JP2008221058A - 水中微生物の分離濃縮装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 水中微生物を計測する計測システム用いられる水中微生物の分離濃縮装置であって、検出対象とする試料水中の微生物の粒径よりも小さい孔径を有し、親水性かつ表面が平滑な平膜1を、該平膜1の形状を保持する支持体2の上に固定し、該平膜1により試料水をろ過し、検出対象の微生物を捕捉するとともに、上記平膜1の表面に付着した検出対象の微生物を物理的撹拌手段6により浮遊させ、回収することとした。
【選択図】 図1
Description
ろ過濃縮ステップでは、直径47mm又は90mm、ポアサイズ5μmの親水性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ディスクフィルターを用い、加圧又は吸引式のフィルターホルダーに取付け試料をろ過する。
免疫蛍光染色、顕微鏡観察では、蛍光標識した抗クリプトスポリジウム抗体でクリプトスポリジウムを染色し、蛍光顕微鏡で観察する。
このように、従来、微生物の検査において、検査精度が低いことや操作が複雑であるため熟練した技術が必要であり、作業者の負担が大きいため、作業ステップの自動化・省力化が望まれている。
図1は、本発明に係る水中微生物の分離濃縮装置で採用されるフローセルの一実施の形態を示す。
このフローセル10は、トラックエッチフィルター1を、メッシュクロス2を支持体とし、フィルター固定パッキン3で固定し、これらをフローセル上部4とフォローセル下部5とで挟み込んだ構造となっている。
トラックエッチフィルター1としては、例えば、ワットマン社製の、ニュークレポアフィルター(商品名)が好適である。
クリプトスポリジウムの粒径は4〜6μmであり、またトラックエッチフィルター1の孔径はプラス0%、マイナス10%の精度を有する。したがって、トラックエッチフィルター1の孔径は、検出対象とするクリプトスポリジウムの粒径よりも小さい。このため、トラックエッチフィルター1は、ほぼ100%の確率で、クリプトスポリジウムをその上に捕捉することができる。
なお、平膜としては、トラックエッチフィルターに代え、孔径が均一でシャープな孔径分布をもち、孔径よりも大きな粒子を表面捕捉できるメンブレンであれば樹脂製のほか、金属製のフィルターといったものも用いることができる。
トラックエッチフィルター1により試料水をろ過する場合、試料水を吸引又は加圧して供給するため、トラックエッチフィルター1が変形し伸びる可能性がある。それに伴いトラックエッチフィルター1の孔径が広がるおそれがある。
本実施の形態では、ろ液を流下でき、トラックエッチフィルター1の形状を保持できる支持体の上にフィルターを固定することとしている。これによって、試料水の供給圧によるトラックエッチフィルター1の変形を防ぐこととしている。
支持体としては、本実施の形態のようにメッシュクロスが好適である。例えば、ポリプロピレン製の目開き30メッシュクロス(NBC社)を用いることができる。なお、メッシュクロスに代え、表面が滑らかなプラスチック製の多孔質板、金属性の焼結板 を用いることもできる。
下部パッキン3aは、メッシュクロス2を包囲し、段部(L字状の断面の部分)で該メッシュクロス2を保持している。中間パッキン3bは、トラックエッチフィルター1を包囲する。上部パッキン3aは、トラックエッチフィルター1を押さえる役割を果たす。
フィルター固定パッキン3をフローセル上部4とフォローセル下部5とで挟み込むことによって水密構造が形成される。
試料水から分離された微生物を回収するため、フローセル10は微生物回収口8が下側に来るように全体を傾けた構造が望ましい。これにより、トラックエッチフィルター1の上部に溜まったクリプトスポリジウムを含む液を微生物回収口8に流下させ、効率よく回収することができる。
撹拌子6はフローセル下部5側に設置するマグネティックスターラーを用いて磁力により回転させることができる。なお、マグネティックスターラーは、フローセル上部4側に設置することもできる。
このような構成として、撹拌子6を回転させることにより、試料水中の夾雑物がトラックエッチフィルター1の微細孔に目詰まりすることを防ぎ、さらに、クリプトスポリジウムがトラックエッチフィルター1の表面に付着することによる回収率の低下を防ぐことができる。
以上のように、本実施の形態に係る水中微生物の分離濃縮装置では、平膜を採用して水中微生物を濃縮するにあたり、生じるおそれのある問題を有効に解決している。
図2の実施の形態では、フローセル上部4にメカニカルシール11を設置し、シャフト12に取り付けた撹拌子6を外部モーター13により回転させる構造としている。
図2の実施の形態で、図1と同一の参照番号を付した構成要素は、図1と同様の構成であり、同様の機能を果たす。
図3の水中微生物の分離濃縮装置では、フローセル10に試料水を試料水吸引ポンプ14で供給する。そして、試料水を、マグネティックスターラー15で磁石入り撹拌子6の回転により撹拌しながら、ろ過する。
このとき、夾雑物をトラックエッチフィルター1の孔径よりも小さい微粒子に分散させ、トラックエッチフィルター1の目詰まりを防ぐ。
さらに、クリプトスポリジウムがトラックエッチフィルター1に付着することを防ぐため界面活性剤を供給する。界面活性剤は、試料水切り替えバルブ16を切り替え、注入することができる。
図4の実施の形態で、図3と同一の参照番号を付した構成要素は、図1と同様の構成であり、同様の機能を果たす。
実施例
試料水は、多摩川河川原水を用い、クリプトスポリジウムを含む試料を濃縮する方法である04P02035に記載の方法で河川原水濃縮試料を調整した。
河川原水5L分に相当する濃縮試料にクリプトスポリジウムの代替粒子であるクリプトレーサー(水道技術研究センター)を平均100.3個添加し、図1、図3について説明したと同様の構成の微生物分離濃縮装置で濃縮試料のろ過を行った。
微生物分離濃縮装置に用いたトラックエッチフィルターは直径47mmのものを用い、該フィルターをポリプロピレンメッシュクロスとフローセルに固定することで有効ろ過面積は直径40mmの12.6cm2となった。
クリプトレーサーを添加した河川原水濃縮試料水を、この微生物分離濃縮装置でろ過した。
トラックエッチフィルター上に捕捉され、回収したクリプトレーサーの個数を蛍光顕微鏡で計数し、回収率を求めた。図5にろ過面積と撹拌面積の比に対するクリプトレーサーの回収率を示す。
この結果、撹拌面積がろ過面積に近づくにつれクリプトレーサーの回収率が向上することがわかった。
2 メッシュクロス
3 フィルター固定パッキン
4 フローセル上部
5 フローセル下部
6 磁石入り撹拌子
7 試料供給口
8 微生物回収口
9 ろ液排出口
10 フローセル
11 メカニカルシール
12 シャフト
13 モーター
14 試料水吸引ポンプ
15 マグネティックスターラー
16 試料水切り替えバルブ
17 微生物回収ポンプ
18 試料水供給ポンプ
Claims (1)
- 水中微生物を計測する計測システム用いられる水中微生物の分離濃縮装置であって、検出対象とする試料水中の微生物の粒径よりも小さい孔径を有し、親水性かつ表面が平滑な平膜を、該平膜の形状を保持する支持体の上に固定し、該平膜により試料水をろ過し、検出対象の微生物を捕捉するとともに、上記平膜の表面に付着した検出対象の微生物を物理的撹拌手段により浮遊させ、回収することを特徴とする水中微生物の分離濃縮装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007059637A JP2008221058A (ja) | 2007-03-09 | 2007-03-09 | 水中微生物の分離濃縮装置 |
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Publications (1)
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JP2008221058A true JP2008221058A (ja) | 2008-09-25 |
Family
ID=39840272
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017087213A (ja) * | 2015-08-27 | 2017-05-25 | 三菱電機株式会社 | 水処理方法および水処理装置 |
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2007
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