JP2008203251A - 糸条の欠陥検査方法および装置 - Google Patents

糸条の欠陥検査方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008203251A
JP2008203251A JP2008013455A JP2008013455A JP2008203251A JP 2008203251 A JP2008203251 A JP 2008203251A JP 2008013455 A JP2008013455 A JP 2008013455A JP 2008013455 A JP2008013455 A JP 2008013455A JP 2008203251 A JP2008203251 A JP 2008203251A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
yarn
sheet
defect
width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008013455A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhisa Miyahara
和久 宮原
Teppei Fukuzawa
哲平 福澤
Masafumi Hashikura
雅史 橋倉
Koji Kagitani
浩司 鍵谷
Hiroki Nakajima
博樹 中嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2008013455A priority Critical patent/JP2008203251A/ja
Publication of JP2008203251A publication Critical patent/JP2008203251A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)

Abstract

【課題】高精度にシート状の糸条の欠陥、特にシート状の糸条上に発生した毛羽や毛玉をオンラインで検査し、また前記シート状の糸条の欠陥の種類や大きさを特定する糸条の欠陥検査方法および検査装置を提供する。
【解決手段】一方向に並行に引きそろえられた単繊維の束からなる糸条1に測定光3を照射し、前記糸条からの反射光4あるいは透過光5を受光し、受光量変化から欠陥を検査する方法において、前記欠陥が単繊維が切れて絡み合い、前記糸条と異なる方向を含む複数の単繊維の集合体であって、前記測定光を前記糸条の幅を超えた範囲に照射し、かつ前記糸条の幅を超えた受光面をもつ受光手段6により、前記単繊維の集合体によって前記測定光が前記受光手段の光軸と異なる方向へ反射されることによる前記反射光あるいは透過光の光強度の減少を検出することで糸条の欠陥を検査することを特徴とする糸条の欠陥検査方法。
【選択図】図4

Description

本発明は糸条の欠陥を検査する方法、特に一方向に引きそろえられた単繊維の束からなる糸条に発生した、毛羽や毛玉を検出する糸条の欠陥検査方法および検査装置に関する。
比弾性率が大きく、かつ比強度が大きい炭素繊維からなる炭素繊維織物と、合成樹脂とを複合し、所定形状に成形された炭素繊維強化プラスチック(以下、「CFRP」という)などの複合材は、その優れた特性を生かして、航空機の構造材などに使用されている。
さて、炭素繊維は、繊維が太くなり繊度が大きくなるほどプリカーサおよび耐炎化工程や焼成工程での生産性が向上し、安価な炭素繊維を製造することが可能となる。しかしながら、以前の炭素繊維織物には、太い炭素繊維糸条を使用した場合は一般にCFRPを成形するときの樹脂含浸性が悪くなり、一方、細い炭素繊維糸条を使用した目付の小さい炭素繊維織物では、炭素繊維糸間に形成される空隙が大きくなるため、炭素繊維糸間に形成される空隙部に樹脂のボイドが集中的に発生し、高性能なCFRPが得られなくなるという欠陥があった。
このような欠陥に対しては、一方向に平行に引きそろえられた単繊維の束からなり、無撚りで、かつ薄くて幅の広い扁平である、シート状の炭素繊維糸条からなる炭素繊維扁平糸条織物を用いることにより、厚みを抑え、太い炭素繊維を用いた場合でも扁平化により優れた強度特性を有するCFRPを成形できるようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
したがって、炭素繊維扁平糸条織物に用いる、一方向に平行に引きそろえられた単繊維の束からなるシート状の炭素繊維糸条の需要が高まっており、またそれに伴い前記シート状炭素繊維糸条生産工程またはその前駆体であるシート状プリカーサ生産工程おいても、シート状の糸条の品質に対する要求が高まっている。
シート状の糸条の生産工程においては、通常、糸の生産工程と同様に、単繊維切れにより生じる毛羽、毛玉、糸切れ、糸割れなどの欠陥が、生産工程中の張力変動や熱処理温度変動などによって糸条の外部および内部構造が変化することにより生じる。このようなシート状の糸条の欠陥は、シート状の糸条の品質に大きく影響するため、その欠陥を精度良く検出することは品質管理上非常に重要なことであり、また早期に欠陥の多発を検知することができれば、製品歩留まりの向上にもつながるため、オンラインでその欠陥の検査を行うことも重要である。
従来、糸条の欠陥、特に糸条に発生した毛羽や毛玉をオンラインで検査する技術としては、投光部より糸幅を超える大きさの検査領域に光を照射し、受光部により糸条が検査領域中を走行する際の検査領域における透過光量あるいは反射光量を検出して、その光量変化により糸条に発生した毛玉を検出するものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、特許文献2に記載される測定方法では、特にシート状の糸条の幅が太い場合には、図1の(B)に示すようなフィラメント糸上や糸条幅の細いシート状糸条の面上の毛玉は検出することができても、図1の(A)に示すような幅の広いシート状の糸条の面上の毛玉は、センサ光が糸条を透過しない場合には光量変化が生じず、毛玉を検出することができない。また、特許文献2に記載される反射光を用いた方法では、フィラメント糸上の毛玉による反射光量の増加により毛玉の検出を行うとあるが、図1に示すようなシート状の糸条の面上の毛玉を反射光量の増加により検出するためには、毛玉により生じた散乱光を受光部により受光する必要があり、糸の材質が反射率の少ないものであった場合、反射光量の増加を検出することが困難であり、また散乱光で毛玉の検出を行う方式では、生産工程で発生する毛玉の形状が不均一であることから、同様の大きさの毛玉からの散乱光量も不均一であり、よって毛玉の大きさを測定することが難しいという問題があった。
一方で、シート状の糸条の欠陥を検査する方法としては、カメラを用いて糸条を撮像し、画像処理によりシート状の糸条の欠陥を検出する方法が提案されているが(例えば、特許文献3参照)、ライン速度が速い場合には精度の良い撮像が難しく、また画像処理速度に限界があることから数mm程度の大きさの毛玉を検出することが難しいこと、またカメラが光電方式のセンサと比較し高価なことが問題である。
また一方で、シート状の糸条の欠陥を検査する方法として、糸条の片側側方に投光手段を配し、糸条を挟んで反対側に受光手段を配し、光束の中、あるいは直上部、あるいは直下部に糸条を配し、糸条に発生した毛玉による遮光によって、毛玉の検出を行う方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、この方法では投光手段と受光手段をシート状の糸条の側方に投光手段と受光手段を配す必要があるため、シート状の糸条の生産性を上げるためにシート状の糸条を平行に複数並べて生産する場合においては、適用が難しい問題がある。
特開平11−1839号公報 特開平7−300280公報 特開2004−277938公報 特開昭61−114115公報
本発明の目的は、上記した従来の問題点を解決し、高精度にシート状の糸条の欠陥、特にシート状の糸条上に発生した毛羽や毛玉をオンラインで検査し、また前記シート状の糸条の欠陥の種類や大きさを特定する糸条の欠陥検査方法および検査装置を提供すること、ひいてはその検査方法を用いて得られたデータによりシート状の糸条の品質管理をオンラインで行う、糸条の品質管理方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は次の構成を採用する。すなわち、
(1)一方向に並行に引きそろえられた単繊維の束からなる糸条に測定光を照射し、前記糸条からの反射光を受光し、前記反射光の光強度から欠陥を検査する方法において、前記欠陥が単繊維が切れて絡み合い、前記糸条と異なる方向を含む複数の単繊維の集合体であって、前記測定光を前記糸条の幅を超えた範囲に照射し、かつ前記糸条の幅を超えた受光面をもつ受光手段により、前記単繊維の集合体によって前記測定光が前記受光手段の光軸と異なる方向へ反射されることによる前記反射光の光強度の減少を検出することで糸条の欠陥を検査することを特徴とする糸条の欠陥検査方法。
(2)一方向に並行に引きそろえられた単繊維の束からなる糸条に測定光を照射し、前記糸条からの透過光を受光し、前記透過光の光強度から欠陥を検査する方法において、前記欠陥が単繊維が切れて絡み合い、前記糸条と異なる方向を含む複数の単繊維の集合体であって、前記測定光を前記糸条の幅を超えた範囲に照射し、かつ前記糸条の幅を超えた受光面をもつ受光手段により、前記単繊維の集合体によって前記測定光が遮光されることによる前記透過光の光強度の減少を検出することで糸条の欠陥を検査することを特徴とする糸条の欠陥検査方法。
(3)一方向に並行に引きそろえられた単繊維の束からなる糸条を検査する方法であって、前記(1)に記載の方法と前記(2)に記載の方法を併用または使い分けることを特徴とする糸条の欠陥検査方法。
(4)前記測定光がシート光で、該シート光の糸条の走行方向の厚さが1〜10mmであることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の糸条の欠陥検査方法。
(5)前記測定光がシート光で、該シート光が、前記糸条と交差し、かつ前記シート光の面と前記糸条の面とのなす角θが60〜120度の範囲である前記(1)〜(4)のいずれかに記載の糸条の欠陥検査方法。
(6)前記測定光および前記受光手段の幅と前記糸条の幅との差が1〜40mmである前記(1)〜(5)のいずれかに記載の糸条の欠陥検査方法。
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の方法で得られた、前記糸条の欠陥の検査結果をもとに糸条の品質管理を行うことを特徴とする糸条の品質管理方法。
(8)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の方法で得られた、前記糸条の欠陥の検査結果をもとにパッケージ毎の品質管理を行うことを特徴とするパッケージの品質管理方法。
(9)一方向に並行に引きそろえられた単繊維の束からなる糸条に測定光を照射する手段と、前記糸条からの反射光を受光する手段とを用いて、前記反射光の光強度から糸条の欠陥を検査する装置において、前記欠陥が単繊維が切れて絡み合い、前記糸条と異なる方向を含む複数の単繊維の集合体であって、前記測定光を照射する手段が、前記測定光を前記糸条の幅を超えた範囲に照射するものであり、かつ前記反射光を受光する手段が、前記糸条の幅を超えた受光面をもち、前記単繊維の集合体によって前記測定光が前記受光手段の光軸と異なる方向へ反射されることによる前記反射光の光強度の減少を検出することで糸条の欠陥を検査するものであることを特徴とする糸条の欠陥検査装置。
(10)一方向に並行に引きそろえられた単繊維の束からなる糸条に測定光を照射する手段と、前記糸条からの透過光を受光する手段とを用いて、前記透過光の光強度から糸条の欠陥を検査する装置において、前記欠陥が単繊維が切れて絡み合い、前記糸条と異なる方向を含む複数の単繊維の集合体であって、前記測定光を照射する手段が、前記測定光を前記糸条の幅を超えた範囲に照射するものであり、かつ前記透過光を受光する手段が、前記糸条の幅を超えた受光面をもち、前記単繊維の集合体によって前記測定光が遮光されることによる前記透過光の光強度の減少を検出することで糸条の欠陥を検査するものであることを特徴とする糸条の欠陥検査装置。
(11)一方向に並行に引きそろえられた単繊維の束からなる糸条に測定光を照射する手段と、前記糸条からの反射光および/または透過光を受光する手段とを用いて、前記反射光および/または透過光の光強度から糸条の欠陥を検査する装置において、前記欠陥が単繊維が切れて絡み合い、前記糸条と異なる方向を含む複数の単繊維の集合体であって、前記測定光を照射する手段が、前記測定光を前記糸条の幅を超えた範囲に照射するものであり、かつ前記反射光および/または前記透過光を受光する手段が、前記糸条の幅を超えた受光面をもち、前記単繊維の集合体によって前記測定光が遮光されることによる前記反射光および/または前記透過光の光強度の減少を検出することで糸条の欠陥を検査するものであることを特徴とする糸条の欠陥検査装置。
(12)被検査糸条の幅が10〜30mmであれば反射光を受光することにより、被検査糸条の幅が5mm以下であれば透過光を受光することにより、被検査糸条の幅が5〜10mmであれば反射光および/または透過光を受光することにより、糸条の欠陥を検査することを特徴とする前記(11)に記載の糸条の欠陥検査装置を使用する糸条の欠陥検査方法。
本発明によれば、一方向に並行に引きそろえられた単繊維の束からなり、無撚りで、かつ薄くて幅の広い扁平である、シート状の糸条の欠陥、特にシート状の糸条に発生した毛羽や毛玉を精度良く検出し、シート状の糸条の欠陥の種類を判定し、またシート状の糸条の欠陥の大きさを測定することができる。また、本発明を用いることにより、シート状の糸条が狭い間隔で複数平行に並んで生産されている工程においても、シート状の糸条に発生した毛玉を精度良く検出することができ、またシート状の糸条の生産中にシート状の糸条がその幅方向にズレるような問題が生じても、安定してシート状の糸条の欠陥を検査することが可能になる。
以下、本発明を、図面を参照しながら、より詳細に説明する。図2は本発明に係わるシート状の糸条の欠陥検査装置の第1の形態を模式的に示す構成ブロック図であり、図4はその光学系部分を側面から見た図(A)および上面から見た図(B)である。また、図3は本発明に係わるシート状の糸条の欠陥検査装置第2の形態を模式的に示す構成ブロック図であり、図5はその光学系部分を側面から見た図(A)および上面から見た図(B)である。
図2においては、シート状の糸条1に対してその一面上に投光手段2と受光手段6が設けられており、前記受光手段6により得られた信号は判定手段7を通り、データ処理手段8に導かれ、そこで欠陥と判定された信号のみが記録手段9に記録され、シート状の糸条の品質管理およびパッケージの品質管理に活用される。
一方で、図3においては、シート状の糸条1を挟んで反対の面上に投光手段2と受光手段6が設けられており、前記受光手段6により得られた信号は判定手段7を通り、データ処理手段8に導かれ、そこで欠陥と判定された信号のみが記録手段9に記録され、シート状の糸条の品質管理およびパッケージの品質管理に活用される。
ここで、本発明において、パッケージとは、巻き取り機によって糸条がパッケージ状に巻き取られてなるパッケージ状の糸条パッケージのことを言う。
また、シート状の糸条1は、一方向に引きそろえられた単繊維の束からなる。また、検査対象とするシート状の糸条の欠陥とは、シート状糸の製造の過程で発生した単繊維切れにより、切れた単繊維が絡み合って、前記糸条と異なる方向を含む複数の単繊維の集合体となり、その単繊維の数や絡み合い方により、毛羽あるいは毛玉となったものである。その異なる方向を含む複数の単繊維の集合体である毛羽や毛玉により、前記測定光が前記受光手段の光軸と異なる方向に反射される、あるいは遮光されることにより、受光手段に入射する反射光が減少する。
また、検出可能な欠陥は、前記糸条と異なる方向を含む複数の単繊維の集合体を含み、シート状の糸条に発生した際に顕著な反射光量変化を生じるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、糸割れ、糸切れ、シート形状の崩れなどの欠陥も検出可能である。
本発明において、シート状の糸条1の一面に対し投光手段2から前記シート状の糸条幅を超えた幅を持つシート状の測定光3を照射し、前記シート状の糸条面での正反射光4を、前記シート状の糸条幅を超えた受光幅を持つ受光手段6により受光することで、正反射光量の変化から、シート状の糸条の欠陥を検出することができるし、一方で前記シート状の糸条面での透過光5を、前記シート状の糸条幅を超えた受光幅を持つ受光手段6により受光することで、透過光量の変化から、シート状の糸条の欠陥を検出することができる。
また、投光手段2により照射する測定光3は、測定に必要なシート状の糸条からの十分な反射光量が得られるものであれば、光強度、波長、ともに限定されないが、投光手段の動作確認や保守性の面から600〜800nmの可視領域の波長を用いることが好ましく、また投光手段2より照射される測定光3の形状は、図8に示すように、前記シート状の糸条の幅を超えたシート光であることが好ましく、さらに好ましくは光がレーザー光であることが好ましい。また、図8において、αはシート光の幅を示し、βはシート光の糸条の走行方向の厚さを示している。
シート状の糸条の幅を超えたシート光を、シート状の糸条に対して照射することにより、図10に示すように、生産中にシート状の糸条が側方にズレて移動した場合でも、シート状の糸条のズレがシート状の糸条の幅を超えて照射された測定光の範囲内であり、かつその正反射光もしくは透過光がシート状の糸条の幅を超えた受光部を持つ受光手段により受光可能であるならば、精度良く安定したシート状の糸条の欠陥の検出が可能である。好ましくは、前記測定光と前記受光手段の幅と前記糸条の幅との差が1〜40mmであることが良い。これは、差が小さすぎると、シート状の糸条のズレが、シート状の糸条の幅を超えて照射された測定光の範囲から外れてしまい、また差が大きすぎると、シート状の糸条を並行に複数並べて生産する場合においては、隣の糸条にまでシート光が照射され、その干渉により精度の良い測定を行うことが難しいためである。
また、測定光3をシート光とすることで、一般的な円形のスポット光と比較し、照射光の幅方向の光強度を一定にすることができ、よって幅方向に均一な反射光を得ることできるため、結果としてシート状の糸条の幅方向のいかなる部分に発生したシート状の糸条の欠陥でも、精度良く検出することが可能になる。
また、好ましくは、前記シート光の前記糸条の走行方向の厚さが1〜10mmの範囲のものとすることにより、糸条に照射される単位面積あたりの測定光の強度を上げることができ、結果として受光手段により受光する反射光の強度も上がるため、より高精度な欠陥の検査が可能になる。
投光手段2の位置については、前記第1の形態(前記シート状の糸条面での正反射光4を受光する構成)の際は、前記投光手段2と受光手段6とがシート状の糸条の同一面上にあり、かつシート光がシート状の糸条の幅を超えて照射される位置であれば特に限定はされないが、前記シート状の糸条の幅方向と前記シート光の幅方向とが平行になるようにシート光が照射される位置に配すことにより、シート状の糸条幅方向に対し均一な光を受光手段に入射させることができるため、好ましい。
また好ましくは、図4(A)に示すように、シート状の糸条の側方より見た場合、シート状の糸条とシート光の面とのなす角θが60〜120度となるように投光手段を配置することにより、シート光の正反射成分を受光手段で受光する際に、受光手段の配置場所を投光手段に近づけることができるため、コンパクトな装置構成とすることができ、またシート状の糸条から距離を取ることができるため、シート状の糸条との接触や糸切れ時の巻きつきなどを防止することができるため、より好ましい。
さらに好ましくは、図6に示すように、シート状の糸条とシート光の面とのなす角θが90度となるように投光手段を配すことにより、その測定光の正反射光を受光する受光手段を投光手段とほぼ同一軸上に一体化させて配すことができるようになり、よってさらにコンパクトな装置構成とでき、また投光手段と受光手段を固定する治具が一つで良いこと、投光手段および受光手段の角度調整作業が簡易となり、また光軸ズレが生じ難くなることから、より好ましい。
一方で、前記第2の形態(シート状の糸条面での透過光5を受光する構成)の際には、前記投光手段2と受光手段6とがシート状の糸条を挟んで反対の面上にあり、かつシート光がシート状の糸条の幅を超えて照射される位置であれば特に限定はされないが、前記シート状の糸条の幅方向と前記シート光の幅方向とが平行になるようにシート光が照射される位置に配すことにより、シート状の糸条幅方向に対し均一な光を受光手段に入射させることができるため、好ましい。
また好ましくは、図5(A)に示すように、シート状の糸条の側方より見た場合、シート状の糸条とシート光の面とのなす角θが60〜120度となるように投光手段を配置することにより、シート光の透過成分を受光手段で受光する際に、シート状の糸条から距離を取ることができるため、シート状の糸条との接触や糸切れ時の巻きつきなどを防止することができるため、より好ましい。
また、もしも設置可能な十分なスペースがあるならば、図7に示すように、シート状の糸条を上部から見たさいに、その側方に投光手段2と受光手段6を配し、透過光の減少から欠点検出を行っても良い。しかし、これはシート状の糸条を平行に複数並べて生産する場合においては、糸条間隔が短く設置に十分なスペースが無いため適用が難しいことがある。
また、1つの欠陥検査手段により1糸条の検査を行う際は、シート状の糸条上の測定箇所と投光手段の測定光照射部との距離は5〜250mmとすることが好ましい。これはシート状の糸条上の測定箇所と投光手段との距離が近すぎると、投光手段とシート状の糸との接触や糸切れ時の巻きつきなどの問題が発生するためであり、また遠すぎると測定光の強度が下がり、よって検出が困難となることや、投光手段の機械的振動の影響による測定光の変動が拡大し、よって糸条からの反射光や透過光の変動も拡大するため、安定した検出を行うことが困難となるためである。特に、一般的な受光手段の受光面の大きさに制限があることから、機械的振動の大きさと受光面の大きさとを考慮した際に受光面に安定して測定光を入射させるためには、シート状の糸条上の測定箇所と投光手段の測定光照射部との距離を250mm以内とすることが好ましい。しかし、1つの投光手段により複数糸条に測定光を照射する際にはこの限りではなく、測定光の照射範囲に測定対象の糸条が全て収まるように、投光手段の設置高さを設定することが好ましい。
シート光の照射方法としては、図11に示すように、レーザーやその他の光源からの光を細長い長方形の溝を掘ったスリットに通したり、またシリンドリカルレンズなどで横方向に長く伸ばすことにより、シート形状にすることができる。またレーザー光をポリゴンミラーで高速に走査させることによりシート光としても良い。レーザー光源としては、ガスレーザー、固体レーザー、半導体レーザーなどを用いることができ、またそれ以外の光源として発光ダイオード、白色光源、ネオン管などを用いても良く、また白色光源からの光を狭帯域フィルターを通して準単色光にしても良い。
受光手段としては、光量値を電気信号に変換する素子として、フォトダイオードやイメージセンサを用いることが好ましい。また光ファイバなどを用いてそれら受光素子に光を導入しても良い。また受光手段の大きさは、多少糸道がずれた場合でもシート状の糸条上からのシート光の正反射光を安定して受光可能なように、シート状の糸条以上の幅を持つことが好ましい。
ここで、前記第1の形態において正反射光4を受光する構成にする意味は、透過光方式は糸の光の透過性が低く、かつ糸幅が太い場合においては、糸による遮光により受光手段に入射する光が極端に少なくなることから適用することが難しい。また散乱反射光を用いた場合には測定精度が糸の測定光の反射率に大きく影響されること、また糸切れや糸割れといった反射光量が純粋に減少するシート状の糸条の欠陥を検出することができないなどの問題があるからである。
一方で、前記第2の形態において透過光5を受光する構成にする意味は、反射光方式は糸の光の透過性が高い場合には測定光が糸を透過してしまうために反射光量が少なくなるために適用できず、または糸の光の透過性が低い場合においても糸幅が細い場合は、糸による正反射光量の絶対量が少なくなり、よって受光手段に入射する光が少なくなることから精度の良い測定を行うことが適用することが難しくなるためである。
糸の光の透過性が低い場合には、検査対象とするシート状の糸条の糸幅の太さにより、図2に示す正反射光を受光する構成と、図3に示す透過光を受光する構成を使いわける構成とすることが好ましく、糸条からの反射光量や一般的な受光手段の幅を考慮すると、前記糸条の糸幅が5〜30mmであれば反射光を受光する構成が好ましく、前記糸条の糸幅が10mm以下であれば透過光を受光する構成が好ましい。前記糸条の糸幅が5〜10mmである場合は、どちらの構成としても構わないが、実際に製造されるシート状の糸条の品種毎の糸幅の分布や、双方の構成を取った場合のテスト欠点検出データを用いた検出精度の比較結果などから適した方を選ぶのが良い。
また、好ましくは、同一のシート状の糸条の製造ラインに双方の構成を同時に設置し、そのラインにおいて製造されるシート状の糸条の品種毎の糸幅の太さによって、いずれか一方の適した構成を選び使用することが良い。それにより、製造ラインにおける品種交換や合糸によってシート状の糸条の糸幅に大きな変化が生じても、安定して検査することが可能となり、好ましい。その際は、図9(A)に示すように双方の構成を1セットずつ設置しても良いし、図9(B)に示すように投光手段2を共通の物とし、正反射光と透過光とを受光可能なように、それぞれ受光手段を配す構成としても良い。
受光手段6の入射部の形状については、長方形である方が、例えば円形であることと比較し、幅方向で均一にシート状の糸条上からのシート光の正反射光あるいは透過光を受光可能であるため、結果としてシート状の糸条の幅方向のいかなる部分に発生した毛玉でも、精度よく検出することが可能になるため、好ましい。また円形の入射部を用いた場合でも、受光手段の直前に細長い長方形の溝を掘ったスリットを置いたり、シリンドリカルレンズなどを置くことにより、長方形の受光部と同様の効果を得ることができ、好ましい。
また、前記受光手段の幅は、前記測定光の幅と同様の理由で、前記糸条の幅との差が1〜40mmであることが好ましい。
また、受光手段の位置としては、前記第1の形態(シート状の糸条面での正反射光4を受光する構成)の際にはシート状の糸条に対して投光手段と同一面上であり、シート状の糸条からの測定光の正反射光を受光可能、かつシート状の糸条上からのシート光の正反射光の幅方向成分が受光手段の光入射部に全て入射可能な位置であれば特に限定されない。好ましくは、前記シート光の正反射光の幅方向と受光手段の光入射部とが平行になるようにシート光が照射される位置に配すことにより、シート状の糸条幅方向に対し均一な光を受光手段に入射させることができるため、好ましい。
一方で、前記第2の形態(シート状の糸条面での透過光5を受光する構成)の際には、前記投光手段2と受光手段6とがシート状の糸条を挟んで反対の面上にあり、かつシート状の糸条からの測定光の透過光を受光可能、かつシート状の糸条上からのシート光の透過光の幅方向成分が受光手段の光入射部に全て入射可能な位置であれば特に限定されない。好ましくは、前記シート光の透過光の幅方向と受光手段の光入射部とが平行になるようにシート光が照射される位置に配すことにより、シート状の糸条幅方向に対し均一な光を受光手段に入射させることができるため、好ましい。
さらに好ましくは、シート状の糸条と受光手段との距離が遠いと、シート状の糸条からの正反射光あるいは透過光の強度が下がり、よって精度良く測定を行うことが難しくなるため、シート状の糸条上の測定箇所と受光手段の受光部との距離は250mm以下とすることが好ましい。
受光手段6により、電気信号に変換された光量信号は判定手段7に導かれるが、判定手段7に導かれる手前で、例えば、毛玉による受光量の短期的変動のみを出力する微分処理を行う電気的回路や、毛玉以外の受光量の長期的変動のみを除去するハイパスフィルタなどの信号処理手段を設けることにより、より高精度なシート状の糸条の欠陥検査が可能となり、好ましい。
判定手段7では光量信号とあらかじめ設定した任意の閾値との比較が行われ、光量信号の変動パターンのピーク値もしくはピーク幅が閾値を越えた光量信号について、閾値を越えた部分の光量信号パターンのみが抽出され、データ処理手段8に導かれる。
データ処理手段8には、あらかじめシート状の糸条の欠陥の種類や大きさと光量信号パターンとの対応データと、毛玉の糸の長手方向に沿う長さと光量信号パターンのピーク幅との関係を示す関係式、および毛玉の幅方向に沿う長さと光量信号パターンのピーク高さとの関係を示す関係式が記録されている。得られた光量信号パターンについて、その対応データや関係式と比較することにより、光量信号パターンから欠陥の種類や大きさが特定され、検出された糸条の欠陥データへと変換される。
以下、具体的に欠陥の種類の判定方法とその大きさの測定方法とについて説明する。
先ず、毛玉欠陥の大きさ測定方法について説明する。図12は、本発明の一つの好ましい実施形態によって、シート状の糸条の欠陥のひとつである、シート状の糸条上に発生した毛玉の検出を行った形態図である。複数の単繊維切れが発生し、切れた単繊維がまとまることによって発生する毛玉は、その形状はさまざまであるが、例えば図13に示すような糸の長手方向に沿う長さがX、幅方向に沿う長さがYの楕円形の形状の毛玉が発生すると、前記毛玉を検出したセンサの光量信号パターンは図14に示すようなピークをもつパターンとなる。
すなわち、センサの受光量出力変化に表れたピークの時間幅は、糸の長手方向に沿う長さXに対応し、ピークの高さは、幅方向に長いシート光の遮光量に依存するため、毛玉の幅方向に沿う長さYに対応する。したがって、得られた光量信号パターンのピーク幅および高さから、発生した毛玉の糸の長手方向に沿う長さと、幅方向に沿う長さを求めることができる。
具体的には、発生した毛玉のシート状の糸条の長手方向に沿う長さについては、速度vで走行し長手方向の長さがxである毛玉が、シート状の糸条の長手方向に沿う長さがLのセンサスポット光を遮り、光量信号パターンに影響を与える時間(ピーク幅)tは、
t=(x+L)/v ・・・(1)
と算出することができる。また、発生した毛玉の幅方向に沿う長さについては、センサ光がシート光であり、またセンサスポット光の形状がシート状の糸条の幅方向に長い長方形形状であることから、毛玉の幅方向に沿う長さYは、毛玉がセンサスポット光を遮る面積を決定し、よって得られた光量信号パターンのピーク高さと相関を持つ。よって、光量信号パターンのピーク値と毛玉の幅方向に沿う長さとの関係を示す関係式が、検量線データとしてあらかじめ前記判定手段7に記録されており、検量線データと得られた光量信号パターンのピーク値とを比較することにより、毛玉のシート状の糸条の幅方向に沿う長さを求めることができる。
検量線データと得られた光量信号パターンのピーク値との比較は、データ処理手段8に記録されている前記関係式に光量信号パターンのピーク値の値を代入し、演算することにより行う。また検量線データは、事前に、既知の大きさの毛玉の測定を行い、その光量信号パターンのピーク値を該装置に記録しておく。この作業を少なくともシート状の糸条の幅方向に沿う長さが異なる2種類以上の毛玉について行うことにより、検量線データを作成できる。
次に、シート状の糸条に糸割れ欠陥が発生した時は、第1の形態の際には、部分的にシート状の糸条からの反射光がなくなるため、毛玉の際と同様に受光量が減少するピークを持つ光量信号パターンが現れる。一般的に糸割れ欠陥は、毛玉と比較しシート状の糸条長手方向に長い距離にわたって発生するため、図14に示す光量信号パターンにおいて、ピーク幅が長い光量信号パターンが発生する。一方、第2の形態の際には、部分的に透過光量が多くなるため、ピーク幅が長い、受光量が増加する光量信号パターンが発生する。
また、発生したシート状の糸条の欠陥が糸切れであった際は、第1の形態の際には、完全にシート状の糸条からの反射光がなくなるため、図15に示すように受光量が0となる光量信号パターンが発生する。一方、第2の形態の際には、シート状の測定光を妨げるものが無くなるため、受光量が増加する光量信号パターンが発生する。
また、発生したシート状の糸条の欠陥がシート形状の崩れだった場合は、双方の形態において、走行するシート状の糸条表面の走行方向の不均一差から、シート状の糸条からの反射光が激しく変動するため、図16に示すように受光量が激しく変動する光量信号パターンが発生する。
よって、上記のように、光量信号のピーク幅および高さからシート状の糸条の欠陥の大きさを、光量信号の変動パターンからシート状の糸条の欠陥の種類を判定することができる。
データ処理手段8により得られたシート状の糸条欠陥検査結果は、記録手段9により記録され、あらかじめ記録手段9に入力されたシート状の糸条の品位判定基準と記録された前記シート状の糸条欠陥検査結果とを比較することにより、シート状の糸条の品位を決定し、シート状の糸条の品質管理に用いることができる。
また、好ましくは、外部からのパッケージ巻取り開始信号および巻き取り終了信号のどちらか、あるいは両方を用いることにより、パッケージ毎の欠点発生数や欠点種類を記録手段9に記録するとよい。それにより、パッケージ毎の品質を自動で判定し、管理することが可能となる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1
シート状の糸条の欠陥検査装置における、シート光の投光手段および反射光の受光手段として、エリア型ファイバーセンサ((株)キーエンス製)を使用した。その構成は以下のとおりである。
光源:赤色発光ダイオード
波長:640nm
出力:990mw
投光部幅:13mm
シート状の糸条に対する入射角:85〜95度
シート状の糸条までの距離:15mm
受光部幅:13mm
投光部・受光部の形状:長方形
照射される光の形状(測定光の形状):シート光
シート光の糸条の走行方向の厚さ:7mm
測定光および受光手段の幅とシート状の糸条の幅との差:6〜7mm
投光部と受光部の位置関係:投光部・受光部一帯型のセンサである。
センサとシート状の糸条との位置関係:センサのシート状の糸条の幅方向と投光部及び受光部の幅方向とが平行となるように設置
上記のセンサを用いて、アクリル系炭素繊維前駆体製造工程最終部において、前記第1の形態の構成で設置し、200m/分で回転するローラーにより走行する、4000本の単糸からなり幅が7〜8mmであるアクリル系炭素繊維前駆体であるシート状の糸条上に発生した毛玉について、閾値をピーク幅1.5ms、ピーク高さ1.5Vと設定して検出を行ったところ、ピーク幅1.5ms、ピーク高さ2.0Vの毛玉によるセンサの光量信号パターンが得られた。
したがって、ローラーの回転速度が200m/分であり、ローラーにより搬送される前記シート状の糸条の速度も同様であること、またシート状の糸条表面に照射したセンサスポット光の幅が3mmであることから、本実施例で検出された毛玉による光量信号パターンのピーク幅tは、
t=(x+3)/(200×10−3×10−3/60)=1.5 ms ・・・(2)
と表せることから、毛玉のシート状の糸条の長手方向に対する長さxは、およそ2.0mmであると算出することができる。
また図17に、あらかじめ大きさ0.5mm〜3.0mmの毛玉サンプルを用いて作成した検量線データを示す。本実施例で検出された毛玉のピーク高さが2.0Vであったことから、前記検量線データから、毛玉のシート状の糸条の幅方向に沿う長さYは2.2mmであることがわかった。
また、一方で、前記光量信号パターンが生じた際の、シート上に実際に出現した毛玉について、シート状の糸条上部より撮影を行ったビデオカメラの映像によりその大きさを確認したところ、確かにシート状の糸条の長手方向に沿う毛玉の長さがおよそ2.0mmであり、幅方向に沿う長さYはおよそ2.2mmであることを確認した。
実施例2
アクリル系炭素繊維前駆体製造工程最終部において、速度200m/分で走行する、4000本の単糸からなり幅が7〜8mmであるアクリル系炭素繊維前駆体であるシート状の糸条について、本発明の糸条の欠陥検査方法を、正反射光を受光する構成で、アクリル系炭素繊維前駆体製造工程最終部に設置し、適用したところ、パッケージの巻き取り開始から巻き取り終了までの検査時間において、表1に示す検査結果を得た。
Figure 2008203251
あらかじめ各パッケージの品位判定基準を、暫定的に、検出された毛玉のシート状の糸条の幅方向に沿う長さが2mm以上の毛玉数が5個以下でかつ4mm以上の毛玉が0個ならば1級糸、2mm以上の毛玉数が10個以下でかつ4mm以上の毛玉が2個以下ならば2級糸、それ以外ならば3級糸と定めた。その上で、表1に示す検出結果と前記品位判定基準とを比較することにより、毛玉の検出を行ったシート状の糸条を巻き取って形成されたパッケージの品位を、オンラインで、3級と判定することができた。
また、暫定的に、各糸条で毛玉を合計20個以上検出した段階で、シート状の糸条の製造工程の巡回・点検を行うように管理基準を定めることにより、早期に異常を発見することができ、歩留まりの向上を行うことができた。
実施例3
実施例1に記したエリア型ファイバーセンサ((株)キーエンス製)を用いて、速度200m/分で走行する、2000本の単糸からなり幅が3〜4mmであるアクリル系炭素繊維前駆体であるシート状の糸条について、本発明の糸条の欠陥検査方法を、前記第2の形態の構成でアクリル系炭素繊維前駆体製造工程最終部において、各パッケージごとに巻き取り開始から終了までの一定時間適用したところ、表2に示す検査結果を得た。
Figure 2008203251
あらかじめ各パッケージの品位判定基準を、暫定的に、各パッケージで毛玉の検出数が1個以下なら1級、2〜5個なら2級、それ以上ならば3級と定めた。その上で、表1に示す検出結果と前記品位判定基準とを比較することにより、毛玉の検出を行った各パッケージの品位を、自動で判定することができた。
本発明によれば、シート状の糸条上に発生した欠陥をオンラインで検査可能であり、また欠陥の種類や大きさの特定も可能であるため、炭素繊維前駆体であるアクリル系シート状の糸条の製造に好適に用いられるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
本発明で検出対象とするシート状の糸条とシート状の糸条上の毛玉の一例を示す模式図であり、太い糸条の図(A)と細い糸条の図(B)である。 本発明の一実施形態で用いられるシート状の糸条の欠陥検査装置において、第1の形態を示した構成模式図図である。 本発明の一実施形態で用いられるシート状の糸条の欠陥検査装置において、第2の形態を示した構成模式図である。 図2に示すシート状の糸条の欠陥検査装置において、第1の形態における光学系の側面図(A)および上面図(B)である。 図3に示すシート状の糸条の欠陥検査装置において、第2の形態における光学系の側面図(A)および上面図(B)である。 シート状の糸条の欠陥検査装置における光学系の一つの好ましい形態図である。 本発明の一実施形態で用いられるシート状の糸条の欠陥検査装置において、第2の形態における、シート状の糸条の側方に装置を設置した際の光学系の上面図である。 図2に示すシート状の糸条の欠陥検査装置におけるシート状の糸条に対して投光されるシート光の上面模式図である。 本発明の一実施形態で用いられるシート状の糸条の欠陥検査装置において、正反射光を受光する構成と透過光を受光する構成とをそれぞれ設置した構成図(A)と同時に設置した構成図(B)である。 本発明で検出対象とするシート状の糸条が側方にずれる様子を示した上面模式図である。 本発明の他の実施形態を説明する模式図である。 図2に示すシート状の糸条の欠陥検査装置におけるシート状の糸条上の毛玉に対して投光されるシート光の断面模式図である。 本発明で検出対象とするシート状の糸条とシート状の糸条上の毛玉の一例を示す上面模式図である。 本発明の一実施形態で得られる光量信号パターンの模式図である。 本発明の他の一実施形態で得られる光量信号パターンの模式図である。 本発明のさらに他の一実施形態で得られる光量信号パターンの模式図である。 実施例で得られた光量信号パターンのピーク高さと、毛玉のシート状の糸条の幅方向に沿う長さとの関係を示すグラフである。
符号の説明
1:シート状の糸条
2:投光手段
3:測定光
4:正反射光
5:透過光
6:受光手段
7:判定手段
8:データ処理手段
9:記録手段
10:毛玉
11:ずれる前のシート状の糸条
12:スリット
α:シート光の幅
β:シート光の糸条の走行方向の厚さ

Claims (12)

  1. 一方向に並行に引きそろえられた単繊維の束からなる糸条に測定光を照射し、前記糸条からの反射光を受光し、前記反射光の光強度から欠陥を検査する方法において、前記欠陥が単繊維が切れて絡み合い、前記糸条と異なる方向を含む複数の単繊維の集合体であって、前記測定光を前記糸条の幅を超えた範囲に照射し、かつ前記糸条の幅を超えた受光面をもつ受光手段により、前記単繊維の集合体によって前記測定光が前記受光手段の光軸と異なる方向へ反射されることによる前記反射光の光強度の減少を検出することで糸条の欠陥を検査することを特徴とする糸条の欠陥検査方法。
  2. 一方向に並行に引きそろえられた単繊維の束からなる糸条に測定光を照射し、前記糸条からの透過光を受光し、前記透過光の光強度から欠陥を検査する方法において、前記欠陥が単繊維が切れて絡み合い、前記糸条と異なる方向を含む複数の単繊維の集合体であって、前記測定光を前記糸条の幅を超えた範囲に照射し、かつ前記糸条の幅を超えた受光面をもつ受光手段により、前記単繊維の集合体によって前記測定光が遮光されることによる前記透過光の光強度の減少を検出することで糸条の欠陥を検査することを特徴とする糸条の欠陥検査方法。
  3. 一方向に並行に引きそろえられた単繊維の束からなる糸条を検査する方法であって、請求項1に記載の方法と請求項2に記載の方法を併用または使い分けることを特徴とする糸条の欠陥検査方法。
  4. 前記測定光がシート光で、該シート光の糸条の走行方向の厚さが1〜10mmである請求項1または2に記載の糸条の欠陥検査方法。
  5. 前記測定光がシート光で、該シート光が、前記糸条と交差し、かつ前記シート光の面と前記糸条の面とのなす角θが60〜120度の範囲である請求項1〜4のいずれかに記載の糸条の欠陥検査方法。
  6. 前記測定光および前記受光手段の幅と前記糸条の幅との差が1〜40mmである請求項1〜5のいずれかに記載の糸条の欠陥検査方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の方法で得られた、前記糸条の欠陥の検査結果をもとに糸条の品質管理を行うことを特徴とする糸条の品質管理方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の方法で得られた、前記糸条の欠陥の検査結果をもとにパッケージ毎の品質管理を行うことを特徴とするパッケージの品質管理方法。
  9. 一方向に並行に引きそろえられた単繊維の束からなる糸条に測定光を照射する手段と、前記糸条からの反射光を受光する手段とを用いて、前記反射光の光強度から糸条の欠陥を検査する装置において、前記欠陥が単繊維が切れて絡み合い、前記糸条と異なる方向を含む複数の単繊維の集合体であって、前記測定光を照射する手段が、前記測定光を前記糸条の幅を超えた範囲に照射するものであり、かつ前記反射光を受光する手段が、前記糸条の幅を超えた受光面をもち、前記単繊維の集合体によって前記測定光が前記受光手段の光軸と異なる方向へ反射されることによる前記反射光の光強度の減少を検出することで糸条の欠陥を検査するものであることを特徴とする糸条の欠陥検査装置。
  10. 一方向に並行に引きそろえられた単繊維の束からなる糸条に測定光を照射する手段と、前記糸条からの透過光を受光する手段とを用いて、前記透過光の光強度から糸条の欠陥を検査する装置において、前記欠陥が単繊維が切れて絡み合い、前記糸条と異なる方向を含む複数の単繊維の集合体であって、前記測定光を照射する手段が、前記測定光を前記糸条の幅を超えた範囲に照射するものであり、かつ前記透過光を受光する手段が、前記糸条の幅を超えた受光面をもち、前記単繊維の集合体によって前記測定光が遮光されることによる前記透過光の光強度の減少を検出することで糸条の欠陥を検査するものであることを特徴とする糸条の欠陥検査装置。
  11. 一方向に並行に引きそろえられた単繊維の束からなる糸条に測定光を照射する手段と、前記糸条からの反射光および/または透過光を受光する手段とを用いて、前記反射光および/または透過光の光強度から糸条の欠陥を検査する装置において、前記欠陥が単繊維が切れて絡み合い、前記糸条と異なる方向を含む複数の単繊維の集合体であって、前記測定光を照射する手段が、前記測定光を前記糸条の幅を超えた範囲に照射するものであり、かつ前記反射光および/または前記透過光を受光する手段が、前記糸条の幅を超えた受光面をもち、前記単繊維の集合体によって前記測定光が遮光されることによる前記反射光および/または前記透過光の光強度の減少を検出することで糸条の欠陥を検査するものであることを特徴とする糸条の欠陥検査装置。
  12. 被検査糸条の幅が10〜30mmであれば反射光を受光することにより、被検査糸条の幅が5mm以下であれば透過光を受光することにより、被検査糸条の幅が5〜10mmであれば反射光および/または透過光を受光することにより、糸条の欠陥を検査することを特徴とする請求項11に記載の糸条の欠陥検査装置を使用する糸条の欠陥検査方法。
JP2008013455A 2007-01-24 2008-01-24 糸条の欠陥検査方法および装置 Pending JP2008203251A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008013455A JP2008203251A (ja) 2007-01-24 2008-01-24 糸条の欠陥検査方法および装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007013504 2007-01-24
JP2008013455A JP2008203251A (ja) 2007-01-24 2008-01-24 糸条の欠陥検査方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008203251A true JP2008203251A (ja) 2008-09-04

Family

ID=39780899

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008013455A Pending JP2008203251A (ja) 2007-01-24 2008-01-24 糸条の欠陥検査方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008203251A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019203748A (ja) * 2018-05-22 2019-11-28 三菱ケミカル株式会社 繊維束の監視方法、この監視方法を用いた監視装置及び、この監視方法または監視装置を用いた繊維束の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019203748A (ja) * 2018-05-22 2019-11-28 三菱ケミカル株式会社 繊維束の監視方法、この監視方法を用いた監視装置及び、この監視方法または監視装置を用いた繊維束の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104374781B (zh) 用于监视纺织机上移动纱线的参数的cmos光学检测器
CA1071732A (en) Method for automatic fabric inspection
JP5195004B2 (ja) 走行糸条の検査方法、および、それを用いた炭素繊維の製造方法
JP4943237B2 (ja) 疵検査装置及び疵検査方法
EP3405776B1 (en) Yarn imaging device
KR20090021717A (ko) 원형 선재 광학결함 검출장치 및 방법
WO2007025350A1 (en) Fibre assessment apparatus and method
JP2015068670A (ja) シート状物の欠点検査装置およびシート状物の欠点検査方法
US7551284B2 (en) Method and device for the optical monitoring of a running fiber strand
CN115516146A (zh) 一种用于检测包括由包裹纤维和野生纤维绑在一起的来自平行纤维的芯的包缠纱的结构缺陷的方法、一种用于执行该方法的设备、一种用于该设备的计算机程序和一种具有该计算机程序的计算机可读介质
JP2008203251A (ja) 糸条の欠陥検査方法および装置
JP6244843B2 (ja) 繊維束の監視方法、この監視方法を用いた監視装置及び、この監視方法または監視装置を用いた繊維束の製造方法
JP2012122167A (ja) 繊維束の監視装置
JPH11279923A (ja) 不織布の製造方法及び装置並びに欠点検出装置
KR20180077889A (ko) 레이저 마이크로미터를 이용한 탄소섬유 토우의 폭 및 결함 특성 평가 방법
JP5637014B2 (ja) ガラス繊維物品の表面欠陥検出装置
Wang et al. Yarn break detection using an optical method in real time
JP3214416B2 (ja) 多心テープ光ファイバの画像処理方法、相対位置検出方法と検出装置、画像取得装置および製造方法
JP2000314707A (ja) 表面検査装置および方法
JP6447699B2 (ja) 繊維束の測定方法、この測定方法を用いた測定装置及び、この測定方法または測定装置を用いた繊維束の製造方法
US20240035924A1 (en) Inspection method for optical fiber, inspection device for optical fiber, and method for manufacturing optical fiber-wound bobbin
JP2021080607A (ja) 炭素繊維の製造方法
US20230026193A1 (en) Automatic Bobbin Control
JP2010078545A (ja) パッケージ上の糸条幅測定方法
JP2002243417A (ja) 糸条の形状特性の測定方法および測定装置並びに糸条の製造方法