JP2008212856A - 土壌環境改善装置及び土壌浄化方法 - Google Patents

土壌環境改善装置及び土壌浄化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な機構で、コンパクトな施設により土壌環境を改善するシステムを構築できるようにする。
【解決手段】ブロア10からの加圧空気を空気注入パイプ11により帯水層3から土壌層2に向けて加圧空気が供給され、帯水層3の上部に滞留する油滞留部4に加圧空気が作用し、また微生物による分解作用で、油滞留部4の油が揮発乃至ミスト状となる。土壌層2内に滞留している油成分も揮発して、浄化処理ユニット20における気体流入部21に集中的に取り込まれて、気体流入部21の上部に位置する処理部22で油分が吸着され、清浄化され、無害化された空気が大気に放出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、石油系の炭化水素等からなる油分を含む汚染物質で汚染された土壌から、汚染物質を分離・除去することにより、土壌環境を改善する装置、及び汚染された土壌を浄化する土壌浄化方法に関するものである。
ガソリンや軽油等の石油系炭化水素からなる燃料を貯留する燃料タンクと、この燃料タンクから燃料の供給経路等を有する設備やプラント、例えばガソリンスタンドやボイラ設備、さらに石油精製工場等においては、燃料タンク,燃料供給経路等の各所において油漏れが発生することがあり、このように漏出した油分等からなる汚染物質は、土壌内に浸透して土壌環境を悪化させる。
油分が土中に流出すると、土粒子間に浸透することになるが、ガソリンや軽油等といった軽質油は一部が土中に浸透するが、その性質上、揮発し易いために、炭化水素系の汚染物質を含む汚染ガスが発生する。この汚染ガスはやがて大気に放散されて、大気を汚染し、臭気を発生させる等、環境を悪化させることになる。また、重油等を含む重質油等は殆ど揮発せずに土中に浸透していくことになる。ここで、軽質油であれ、重質油であれ、石油系の炭化水素は比重が1より小さいために、地層構造において、地表に最も近い帯水層の水面まで到達すると、殆どはそれ以上まで下降することがなく滞留し、やがては液体のままで地下水の流れに沿って移動する等によって、地下水の水質汚染を生じさせる。
以上のように、ガソリンや軽油、さらには重油等といった石油系炭化水素により汚染された土壌環境の改善を図り、汚染物質を除去し浄化するシステムとしては、例えば特許文献1に提案されている。この特許文献1による土壌環境浄化方式はエアスパージング工法と呼ばれるものであり、汚染された領域に空気注入パイプを挿入して、この空気注入パイプから土中に加圧空気を送り込み、揮発性の炭化水素等を圧送した空気により流動化させて、地表にまで移行させることによって、汚染土壌から汚染物質を排出するようにして浄化される。
そして、エアスパージング工法による土壌浄化処理を行うに当って、揮発した汚染物質がそのまま大気に放出されないようにして回収する必要があり、このために特許文献1においては、汚染エリアの地表を空気拡散防止シートで覆うと共に、この空気拡散防止シート内に浄化装置からの配管を挿入して、この配管を介して汚染物質を含む気体を浄化装置に取り込んで、この気体から汚染物質を取り除くことにより空気を浄化させ、浄化した空気は大気に放出するようにしている。
特開2003−47947号公報
ところで、前述したエアスパージング工法を施工するに当っては、土中に送り込んだ加圧空気の作用で気体が流出乃至噴出する位置は限定されず、広い範囲にわたって気体が流出することになる。そして、空気拡散防止シートで覆う領域は、土中に送り込んだ加圧空気が地表から噴出する全ての領域に及ぼさなければならず、特に住宅密集地乃至その近傍であれば、たとえ量的に僅かであっても、汚染空気が未処理のままで大気に放出されるようなことがあってはならず、このために必要以上広い領域に空気拡散防止シートを設置しなければならない。また、この空気拡散防止シートの内部から吸引を行う関係上、単に地面をシートで覆うだけではなく、地表との間にある程度の密閉空間を存在させる必要がある。このために、極めて大掛かりな施設となることから、コスト高になるだけでなく、空気拡散防止シート等の設置スペースを確保できない場合には、例えば営業中のガソリンスタンドに対しては、このエアスパージング工法を実行できないことになる。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、簡易な機構で、コンパクトな施設により土壌環境を改善するシステムを構築できるようにすることにある。
前述した目的を達成するために、本発明による土壌環境浄化装置は、被処理エリアの地層構造の内部に浸透した炭化水素を含む汚染物質を除去する土壌環境改善装置であって、加圧空気が供給される加圧空気供給源と、前記地層構造のうち、地表に位置する土壌層から、この土壌層に最も近い帯水層内またはそれより下部位置にまで一端が挿入され、他端は前記加圧空気供給源に接続されて、前記帯水層内に位置する部位に複数の空気噴出孔を設けた1乃至複数本の空気注入パイプと、前記加圧空気供給源から供給される加圧空気により、少なくとも油分を含む汚染物質の揮発成分を流動化させ、この汚染物質を含んだ気体から汚染物質と空気とを分離して、空気を大気に放出する浄化処理ユニットとを備え、前記浄化処理ユニットは、少なくとも前記汚染物質を吸着する処理部材が充填され、大気への開放部を有する処理部と、この処理部と連通し、前記土壌層に位置し、一端が前記帯水層の深さ位置乃至それより浅い位置まで挿入され、他端が汚染物質を含んだ気体を流入させる気体流入部とからなる構成としたことをその特徴とするものである。
また、本発明による土壌浄化方法は、被処理エリアの地層構造を構成する土中に浸透した炭化水素を含む汚染物質を除去するために、前記地層構造の土壌層を貫通して、帯水層内にまで挿入した空気注入パイプから、この帯水層内に加圧空気を供給し、この加圧空気により前記帯水層と前記土壌層との間に滞留する油、及び前記土壌層に含まれる揮発した油からなる汚染物質を、油分含有気体として流動化させ、このように流動化した油分含有気体を土壌層に設けた気体流入部に流入させ、この気体流入部からガス状及びミスト状の油分を吸着する処理部材を充填した処理部に移行させて、この処理部で油分を除去して、清浄化させた空気を大気に放出することを特徴とするものである。
本発明による土壌浄化のシステムは、基本的には、処理対象とする地層構造に含まれる汚染物質であって、気化状態となっている油分と、液状を保つ油分とを揮発させて除去するものである。地層構造は、地表側に位置する土壌層と、この土壌層の下部に位置する帯水層を含むものであり、気化状態の油分は主に土壌層に存在し、液状の油分は帯水層の上部であって、土壌層との境界部に滞留している。そして、液状の油分や油の揮発成分及びミスト等からなる油分含有気体を処理対象として、これらの油分を吸着除去するのに適したものである。なお、油分だけでなく、それ以外の揮発性有機化合物等の汚染物質からなる複合汚染領域にも適用することができる。
汚染された土壌の内部に加圧空気を送り込むことにより、液体状態の汚染物質を揮発させて、加圧空気の流れにより流動化させて、地層構造の内部から排出するエアスパージング工法に属する。加圧空気を土中に送り込むために空気注入パイプを用いるが、汚染物質である油分は水より比重の小さいために、土壌層内に浸透しても、地下水が飽和状態で滞留している帯水層の上部で滞留し、それより下方にまでは浸透しにくい。従って、空気注入パイプは、少なくとも地表に最も近い帯水層の内部、またはそれより下部位置にまで挿入する。そして、この空気注入パイプには複数の空気噴出孔が形成されるが、この空気噴出孔は帯水層における地下水の位置に開口させる。これによって、加圧空気は水中で気泡となって上昇することになる。また、この帯水層を貫通してそれより下層の位置まで空気注入パイプを挿入することもできる。そうすると、加圧空気の及ぶ範囲がより広くなる。いずれにしろ、帯水層の上層に位置する汚染された土壌層に対して広い範囲にわたって加圧空気を分散供給できる点で望ましい。
処理領域において、周囲に配置されている構築物等の障害物,処理すべき領域における土質や地層構造勾配,汚染物質の拡散度合い等を総合勘案して、処理領域の範囲と、1本の空気注入パイプによる加圧空気が及ぶ範囲とに基づいて、処理領域の全体にわたってほぼ均等に加圧空気が供給されるように、空気注入パイプの本数及び配置を調整する。処理領域において、空気注入パイプから注入された加圧空気によって、揮発してガス化している油及び油分のミストを流動化させて、浄化処理ユニットにより汚染物を吸着乃至分解する。従って、空気と汚染物との混合物、特にガス化し、またミスト状態となった油分を含んだ油分含有気体は殆ど全てを浄化処理ユニットに流入させ、処理領域の外には汚染物が流出しないようにする必要がある。そこで、土中に隔壁を設置して空気が流通する範囲を制限し、または閉鎖領域として、油分含有気体を浄化処理ユニットに集中的に向けるようにすることができる。この隔壁は帯水層において、空気注入パイプから加圧空気を噴出させる位置より深い位置まで延在させるのが望ましい。
空気注入パイプから所定の圧力の加圧空気を地層構造の内部に送り込むことによって、土壌層から浸透して油分を揮発させる。揮発し易い油、例えばガソリン等では加圧空気の作用だけで揮発させることができる。また、加圧空気の供給のみによっては揮発しない油や揮発しにくい油であっても、土壌に含まれる微生物の作用で分解されて、ガス化させることができる。即ち、エアスパージング法と、炭化水素を分解する微生物の働きを利用したバイオレメディエーション法とを組み合わせたバイオスパージング法による浄化システムとして構築することができる。このために、空気注入パイプに加圧空気と共に土壌中の微生物を活性化させる無機栄養塩類を含む栄養源を供給するのが好ましい。ここで、石油系の炭化水素を分解する微生物は好気性のものであり、加圧空気と栄養源とを与えることによって、また必要に応じて水分を加えることにより微生物による炭化水素の分解を効率化させることができる。また、帯水層の上部に滞留する油であって、未分解のものも、空気注入パイプからの加圧空気の作用により気化させ、またはミスト化させて、加圧空気の流れと共に移動させる。さらに、土壌層及び帯水層に含まれる微生物の作用により油滞留部の油が分解、ミスト化が促進され、加圧空気の流れに沿って移動することにより速やかに減少していくことになる。
浄化処理ユニットは、少なくとも汚染物質の揮発成分を吸着する吸着部材が充填され、汚染物質を吸着して除去し、清浄化された空気をそのまま大気に開放する構成とした処理部と、この処理部と連通し、加圧空気の圧力により流動化する汚染物質を含む気体が集中的に取り込まれて、処理部に送り込むための気体流入部とから構成される。処理部と気体流入部とは一体のものとして構成することもできるが、それらを分離可能に装着することもできる。そして、処理部と気体流入部とを分離可能とすれば、処理部による処理能力が低下したときに、この処理部を気体流入部から分離するようにして取り出して、交換するか、処理能力を再生することができる。
気体流入部は土壌層に位置させ、その先端は帯水層の深さ位置またはそれより浅い位置とする。帯水層の内部にまで挿入するのは好ましくはない。また、この気体流入部は下端部が閉鎖した円筒形状の本体筒から構成され、その周囲には、油分が揮発し、また油分のミストを含み、油分に汚染された油分含有気体が流入する流入孔を形成する。流入孔は小孔として本体筒の周囲に多数穿設する。この気体流入部の軸線方向において、均一な分布となるように流入孔を設けても良いが、下端側より上端側の処理部への連結部近傍の方が流入孔の数を多くすることもできる。ただし、処理部の外周部には流入孔を設けない。そして、気体流入部における本体筒の内部は中空状態にすることもできるが、空気を円滑に流通させ、ミスト成分を吸着する部材を充填するようにしても良い。
帯水層に送り込まれるのは加圧空気であり、浄化処理ユニットを構成する気体流入部の内部は、処理部を介して大気と連通しているために、実質的に大気圧またはそれに近い圧力状態となっており、浄化処理対象となる地層構造の内部内との差圧により気体流入部に向けて集中することになり、油分を含む汚染空気が円滑かつ効率的に流入孔から気体流入部内に導かれる。ただし、流入孔が土砂等で目詰まりすると、汚染空気の取り込みに支障を来たすことになるために、気体流入部を構成する本体筒の周囲に玉砂利,礫等の通気部材で囲繞させるのが望ましい。そして、通気部材の大きさは気体流入孔の孔径より大きいものを用いる。
地表がアスファルトやコンクリートで覆われている場合、これらに空気注入パイプ及び浄化処理ユニットを装着するために、ボーリング機械等を用いて掘削・穿孔する。このように穿孔した部位以外は舗装面やコンクリート床面で覆われるので、汚染物質を含む空気は円滑かつ確実に浄化処理手段の気体流入部に向けて流れる。ここで、気体流入部に向けての空気流に搬送されるのは、油分が気化した汚染物質を含む汚染ガスであるが、これだけではなく、揮発するまでには至らずミスト状となった油分ミストが含まれ、さらには水分ミストも含まれる。これら汚染ガス及び油分ミストからなる汚染物質、及び水分ミストは、気体流入部に取り込まれて、処理部に移行する。
処理部では、前述した汚染ガス,油分ミスト及び水分ミストを除去して、清浄化され、無害化された空気を大気に放出することになる。このために、処理部には空気に含まれる汚染ガスを吸着するのに適した活性炭等のガス吸着材や、空気流に含まれる油分ミストを吸着するのに適したセルロース,おがくずや、再生綿くず,ペカン等を含むミスト吸着材及びこのミスト吸着材と、微生物及びその栄養剤の混合物からなるオイルスポンジ(バイオジェネシステクノロジー社の商品名)といった吸着・分解物質を充填する。また、汚染ガスの吸収機能に加えて、比表面積が大きいことから、水分ミストの吸着・保持機能を発揮する黒ぼく土等を混合することもできる。特に、処理部に炭化水素を分解する能力の高い微生物と、その栄養剤とを多量に充填すると、活性炭や吸着材に吸着されている油分が分解されて、例えば水と炭酸ガスというように、無害な気体となることから、吸着機能が再生されるようになり、長期間にわたって高い油分吸着能力を保持することになり、処理部を交換せずに処理を継続することができる。さらに、処理部には、微生物による炭化水素の分解作用に加えて、化学的、物理化学的に炭化水素を分解する物質を混合することもできる。
簡易な機構で、コンパクトな施設によって、油分等の炭化水素を含む汚染物質で汚染された土壌から、汚染物質を効率的に分離・除去することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。まず、図1において、1は被処理エリアであり、この被処理エリア1における地層構造としては、表層側に土壌層2が、この土壌層2の下部には地下水が飽和状態となった帯水層3が存在している。例えば、ガソリンスタンド等のように、ガソリンや軽油、その他の石油系炭化水素(以下、単に油という)が取り扱われる施設では、これらの油が漏出して土壌層2に浸透することがある。長い期間にわたり油漏れが継続的に発生していたり、大量の油が一度に漏れたりすると、土壌層2に浸透した油は時間の経過と共に沈降するが、一般に、油は比重が水より小さいために、帯水層3の上部領域における土壌層2との境界部に滞留して、油滞留部4となっている。なお、被処理エリア1がガソリンスタンド等である場合には、土壌層2の上部における地表部分は舗装面5(またはコンクリート面等)となっている。
この被処理エリア1において、土壌層2に浸透している油、及び帯水層3の上部における油滞留層4の油を除去して土壌環境を改善するためのシステムは、油分を気化させて浮上させ、油分を含む汚染ガス及び油分ミストを吸着乃至吸着及び分解させるものである。そして、油分を吸着・分解することにより除去された清浄化された空気は大気に放出される。
このために、加圧空気の供給源としてのブロア10が設けられ、このブロア10は被処理エリア1またはその近傍における地上に設置されている。被処理エリア1には、適宜の箇所に複数本の空気注入パイプ11が挿入されており、これらの空気注入パイプ11の基端部には、ブロア10からのエア配管12が接続されている。空気注入パイプ11は、舗装面5を穿孔した上で、ボーリング機構等によって、土壌層2を貫通して、帯水層3に至るように行った掘削・穿孔部に挿入される。空気注入パイプ11は、その下端面が閉塞されており、この閉塞された先端部近傍には複数の空気噴出孔13が設けられている。そして、空気注入パイプ11は、その先端部が帯水層3の深い位置にまで挿入されており、かつ空気噴出孔13は帯水層3内に臨んでいる。
以上のように、空気注入パイプ11の先端を帯水層3内に位置させた状態で、ブロア10を作動させると、空気噴出孔13から加圧空気が噴出することになり、この空気噴出孔13の孔径に応じた大きさの気泡が発生する。この空気噴出孔13は帯水層3内に開口しているので、この帯水層3内では、気泡がある範囲にわたって拡散することになる。しかも、気泡は加圧状態になっているので、土壌層2内に浸透するように上昇し、この土壌層2の内部に空気の流れが生じることになる。この空気流が生じる範囲及びその速度は、土壌層2における土質や地層構造勾配等により変化するものであるが、被処理エリア1の全域にわたって隈なく空気の流れを生じさせるように、空気注入パイプ11の設置場所及び本数と、ブロア10による空気の加圧度合いとを設定しておく。
前述した空気の流れが生じている被処理エリア1における土中に、1または複数の浄化処理ユニット20が設けられている。この浄化処理ユニット20は、図2からも明らかなように、下部側が気体流入部21で、上部側は処理部22となっている。図1に矢印で示したように、空気注入パイプ11から供給した加圧空気と、この加圧空気に搬送される揮発した油分からなる汚染ガス及び油分ミストからなる混合気体は気体流入部12に集められて、これら汚染物を主に吸着して除去するためのものであり、従って前述した加圧空気がほぼ完全に取り込まれる位置に設けられる。具体的には、空気注入パイプ11を挿入したと同様、ボーリング等により掘削・穿孔して土中に挿入する。下部側の気体流入部21は、その下端部が油滞留部4内またはそれより浅い位置まで挿入され、帯水層3には至らないようにして、水の吸い上げを防止する。
気体流入部21は、鋼板等の高い強度を有する円筒形状の本体筒23を有し、この本体筒23の周壁には多数の流入孔23aが全周にわたって穿設されている。そして、本体筒23の下端部は閉塞壁23bが設けられて、下端は閉塞状態となっている。ここで、流入孔23aは、本体筒23の全体にわたって均一に設けられている。なお、土中への挿入状態で、下端近傍より上端の方の気体流入孔23aの密度を多くしても良い。そして、本体筒23の外周部には、所定の間隔を置いて金網24が装着されており、本体筒23と金網24との間には通気部材を構成する玉砂利25が充填されている。これによって、流入孔23aが土砂で目詰まりするのを防止できる。このためには、玉砂利25としては、その粒径が流入孔23aの孔径より大きいものを使用する。
処理部22は、周壁部26aと底壁部26bとからなり、上端は開放された処理容器26を有し、この処理容器26の底壁部22bには、多数の連通孔27が穿設されて、この連通孔27を介して気体流入部21と連通している。この処理容器26は、気体流入部21に着脱可能に連結されるようになっている。処理容器26内には、ガス状の油分及びミスト状の油分からなる汚染物を除去して空気から分離するための処理部材28が充填されている。そして、油分が分離して清浄化された空気を処理容器26の上端開放部から大気に放出することになる。
従って、処理容器26内に充填されている処理部材28は、油分の吸着機能を発揮するのに適した部材である。具体的には、油による汚染ガスを吸着するのに最適な活性炭と、油分ミストを吸着する機能を発揮する再生綿くず,ペカン等を含むミスト吸着材と、主に水分ミストを吸着して、活性炭等が湿潤化するのを防止する機能を発揮する黒ぼく土が充填されている。また、ミスト吸着材としては、炭化水素を分解する微生物とその栄養源とを混入したオイルスポンジが好適に用いられる。これらの各部材は混合状態にして充填するか、または層状となるように充填する。層状とする場合には、下層に黒ぼく土を、中間層にオイルスポンジを、上層には活性炭を配置するのが望ましい。
本実施の形態における土壌環境改善システムは以上のように構成されるものであって、ブロア10を作動させて、エア配管11から空気注入パイプ11に加圧空気を供給することによって、被処理エリア1に対する土壌の浄化が開始される。
空気注入パイプ11内に供給された加圧空気は、この空気注入パイプ11の下端部に形成した空気噴出孔13から帯水層3の内部に噴出し、気泡となって上昇する流れを形成することになる。その結果、気泡は帯水層3と土壌層2との境界部及びこの境界部における油滞留部4に作用して、土壌層2内に浸透して、気化状態となっている油成分を流動化させることになる。また、油滞留部4にも加圧空気が作用する結果、この油滞留部4内の油分が揮発し、またはミスト状態になって流動化することになる。
ここで、土壌層2及び帯水層3には炭化水素を分解する微生物が豊富に存在しており、この種の微生物は主に好気性のものであるので、空気注入パイプ11から供給される加圧空気により活性化することになる。また、土壌層2に微生物による油分の分解を促進する環境条件を保つためには、加圧空気と共に無機栄養塩類等からなる栄養源を供給し、また必要に応じて水分調整を行うことによって、さらに微生物の分解効率を高めることができる。そして、分解されて低分子化することによりガス化した汚染物は、加圧空気により流動化させられる。
土壌層2内において、加圧空気に搬送される揮発した油分からなる汚染ガスや油分のミストからなる油分含有気体は浄化処理ユニット20における気体流入部21内に取り込まれる。ここで、気体流入部21の内部は実質的に大気圧状態となっており、かつ地表部分は舗装面5で覆われて、概略密閉状態となっているので、所定の圧力を有する油分含有気体は処理部22を介して大気と連通している気体流入部21に向けて集中的に流れることになる。そして、この気体流入部21における金網24から玉砂利25を透過して、流入孔23aから本体筒23内に導かれて、処理容器26の底壁部26bの連通孔27から処理容器26内に流入することになる。処理容器26内には処理部材28が充填されているから、処理部材28を構成する黒ぼく土により水分ミストや油分ミストが吸着され、またオイルスポンジにより油分ミストが吸着され、さらに活性炭により油分を含むガスが吸着される。その結果、処理部材28を通過した気体は、汚染成分を含まない清浄な空気となって、大気に放出される。
しかも、オイルスポンジには炭化水素を分解する微生物とその栄養源とを多量に含んでいるので、前述のようにして吸着された油分は、この微生物の作用により分解されて、炭酸ガスや水等といった無害な気体となって、大気に放出される。従って、黒ぼく土やオイルスポンジ、さらには活性炭からなる処理部材28に対して再生機能を発揮することになり、処理部22を交換しなくても、長期間にわたって油分等の吸着機能が維持される。
ところで、土壌層2内で流動化した油分含有気体は確実に浄化処理ユニット20に導くようにする必要があり、浄化処理ユニット20を経ずに大気に放散させてはならない。このためには、浄化処理ユニット20を多数分散させて設置することになるが、必要以上の数の浄化処理ユニット20を設置すると、その分だけ設置コストが高くなり、設置作業も面倒になってしまう。そこで、最小限の数の浄化処理ユニット20を設置することにより、油分含有気体の大気への放散を防止するためには、図3に示したように、適宜の位置に隔壁30を設けて、加圧空気が供給される部位を限定し、これら隔壁30と舗装面5とによって浄化処理ユニット20を閉鎖領域で囲むか、加圧空気が流れる方向を制御する。この場合において、隔壁30は、土壌層2を貫通して、帯水層3内における空気注入パイプ11の下端部より深い位置まで延在させるようにする。これによって、帯水層3内に噴出させた加圧空気がこの閉鎖領域の範囲外に流出するのを確実に防止できる。
本発明の実施例の一形態を示す土壌環境浄化システムの構成を示す構成説明図である。 図1の土壌環境浄化システムに用いられる浄化処理ユニットの断面図である。 本発明の他の実施の形態を示す土壌環境浄化システムの構成説明図である。
符号の説明
1 被処理エリア
2 土壌層
3 帯水層
4 油滞留部
5 舗装面
10 ブロア
11 空気流入パイプ
13 空気噴出孔
20 浄化処理ユニット
21 気体流入部
22 処理部
23 本体筒
25 玉砂利
26 処理容器
27 連通孔
28 処理部材
30 隔壁

Claims (11)

  1. 被処理エリアの地層構造の内部に浸透した炭化水素を含む汚染物質を除去する土壌環境改善装置であって、
    加圧空気が供給される加圧空気供給源と、
    前記地層構造のうち、地表に位置する土壌層から、この土壌層に最も近い帯水層内またはそれより下部位置にまで一端が挿入され、他端は前記加圧空気供給源に接続されて、前記帯水層内に位置する部位に複数の空気噴出孔を設けた1乃至複数本の空気注入パイプと、
    前記加圧空気供給源から供給される加圧空気により、少なくとも油分を含む汚染物質の揮発成分を流動化させ、この汚染物質を含んだ気体から汚染物質と空気とを分離して、空気を大気に放出する浄化処理ユニットとを備え、
    前記浄化処理ユニットは、少なくとも前記汚染物質を吸着する処理部材が充填され、大気への開放部を有する処理部と、この処理部と連通し、前記土壌層に位置し、一端が前記帯水層の深さ位置乃至それより浅い位置まで挿入され、他端が汚染物質を含んだ気体を流入させる気体流入部とからなる
    構成としたことを特徴とする土壌環境改善装置。
  2. 前記空気注入パイプに加圧空気と共に土壌中及び地下水に存在する微生物を活性化させるために、無機栄養塩類を含む栄養源を供給することを特徴とする請求項1記載の土壌環境改善装置。
  3. 前記浄化処理ユニットは、主に石油系炭化水素からなる油の揮発成分と、ミスト状の油分を含む気体からなる油分含有気体を処理対象とするものであり、この油分含有気体から石油系炭化水素を除去して清浄化した空気を大気に放出するものであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の土壌環境改善装置。
  4. 前記浄化処理ユニットを構成する前記気体流入部は、筒状部材からなり、周囲に流入孔を穿設した本体筒を有する構成とし、また前記処理部は、前記本体筒に着脱可能に連結される処理容器内に処理部材を充填したものから構成され、前記処理容器の底壁部には前記気体流入部と連通する連通孔を設ける構成としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の土壌環境改善装置。
  5. 前記気体流入部における前記本体筒を囲繞するように通気部材を設ける構成としたことを特徴とする請求項4記載の土壌環境改善装置。
  6. 前記通気部材は、前記流入孔の孔径より大きい粒径の玉砂利または礫から構成したことを特徴とする請求項5記載の土壌環境改善装置。
  7. 前記処理容器内に充填される処理部材は、前記油分含有気体中に含まれるガス化した石油系炭化水素を吸着する吸着部材を含み、かつこの吸着部材に吸着された石油系炭化水素を分解する微生物及びその栄養源を含むものであることを特徴とする請求項3記載の土壌環境改善装置。
  8. 前記処理部材は、少なくとも石油系炭化水素のガスを吸着する活性炭と、石油系炭化水素のミストを吸着する油分吸着材に、これら活性炭及びミスト吸着材が吸着した石油系炭化水素を分解する微生物及びその栄養剤を混合した混合物と、石油系炭化水素及び水のミストを吸着する黒ぼく土とを含む構成したことを特徴とする請求項7記載の土壌環境改善装置。
  9. 前記被処理エリアの地層構造における表層部分は舗装面またはコンクリート面であり、前記処理部を構成する前記処理容器は、前記舗装面またはコンクリート面の上部にまで延在されて、大気に開口させる構成としたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の土壌環境改善装置。
  10. 前記被処理エリアに、前記浄化処理ユニットを囲繞するように隔壁を設置し、この隔壁は前記帯水層の前記空気注入パイプから加圧空気を噴出させる位置より深い位置まで延在させる構成としたことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の土壌環境改善装置。
  11. 被処理エリアの地層構造を構成する土中に浸透した炭化水素を含む汚染物質を除去するために、
    前記地層構造の土壌層を貫通して、帯水層内にまで挿入した空気注入パイプから、この帯水層内に加圧空気を供給し、
    この加圧空気により前記帯水層と前記土壌層との間に滞留する油、及び前記土壌層に含まれる揮発した油からなる汚染物質を、油分含有気体として流動化させ、
    このように流動化した油分含有気体を土壌層に設けた気体流入部に流入させ、この気体流入部からガス状及びミスト状の油分を吸着する処理部材を充填した処理部に移行させて、この処理部で油分を除去して、清浄化させた空気を大気に放出する
    ことを特徴とする土壌浄化方法。
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KR101147430B1 (ko) * 2012-01-05 2012-05-22 주식회사 에코프라임 토양 오염을 정화하기 위한 바이오파일 시스템 및 그 방법
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CN116274329A (zh) * 2023-03-17 2023-06-23 江苏环保产业技术研究院股份公司 一种能够自动清洗的污染土壤隔离结构装置

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