JP2008218194A - 有機elディスプレイの色変換層の製造方法 - Google Patents

有機elディスプレイの色変換層の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】画素欠陥となるダークエリアやダークスポット発生の原因となる水分の供給源とならない色変換層を高い歩留まりで形成する、高精細で製造スループットの高い有機ELディスプレイの製造方法を提供する。
【解決手段】希土類元素、SiまたはGeを含む色変換層をドライプロセスで形成する。すなわち、ガラス基板上に透明な無機材料膜を形成した後、無機材料膜に蛍光材料となる希土類元素、SiまたはGeをイオン注入する、あるいは、希土類元素、SiまたはGeを添加しながら透明な無機材料膜を形成することにより、有機ELディスプレイの色変換層を形成することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、高精細で視認性に優れ、携帯端末機または産業用計測器の表示など広範囲な応用可能性を有する有機エレクトロルミネセンス(以下有機ELという。)ディスプレイの色変換層の製造方法に関する。
有機ELディスプレイは陽極と陰極から電流を注入して有機発光層より発光させる薄膜の自発光型素子であり、現在フラットパネルディスプレイの主流である液晶ディスプレイに比較して、視野角が広く、応答速度が速いため、携帯電話、携帯パソコン用次世代のフラットパネルディスプレイとして開発が進められている。
有機EL発光素子は、陽極と陰極の間に少なくとも有機発光層を備えた構造を有している。有機発光層は陽極および陰極に電圧が印加されることによって生じる正孔と電子が再結合することで発光するところである。通常、有機EL発光素子は、陽極を形成した透明基板の上に、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層および/または電子注入層が順次形成され、更に電子注入層上に陰極が形成された構造を有する。
近年、有機EL発光素子を用いて構成されるディスプレイのフルカラー化の方法の1例として、有機EL発光素子の発光波長領域の光を吸収し、発光波長領域とは異なる波長を含んだ可視光領域の蛍光を発光する蛍光材料を含む、色変換層を用いる色変換方式(以下CCM方式と略す。)が開示されている(特許文献1等を参照。)。青色発光の有機EL発光素子を用いる場合は、青色光を緑色光や赤色光に波長変換している。このような蛍光色素を含む色変換膜を高精細にパターニングし、三色(R,G,B)の発光領域を形成すれば、発光素子が発する近紫外光ないし青色あるいは青緑色のような可視光を用いても、フルカラーの自発光型ディスプレイが構築できる。
前記CCM方式のディスプレイでは、有機発光層より発光した可視光である青色の光を、色変換層で蛍光を利用して緑色や赤色の光に変換して発光させることができるので、発光効率の点において優れている。
CCM方式では色変換層は、一般に蛍光材料が分散されたフォトレジスト材料を、半導体プロセスを利用し発光領域である三色(R,G,B)のサブピクセルごとに塗布・乾燥させるウエットプロセスによって形成されている。その形成方法の一例が特許文献2に開示されている。色変換層をパターニング形成後、表面を透明なフォトレジスト材料で平坦化するための平坦化層を設ける。フォトプロセス後にも平坦化層中に残留している水分が有機発光層に拡散して、ダークエリアやダークスポットなどの非発光欠陥を誘引するのを防ぐために、平坦化層上にスパッタやCVDを利用して酸化ケイ素や窒化ケイ素のパッシベーション層を形成する必要がある。
該パッシベーション層に水分が拡散するような貫通欠陥がある場合は、ダークエリアやダークスポットが発生してしまう恐れがある。また、平坦化層を含む色変換層の厚さは数μmにも及び、フォトプロセスによる厚膜のパターニングは歩留まりの低下を招く原因となる。
このように蛍光材料を分散したフォトレジスト材料を使用するCCM方式では、製造時の歩留まりが上がらないという欠点の上に、作製した有機ELディスプレイが使用中にダークエリアやダークスポットを発生してしまい、十分なデバイス寿命を保証することができなかった。そこで、ダークエリアやダークスポット発生の原因となる水分の供給源とならない色変換層を高い歩留まりで提供するという課題があった。
これを解決する方法として、特許文献3において無機ガラス中に蛍光物質を混練してゾルゲル法で形成する方法が提案されているが、この方法は高精細なパターニングには適さず、有機ELディスプレイ製造において水分を含まない色変換層を高精細に作製するという課題があった。
特開平3−152897号公報 特開2006−73450号公報 特開2006−202726号公報
従来のCCM方式では、色変換層が蛍光材料を分散した有機材料を塗布・乾燥させるウエットプロセスによって形成されているため、水分が残留する問題があり、また、色変換層上に形成する平坦化層にも水分が残留する可能性がある。前記残留している水分が有機EL発光層に拡散して、ダークエリアやダークスポットなどの非発光欠陥を発生するのを防ぐために、平坦化層上にパッシベーション層を形成する必要があるが、該パッシベーション層に水分が拡散するような貫通欠陥がある場合は、前記非発光欠陥が発生しやすくなる。また、パッシベーション層を含む色変換層全体の膜厚がかなり厚くなり、フォトプロセスによる厚膜のパターニング歩留まりが低下する問題がある。
このように色変換層に蛍光材料を分散した有機材料を使用するCCM方式では、製造時の歩留まりが上がり難いという欠点に加えて、作製した有機ELディスプレイが使用中にダークエリアやダークスポットなどの非発光欠陥を発生してしまい、十分なデバイス寿命を保証するということができなかった。このため、ダークエリアやダークスポット発生の原因となる水分の供給源とならない色変換層を、高い歩留まりで提供するという課題があった。
本発明の目的は、有機ELディスプレイ製造において水分を含まない色変換層を高精細に作製する製造方法を提供することである。加えて、ダークエリアやダークスポットなどの非発光欠陥を発生しない有機ELディスプレイ製造方法を提供することが、本発明の更なる目的である。
上記問題を解決するために、本発明では、希土類元素、シリコンまたはゲルマニウムを含有する透明な無機材料膜をドライプロセスで成膜して色変換層を形成することを特徴とする。より詳細には、前記色変換層の製造方法において、透明な無機材料膜を形成する工程と、前記無機材料膜に希土類元素、シリコンまたはゲルマニウムをイオン注入する工程を備えることを特徴とする。または、前記色変換層の製造方法において、希土類元素、シリコンまたはゲルマニウムをドープした無機材料をターゲット材とするスパッタ法により成膜する工程を備えることを特徴とする。
前記無機材料が窒化物または酸化物を含むカルコゲナイト系化合物であることが好ましい。また、前記無機材料が導電性であることが好ましい。
また、ガラス基板あるいは透明な無機材料膜中にシリコンあるいはゲルマニウムの単体ないし両方をイオン注入して、ナノ結晶を形成してもよい。
このような方法を用いれば、色変換層として水分を含まない無機材料からなる有機ELディスプレイが作製される。それによって、従来問題であった駆動中に色変換層から水分が拡散してダークエリアやダークスポットなどの非発光欠陥が発生することを防止できる。更にこれによるデバイス寿命を低下させるという問題を解決することが可能になる。加えて、色変換層を高精細に作製する製造方法を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の製造方法を実施して作製した有機ELディスプレイの構成例を示すための断面模式図である。透明基板1の上に、色変換層2、陽極3、有機EL層(具体的には、正孔注入層4、正孔輸送層5、有機発光層6、電子輸送層7および電子注入層8。)および陰極9が順次形成された構造を有する。更に場合によっては、透明基板と色変換層の間に三色のカラーフィルター層R,G,B(不図示)を設けて、色純度を改善することもできる。
透明基板1としては可視光に対して透明であり、工程内での熱処理温度に耐え得る材料が好ましい。石英、ガラス板等を用いることができ、ノンアルカリ系のガラス基板を用いることが好ましい。
色変換層2は、透明な無機材料薄膜を基材とし、これに蛍光材料をドープすることにより得られる。色変換層にドープする蛍光材料には、希土類元素、シリコンまたはゲルマニウムが利用される。希土類元素として例えば、Ce、Eu,Tb,Erなどが好ましい。
色変換層に蛍光材料をド−プする方法として、透明な無機材料膜を形成し蛍光材料をイオン注入する方法、無機材料に蛍光材料を混合したものをスパッタターゲットとしてスパッタ法で薄膜形成する方法、透明な無機材料薄膜を形成しシリコンあるいはゲルマニウムの単体ないし両方をイオン注入してナノ結晶を形成する方法等が利用できる。
イオン注入時の基板温度は加熱しても良いし、加熱しなくても良い。イオン注入の加速エネルギーは100keVから10MeVの範囲であれば好ましい。蛍光材料のドーズ量は1016イオン/cm〜1019イオン/cmの範囲であれば好ましい。また、全てのイオンを同じ加速電圧で注入するのでなく、加速電圧を変えることにより、深さ方向の分布を持たせることも可能である。
前記透明な無機材料膜には、Si、SiO、AlN,Al,GaN,Ga,SnO,ZnO,ZnS、ZnSe,ITO(インジウム・スズ酸化物),IZO(インジウム・亜鉛酸化物),SiO−ZnS,Y,YAl12等の材料あるいはその混合物を用いることができる。あるいは導電性の透明な無機材料膜でも良く、例えば一部重複するが、ITO,IZO,ZnO−Ga、ZnO−Al、SnO−Sbなどの材料が挙げられる。蛍光材料を含む導電性の透明な無機材料膜の上に絶縁性の有機あるいは無機の薄膜(不図示)を形成して、その上に形成する陽極3と電気的に絶縁して用いても良いし、あるいは直接に陽極として用いても良い。この場合、絶縁性の薄膜の厚さは100nmから2μmの範囲であればよい。200nmから1μmの範囲であれば更に好ましい。
また、透明な無機材料膜の成膜法はCVD法やスパッタ法などが好ましいが、透明で平滑な膜が形成できれば、成膜方法はこれらに限定されるものではない。
透明な無機材料膜の材料に蛍光材料を混合したものをターゲット板として成型し、スパッタ法で薄膜を形成してもよいし、CVD法で透明な無機材料膜を形成する際に、蛍光材料となる元素をドープしても良い。
また、イオン注入や薄膜の形成後に蛍光材料であるドーパントを活性化させるため、必要に応じて熱処理を施しても良い。ドーパント活性化の熱処理温度はガラス基板のガラス転移点である650℃以下が好ましい。特に300℃から630℃の範囲が更に好ましい。
また、SiO、SiあるいはSiO−Si膜に、SiもしくはGe、またはSiとGeの両方をイオン注入して、ナノ結晶を形成して蛍光体を作製することもできる。
CCM方式では通常有機EL層からの発光に青色を使用するので、青色発光のサブピクセルには色変換層を特に必要とはしない。緑色のサブピクセルと赤色のサブピクセルにはそれぞれの発光波長に合わせた透明薄膜とドーパントを選べばよい。
ボトムエミッション型の場合には、発光層からの光を取り出すため、陽極は透明である必要があるので、導電性透明材料を電極として適用する。例えば、ITO(インジウム・スズ酸化物)やIZO(インジウム・亜鉛酸化物)などの材料が用いられる。
イオン注入で色変換層を形成する場合には、前記透明な無機材料膜をPECVD(プラズマCVD)法等で形成後、フォトレジストや無機薄膜をパターニングして開口部にイオン注入し、所定の場所に色変換層を形成する。例えば、2.4インチサイズQVGAディスプレイを作製する場合には、三色RGBのサブピクセルのそれぞれの寸法は50×150μmとなるが、半導体プロセスを応用することにより、μmオーダーのパターン制御が可能である。
以下、図3に、半導体プロセスを応用してイオン注入で色変換層を形成するプロセスについて、一例を挙げて説明するが、形成方法については記載内容のみに限定されるものではない。
まず、図3(a)に示すように、ガラス基板31の上に、透明な無機材料膜として例えばZnO薄膜32を成膜する。成膜法としては、例えば、Znターゲットを用い、酸素ガスを含むスパッタガスによるマグネトロンスパッタ法を用いることができる。膜厚は100〜300nmの厚さが好ましい。赤色のサブピクセル部分を形成するため、この上にSiO膜33をPECVD法で形成する。膜厚は200〜400nmの厚さが好ましい。
更に、図3(b)に示すように、SiO膜33の上にフォトレジスト34を塗布した後、ウエットプロセスでパターニングを行う。フォトレジストの膜厚は1〜3μmが好ましい。次いで、エッチングガスとして例えばCHFガスと酸素ガスを使って反応性プラズマエッチング(以下、ドライエッチングと略す。)を行い、該フォトレジストのパターニングに従って、該SiO膜33に赤色のサブピクセル部分を開口する。その後、イオン注入で前記開口部35へEuを打ち込む。次にフォトレジストを剥離した後、ドライエッチングしてSiO膜33を除去し、赤色の色変換層36を形成する(図3(c))。
次に、図3(d)に示すように、緑色のサブピクセル部分を形成するため、前記ドライエッチング後のZnO薄膜32の上に、前記赤色のサブピクセル部分形成方法と同様にSiO膜133をPECVD法で形成し、この上にフォトレジスト134を塗布した後、ウエットプロセスで緑色のサブピクセル部分を開口するパターニングを行う。次いで、CHFガスと酸素ガスを使ってドライエッチングを行い、該フォトレジストのパターニングに従って、該SiO膜に緑色のサブピクセル部分を開口する。その後、イオン注入で前記開口部135へGdを打ち込む。次にフォトレジストを剥離した後、ドライエッチングしてSiO膜を除去し、緑色の色変換層136を形成する(図3(e))。
その後、前記成膜したガラス基板を熱処理アニールする。熱処理アニール条件としては300〜650℃の温度範囲が好ましい。
さらに、図3(f)に示すように、絶縁層としてCVD法でSiN膜37を成膜後、その上にマグネトロンスパッタで陽極電極膜としてIZO膜38を形成する。該陽極電極膜を通常のフォトプロセスにて50μmピッチのストライプパターンのマスクを用いてパターニングして陽極を作製する。これら各層の膜厚は100〜300nmが好ましい。
次いで、図3(g)に示すように、サブピクセル間を分離するため、絶縁分離層としてSiN膜137を成膜した後、パターニングしてサブピクセルの発光部のみ、該SiN膜をドライエッチングで抜き、開口部を形成する。
このようにして、ガラス基板の上に色変換層をパターニング形成した後、更にこの上に有機EL発光素子を形成する。
非導電性の透明膜の場合には表示部全面に透明膜を成膜して差し支えないが、導電性の透明膜の場合には電極として利用するので、パターニングを行なう。
図1に示すように、有機EL発光素子は、陽極3、陰極9、および陽極と陰極に挟持され、かつ有機発光層を含む少なくとも1つの層からなる有機EL層を有する。具体的には、有機EL発光素子には、下記のような層構成からなるものが採用される。ただし、必ずしも層構成はこれに限定されるものではない。
(1)陽極/有機発光層/陰極
(2)陽極/正孔注入層/有機発光層/陰極
(3)陽極/正孔注入層/有機発光層/電子注入層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層/陰極
(5)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
上記の層構成において、陽極および陰極は、それぞれ透明電極または反射電極のいずれかである。当該技術において、陽極を透明にすることが容易であることが知られており、本発明においても陽極3を透明電極とし、陰極9を反射電極として用いることが好ましい。尚、本明細書で有機EL層と称するときは、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層を含む場合もある。
有機EL発光素子の各層の材料としては、公知のものを適宜用いることができる。
陽極3としては、例えば、一般的に透明電極として知られる透明導電性材料である、ITO(インジウム・スズ酸化物)、IZO(インジウム・亜鉛酸化物)、SnO、ZnO、TiN、ZrN、TiOなどの導電性無機化合物を用いて形成することができる。これらの物質は真空蒸着、またはスパッタリング法などにより透明基板1上に形成される。
正孔注入層4としては、フタロシアニン類(銅フタロシアニンなど)またはインダンスレン系化合物、BAPP,BABP,CzPP,CzBPなどの高分子ペリレン系材料などを用いて形成することができる。
正孔輸送層5としては、TPD、N,N’−ビス(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルビフェニルアミン(α−NPD)、4,4’,4”−トリス(N−3−トリル−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、N,N,N’,N’−テトラビフェニル−4,4’−ビフェニレンジアミン(TBPB)などのトリアリールアミン系材料を含む公知の材料を用いることができる。
有機EL発光層6の材料としては,例えば青色から青緑色の発光を得るためには、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物などを使用することができる。より具体的には、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)が挙げられる。
本発明において用いることができる電子輸送層7および電子注入層8の材料は、特に限定されることなく、公知の材料を用いることができる。例えば、電子輸送層は2−(4−ビフェニル)−5−(p−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(PBD)のようなオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、フェニルキノキサリン類、アリミニウムのキノリノール錯体(例えばAlq3)などを使用して形成することができる。そして、電子注入層はLi,Ca,Cs,Mgなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属、あるいはこれら金属のフッ化物または酸化物などを使用して形成することができる。
陰極9は、例えばLi、Na、K等のアルカリ金属、Mg、Ca等のアルカリ土類金属等からなる金属単体、もしくは、これらの金属とAl、Ag、In等との合金などから形成することができる。あるいはまた、Al、In、Tiなどの金属、もしくはこれらの金属を含有する合金を陰極材料として使用することもできる。
また、有機EL発光素子は、外気にさらされると、電極が酸化されたり、水分により有機層が劣化したりする。これを防ぐために、素子上に封止層(不図示)を形成することが好ましい。封止層は、湿気の侵入を防ぐために市販の低吸湿性の光硬化性接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、架橋エチレン−酢酸ビニル共重合体接着剤シート等の接着性樹脂層を用いて、ガラス板等の封止基板を接着し密封して形成する。このようにして封止を行い、有機ELディスプレイデバイスを作製する。
以下に、具体的な実施例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
本実施例では、QVGA2.4インチボトムエミッション型の有機ELディスプレイを試作した。図4に本実施例の有機ELディスプレイの断面模式図を示す。図3の説明に準ずるプロセスに従って、ガラス基板231上に色変換層236、336と透明電極(陽極)238を作製し表面のクリーニング後に有機EL層240および陰極209を順次成膜した。詳細手順を以下に説明する。
Znターゲットと酸素ガスの導入によるマグネトロンスパッタ法でガラス基板231上にZnOを厚さ200nmに成膜した。ガラス基板材質はコーニング社製1737ガラスである。
この上にまず、赤色のサブピクセル部分を作製するために、厚さ300nmのSiOをPECVD法で形成した。1μmの厚さにフォトレジスト(ZPN1168(日本ゼオン製))を塗布した後、パターニングを行なった。CHFガスと酸素ガスを使って反応性プラズマエッチング(以下ドライエッチングと略す)を行ない、赤色のサブピクセル部分を開口した。その後、赤色ドーパントとしてEuを150keVの加速電圧でドーズ量1×1017ions/cmを打ち込んだ。次にフォトレジストを剥離した後、先ほどと同じ条件でドライエッチングを行ってSiO層を除去して、赤色のサブピクセル部分236を作製した。
今度は緑色のサブピクセル部分を作製するために、厚さ300nmのSiOをPECVD法で再度形成した。上記と同様に1μmの厚さにフォトレジストを塗布した後、パターニングを行ない、CHFガスと酸素ガスを使ってドライエッチングを行なって、緑色のサブピクセル部分を開口した。緑色ドーパントとしてGdを150keVの加速電圧でドーズ量1×1017ions/cmを打ち込んだ。ドライエッチングでSiO層を除去して、緑色のサブピクセル部分336を作製した。
ドーパントを活性化させるために、600℃で30分間、熱処理アニールした。絶縁層としてCVD法でSiN膜237を厚さ100nm成膜した。その後、マグネトロンスパッタで厚さ200nmの透明電極のIZO膜[In:ZnO(ZnOモル比で5%)]を作製した。この透明電極膜を通常のフォトプロセスにて、50μmピッチのストライプパターンが得られるマスクを用いて陽極238を作製した。
次いで、サブピクセル間を分離するための絶縁層としてSiN膜337を厚さ100nm成膜した後、サブピクセルの発光部のみ、該SiN膜をドライエッチングで抜いた。
この表面を酸素プラズマにて室温でクリーニングした後、次に示す有機EL層作製工程に移った。なお、予め各材料単体の蒸着速度を水晶振動子膜厚モニタと実際の膜厚との関係を表すマスターカーブを基に決定した。実際の膜厚は、DEKTAKまたはAFMで測定した。ドープ量はそれぞれの材料単体での体積比となる。
以上のように形成した基板を、抵抗加熱蒸着装置内に装着し、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層および電子注入層からなる有機EL層240を、真空を破らずに成膜し、更に陰極209を成膜した。成膜に際して真空槽内圧は1×10−4Paまで減圧した。正孔注入層としてアクセプタ(F4−TCNQ)濃度2%をドープした銅フタロシアニン(CuPc)を200nm積層した。正孔輸送層として膜厚20nmの4,4´−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を20nm積層した。発光層として4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を30nm積層した。電子輸送層としてアルミキレート(Alq)を20nm積層した。これらの成膜を終了した後、陽極のストライプラインと垂直に50μmピッチのストライプパターンが得られるマスクを用いて、抵抗加熱法で電子注入層としてLiFを0.5nm堆積させ、更に陰極としてAlを200nm堆積させて、ストライプ形状の部分電極からなる反射電極を形成して有機EL発光素子22を得た。
作製したサンプルは、第5図に示すように赤色の発光スペクトルとして620nmにピークを有する発光スペクトルを示した。緑色は第6図に示すように540nmにピークを有する発光スペクトルを示した。また、このサンプルを60℃RH80%の恒温恒湿槽中で1,000hの連続運転をおこなってもダークエリアやダークスポットなどの非発光欠陥の発生は確認されなかった。
下記に詳述する点以外は、実施例1と同様の手順を繰り返して有機ELディスプレイを作製した。図2は本実施例の構成例を示すための断面模式図であり、透明基板11の上に、半導体のパターニングプロセスを利用して、色変換層兼陽極12、有機EL層(具体的には、正孔注入層14、正孔輸送層15、有機発光層16、電子輸送層17および電子注入層18)および陰極19が順次形成された構造を有する。図2では、サブピクセルは図示していない。本実施例では、ガラス基板上に色変換層を兼ねた透明電極(陽極)を作製し、表面のクリーニング後に有機EL層および陰極を順次成膜した。詳細手順を以下に説明する。
IZOターゲットと酸素ガスの導入によるマグネトロンスパッタ法で、ガラス基板上にIZO[In:ZnO(ZnOモル比で5%)]を厚さ200nmに成膜した。
この上にまず、赤色のサブピクセル部分を作製するために、厚さ300nmのSiOをPECVDで形成して赤色のサブピクセル部分をドライエッチングで開口した後、ガラス基板を200℃に加熱しながら、赤色ドーパントとしてEuを150keVの加速電圧でドーズ量1×1017ions/cmを打ち込んだ。次にドライエッチングでSiO層を除去して、赤色のサブピクセル部分を作製した。
今度は緑色のサブピクセル部分を作製するために、厚さ300nmのSiOをPECVD法で再度形成し、サブピクセル部分をドライエッチングで開口した。ガラス基板を200℃に加熱しながら緑色ドーパントとしてGdを150keVの加速電圧でドーズ量1×1017ions/cmを打ち込んだ。ドライエッチングでSiO層を除去して、緑色のサブピクセル部分を作製した。
ドーパントを活性化させるために、350℃で30分間、熱処理アニールした。このIZO膜を通常のフォトプロセスにて、50μmピッチのストライプパターンが得られるマスクを用いて陽極を作製した。
この後、実施例1と同様に、サブピクセル間を分離するためのSiN絶縁層を形成し、更に有機EL層作製工程を同様に行って有機EL発光素子を得た。
作製したサンプルは第5図に示すように630nmにピークを有する発光スペクトルを示した。緑色は第6図に示すように550nmにピークを有する発光スペクトルを示した。また、このサンプルを60℃RH80%の恒温恒湿槽中で1,000hの連続運転をおこなってもダークエリアやダークスポットなどの非発光欠陥の発生は確認されなかった。
下記に詳述する点以外は、実施例1と同様の手順を繰り返して図4に示す構成の有機ELディスプレイを作製した。基板上に色変換層と透明電極(陽極)を作製し表面のクリーニング後に有機EL層を順次成膜した。
まず、SiH4と酸素ガスの導入によるCVD法でガラス基板上にSiOを厚さ200nmに成膜した。
次いで、赤色のサブピクセル部分をフォトレジストのパターニングによるフォトプロセスで開口し、Siを150keVの加速電圧でドーズ量1×1017ions/cmを打ち込み、更に上記と同様に、緑色のサブピクセル部分をフォトレジストのパターニングによるフォトプロセスで開口し、Geを130keVの加速電圧でドーズ量1×1017ions/cmを打ち込んだ後、ドーパントを活性化させるために、400℃で30分間、熱処理アニールした。その後、マグネトロンスパッタで厚さ200nmのIZO[In:ZnO(ZnOモル比で5%)]を成膜した。この透明電極膜を通常のフォトプロセスにて50μmピッチのストライプパターンが得られるマスクを用いて陽極を作製した。
この後、実施例1と同様に、サブピクセル間を分離するためのSiN絶縁層を形成し、更に有機EL層作製工程を同様に行って有機EL発光素子を得た。
作製したサンプルは第5図に示すようにややブロードであるが630nmにピークを有する発光スペクトルを示した。第6図に示すように緑色もややブロードであるが540nmにピークを有する発光スペクトルを示した。また、このサンプルを60℃RH80%の恒温恒湿槽中で1,000hの連続運転をおこなってもダークエリアやダークスポットなどの非発光欠陥の発生は確認されなかった。
下記に詳述する点以外は、実施例1と同様の手順を繰り返して有機ELディスプレイを作製した。本実施例では、基板上に色変換層を兼ねた透明電極(陽極)をスパッタ法により作製し、表面のクリーニング後に有機EL層を順次成膜した。
赤色のサブピクセルの陽極にはIZO[In:ZnO(ZnOモル比で5%)]に、In+Znに対して1原子%のEuをドープしたターゲットを用意した。緑色のサブピクセルの陽極にはIZO[In:ZnO(ZnOモル比で5%)]に、In+Znに対して1原子%のGdをドープしたターゲットを用意した。青色サブピクセルの陽極には蛍光材料をドープしていないIZO[In:ZnO(ZnOモル比で5%)]ターゲットを用意した。
酸素ガスを含有するスパッタガスを用いたマグネトロンスパッタ法で、ガラス基板上に前記EuドープしたIZOを厚さ200nmに成膜した。フォトレジストでパターニングを行い、10%シュウ酸水溶液を用いてIZOのウエットエッチングを行い、赤色用の配線のパターニングを行なった。
次いで、酸素ガスを含有するスパッタガスを用いたマグネトロンスパッタ法で、ガラス基板上に前記GdドープしたIZOを厚さ200nmに成膜した後、前記赤色の場合と同様にして緑色用の配線を形成した。酸素ガスを含有するスパッタガスを用いたマグネトロンスパッタ法で、ガラス基板上に蛍光材料をドープしていない前記IZOを厚さ200nmに成膜した後、前記赤色の場合と同様にして青色用の配線を形成した。次いで、ドーパントを活性化させるために、350℃で30分間、熱処理アニールした。
この後、実施例1と同様に、サブピクセル間を分離するためのSiN絶縁層を形成し、更に有機EL層作製工程を同様に行って有機EL発光素子を得た。
作製したサンプルは他の実施例に比べ発光強度は低くブロードであるが、第5図に示すように630nmにピークを有する発光スペクトルを示した。第6図に示すように緑色もややブロードで強度も低いが540nmにピークを有する発光スペクトルを示した。また、このサンプルを60℃RH80%の恒温恒湿槽中で1,000hの連続運転をおこなってもダークエリアやダークスポットなどの非発光欠陥の発生は確認されなかった。
本発明を実施して作製した有機ELディスプレイの層構成を示す断面模式図である。 本発明の実施例2の有機ELディスプレイの層構成を示す断面模式図である。 本発明の色変換層を形成する製造プロセスを示す図である。 本発明の実施例1の有機ELディスプレイの層構成を示す断面模式図である。 実施例1〜4の赤色の発光スペクトル。 実施例1〜4の緑色の発光スペクトル。
符号の説明
1,11 透明基板
2 色変換層
3 陽極
4,14 正孔注入層
5,15 正孔輸送層
6,16 有機発光層
7,17 電子輸送層
8,18 電子注入層
9,19,209 陰極
12 色変換層兼陽極
31,231 ガラス基板
32 透明な無機材料膜
33,133 SiO
34,134 フォトレジスト
35, 135 開口部
36 赤色の色変換層
37,137,237,337 SiN膜(絶縁層)
38 ,238 陽極
136 緑色の色変換層
236 赤色のサブピクセル部分(色変換層)
336 緑色のサブピクセル部分(色変換層)

Claims (4)

  1. 透明な無機材料膜を形成する工程と、前記無機材料膜に希土類元素、シリコンまたはゲルマニウムをイオン注入する工程を備えたことを特徴とする有機ELディスプレイの色変換層の製造方法。
  2. 希土類元素、シリコンまたはゲルマニウムをドープした無機材料をターゲット材とするスパッタ法により成膜する工程を備えたことを特徴とする有機ELディスプレイの色変換層の製造方法。
  3. 前記無機材料が窒化物または酸化物を含むカルコゲナイト系化合物であることを特徴とする請求項1ないし2に記載の有機ELディスプレイの色変換層の製造方法。
  4. 前記無機材料が導電性であることを特徴とする請求項1ないし3に記載の有機ELディスプレイの色変換層の製造方法。
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