JP2008212963A - 低圧鋳造用のストークおよび低圧鋳造装置 - Google Patents

低圧鋳造用のストークおよび低圧鋳造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の低圧鋳造装置では、ストーク内を落下する溶湯が巻き込む気泡を低減するために、ストーク下端部の開口面積を絞っていたので、溶湯をキャビティに充填する際の充填速度が遅くなって、生産性が低下するというという問題がある。
【解決手段】低圧鋳造用のストーク30内には、溶湯50の流れに応じて上下移動可能なフロート33が、前記ストーク本体31内周面に対して所定の隙間dを有した状態で設けられ、前記ストーク本体31の下端部には、ストーク03の内部と外部とを連通する開口部30aが形成されたフランジ部材32が付設され、前記フランジ部材32の開口部30aは、前記フロート33が該フランジ部材32に係止することで閉じられる開閉開口部32aと、前記フロート33がフランジ部材32に係止するか否かにかかわらず常時開口している常時開口部32bとを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、加圧された溶湯保持炉内の溶湯を金型のキャビティ内へ充填するための低圧鋳造用のストーク、および前記ストークを備えた低圧鋳造装置に関する。
アルミニウム等の金属の鋳造法として低圧鋳造法が知られている。
低圧鋳造法においては、溶湯保持炉内に貯溜した溶湯の表面を加圧することにより、溶湯をストークを通じて金型のキャビティ内に充填し、キャビティ内に充填された溶湯が凝固した後に溶湯保持炉内の圧力を低下させることで、鋳造を行うようにしている。
このような低圧鋳造を行うための低圧鋳造装置は、例えば図9に示すように、内部に溶湯150が貯溜される溶湯保持炉110と、下型121と上型122とで構成され、該下型121と上型122との間に形成されるキャビティ120aを有する金型120と、管状部材にて構成され、その下端部が前記溶湯保持炉110内の溶湯150に浸漬されるとともに、その上端部が前記金型120のキャビティ120aに連通されるストーク130と、該ストーク130と前記金型120との間に介装される湯口入子140とを供えている。
前記下型121の下面の複数箇所には堰部121a・121a・・・が開口しており、前記ストーク130の上端部は、前記湯口入子140および前記堰部121a・121a・・・を通じて前記キャビティ120aと連通している。
前記低圧鋳造装置101においては、溶湯保持炉110内の溶湯150の表面が加圧されると、該溶湯150が前記ストーク130内を上昇して湯口入子140に浸入し、さらに前記堰部121a・121a・・・からキャビティ120a内に充填される。
キャビティ120a内への溶湯150の充填が完了した後は、キャビティ120a内の溶湯150が凝固するまで溶湯保持炉110内の溶湯150に対する加圧が継続され、キャビティ120a内の溶湯150が凝固して粗材150aの形成が完了すると、溶湯保持炉110内の溶湯150に対する加圧が停止される。
溶湯保持炉110内の溶湯150に対する加圧が停止されて該溶湯保持炉110内の圧力が低下すると、前記湯口入子140およびストーク130の上部に押し上げられていた溶湯150が該ストーク130を通じて落下し、溶湯保持炉110内に戻る。
溶湯150が溶湯保持炉110内に戻るとき、前記湯口入子140およびストーク130内には、前記下型121と上型122との隙間や、凝固により収縮した粗材150aとキャビティ120a内周面との隙間を通じて外部からの空気が侵入してくるため、溶湯150はストーク130内を勢いよく一気に落下する。
溶湯150がストーク130内を勢いよく落下すると、落下する溶湯150内で気泡を含んだ乱流が発生し、気泡を巻き込んだ溶湯150が溶湯保持炉110内に戻ることとなる。
溶湯150内に気泡が混ざり込むと酸化不純物が生成されるため、鋳造される粗材150aに鋳巣が生じる等、該粗材150aの品質が低下するといった問題が発生する。
そこで、従来においては、溶湯150がストーク130内を落下する速度を抑えて、溶湯150に気泡が巻き込まれることを防止するべく、特許文献1に示すように、溶湯保持炉内に開口するストーク下端部の径を絞って溶湯が通過する断面積を小さくし、ストーク内を落下する溶湯の速度を低速化して、溶湯が巻き込む気泡を低減させる技術が考案されている。
特開2006−205221号公報
確かに、前述のごとく、ストーク下端部の開口面積を絞って小さくすることで、溶湯がストーク下端部を通過する際の流動抵抗が大きくなるため、該ストーク内を落下する溶湯の速度を遅くすることができ、溶湯が巻き込む気泡を低減することが可能となる。
しかし、ストーク下端部の開口面積を絞って小さくした場合、鋳造時に溶湯保持炉内の加圧により溶湯がストークを通じて押し上げられキャビティに充填される際にも、該ストーク下端部における溶湯の流動抵抗が増大することとなり、溶湯のキャビティへの充填速度が遅くなってしまい、低圧鋳造装置における鋳造のサイクルタイムが長くなって生産性が低下するというという問題がある。
そこで、本発明においては、溶湯がストーク内を落下する際の速度を抑えて溶湯への気泡の巻き込みを防止するとともに、溶湯をキャビティへ充填する際における充填速度の低下を招くことがない低圧鋳造用ストークおよび低圧鋳造装置を提供するものである。
上記課題を解決する低圧鋳造用のストークおよび低圧鋳造装置は、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1記載の如く、管状部材にて構成され、その下端部を溶湯保持炉内に貯溜される溶湯に浸漬するとともに、その上端部を金型のキャビティに連通させて、加圧された前記溶湯保持炉内の溶湯を前記キャビティ内へ充填するための低圧鋳造用のストークであって、前記ストーク内には、溶湯の流れに応じて上下移動可能なフロートが、前記ストーク内周面に対して所定の隙間を有した状態で設けられ、前記ストークの下端部には、該ストークの内部と外部とを連通する開口部が形成されたフランジ部材が付設され、前記フランジ部材の開口部は、前記フロートが該フランジ部材に係止することで閉じられる開閉開口部と、前記フロートがフランジ部材に係止するか否かにかかわらず常時開口している常時開口部とを備えている。
これにより、溶湯が前記ストーク内を落下するときには、前記開閉開口部aがフロートにより閉じられて前記常時開口部のみが開口することとなるため、該溶湯の落下速度が遅くなり、気泡を巻き込むことを防止することができるため、溶湯内における酸化不純物の増加を抑えることができる。
また、溶湯がストーク内を上昇するときには、フロートが上昇して開閉開口部と常時開口部との両方が開口して、ストーク下端部の開口部の開口面積が大きくなるため、ストーク内を通過する溶湯の受ける流動抵抗が増加することがなく、低圧鋳造装置における鋳造のサイクルタイムを保持することができる。
これにより、溶湯内の酸化不純物の増加を抑えつつ、低圧鋳造装置における生産性の低下を防止することができる。
また、請求項2記載の如く、前記ストーク内周面とフロートとの間に形成される隙間の面積は、前記ストークと前記金型のキャビティとを連通する堰部の面積よりも大きく形成される。
これにより、ストーク内を通過する溶湯の受ける流動抵抗が、該ストークにフランジ部材を設けなかった場合と比べても増加することがなく、低圧鋳造装置における鋳造のサイクルタイムが、ストークにフランジ部材を設けない場合と比べて延びることがない。
従って、低圧鋳造装置における生産性を低下させることなく、溶湯内の酸化不純物の増加を抑えることができる。
また、請求項3記載の如く、キャビティを有する金型と、内部に溶湯が貯溜される溶湯保持炉と、管状部材にて構成され、その下端部を前記溶湯保持炉内の溶湯に浸漬するとともに、その上端部を前記金型のキャビティに連通させて、加圧された前記溶湯保持炉内の溶湯を前記キャビティ内へ充填するためのストークとを備えた低圧鋳造装置であって、前記ストーク内には、溶湯の流れに応じて上下移動可能なフロートが、前記ストーク内周面に対して所定の隙間を有した状態で設けられ、前記ストークの下端部には、該ストークの内部と外部とを連通する開口部が形成されたフランジ部材が付設され、前記フランジ部材の開口部は、前記フロートが該フランジ部材に係止することで閉じられる開閉開口部と、前記フロートがフランジ部材に係止するか否かにかかわらず常時開口している常時開口部とを備えている。
これにより、溶湯が前記ストーク内を落下するときには、前記開閉開口部aがフロートにより閉じられて前記常時開口部のみが開口することとなるため、該溶湯の落下速度が遅くなり、気泡を巻き込むことを防止することができるため、溶湯内における酸化不純物の増加を抑えることができる。
また、溶湯がストーク内を上昇するときには、フロートが上昇して開閉開口部と常時開口部との両方が開口して、ストーク下端部の開口部の開口面積が大きくなるため、ストーク内を通過する溶湯の受ける流動抵抗が増加することがなく、低圧鋳造装置における鋳造のサイクルタイムを保持することができる。
これにより、溶湯内の酸化不純物の増加を抑えつつ、低圧鋳造装置における生産性の低下を防止することができる。
また、請求項4記載の如く、前記ストーク内周面とフロートとの間に形成される隙間の面積は、前記ストークと前記金型のキャビティとを連通する堰部の面積よりも大きく形成される。
これにより、ストーク内を通過する溶湯の受ける流動抵抗が、該ストークにフランジ部材を設けなかった場合と比べても増加することがなく、低圧鋳造装置における鋳造のサイクルタイムが、ストークにフランジ部材を設けない場合と比べて延びることがない。
従って、低圧鋳造装置における生産性を低下させることなく、溶湯内の酸化不純物の増加を抑えることができる。
本発明によれば、溶湯内の酸化不純物の増加を抑えつつ、低圧鋳造装置にて鋳造を行う際の生産性の低下を防止することができる。
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
図1に示す低圧鋳造装置1、内部に溶湯50が貯溜される溶湯保持炉10と、下型21と上型22とで構成され、該下型21と上型22との間に形成されるキャビティ20aを有する金型20と、管状部材にて構成され、その下端部が前記溶湯保持炉10内の溶湯50に浸漬されるとともに、その上端部が前記金型20のキャビティ20aに連通されるストーク30と、該ストーク30と前記金型20との間に介装される湯口入子40とを供えている。
前記下型21の下面の複数箇所には堰部21a・21a・・・が開口しており、前記ストーク30の上端部は、前記湯口入子40および前記堰部21a・21a・・・を通じて、記キャビティ20aと連通している。
また、前記ストーク30は円筒状部材にて構成されるストーク本体31と該ストーク本体31の下端部に付設されるフランジ部材32とを備えており、該ストーク本体31内には球状に形成されたフロート33が上下移動自在に設けられている。
また、前記フランジ部材32には、ストーク本体31内と溶湯保持炉10内とを連通する開口部30aが形成されている。
図2に示すように、前記フランジ部材32には、略円形に開口している開閉開口部32a、および略扇状に開口している常時開口部32bが形成されており、該開閉開口部21aと常時開口部32bとで、前記開口部30aが構成されている。
前記常時開口部32bは複数形成されており、前記開閉開口部32aの外周部に配置されている。
また、前記常時開口部32bと開閉開口部32aとは連通しており、一連に開口する開口部30aを構成している。
さらに、前記開閉開口部32aの径は、前記フロート33の外形よりも小さく形成されており、該フロート33が開閉開口部32aの周縁部に係止可能となっている。
なお、前記開口部32bは、本例の場合複数形成されているが、単数形成することも可能であり、また前記常時開口部32bと開閉開口部32aとを分離して形成することも可能である。
また、図3に示すように、前記フロート33は、該フロート33と前記ストーク本体31の内周面との間に所定の隙間dを有した状態で、該ストーク本体31内に設けられている。
また、フロート33は、溶湯50に接触しても溶融、変形、および劣化しないだけの耐熱性を備えたセラミックまたは金属部材等にて構成されている。さらに、フロート33は、溶湯50の比重よりは大きいが、ストーク30内を流動する溶湯50の流れに従って移動することができるだけの比重を有している。
このように構成されるフロート33は、溶湯50よりも大きい比重を有しているので、溶湯50がストーク30内を流動していなくて静止した状態にあるときには、該ストーク30の下端部に沈み込み、図4、図5に示すように、前記フランジ部材32の開閉開口部32aの周縁部に係止した状態で停止する。
前記ストーク30の下端部に開口している前記開口部30aは、前記フロート30が前記開閉開口部32aに係止していないときには、開閉開口部32aの開口面積と常時開口部32bの開口面積とを加えた開口面積を有している。
一方、前記フロート33が前記開閉開口部32aに係止した状態にあるときには、該開閉開口部32aはフロート33により閉じられており、前記開口部30aは、常時開口部32bの開口面積と同じ開口面積を有している。
つまり、フロート30が開閉開口部32aに係止しているときの開口部30aの開口面積は、フロート30が開閉開口部32aに係止していないときの開口部30aの開口面積よりも小さくなる。
以上のように構成される低圧鋳造装置1においては、鋳造開始時に溶湯保持炉10内の溶湯50の表面が加圧される。前記溶湯50の表面が加圧されると、該溶湯50が前記ストーク30内を上昇して湯口入子40に浸入し、さらに前記堰部21a・21a・・・からキャビティ120a内に充填される。
この場合、図6に示すように、ストーク30内のフロート30は、フランジ部材32の開閉開口部32aの周縁部に係止した状態(図4等参照)から、ストーク30内を上昇する溶湯50の流れに沿って、該ストーク30内を上昇する。
従って、溶湯保持炉10からストーク30を通じて金型20のキャビティ20a内に溶湯50を充填するときには、溶湯50は、開閉開口部32aの開口面積と常時開口部32bの開口面積とを加えた面積が開口している開口部30aを通過してストーク30内へ浸入し、ストーク30内においては、該ストーク30内周面とフロート33との隙間dを通過して湯口入子40へ到達する。
湯口入子40へ到達した溶湯50は、堰部21a・21a・・・を通じてキャビティ20a内に充填される
キャビティ20a内への溶湯50の充填が完了した後は、キャビティ20a内の溶湯50が凝固するまで溶湯保持炉10内の溶湯50に対する加圧が継続され、キャビティ20a内の溶湯50が凝固して粗材50a(図7図示)の形成が完了すると、溶湯保持炉10内の溶湯50に対する加圧が停止される。
図7に示すように、溶湯保持炉10内の溶湯50に対する加圧が停止されて、該溶湯保持炉10内の圧力が低下すると、前記湯口入子40およびストーク30の上部に押し上げられていた溶湯50が該ストーク30を通じて落下し、溶湯保持炉10内に戻る。
この場合、前記湯口入子40およびストーク30内には、前記金型20の下型21と上型22との隙間や、凝固により収縮した粗材50aとキャビティ20a内周面との隙間を通じて外部からの空気が侵入してくるため、該湯口入子40およびストーク30上部の内部空間が負圧になることはなく、この内部空間が溶湯50の落下に対する抵抗となることはない。
しかし、溶湯50がストーク30内を落下する際には、前記フロート33が溶湯50の流れに沿って下降し、前記開口部30aにおける開閉開口部32aに係止する。
フロート33が開閉開口部32aに係止すると該開閉開口部32aが閉じ、開口部30aの開口面積は常時開口部32bの開口面積のみとなって、ストーク30内から溶湯保持炉10内へ戻る溶湯50が通過する断面積が、開閉開口部32aが開いている状態と比べて小さくなるため、該溶湯50の流動抵抗が大きくなり溶湯50の落下速度が遅くなる。
以下に、溶湯50がストーク30内を上昇するときおよび落下するときの、該溶湯50およびフロート33の動き等についてさらに説明する。
つまり、図8(a)に示すように、鋳造を開始する前はフロート33が開閉開口部32aに係止した状態となっているため、開口部30aの開口面積は常時開口部32bの開口面積のみとなっているが、鋳造が開始され溶湯保持炉10内の溶湯50が加圧され、該溶湯50がストーク30内を上昇開始すると、図8(b)に示すように、溶湯50の流れに沿ってフロート33が上昇し、開閉開口部32aが開いて開口部30aの開口面積が広がる。
従って、溶湯保持炉10内の溶湯50は、開閉開口部32aと常時開口部32bとの開口面積を有する広い開口面積の開口部30aを通過してストーク30内に浸入し、さらにストーク本体31とフロート33との間に形成される隙間dを通過して湯口入子40内へ浸入し、堰部21a・21a・・・からキャビティ20a内に充填されることとなる。
この場合、ストーク本体31とフロート33との間に形成される隙間dの断面積は、全ての堰部21a・21a・・・の開口面積を加えた面積よりも大きく形成されているとともに、開閉開口部32aの開口面積と常時開口部32bの開口面積とを加えた面積は、ストーク本体31とフロート33との間に形成される隙間dの断面積と同等かそれよりも大きく構成されているため、開口部30aを通過する溶湯50、およびストーク本体31とフロート33との間の隙間dを通過する溶湯50は、前記堰部21a・21a・・・を通過する溶湯50が受ける流動抵抗よりも大きな抵抗を受けることがない。
つまり、溶湯保持炉10からキャビティ20aへ充填される溶湯50が最も大きな流動抵抗を受けるのは、堰部21a・21a・・・と通過するときである。
これにより、溶湯50が、フランジ部材32およびフロート33を設けたストーク30内を通過する際に受ける流動抵抗は、ストーク30にフランジ部材32およびフロート33を設けず、該ストーク30をストーク本体31のみで構成した場合に溶湯50が受ける流動抵抗と同等の大きさとなっており、溶湯保持炉10からキャビティ20aへの溶湯50充填速度が低下することがない。
従って、低圧鋳造装置1における鋳造のサイクルタイムが、ストーク30にフランジ部材32を設けない場合と比べて延びることはない。
一方、溶湯50がストーク30内を落下するときには、前述のごとく、前記フロート33が溶湯50の流れに沿って下降し、前記開閉開口部32aを閉じて、フロート30下端部の開口部30aの面積が常時開口部32bの開口面積のみとなって、該溶湯50の流動抵抗が大きくなり溶湯50の落下速度が遅くなる。
このように、溶湯50の落下速度が遅くなることにより、溶湯50がストーク30から溶湯保持炉10へ戻る際に、乱流が発生して気泡を巻き込むことを防止することができ、溶湯50内における酸化不純物の増加を抑えることができる。
なお、前記常時開口部32bの開口面積の大きさは、溶湯50が気泡を巻き込まない程度の速度で落下する大きさであり、かつ、ストーク30から溶湯保持炉10への溶湯50の戻り速度が、低圧鋳造装置1における鋳造のサイクルタイムを満足するだけの速度となるような大きさに設定されている。
つまり、溶湯50が気泡を巻き込まないようにするためには、常時開口部32bの開口面積をできるだけ小さくして溶湯50の落下速度を遅くすればよいが、そうすると溶湯50が全て落下してしまうまでに時間がかかり過ぎて、低圧鋳造装置1における鋳造のサイクルタイムが長くなって生産性が低下してしまうことになる。
従って、常時開口部32bの開口面積の大きさを、溶湯50が気泡を巻き込まず、ストーク30にフランジ部材32を設けない場合と同等のサイクルタイムを確保できるだけの大きさに設定している。
以上のように、本低圧鋳造装置1においては、前記ストーク30内に、溶湯50の流れに応じて上下移動可能なフロート30を、前記ストーク30内周面に対して所定の隙間dを有した状態で設け、前記ストーク30の下端部に、該ストーク30の内部と外部とを連通する開口部30aが形成されたフランジ部材32を付設しており、前記フランジ部材32の開口部30aは、前記フロート30が該フランジ部材32に係止することで閉じられる開閉開口部32aと、前記フロート33がフランジ部材32に係止するか否かにかかわらず常時開口している常時開口部32bとを備えている。
このように構成することで、溶湯50がストーク30内を落下するときには、開閉開口部32aがフロート33により閉じられて常時開口部32bのみが開口することとなるため、該溶湯50の落下速度が遅くなり、気泡を巻き込むことを防止することができるため、溶湯50内における酸化不純物の増加を抑えることができる。
また、溶湯50がストーク30内を上昇するときには、フロート33が上昇して開閉開口部32aと常時開口部32bとの両方が開口して、開口部30aの開口面積が大きくなるため、ストーク30内を通過する溶湯50の受ける流動抵抗が増加することがなく、低圧鋳造装置1における鋳造のサイクルタイムを保持することができる。
これにより、溶湯50内の酸化不純物の増加を抑えつつ、低圧鋳造装置1における生産性の低下を防止することができる。
特に、前記ストーク本体31の内周面とフロート33との間に形成される隙間dの面積は、ストーク30と金型20のキャビティ20aとを連通する堰部21a・21a・・・の面積よりも大きく形成されているので、ストーク30内を通過する溶湯50の受ける流動抵抗が、該ストーク30にフランジ部材32を設けなかった場合と比べても増加することがなく、低圧鋳造装置1における鋳造のサイクルタイムが、ストーク30にフランジ部材32を設けない場合と比べて延びることがない。
従って、低圧鋳造装置1における生産性を低下させることなく、溶湯50内の酸化不純物の増加を抑えることができる。
低圧鋳造装置を示す側面断面図である。 ストーク下端部に設けられるフランジ部材を示す底面図である。 フロートが設けられたストークを示す平面断面図である。 フランジ部材の開閉開口部にフロートが係止している状態のストーク下端部を示す側面断面図である。 開閉開口部にフロートが係止している状態のフランジ部材を示す底面断面図である。 溶湯保持炉内の溶湯がストークを通じてキャビティ側へ流動している状態の低圧鋳造装置を示す側面断面図である。 溶湯がストーク内を落下して溶湯保持炉内に戻る状態の低圧鋳造装置を示す側面断面図である。 ストーク内における溶湯の流れおよびフロートの動作を示す側面断面図である。 従来の低圧鋳造装置におけるストークを示す側面断面図である。
符号の説明
1 低圧鋳造装置
10 溶湯保持炉
20 金型
20a キャビティ
21 下型
22 上型
21a 堰部
30 ストーク
30a 開口部
31 ストーク本体
32 フランジ部材
32a 開閉開口部
32b 常時開口部
33 フロート
50 溶湯

Claims (4)

  1. 管状部材にて構成され、その下端部を溶湯保持炉内に貯溜される溶湯に浸漬するとともに、その上端部を金型のキャビティに連通させて、加圧された前記溶湯保持炉内の溶湯を前記キャビティ内へ充填するための低圧鋳造用のストークであって、
    前記ストーク内には、溶湯の流れに応じて上下移動可能なフロートが、前記ストーク内周面に対して所定の隙間を有した状態で設けられ、
    前記ストークの下端部には、該ストークの内部と外部とを連通する開口部が形成されたフランジ部材が付設され、
    前記フランジ部材の開口部は、前記フロートが該フランジ部材に係止することで閉じられる開閉開口部と、前記フロートがフランジ部材に係止するか否かにかかわらず常時開口している常時開口部とを備えている、
    ことを特徴とする低圧鋳造用のストーク。
  2. 前記ストーク内周面とフロートとの間に形成される隙間の面積は、前記ストークと前記金型のキャビティとを連通する堰部の面積よりも大きく形成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の低圧鋳造用のストーク。
  3. キャビティを有する金型と、
    内部に溶湯が貯溜される溶湯保持炉と、
    管状部材にて構成され、その下端部を前記溶湯保持炉内の溶湯に浸漬するとともに、その上端部を前記金型のキャビティに連通させて、加圧された前記溶湯保持炉内の溶湯を前記キャビティ内へ充填するためのストークとを備えた低圧鋳造装置であって、
    前記ストーク内には、溶湯の流れに応じて上下移動可能なフロートが、前記ストーク内周面に対して所定の隙間を有した状態で設けられ、
    前記ストークの下端部には、該ストークの内部と外部とを連通する開口部が形成されたフランジ部材が付設され、
    前記フランジ部材の開口部は、前記フロートが該フランジ部材に係止することで閉じられる開閉開口部と、前記フロートがフランジ部材に係止するか否かにかかわらず常時開口している常時開口部とを備えている、
    ことを特徴とする低圧鋳造装置。
  4. 前記ストーク内周面とフロートとの間に形成される隙間の面積は、前記ストークと前記金型のキャビティとを連通する堰部の面積よりも大きく形成される、
    ことを特徴とする請求項3に記載の低圧鋳造装置。

JP2007051944A 2007-03-01 2007-03-01 低圧鋳造用のストークおよび低圧鋳造装置 Pending JP2008212963A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107931568A (zh) * 2016-10-12 2018-04-20 福建省瑞奥麦特轻金属有限责任公司 一种用于低压铸造的升液管
CN110899665A (zh) * 2019-12-30 2020-03-24 重庆长安汽车股份有限公司 一种适用于多层复杂结构铸件的低压铸造方法

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