JP2008215311A - ウォータポンプおよびこれを備える自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】配管に伝達される脈動を低減できるウォータポンプを提供する。
【解決手段】ウォータポンプ1は、複数の羽根16aを有し、回転軸16bを中心に回転する羽根車16と、ケーシング18と、ケーシング18に接続されている管部11,12とを備える。管部11,12は、他の機器との流路を構成する配管に接続するための配管接続部11c,12cと、流路断面積が配管接続部11c,12cよりも大きくなるように形成され、冷却媒体の脈動を抑制するための拡張室部11b,12bとを含む。拡張室部11b,12bは、配管接続部11c,12cとケーシング18との間に配置されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、ウォータポンプおよびこれを備える自動車に関する。
近年においては、ハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)、電気自動車(Electric Vehicle)および燃料電池(Fuel Cell)を搭載した燃料電池車などの電気を用いて動力を得る自動車が注目されている。
ハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加えてモータを動力源とする自動車である。ハイブリッド自動車は、エンジンから動力を得るとともに、直流電源からの直流電圧を交流電圧に変換し、変換された交流電圧によりモータを駆動することによって動力を得る。また、電気自動車は、直流電源からの直流電圧を変換した交流電圧によりモータを駆動して動力を得る。
このような自動車においては、電気の状態を変換するための電力変換器が搭載される。電力変換器には、たとえば、インバータやコンバータ等が含まれる。電力変換器には、パワー半導体素子が配置される。パワー半導体素子には、たとえば、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等が含まれる。電力変換器は、駆動するときに発熱する。特に、高い動力性能を得るために大電力を必要とする場合には発熱量が大きくなる。このため、電力変換器を冷却するための冷却装置が自動車に搭載される場合がある。
電力変換器を冷却するための冷却装置には、冷却媒体として水を用いる装置がある。冷却装置において、冷却水をウォータポンプで循環させることにより、電力変換器の除熱および冷却水の冷却が繰返し行なわれる。
特開2001−304339号公報においては、インバータを冷却水で冷却する装置が開示されている。この公報には、冷却用ポンプのポンプ本体の底部から下方に突出する略台形の脚部の端縁を、クッションゴム部材の脚部保持部内に保持し、車体上に固定されるブラケットの逆L字状に挿通保持した車両ポンプ用の防振装置が開示されている。
実開平7−44551号公報においては、ウォータポンプから圧送される冷却液の脈動がウォータインレットマニホールドの端部に設けられた緩衝室により吸収されて平滑化され、管内圧力が平均化されるエンジンの冷却装置が開示されている。
特開2001−304339号公報 実開平7−44551号公報
自動車の冷却装置は、外気により冷却水を冷却するためのラジエータを含む。ラジエータは、外気を取り込むために、たとえば、車体の前側の端部に配置される。これに対して、ウォータポンプは、たとえば、モータに固定された電力変換器の近傍に配置される。ウォータポンプに接続された配管は、被冷却機器を通ってラジエータに接続される。冷却装置の各装置は、配管で互いに接続されている。
冷却装置のウォータポンプが駆動すると、ポンプのケーシングの内部に配置された羽根車が回転して冷却水が吐出される。羽根車は、回転軸の周りに配置されている複数の羽根を有する。このため、ウォータポンプから吐出される冷却水には吐出圧力の変動があり、この変動が脈動になって出口側の配管に伝達される。ウォータポンプの入口側の配管においても、この脈動が伝達される。このようにウォータポンプで生じた脈動は、ウォータポンプに接続された配管を伝って伝達する。
冷却装置の配管は、たとえば、エンジンコンパートメントの内部に配索される。配管の一部は、ボディに固定される。ウォータポンプで生じた脈動は、配管を伝ってボディに伝達される。さらに、ボディを伝って人が乗車する車室内に音となって伝わり、乗員に不快感を与える場合があった。すなわち、ウォータポンプの脈動が車室内に伝わって、車室内の人に不快感を与える場合があった。
ハイブリッド自動車や電気自動車の普及に伴って、インバータなどの電力変換器の冷却性能の向上が要求されている。冷却装置の冷却性能を向上させるために、ウォータポンプの吐出圧力を増加させることが必要になってきている。この結果、ウォータポンプから車室の内部に伝わる騒音が大きくなる傾向にあるという問題があった。
上記の特開2001−304339号公報に開示されている車両ポンプ用防振装置においては、ウォータポンプの本体からブラケットを伝達する振動について配慮がなされているものの、ポンプ本体から配管を通じてボディに伝達される振動についての検討はなされていない。
本発明は、配管に伝達される脈動を低減できるウォータポンプおよびこれを備える自動車を提供することを目的とする。
本発明のウォータポンプは、複数の羽根を有し、回転軸を中心に回転する羽根車を備える。上記羽根車を囲むように形成されているケーシングを備える。上記ケーシングに接続されている管部を備える。上記管部は、他の機器との流路を構成する配管に接続するための配管接続部を含む。流路断面積が上記配管接続部よりも大きくなるように形成され、冷却媒体の脈動を抑制するための拡張室部を含む。上記拡張室部は、上記配管接続部と上記ケーシングとの間に配置されている。
上記発明において好ましくは、上記管部は、上記ケーシングに接続されているケーシング接続部を有する。上記拡張室部は、流路断面積が上記ケーシング接続部よりも大きくなるように形成されている。
上記発明において好ましくは、上記管部は、冷却媒体が上記ケーシングに流入する入口管部および上記冷却媒体が上記ケーシングから流出する出口管部のうち少なくとも一方を含む。
本発明の自動車は、上述のウォータポンプを備える。上記ウォータポンプに接続された配管と、ボディとを備える。上記配管は、固定部材により上記ボディに固定されている。上記拡張室部は、上記ケーシングと上記固定部材との間に形成されている。
上記発明において好ましくは、インバータを備える。上記インバータを冷却するための冷却装置を備える。上記ウォータポンプは、上記冷却装置に配置されている。
本発明によれば、配管に伝達される脈動を低減できるウォータポンプおよびこれを備える自動車を提供することができる。
(実施の形態1)
図1から図8を参照して、実施の形態1におけるウォータポンプおよびこれを備える自動車について説明する。本実施の形態における自動車は、モータと、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関とを動力源として駆動するハイブリッド自動車である。
本実施の形態における自動車は、電力変換器としてのインバータを備える。インバータは、バッテリの直流の電気をモータに導入する交流の電気に変換するための装置である。本実施の形態における自動車は、駆動用のモータおよび発電用のジェネレータを内蔵するトランスアクスルを備える。本実施の形態におけるウォータポンプは、トランスアクスルおよびインバータを冷却する電気装置系統の冷却装置に配置されている。
図1は、本実施の形態における動力源および冷却装置の概略斜視図である。本実施の形態における自動車は、エンジン52と、トランスアクスル53と、蓄電機器としてのバッテリ(図示せず)とを備える。エンジン52に隣り合う位置には、インバータ51が配置されている。
本実施の形態における自動車の冷却装置は、冷却媒体として冷却水を用いる。冷却装置は、冷却水を循環させるためのウォータポンプ1を含む。冷却装置は、冷却水を貯留するためのリザーバタンク54を含む。冷却装置は、車両前方のフロントグリルの裏側に配置されているラジエータ61を含む。ラジエータ61は、車体の前側の端部に配置されている。
本実施の形態におけるラジエータ61には、互いに独立した2つの冷却水路が設けられている。2つの冷却水路のうち、一方の水路がエンジン系統の冷却系を構成し、他方の水路が電気装置の冷却系を構成している。
電気装置の冷却系の冷却水は、ウォータポンプ1から矢印81に示すように吐出される。冷却水は、配管を通ってトランスアクスル53に供給される。冷却水は、トランスアクスル53を冷却する。冷却水は、トランスアクスル53に配置されているジェネレータおよびモータを冷却する。
トランスアクスル53を通った冷却水は、矢印82に示すように、配管を通ってラジエータ61に供給される。冷却水は、矢印83に示すようにラジエータ61を通ることにより冷却される。ラジエータ61を通った冷却水は、矢印84に示すように、配管を通ってインバータ51に供給される。冷却水は、インバータ51を冷却する。
インバータ51を通った冷却水は、リザーバタンク54に供給される。冷却水は、矢印85に示すように、配管を通ってリザーバタンク54からウォータポンプ1に供給される。このように、冷却水は、ウォータポンプ1によって強制的に循環されている。
それぞれの装置同士を接続する配管は、後述するように固定部材としてのクリップ27によってボディに固定されている。本実施の形態におけるエンジン52、トランスアクスル53、インバータ51、およびラジエータ61は、ボディで形成されているエンジンコンパートメント(エンジンルーム)に配置されている。
図2は、ウォータポンプが取り付けられている部分の概略斜視図である。ウォータポンプ1は、サイドメンバ41に固定されたポンプブラケット21に取り付けられている。サイドメンバ41は、車体の幅方向の両端において、車体の前後方向に延びるように形成されている骨格部材である。サイドメンバ41は、エンジンコンパートメントに配置されている。
ポンプブラケット21は、ウォータポンプ1を支持するためのブラケット部22を有する。ブラケット部22は、板状に形成されている。ウォータポンプ1は、ブラケット部22に固定されている。
図3は、ウォータポンプが取り付けられている部分の概略分解斜視図である。ブラケット部22には、スタッドボルト24が固定されている。スタッドボルト24は、ブラケット部22の表面から立設するように配置されている。ウォータポンプ1は、防振用ブッシュ31を介して固定される。防振用ブッシュ31は、ゴム材料から形成されている。防振用ブッシュ31は、たとえば、シリコンゴムから形成されている。
防振用ブッシュ31がウォータポンプ1に取り付けられた状態で、スタッドボルト24を防振用ブッシュ31に挿通する。防振用ブッシュ31の端面から突出したスタッドボルト24にナット36が嵌め合わされることによって、ウォータポンプ1がブラケット部22に固定される。ウォータポンプ1が防振用ブッシュ31を介して固定されることにより、ウォータポンプ1からブラケット部22に振動が伝わることを抑制することができる。
図4に、本実施の形態におけるウォータポンプの概略部分断面図を示す。図3および図4を参照して、本実施の形態におけるウォータポンプ1は、羽根車16を備える。羽根車16は、複数の羽根16aと回転軸16bを有する。羽根車16は、回転軸16bを中心に回転するように形成されている。
本実施の形態におけるウォータポンプは、羽根車16を囲むように形成されているケーシング18を備える。本実施の形態におけるケーシング18は、羽根車16の形状に沿って形成されている。羽根車16は、ケーシング18の内部に配置されている。本実施の形態におけるウォータポンプは、モータ17を備える。モータ17は、羽根車16を回転するように形成されている。
本実施の形態におけるウォータポンプ1は、ケーシング18に接続されている管部11,12を備える。ウォータポンプ1は、冷却水がケーシング18に流入する入口管部としての管部11を含む。また、ウォータポンプ1は、冷却水がケーシング18から流出する出口管部としての管部12を含む。
本実施の形態における入口管部としての管部11は、羽根車16の回転軸16bの延びる方向から冷却水を供給するように形成されている。管部11は、延びる方向が、羽根車16の回転軸16bとほぼ平行になるように形成されている。また、管部11は、平面視したときに、羽根車16のほぼ中央部分に冷却水を供給するように形成されている。
図5に、本実施の形態におけるウォータポンプの概略断面図を示す。図5は、図4におけるV−V線の矢視断面図である。図4および図5を参照して、本実施の形態における出口管部としての管部12は、ケーシング18の側面に接続されている。管部12は、羽根車16の径方向とほぼ平行な方向に延びるように形成されている。
本実施の形態におけるケーシング18は、ほぼ円柱状に形成されている。本実施の形態における複数の羽根16aは、互いにほぼ同じ間隔を空けて配置されている。羽根16aは、断面形状が曲線状になるように形成されている。
モータ17が駆動することにより、羽根車16が矢印88に示す向きに回転する。羽根車16が回転することにより、矢印86に示すように、管部11からケーシング18に冷却水が流入する。冷却水は、矢印87に示すようにケーシング18から管部12を通って流出する。
本実施の形態における管部11は、ケーシング18に接続されているケーシング接続部11aを有する。管部11は、他の機器との流路を構成する配管に接続するための配管接続部11cを有する。
管部11は、流路断面積が配管接続部11cよりも大きくなるように形成されている拡張室部11bを有する。拡張室部11bは、冷却水の脈動の伝達を抑制するために形成されている。本実施の形態における拡張室部11bは、管部11の径が膨らむように形成されている。拡張室部11bは、配管接続部11cとケーシング18との間に配置されている。本実施の形態における拡張室部11bは、配管接続部11cとケーシング接続部11aとの間に配置されている。拡張室部11bは、流路断面積がケーシング接続部11aよりも大きくなるように形成されている。
本実施の形態における出口管部としての管部12は、管部11と同様の構成を有する。管部12は、ケーシング18に接続されているケーシング接続部12aを有する。管部12は、配管に接続するための配管接続部12cを有する。管部12は、ケーシング接続部12aと配管接続部12cとの間に配置されている拡張室部12bを有する。本実施の形態における拡張室部12bは、ケーシング接続部12aおよび配管接続部12cよりも流路断面積が大きくなるように形成されている。
図6に、本実施の形態におけるウォータポンプおよび配管の概略部分断面図を示す。ウォータポンプ1の入口側においては、管部11の配管接続部11cに、配管としてのホース25が接続されている。ホース25は、配管接続部11cに挿し込まれることによって接続されている。
自動車は、ボディを備える。ボディは、板状に形成された板状部28,29を含む。たとえば、ボディは、自動車の外装や、前輪の上側に前輪の形状に沿って板状に配置されているフェンダ等の板状部28,29を含む。本実施の形態におけるホース25は、ボディに固定されている。本実施の形態におけるホース25は、固定部材としてのクリップ27によって板状部28に固定されている。
ウォータポンプ1の出口側においても同様に、管部12の配管接続部12cに、配管としてのホース26が接続されている。本実施の形態におけるホース26は、ボディに固定されている。本実施の形態においては、固定部材としてのクリップ27によって板状部29に固定されている。
本実施の形態における自動車は、冷却水の流路において、ウォータポンプ1のケーシング18と、配管としてのホース25,26をボディに固定しているクリップ27との間に、それぞれの拡張室部11b,12bが形成されている。
本実施の形態におけるウォータポンプおよびこれを備えた自動車は、ウォータポンプが駆動することにより生じる脈動を拡張室部で減衰させることができ、人が乗車する車室内に異音が生じることを抑制できる。
図7に、本実施の形態における比較例としてのウォータポンプの概略部分断面図を示す。比較例としてのウォータポンプ2は、ケーシング18に接続されている管部13および管部14を備える。管部13は、入口管部であり、管部14は、出口管部である。管部13,14のそれぞれは、延びる方向において流路断面積がほぼ一定になるように形成されている。配管としてのホースは、それぞれの管部13,14の先端に挿し込まれる。
図8に、比較例としてのウォータポンプを駆動したときの吐出圧力を説明するグラフである。横軸が時間を示し、縦軸が吐出圧力を示す。図7および図8を参照して、モータ17が駆動することにより羽根車16が回転する。羽根車16の羽根16aが、出口管部としての管部14を通るときに吐出圧力の変動が起こる。羽根車16が回転することにより、ほぼ一定の間隔で圧力が高くなる。この圧力変動により冷却水の脈動が生じる。
比較例のウォータポンプは、脈動が管部13,14に接続された配管に伝わる。配管は、固定部材によりボディに固定されている。脈動は、この固定部からボディに伝わって車室内に伝達される。この結果、車室内においてウォータポンプの駆動に起因する騒音が聞こえる場合があった。
近年のモータを動力源にする自動車において、電気装置の冷却装置は、たとえば、エンジンコンパートメントなどの小さな空間に配置するために、配管の径を小さくしなければならない。すなわち配管を細くしなければならない。しかしながら、冷却装置に高い冷却性能が要求されているために、ウォータポンプの吐出流量を多くする必要がある。ウォータポンプの吐出圧力を高くしなければならない。このため、冷却水の吐出圧力の脈動が大きくなり、車室内で聞こえる騒音も大きくなる傾向にあった。
図4から図6を参照して、本実施の形態においては、ウォータポンプ1の入口側において、管部11に拡張室部11bが形成されているために、ケーシング接続部11aで生じている冷却水の脈動を拡張室部11bで減衰させることができる。配管接続部11cにおいては、冷却水の脈動は低減されている。
また、ウォータポンプ1の出口側において、ケーシング接続部12aで生じている脈動を拡張室部12bで減衰させることができる。配管接続部12cにおいては、冷却水の脈動は低減されている。このように、ケーシングに接続される管部に拡張室部を形成することにより、ウォータポンプの脈動を低減することができる。
図6を参照して、本実施の形態においては、ホース25,26がボディの板状部28,29にクリップ27にて固定されている。ホース25,26とボディとの固定部が拡張室部11b,12bよりも、ケーシング18から離れた位置に配置されているために、脈動がホース25,26およびクリップ27を伝って、ボディに伝達されることを抑制できる。このため、車室内にポンプの脈動に起因する騒音(脈動音)が生じることを抑制できる。
このように、本実施の形態におけるウォータポンプは、入口管部および出口管部で発現する脈動を軽減することができ、冷却水の圧力の脈動に起因する振動や騒音などが配管に伝達されることを抑制できる。
ハイブリッド自動車においては、燃費向上のために、信号待ちの時や低速走行時などにエンジンを停止させる。この際、ウォータポンプからの脈動音が聞こえやすくなる。本実施の形態におけるウォータポンプをハイブリッド自動車に配置することにより、車室内の騒音を低減する効果が顕著になる。
本実施の形態においては、ウォータポンプの入口管部および出口管部の両方に拡張室部が形成されているが、この形態に限られず、ウォータポンプの入口管部および出口管部の一方の管部に拡張室部が形成されていても構わない。
本実施の形態においては、冷却装置の各装置を接続する配管として、ホースを用いているが、この形態に限られず、配管は流路を構成する任意の部材を用いることができる。また、本実施の形態における配管は、固定部材としてのクリップによりボディに固定されているが、この形態に限られず、固定部材としては任意の部材を用いることができる。
本実施の形態においては、ハイブリッド自動車を例に採り上げて説明したが、この形態に限られず、電気自動車や燃料電池自動車に搭載された冷却装置のウォータポンプに本発明を適用することができる。さらに、自動車のウォータポンプに限られず、任意のウォータポンプに本発明を適用することができる。
(実施の形態2)
図9および図10を参照して、実施の形態2におけるウォータポンプおよび自動車について説明する。図9は、本実施の形態におけるウォータポンプの概略部分断面図である。図10は、本実施の形態におけるウォータポンプの概略断面図であり、図9におけるX−X線の矢視断面図である。
図9および図10を参照して、本実施の形態におけるウォータポンプ3は、出口管部としての管部15を備える。管部15は、拡張室部15bを含む。管部15は、配管接続部15cを含む。
本実施の形態におけるウォータポンプは、拡張室部15bが、ケーシング18に直接的に接続されている。拡張室部15bは、高さ方向においてケーシング18の高さとほぼ同じになるように形成されている(図9参照)。拡張室部15bの幅は、配管接続部15cの幅よりも大きくなるように形成されている(図10参照)。本実施の形態における拡張室部15bは、配管接続部15cよりも流路断面積が大きくなるように形成されている。
このように、拡張室部をケーシングに直接的に接続することによっても、ウォータポンプの脈動を抑制することができる。すなわち、流路が細くなるケーシング接続部が形成されていなくても、拡張室部にてウォータポンプの脈動を減衰させることができる。
その他の構成、作用および効果については、実施の形態1と同様であるのでここでは説明を繰返さない。
(実施の形態3)
図11を参照して、実施の形態3におけるウォータポンプおよび自動車について説明する。図11は、本実施の形態におけるウォータポンプおよび配管の概略部分断面図である。
本実施の形態におけるウォータポンプ4は、出口管部としての管部12を備える。本実施の形態における管部12は、補助接続部12dを有する。補助接続部12dは、管である。補助接続部12dは、ケーシング接続部12aと拡張室部12bとの間に配置され、ケーシング接続部12aと拡張室部12bとの流路を接続している。
本実施の形態におけるウォータポンプ4は、拡張室部12bがケーシング18と別体で形成されている。配管としてのホース26は、配管接続部12cに接続されている。本実施の形態における自動車において、ホース26は、クリップ27によって、ボディの板状部29に固定されている。拡張室部12bは、ケーシング18とクリップ27との間に配置されている。
本実施の形態において、ケーシング接続部12aで生じている冷却水の脈動は、補助接続部12dを通って拡張室部12bに伝達される。拡張室部12bで、脈動が減衰される。このため、脈動がホース26に伝わることを抑制でき、脈動がクリップ27およびボディを伝って、車室内に騒音が生じることを低減できる。
本実施の形態のように、拡張室部はウォータポンプのケーシングと別体で離れて配置されていても構わない。拡張室部は、ウォータポンプのケーシングと、ケーシングに至近のクリップなどの固定部材との間に配置されることが好ましい。この構成により、脈動が固定部材を通じてボディに伝わることを抑制できる。
その他の構成、作用および効果については実施の形態1と同様であるので、ここでは説明を繰返さない。
上述のそれぞれの図において、同一または相当する部分には、同一の符号を付している。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
自動車の動力源と電気装置の冷却装置との概略斜視図である。 実施の形態1におけるウォータポンプを固定する部分の拡大概略斜視図である。 実施の形態1におけるウォータポンプの概略分解斜視図である。 実施の形態1におけるウォータポンプの概略部分断面図である。 実施の形態1におけるウォータポンプの概略断面図である。 実施の形態1におけるウォータポンプと配管との概略部分断面図である。 実施の形態1における比較例のウォータポンプの概略部分断面図である。 ウォータポンプが発する脈動を説明するグラフである。 実施の形態2におけるウォータポンプの概略部分断面図である。 実施の形態2におけるウォータポンプの概略断面図である。 実施の形態3におけるウォータポンプと配管との概略部分断面図である。
符号の説明
1〜4 ウォータポンプ、11〜15 管部、11a,12a ケーシング接続部、11b,12b 拡張室部、11c,12c 配管接続部、12d 補助接続部、15b 拡張室部、15c 配管接続部、16 羽根車、16a 羽根、16b 回転軸、17 モータ、18 ケーシング、21 ポンプブラケット、22 ブラケット部、24 スタッドボルト、25,26 ホース、27 クリップ、28,29 板状部、31 防振用ブッシュ、36 ナット、41 サイドメンバ、51 インバータ、52 エンジン、53 トランスアクスル、54 リザーバタンク、61 ラジエータ、81〜88 矢印。

Claims (5)

  1. 複数の羽根を有し、回転軸を中心に回転する羽根車と、
    前記羽根車を囲むように形成されているケーシングと、
    前記ケーシングに接続されている管部と
    を備え、
    前記管部は、他の機器との流路を構成する配管に接続するための配管接続部と、
    流路断面積が前記配管接続部よりも大きくなるように形成され、冷却媒体の脈動を抑制するための拡張室部と
    を含み、
    前記拡張室部は、前記配管接続部と前記ケーシングとの間に配置されている、ウォータポンプ。
  2. 前記管部は、前記ケーシングに接続されているケーシング接続部を有し、
    前記拡張室部は、流路断面積が前記ケーシング接続部よりも大きくなるように形成されている、請求項1に記載のウォータポンプ。
  3. 前記管部は、冷却媒体が前記ケーシングに流入する入口管部および前記冷却媒体が前記ケーシングから流出する出口管部のうち少なくとも一方を含む、請求項1または2に記載のウォータポンプ。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のウォータポンプと、
    前記ウォータポンプに接続された配管と、
    ボディと
    を備え、
    前記配管は、固定部材により前記ボディに固定され、
    前記拡張室部は、前記ケーシングと前記固定部材との間に形成されている、自動車。
  5. インバータと、
    前記インバータを冷却するための冷却装置と
    を備え、
    前記ウォータポンプは、前記冷却装置に配置されている、請求項4に記載の自動車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017213700A (ja) * 2016-05-30 2017-12-07 キヤノン株式会社 液体吐出装置および液体吐出ヘッド
CN109026586A (zh) * 2018-08-21 2018-12-18 芜湖谱瑞电子科技有限公司 一种海水泵

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