JP2008216180A - 表面状態検査方法および表面状態検査装置 - Google Patents

表面状態検査方法および表面状態検査装置 Download PDF

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修 本岡
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淳 栗山
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Abstract

【課題】コストの増加や検査効率を低下させることなく、被検査面の傾斜角度を従来よりも細かい単位で検出できるようにする。
【解決手段】半球状の筐体20を具備する照明部2と撮像面を真下に向けて配備したカメラ1により基板を撮像する。筐体20には、周方向および上下方向をそれぞれ等角度間隔をもって区分けすることにより複数の領域が設定される。各領域には、それぞれ12個のLED22aが3×4のマトリクスを構成するように配置される。これらのLED22aのうち、マトリクスの4隅を除く8個のLED22aは、その点消灯のパターンによって、基板に対する照明の方向を示すバイナリコードを表示する。検査の際の画像処理では、画像に現れた反射パターンからそのパターンに対応する照明光の方向を特定して、フィレットの傾斜角度を求める。
【選択図】図2

Description

この発明は、表面に曲面や傾斜面が含まれる対象物を検査対象として、画像処理の手法により、検査対象物の表面状態を検査する技術に関する。
出願人は、従前より、「カラーハイライト方式」と呼ばれる基板外観検査装置を数多く開発している。このカラーハイライト方式の検査装置は、2次元カラーカメラ(以下、単に「カメラ」という。)と、赤、緑、青の3種類の色彩光をそれぞれ異なる入射角度をもって基板に照射する照明装置とを具備するもので、照明装置による照明下で撮像を行うことにより、はんだフィレットの傾斜状態が赤、緑、青の3色の分布パターンにより表現されたカラー画像を生成する(特許文献1参照。)。
上記の検査装置では、はんだフィレット(以下、単に「フィレット」という。)の傾斜状態をチェックするために、赤、緑、青の各色彩が現れている領域を2値化により抽出する。そして抽出された各色彩領域の面積や位置などを計測し、得られた計測値をあらかじめ登録された判定基準値と比較することによって、フィレットが正しく形成されているかどうかを判断する。
またカラーハイライト照明に代えて、入射角度の範囲が異なる単色の照明光により基板を順に照射しながら、照明の都度、撮像を実行し、毎時の撮像により生成された画像からそれぞれ反射光像を抽出するものもある(特許文献2参照)。
特公平6−1173号公報 特許第2778682号公報
上記の各文献に代表される従来の検査装置では、フィレットの傾斜角度は、3段階にしか切り分けられない。勿論、カラーハイライト照明の場合、三原色以外の色彩光を照明光に加えれば、傾斜角度をより細かい単位で検出することが可能であるが、光源にかかるコストが高くなったり、2値化などの画像処理が複雑になるなどの問題がある。単色照明の場合にも、点灯範囲を細かく分けて撮像回数を増やせば、傾斜角度を細かい単位で検出できるが、処理時間が長くなってしまう。
この発明は上記の問題に着目してなされたもので、コストの増加や検査効率を低下させることなく、被検査面の傾斜角度を従来よりも細かい単位で検出できるようにすることを、目的とする。
この発明による表面状態検査方法は、所定広さの被検査面が表面に含まれる検査対象物を照明して、被検査面を撮像装置により撮像し、生成された画像中の正反射光像を用いて被検査面の表面状態を検査するものである。この方法では、複数個の発光体が配列された構成の複数の照明部を、それぞれ入射角度が異なる方向から被検査面を照明するように配備するとともに、各発光体の点消灯を制御することにより、各照明部に他の照明部とは異なる形態の照明パターンを点灯させて、その照明下で撮像装置により被検査面を撮像する。さらに、撮像により生成された画像に現れている反射パターンを抽出し、抽出された反射パターンの形態と各照明部の照明パターンの形態との対応関係に基づき、反射パターンが抽出された各部位の傾斜角度を求め、これらの傾斜角度を用いて被検査面の表面状態を判別する。
上記の方法における照明によれば、各照明部ではそれぞれ固有の形態の照明パターンが点灯するので、これらのパターンのうちのいずれかが被検査面で正反射して撮像装置に入射すると、画像中にも同様の形態の反射パターンが現れる。よって、この反射パターンの形態から、対応する照明パターンおよびその照明の方向を特定することができるので、反射パターンが抽出された部位の傾斜角度を求めることができる。
よって、照明部の数を、従来のカラーハイライト照明の光源より多い4以上にすれば、従来よりも細かい単位で傾斜角度を検出することが可能になる。また、各照明部の発光色が同一であっても、一度の撮像で傾斜角度を求めることができる。
画像中の反射パターンの形態に対応する照明パターンは、たとえば、パターンマッチングの手法によって特定することができる。
上記方法にかかる好ましい態様では、各照明部の発光体の数および配列状態を統一し、これらの照明部の発光体の点消灯の組み合わせがそれぞれ当該照明部からの照明の方向を表すバイナリコードを示すように、各照明部の点灯動作を制御する。さらに、反射パターンが抽出された部位について、その反射パターンが示すバイナリコードを読み取り、この読み取り情報を用いて傾斜角度を算出する。
上記の態様によれば、画像中の反射パターンから照明の方向を示す情報を読み取ることができるので、照明の方向を特定する処理が簡単になる。よって、反射パターンの数が増えても、短時間で傾斜角度を求めることができる。
さらに好ましい態様では、複数の方位に、それぞれ上記の照明部を複数個、入射角度が異なる方向から被検査面を照明するように配備する。そして、各照明部における位置関係が同一になる所定数の発光体を識別用の発光体に設定し、これらの識別用の発光体による点消灯のパターンが各照明部で統一され、かつこの点消灯のパターンによって照明パターンの向きが表され、その他の発光体の点消灯パターンにより照明の方位および入射角度を示すバイナリコードが表されるように、各発光体の点消灯を制御する。また、画像中の反射パターンの中から、識別用の発光体による点消灯パターンに対応する部分を抽出し、その抽出部分と反射パターン全体との位置関係に基づき反射パターンと照明パターンとの対応関係を特定してから、前記バイナリコードを読み取る処理を実行する。
上記の態様によれば、傾斜の生じている方向によって、画像中の反射パターンの向きが変動しても、識別用の発光体の点消灯パターンに対応する部分から反射パターンと照明パターンとの対応関係を特定することができるので、バイナリコードの読み取りに誤りが生じるおそれがない。よって、傾斜の生じた方向およびその傾斜の程度を正しく認識して、判別精度を確保することができる。
この発明による他の表面状態検査方法では、被検査面に対する入射角度が異なる複数の点灯範囲が設定され、各点灯範囲に、それぞれ他の範囲とは異なる色彩光を発する複数個の発光体が配列された構成の複数の照明部を、それぞれ入射角度が異なる方向から被検査面を照明するように配備する。また、各照明部がそれぞれ同じ点灯範囲にある他の照明部とは異なる形態の照明パターンを点灯するように、各発光体の点消灯を制御して、その制御による照明下で撮像装置により被検査面を撮像する。さらに撮像により生成された画像に現れている反射パターンを抽出し、抽出された反射パターンの色彩および形態の組み合わせと各照明部の照明パターンの色彩および形態の組み合わせとの対応関係に基づき、反射パターンが抽出された各部位の傾斜角度を求め、これらの傾斜角度を用いて被検査面の表面状態を判別する。
上記の方法によれば、各照明パターンの色彩と形態との組み合わせによって、照明部の数を増やすことができるから、さらに細かい単位で傾斜角度を検出することが可能になる。
上記の方法が適用される検査対象物は、たとえばはんだ付け後のプリント基板におけるはんだフィレットであるが、これに限らず、部品のリード、成形品など、鏡面反射性の高い物体を検査対象物とすることもできる。
この発明による表面状態検査装置は、撮像装置と、照明装置と、前記照明装置および撮像装置を制御して検査対象物の画像を生成し、生成された画像中の正反射光像を処理して検査対象物の表面状態を検査する制御処理装置とを具備する。照明装置には、複数個の発光体が配列された構成の照明部が、撮像装置の撮像範囲をそれぞれ入射角度が異なる方向から照明するように設けられる。
また制御処理装置には、各照明部がそれぞれ他の照明部とは異なる形態の照明パターンを点灯するように各発光体の点消灯を制御する照明制御手段;この照明制御手段の制御による照明下で撮像装置に撮像を行わせる撮像制御手段;前記撮像により生成された画像に現れている反射パターンを抽出するパターン抽出手段;抽出された反射パターンの形態と各照明部の照明パターンの形態との対応関係に基づき、反射パターンが抽出された各部位の傾斜角度を求める傾斜角度特定手段;反射パターンが抽出された各部位につき求められた傾斜角度を用いて被検査面の表面状態を判別する判別手段;の各手段が設けられる。
なお、撮像装置は、2次元カメラであるのが望ましいが、これに限らず、たとえばラインセンサを走査しながら複数回の撮像を行うことによって、撮像範囲全体の画像を生成してもよい。この場合、「1回の撮像」とは、撮像範囲全体の画像を得るまでに行われる1サイクル分の撮像を意味するものとする。
好ましい態様にかかる表面状態検査装置では、照明装置の各照明部の発光体の数および配列状態が統一される。また照明制御手段は、各照明部の発光体の点消灯の組み合わせが、それぞれ当該照明部からの照明の方向を表すバイナリコードを示すように、各発光体の点消灯を制御し、傾斜角度特定手段は、前記反射パターンが抽出された部位について、その反射パターンから前記バイナリコードを読み取り、この読み取り情報を用いて傾斜角度を算出するように、それぞれ構成される。
さらに、好ましい態様にかかる表面状態検査装置では、照明装置において、撮像範囲に対する方位が異なる複数の位置毎に、複数の照明部がそれぞれ入射角度が異なる方向から撮像範囲を照明するように配備される。照明制御手段は、各照明部における位置関係が同一になる所定数の発光体を識別用の発光体に設定し、これらの識別用の発光体による点消灯のパターンが各照明部で統一され、かつこの点消灯パターンによって照明パターンの向きが示され、その他の発光体の点消灯パターンによって前記照明の方位および入射角度を示すバイナリコードが表されるように、各発光体の点消灯を制御する。傾斜角度特定手段は、前記画像中の反射パターンの中から、識別用の発光体による点消灯パターンに対応する部分を抽出し、その抽出部分と反射パターン全体との位置関係に基づき反射パターンと照明パターンとの対応関係を特定してから、バイナリコードを読み取る処理を実行する。
さらに、より細かい単位で傾斜角度を検出可能な検査装置においては、照明装置には、被検査面に対する入射角度が異なる複数の点灯範囲が設定され、各点灯範囲に、それぞれ他の範囲とは異なる色彩光を発する複数個の発光体が配列された構成の複数の複数の照明部が、撮像装置の撮像範囲をそれぞれ入射角度が異なる方向から照明するように設けられる、制御処理装置には、各照明部が同じ点灯範囲にある他の照明部とは異なる形態の照明パターンを点灯するように各発光体の点消灯を制御する照明制御手段;この照明制御手段の制御による照明下で撮像装置に撮像を行わせる撮像制御手段;前記撮像により生成された画像に現れている反射パターンを抽出するパターン抽出手段;抽出された反射パターンの色彩および形態の組み合わせと各照明部の照明パターンの色彩および形態の組み合わせとの対応関係に基づき、反射パターンが抽出された各部位の傾斜角度を求める傾斜角度特定手段;反射パターンが抽出された各部位につき求められた傾斜角度を用いて被検査面の表面状態を判別する判別手段;の各手段が設けられる。
この発明によれば、被検査面の傾斜角度を細かい単位に切り分けて検出することができるから、表面状態の判別精度を向上することができる。また、複数色の色彩光による照明を行わない場合でも、1回の撮像で検査に必要な画像を得ることができるから、効率を向上することができる。
図1は、この発明が適用される基板検査装置のブロック図である。
この基板検査装置は、はんだ付け処理後のプリント基板を対象に、フィレットの表面状態などを検査するためのもので、2次元のモノクロカメラ1(以下、単に「カメラ1」という。)、照明装置2、Xステージ部3、Yステージ部4、制御処理装置5などを具備する。また、図示はしていないが、検査対象の基板を支持するために、基板支持テーブルが設けられる。
Xステージ部3は、カメラ1および照明装置2を基板支持テーブルの上方で支持し、Yステージ部4は基板支持テーブルを支持する。いずれのステージ部3,4とも、その支持対象を、一軸に沿って移動させることが可能である。また一方のステージ部による移動の方向は、他方のステージ部による移動の方向に直交する関係にある。
制御処理装置5は、コンピュータによる制御部50に、画像入力部51、撮像制御部52、照明制御部53、Xステージ駆動部54、Yステージ駆動部55、入力部56、表示部57、通信用インターフェース58などが接続された構成のものである。
画像入力部51には、カメラ1からの画像信号を受け付けるインターフェース回路や、画像信号をディジタル変換するA/D変換回路などが含まれる。撮像制御部52は、カメラ1の撮像タイミングを制御する。照明制御部53は、照明装置2の点消灯を制御することにより、検査対象の基板に対し、後記する種々の照明パターンによる照明を行わせる。
入力部56は、ティーチングの際の設定操作などを行うためのもので、キーボードやマウスなどを含む。表示部57は、検査用の画像や検査結果などを表示するためのもので、液晶パネルなどにより構成される。通信用インターフェース58は、検査結果を外部の装置に送信する目的で使用される。
上記構成において、制御部50内のメモリには、基板に割り付けられた撮像対象領域にカメラ1を位置合わせするのに必要なX,Yステージ部3,4の移動量が登録される。またフィレット検査用の検査データとして、検査対象の部品の位置やその部品のフィレットが良好であるときの傾斜角度などが登録される。
制御部50は、上記の登録データに基づき、Xステージ駆動部54やYステージ駆動部55を介してXステージ部3およびYステージ部4の移動量を調整して、カメラ1の視野を基板の撮像対象領域に位置合わせする。そして、この位置合わせ状態下で照明装置2に照明を行わせながらカメラ1を駆動し、検査用の画像を生成する。この画像は、画像入力部を介して制御部50内の画像メモリ(図示せず。)に入力される。
制御部50は、メモリに登録された設定データに基づき、入力画像の所定位置に検査領域を設定し、その領域内の画像を2値化することによって、照明装置2からの照明パターンに対する正反射光像(以下、「反射パターン」という。)を抽出する。そして、抽出された反射パターンの画像を後記する方法で処理することによって、フィレットの傾斜状態が良好であるかどうかを判断する。
図2は、上記基板検査装置の光学系の構成を示す((A)は光学系の全体構成の概略を示し、(B)は照明装置2の一部の構成を示す。)。
この実施例の照明装置2は、半球状の筐体20の内周面に複数のLED22(詳細には22a,22bに分類される。)が配置された構成のものである。筐体20の天頂部分には、カメラ1の覗き穴21が形成され、カメラ1は、その撮像面を真下に向けた状態にして、照明装置2の覗き穴21の上方に配備される。カメラ1の倍率は、基板面の覗き穴21に対向する範囲を撮像できるように調整される。なお、LED22a,22bは、すべて白色発光タイプのもので、径や発光強度も同一である。
照明装置2の筐体20には、周方向および上下方向(天頂部から周面に沿って下面に向かう方向をいう。)が、それぞれ複数の範囲に区分けされる。各LED22は、これらの区分けにより設定された領域に、それぞれ一定の配列パターンをもって配置される。
なお、図2の(A)では、各領域の境界線を点線で示しているが、図示の都合上、境界線の数を実際よりも少なくしている。実際には、周方向は16分割され、上下方向は、覗き穴の部分も含め、15分割される。いずれの方向も等角度間隔をもって分割される。
図2(B)は、LED22の配列パターンを4領域分抽出して拡大したものである。図中、点灯中のLED22を白抜きにし、消灯しているLED22を、斜線を付して示している(以下も同じ。)。
この実施例では、多数のLED22bを領域間の境界線に沿って連続的に配置することにより、各領域を明示するようにしている。これらの領域には、それぞれ12個のLED22aが、3×4のマトリクス状に配置されている。LED22bは、領域の明示のためにすべて点灯状態に設定される(以下、これらを「境界表示用LED22b」という。)。領域内の12個のLEDa(以下、これらを「マトリクスLED22a」という。)には、点灯するものと消灯するものとがあり、その点消灯の組み合わせは領域毎に異なるものになる。
上記のような設定により、境界表示用LED22bにより区切られた1つ1つの領域は、それぞれマトリクスLED22aの数および配列状態が統一された「照明部」として機能するようになる(境界表示用LED22bの数は、領域によって変動する。)。また、いずれの照明部も、他の照明部とは異なる形態の照明パターンを点灯させるものとなる。
上記において、各領域の位置は、基板に対する方位角αおよび仰角βの組み合わせにより表すことができる。なお、これらの角度α,βは、図3に示すように、照明装置2の中心軸C(覗き穴21の中心を通る軸であり、カメラ1の光軸もこの軸Cに合わせられる。)を基準に求められるものとする。
そこで、この実施例では、周方向および上下方向の方向毎に、各領域の並び順序を表すコードを設定し、これらのコードと各領域の角度α、βとを対応づけたテーブルを設定する。図4は、このテーブルの具体例を示す。
前述したように、周方向(0〜360°)は16分割されるので、1領域あたりの方位角αの変化の幅は22.5°となる。また上下方向(0〜90°)は15分割されるので、1領域あたりの仰角βの変化の幅は6°となる。これに基づき、図4のテーブルでは、方位角αについては、22.5°を1単位として0〜15の各コードを対応づけ、仰角βについては、6°を1単位として0〜14のコードを対応づける。ただし、仰角がコード14に対応する領域(βが84°以上になる領域)には覗き穴21が形成されるので、LED22が配置されることはない。
図4のテーブルは、制御部50のメモリ内に登録され、フィレットの傾斜角度の算出処理に使用される。なお、図4では、各コードの10進表記と2進表記とを並列表示しているが、コードとして実際に登録されるのは2進のコード(バイナリコード)である。
図4のテーブルによれば、各領域の方位角αおよび仰角βを、それぞれ4ビットのバイナリコードに置き換えることができる。したがって、図5(1)に示すように、α、βの各コードを組み合わせて、8ビットのバイナリコードを設定することができる。このコードの内容は、領域毎に異なるものになる。
図5(1)のバイナリコードによれば、図4のテーブルを参照することにより、コードの上位4ビットb7〜b4から方位角αを特定することができ、下位4ビットb3〜b0から仰角βを特定することができる。
この実施例では、各領域のマトリクスLED22aの点消灯の組み合わせにより、上記のバイナリコードを表すようにしている。図5(2)は、バイナリコードの各ビットとLED22aとの対応関係を示す。
この図に示すように、マトリクス中の4隅を除く8個のLED22aには、それぞれ図5(1)に示したバイナリコードの各ビットb0〜b7が割り当てられる。これらのLED22aは、対応するビットのデータが「1」であれば点灯し、「0」であれば消灯するように、制御される。
また4隅のLED22aは、マトリクスの向きの特定のために使用される。具体的には、左端のLED22aは常に消灯し、その他の3つのLED22aは常に点灯するように、設定される。
図6は、図5(2)に示した割り当てに基づき、マトリクスLED22aの照明パターンによりコードを表現した例を示す。この例の照明パターンは「10111100」というコードを示している。これを図4のテーブルにより照合すると、方位角αは247.5°、仰角βは72°となる。
このように、照明装置2の各領域(照明部)では、それぞれその領域からの照明の方向を表すバイナリコードをLED22aの点消灯の組み合わせにより表した照明パターンを点灯する。これらの照明パターンによる照明光は、基板上のフィレットで正反射し、そのうちフィレットの傾斜角度や傾斜の向きに対応する所定の照明パターンの正反射光がカメラ1に入射する。画像に現れた正反射光像は、対応する照明パターンの点消灯状態を反映したものとなるので、この画像を処理することにより、フィレットで正反射してカメラ1に入射した光の方向を示す情報(角度α,β)を特定することができる。
この点に鑑み、この実施例では、照明パターンに対応する画像中の正反射光像のパターン(以下、「反射パターン」という。)を抽出し、そのパターンから対応する照明パターンのバイナリコードを読み取る。さらに、読み取ったコードにより図4のテーブルを参照することによって、照明パターンの方位角αおよび仰角βを特定する。
図7は、反射パターンを抽出して角度α,βを特定するまでの処理を具体的に示す。
反射パターンを抽出するには、まず各領域を切り分けて認識する必要がある。そこで、この実施例では、処理対象の画像を2値化した後、その2値画像から輪郭表示用LED22bが表す輪郭線の交点の反射パターンを抽出する。図中、細線の点線枠rにより囲んだ部分が、交点の反射パターンである。この実施例では、これらの交点を起点に輪郭線を追跡し、輪郭線より所定距離だけ内側になる位置を境界とする範囲sを、マトリクスLED22aが含まれる照明部として特定する。
なお、交点の反射パターンの抽出は、このパターンを種々の方向に回転させたモデル(図8参照)を用いたパターンマッチングにより行われる。実際の画像における反射パターンは、図7のように整ってはおらず、フィレットの形状によって歪んだパターンになる可能性が高い(図9参照。)。しかし、歪みが生じても各境界線の関係が変わることはないので、交点の反射パターンを検出することができる。よって検出された交点を起点にした輪郭線追跡の結果に基づき、各マトリクスの範囲sを安定して求めることができる。
ただし、画像中のマトリクス部分の反射パターンの配列は、照明パターンとは左右が反転したものとなり、また配列の向きも、対応する照明パターンの方位によって異なるものになる。このため、この実施例では、マトリクスの配列が照明パターンと同様になるように補正してから、コードを読み取るようにしている。
マトリクスの補正は、4隅の点消灯パターンに基づいて行われる。先に説明したように、照明装置2では、いずれの領域においても、マトリクスの4隅のうち左上頂点にあたるLED22aのみが消灯し、その他の3個のLED22aは点灯している。したがって、反射パターン中のマトリクスでも、4隅のうちの1箇所のみが「黒」となり、残り3箇所は「白」となる。
そこで、この実施例では、まず図7の(B)に示すように、画像から切り出した反射パターンを、その4隅のうちの「黒」の箇所が右上頂点になるように回転し、さらに図7の(C)に示すように、回転後の反射パターンの左右の配列を逆転する。この2段階の補正により、反射パターンの配列が照明パターンと同様になると、マトリクスの各部位に対し、図5に示した割り当て法則を適用して、各ビットのデータを認識する(図7の(D)参照。)。すなわち、コードを表す8個のLED22aに対応する部位のうち、「黒」の部位に対応するビットを「0」と認識し、「白」の部位に対応するビットを「1」と認識する。
なお、上記図7の(C)の処理は必ずしも必要ではなく、画像の回転補正の後に、マトリクス中の各部位に対し、図5とは左右を逆転させた関係で各ビットを対応づけて、コードの認識処理を行ってもよい。
上記の処理により、8ビットのバイナリコードが判明すると、さらにこのコードにより図4のテーブルを参照することにより、方位角αおよび仰角βを特定する(図7の(E)参照。)。
この実施例では、3×4のマトリクスを構成するLED22aの4隅のLEDを、マトリクスの方向を表す識別用の発光体としているので、画像中の反射パターンがいずれの方向を向いていても、その方向を正しく認識することができる。勿論、識別用の発光体22aの位置は上記に限るものではなく、またLED22aの配置もマトリクス状に限定する必要はない。しかし、コード表示用のLED22aの点消灯の組み合わせがどのようになっても、これらと識別用のLEDとの誤認識が生じないようにするには、各LED22aをマトリクス状に配置し、その4隅を識別用に使用するのが望ましいと思われる。
例えば、図10(A)に示すように、バイナリコードを表す各LEDを2×4のマトリクスにして配置し、その上方に識別用のLEDを2個配置し、識別用の各LEDを点灯状態にすると、図10(B)のように、マトリクスの下段のコードの表示状態が識別用の点灯パターンと同様になった場合には、反射パターンの上下どちらが識別用であるかを判別できなくなってしまう。
上記の処理により特定された角度のうち、方位角αは、フィレットの傾斜の方向を認識するためのパラメータとして用いられる。また仰角βは、フィレットの傾斜角度の算出に用いられる。
ここで、仰角βを用いた傾斜角度の算出方法について、簡単に説明する。
この実施例では、カメラ1の光軸が鉛直方向に合わせられているので、フィレットの傾斜面に対する照明光および正反射光の関係は、概ね図11に示すようになる。
なお、図中、角度θはフィレットの傾斜角であり、点Pはフィレット上の1点である。
この図11の関係によれば、角度θは下記の(1)式により表される。したがって、反射パターンから読み取ったバイナリコードが表す仰角βを(1)式にあてはめることにより、フィレットの傾斜角度θを求めることができる。
θ=(90°−β)/2 ・・・(1)
図12は、検査対象のフィレット(良品とする。)の形状の一例を示す。図13(A)は、上記のフィレットを照明装置2の各照明パターンによる照明下で撮像して得られた画像を模式的に示したものである。さらに図13(B)は、この画像を図7に示した方法により処理して得られた方位角αおよび仰角βを示し(上段が仰角、下段が方位角である。)、(C)はフィレットの傾斜角度を算出した結果を示す。
なお、図13(A)では、境界表示用LED22bの反射光像を省略し、代わりに各領域のマトリクスの範囲sを表す矩形枠を示している。(B)(C)でも、領域毎の結果を矩形枠内に示す。
この例では、画像の左右方向に沿う3列に、それぞれ6個の反射パターンが並んでいる。また各反射パターンの読み取り結果によれば、各列における方位角αは同値であり、仰角βが変化している。このように隣り合う領域間の方位角αが等しく、仰角βが変化している場合には、αが示す方位に沿って傾斜が生じていると考えられる。よって、この実施例では、角度の読み取り結果から方位角αが同じ領域が連続している方向を特定し、この方向における傾斜角度の変化に基づいてフィレットの傾斜状態を認識するようにしている。
図13の例によれば、各反射パターンにより、247.5°、270.5°、292.5°の各方位を傾斜の方向として特定することができる。また、これらの方向のいずれにおいても、フィレットの傾斜角度は3°単位で減少している。よって、フィレットの良好な傾斜状態を反映した結果が得られていると考えられる。
図14は、図13と同じ部品について、フィレットの不良形状と傾斜角度の算出結果とを対応づけて示す。図14(1)は、フィレットが形成されずに平坦になってしまった例であり、傾斜面の中間位置に相当すべきが検出されるべき部分の傾斜角度の算出結果が0°になっている。図14(2)は、はんだの量が不十分であったために、フィレットの高さや傾斜角度が基準に達していない例である。
上記の図13、14の例に示すように、この実施例の照明装置2によれば、フィレットの傾斜角度を、従来の三原色によるカラーハイライト照明よりも細かく検出することができる。またこの実施例では、白色発光タイプのLEDを用いるが、撮像回数は1回で済むので、コストをかけずに効率良く検査を行うことができる。
図15は、フィレット検査の具体的な処理手順を示す。
この処理は、検査対象の基板が基板支持テーブルに搬入されたことに応じて開始される。まず最初のST1では、基板の撮像対象領域にカメラ1の視野を合わせ、照明装置2の各領域にそれぞれ前記した照明パターンを点灯させ、その状態下で撮像を行う。ST2では、生成された画像中のランドに対応する位置毎に、検査領域を設定する(各検査領域の設定データは、ティーチングによりあらかじめ登録されている。)。
以下、設定された検査領域毎にST3〜13の処理を実行する。
ST3では、検査領域内の画像を2値化する。この2値化により、境界表示用LED22bおよびコード表示用LED22a中の点灯しているLEDに対応する部位を白画素とし、消灯しているコード表示用LED22aに対応する部位を黒画素とする2値画像が生成される。
ST4では、上記の2値画像に対し、図8に示した各種モデルを用いたパターンマッチングを実行して、交点の反射パターンを抽出する。さらにST5では、抽出された各交点間の輪郭線を追跡し、その結果に基づき、領域毎にマトリクスの範囲を特定する。この後は、各領域に順に着目して、ST6〜9の処理を実行する。
ST6では、上記ST5で特定した範囲内の反射パターンの中から、3×4マトリクスの4隅を認識する。つぎに、ST7では、4隅のうち「黒」に設定されている部位(すなわち消灯しているLED22aに対応する部位)を抽出し、この抽出部位が左上頂点となるように、マトリクスの回転補正(図7(B)に示したもの)および並び順序の補正(図7(C)に示したもの)を実行する。なお、図9に示したように、マトリクスに歪みが生じている場合には、回転補正の前に、マトリクスの範囲sの形状が矩形になるように画像を補正するのが望ましい。
ST8では、上記補正後のマトリクスにつき、4隅以外の各LED22aに対応する部位を特定し、それぞれの部位が白・黒のいずれであるかにより、その部位が表すコードを認識する。
ST9では、上記ST8で認識した各ビットのコードを、上位4ビットのコードと下位4ビットのコードとに切り分ける。そして、各コードにより図4に示したテーブルを照合することによって、それぞれのコードが示す方位角αおよび仰角βを、照明光の方向として特定する。
抽出されたすべての領域に対して上記ST6〜9が実行されると、ST10が「YES」となってST11に進む。
ST11では、方位角αが同じ値になる領域が連続する部分を抽出し、これらの領域の並び方向を傾斜の方向として認識する。さらにつぎのST12では、各領域毎に、仰角βを(1)式にあてはめて傾斜角度θを算出する。
ST13では、ST11で認識した傾斜の方向や、その方向における傾斜角度の変化量を、メモリに登録された基準のデータと比較することによって、フィレットの形状が適正であるかどうかを判定する。
上記ST3〜13の処理により1検査領域に対する検査が終了すると、その検査結果はメモリの作業領域に一時保存される。以下も、設定された検査領域毎に同様の処理を実行する。また、全ての検査領域に対する処理が終了すると、ST1に戻り、他の撮像対象領域に対し、同様の処理を実行する。
こうして、基板上のすべてのフィレットに対する検査が終了すると、ST14,15がともに「YES」となってST16に進む。ST16では、メモリに蓄積された判定結果を用いて、基板全体に対する最終的な良否判定を行い、その結果を外部装置などに出力する。
なお、上記図15では、フィレット検査の手順のみを示したが、この実施例の基板検査装置で実施できる検査はこれに限らず、部品の欠落や位置ずれ等を検査することもできる。これらの検査を行う場合には、上記した照明パターンによる照明ではなく、全てのLEDを点灯するようにしてもよい。
図16は、基板検査装置の光学系の他の例を示す。
この実施例では、照明装置2の筐体20の上下方向を3つの範囲に分けて、各範囲にそれぞれ赤色発光のLED、緑色発光のLED、青色発光のLEDを配置する。またカメラ1にはカラーカメラを使用する。
さらに図示は簡単化しているが、上記3つの範囲は、いずれも15個に細分されている。また筐体20の周方向も、先の実施例と同様に16の範囲に区分けされる。
上記の区分けにより設定された領域には、それぞれ先の実施例と同様の規則に基づきLED22a,22bが配置される。3×4のマトリクスに対する点消灯制御の方法、コードの読取り処理、検査の手順なども、先の実施例と同様である。
ただし、この実施例では、仰角βは、マトリクスLED22aにより表されるバイナリコードと、これらのLED22aの発光色との組み合わせにより表される。すなわち、同一のコードであっても、LED22aの発光色によって、βの値は異なるものになる。
上記構成の照明装置2によれば、画像中の反射パターンに対応する照明パターンの仰角βを、より細かい角度単位で特定することが可能になるので、フィレットの傾斜角度も、より細かく検出することが可能になる。よって、フィレットの形状の認識精度が高められ、もって検査の精度も高めることができる。
なお、上記図2や図16の光学系の構成は、基板検査装置に限らず、フィレット以外の物の検査に使用することもできる。この場合、検査対象物によっては、全方位からの照明ではなく、方位を特定して、その特定された方位から、複数の照明パターンを照射するようにしてもよい。この場合、各領域の表示するバイナリコードは、仰角βのみを表すものでもよい。
検査対象物の鏡面反射性によっては、明瞭な反射パターンが得られない可能性もある。図17は、このような検査対象物に対する反射パターンの検出精度を確保することを目的とした光学系の構成を示す。
この実施例のカメラ1および照明装置2は、基本的には図2に示したものと同様の構成のものであるが、照明装置2の内周面およびカメラ1と照明装置2との間に、それぞれ偏光フィルタ25,26が設けられている。照明装置2側の偏光フィルタ25は、(B)の拡大図に示すように、各領域毎に、偏光の方向が上下方向に対応するようにして各LED22の前方に配備される。また、カメラ1と照明装置2との間の偏光フィルタ26は、図示しない支持部材に回転可能に支持される。
さらにこの実施例では、図18に示すように、照明装置2の各領域を同じ方位にあるもの毎にグループ分けし、カメラ1の露光期間中に各グループを順次点灯させるとともに、偏光フィルタ26を一回転させる。また、偏光フィルタ26は、1グループの点灯期間中に22.5°回転し、その偏光の方向が、点灯中の領域からの照明に対する正反射光の偏光の方向に対応するように、調整される。
上記の制御によれば、各領域からの照明光に対する反射光のうち、正反射光のみが偏光フィルタ26を通過してカメラ1に入射するので、検査対象物の鏡面反射性が低い場合でも、拡散光によるノイズを除去でき、照明パターンに対する反射パターンを鮮明に抽出することが可能になる。また、この制御はカメラ1の露光期間中に行われるので、撮像回数は1回で済み、検査時間が長くなることもない。
基板検査装置のブロック図である。 基板検査装置の光学系の構成を示す説明図である。 方位角および仰角の求め方を示す説明図である。 各領域の順序を示すコードと方位角および仰角との対応関係を示すテーブルである。 バイナリコードが示す情報の内容、およびこのコードの各ビットをマトリクスLEDに割り当てた例を示す説明図である。 マトリクスLEDの表示対象の情報と照明パターンとの対応例を示す説明図である。 照明パターンに対する画像処理方法を示す説明図である。 領域の交点の反射パターンの抽出に用いられるモデルの例を示す説明図である。 反射パターンに歪みの生じた画像の例を示す説明図である。 コード表示用LEDの他の配置例とその問題点を示す説明図である。 基板からフィレットへの照明光とカメラ1に入射する正反射光との関係を示す説明図である。 検査対象のフィレットの形状を示す説明図である。 図12のフィレットの画像、この画像に現れている反射パターンのコードを読み取った結果、および傾斜角度の算出結果を対応づけて示す説明図である。 不良部位の形状と傾斜角度の算出結果とを対応づけて示す説明図である。 検査の手順を示すフローチャートである。 光学系の他の例を示す説明図である。 光学系の他の例を示す説明図である。 図17の光学系に対する制御例を示すタイミングチャートである。
符号の説明
1 カメラ1
2 照明装置2
5 制御処理装置
22 LED
22a マトリクスLED
50 制御部

Claims (8)

  1. 所定広さの被検査面が表面に含まれる検査対象物を照明して、被検査面を撮像装置により撮像し、生成された画像中の正反射光像を用いて前記検査対象物の表面状態を検査する方法において、
    複数個の発光体が配列された構成の複数の照明部を、それぞれ入射角度が異なる方向から被検査面を照明するように配備するとともに、各発光体の点消灯を制御することにより、各照明部に他の照明部とは異なる形態の照明パターンを点灯させて、その照明下で撮像装置により被検査面を撮像し、
    前記撮像により生成された画像に現れている反射パターンを抽出し、
    抽出された反射パターンの形態と各照明部の照明パターンの形態との対応関係に基づき、前記反射パターンが抽出された各部位の傾斜角度を求め、これらの傾斜角度を用いて前記被検査面の表面状態を判別する、
    ことを特徴とする表面状態検査方法。
  2. 請求項1に記載された方法において、
    各照明部の発光体の数および配列状態を統一し、これらの照明部の発光体の点消灯の組み合わせが、それぞれ当該照明部からの照明の方向を表すバイナリコードを示すように、各発光体の点消灯を制御し、
    前記反射パターンが抽出された部位について、その反射パターンから前記バイナリコードを読み取り、この読み取り情報を用いて傾斜角度を算出する、表面状態検査方法。
  3. 請求項2に記載された方法において、
    前記検査対象物に対し、複数の方位に、それぞれ前記複数の照明部を入射角度が異なる方向から被検査面を照明するように配備し、
    各照明部における位置関係が同一になる所定数の発光体を識別用の発光体に設定し、これらの識別用の発光体による点消灯のパターンが各照明部で統一され、かつこの点消灯のパターンによって照明パターンの向きが表され、その他の発光体の点消灯パターンにより前記照明の方位および入射角度を示すバイナリコードが表されるように、各発光体の点消灯を制御し、
    前記画像中の反射パターンの中から、前記識別用の発光体による点消灯パターンに対応する部分を抽出し、その抽出部分と反射パターン全体との位置関係に基づき反射パターンと照明パターンとの対応関係を特定してから、前記バイナリコードを読み取る処理を実行する、表面状態検査方法。
  4. 所定広さの被検査面が表面に含まれる検査対象物を照明して、前記被検査面を撮像装置により撮像し、生成された画像中の正反射光像を用いて前記検査対象物の表面状態を検査する方法において、
    被検査面に対する入射角度が異なる複数の点灯範囲が設定され、各点灯範囲に、それぞれ他の範囲とは異なる色彩光を発する複数個の発光体が配列された構成の複数の照明部を、それぞれ入射角度が異なる方向から被検査面を照明するように配備し、
    各照明部がそれぞれ同じ点灯範囲にある他の照明部とは異なる形態の照明パターンを点灯するように、各発光体の点消灯を制御して、その制御による照明下で撮像装置により被検査面を撮像し、
    前記撮像により生成された画像に現れている反射パターンを抽出し、
    抽出された反射パターンの色彩および形態の組み合わせと各照明部の照明パターンの色彩および形態の組み合わせとの対応関係に基づき、前記反射パターンが抽出された各部位の傾斜角度を求め、これらの傾斜角度を用いて前記被検査面の表面状態を判別する、
    ことを特徴とする表面状態検査方法。
  5. 撮像装置と、照明装置と、前記照明装置および撮像装置を制御して検査対象物の画像を生成し、生成された画像中の正反射光像を処理して前記検査対象物の表面状態を検査する制御処理装置とを具備し、
    前記照明装置には、複数個の発光体が配列された構成の複数の照明部が、撮像装置の撮像範囲をそれぞれ入射角度が異なる方向から照明するように設けられており、
    前記制御処理装置は、各照明部が他の照明部とは異なる形態の照明パターンを点灯するように各発光体の点消灯を制御する照明制御手段;この照明制御手段の制御による照明下で撮像装置に撮像を行わせる撮像制御手段;前記撮像により生成された画像に現れている反射パターンを抽出するパターン抽出手段;抽出された反射パターンの形態と各照明部の照明パターンの形態との対応関係に基づき、前記反射パターンが抽出された各部位の傾斜角度を求める傾斜角度特定手段;前記反射パターンが抽出された各部位につき求められた傾斜角度を用いて被検査面の表面状態を判別する判別手段;の各手段を具備する表面状態検査装置。
  6. 前記照明装置の各照明部の発光体の数および配列状態は統一されており、
    前記照明制御手段は、各照明部の発光体の点消灯の組み合わせが、それぞれ当該照明部からの照明の方向を表すバイナリコードを示すように、各発光体の点消灯を制御し、
    前記傾斜角度特定手段は、前記反射パターンが抽出された部位について、その反射パターンから前記バイナリコードを読み取り、この読み取り情報を用いて傾斜角度を算出する、請求項5に記載された表面状態検査装置。
  7. 前記照明装置には、撮像範囲に対する方位が異なる複数の位置毎に、前記複数の照明部がそれぞれ入射角度が異なる方向から撮像範囲を照明するように配備されており、
    前記照明制御手段は、各照明部における位置関係が同一になる所定数の発光体を識別用の発光体に設定し、これらの識別用の発光体による点消灯のパターンが各照明部で統一され、かつこの点消灯パターンによって照明パターンの向きが示され、その他の発光体の点消灯パターンにより前記照明の方位および入射角度を示すバイナリコードが表されるように、各発光体の点消灯を制御し、
    前記傾斜角度特定手段は、前記画像中の反射パターンの中から、前記識別用の発光体による点消灯パターンに対応する部分を抽出し、その抽出部分と反射パターン全体との位置関係に基づき反射パターンと照明パターンとの対応関係を特定してから、前記バイナリコードを読み取る処理を実行する、請求項6に記載された表面状態検査装置。
  8. 撮像装置と、照明装置と、前記照明装置および撮像装置を制御して検査対象物の画像を生成し、生成された画像中の正反射光像を処理して前記検査対象物の表面状態を検査する制御処理装置とを具備し、
    前記照明装置には、被検査面に対する入射角度が異なる複数の点灯範囲が設定され、各点灯範囲に、それぞれ他の範囲とは異なる色彩光を発する複数個の発光体が配列された構成の複数の複数の照明部が、撮像装置の撮像範囲をそれぞれ入射角度が異なる方向から照明するように設けられており、
    前記制御処理装置は、各照明部が同じ点灯範囲にある他の照明部とは異なる形態の照明パターンを点灯するように各発光体の点消灯を制御する照明制御手段;この照明制御手段の制御による照明下で撮像装置に撮像を行わせる撮像制御手段;前記撮像により生成された画像に現れている反射パターンを抽出するパターン抽出手段;抽出された反射パターンの色彩および形態の組み合わせと各照明部の照明パターンの色彩および形態の組み合わせとの対応関係に基づき、前記反射パターンが抽出された各部位の傾斜角度を求める傾斜角度特定手段;前記反射パターンが抽出された各部位につき求められた傾斜角度を用いて被検査面の表面状態を判別する判別手段;の各手段を具備する表面状態検査装置。
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