JP2008221376A - 加工用カンチレバー - Google Patents

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Abstract

【課題】
微細加工をするためのSPM(走査型プローブ顕微鏡)の機能を利用した加工法に使用する加工用カンチレバーについて、加工抵抗によってプローブの姿勢が変化しない加工用カンチレバーを実現し、これによって、高精度な微細形状の形成を可能とすること。
【解決手段】
工作物を加工するためのプローブが固定されていて、弾性変形することによって工作物に荷重を負荷するためのレバー部を有する加工用カンチレバーについて、そのレバー部の支持部を複数設け、そのレバー部の重心位置にプローブを配置したこと。
【選択図】 図6

Description

この発明は、微細加工をするためのSPM(走査型プローブ顕微鏡)の機能を利用した加工法に使用する加工用カンチレバーに関するものであり、加工抵抗によってプローブの姿勢が変化しない加工用カンチレバーを実現し、これによって、高精度な微細形状の形成を可能にしたものである。
この発明に先行する従来技術として、特開2005−258285号公報(公知文献1)に記載されているものがある。この従来技術は、フォトマスクの黒欠陥(凸状欠陥)をプローブ顕微鏡技術を用いて修正する際、プローブとマスクガラス基板間の摩擦による静電気の帯電を起因とするマスクパターン間の放電を防止することにより、パターンを破損させることなくマスクパターンを修正させることが可能な加工用カンチレバーを提供することを目的とし、次の事項を解決手段とするものである。
すなわち、欠陥部を機械的に削りとるのに用いられるプローブに導電性をもたせるようにし、また、加工時の摩擦による静電気をプローブ、カンチレバー、カンチレバー保持部材から装置筐体へと逃がすことで、マスクガラス基板の静電気帯電を防ぎ、マスクパターン間の放電を起こさせること無く、パターンを破損させることなしにマスクパターンを修正できるものである(図1参照)。
公知文献1の加工用カンチレバーは、シリコンを異方性エッチングによる短冊状に加工してカンチレバー部1とレバー基部2(ベース部)とを形成したものであり、カンチレバー部1がレバー基部2から一体に突設された構造であり、カンチレバー部1の先端下面に導電性ダイヤプローブ5を固定しているものである。
また、特開平5−71951号公報(公知文献2)に記載されているものがある。この従来技術は、光てこ方式の原子間力顕微鏡において、レーザー光の反射ビームが拡散するのを防止し、検出精度、感度の向上を図ることを目的とし、次の事項を解決手段とするものである。
すなわち、光てこ方式の原子間力顕微鏡において、試料表面の形状を測定するためのプローブ103が、ヒンジ106により支持された光反射平板105の一端部に突設されたカンチレバー部104の先端下面に設けられており、原子間力にて上下動する該プローブ103の移動により生じる、ヒンジ部106のねじれ角に対応した光反射平板105の回転角により、試料表面の形状変化を検出するものである(図2参照)。
〔従来技術の問題点〕
微細形状を形成するための加工法として、フォトリソグラフィーやエッチング等の半導体プロセスがあるが、一般的には2.5次元の加工であり、3次元的な形状を加工するのは困難である。3次元的な形状を加工するために期待されている加工法の1つにSPMの機能を利用した加工法がある。
SPMの原理を図3を参照して説明する。
SPMは先端を尖らせたプローブを用いて、物質の表面をなぞるように動かして表面状態を観察する顕微鏡の種類である。原子間力を利用したAFM(原子間力顕微鏡)が代表的な顕微鏡であり、図3はAFMの原理をも示している。プローブが物質の表面をなぞるときに、カンチレバーの反り量が一定に維持されるように、つまりフォトダイオードでのレーザー光の検出位置が一定となるようにピエゾのZ軸の上下動がフィードバック制御される。カンチレバーの反り量を一定に維持することは、プローブと物質との間に働く力を一定に維持することであり、その力は微小であるため原子間力といわれる。
この反り量の設定によって原子間力より大きな荷重を発生させることが可能であり、物質を加工することができる。そして、発生させた荷重を一定に維持することができるので、深さ一定で溝加工することが可能である。加工対象が曲面であっても、原理的にはその曲面に対して追従することで深さが一定の溝加工が可能である。ピエゾのフィードバック制御のストロークは数μm程度であるため、曲面の加工には図3に示すような構成からなる加工ヘッド部を、3次元的に走査できる装置が必要となる。
従来からカンチレバー加工で使用されるカンチレバーは、特開2005−258285号公報(図1参照)にも示されているように、片持ち梁状のものである。片持ち梁はその自由端すなわちプローブが固定されている端部が反ったり、ねじれたりし易く、このように高感度で反ったり捩れたりする特性を形状測定や摩擦力測定に利用している。しかし、加工を目的とするときには、測定を目的とする場合に比して大きな加工抵抗をプローブが受けることになるため、図4,図5に示すように、プローブが存在する部分が反ったり、ねじれたりして、プローブの姿勢が大きく変化し、プローブが傾斜してしまうことになる。特にサブμmレベルの幅や深さの加工を行うとしたときに大きな加工抵抗が発生するため、このような現象が顕著になってくる。
プローブの姿勢が変化してしまうと、例えば溝加工をする場合に加工された溝が傾斜してしまうことや、溝の位置がずれてしまうことになり、その結果、所望の形状を所望の位置に加工することが不可能になってしまう。また、このような反りやねじれが周期的に発生すると、例えば一直線の加工をしようとしたときに波線の加工になってしまう。この周期が短くなってくると加工面のうねりや表面粗さにその影響が出てしまう。このように、片持ち梁からなるカンチレバーを加工に使用すると、高精度な加工が不可能となる。上記公知文献1(特開2005−258285号公報)に記載されている従来技術ではこのようなことは考慮されていない。
また、上記公知文献2(特開平5−71951号公報)の従来技術ではプローブがヒンジに支持された平板の一端部に設けられ、原子間力にて上下するプローブの移動によってヒンジ部がねじれる機構でカンチレバーが構成されているものが考案されているが、ヒンジ部のねじれによってプローブの姿勢が容易に変化してしまう構造であるため、加工に使用することはできない。
特開2005−258285号公報 特開平5−71951号公報
本発明は、微細加工をするためのSPM(走査型プローブ顕微鏡)の機能を利用した加工法に使用する加工用カンチレバーについて、加工抵抗によってプローブの姿勢が変化しない加工用カンチレバーを実現し、これによって、高精度な微細形状の形成を可能にすることをその課題とするものである。
上記課題を解決するための手段は、工作物を加工するためのプローブが固定されていて、弾性変形することによって工作物に荷重を負荷するためのレバー部を有する加工用カンチレバーについて、そのレバー部の支持部を複数設け、そのレバー部の重心位置にプローブを配置したものである。
なお、上記の「支持部を複数設け」たレバー部の平面形状は、棒形、十字形、星形等であり、その複数の端部が支持部にそれぞれ支持されている形状である。
また、上記の「レバー部の重心位置」は、簡単に言えば、荷重を負荷する方向から見て、幾何学的に点対称形状ならばその対称中心に相当する位置であり、プローブが存在する位置を意味する。
この発明の効果を各請求項毎に整理すれば次のとおりである。
(1)請求項1について
請求項1においては、レバー部はその支持部が2箇所以上あり、レバー部の重心位置にプローブを配置したことを特徴とするものであるから、従来の支持部が1箇所しかない片持ち梁であるのに比して、レバー部の捩れに対して強度が顕著に強くなり、捩れモーメントが極力かからない位置に存在するので、加工抵抗によってプローブが傾斜することが防止される。
(2)請求項2について
請求項2においては、工作物に荷重を負荷する方向から見て、レバー部が点対称形状であることを特徴とするものであるから、工作物に荷重を負荷するときに、レバー部が均等に変形するので、プローブが傾斜することが防止される。
その理由は次のとおりである。
点対称のレバー部形状の中心点、つまり重心位置にプローブが位置しており、プローブと工作物との間に荷重が発生したときに、レバー部の対称中心、つまり重心位置に荷重がかかることになるので、点対称な形状のレバー部は対称中心に対して均等に変形することになる。それゆえ、プローブが傾斜しないで上下に変位するのである。なお、上記の「レバー部が対称形状である」は、レバー部がレバー部の重心位置を中心として対称な形状であることを意味する。
(3)請求項3について
請求項3においては、レバー部の厚さをレバー部近傍の支持部材の厚さより薄くしたことを特徴とするものであるから、レバー部のみが選択的に変形するので、プローブが傾斜することが防止される。
その理由は次のとおりである。
梁のたわみは断面二次モーメントに反比例することと、断面二次モーメントは梁の厚さの3乗に比例することから、梁の厚さを大きくするとたわみは小さくなる。このことから、厚さの小さいレバー部のみが選択的に変形することになる。レバー部のみを選択的に変形させるには、レバー部の厚さをレバー部近傍の支持部材の厚さより可能な限り薄くすることが好ましい。
なお、上記の「レバー部の厚さ」は、レバー部の最大厚さを持つ部分の厚さを意味し、「レバー部の厚さをレバー部近傍の支持部材の厚さより薄くした」とは、レバー部の最大厚さを持つ部分の厚さを支持部材の最小厚さを持つ部分の厚さよりも概略1/2以下にしたことを意味する。
また、上記の「選択的に変形する」は、レバー部だけが工作物に与えた荷重の向きと反対の方向にたわんで変形することを意味する。このように変形すると、レバー部以外の部分が変形しないのであるから、プローブが傾斜することはない。
(4)請求項4について
請求項4においては、レバー部の幅をレバー部近傍の支持部材の幅より小さくしたことを特徴とするものであるから、レバー部のみが選択的に変形するので、プローブが傾斜することを防止できる。
その理由は、次のとおりである。
梁のたわみは断面二次モーメントに反比例することと、断面二次モーメントは梁の幅に比例することから、梁の幅を大きくするとたわみは小さくなる。このことから、幅の小さいレバー部のみが選択的に変形することになる。レバー部のみを選択的に変形させるには、レバー部の幅をレバー部近傍の支持部材の幅より可能な限り小さくすることが好ましい。
なお、上記の「レバー部の幅」は、レバー部の最大幅を持つ部分の幅を意味し、「レバー部の幅をレバー部近傍の支持部材の幅より小さくした」とは、レバー部の最大幅を持つ部分の幅を支持部材の最小幅を持つ部分の幅よりも概略1/10以下に小さくしたことを意味する。
また、上記の「選択的に変形する」は、レバー部だけが工作物に与えた荷重の向きと反対の方向にたわんで変形することを意味する。このように変形すると、レバー部以外の部分が変形しないのであるから、プローブが傾斜することはない。
(5)まとめ
本発明により、加工用カンチレバーのねじれによるプローブの傾斜を防止できるので、表面粗さや、うねりが小さい微細形状の加工をすることができ、また、所望の位置に加工できることになるので、高精度な微細形状の形成を可能にすることができる。
この発明の技術的特徴は、加工用カンチレバーにおけるレバー部の支持部を複数設け、そのレバー部の重心位置にプローブを配置した点にある。そしてその具体例が図6に示されている。この例においては、レバー部は直線棒状であり、これに対する支持部が2箇所である。この構造によりレバー部のねじれに対する強度が、従来の片持ち梁のカンチレバーに比して著しく高い。さらに、プローブをレバー部の重心位置に配置することで、ねじれのモーメントが極力かからない構造になっている。例えばレバー部の部材のヤング率をE、レバー部(梁)の長さをL、幅をW、厚さをHとしたときに、レバー部が片持ち梁の場合のバネ定数はk=E・W・H/(4・L)となるが、両端固定梁の場合のバネ定数はk=16・E・W・H/Lとなり、両端固定梁はバネ定数も64倍となる。カンチレバーを加工するのに使用したときのレバーの変位が同じになるように変位量を設定すると、両端固定梁の方が大きな荷重を負荷することができる。
ちなみに、上記の「片持ち梁」は、図13に模式的に示すように、固定部Fに一端が固定され、固定部Fから張り出していて他端が自由端である片持梁Lであり、荷重点P1の撓み量が大きく、荷重点の傾斜が大きい。また、上記の「両端固定梁」は、図14に模式的に示すように、両端が固定部F,Fに梁Bが固定されて支持されており、荷重点P2の撓み量が比較的小さく、この荷重点P2を中心にして左右対称であるから、荷重点P2における傾斜角度は、理論上はゼロである。
図7の具体例ではレバー部に対する支持部が2箇所ある。レバー部はカンチレバーの他の部分(レバー支持枠部)よりも幅が狭いため、この部分が選択的に変形する。
図8の具体例ではレバー部の支持部が4箇所ある。このレバー部はカンチレバーのレバー部近傍の支持枠部よりも厚さが薄いため、この部分が選択的に変形する。
図9の例、図10の例もレバー部の支持部が4箇所ある例である。どちらもレバー部の幅が支持枠部の幅よりも狭くなっているので、この部分が選択的に変形する。なお、カンチレバーのレバー部近傍のレバー支持枠部に比して、レバー部の厚さが薄く、かつ、幅が狭いようにしても良い。
図11の例と図12の例はレバー部の支持部が5箇所ある例と、4箇所ある例であるが、これらは、レバー部の支持部と連続する部分の幅が狭くなっているので、レバー部が選択的に変形する。
次いで、図6から図17を参照して実施例を説明する。
実施例1のカンチレバー60は図6に示す構造のステンレス製のものであり、その一直線状のレバー部61がカンチレバー60の長手方向に延びており、その一端がレバー基部65に一体に固定され、他端がレバー支持枠部62に支持部62jで一体に固定されている。そして、レバー部61の重心位置にダイヤモンド製のプローブpが固定されている。
レバー部61の長さは500μmであり、幅は100μmであり、厚さは20μmである。そしてまた、レバー支持枠部62は矩形であって、その左右両側辺62a、62bの幅は1.2mmであり、厚さは20μmである。
以上のカンチレバーをAFMに装着して加工を行った。荷重を300μNに設定し、送り速度を200μm/sとして、無電解ニッケル平面に直線のV溝を形成し、形成されたV溝をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察した。その結果は図15(b)に示すとおりである。従来例として片持ち梁からなるレバー部を持つカンチレバーによる加工結果は図15(a)に示すとおりであり、レバー部の捩れに対する強度が不足しているために、加工中にプローブが撓んで傾斜したり戻ったりという現象が起き、これによって、レバー部先端に固着されたプローブの姿勢が変化するため、形成されるV溝がうねっている。これに対してこの実施例1の加工結果においては、直線のV溝が形成されており、このことは図15(b)から明らかである。これは、実施例1ではそのレバー部が両端支持梁状のものであり、その重心位置にプローブpが固着されているので、レバー部の撓みと捩れによるプローブの姿勢変動がないことによるものである。
また、図7に示すカンチレバー70は、図6のカンチレバー60の変形例であり、一直線状のレバー部71がカンチレバー70の横方向に延びていて、その端部が四角なレバー支持枠部72の左右側辺72a,72bにそれぞれ支持部72jで一体に固定されている。
レバー部71の長さは450μmであり、幅は90μmであり、厚さは20μmである。そしてまた、レバー支持枠部72は矩形であって、その左右両側辺72a,72bの幅は1.2mmであり、厚さは20μmである。
このカンチレバー70をAFMに装着してV溝を加工した。荷重、送り速度、加工面等の加工条件は図6の実施例1と同じである。加工されたV溝をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察した結果は、実施例1の結果(図15(b)のもの)と同様に、良好であった。
実施例2のカンチレバー80は図8に示す構造のシリコン製カンチレバーであり、カンチレバー80の長手方向のレバー部81yと横方向のレバー部81xとによる十字状レバー部81を有し、その重心位置にダイヤモンド製のプローブpが固定されている。
長手方向のレバー部81yの長さは1mm、幅は70μm、厚さは50μmであり、横方向のレバー部81xの長さは1mm、幅は70μm、厚さは50μmである。この十字状のレバー部81は、レバー基部85と、レバー支持枠部82とに4つの支持部82jで一体に固定されている。
なお、レバー支持枠部82の左右両側辺82a,82bの幅は90μmであり、厚さは120μmである。
以上の実施例2のカンチレバー80をAFMに装着して、無電解ニッケル平面にV溝を加工した。この加工で形成したV溝は、ピッチが200nm、幅が200nm、深さが350nmである。このV溝の表面粗さを測定したところ、6nmRaであった。従来例の片持ち梁によるレバー部を持つカンチレバーによる加工では、加工抵抗に対してプローブがビビリを生じ、このビビリの影響により、表面粗さが19nmRaであった。これに対してこの実施例2で作製したものを型とし、これを樹脂に転写し、その転写面の反射率を測定したところ、可視光の領域において0.6%以下の反射率に抑えることができ、これにより、樹脂製レンズに反射防止機能をもたせることができた。
また、図9および図10に示すものは、実施例2のカンチレバーの変形例であり、図9の変形例は十字状レバー部91を支持するレバー支持枠部92の内側面形状が概略円形で、外側面の形状が四角形である。また、図10の変形例は十字状レバー部101を支持するレバー支持枠部102の内側面形状が略円形で、先端外側面の形状が半円形であり、この部分の幅は800μmである。
なお、十字状のレバー部91,101の長さ、幅、厚さは図8の十字状のレバー部81と違いはない。
これらの変形例のカンチレバーを作成し、これを使用して試験加工を行った。試験条件は実施例2と同じであり、実施例2と同様に良好なV溝を形成できることが確認された。
実施例3のカンチレバー110は、実施例2と同様のシリコン製で、図11に示す構造を有し、5つのアームを備えた星形のレバー部111によるものであり、この星形のレバー部111が5つの支持部112jでレバー支持枠部112に一体に固定されている。そして、星形のレバー部111の重心位置にダイヤモンド製のプローブpが固定されている。なお、星形のレバー部111に対するレバー支持枠部112は、図10に示す実施例2の変形例のレバー支持枠部102と同様である。
星形のレバー部111の各アーム111xの根元の幅は80μm、先端部(支持部112jに接続されている部分)の幅は30μmである。
以上のような実施例3のカンチレバー110を使用して微細溝加工を行い、また、図3に示すような機構の加工ヘッドを、図16に示すようなパラレルリンク機構Rに装着して、3次元曲面である金型Dの成形面に加工を行った。これはパラレルリンク機構Rによって自在な角度で加工を行った装置であり、パラレルリンク機構Rによって加工ヘッドHを動かすことで、金型Dの成形面に対してツールパスを発生させ、加工荷重が一定となるように加工ヘッド部Hのピエゾを制御することによって、金型Dの成形面に一定深さの微細溝を加工することが可能である。
次いで、上記のように加工された金型を使用して成形した光学素子を説明する。
図17は、レーザープリンターの走査レンズを示している。
自由曲面からなる光学表面に、図17のように光学表面の法線方向と光学素子成形時の離型の方向とが一致する付近を中心点とする。ここで、離型方向は図17の光学表面に対して垂直方向(紙面に対して垂直方向)である。上記中心点から放射状に20分割する微細溝がその光学表面に存在する。さらに放射状の微細溝と微細溝の間にも微細溝が存在し、それぞれの隣り合う微細溝と微細溝との間隔を190nmとしている。このようなパターンで配列する190nmの幅で300nmの深さのV溝形状を金型の成形面に形成した。V溝の表面粗さについては、6nmRaという良好な粗さを得ることができた。V溝の配列も所望のパターンからの大きなずれも発生しなかったため、成形した光学素子の反射率を測定したところ、波長が650nmのレーザービームに対しての光学表面の反射率を0.6%以下に抑えることができた。
ここで、パラレルリンク機構ではなく、5軸あるいは6軸の多軸の機構をもつ装置に図3に示すような機構の加工ヘッドを装着した場合でも、上記の加工を実現することが可能である。
また、図12のカンチレバー120は十字状のレバー部121によるものであり、その各アームの根元の幅は90μm、先端部(支持部122jに接続されている部分)の幅は30μmである。
このカンチレバー120は、図11のカンチレバー110に対する比較例であり、このカンチレバー120について、実施例3と同様に良好な加工結果をすることができた。
ただし、カンチレバーの星形レバーである実施例3は、図12の比較例ではアームが4つであるのに対して5つであるので、プローブの傾斜をより抑えられるという利点がある。
は、加工用カンチレバーの従来例の斜視図である。 は、加工用カンチレバーの他の従来例の斜視図である。 は、SPM(走査型プローブ顕微鏡)の原理を示す斜視図である。 は、加工用カンチレバーが捩れて先端のプローブが傾斜した状態を示す模式図である。 は、加工用カンチレバーが反って先端のプローブが傾斜した状態を示す模式図である。 は、実施例1の平面図である。 は、実施例1の変形例の平面図である。 は、実施例2の平面図である。 は、実施例2の変形例の平面図である は、実施例2の他の変形例の平面図である。 は、実施例3の平面図である。 は、実施例3に対する比較例の平面図である。 は、片持ち梁の模式図である。 は、両端固定梁の模式図である。 (a)は、従来技術の加工用カンチレバーを用いて形成したV溝をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察した写真であり、(b)は、、実施例1の加工用カンチレバーで形成したV溝をSEMで観察した写真である。 は、3次元曲面上の微細溝加工の様子を示す模式図である。 は、光学素子表面の微細溝の平面図である。
符号の説明
60,70,80,110,120:カンチレバー
61,71,81,91,101,111,121:レバー部
62,72,82,92,102,112:レバー支持枠部
65,85,105:レバー基部
P:プローブ
F:固定部
B:梁
R:パラレルリンク機構
L:支持梁
P1,P2:荷重点
D:金型
H:加工ヘッド

Claims (4)

  1. 工作物を加工するためのプローブが固定されていて、弾性変形することによって工作物に荷重を負荷するためのレバー部を有する加工用カンチレバーにおいて、レバー部の支持部が2箇所以上あり、レバー部の重心位置にプローブを配置したことを特徴とする加工用カンチレバー。
  2. 請求項1の加工用カンチレバーにおいて、工作物に荷重を負荷する方向から見て、レバー部が点対称形状であることを特徴とする加工用カンチレバー。
  3. 請求項2の加工用カンチレバーにおいて、レバー部の厚さをレバー部近傍の支持部材の厚さより小さくしたことを特徴とする加工用カンチレバー。
  4. 請求項2の加工用カンチレバーにおいて、レバー部の幅をレバー部近傍の支持部材の幅より小さくしたことを特徴とする加工用カンチレバー。
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