT=1024(=1[sec])の矩形ウィンドウを256(=0.25[sec])ずつスライドさせて、60秒間の自己アフィンフラクタル次元の推定値Dの変化を求めた。自己アフィンフラクタル次元の推定結果の例として、被測定者Bの一回目のタスク時の、物の形や色に対する処理を行うとされる側頭連合野における次元の時間変化を図7に示す。この結果より、タスクを開始した30秒から、若干ではあるが、自己アフィンフラクタル次元の上昇が見られる。これは、脳が活性しているものと考えられる。図8及び図9は、被測定者A及びBについての、得点とタスクの解答時間をプロットした結果をそれぞれ示している。テストの結果から、図8に示した熟練度の高い被測定者Aにおいては、テストの内容を文字の色から、文字の意味に変えた瞬間に大きく成績が落ちていることがわかる。これは、Stroop Testに慣れていたため、意識的に解答しておらず、解答方法が変わった時、頭を瞬時に切り替えられなかったものと考えられる。また図9に示した被測定者Bについては、テストに関しての経験が浅いために、注意深く試験を行っていたため、解答方法が切り替わったときに瞬時に頭の中も切り替えられ、成績が落ちなかったものと考えられる。
次に、解答時間を最高16点とし、解答時間が短いほど、高得点になるように解答時間に関するスコアを決定し、正答数と平均した総合的な得点を総合得点とした。また最初の閉眼安静状態の自己アフィンフラクタル次元の平均値を基準とし、タスク時(学習作業時)の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化率を求め、タスクを繰り返し行った時の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化率の推移を求めた。すなわちこの総合得点(総合成績)Stotalを、正答数に関するスコアSansと、解答時間に関するスコアStimeを用いる場合には、Stotal=(Sans+Stime)/2の式を用いて求める。このような成績の求め方をすると、時間の経過に伴う学習効果の増加をより的確に確認することができる。
図10には、被測定者Aの総合得点と自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化率を一緒に示してある。また図11には、被測定者Bの総合得点と自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化率を一緒に示してある。これらの結果より、被測定者Aは解答方法を切り替えた直後に、総合得点は落ちているものの、全体的に一定の水準を保っていることがわかる。また、被測定者Bに関しては試行回数を増やすことによって総合得点が上昇していく傾向にあることがわかる。このことから、経験の浅い被測定者Bにおいては試行回数を増やすことにより、このタスクに関する熟練度が上昇していること(学習効果が増加していること)がわかる。
次に、次元の変化率と総合得点を比較した場合、被測定者Aは大きく成績を下げた後から次元の変化率が上昇している。これは慣れの状態が解除され、緊張状態になったため、脳の活動が活発になったためだと考えられる。被測定者Bについては、試行回数が増えると、自己アフィンフラクタル次元の変化率が減少していく傾向にあることが確認できる。これはタスクを繰り返すことにより、慣れの状態へ移行することで、解答をするのに必要な情報のみを取り出せるようになったためだと考えられる(すなわち学習効果が増加したと考えられる)。
この実験からは、タスクに関する経験の浅い被測定者Bにおいて試行回数を重ねるごとに総合得点が上昇し、次元の変化率が減少するという傾向を確認できた。これは、総合得点がほぼ一定であった経験の豊富な被測定者Aには見られなかったことから、被測定者Bがタスクに関して慣れていった(学習効果が増加した)ことによる影響が強いと考えることができる.
次に、言語理解に関る部分、即ち言葉を聞いて理解し、発話の際の文章生成をする脳の領域(ウエルニッケ野)と、視覚理解に関る部分(視覚野)の両方を刺激し、一方の刺激を不必要な情報として積極的に捨てる学習(余剰学習)の効果と、自己アフィンフラクタル次元の平均値との間に負の相関があることを確認した実験について説明する。この実験では、図12に示す脳の領域(図2のC4電極)から得た脳波信号から自己アフィンフラクタル次元を求めた。図13は、ある被測定者にタスクとして、最初の実験と同じStroop Testを行ったときの、1回目のトライアル(試行)、2回目のトライアル、3回目のトライアルにおける、それぞれ最初のタスクにおける自己アフィンフラクタル次元Daが、変化している状態を示している。1回のトライアルでは、複数回のタスクを実行する。図13を見ると分かるように、トライアルの回数(試行回数)が増えると、学習作業時の自己アフィンフラクタル次元が低下しているのが分かる。このことからも、学習効果と自己アフィンフラクタル次元とが負の相関を持っていることが推察される。そして図14は、Stroop Testの経験が少ない20代の成人男子で色の解答経験が少ない被測定者BについてのStroop Testの成績を左側の縦軸にとり、安静状態の自己アフィンフラクタル次元の平均値を基準としたときの、学習作業時の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化率Drate=(Dtask−Drest)/Drestを右側の縦軸にとり、トライアルの回数を横軸に取った結果を示している。成績は、最初の実験と同様に、総合得点(総合成績)Stotal =(Sans+Stime)/2と、正答数に関するスコアSansと、解答時間に関するスコアStimeとを求めている。この試験では、5回目までのトライアルでは、Stroop Testで文字の意味を解答させている。この被測定者Bは、トライアル6回目以降において、総合得点は徐々に増加している。そして6回目以降の総合得点と、学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化率Drateの変化の傾向(図14で太い線で表示した傾向)を見ると、両者には負の相関があることが判る。
また図15は、Stroop Testの経験が多い20代の成人男子を被測定者AとしてStroop Testを行ったときのトライアル回数(試行回数)と、安静状態の自己アフィンフラクタル次元の平均値を基準としたときの、学習作業時の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分(Dtask−Drest)との関係を上のグラフに示し、正解数を下のグラフに示している。図15からは、この被測定者Aの学習効果と、学習作業時の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分(Dtask−Drest)との間に、強い負の相関が見られることが分かる。
次に図16に示すタスクを前述の被測定者Bに実行して学習効果とが学習作業時の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分との関係を計測する実験の結果について説明する。この実験では、図16に示す問題欄に表示された図形と同じ図形を、25個の升目に表示された図形中から1秒以内に選択してクリックすることを20問解答することを1回のタスクとしている。なおこのタスクで使用したゲームについては、例えばインターネットでhttp://www.vector.co.jp/soft/dl/win95/game/se184789.htmlにアクセスすることにより行うことができる。この実験でも、先の実験と同様に、ウエルニッケ野からの脳波信号から自己アフィンフラクタル次元を演算している。このタスクでは、同じタスクの反復による脳の活性度の低下を知ることができる。
また図17は、前述の被測定者Bが図16のタスクを行ったときのトライアル回数(試行回数)と、安静状態の自己アフィンフラクタル次元の平均値を基準としたときの、学習作業時の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分(Dtask−Drest)との関係を上のグラフに示し、正解数を下のグラフに示している。図17からも、この被測定者Bの学習効果と、学習作業時の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分(Dtask−Drest)との間に、強い負の相関が見られることが分かる。
これらの実験から、本発明の学習効果判定装置が基礎とする判断基準、すなわち「安静時における自己アフィンフラクタル次元の平均値を基準として、学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率の学習進行に対する変化の傾向が、学習効果と負の相関を有している」ことが、客観的な判定基準となることが分かる。
上記実施の形態では、言葉を聞いて理解し、発話の際の文章生成をする脳の領域(ウエルニッケ野)と、視覚理解に関る部分(視覚野)の両方を刺激し、一方の刺激を不必要な情報として積極的に捨てる学習(余剰学習)の効果と、自己アフィンフラクタル次元の平均値との間に負の相関があることを確認した実験について説明した。すなわちウエルニッケ野と視覚野の一方を「所定の領域」と定めて脳波信号を測定して実験を行った。しかし本発明の装置を使用する場合には、前述の作業(タスク)に応じた適切な領域を「所定の領域」と定めるべきである。そこで以下に、作業(タスク)に応じた適切な脳の領域(所定の領域)を特定して学習効果判定装置を使用する方法について説明する。
まず事前に、学習作業で行う具体的な作業について被験者に解答方針を与えることなく、被験者が具体的な作業を行っているときにおける複数の領域から測定した複数の脳波信号に基づいて、自己アフィンフラクタル次元演算手段2により複数の自己アフィンフラクタル次元を求める。そして次に、自己アフィンフラクタル次元変化演算手段4を用いて、複数の脳波信号における第1回目の複数の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率を求める。次に、学習作業で行う具体的な作業について被験者に解答方針を与え、被験者が具体的な作業を行っているときにおける複数の領域から測定した複数の脳波信号に基づいて、自己アフィンフラクタル次元演算手段2により複数の自己アフィンフラクタル次元を求める。その後、自己アフィンフラクタル次元変化演算手段4を用いて、複数の脳波信号における第2回目の複数の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率を求める。そして第1回目の複数の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率と第2回目の複数の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率とを対比して、変化幅が増加方向に最も大きくなる脳波信号が測定された1つの領域を具体的な作業に対する「所定の領域」と定める。変化幅が増加方向に最も大きい領域は、最も反応の強い領域である。したがって、この反応の強い領域からの脳波信号が、その具体的な作業(タスク)における学習効果の判定に最も適している。
このような反応の強い領域が発生することは、以下のナンバープレイスのゲームを作業(タスク)とする実験から確認された。この実験では、60秒の開眼安静の後、180秒間問題を解くこととした。測定回数は、2回で、第1回目の測定では、ゲームの最低限のルールだけでを試験者に教えた。そして第2回目の測定では、ゲームを行う[作業(タスク)を解く]ためのコツを試験者に教えた。図18(A)は実験に用いた9×9マスのナンバープレイスの一例であり、図18(B)は解答の一例を示している。基本的なルールは、同じ行、列、3×3のブロック内に1〜9の数字を重複しないように埋めるというものである。そして第2回目において試験者に教えたコツは、例えば、「2という数字を見て、行、列に関して走査をする。2のないブロックを見たときに空のマスがあった場合2が入る。」というものであった。図19は、このゲーム(作業)を行っているときの試験者の脳内における活動の状態を示している。第1回目においては、試験者は最低限のルールしか知らないため、思考錯誤して解答方針を探るため、脳全体が活動する。しかし試験者は、局所的にブロック内の行、列しか見ていない。しかし第2回目は、解き方の方針がある程度判っているので、試験者は全体の行、列、ブロックを見て判断することになる。図20は、実験結果を示している。図20において、横軸には、図2に示した、16個の皿電極を国際10−20電極法に基づき、右耳朶A2を基準電極として配置した16チャンネルを示している。そして縦軸には、自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化率を示している。なお変化率ではなく、平均値の変化分でもよいのは勿論である。そして図20には、各チャンネルの位置に、第1回目の作業における自己アフィンフラクタル次元の変化率を左側に示し、第2回目の作業における自己アフィンフラクタル次元の変化率を右側に示した。図20に示された第1回目と第2回目の比較結果から10チャンネルにおいて、増加傾向として、最も変化率の変化が大きく現れている。10チャンネルは、脳の視覚記憶の部位であり、試験者が全体を見て判断する傾向が強くなっていることが判る。その結果、試験者に解答を与えることにより、解答の際に試験者が使用する脳の部位が限定された。なお次元が上昇するチャンネルは、学習効果が増加傾向にあることを示しており、次元が下降するチャンネルは、学習効果も下降する傾向にあることが実験により確認されている。上記の実験結果から、作業に応じた適切な脳の領域からの脳波信号に基づいて、学習効果を判定するのが好ましいことが理解できる。
脳波信号測定器から出力された脳波信号を入力とする本発明の学習効果判定装置の実施の形態の一例を、コンピュータを用いて実現する場合に、コンピュータ内に実現される機能実現手段を示すブロック図である。 被測定者の頭部に配置する電極の電極配置図である。 (A)は脳波の原信号の一例を示す波形図であり、(B)は演算した自己アフィンフラクタル次元の一例を示す波形図である。 図1の実施の形態をコンピュータを用いて実現する場合に、コンピュータにインストールされるプログラムの基本アルゴリズムを示すフローチャートである。 自己アフィンフラクタル次元と学習効果との関係を調べるための実験を行ったときに得られた自己アフィンフラクタル次元の演算結果を示すグラフである。 (A)はStroop Testに使用する画面の一例を示しており、(B)は1回のタスクにおける時間の関係を示す図である。 被測定者の1回目のタスク時の側頭連合野における次元の時間変化を示す図である。 被測定者Aについての、得点とタスクの解答時間をプロットした結果を示す図である。 被測定者Bについての、得点とタスクの解答時間をプロットした結果をそれぞれ示す図である。 被測定者Aの総合得点と次元の変化率を一緒に示す図である。 被測定者Bの総合得点と自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化率を一緒に示す図である。 測定対象とした脳の領域を示す図である。 ある被測定者にタスクとして、最初の実験と同じStroop Testを行ったときの、3回のトライアルにおける、それぞれ最初のタスクにおける自己アフィンフラクタル次元の変化を示す図である。 Stroop Testの経験が少ない被測定者BについてのStroop Testの成績と自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化率とをトライアルの回数を横軸に取って示した図である。 Stroop Testの経験が多い20代の成人男子を被測定者としてStroop Testを行ったときのトライアル回数(試行回数)と、安静状態の自己アフィンフラクタル次元の平均値を基準としたときの、学習作業時の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分との関係と正解数とをそれぞれ示す図である。 タスクの他の例の画面を示す図である。 被測定者Bが図16のタスクを行ったときのトライアル回数と、安静状態の自己アフィンフラクタル次元の平均値を基準としたときの、学習作業時の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分との関係と正解数とを示す図である。 (A)は実験に用いた9×9マスのナンバープレイスの一例を示す図であり、(B)は解答の一例を示す図である。 ゲーム(作業)を行っているときの試験者の脳内における活動の状態を示す図である。 実験結果を示す図である。
符号の説明
1 脳波信号測定器
2 自己アフィンフラクタル次元演算手段
3 次元記憶手段
4 自己アフィンフラクタル次元変化演算手段
5 次元変化記憶手段
6 学習効果判定手段
7 学習効果判定装置

Claims (11)

  1. 被測定者の脳の複数の領域のうち学習機能を有する所定の領域から測定した、安静時及び学習作業時における脳波信号から、自己アフィンフラクタル次元を求める自己アフィンフラクタル次元演算手段と、
    前記安静時における自己アフィンフラクタル次元の平均値を基準として、前記学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率を求める自己アフィンフラクタル次元変化演算手段と、
    前記変化分または変化率の学習進行に対する変化の傾向が、学習効果と負の相関を有しているとの判定基準に基づいて、前記被測定者の学習の効果を判定する学習効果判定手段とを有していることを特徴とする学習効果判定装置。
  2. 前記自己アフィンフラクタル次元演算手段は、前記学習作業時における過渡期を除いた安定時期における前記自己アフィンフラクタル次元の平均値を求める請求項1に記載の学習効果判定装置。
  3. 前記自己アフィンフラクタル次元変化演算手段は、前記安静時における前記自己アフィンフラクタル次元の平均値と前記学習作業時における前記自己アフィンフラクタル次元の平均値との差を、前記変化分として演算する請求項1に記載の学習効果判定装置。
  4. 前記自己アフィンフラクタル次元変化演算手段は、前記安静時における前記自己アフィンフラクタル次元の平均値と前記学習作業時における前記自己アフィンフラクタル次元の平均値との差を、前記安静時における前記自己アフィンフラクタル次元の平均値によって除算した値を前記変化率として演算する請求項1に記載の学習効果判定装置。
  5. 前記自己アフィンフラクタル次元演算手段は、前記自己アフィンフラクタル次元の推定値Dを、D=2−Hの演算式を用いて演算し、
    ここでHは下記の式により求められるHurst指数であり、
    上記Hurst指数の式において、f(t)は時刻tにおける前記脳波信号の時系列データであり、f(t+τ)は時刻tから時刻τだけ離れた前記脳波信号の時系列データであり、αはα次のモーメントを下記の式のように表した場合における次数であり、
    前記αを2として、前記自己アフィンフラクタル次元の推定値Dを求めることを特徴とする請求項1に記載の学習効果判定装置。
  6. 前記自己アフィンフラクタル次元演算手段で用いる前記脳波信号は、前記被測定者が所定時間目を閉じた状態で測定した脳波信号とその後所定時間目を開いた状態で測定した脳波信号とを前記安静時の脳波信号として含んでおり、
    前記フラクタル次元変化演算手段で用いる前記安静時における前記自己アフィンフラクタル次元の平均値は、前記所定時間目を開いた状態で測定した前記脳波信号から求めた前記フラクタル次元である請求項3に記載の学習効果判定装置。
  7. 前記脳波信号は、前記被測定者の前記脳の領域がウエルニッケ野または言語野からの脳波信号である請求項1に記載の学習効果判定装置。
  8. 前記学習効果判定手段は、前記学習進行に対する前記変化分または変化率が低下していく傾向にあるときに、学習効果が増大している傾向にあると判定する請求項1に記載の学習効果判定装置。
  9. 被測定者の脳の複数の領域のうち学習機能を有する所定の領域から測定した、安静時及び学習作業時における脳波信号から、自己アフィンフラクタル次元を求める自己アフィンフラクタル次元演算手段と、
    前記安静時における自己アフィンフラクタル次元の平均値を基準として、前記学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率を求める自己アフィンフラクタル次元変化演算手段と、
    前記変化分または変化率の学習進行に対する変化の傾向が、前記学習進行と共に低下し、且つ、学習効果と負の相関を有しているとの判定基準に基づいて、前記被測定者の学習の効果を判定する学習効果判定手段とを、コンピュータ内に実現するために前記コンピュータにインストールされる学習効果判定装置用プログラム。
  10. 前記自己アフィンフラクタル次元演算手段は、前記自己アフィンフラクタル次元の推定値Dを、D=2−Hの演算式を用いて演算し、
    ここでHは下記の式により求められるHurst指数であり、
    上記Hurst指数の式において、f(t)は時刻tにおける前記脳波信号の時系列データであり、f(t+τ)は時刻tから時刻τだけ離れた前記脳波信号の時系列データであり、αはα次のモーメントを下記の式のように表した場合における次数であり、
    前記αを2として、前記自己アフィンフラクタル次元の推定値Dを求めることを特徴とする請求項9に記載の学習効果判定装置用プログラム。
  11. 被測定者の脳の複数の領域のうち学習機能を有する所定の領域から測定した、安静時及び学習作業時における脳波信号から、自己アフィンフラクタル次元を求める自己アフィンフラクタル次元演算手段と、
    前記安静時における自己アフィンフラクタル次元の平均値を基準として、前記学習作業時における自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率を求める自己アフィンフラクタル次元変化演算手段と、
    前記変化分または変化率の学習進行に対する変化の傾向が、学習効果と負の相関を有しているとの判定基準に基づいて、前記被測定者の学習の効果を判定する学習効果判定手段とを有している学習効果判定装置の使用方法であって、
    事前に、前記学習作業で行う具体的な作業について被験者に解答方針を与えることなく、前記被験者が前記具体的な作業を行っているときにおける前記複数の領域から測定した前記複数の脳波信号に基づいて、前記自己アフィンフラクタル次元演算手段により複数の自己アフィンフラクタル次元を求めた後、前記自己アフィンフラクタル次元変化演算手段を用いて、前記複数の脳波信号における第1回目の前記複数の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率を求め、
    次に、前記学習作業で行う前記具体的な作業について前記被験者に前記解答方針を与え、前記被験者が前記具体的な作業を行っているときにおける前記複数の領域から測定した前記複数の脳波信号に基づいて、前記自己アフィンフラクタル次元演算手段により複数の自己アフィンフラクタル次元を求めた後、前記自己アフィンフラクタル次元変化演算手段を用いて、前記複数の脳波信号における第2回目の前記複数の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率を求め、
    前記第1回目の前記複数の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率と前記第2回目の前記複数の自己アフィンフラクタル次元の平均値の変化分または変化率とを対比して、変化幅が増加方向に最も大きくなる脳波信号が測定された1つの前記領域を前記具体的な作業に対する前記所定の領域と定めて前記学習効果判定装置を使用することを特徴とする学習効果判定装置の使用方法。
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