JP2008219026A - 原料溶液の気化方法 - Google Patents

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久良 矢元
Ryoichi Sakai
諒一 酒井
Masabumi Shoji
正文 庄司
Kazuya Akuto
阿久戸和哉
Takeshi Nagaoka
健 長岡
Hiroshi Watanuki
宏 綿貫
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Abstract

【課題】 気化器の噴出口近傍の周囲に薄膜原料が付着する現象を排除したMOCVD用気化器を得る。
【解決手段】 キャリアガス+少量酸化ガス供給部11が内部に形成されたガス通路を介して供給される原料溶液を含むキャリアガスを気化部へ供給し、気泡防止+原料溶液供給部12が原料溶液を含むキャリアガスの気泡の発生を防止させる原料とその原料溶液とをキャリアガスへ供給し、溶媒の気化抑制冷却システム13が溶媒の気化を抑制し、渦流防止用ガス供給部14が気化部のガス出口近傍において渦流の発生を防止させるためのガスを供給する。微細噴霧化部15は気化器20から噴出される原料溶液を含むキャリアガスを微細な噴霧状態に形成させ、完全気化用高性能気化菅16は気化器20から噴出される原料溶液を含むキャリアガスを完全に気化する。これによれば、目詰まりなどを起こすことがなく長期使用が可能であり、かつ、反応部への安定的な原料供給が可能となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、DRAMの開発等においてウェハ製造のための気化器及び原料溶液の気化方法として適用され、より詳細にはMOCVD(有機金属気相成長)用の気化器及び原料溶液の気化方法に関する。
本発明の該当する気化器及びMOCVD用原料溶液の気化方法は、一般的に、SrBi2TaO9強誘電体薄膜形成が実用的かつ将来性のあるMOCVD(有機金属気相成長)法で行われている。
一のメモリであるDRAMの開発において問題となるのは、微細化に伴う記憶キヤパシタンスである。ソフトエラーなどの点からキャバシタンスは、前の世代と同程度が要求されるため、何らかの対策を必要としている。この対策として、1Mまでのセル構造ではプレーナ構造であったものが、4Mからスタック構造・トレンチ構造と称される立体構造が取り入れられ、キヤパシタ面積の増加を図ってきた。また誘電膜も基板Siの熱酸化膜から、ポリSi上で熱酸化膜とCVD窒化膜を積層する膜(この積層された膜を一般にON膜という)が採用された。
l6MDRAMでは、さらに容量に寄与する面積を増加させるため、スタック型では側面を利用する厚膜型やプレートの裏面も利用するフィン型などが取り入れられた。
しかし、このような立体構造では、プロセスの複雑化による工程数の増加ならびに段差の増大による歩留りの低下が問題視され、256Mビット以降の実現は困難であるとされている。そのため現在のDRAMの構造を変えずに更に集積度を増加させるための1つの解決策として、キヤパシタンスの誘電体を誘電率の高い強誘電体のものに切り替えていく方法が考え出された。そして、誘電率の高い誘電体薄膜として、Ta25、Y23、HfO2などの高誘電率単金属常誘電体酸化物の薄膜が先ず注目された。なお、それぞれの比誘電率は、Ta25が28、Y23が16、HfO2が24程度であり、SiO2の4〜7倍である。
しかし、256M−DRAM以降での適用には、立体キャバシタ構造が必要である。これらの酸化物よりさらに高い比誘電率をもち、DRAMへの適用が期待される材料として、(BaxSr1-x)TiO3、Pb(ZryTi1-y)O3、(Pba1-a)(ZrbTi1-b)O3の3種類が有力視されている。また、超電導材料と非常によく似た結晶構造を持つBi系の層状強誘電体材料も有望であり、特
に、Yl材と称されるSrBi2TaO9が、低電圧駆動と疲労特性に優れている点から、近年大きく注目されている。
一般に、SrBi2TaO9強誘電体薄膜形成は、実用的かつ将来性のあるMOCVD(有機金属気相成長)法で行われている。
このような気化器及びMOCVD用原料溶液の気化方法において、強誘電体薄膜の原料は、例えば有機金属錯体Sr(DPM)2、Bi(C653及びTa(OC255であり、それぞれTHF(テトラヒドロフラン)溶剤に溶かし、溶液として使用されている。なお、DPMはジビバイロイメタンの略である。
MOCVD法に用いる装置は、SrBi2TaO9薄膜原料を気相反応及び表面反応させ成膜を行わせる反応部、SrBi2TaO9 薄膜原料並びに酸化剤を反応部へ供給する供給部、反応部での生成物を採取する回収部から構成される。そして、供給部には、薄膜原料を気化させるための気化器が設けられている。
図7は、従来のMOCVD用気化器のシステム構成例を示す概念図である。従来の気化器に関する技術例として図7に示すものが知られており、一般的なMOCVD装置の構成例の概要を示している。本図7において、図中下方のヒータ上に表面処理を行う目的体のウェハ(Wafer)が、サセプターを介して搭載されている。このウェハに対する処理ガス供給部が、上方に構成されている。
上方の処理ガス供給部からはO2、Ar等のガス(メイン・キャリアー・ガス/サブ・キャリアー・ガス)が供給され、また真空システムと接続された気化システムにおいて、強誘電体薄膜の原料とされる有機金属錯体Sr(DPM)2、Bi(C653及びTa(OC255が気化システム(Flash vaporization system)で気化される。この気化されたガスにより、ヒータ部を経てノズルを介してサセプター上に搭載されているウェハの表面処理が実行される。
しかし、上記従来の技術においては、供給部である気化器の噴出口近傍の周囲に薄膜原料が付着する現象が生じる。固形化した薄膜原料である付着物は、時間と共に成長する。この固形化した薄膜原料は、ガスの導入口(気化器の噴出口)を塞ぐなどの様々な障害を引き起こし、MOCVD用気化器の長期の使用に対し、障害となっている。
この障害物を取り除くため、従来は、開放して部品を取り外して部品の洗浄あるいは部品の交換を行っていた。この作業には多くの時間が必要であり、気化器の稼動効率を低下させ、MOCVDの堆積プロセスを悪化させている。
さらに、MOCVDにおいて、均一性に優れた膜を得るためには、原料溶液が均一に分散した気化ガスを得ることが要請される。しかし、上記従来技術では、必ずしもかかる要請に応えきれていない。
本発明は、気化器の噴出口近傍の周囲に薄膜原料が付着する現象を排除し、長期使用を可能とし、反応部への安定的な原料供給が可能な、気化器を提供することを目的とする。
本発明は、原料溶液が均一に分散した気化ガスを得ることができる原料溶液の気化方法を提供することを目的とする。
本発明の原料溶液の気化方法は、気化器の内部に形成されたガス通路を介して供給される原料溶液を含むキャリアガスを気化部で気化する原料溶液の気化方法であって、前記気化部へ前記キャリアガスを供給する気化部ガス供給工程と、前記原料溶液を含むキャリアガスの気泡の発生を防止させる原料と原料溶液とを前記キャリアガスへ供給するキャリアガス供給工程と、冷却により溶媒の気化を抑制する冷却工程と、前記気化部のガス出口近傍において渦流の発生を防止させるためのガスを供給する渦流防止ガス供給工程と、を有して構成したことを特徴とする。
また、前記渦流防止ガス供給工程での前記ガス供給は、前記気化部のガス出口近傍における下方の超高速ガス流であり、前記気化部から噴出される前記原料溶液を含むキャリアガスを微細な噴霧状態に形成させることを特徴とする。
前記微細な噴霧状態の形成は、渦流防止用ガス供給部から供給するArガスあるいはN2ガスにO2ガスを加えることを特徴とする。
参考発明の気化器は、ガス通路を介して供給される成膜原料を導入口から気化部へ導入し、該気化部において前記成膜原料を気化させる気化器であって、前記導入口へ向けて洗浄液を噴出させるための洗浄手段を前記成膜原料を供給するための供給手段とは別途設けたことを特徴とする。
また、上記の気化器は、MOCVD(有機金属気相成長)用の気化器であり、洗浄液は、原料溶液中に含まれる有機金属の溶媒を含み、洗浄剤供給路は、気化部のガス噴出先端部外周を取り囲み複数設けら、この複数の洗浄剤供給路は、気化部のガス噴出先端部の中心に対して所定の角度を有して設定され、該複数の洗浄剤供給路から噴出される洗浄液を、気化部のガス噴出先端部に対して渦巻き状態で噴出可能とするとよい。
さらに、上記所定の角度をガス噴出先端部の中心線に対して1度から15度の範囲内とし、複数の洗浄剤供給路近傍の周囲に空冷パイプをさらに設け、洗浄剤を冷却することにより、洗浄に先立ち溶剤が洗浄前に気体になることを防止するとよい。
なお、上記洗浄剤供給路をガス噴出先端部の直下の位置に配置して構成し、洗浄剤供給路の先端部をウォッシャーノズルとして構成し,ウォッシャーノズルの先端から溶媒を含んだ洗浄液を噴出させ、該噴出された洗浄剤により気化部のガス噴出先端部の外周へ付着した薄膜原料の付着硬化物の、より効果的な除去を図るとよい。
参考発明の気化器は、内部に形成されたガス通路を介して供給される原料溶液を含むキャリアガスを気化する気化部を有する気化器であって、気化部へキャリアガスを供給する第1の供給部と、原料溶液をキャリアガスへ供給する第2の供給部と、気化部のガス出口の近傍において該ガス出口から放出されるキャリアガスへ作用させるガスを供給する第3の供給部とを有して構成したことを特徴としている。
上記の作用とはキャリアガスの気化部のガス出口近傍における渦流の発生を防止する補助作用であり、渦流の発生防止策はガス出口の近傍における下方向のガス噴射であり、渦流の発生防止策のためのガス噴射は超高速ガス流とするとよい。
また、気化器をMOCVD(有機金属気相成長)用の気化器とし、原料溶液の気化を抑制するための冷却システム部をさらに有し、気化部から噴出される原料溶液を含むキャリアガスを完全に気化するために、高性能な作用領域を形成する完全気化用高性能気化菅をさらに有するとよい。
参考発明の気化器の洗浄方法は、ガス通路を介して供給される成膜原料を導入口から気化部へ導入し、該気化部において前記成膜原料を気化させる気化器の洗浄方法であって、前記成膜原料を供給するための供給手段とは別の洗浄手段から前記導入口へ向けて洗浄液を噴出させることを特徴とする。
また、MOCVD用の前記成膜原料にあっては、例えばArなどのキャリアガス中に噴霧化状態で含ませて気液混合状態(気液混合ガス状態)で気化部に導入される。その他、成膜条件により気液混合ガスに例えば酸素ガスを含ませてもよい。
前記洗浄液は、前記成膜原料を溶解可能な溶媒であることを特徴とする。溶媒としては、例えば、トルエン、ECHなどが用いられる。また、複数種の溶媒を蒸気圧、溶解度などを勘案し混合して用いてもよい。
前記気化部を減圧状態にして前記洗浄を行うことを特徴とする。洗浄時には、気化部を大気開放してもよいが、再度減圧状態に戻すには時間を要するので減圧状態のまま洗浄を行うことが好ましい。
前記洗浄液を、0.03L/min以上で噴出させることを特徴とする。0.03L/min以上で供給すると洗浄液は絶えず液相が維持される。すなわち、通常は、気化部は温度が高く、また、減圧状態に維持されている。そこに、洗浄液を供給すると洗浄液は、気化してしまい、洗浄効果が失われるおそれがある。しかるに、本発明者は、0.03L/min以上で洗浄液を供給すると極めて短時間(10秒以下)で、導入口乃至その周辺に堆積乃至付着した堆積物乃至付着物はきれいに除去されることを見出した。逆に、0.03L/min未満では堆積物乃至付着物の除去に時間がかかり、また、残渣が残ってしまうことを見出した。その理由は明確ではないが、0.03L/min以上で供給すると絶えず液相状態で洗浄液が堆積物乃至付着物と接触するためであると考えられる。0.05L/min以上がより好ましい。ただ、0.1L/minを超えても効果は飽和するため上限としては0.1L/minが好ましい。
前記導入口と洗浄液の噴出口との距離を25mm以下とすることを特徴とする。40mm以下の場合、洗浄効果が顕著となる。15mm以下がより好ましい。
前記気化部に洗浄液のドレイン口を設けておき、該ドレイン口に気体エジェクタを設け、該気体エジェクタの下流に除害機を接続しておくことを特徴とする。
洗浄を行うと洗浄後の洗浄液を気化器から排出しなければ気化部下部に溜まってしまう。また、通常は、気化器下流は成膜装置に通じているので洗浄後の洗浄液は成膜装置に入り込んでしまう。そこで、気化部の下部にドレイン口を設けておき、洗浄後の洗浄液をドレイン口から気化部外部に排出する。
その際、ドレイン口に気体を通過させるエジェクタ管を設けておく。エジェクタ管の一方から例えば空気などの気体を導入し得るようにしておく。エジェクタ管の他方は除害機に接続しておく。一方の口から気体を流すとドレイン口とエジェクタ管との接続部は減圧状態となり、洗浄後の洗浄液はドレイン口からエジェクタ管に排出される。エジェクタ管に搬出された洗浄後の洗浄液は気体の流れに乗って除外機に導かれる。このように、気化部の減圧状態を破ることなく洗浄後の洗浄液を排出することができる。その結果、減圧状態を破ることなく洗浄を行うことができることになる。従って、もちろん気化部を大気に戻して洗浄を行ってもよいことはいうまでもない。
以上の説明より明らかなように、本発明の気化器及び原料溶液の気化方法は、気化部へキャリアガスを供給し、原料溶液をキャリアガスへ供給し、気化部のガス噴出先端部の外周へ洗浄液を噴出させる洗浄剤供給路とを有している。本構成により、気化部のガス噴出先端部へ付着した薄膜原料の付着硬化物を、より効果的に除去可能となる。
また、上記の気化器のMOCVD(有機金属気相成長)への適用が有効となり、有機金属の溶媒を洗浄液に含ませることにより、洗浄効果を高めることができる。また、洗浄剤供給路を気化部のガス噴出先端部外周を取り囲み複数設け、さらにガス噴出先端部の中心に対して所定の角度を有して設定し、複数の洗浄剤供給路から噴出される洗浄液を、渦巻き状態で噴出すると、より洗浄効果を高めることが可能となる。さらに、上記中心線に対しての角度調整や洗浄剤を冷却することにより、洗浄効果をさらに高められる。
さらに、気化部のガス出口の近傍において該ガス出口から放出されるキャリアガスへ作用させるガスを供給することにより、気化部のガス噴出先端部への薄膜原料の付着の発生を抑制することが可能となる。本作用を、例えば、気化部のガス出口近傍における渦流の発生を防止する補助作用とし、ガス出口の近傍における下方向のガス噴射であり、超高速ガス流とすると効果を高めることができる。
次に、添付図面を参照して本発明による気化器及び原料溶液の気化方法の実施形態を詳細に説明する。図1〜図6を参照すると、本発明の気化器及び原料溶液の気化方法の一実施形態が示されている。なお、以下に示す実施例1〜3は、従来例において問題点とされた、気化器の噴出口近傍の周囲に薄膜原料が付着する現象の除去を図った気化通路部の部分的な構成装置の改良に該当する。
図1の断面図は、実施例1に係るMOCVD用気化器の構成の要点部を示す。本図1において、本実施例1のMOCVD用気化器は、キャリアガス+少量酸化ガス供給部11、気泡防止+原料溶液供給部12、溶媒の気化抑制冷却システム13、渦流防止用ガス供給部14、微細噴霧化部15、完全気化用高性能気化菅16の各部を擁して構成される。
なお、完全気化用高性能気化菅16は、キャリアガスに対する高性能な作用領域を形成し、気化部から噴出される原料溶液を含むキャリアガスを完全に気化するために設けられている。本完全気化用高性能気化菅16には、以下の実施例4に示す気化菅が適用され、ノズルを介してサセプター上のウェハへガスが供給される。
キャリアガス+少量酸化ガス供給部11は、内部に形成されたガス通路を介して供給される原料溶液を含むキャリアガスを、気化部へ供給するガス供給部である。
気泡防止+原料溶液供給部12は、原料溶液を含むキャリアガスの気泡の発生を防止させる原料とその原料溶液とをキャリアガスへ供給する供給部である。
溶媒の気化抑制冷却システム13は、溶媒の気化を抑制するための冷却システム部である。
渦流防止用ガス供給部14は、気化部のガス出口近傍において渦流の発生を防止させるためのガスを供給するガス供給部である。
微細噴霧化部15は、気化器20から噴出される原料溶液を含むキャリアガスを、微細な噴霧状態に形成させる状態領域である。
完全気化用高性能気化菅16は、気化器20から噴出される原料溶液を含むキャリアガスを、完全に気化する高性能な作用領域菅である。
上記構成の実施例1に係るMOCVD用気化器では、渦流を発生させて噴出口近傍の周囲に薄膜原料が付着する現象の発生を抑制する、渦流防止用ガス供給部14を構成する。本渦流防止用ガス供給部14により、新たに、噴出口近傍の周囲に超高速ガス流による微細噴霧化部15が形成される。なお、新たに形成された超高速ガス流による微細噴霧化部15は、概念的な気化流部であり、従来問題とされていた供給部である気化器20の噴出口近傍周囲に、薄膜原料が付着する現象の発生を抑制する働きをする。
より実行性を高めるための具体的な対策例として、渦流防止用ガス供給部14の渦流のガス流量を大きくする。このために、例えば、下から供給する酸素ガス(Oガス)量を減らす。その代りに、ArガスあるいはN2ガスなどのキャリアガスにOガスを加える、等を行う。
図2は、上記の薄膜原料が付着する現象の、発生抑制の動作原理を説明するための概念図である。本図2において、渦流防止用ガス供給部14から供給されるガスが、気化器20のガス噴出細孔の周囲で放射状流を形成して渦流の発生を防止する。さらに、図2中において、気化器20の先端部に記載した矢印21によりガスの放射状流の形成形態を概念的に示している。ガスの放射状流は、気化器20の中央部のガス噴出細孔が山状に突出しており、この気化器20の周囲からガスが放出されて形成される。この様に形成された放射状流により、薄膜原料である付着物のガス噴出細孔の周囲での滞留を無くし、ガス噴出細孔の周囲への付着物の発生を効率的に防止する。
上記実施例1において、溶媒の気化抑制冷却システム13の実施に伴うガス噴出細孔の位置に対し上方からの空冷実施時のウェハ処理実験において、略100枚のウェハ処理後に噴出口の詰まりが生じた。このデータは、3日〜4日の処理工程に該当し、従来技術での処理に対し噴出口の詰まりの発生時間が数倍長期化している。
図3および図4は、気化器の噴出口近傍の周囲に付着した薄膜原料を効率的に除去する、付着物除去装置の実施例を示している。なお、図4は、図3の3個の洗浄剤供給路の構成例を説明するための概念図である。
本実施例2は、気化器の噴出口近傍の周囲に薄膜原料の付着現象が生じた場合に、効率的に除去するためのものである。また本実施例2は、実施例1と併用することより、上記の実施例1で改善された噴出口詰まりの発生を、更に改善することができる。
本実施例2を示す図3および図4において、本実施例2に該当するMOCVD用気化器には、気化器30のガス噴出細孔の先端部へ洗浄剤を供給するために3個の洗浄剤供給路31a、31b、31cが設けられている。また、3個の洗浄剤供給路31a、31b、31c近傍の周囲には、さらに空冷パイプ32が設けられている。
上記構成の実施例2に係るMOCVD用気化器では、新たに洗浄剤供給路31および空冷パイプ32を設けることにより、洗浄剤を冷却し、洗浄に先立ち溶剤が洗浄前に気体にならないようにしている。本対策により、気化器30のガス噴出細孔先端部の周囲へ発生し易い薄膜原料の付着現象と、薄膜原料の固形化現象の防止を図っている。
上記の実施例において、洗浄は、多点で斜めからの洗浄がより効果的である。例えば、より具体的には、ノズルを3個として各ノズルから噴出される洗浄剤の働きの効率化を図る。
また、洗浄剤の供給には、例えば、エアーを送り込む空気エジェクターを用いる。これにより、被処理対象の室内を大気に戻さずに洗浄が可能となる。但し、大気に戻しての洗浄も可能である。
洗浄剤として適用する流剤例として、例えば、トルエン/10秒、ヘチルシクロヘキサン/1.5秒を供給する。さらに、減圧下で洗浄するためには、十分な溶剤を送り込めば良い。例えば、供給量を30cc/分とする。
図5は、洗浄装置の実施形態を示す図であり、気化器の噴出口近傍の周囲に付着した薄膜原料を効率的に除去する付着物除去装置の実施例を示している。本実施例3は、上記実施例2と同様の目的であり、気化器の噴出口近傍の周囲に薄膜原料の付着現象が生じた場合に効率的に除去するためのものである。なお、本実施例3は、上記の実施例1で改善された噴出口の詰まりの発生を、更に効率的に改善を図るものである。
本実施例3を示す図5において、本実施例3に該当するMOCVD用気化器には、気化器のガス噴出細孔(サンプルキャリアノズル)41の先端部へ洗浄剤を供給するために、ガス噴出細孔先端部の直下の位置にウォッシャーノズル42を配置している。本実施例3を示す図5では、ガス噴出細孔41の先端部とウォッシャーノズル42の先端部との間隔距離を“h”として示している。
上記構成の実施例3に係るMOCVD用気化器では、新たにウォッシャーノズル42を設けることにより、気化器のガス噴出細孔先端部の周囲へ発生し易い薄膜原料による付着物の、除去作業の容易化を図っている。
上記の実施例において、溶媒タンク46から溶媒を含んだ洗浄液をウォッシャーノズル42の先端から噴出させ、サンプルキャリアノズル41の先端部へ洗浄剤を噴出させる。この噴出された洗浄剤により、サンプルキャリアノズル41の先端部へ付着した薄膜原料の付着硬化物を、より効果的に除去する。
上記洗浄時に、サンプルキャリアノズル41を収容するチャンバー内を減圧させ、ウォッシャーノズル42から噴出させた洗浄剤を効率的に噴出させる必要がある。本目的のために、空気エジェクターを用いてエアー(Air)43を送り込み、吸引効果を用いて真空排気44を行わせる。吸引された排気は、排気トラップ45を介して排気される。
上記の洗浄における定数例として、例えば、間隔距離h=15とし、溶媒タンク46の圧力を0.1Mpa、流量を50CC/min、サンプルキャリアノズル41のノズル径を0.3φとし、トルエンを溶媒とした場合の実験結果として、略5秒で汚れの除去が行われた。なお、サンプルキャリアノズル41から噴出される溶媒の蒸気圧は、5〜100Torrが好ましく、10〜50Torrが最適である。
図6は、上記実施例2および3に適用される気化菅の実施形態を示す図である。上記実施例2および3では、気化器の噴出口近傍の周囲に付着した薄膜原料を効率的に除去する、付着物除去装置の構成例を示している。これらの実施例2および3の実施においては、除去された付着物を被処理対象のウェハへ障害を与えることなく排除する必要が生じる。本目的において、気化菅を直下方向の通路Aの他に、脇方向への通路Bを設けている。この脇方への通路Bを介してウェハに対する処理ガスの供給を行う。これによりウェハ処理チャンバー内からの障害物の排除を容易化する。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例である。ただし、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。
実施例1に係るMOCVD用気化器の構成の要点部を示す断面図である。 薄膜原料が付着する現象の、発生抑制の動作原理を説明するための概念図である。 実施例2に係る気化器の噴出口近傍の周囲に付着した薄膜原料を効率的に除去する、付着物除去装置の実施例を示している。 図3の3個の洗浄剤供給路の構成例を説明するための概念図である。 実施例3に係るMOCVD用気化器用の洗浄装置の実施形態の要部を示す断面図である。 実施例2および3に適用される気化菅の実施形態を示す図である。 従来のMOCVD用気化器のシステム構成例を示す概念図である。
符号の説明
11 キャリアガス+少量酸化ガス供給部
12 気泡防止+原料溶液供給部
13 溶媒の気化抑制冷却システム
14 渦流防止用ガス供給部
15 微細噴霧化部
16 完全気化用高性能気化菅
20、30 気化器
31 洗浄剤供給路
32 空冷パイプ
41 ガス噴出細孔(サンプルキャリアノズル)
42 ウォッシャーノズル
43 エアー(Air)
44 真空排気
45 排気トラップ
46 溶媒タンク

Claims (3)

  1. 気化器の内部に形成されたガス通路を介して供給される原料溶液を含むキャリアガスを気化部で気化する原料溶液の気化方法であって、
    前記気化部へ前記キャリアガスを供給する気化部ガス供給工程と、
    前記原料溶液を含むキャリアガスの気泡の発生を防止させる原料と原料溶液とを前記キャリアガスへ供給するキャリアガス供給工程と、
    冷却により溶媒の気化を抑制する冷却工程と、
    前記気化部のガス出口近傍において渦流の発生を防止させるためのガスを供給する渦流防止ガス供給工程と、
    を有して構成したことを特徴とする原料溶液の気化方法。
  2. 前記渦流防止ガス供給工程での前記ガス供給は、前記気化部のガス出口近傍における下方の超高速ガス流であり、前記気化部から噴出される前記原料溶液を含むキャリアガスを微細な噴霧状態に形成させることを特徴とする請求項1に記載の原料溶液の気化方法。
  3. 前記微細な噴霧状態の形成は、渦流防止用ガス供給部から供給するArガスあるいはN2ガスにO2ガスを加えることを特徴とする請求項2に記載の原料溶液の気化方法。
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