JP2008206331A - 電動機制御装置のパラメータ設定装置 - Google Patents

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剛彦 小宮
Kanji Watanabe
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Abstract

【課題】機械の諸元を入力し、電動機制御装置を利用する上で必須な電動機制御装置の容量選定を実施して、負荷慣性モーメントを算出しておき、これを用いて、電動機制御装置の性能に影響を与える負荷慣性モーメントもしくは負荷質量に関わるパラメータの補正設定を効率的に行うことができる電動機制御装置のパラメータ設定装置を提供する。
【解決手段】負荷慣性モーメント演算部(6)と、記憶部(7)と、負荷慣性モーメント読み取り部(8)と、補正値設定部(18)と、を備え、機械の諸元Sから得た負荷慣性モーメント値Aを制御器(2)の負荷慣性モーメント補正部(9)に設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体製造装置や工作機械などの位置決め装置あるいは産業用ロボットに用いられる電動機制御装置に関するもので、電動機制御装置の性能に影響を与える負荷慣性モーメントもしくは負荷質量に関わるパラメータの補正設定を効率的に行う電動機制御装置のパラメータ設定装置に関する。
従来の制御定数同定装置は、クローン摩擦、一定外乱等の影響が速度偏差に現れるため、イナーシャ同定値の誤差やばらつきが大きいという問題があるため、速度指令を発生する指令発生部1011と、速度指令Vrefと実際のモータ速度Vfb によりトルク指令を決定しモータ速度を制御する速度制御部1012と、モデルにより前記速度制御部をシミュレ−トする推定部1013と、所定の区間[a,b] における前記速度制御部の速度偏差Veの平均値aVe と前記推定部の速度偏差Ve’ の平均値aVe’との比の平方根によりイナーシャJ を同定する同定部1014と、前記速度制御部及び前記推定部においてPI制御やI−P 制御などの積分制御を行ない、前記速度指令Vrefの微分値が零でない値で一定であるように前記区間[a,b] および速度指令Vrefを設定する手段と、を備えているものがある。(例えば、特許文献1参照)
また、従来のモータ駆動パラメータ設定装置は、従来(特許文献1)と同様にしてイナーシャを同定した後、イナーシャ以外のモータ駆動パラメータ値の設定を細かく行えるようにし、駆動対象に適した駆動パラメータの設定作業を行えるように、イナーシャ以外のモータ駆動パラメータ値の設定を細かく行えるようにし、駆動対象に適した駆動パラメータの設定作業を行えるようにするために、パソコン本体1510に、操作入力装置1503の操作入力を解読する操作部1501と、パラメータ調整演算をする2つのパラメータ演算部1513、1514と、モータアンプ1520とデータのやり取りをする通信部1518と、操作部1511あるいはパラメータ演算部1513、1514とパラメータ値のやり取りと、モータアンプ1520とパラメータ値のやり取りをするパラメータ操作部1516と、モータアンプ1520のパラメータ情報を持つパラメータデータベース1515と、モータアンプ1520からモータ6の駆動データを参照する駆動データ読取部1517と、パラメータ設定作業や駆動状況など必要な情報を表示する表示部1512を設けているものもある。(例えば、特許文献2参照)
また、従来のモータ制御装置では、簡単な演算のみでリアルタイムによるイナーシャ同定およびそれに伴う制御ゲイン調整を行なう機能を有するモータ制御装置を提供するために、入力された速度指令と実際のモータ速度が一致するようにトルク指令を決定しモータ速度を制御する速度制御部2012と、モータ速度にモデルの速度が一致するように前記速度制御部をシミュレートする推定部2013と、前記速度制御部の速度偏差に所定のフィルタを通した値の絶対値を所定区間で時間積分した値と前記推定部の速度偏差の絶対値を同じ区間で時間積分した値との比からイナーシャの同定を前記速度制御部内のモータ速度と前記推定部内のモデルの速度がゼロでない値で一致する場合にのみ行う同定部2014と、前記同定部内で同定されたイナーシャと前記推定部内のイナーシャの比に所定のフィルタを通した値に基づいて制御ゲインの調整を行う調整部2015とを備えるものもある(例えば、特許文献3参照)。
また、従来のサーボモータ選定装置、サーボモータ選定方法、プログラムおよび記録媒体では、モータ回転速度と出力トルクの相関が考慮されておらず、実機への適用後に出力不足が判明することや、ブレーキ付きサーボモータの選定においては、モータ選定後にブレーキのオプションを選択し適合性を判断するため、ブレーキの慣性モーメントを考慮して再計算が必要という問題があったために、モータ動作条件とモータ仕様テーブルとの適合性判定の時に、回転速度−トルク特性を考慮する。また、ブレーキのオプション分の慣性モーメントは機械諸元入力時に与えることで、選定後の再計算を不要としたものもある(例えば、特許文献4参照)。
特開平9−182479号公報(図1、図2、図3) 特開2002−359989号公報(図1) 特許第3185857号公報(図1、図2、図3) 特開2006−42589号公報(図2、図3、図4) 従来の第1例である特許文献1の制御定数同定装置について説明する。
図10は従来の第1例である特許文献1を適用するモータ制御システムのブロック図である。図中1011は指令発生部であり、速度指令Vrefを速度制御部1012と推定部1013に出力する。また、1014は同定部であり、速度制御部1012の速度偏差Veと推定部1013の速度偏差Ve’ を入力しイナーシャJを求める。
次に、各部について述べる。指令発生部1011は、図11に示すように速度零から一定加速度で加速する2次曲線の速度指令Vrefを発生する。速度制御部1012と推定部1013と同定部1014の構成を図9に示す。速度制御部1012は速度指令Vrefに速度Vfb が一致するように速度ループを組んでおり、ここではPI (比例積分) 制御とし、トルク指令Trefをモータを駆動する電流制御器に出力し、速度偏差Veを同定部1014に出力する。なお、モータには負荷JL取り付けられており、モータからは速度Vfb が出力されているとする。推定部1013は速度制御部1012と同じPI制御で構成して、制御対象を1/J’S でモデル化し、トルク指令Tref’ を制御対象1/J’S に出力し、速度偏差Ve’ を同定部1014に出力する。同定部1014では速度制御部1012から出力された速度偏差Veと推定部1013から出力された速度偏差Ve’ を受け取り、それぞれの時刻aから時刻bまでの平均値aVe,aVe’を求め、aVe,aVe’の比の平方根らイナーシャJ を、J=(aVe/aVe’)0.5 *J’…(1001) により求める。
この方法では、一定外乱、クーロン摩擦がある場合でも、それらの影響を積分制御で補償するため、イナーシャ同定値の誤差とばらつきを小さくできる。
このように、一定外乱、クーロン摩擦がある場合でも、イナーシャ同定値の誤差とばらつきが小さく、しかも非常に簡単で少量の演算でイナーシャが求められる制御定数同定装置となるのである。
従来の第2例である特許文献2のモータ駆動パラメータ設定装置について説明する。
図13は従来の第2例である特許文献2のモータの駆動パラメータ設定装置の構成を示す図である。図において、1510はパソコン本体、1503はキーボード、マウスなどの操作入力装置、1504はモニタ、1520はモータを駆動するモータアンプ、1506はモータ、1505はパソコン本体1510とモータアンプ1520を接続する通信ケーブル、1513はパラメータ演算部である。
まず、従来(特許文献1)と同様にしてイナーシャを同定した後、次に駆動パラメータ設定を行う。
駆動パラメータ設定は、操作入力装置1503で駆動パラメータの設定を操作すると、操作部1511を経てパラメータ演算部1514へ伝え、駆動パラメータの演算を行い、導出したパラメータと動作プログラムをパラメータ操作部1516と、通信部1518を介してモータアンプ1520に伝える。これを通信部1521が受け取り、パラメータ/動作プログラム格納部1524へ格納する。
次に操作入力装置153でモータ駆動を操作すると、操作部1511、パラメータ操作部1516、通信部1518を経てモータアンプ1520へ伝え、通信部1521が受け取り、操作制御部1522を経て動作制御部1523に伝わり、動作プログラムを格納部1524から受け取ると、モータ1506を駆動させ、その駆動データが通信部1521を介してパソコン本体1510へ伝わる。駆動データ読取部1517が通信部1518を介してこの情報を受け取り、表示部1512へ伝え、演算結果のパラメータ値、モータの駆動結果などをモニタ1504へ表示する。操作者はモニタ1504上の駆動結果から駆動パラメータの設定値について検討し、良好であれば駆動パラメータの設定作業は終了する。再設定する場合は、駆動パラメータの設定値を変更して同様の作業を行い、駆動パラメータの設定値について検討を行う。
このように、従来のモータ駆動パラメータ設定装置は、従来(特許文献1)と同様にしてイナーシャを同定した後、イナーシャ以外のモータ駆動パラメータ値の設定を細かく行えるようにし、駆動対象に適した駆動パラメータの設定作業を行うのである。
従来の第3例である特許文献3のモータ制御装置について説明する。
図14は従来の第3の例である特許文献3のモータ制御システムのブロック図である。
図中、2011は指令発生部であり、速度指令Vrefを速度制御部2012に出力する。速度制御部2012は速度制御部内のモータ速度Vfbを推定部2013に出力し、また、速度偏差Ve及び速度Vfbを同定部2014に出力する。推定部2013は、モータ速度Vfbにモデルの速度Vfb’が一致するように速度制御部2012をシミュレートし、速度偏差Ve’及び速度Vfb’を同定部2014に出力する。また、同定部2014は速度制御部2012からの速度偏差Veと速度Vfb及び推定部2013からの速度偏差Ve’と速度Vfb’を入力しイナーシャJを求める。
図15は従来の第3例である特許文献3のモータ制御システムにおける速度制御部、推定部及び同定部の各構成を示すブロック図である。
速度制御部2012は、指令発生部2011からの速度指令Vrefを受け、速度指令Vrefにモータの速度Vfbが一致するように速度ループを組んでおり、ここではPI(比例積分)制御器2121とし、トルク指令Trefをモータ2123を駆動する電流制御器2122に出力し、速度Vfbを推定部2013に出力し、また、速度指令とモータ速度の速度偏差Ve及びモータ速度Vfbを同定部2014に出力する。
推定部2013は速度制御部2012内のモータ速度Vfbを速度指令として、速度制御部2012と同じく、PI制御器2131と、電流制御器モデル2132と、制御対象を1/J’Sでモデル化した制御対象モデル2133とで構成し、速度偏差Ve’及び速度Vfb’を同定部2014に出力する。同定部2014では速度制御部2012から出力された速度偏差Veと速度Vfb及び推定部2013から出力された速度偏差Ve’と速度Vfb’を受け取り、それぞれの速度偏差の絶対値を取り、積分器2141により所定の区間[a,b]で時間積分を行い、求められた時間積分値|SVe|と|SVe’|及び推定部のイナーシャJ’(既知の一定値)から速度制御部のイナーシャJを、
J=(|SVe|/|SVe’|)*J’ (2001)
により演算器2142で求める。但し、(2001)式の演算を行うのは速度制御部内の速度Vfbと推定部内の速度Vfb’がゼロでない値で一致する場合のみである。
図16は従来の第3例である特許文献3のモータ制御システムの同定部の詳細を説明する図である。
速度制御部内の速度偏差Veと推定部内の速度偏差Ve’の絶対値を積分する積分器をここではそれぞれ2個持っているものとする。2個の積分器は、それぞれの積分区間がMODE0とMODE1に見られるように半周期ずれて交互に切替えられる。また、積分器からの積分値の読出期間は誤差の影響が少なくなる積分区間の後半の期間1、2、3・・とし、これら期間のある時点で読み出される。
時刻t0からt1(期間1)においては図中上段のMODE0を用いて(2001)式の演算を積分と並行して行い、時刻t1で図中下段のMODE1に移ると同時にMODE0で用いた積分器の値|SVe|と|SVe’|をゼロクリアして再び積分を開始する。時刻t1からt2(期間2)においてはMODE1で(2001)式の演算を積分と並行して行い、時刻t2で再びMODE0に移ると同時にMODE1で用いた積分器の値|SVe|と|SVe’|をゼロクリアして再び積分を開始する。
これらの一連の作業を繰り返しながら期間をシフト(期間1→期間2→期間3→期間4→期間5→・・)することにより、速度偏差の絶対値の時間積分値がオーバーフローすることもなく、負荷変動により影響を受けた速度偏差に反応よくイナーシャの同定を行うことができる。
このように、従来のモータ制御装置は、実速度をモデルの速度指令とし、簡単な演算のみでリアルタイムによるイナーシャ同定およびそれに伴う制御ゲイン調整を行なうのである。
従来の第4例である特許文献4のサーボモータ選定装置、サーボモータ選定方法、プログラムおよび記録媒体について説明する。
図17は従来の第4例である特許文献4のサーボモータ選定装置である電子計算機の内部構成図を示す構成図である。演算装置3201、記憶装置3203からなり、記憶装置3203内には、サーボモータ選定プログラム本体(図示しない)、サーボモータ仕様テーブル3204およびオペレーティングシステム(図示しない)が記憶されている。
図18は、従来の第4例である特許文献4のサーボモータ選定方法の手順を示す流れ図である。オペレーティングシステム上でプログラムが実行されると、サーボシステム選択手段において、サーボシステムが選択される。本例においては、入力装置3103を用いてサーボモータ駆動されるサーボシステム、例えばボールねじ機構が選択される(手順3301:サーボシステム選択手順)。次に、機械諸元入力手段において、選択されたサーボシステムに関する機械諸元が入力される(手順3302:機械諸元入力手順)。次に、負荷の運動パターン入力手段において、負荷の運動パターンが入力され(手順3303:負荷の運動パターン入力手順)、演算手段において、手順3301から手順3303の入力内容に基づいて、サーボモータの要求仕様が求められる。次に、サーボモータ検索実行指令が入力されると、検索手段において、サーボモータの検索が実行される(手順3304:検索手順)。このとき、演算装置3201により条件に適合したサーボモータをサーボモータ仕様テーブル3204から検索された場合(手順3305)、適合サーボモータが表示装置3101に一覧表示され、適用するサーボモータが選択される(手順3306)。なお、適合サーボモータが検索されない(手順3305)、あるいは速度超過の場合(手順3307)は、プログラムのユーザが運転パターン入力速度を遅くしたり、あるいは速度超過以外の時は機械諸元入力で負荷を軽くしたりして、再び検索し適合するサーボモータが検索されるまで前記作業を繰り返す。
図19は従来の第4例である特許文献4におけるサーボシステムの構成図である。
例えば、図のような、サーボモータ3401、減速器3402、カップリング3403、負荷3404、荷台3405、レール3406、ボールねじ3407からなるボールねじ機構について、サーボモータの選定方法は、ボールねじ機構の機械諸元として、負荷質量m、荷台質量m、負荷質量依存の摩擦係数μ、減速比R、減速機とカップリングの慣性モーメントJ、ボールねじピッチP、ボールねじ直径d、ボールねじ長さl、ボールねじ密度ρ、総合効率η、重力加速度g、負荷への外力Fおよび係数Kvn= (P / R)を定義する。
これらより、サーボモータ軸換算の負荷トルク(摩擦分トルクTFR)、サーボモータ軸換算の定常トルクT、これらの和であるサーボモータ軸換算の定常+摩擦分トルクTCFR 、およびサーボモータ軸換算の負荷慣性モーメントJやサーボモータの必要最大回転速度nMAX、区間必要トルクTAi、必要最大トルクTMAX、および実行トルクTRMSが数値的に求められるので、サーボモータに要求される仕様と、記憶装置3203に記憶されたサーボモータ仕様テーブルから適合モータを検索し、サーボモータを選定できる。
以上のように、従来のサーボモータ選定装置、サーボモータ選定方法、プログラムおよび記録媒体は、モータ検索手順として回転速度−トルク特性を考慮しているため、十分な出力トルクが得られない回転速度の領域においても、モータの適用可否を正しく判定するのである。
特許文献1の従来の制御定数同定装置と、特許文献2の従来のモータ駆動パラメータ設定装置と、特許文献3の従来のモータ制御装置と、は、実際の機械とモータ制御装置とを組み合わせて、稼働時のモータ制御装置の応答を元にイナーシャ(負荷慣性モーメント)を推定する手法となっていて、稼働時のモータ制御装置の応答が振動的なると、精度良くイナーシャ(負荷慣性モーメント)を推定できないという問題があった。また、運転パターンもしくは稼働時のモータ制御装置の応答の大きさ、つまり、稼働状況によっては、精度良くイナーシャ(負荷慣性モーメント)を推定できないという問題もあった。稼働時のモータ制御装置の応答よりイナーシャ(負荷慣性モーメント)が精度よく推定できないと、発振し、モータ制御装置がモータを制御できなくなる問題もあった。
特許文献1の従来の制御定数同定装置では、モータに与える指令を既知として、モータを動作させ、稼働時の応答からイナーシャ(負荷慣性モーメント)を推定しているものの、稼働時のモータ制御装置の応答が振動的になる場合の対策が成されていない。また、指令の大きさを規定しておらず、稼働状況によっては、イナーシャ(負荷慣性モーメント)を推定できない。
特許文献2の従来のモータ駆動パラメータ設定装置では、特許文献1の手法の後、稼働状況を変えられるようにしているが、稼働時のモータ制御装置の応答が振動的になる場合の対策が成されていない。
特許文献3の従来のモータ制御装置では、モータに与える指令は未知であり、リアルタイムにイナーシャ(負荷慣性モーメント)を推定しているものの、稼働時のモータ制御装置の応答が振動的になる場合の対策が成されていない。また、指令を規定していないので、稼働状況によっては、モータ制御装置の応答が小さく、イナーシャ(負荷慣性モーメント)を推定できない。
さらに、特許文献4の従来のサーボモータ選定装置、サーボモータ選定方法、プログラムおよび記録媒体は、使用する負荷にあったサーボモータを選定するために、機械諸元から負荷慣性モーメントを求めているが、実際のサーボモータの駆動に必要なパラメータの設定ができないので、実用上は特許文献1、特許文献2、特許文献3に類する方法が必要であった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、機械の諸元を入力し、電動機制御装置を利用する上で必須な電動機制御装置の容量選定を実施して、負荷慣性モーメントを算出しておき、これを用いて、電動機制御装置の性能に影響を与える負荷慣性モーメントもしくは負荷質量に関わるパラメータの補正設定を効率的に行うことができる電動機制御装置のパラメータ設定装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、機械を駆動する電動機と、前記電動機または前記機械からなる被検出体の動作量を検出する検出部と、指令信号を発生する指令器と、前記指令信号に基づいて前記電動機を駆動する制御器と、を備え、前記指令信号と前記動作量が一致するようにフィードバックループを構成した電動機制御装置のパラメータ設定装置において、前記制御器は、前記負荷慣性モーメント値による動作性能への影響を補正する負荷慣性モーメント補正部を備え、前記電動機によって駆動される前記機械の諸元を入力して得られる負荷慣性モーメント値を算出する負荷慣性モーメント演算部と、算出した前記負荷慣性モーメント値を記憶する記憶部と、前記制御器に接続して前記記憶部から前記荷慣性モーメント値を読み取る負荷慣性モーメント読み取り部と、前記負荷慣性モーメント値を前記負荷慣性モーメント補正部に設定する補正値設定部と、を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の電動機制御装置のパラメータ設定装置において、負荷慣性モーメント値は前記記憶部に予め決められた階層位置に、予め決められた名称で記憶され、前記負荷慣性モーメント読み取り部は、前記記憶部の予め決められた階層位置から、予め決められた名称の前記負荷慣性モーメント値を読み取り、前記補正値設定部が、前記負荷慣性モーメント値を前記負荷慣性モーメント補正部に設定することを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1記載の電動機制御装置のパラメータ設定装置において、前記記憶部に記憶された前記負荷慣性モーメント値もしくは該名称、もしくは、前記負荷慣性モーメント演算部に入力し前記記憶部に記憶された前記機械の諸元を表示する表示部と、前記記憶部に記憶された前記負荷慣性モーメント値もしくは該名称もしくは、前記機械の諸元を選択する入力部をさらに備えたことを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1記載の電動機制御装置のパラメータ設定装置において、前記電動機はリニアモータであって、前記負荷慣性モーメント値は負荷質量であり、前記負荷慣性モーメント演算部は、前記電動機によって駆動される前記機械の諸元と、を入力して得られる前記負荷質量値を算出し、前記記憶部は、前記負荷質量値を記憶し、前記負荷慣性モーメント読み取り部は、前記負荷質量値を読み取り、前記制御器の前記負荷慣性モーメント補正部に、前記補正値設定部が、前記負荷慣性モーメント補正部に設定することで、前記負荷質量値による影響を補正することを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1、5いずれかに記載の電動機制御装置のパラメータ設定装置において、前記負荷慣性モーメント演算部は、、前記電動機によって駆動される前記機械の諸元と、前記電動機を駆動するために前記指令器が出力する運動パターンとを条件とし、条件に必要な前記電動機および前記制御器の要求仕様を求める演算部と、前記電動機および前記制御器の特性データベースと、前記演算部によって得た要求仕様に基づき、前記電動機および前記制御器を選定する検索部と、を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項5記載の電動機制御装置のパラメータ設定装置において、前記負荷慣性モーメント演算部は、機械図面と機械材料の特性により前記機械の諸元を入力することを特徴とするものである。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1、5いずれかに記載の電動機制御装置のパラメータ設定装置において、記電動機制御装置選定部の機能を含んだコンピュータ読み取り可能な容量選定プログラムと、前記制御器と接続しパラメータの読み書きを行い、前記補正値設定部の機能を含んだコンピュータ読み取り可能な制御器支援プログラムと、を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7記載の電動機制御装置のパラメータ設定装置において、前記容量選定プログラムは、機能コンポーネントから構成されており、前記制御器支援プログラムは、前記容量選定プログラムの機能コンポーネントを実行できることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によると、機械の諸元を入力することができ、これを負荷慣性モーメント補正手段に設定することができ、電動機制御装置の性能に影響を与える負荷慣性モーメントもしくは負荷質量に関わるパラメータの補正設定を効率的に行うことができる。
また、請求項2に記載の発明によると、機械の諸元から得られた負荷慣性モーメント値を自動的に記憶し、読み取り、制御器に設定することができ、パラメータの補正設定を効率的に行うことができる。
また、請求項3に記載の発明によると、表示手段や入力手段が備えられており、入力項目や演算結果を確認することができる。さらに、機械の諸元から得られた負荷慣性モーメント値が複数あっても、確認や選択することができ、正しくパラメータの補正設定を行うことができる。
また、請求項4に記載の発明によると、電動機がリニアモータであっても、機械の諸元を入力することができ、これを負荷慣性モーメント補正手段に設定することができ、電動機制御装置の性能に影響を与える負荷慣性モーメントもしくは負荷質量に関わるパラメータの補正設定を効率的に行うことができる。
また、請求項5に記載の発明によると、機械の諸元と共に運動パターンを利用して、特性データベースの中から、電動機制御装置を利用する上で必須な、負荷に合わせた制御器や電動機の選定をすることができる。
また、請求項6に記載の発明によると、機械の諸元の入力を機械図面と機械材料の特性によってでき、予め機械図面が準備されていれば、入力を効率化することができる。
また、請求項7に記載の発明によると、容量選定プログラムにより負荷に合わせた制御器や電動機を選定することができ、制御器支援プログラムにより、電動機制御装置の性能に影響を与える負荷慣性モーメントもしくは負荷質量に関わるパラメータの補正設定を効率的に行うことができる。
また、請求項8に記載の発明によると、制御器支援プログラムから容量選定プログラムを実行することができ、コンピュータ読み取り可能なプログラムを切り替えることなく、機械の諸元の入力から電動機制御装置の性能に影響を与える負荷慣性モーメントもしくは負荷質量に関わるパラメータの補正設定を効率的に行うことができる。さらに、機械の諸元の仕様変更時にも、機械諸元の再入力を迅速に対応できる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施例を示す電動機制御装置のパラメータ設定装置の構成図である。図において、1は電動機、2は制御器、3は検出部、4は指令器、5は機械、6は負荷慣性モーメント演算部、7は記憶部、8は負荷慣性モーメント読み取り部、9は負荷慣性モーメント補正部、18は補正値設定部、20は電動機制御装置となっている。また、Sは機械の諸元、Aは負荷慣性モーメント値となっている。
指令器4が出力した指令信号を制御器2が受け取り、電動機1を動作させる。指令信号通りに電動機1を動作させるために、電動機1の動作量を検出部2が検出し、指令信号と一致するように制御器2が電動機1の動作を制御するような電動機制御装置20を構成している。
本発明が従来技術と異なる部分は、記憶部7と負荷慣性モーメント読み取り部8と補正値設定部18を備えた部分である。機械の諸元Sから負荷慣性モーメント演算部6にて算出した負荷慣性モーメント値Aを制御機2の負荷慣性モーメント補正部9を設定できる構成になっている。
負荷慣性モーメント補正部9はイナーシャ(負荷慣性モーメント)に関わる制御定数であり、従来技術である特許文献1、2,3と同等である。
負荷慣性モーメント演算手段6は電動機制御装置の容量選定を実施する際に必要であり、従来技術である特許文献4と同等である。
その動作は、まず、機械の諸元Sから負荷慣性モーメント演算部6にて負荷慣性モーメント値Aを算出し、その後、制御機2の負荷慣性モーメント補正部9に負荷慣性モーメント値Aを設定する。
まず、負荷慣性モーメント演算部6にて負荷慣性モーメント値Aを算出する動作を説明する。
図2は本発明の第1実施例を示す電動機制御装置の機械の諸元を示す図である。図の電動機1以外が負荷となる機械5であり、この構成、減速比、各部品の質量や寸法や、もしくは材料特性といった機械の諸元Sから負荷慣性モーメント演算手段6にて負荷慣性モーメント値Aを算出する。
機械の諸元Sを以下のように定義して負荷慣性モーメント値A= JL を求める。
ボールねじナット105およびテーブル106の直線運動部の質量mt、ボールねじ質量mb、カップリング質量mc、ボールねじ長さLb、ボールねじ直径Db、カップリング直径Dc、ボールねじ材料密度ρ、ボールねじ1回転あたりのピッチT、減速比N=1、という機械の諸元から、カップリング101の慣性モーメントJc=mc×Bd/8、ボールねじ104の慣性モーメントJb=mb×Bd/8/N=(π/32)×ρ×BL×Bd/N、直線運動部の慣性モーメントJt=mt×(T/2π/N)、電動機1の回転子の慣性モーメントJm、電動機1の軸換算による機械の総慣性モーメントJL=Jt+Jb+Jc が求まる。なお、負荷慣性モーメント演算部6の動作は、従来技術である特許文献4と同様である。
次に、求めた負荷慣性モーメント値Aを記憶部7に記憶する。このとき、予め決められた規則で、記憶部7の予め決められた階層位置(フォルダ)に、予め決められた名称で、図1に示すように、例えば、“/YESVSIZE/YESVSEL.dat”として記憶する。
次に、負荷慣性モーメント値Aを負荷慣性モーメント補正部9に設定する。制御器2に接続された負荷慣性モーメント読み取り部8および補正値設定部18によって、負荷慣性モーメント値Aをパラメータを設定する。
なお、記憶部7は、市販の汎用メモリである (登録商標)、USBメモリ、SDカード、メモリースティックのような類の移動可能な記憶媒体を利用して、記憶媒体を物理的に移動させ負荷慣性モーメント読み取り部8に負荷慣性モーメント値Aを読み込ませて良い。
記憶部7には、予め決められた階層位置(フォルダ)に、予め決められた名称で、図1に示すように、例えば、“/YESVSIZE/YESVSEL.dat”として記憶されているので、負荷慣性モーメント読み取り部8から自動的に記憶媒体から/YESVSIZE/YESVSEL.datを読み込み、A=JLである負荷慣性モーメント値を補正値設定部18が自動的に、負荷慣性モーメント補正部9のパラメータに(Jm+JL)/Jmとして設定する。
図3は本発明の第1実施例を示す負荷慣性モーメント補正部の効果を示す簡略化したブロック図である。図3(a)は、電動機単体、図3(b)は、負荷慣性モーメント補正手段9の補正なしの電動機と機械、図3(c)は負荷慣性モーメント補正部9の補正ありの電動機と機械を示す。Rは指令信号、Kはループゲイン、rは応答(検出部2の検出値)である。
電動機1のみを動作させる場合には、制御器2は駆動トルクFaで電動機1のみを駆動できるが、この制御器2の設定のまま機械5を取り付けた場合には、制御器2が出力する駆動トルクFaでは、電動機1と機械5を図3(a)と同様には駆動できない。図3(a)と図3(b)の場合の電動機1の応答raとrbは異なる結果となる。このため、負荷慣性モーメント値Aを、図3(c)のように、負荷慣性モーメント補正部9に(Jm+JL)/Jmとして、パラメータを設定すれば、制御器2は駆動トルクFbを出力するので、機械5が理想的な剛体負荷であれば、電動機1の応答はraとなり、図3(a)と同様に、電動機1と機械5を駆動できる。なお、Jmは電動機1の回転子の慣性モーメントであるが、通常、制御器2は電動機1の特性を把握しており、その特性のひとつとして既知として扱える。
以上のようにして、制御器2の動作性能に影響する負荷慣性モーメント補正部9を簡単に設定できるのである。
図4は本発明の第2実施例を示す電動機制御装置のパラメータ設定装置の構成図である。図において、10は表示部、11は入力部であり、第1実施例の構成に表示部10と入力部11を追加している。
本発明の第2実施例が第1実施例と異なる部分は、表示部10と入力部11を備えた部分である。また、機械の設計案が複数あり、機械の諸元が複数Sa,Sb,Scある場合である。
第1実施例と同様にして機械の諸元から負荷慣性モーメント値を求める。機械の設計案は複数の場合があるので、複数の機械の諸元Sa,Sb,Scに基づく、複数の負荷慣性モーメント値Aa、Ab、Acが求められ記憶部7に記憶されている。電動機制御装置20は1つなので、実際の機械5に合った負荷慣性モーメント値A(例えば、Ac)を選択する必要がある。
表示部10にて、記憶部7に記憶した負荷慣性モーメント値Aa、Ab、Acを、その記憶した名称や入力した機械の諸元Sa,Sb,Scや記憶した日時等を表示させ、実際の機械5に合った負荷慣性モーメント値Aを確認することができる。
入力部11にて、実際の機械5に合った負荷慣性モーメント値Aを選択操作すれば、第1実施例と同様に負荷慣性モーメント値Aを負荷慣性モーメント補正部9に設定できる。
なお、第1実施例と異なり、表示部10と入力部11があるので、記憶部7の異なる階層位置に記憶した負荷慣性モーメント値Aを選択することもできる。
図5は本発明の第3実施例を示す電動機制御装置のパラメータ設定装置の構成図である。本構成が第1実施例と第2実施例と異なるのは、複数の電動機制御装置20a、20b、20cを備えた部分である。電動機制御装置20a、20b、20cは1つの指令器4から、独立した指令信号を制御器2a、2b、2cが受けて動作する。電動機制御装置20aは第1実施例と第2実施例と同様の構成であり、電動機制御装置20bは2つの検出部3bと3cを備えたフルクローズド制御を行う構成となっている。電動機制御装置20cの電動機1cはリニアモータであり、リニアモータが並進駆動することで、機械5cが並進動作する構成となっている。
第2実施例と同様に、3種の機械の諸元Sa、Sb,Scがあるが、それぞれが3種の電動機制御装置20a、20b、20cに対応している。
なお、電動機1cはリニアモータであるので、負荷慣性モーメント値Aは他の回転系の電動機制御装置20a、20bと単位系が異なり、並進系の負荷質量となっている。
本実施例においても、第1実施例と第2実施例と同様に負荷慣性モーメント値Aa,Ab、もしくは負荷質量Acを負荷慣性モーメント補正部6に設定する。第2実施例と同様に、表示部10と入力部11を用いて、対応する負荷慣性モーメント補正部6a、6b、6cに負荷慣性モーメント値、もしくは負荷質量であるAa、Ab、Acを設定できる。
図6は本発明の第4実施例を示す電動機制御装置のパラメータ設定装置の構成図である。12は演算部、13は特性データベース、14は検索部、15は電動機制御装置選定部であり、第1実施例、第2実施例、第3実施例に示した負荷慣性モーメント演算部6は上記演算部12、特性データベース13、検索部14および表示手段10、入力部11を備えて電動機制御装置選定部15を構成している。
第1実施例、第2実施例、第3実施例と異なる部分は、演算部12、特性データベース13、検索部14、電動機制御装置選定部15を備えた部分である。また、機械図面と機械材料の特性を機械の諸元として入力できる点と、電動機制御装置を選定するために、電動機1の運転パターンを入力する点である。
本実施例では3次元CADの機械のモデルを機械の諸元として入力する。図6では、電動機1に駆動されるカップリング101とギア102(1対)とボールねじ104とボールねじナット105とテーブル106のモデルが機械5に相当する。CADツールには機械材料の特性やギア比やボールねじのリードピッチを定義できるものもあり、これをそのまま入力しても良い。
機械の諸元が入力されているので、第1実施例、第2実施例、第3実施例と同様に負荷慣性モーメント値を算出できる。
さらに、電動機1の運転パターンが入力されているので、負荷慣性モーメント値も考慮して、演算部12において電動機制御装置20の要求仕様が求められる。電動機1や制御器2の容量や特性の異なる多種類の特性データベース13が備えられているので、検索手段14が、要求仕様に合った電動機1や制御器2を選定できる電動機制御装置選定部15を構成している。なお、電動機制御装置20の選定は従来技術である特許文献4と同様に実施できる。
また、第1実施例、第2実施例、第3実施例と同様に負荷慣性モーメント値Aを負荷慣性モーメント補正部9に設定できる。
なお、記憶部7には、検索部14の結果、つまり電動機制御装置の選定結果を記憶しても良いし、入力した機械の諸元Sや運転パターンPを記憶しても良い。
図7は本発明の第5実施例を示す電動機制御装置のパラメータ設定装置の構成図である。100はコンピュータ、22は容量選定プログラムである。
本実施例が第1実施例、第2実施例、第3実施例、第4実施例と異なるのは、コンピュータ100と容量選定プログラム22を備えた部分である。ただし、コンピュータ100には表示部10や入力部11や、図示しない記憶部7を備えている。また、コンピュータ100には図示しない演算部や、記憶媒体からのデータ読み取り部や、他の機器との通信手段や通信に伴う他の機器の操作部も備えており、さらに、容量選定プログラム22はコンピュータ10が読み取り可能なプログラムであるため、第1実施例、第2実施例、第3実施例に示した動作を実現でき、第4実施例に示した電動機制御装置選定部15を備えた構成と同等の機能を持つ。
つまり、第1実施例、第2実施例、第3実施例、第4実施例に示した負荷慣性モーメント演算部6、演算部12、特性データベース13、検索部14、電動機制御装置選定部15を備えた構成と同等の機能を持つ。
よって、機械の諸元Sに基づく負荷慣性モーメント値Aを第1実施例、第2実施例、第3実施例、第4実施例と同様に負荷慣性モーメント補正部9に設定できる。
図7の例では、コンピュータ100の中で動作する容量選定プログラム22を用いて負荷慣性モーメント値Aを算出し、記憶部7に記憶し、コンピュータ100とは別に備えた負荷慣性モーメント読み取り部8と補正値設定部18を用いて、第1実施例と同様に、移動可能な記憶媒体である記憶部7を介して負荷慣性モーメント補正部9に設定できるのである。
図8は本発明の第6実施例を示す電動機制御装置のパラメータ設定装置の構成図である。23は制御器支援プログラムである。
本実施例が第1実施例、第2実施例、第3実施例、第4実施例、第5実施例と異なるのは制御器支援プログラムを備えた部分であるが、制御器支援プログラム23はコンピュータ100が読み取り可能なプログラムであるため、コンピュータ100のハードウエア機器の機能と合わせて図示しない記憶部7と負荷慣性モーメント読み取り部8と補正値設定部18との機能を有している。このため、第1実施例、第2実施例、第3実施例、第4実施例、第5実施例と同様に、コンピュータ100にて容量選定プログラム22を用いて、機械の諸元Sに基づく負荷慣性モーメント値Aを算出して、記憶部7に記憶し、同じコンピュータ100にて制御器支援プログラム23を用いて、制御器2の負荷慣性モーメント補正部9を設定することができる。
なお、本実施例では、容量選定プログラム22と制御器支援プログラム23を同じコンピュータ100で動作させたが、記憶部7を移動可能な記憶媒体として負荷慣性モーメント値を異なるコンピュータに移動させても良いし、2台のコンピュータを繋いで、通信で負荷慣性モーメント値を異なるコンピュータに移動させても良い。つまり、容量選定プログラム22を動作させるコンピュータと、制御器支援プログラム23を動作させ負荷慣性モーメント補正部9を設定するコンピュータが別でも良い。
図9は本発明の第7実施例を示す電動機制御装置のパラメータ設定装置の構成図である。
本実施例が第6実施例と異なるのは、容量選定プログラム22が制御器支援プログラム23の中から実行できる点である。
容量選定プログラム22は機能コンポーネントから構成されており、容量選定プログラム22の機能が個別のDLL(ダイナミックリンクライブラリ)の類の構成をしており、制御器支援プログラム23から容量選定プログラム22の機能を呼び出して実行可能な構成になっている。同じコンピュータ100に容量選定プログラム22と制御器支援プログラム23をインストールしておけば、制御器支援プログラム23から容量選定プログラム22の機能を使うことができる。
これにより、第6実施例と同様に、機械の諸元Sに基づく負荷慣性モーメント値Aを算出し、制御器2の負荷慣性モーメント補正部9を設定することができる。
また、入力した機械の諸元Sが実際の機械と異なる場合には、制御器支援プログラム23から容量選定プログラム22の機能を用いて、機械の諸元Sを再入力し、正しい負荷慣性モーメント値Aを算出することもできる。
なお、本実施例では、容量選定プログラム22と制御器支援プログラム23を同じコンピュータ100にインストールしているが、第6実施例と同様に、負荷慣性モーメント値Aを別のコンピュータに移動できるので、負荷慣性モーメント値Aまでは容量選定プログラム22のみをインストールしたコンピュータを用い、負荷慣性モーメント補正部9を設定する場合に容量選定プログラム22と制御器支援プログラム23をインストールしたコンピュータを用いても良い。
以上のようにして、機械の諸元を入力し、電動機制御装置を利用する上で必須な電動機制御装置の容量選定を実施して、負荷慣性モーメントを算出しておき、これを用いて、電動機制御装置の性能に影響を与える負荷慣性モーメントもしくは負荷質量に関わるパラメータの補正設定を効率的に行うことができる電動機制御装置のパラメータ設定装置が実現できる。
機械の諸元を入力し、算出した負荷慣性モーメントを電動機制御装置のパラメータ設定に利用するので、入力した機械の諸元がコンピュータの電子ファイルとして記憶しておくことが容易であるため、実際の機械と比較しやすく、複数の電動機制御装置があっても対象軸を間違えにくいという用途にも適用できる。
電動機制御装置の容量選定は電動機制御装置や機械が存在しないときに、機械設計と同時期に行われ、一方、電動機制御装置のパラメータ設定は、機械と電動機制御装置が揃ったときに行われるため、電動機制御装置の容量選定と電動機制御装置のパラメータ設定は時間や場所や操作者が異なることがあるが、電動機制御装置の容量選定の結果を用いて、電動機制御装置のパラメータ設定を行うために、電動機制御装置の負荷慣性モーメント以外の駆動増減比(ギア比)等の付帯情報とともに情報が伝わり、業務の引継ぎ用途などで情報伝達が正しくかつ容易になるという効果もある。
本発明の第1実施例を示す電動機制御装置のパラメータ設定装置の構成図 本発明の第1実施例を示す電動機制御装置の機械の諸元を示す図 本発明の第1実施例を示す負荷慣性モーメント補正手段の効果を示す簡略化したブロック図 本発明の第2実施例を示す電動機制御装置のパラメータ設定装置の構成図 本発明の第3実施例を示す電動機制御装置のパラメータ設定装置の構成図 本発明の第4実施例を示す電動機制御装置のパラメータ設定装置の構成図 本発明の第5実施例を示す電動機制御装置のパラメータ設定装置の構成図 本発明の第6実施例を示す電動機制御装置のパラメータ設定装置の構成図 本発明の第7実施例を示す電動機制御装置のパラメータ設定装置の構成図 従来の第1例である特許文献1を適用するモータ制御システムのブロック図 従来の第1例である特許文献1の速度指令の例 従来の第1例である特許文献1の図7における速度制御部と推定部と同定部の詳細を示す構成図 従来の第2例である特許文献2のモータ駆動パラメータ設定装置を説明するブロック図 従来の第3例である特許文献3のモータ制御システムのブロック図 従来の第3例である特許文献3のモータ制御システムにおける速度制御部、推定部及び同定部の各構成を示すブロック図 従来の第3例である特許文献3のモータ制御システムの同定部の詳細を説明する図 従来の第4例である特許文献4のサーボモータ選定装置である電子計算機の内部構成図を示す構成図 従来の第4例である特許文献4のサーボモータ選定方法の手順を示す流れ図 従来の第4例である特許文献4におけるサーボシステムの構成図
符号の説明
1 電動機
2 制御器
3 検出部
4 指令器
5 機械
6 負荷慣性モーメント演算部
7 記憶部
8 負荷慣性モーメント読み取り部
9 負荷慣性モーメント補正部
10 表示部
11 入力部
12 演算部
13 特性データベース
14 検索部
15 電動機制御装置選定部
18 補正値設定部
20 電動機制御装置
21 電動器動作演算部
22 容量選定プログラム
23 制御器支援プログラム
100 コンピュータ
101 カップリング
102 ギア
104 ボールねじ
105 ボールねじナット
106 テーブル
S 機械の諸元
A 負荷慣性モーメント値
R 運動パターン

Claims (8)

  1. 機械を駆動する電動機と、前記電動機または前記機械からなる被検出体の動作量を検出する検出部と、指令信号を発生する指令器と、前記指令信号に基づいて前記電動機を駆動する制御器と、を備え、前記指令信号と前記動作量が一致するようにフィードバックループを構成した電動機制御装置のパラメータ設定装置において、
    前記制御器は、前記負荷慣性モーメント値による動作性能への影響を補正する負荷慣性モーメント補正部を備え、
    前記電動機によって駆動される前記機械の諸元を入力して得られる負荷慣性モーメント値を算出する負荷慣性モーメント演算部と、
    算出した前記負荷慣性モーメント値を記憶する記憶部と、
    前記制御器に接続して前記記憶部から前記荷慣性モーメント値を読み取る負荷慣性モーメント読み取り部と、
    前記負荷慣性モーメント値を前記負荷慣性モーメント補正部に設定する補正値設定部と、を備えたことを特徴とする電動機制御装置のパラメータ設定装置。
  2. 前記負荷慣性モーメント値は前記記憶部に予め決められた階層位置に、予め決められた名称で記憶され、
    前記負荷慣性モーメント読み取り部は、前記記憶部の予め決められた階層位置から、予め決められた名称の前記負荷慣性モーメント値を読み取り、前記補正値設定部が、前記負荷慣性モーメント値を前記負荷慣性モーメント補正部に設定することを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置のパラメータ設定装置。
  3. 前記記憶部に記憶された前記負荷慣性モーメント値もしくは該名称、もしくは、前記負荷慣性モーメント演算部に入力し前記記憶部に記憶された前記機械の諸元を表示する表示部と、
    前記記憶部に記憶された前記負荷慣性モーメント値もしくは該名称もしくは、前記機械の諸元を選択する入力部をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置のパラメータ設定装置。
  4. 前記電動機はリニアモータであって、前記負荷慣性モーメント値は負荷質量であり、
    前記負荷慣性モーメント演算部は、前記電動機によって駆動される前記機械の諸元と、を入力して得られる前記負荷質量値を算出し、
    前記記憶部は、前記負荷質量値を記憶し、
    前記負荷慣性モーメント読み取り部は、前記負荷質量値を読み取り、
    前記制御器の前記負荷慣性モーメント補正部に、前記補正値設定部が、前記負荷慣性モーメント補正部に設定することで、前記負荷質量値による影響を補正することを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置のパラメータ設定装置。
  5. 前記負荷慣性モーメント演算部は、前記電動機によって駆動される前記機械の諸元と、前記電動機を駆動するために前記指令器が出力する運動パターンとを条件とし、
    条件に必要な前記電動機および前記制御器の要求仕様を求める演算部と、
    前記電動機および前記制御器の特性データベースと、
    前記演算部によって得た要求仕様に基づき、前記電動機および前記制御器を選定する検索部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1、5いずれかに記載の電動機制御装置のパラメータ設定装置。
  6. 前記負荷慣性モーメント演算部は、機械図面と機械材料の特性により前記機械の諸元を入力することを特徴とする請求項5記載の電動機制御装置のパラメータ設定装置。
  7. 前記電動機制御装置選定部の機能を含んだコンピュータ読み取り可能な容量選定プログラムと、
    前記制御器と接続しパラメータの読み書きを行い、前記補正値設定部の機能を含んだコンピュータ読み取り可能な制御器支援プログラムと、
    を備えたことを特徴とする請求項1、5いずれかに記載の電動機制御装置のパラメータ設定装置。
  8. 前記容量選定プログラムは、機能コンポーネントから構成されており、前記制御器支援プログラムは、前記容量選定プログラムの機能コンポーネントを実行できることを特徴とする請求項7記載の電動機制御装置のパラメータ設定装置。
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