JP2008199830A - 電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力変換器の数が少なくても歪みの少ない電圧波形を得ることを目的とする。
【解決手段】電圧指令値V2a、V2b、V2cに追従するように第1の直流電位群1に基づき第1の出力電圧を出力する第1の電力変換手段2、所定のサンプリング周期Ts毎に第1の電力変換手段2から出力する第1の出力電圧波形の平均値を演算し当該平均値をサンプリング周期Ts毎に連ねた波形の平均電圧値V1a’、V1b’、V1c’を推定して出力する電圧推定手段5、および電圧指令値V2a、V2b、V2cと平均電圧値V1a’、V1b’、V1c’との偏差に追従するように第2の直流電位群31a〜31cに基づき第2の出力電圧を出力する第2の電力変換手段32a〜32cを備え、第1の出力電圧に第2の出力電圧を重畳した電圧を、電圧指令値V2a、V2b、V2cに応答する電圧として第2の出力端子T2a、T2b、T2cから出力する。
【選択図】図1

Description

この発明は、直流電圧を交流電圧に変換して電動機などの負荷を駆動する電力変換装置に関するものである。
従来の電力変換装置では、負荷に出力する正弦波状の電圧をステップ状に制御していた(例えば、特許文献1参照)。電圧が異なる直流電源を備えた複数の電力変換器が直列に接続されて負荷に交流電圧を供給する。そして、それぞれの電力変換器は、直列に接続されて合成された電圧が階段状に変化して正弦波状となるように制御される。
例えば、それぞれの電力変換器が、Vdcの直流電圧を有し、それぞれが+Vdc、0、−Vdcの電圧を出力できる回路構成になっている。そして、出力電圧に0を出力する場合は、すべての電力変換器が0を出力し、+Vdcを出力するときは1つの電力変換器が+Vdcを、残りが0を出力する。+2Vdcを出力するときは、2つが+Vdcを出力すればよい。
この方法をさらに進め、異なる直流電圧を有する電力変換器を組み合わせ、例えば1段目の電力変換器が3Vdc、2段目の電力変換器がVdcの直流電圧を有する場合、+Vdcを出力する場合は、2段目の電力変換器で+Vdcを出力し、1段目が0を出力する。+2Vdcを出力する場合は、1段目で+3Vdcを出力すると共に2段目では−Vdcを出力して、合成された電圧を+2Vdcとする。
米国特許第3579081号
従来の電力変換装置では、複数の電力変換器を直列に接続しその合成出力電圧波形が階段状になるように制御されているため、歪みの少ない電圧を得るためには、その階段の数を増加する必要があり、その結果変換器の数が多くなり経済的に不利になるという問題があった。
この発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであり、電力変換器の数が少なくても歪みの少ない電圧波形を得ることを目的とする。
この発明に係る電力変換装置は、第1の直流電源、スイッチング素子のオンオフ動作により交流信号である電圧指令値に追従するように第1の直流電源に基づき第1の出力電圧を出力する第1の電力変換手段、所定のサンプリング周期毎に第1の電力変換手段から出力する第1の出力電圧波形の平均値を演算し当該平均値をサンプリング周期毎に連ねた波形の平均電圧値を推定して出力する電圧推定手段、第2の直流電源、およびスイッチング素子のオンオフ動作により電圧指令値と平均電圧値との偏差に追従するように第2の直流電源に基づき第2の出力電圧を出力する第2の電力変換手段を備え、
第1の出力電圧に第2の出力電圧を重畳した電圧を、電圧指令値に応答する電圧として出力するものである。
以上のように、この発明に係る電力変換装置は、第1の電力変換手段が出力する第1の出力電圧と電圧指令値との偏差を埋めるように第2の電力変換手段が第2の出力電圧を出力し、この第1の出力電圧に第2の出力電圧を重畳した電圧を最終の出力電圧とするので、特に、第2の電力変換手段は、最終の出力電圧の歪みを低減するように機能的に作用し、全体として、少ない電力変換手段で歪みの少ない電圧波形を得ることが出来る。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による電力変換装置を説明するための構成図である。第1の直流電源である第1の直流電位群1は、2つの電位P11とP12を持ち(P11>P12)、第1の電力変換手段2に接続されている。第1の電力変換手段2の直流側は第1の直流電位群1に、交流側は第1の出力端子T1a、T1b、T1cを介して第2の電力変換手段群3に接続されており、第2の電力変換手段群3から第2の出力端子T2a、T2b、T2cへ電圧を出力する。第2の出力端子T2a、T2b、T2cには、例えば、電動機などの負荷が接続されて駆動される。
先ず、全体構成の概要について説明する。
第2の出力端子T2a、T2b、T2cが発生すべき電圧指令値V2a、V2b、V2cを第1の電位選択手段4に入力し、第1の電位選択手段4は、第1の電力変換手段2のスイッチング状態S21、S22、S23を出力すると共に、スイッチングシーケンスSEQとスイッチング期間信号SWTを電圧推定手段5に出力する。
電圧推定手段5は、第1の出力端子T1a、T1b、T1cに出力される電圧(第1の出力電圧)の波形から後述する方法で平均電圧値V1a’、V1b’、V1c’を出力する。
減算手段7a、7b、7cは、平均電圧値V1a’、V1b’、V1c’と電圧指令V2a、V2b、V2cとの偏差を演算し、第2の電位選択手段6に入力する。
そして、第2の電位選択手段6は、第2の電力変換手段群3のスイッチング状態S31a、S32a、S31b、S32b、S31c、S32cを出力し、第2の電力変換手段32a、32b、32cが、第2の直流電源である第2の直流電位群31a、31b、31cの電位P3a1>P3a2、P3b1>P3b2、P3c1>P3c2を選択して電圧を出力する。そして、第2の出力端子T2a、T2b、T2cには、第1の電力変換手段2が出力する電圧(第1の出力電圧)に、第2の電力変換手段群3が出力する電圧(第2の出力電圧)が重畳された電圧が出力される。
図2は、本発明の実施の形態1による第1の電位選択手段4の詳細を説明するための構成図である。第2の出力端子T2aが発生すべき電圧の指令値V2aは、減算手段416a及び割り算手段402aで第1の直流電位群1の電位P11とP12との電位差で割り算して規格化し、減算手段403aでスイッチング期間信号SWT1aを演算しサンプルホールド手段407aを介して減算手段404aに入力される。
減算手段404aと、入力が負値のとき0、それ以外のとき1となる関数手段405aとで構成される比較手段により、サンプルホールドされたスイッチング期間信号SWT1a’と基準信号発生手段401aで発生した基準信号SWT0aとを比較した結果であるSW1aをスイッチングパターン選択手段406aに入力する。
スイッチングパターン選択手段406aでは、スイッチングパターンSEQaと比較結果SW1aとに基づき第1の電力変換手段2のスイッチング状態S21を出力する。
基準信号SWT0aは、サンプルホールド手段408aでサンプルされて、スイッチング期間信号SWT1a’と共に出力される(図中、SWTa’と示した信号)。スイッチングパターンSEQa、SEQb、SEQc(図中、SEQと示した信号)、スイッチング期間信号SWT1a’、SWT1b’、SWT1c’と基準信号SWT0a’、SWT0b’、SWT0c’は、電圧推定手段5に出力される(図中、SWT’と示した信号)。電圧指令値V2b、V2cからスイッチング状態S22、S23を出力する構成も同様である。
図3は、本発明の実施の形態1による電圧推定手段5の詳細を説明するための構成図である。状態推定手段52aは、スイッチングパターンSEQaとスイッチング期間信号SWTa’とを減算手段501a、502aに入力し、その出力を制限手段503a、504aを介して乗算手段505a、506aでSEQaの第1要素と第2要素をそれぞれ乗算する。
乗算手段505a、506aの出力は、加算手段507aで加算されて、除算手段508aで一定値Δで除算して所定のサンプリング期間Tsの平均スイッチング状態SSaを出力する。平均スイッチング状態SSaと第1の直流電位群1の電位P11とP12との電位差を乗算手段51aで乗算し、電位P12を加算手段53aで加算して平均電圧値V1a’を得る。
ここで得られた平均電圧値V1a’は、第1の出力端子T1aに出力される第1の出力電圧波形の平均値をサンプリング周期Ts毎に連ねた波形の電圧となる。
SEQb、SWTb’及びSEQc、SWTc’からV1b’、V1c’を演算する構成も同様である。
図4は、本発明の実施の形態1による第2の電位選択手段6の詳細を説明するための構成図である。電位選択手段6は、各相に同じ電位選択手段61a、61b、61cが構成されため、ここでは電位選択手段61aの構成を示す。減算手段603aと604a及び入力が負値のとき0、それ以外のとき1となる関数手段605a、606aで構成される比較手段には、電圧指令値V2aと平均電圧値V1a’との偏差をサンプルホールド手段607aで各サンプリング周期毎にホールドした信号と、信号発生手段601aで発生した基準信号SWT20aに第2の直流電位群31aの電位P3a1とP3a2との電位差を乗算手段602aで乗算した信号を入力し、第2の電力変換手段32aのスイッチング状態S31a、S32aを出力する。
次に、各部の動作について説明する。先ず、電圧指令値V2aからスイッチング状態S21、S22、S23を出力し、第1の電力変換手段2が第1の出力端子T1aに電位を出力する動作を説明する。
電圧指令値V2aは、第1の直流電位群1の電位P12からP11の範囲の大きさを持つ交流信号(固定周波数または直流成分を含む可変周波数の交流信号)である。これを減算手段416aで電位P12を減算し、割り算手段402aで電位差P11−P12で割り算すると、0〜1の規格化された大きさを持つ信号が得られ、減算手段403aではその信号の反転に1を加算しスイッチング期間信号SWT1aを演算する。
図5に、各部の波形の一例を説明するグラフを示す。正弦波状の電圧指令値V2aと演算された正弦波状信号SWT1aをサンプルホールドした信号SWT1a’とが1段目及び2段目のグラフに示されている。信号発生手段401aの発生する信号SWT0aも図5の2段目のグラフに示されている。図5の3段目には、2段目の時間拡大波形が示されており、SWT1a’、SWT0aが、減算手段404a及び関数手段405aにより比較される。そして、SWT1a’がSWT0aよりも大きい場合は、SW1aが0となり、逆に、SWT0aが大きい場合はSW1aが1となる様子が4段目に示されている。スイッチングパターン選択手段406aでは、SW1aの値に応じて、SEQa=(0,1)の要素を参照する。即ち、SW1aが0のときはSEQaの第1番目の要素0、SW1aが1のときは第2番目の要素1を参照し、その値をS21に出力する。
このように動作して電圧指令値V2aがP12に近いときはP12の電位をとる時間を長く、V2aがP11に近いときはP11の電位をとる時間が長くなるように、その中間ではV2aに比例した配分でP11及びP12をとる時間をS21にスイッチング状態として与えられる。これにより、SWT0aの繰り返し周期間の時間的な平均電位が電圧指令値V2aに比例した値となる電圧を第1の出力端子T1aに出力することができる。
電圧指令値V2bとV2cとからスイッチング状態S22、S23が与えられる動作も同様である。
そして、S21のスイッチング状態に応じて、第1の電力変換手段2では、S21が0のときには第1の直流電位群1の低い電位P12を、S21が1のときには第1の直流電位群1の高い電位P11を第1の出力端子T1aに出力する。同様に、S22、S23のスイッチング状態に応じてそれぞれ第1の出力端子T1b、T1cにP11かP12の電位が出力される。このように動作して、電圧指令値V2a、V2b、V2cに比例した電位が第1の出力端子T1a、T1b、T1cに出力される。
次に、電圧推定手段5の動作を説明する。第1の電位選択手段4でサンプリングしたSWT0a’及びSWT1a’を入力し、減算手段501aでは、SWT1a’からSWT0a’を減算して制限手段503aで0からΔの範囲に制限する。ここで、ΔはTs間でSWT0a’が増加する変化量であり、SWT0a’の繰り返し周期をTとすれば、Ts/Tに相当する。減算手段502aでは、SWT0a’にΔを加算してSWT1a’を減算している。これは、1サンプル後のSWT0a’を推定した値からSWT1a’を減算していることに相当する。減算手段502aの出力も制限手段504aで0からΔの範囲に制限する。これにより、例えば、SWT1a’がSWT0a’+Δ以上の場合は、制限手段503aの出力はΔ、制限手段504aの出力は0となる。SWT1a’がSWT0a’+Δよりも小さくSWT0a’以上の場合は、制限手段503aの出力はSWT1a’−SWT0a’、制限手段504aの出力はSWT0a’+Δ−SWT1a’となる。SWT1a’がSWT0a’よりも小さい場合は、制限手段503aの出力は0、制限手段504aの出力はΔとなる。
従って、制限手段503aと504aの出力は、Ts期間においてスイッチングパターンSEQaの第1要素と第2要素とをとる時間配分を表すことになる。乗算手段505a及び506aでは、SEQaの第1要素0と制限手段503aの出力、SEQaの第2要素1と制限手段504aの出力を乗算し、加算手段507aで加算した後、除算手段508aでΔで除算すると、スイッチング期間Tsにおける平均スイッチング状態SSaとなる。
一例として、図6に波形を示す。この例では、SWT0a’の繰り返し周期Tに対してサンプリング周期Tsは1/8である。最初の3サンプリング周期では、SWT1a’はSWT0a’以上であり、各サンプリング周期における平均スイッチング状態SSaはSEQaの第1要素に等しく0である。第4サンプリング周期では、サンプリング周期内でSWT0a’とSWT1a’が交差してスイッチング状態が変化するが、SWT0a’及びSWT0a’+ΔとSWT1a’の関係から、SEQaの第1要素と第2要素の中間的な値となる。第5から第8サンプリング周期では、SWT1a’はSWT0a’よりも小さく、平均スイッチング状態SSaは1となる。図6の2段目のグラフに平均スイッチング状態SSaの例を示している。そして、平均スイッチング状態SSaと第1の直流電位群1の電位差P11−P12を乗算手段51aで乗算し、加算手段53aで電位P12を加算すると第1の出力端子T1aに出力される電位をサンプリング周期Tsで平均化した平均電位値V1a’として推定される。その波形例を図6の3段目に示す。
すなわち、平均電位値V1a’の波形は、サンプリング周期毎に第1の電力変換手段2から出力する第1の出力電圧波形の平均値を演算し当該平均値をサンプリング周期毎に連ねた波形となる。
次に、第2の電位選択手段6の動作について説明する。電圧指令値V2aから電圧平均値V1a’を減算した結果を第2の電力変換手段32aが出力すべき電圧指令値とし、サンプルホールド手段607aによりサンプルホールドされてSWT21a’を出力する。信号発生手段601aにより発生したサンプリング周期Tsを周期とする三角波状の基準信号SWT20aに第2の直流電位群31aの電位差を乗算手段602aで乗算してSWT22aとし、減算手段603a、604aと関数手段605a、606aとで構成される比較手段によりSWT21a’と比較される。
関数手段605aの出力は、SWT21a’がSWT22a以上の場合1、SWT21a’がSWT22aよりも小さい場合は0となる。関数手段606aは、SWT21a’の符号を反転した信号がSWT22a以上のときは1、それより小さいときは0を出力する。これにより、SWT21a’の正側では関数手段605aが1または0で関数手段606aは0、負側では逆に関数手段605aが0で関数手段606aが1または0となる。関数手段605a、606aの出力は、それぞれスイッチング状態S31aとS32aとなり、第2の電力変換手段32aのスイッチング状態となる。
図6の4段目にSWT21a’とSWT22a及びその符号反転、5段目、6段目にスイッチング状態S31a、S32aの一例をそれぞれ示している。スイッチング状態S31aが1のときは出力端子T2aに電位P3a1を、0のときは電位P3a2を接続する。同様に、スイッチング状態S32aが1のときは出力端子T1aに電位P3a1を、0のときは電位P3a2を接続する。そして、第2の電力変換手段32aは、出力端子T2aとT1aとの間に、図6の7段目に示すような電圧を印加する。これにより、第2の電力変換手段32aがサンプリング周期Ts毎の平均電位が電圧指令値V2aと平均電圧値V1a’との差と一致する電圧を出力端子T2aとT1aとの間に出力する。従って、出力端子T2aには、サンプリング周期Ts毎の平均電位値が電圧指令値V2aと一致する電圧が出力される。
電圧指令値V2b、V2cと平均電圧値V1b’、V1c’とからS31b、S32b及びS31c、S32cが出力される動作も同様である。
平均電位が電圧指令値V2aと一致するように動作する効果を示すために、図7に瞬時値比較のPWM方式による動作の一例を示す。図7の一段目は、第1の電力変換手段2を制御するための三角波比較キャリア信号と電圧指令値V2aが示されている。2段目は、キャリア信号と電圧指令値との比較により生成されるパルスにより発生した第1の電力変換手段2から出力されるパルス状の電圧である。
第2の電力変換手段群3の電圧指令値は、図7の2段目の電圧指令値V2aとパルス状電圧との差分となり、3段目の波形に相当する。第2の電力変換手段32aのPWMのためのキャリア信号と電圧指令値(V2a−V1a)により4段目のパルスが生成される。この4段目のパルスは、スイッチング期間での平均値を4段目に実線示しているが、破線が電圧指令値(V2a−V1a)であり差が生じている。PWMによる電圧はスイッチング周期間の平均電圧として発生するため、本実施例に示すように平均電位をV2aと一致するように動作すると指令値に対する偏差を小さくすることができる。
以上のように動作して、第1の電力変換手段2が出力する電位を補正するように第2の電力変換手段群3が動作して出力端子T2a、T2b、T2cには電圧指令値V2a、V2b、V2cに一致した電位が出力されて負荷に電圧を供給することができる。
第1の電力変換手段2が端子T1a、T1b、T1cに出力する電圧の基本波成分は、負荷が必要とする基本波成分にほぼ一致しており、主たるエネルギーは第1の直流電位群1から負荷へ供給される。従って、第2の直流電位群31a、31b、31cが必要とするエネルギーは最小限にとどめることができる。
本発明の実施の形態1によれば、出力端子T2a、T2b、T2cのサンプリング周期間の平均電圧をその電圧指令値V2a、V2b、V2cに一致させることができることから、サンプリング周期を有するプロセッサによる実現に適しているが、同等の内容をアナログ制御回路に代表される連続時間系でも実現は可能である。
基準信号SWT0aの繰り返し周期Tとサンプリング周期Tsとの関係は任意であるが、第1の電力変換手段2のスイッチ動作回数と第2の電力変換手段群3のスイッチ動作回数に係わり、スイッチ動作回数に差を付けることでそれぞれに対して適切な電力変換手段を選択することができる。
例えば、第1の直流電位群1の電位差に対して、第2の直流電位群の電位差を小さくし、第1の電力変換手段2は電圧が高く少ないスイッチング頻度に適した電力変換手段、第2の電力変換手段群3は電圧が低く多いスイッチング頻度に適した電力変換手段を選択するというように最適なシステム構成を得ることができる。また、第2の電力変換手段群3が第1の電力変換手段2の電圧を補正するように動作することから、T>Tsの関係で動作するのがより好ましく、出力端子T2a、T2b、T2cの電位を電圧指令値V2a、V2b、V2cに精度良く制御することができる。
さらに、第1の電位選択手段4の基準信号SWT0aは、他の信号波形でもよく、例えば、第2の電位選択手段6の基準信号SWT20aのように三角波として、スイッチングパターンをSEQa=(0,1,0)としても同様の効果を得ることができる。
また、基準信号SWT20aの周期はかならずしもサンプリング周期Tsである必要はなく、違う周期でも動作し同様の効果がある。
また、第1の電力変換手段2が第1の直流電位群1の電位を出力端子T1a、T1b、T1cへ出力する方法は、スイッチング状態S21、S22、S23により制御することができればよく、例えば、トランジスタ、サイリスタ、ダイオードといった電力半導体を使って構成することができる。
さらに、本実施例では3相の例を示したが、その構成図から明らかなように各相に同じ制御手段が構成されていることから、3相に限定された発明ではなく3相以外でも容易に構成することができる。
実施の形態2.
図8は、本発明の実施の形態2による電力変換装置を説明するための構成図である。なお、この実施の形態2は、公知である、いわゆる瞬時空間電圧ベクトルの理論を適用した制御を適用する。従って、ここでは、上記理論に係る細部の内容で公知の部分は、適宜説明を割愛するものとする。
第1の直流電位群1は、2つの電位P11とP12を持ち(P11>P12)、第1の電力変換手段2に接続されている。第1の電力変換手段2の直流側は第1の直流電位群1に、交流側は第1の出力端子T1a、T1b、T1cを介して第2の電力変換手段群3に接続されて、第2の電力変換手段群3から第2の出力端子T2a、T2b、T2cへ電圧を出力する。第2の出力端子T2a、T2b、T2cには、例えば、電動機などの負荷が接続されて駆動される。
第2の出力端子T2a、T2b、T2cが発生すべき多相電圧指令値V2a、V2b、V2cを直交二相のベクトルで表した電圧指令ベクトル(V2x、V2y)を第1の電位選択手段4Aに入力し、第1の電位選択手段4Aは、第1の電力変換手段2のスイッチング状態S21、S22、S23を出力すると共に、スイッチングシーケンスSEQとスイッチング期間信号SWTを電圧推定手段5Aに出力する。
多相交流信号と直交二相との関係は、例えば、複素数表現では下式となる。
V2xy=Kc(V2a+V2bexp(j2π/3)+V2cexp(j4π/3))
実数部をx、虚数部をyとすれば、下式で定義することが出来る。
V2x=Kc(V2a−V2b/2−V2c/2)
V2y=Kc(√3)(V2b−V2c)/2
ここで、Kcは係数であり、2/√3のとき(V2x、V2y)の大きさが交流信号V2a、V2b、V2cのピーク値の√3(相間信号のピーク値)に相当する。
電圧推定手段5Aは、第1の出力端子T1a、T1b、T1cに出力される平均電圧値を直交二相で表したベクトル(V1x’、V1y’)を出力し、電圧指令値V2x、V2yと減算手段7により偏差をとり第2の電位選択手段6Aに入力する。そして、第2の電位選択手段6Aは、第2の電力変換手段群3のスイッチング状態S31a、S32a、S31b、S32b、S31c、S32cを出力し、第2の電力変換手段32a、32b、32cが、第2の直流電位群31a、31b、31cの電位P3a1>P3a2、P3b1>P3b2、P3c1>P3c2を選択して電圧を出力し、第2の出力端子T2a、T2b、T2cには、第1の電力変換手段2が出力する電圧に、第2の電力変換手段群3が出力する電圧が重畳された電圧が出力される。
図9は、本発明の実施の形態2による第1の電位選択手段4Aの詳細を説明するための構成図である。第2の出力端子T2a、T2b、T2cが発生すべき電圧の指令値を直交二相で表したベクトル(V2x、V2y)は、振幅演算手段409で振幅を演算して、割り算手段402で第1の直流電位群1の電位P11とP12との電位差にゲイン415を乗じた信号で割り算して規格化し、スイッチング期間演算手段413に入力する。
電圧指令値ベクトル(V2x、V2y)は、位相演算手段410で位相を演算し、位相区間演算手段412と区間位相演算手段411とを介してスイッチング期間演算手段413に入力される。スイッチング期間演算手段413は、スイッチング期間信号SWT1a、SWT1b、SWT1cを演算し、サンプルホールド手段407a、407b、407cを介して減算手段404a、404b、404cに入力される。
減算手段404a、404b、404c及び入力が負値のとき0、それ以外のとき1となる関数手段405a、405b、405cで構成される比較手段により、スイッチング期間信号SWT1a、SWT1b、SWT1cと基準信号発生手段401で発生した基準信号SWT0とを比較した結果、SW1a、SW1b、SW1cをスイッチングパターン選択手段406に入力する。スイッチングパターン選択手段406では、位相区間演算手段412に応じてスイッチングパターン発生手段414で発生したスイッチングパターンSEQと比較結果SW1a、SW1b、SW1cとに基づき第1の電力変換手段2のスイッチング状態S21、S22、S23を出力する。基準信号SWT0はサンプラー408でサンプルホールドされて、同様にサンプルホールドされたスイッチング期間SWT1a’、SWT1b’、SWT1c’と共に電圧推定手段5に出力される(図中、信号SWT‘と示した信号)。
図10は、本発明の実施の形態2による電圧推定手段5Aの詳細を説明するための構成図である。スイッチングパターンSEQのシーケンス毎に電圧行列Vabcと電圧ベクトル変換手段509a、509b、509c、509dで乗算されて電圧ベクトルV1xy、V2xy、V3xy、V4xyを得る。スイッチング期間信号SWT1a’、SWT1b’、SWT1c’は、減算手段501a、501b、501cで基準信号SWT0’を減算し、リミッタ手段503a、503b、503cで制限する。制限された信号は、減算手段501d、501e、501f及び乗算手段505a、505b、505c、505dで乗算、減算して加算手段507で合成して各ベクトルが選択されている期間TV1xy’、TV2xy’、TV3xy’、TV3xy’を演算する。
そして、除算手段508で正規化して所定期間の平均ベクトル(SSx’、SSy’)を演算し、第1の直流電位群1の電位差P11−P12にゲイン510を乗じた信号と乗算手段51で乗算し平均電位ベクトル(V1x’、V1y’)を出力する。
図11は、本発明の実施の形態2による第2の電位選択手段6Aの詳細を説明するための構成図である。電圧指令値ベクトル(V2x、V2y)と平均電位値ベクトル(V1x’、V1y’)との差ベクトルを振幅演算手段608及び位相演算手段609に入力する。振幅演算手段608の出力は、第2の直流電位群31a、31b、31cの電位P3a1とP3a2、P3b1とP3b2、P3c1とP3c2の差を加算手段611で加算した後ゲイン610を乗じた信号で除算手段612により除算され、スイッチング期間演算手段615に入力される。
位相演算手段609の出力は、位相区間演算手段614と区間位相演算手段613とを介してスイッチング期間演算手段615に入力される。スイッチング期間演算手段615は、スイッチング期間信号SWT21a、SWT21b、SWT21c、SWT21d、SWT21e、SWT21fを演算し、サンプルホールド手段607a、607b、607c、607d、607d、607fを介して(図中、SWT21a’、SWT21b’、SWT21c’、SWT21d’、SWT21e’、SWT21f’と示す信号)、減算手段604a、604b、604c、604d、604e、604fに入力される。
減算手段604a、604b、604c、604d、604e、604f及び入力が負値のとき0、それ以外のとき1となる関数手段605a、605b、605c、605d、605e、605fで構成される比較手段により、サンプルホールドされたスイッチング期間信号SWT21a’、SWT21b’、SWT21c’、SWT21d’、SWT21e’、SWT21f’と基準信号発生手段601で発生した基準信号SWT20とを比較した結果SW21a、SW21b、SW21c、SW21d、SW21e、SW21fをスイッチングパターン選択手段617に入力する。スイッチングパターン選択手段617では、位相区間演算手段614、位相演算手段613及び電圧指令の振幅V2kに応じてスイッチングパターン発生手段616で発生したスイッチングパターンSEQ2と比較結果SW21a、SW21b、SW21c、SW21d、SW21e、SW21fとに基づき第2の電力変換手段群3のスイッチング状態S31a、S32a、S31b、S32b、S31c、S32cを出力する。
次に、各部の動作について説明する。先ず、電圧指令値ベクトル(V2x、V2y)からスイッチング状態S21、S22、S23を出力し、第1の電力変換手段2が第1の出力端子T1a、T1b、T1cに電位を出力する動作を説明する。
V2xとV2yは、直交する交流信号であり、例えば、下式のように与えることが出来る。
V2x=Vcos(θ
V2y=Vsin(θ
振幅演算手段409では、V2xとV2yとの2乗和の平方根を演算する。これにより振幅演算手段409の出力はVとなる。そして、割り算手段402でK(P11−P12)で割り算してV2kを出力する。ここで、Kは、電圧指令値ベクトルのレベルに応じて設定される定数であるが、例えば、Vの最大値が第1の出力端子T1a、T1b、T1cに出力される交流電圧の基本波線間ピーク値とすれば、その最大値がP11−P12となりK=1とすればV2kの最大値が1.0となる。
位相演算手段410では、V2y/V2xの逆正接を演算し、その出力は0〜2πの範囲の位相θとなる。第1の直流電位群1の2つの電位差P11−P12に対して、第1の電力変換手段2のスイッチS21、S22、S23の状態に応じて、第1の出力端子T1a、T1b、T1cには8個の電圧ベクトルv0、v1、v2、v3、v4、v5、v6、v7が出力される。
S21のスイッチング状態に応じて、第1の電力変換手段2では、S21が0のときには第1の直流電位群1の低い電位P12を、S21が1のときには第1の直流電位群1の高い電位P11を第1の出力端子T1aに出力する。同様に、S22、S23のスイッチング状態に応じてそれぞれ第1の出力端子T1b、T1cにP11かP12の電位が出力される。
第1の出力端子T1a、T1b、T1cの電位をP1a、P1b、P1cとして、(2P1a−P1b−P1c)/√3を横軸、(P1b−P1c)を縦軸とする平面を考えると、スイッチの状態(S21、S22、S23)により図12に示すように8個の点が描画される。各電圧ベクトルのスイッチ状態は、v0:(0,0,0)、v1:(1,0,0)、v2:(0,1,0)、v3:(1,1,0)、v4:(0,0,1)、v5:(1,0,1)、v6:(0,1,1)、v7:(1,1,1)であり、v0とv7は平面上では同一の点(原点)となる。この平面上で、電圧指令値ベクトルは、V2xを横軸、V2yを縦軸とする値となり、交流信号の振幅が一定のときは平面上の軌跡が円となる。
位相区間演算手段412では、位相θに応じてπ/3毎の位相区間を0、1、2、…、5の整数で出力する。すなわち、0≦θ<π/3のときNth2=0、π/3≦θ<2π/3のときNth2=1となる。区間位相演算手段411では、位相区間毎の位相を0〜π/3に制限してV2thを出力する。従って、位相θ=V2th+Nth2π/3の関係が成り立つ。スイッチングパターン発生手段414では、各位相区間について、スイッチングパターンを出力する。位相θが0〜π/3の場合、(v0、v1、v3、v7)、π/3〜2π/3では(v0、v2、v3、v7)、2π/3〜πでは(v0、v2、v6、v7)、3π/3〜4π/3では(v0、v4、v6、v7)、4π/3〜5π/3では(v0、v4、v5、v7)、5π/3〜2πでは(v0、v1、v5、v7)をSEQに出力する。
スイッチング期間演算手段413では、第1の出力端子T1a、T1b、T1cに出力するベクトルの推移を表すスイッチングパターンSEQに関係してスイッチング期間信号SWT1a、SWT1b、SWT1cを出力する。スイッチングパターンSEQがT期間で完結するとすれば、SWT1aはスイッチングパターンの第1要素のベクトルを継続する期間のT期間の比、SWT1bはSWT1aに加えてパターンの第2要素のベクトルが継続する期間のT期間の比、SWT1cはさらにパターンの第3要素のベクトルが継続する期間のT期間の比を加え出力する。位相区間が0のときのスイッチングパターンは(v0、v1、v3、v7)であるから、前述した平面では原点(v0及びv7)と2つの点v1、v3とを選択しており、これら3つの点による時間平均が電圧指令値ベクトルとなるように、それぞれの点(ベクトル)が継続する時間配分を電圧指令値の振幅V2kと位相V2th及び位相区間Nth2に応じて与える。電圧ベクトルv0、v1、v3、v7それぞれの期間をTv0、Tv1、Tv3、Tv7とすると、電圧ベクトルの時間平均v’は下式で表すことが出来る。
v’=(v0・Tv0+v1・Tv1+v3・Tv3+v7・Tv7)/T
スイッチング期間信号SWT1aは、周期Tsのサンプルホールド手段407aでTs期間一定となる信号SWT1a’に変換し、基準信号発生手段401が出力する三角波SWT0との差を減算手段404aで求めて、関数手段405aで0または1の大きさを持つ信号SW1aに変換する。これにより、SWT1a’が基準信号SWT0より小さい場合はSW1aが0、逆に大きいか等しい場合にはSW1aが1となる。SWT1b、SWT1cも同様にサンプルホールド手段407a、407c、減算手段404b、404c、関数手段405b、405cにより基準信号SWT0と比較されて0または1の大きさを持つ信号SW1b、SW1cを求める。
そして、スイッチングパターン選択手段406では、SW1a、SW1b、SW1cに応じて、スイッチングパターンSEQの電圧ベクトルを選択してスイッチング状態S21、S22、S23を出力する。(SW1a、SW1b、SW1c)は基準信号SWT0が大きくなるに従い、(0,0,0)→(1,0,0)→(1,1,0)→(1,1,1)と推移し、(0,0,0)のときSEQの最初の電圧ベクトル、(1,0,0)のとき2番目、(1,1,0)のとき3番目、(1,1,1)のとき4番目の電圧ベクトルを選択する。(0,0,0)から(1,0,0)へ遷移する期間はSWT1a’に、(1,0,0)から(1,1,0)へ遷移するまでの期間はSWT1b’−SWT1a’に、(1,1,0)から(1,1,1)へ遷移するまでの期間はSWT1c’−SWT1b’に依存するが、それらはSEQの電圧ベクトルが持続すべき期間に相当する。
基準信号SWT0が減少する場合は、逆に(1,1,1)→(1,1,0)→(1,0,0)→(0,0,0)と推移してSEQの4番目から1番目の電圧ベクトルへ向かい選択される。そして、選択された電圧ベクトルに応じてスイッチング状態が出力される。これより第1の出力端子T1a、T1b、T1cには、基準信号SWT0の1/2周期間の平均電圧ベクトルが電圧指令値ベクトルとなるように動作する。この方法は、既述した通り、瞬時空間電圧ベクトルPWMとして知られている。
スイッチング期間信号SWT1a’、SWT1b’、SWT1c’と基準信号SWT0とをサンプル手段408によりサンプリング周期Tsでサンプリングした信号SWT0’は電圧推定手段5Aへ出力する(図中、SWT’として示した信号)。
次に、電圧推定手段5Aの動作について説明する。スイッチング期間信号SWT1a’から基準信号サンプリングしたSWT0’を減算手段501aで減算する。そして、リミット手段503aで最小値0、最大値Δで制限する。Δは、周期Tsと基準信号SWT0の三角波半周期との比率であり、SWT0’がTs期間に変化する大きさに等しい。
SWT1a’−SWT0’がΔ以上の場合、Ts期間内では電圧ベクトルの変化は発生せず、SEQの第1番目の電圧ベクトルが出力される。SWT1a’−SWT0’が0以下の場合は、Ts期間でSEQの第1番目の電圧ベクトルが出力されないことを意味している。SWT1a’−SWT0’が0よりも大きくΔよりも小さい場合は、Ts期間の一部でSEQの第1番目の電圧ベクトルを出力し、残りの期間で他の電圧ベクトルを出力する。さらに、スイッチング期間信号SWT1b’は、減算手段501bとリミット手段503bとにより演算されて、SWT1b’−SWT0’がΔよりも大きい場合は、残りの期間が第2番目の電圧ベクトルを出力し、減算手段501dによりその期間が演算される。同様にして、第3番目、第4番目の電圧ベクトルを出力する期間を減算手段501e及び501fが出力する。
一方、電圧ベクトル変換手段509aでは、SEQの第1要素である第1番目の電圧ベクトルを直交座標に変換する。V1xyは、第1要素がv0またはv7の場合は(0,0)、v1の場合は(2/√3,0)、v2の場合は(−1/√3,1)、v3の場合は(1/√3,1)、v4の場合は(−1/√3,−1)、v5の場合は(1/√3,−1)、v6の場合は(−2/√3,0)となる。
V2xy、V3xy、V4xyも同様にベクトル変換手段509b、509c、509dにより第2,3,4番目の電圧ベクトルの座標となる。そして、第1番目の電圧ベクトルの期間に相当するリミット手段503aの出力とV1xy、第2番目の電圧ベクトルの期間に相当する減算手段501dの出力とV2xy、第3番目の電圧ベクトルの期間に相当する減算手段501eの出力とV3xy、そして第4番目の電圧ベクトルの期間に相当する減算手段501fの出力とV4xyをそれぞれ乗算手段505a、505b、505c、505dで乗算して加算手段507で加算した後、除算手段508でΔで除算するとTs期間の平均電圧値ベクトルの座標値(SSx’、SSy’)が得られる。
さらに、乗算手段51でK(P11−P12)と乗算して、Ts期間の平均電圧値ベクトル(V1x’、V1y’)が演算される。ゲイン510の値は、ゲイン415と同じ値である。
図14に、スイッチング期間信号SWT1a’、SWT1b’、SWT1c’から平均電圧値ベクトルの座標値(SSx’、SSy’)を演算するまでの波形例を示す。ここでは、スイッチング期間演算手段413で演算されたSWT1a’、SWT1b’、SWT1c’が一定としており、それぞれ0.1、0.3、0.9の値を持つとしている。図は、位相区間0のときであり、スイッチングパターンは(v0、v1、v3、v7)である。また、TsはSWT0の半周期の1/4の場合を示している。SWT1a’、SWT1b’、SWT1c’とSWT0との交点でベクトルが推移し、スイッチング状態S21、S22、S23が決定される。
そして、第1番目のTs期間では、SWT1a’が0.1であるから電圧ベクトルv0が選択されている期間はTV1xy’=0.1、SWT1b’はSWT0の大きさ1.0の1/4である0.25よりも小さいため、この制御期間でv1が選択されている期間はTV2xy’=0.25−0.1=0.15となる。
次の制御周期では、TV2xy’=0.05、TV3xy’=0.2、その次はTV3xy’=0.25、そして4番目の制御周期ではTV3xy’=0.15、TV4xy’=0.1となる。これにより、平均電圧値ベクトルの座標値は、図14に示すような値が演算される。そして、平均電位値ベクトル(V1x’、V1y’)を得るが、その一例を図15に示す。
電圧指令値ベクトル(V2x、V2y)から図14のような処理を経て、図15の(V1x’、V1y’)が演算される。そして、これらの差を第2の電位選択手段6Aに入力して第2の電力変換手段群3で指令値に応じた電圧が出力されて第2の出力端子T2a、T2b、T2cには電圧指令値ベクトルに一致した電圧が出力される。
次に、第2の電位選択手段6Aの動作を説明する。基本的な動作は電位選択手段4Aと同様であるが、(S31a、S31b、S31c、S32a、S32b、S32c)のスイッチング状態により第1の出力端子T1a、T1b、T1cと第2の出力端子T2a、T2b、T2cとの間に出力する電圧ベクトルは、図13に示すように64個となる。
第1の出力端子T1a、T1b、T1cと第2の出力端子T2a、T2b、T2cとの電位差をV12a、V12b、V12cとして、(2V12a−V12b−V12c)/√3を横軸、(V12b−V12c)を縦軸とする平面を考えると、直流電位差P31a−P32a、P31b−P32b、P31c−P32cが等しい場合、64個の電圧ベクトルは平面上で同一の点が複数存在して19個の点となる。電圧指令値ベクトル(V2x、V2y)と平均電位値ベクトル(V1x’、V1y’)との差ベクトルから振幅演算手段608、位相演算手段609、ゲイン610、除算手段612、区間位相演算手段613、位相区間演算手段614により振幅V21k、位相V21th及び区間Nth21を得る動作は、電位選択手段4Aの振幅V2k、V2th、Nth2を得る動作と同様である。
第2の電力変換手段群3には、3つの独立した電位群P31aとP32a、P31bとP32b及びP31cとP32bを持つ。このため、加算手段611で電位群の電位差を加算してゲイン610をK=(1/3)・(1/2)とすればV2thがπ/6で、V21kが最大1.0となる。
スイッチング期間演算手段615では、出力する電圧ベクトルの推移を表すスイッチングパターンSEQ2に関係してスイッチング期間信号SWT21a、SWT21b、SWT21c、SWT21d、SWT21e、SWT21fを出力する。スイッチングパターンSEQ2がTs期間で完結し、SWT21aはスイッチングパターンSEQ2の第1要素のベクトルを継続する期間のTs期間に対する比、SWT21bはスイッチングパターンSEQ2の第2要素のベクトルを継続する期間のTs期間に対する比をSWT21aに加えた信号、さらにSWT21cはスイッチングパターンSEQ2の第3要素のベクトルを継続する期間のTs期間に対する比を加えた信号というように順次電圧ベクトルを継続する期間のTs期間に対する比を加えてSWT21a〜SWT21fが7つの電圧ベクトルに対して決定される。
スイッチングパターンは、位相区間毎に4つの領域について設定される。V21k<1/(2sin(π/3+V21th))を領域0、1/(2sin(π/3−V21k))≦V21k<1/(sin(π/3+V21th))を領域1、1/(2sin(V21k))≦V21k<1/(sin(π/3+V21th))を領域3、1/(2sin(π/3+V21th))≦V21k<1/(2sin(π/3−V21k))かつV21k<1/(2sin(V21k))を領域2とする。
例えば、位相区間Nth21が0で領域が0のときのスイッチングパターンSEQ2は(x0、x1、x3、x7、x3、x1、x0)、領域1は(x48、x49、x51、x55、x51、x49、x48)、領域2は(x32、x33、x37、x39、x37、x33、x32)、領域3は(x32、x33、x35、x39、x35、x33、x32)であり、それぞれの領域は平面上で3つの点で囲まれている。そして、これら3つの点による時間平均が電圧指令値ベクトル(V12x,V12y)になるように、それぞれの点が継続する時間配分を決定する。それぞれの点は、複数の電圧ベクトルまたは同じ電圧ベクトルを複数回使っており、それぞれの点の時間配分をさらに各電圧ベクトルが継続する期間に配分する。
スイッチング期間信号SW21aは、周期Tsのサンプルホールド手段607aでTs期間一定となる信号に変換し、基準信号発生手段601が発生する基準信号SWT20との差を減算手段603aで求めて、関数手段605aで0または1の大きさを持つ信号SW21aに変換する。これにより、SWT21aがSWT20より小さい場合はSW21aが0、逆に大きいか等しい場合はSW21aが1となる。同様に、SWT21b〜SWT21fはサンプルホールド手段607b〜607f、減算手段603a〜603f、関数手段605a〜605fにより基準信号SWT20と比較されて0または1の大きさを持つ信号SW21b〜SW21fに変換される。
そして、スイッチングパターン選択手段617では、SW21a〜SW21fに応じて、スイッチングパターンSEQ2の電圧ベクトルを選択してスイッチング状態S31a〜S32cを出力する。(SW21a、SW21b、SW21c、SW21d、SW21e、SW21f)は基準信号SWT20が大きくなるに従い、(0,0,0,0,0,0)→(1,0,0,0,0,0)→(1,1,0,0,0,0)→(1,1,1,0,0,0)→(1,1,1,1,0,0)→(1,1,1,1,1,0)→(1,1,1,1,1,1)と推移し、(0,0,0,0,0,0)のときSEQ2の1番目の電圧ベクトル、(1,0,0,0,0,0)は2番目、(1,1,1,1,1,1)は7番目の電圧ベクトルを選択する。
(0,0,0,0,0,0)から(1,0,0,0,0,0)へ推移する時間はSW21aに、(1,0,0,0,0,0)から(1,1,0,0,0,0)へ推移する時間はSW21b−SW21aに比例するというように、それぞれに対応する電圧ベクトルが持続すべき期間に比例する。
例えば、位相区間Nth21が0で領域が0のとき、(S31a、S31b、S31c、S32a、S32b、S32c)は(0,0,0,0,0,0)→(1,0,0,0,0,0)→(1,1,0,0,0,0)→(1,1,1,0,0,0)→(1,1,0,0,0,0)→(1,0,0,0,0,0)→(0,0,0,0,0,0)と推移してスイッチング状態が第2の電力変換手段群3へ出力される。
第2の電力変換手段群3では、例えば、S31aが1、S32aが0のときは、出力端子T2aとT1aとの間に電位差P3a1−P3a2を、S31aが0、S32aが1のときは−(P3a1−P3a2)を、それ以外は0を出力する。これにより、第2の出力端子T2a、T2b、T2cと第1の出力端子T1a、T1b、T1cとの間にはTs期間の平均電圧値ベクトルが電圧指令値ベクトル(V12x,V12y)となるように動作する。
以上のように動作して、第1の電力変換手段2が出力する電位を補正するように第2の電力変換手段群3が動作して第2の出力端子T2a、T2b、T2cには電圧指令値V2a、V2b、V2cに一致した電位が出力されて負荷に電圧を供給することができる。
第1の電力変換手段2の出力できる範囲は、図12の範囲、また第2の電力変換手段群3が出力できる範囲は、図13に示す範囲であり、これらの平面上で制御することにより第1の直流電位群1、第2の直流電位群31a、31b、31cに対して最大限に出力可能な正弦波状の電圧を得ることができる。
第1の電力変換手段2が第1の出力端子T1a、T1b、T1cに出力する電圧の基本波成分は、負荷が必要とする基本波成分にほぼ一致しており、主たるエネルギーは第1の直流電位群1から負荷へ供給される。従って、第2の直流電位群31a、31b、31cが必要とするエネルギーは最小限にとどめることができる。
本実施例では、スイッチングパターンSEQ2は7つの電圧ベクトルで構成したが、図13の平面上で電圧指令値ベクトルV12xを囲む3つの点を含む電圧ベクトルを選べばその個数は自由であり、それに応じてスイッチング期間に係わる信号(SWT21a〜SWT21f、SW21a〜SW21f)の個数を構成することで実現できる。
第1の直流電位群1と第2の直流電位群31a、31b、31cは、2つ以上の電位を持つことが可能であり、その電位数に応じて第1の電位選択手段4A、第2の電位選択手段6Aを構成すれば実現することができる。例えば、第1の直流電位群1の電位が3つの場合、図12に代わってスイッチング状態の数は異なるが図13の平面上と同様の点に電圧ベクトルが存在し、第2の電位選択手段6Aと同様に第1の電位選択手段4Aのスイッチング期間とスイッチングパターンを構成することができる。
実施の形態3.
図16は、本発明の実施の形態3による電力変換装置の第2の電位選択手段6Bを説明するための構成図である。電位選択手段6B以外は先の実施の形態2による電力変換装置の制御手段と同様であるのでそれらの説明は省略する。
区間位相V21thは、関数手段619に入力され、上限リミット手段618の上限値となる。振幅V21kは上限リミット手段618に入力され、減算手段620により上限リミット618の入力と出力との振幅偏差dV21kを得る。乗算手段622は、減算手段620の出力とゲイン手段610の出力を乗算し、電圧偏差dV21を出力する。乗算手段622の出力と位相演算手段609の出力とを座標変換手段621に入力して電圧偏差の直交座標成分dV21x及びdV21yを求める。
そして、座標変換手段621の出力dV21xとdV21yは1サンプル遅れ手段624a、624bでTs期間遅らせて、加算手段623a、623bでそれぞれ電圧指令値V12x、V12yに加算する。
次に、動作について説明する。図12と図13は第1の電力変換手段2と第2の電力変換手段群3が出力できる電圧を直交座標平面上に示した図である。第2の出力端子T2a、T2b、T2cの電位は、第1の電力変換手段2と第2の電力変換手段群3の電位を加算したものとなる。第1の直流電位群1の電位差P11−P12に対して、第2の直流電位群の電位差P3a2−P3a2、P3b2−P3b2、P3c2−P3c2が1/2以下の場合の動作例を示すベクトル図を図17に示す。
例えば、図17に示すように、電圧指令値(V2x、V2y)が点A、第1の電力変換手段2のTs期間の平均電圧値(V1x’、V1y’)が点Bにあるとすると、第2の電力変換手段群3が出力すべき電圧はその差となるが、出力可能な範囲にある。しかし、電圧指令値が点A’にある場合は、第2の電力変換手段群3が出力可能な範囲を逸脱しており、負荷に印加する電位を電圧指令値に一致することができない。
図16に示す実施の形態3では、区間位相V21thから出力可能な振幅を関数手段619により演算する。この信号は、図13に示す電圧ベクトル平面上において、六角形で表された外周をあらわす。従って、上限リミット手段618でリミットされた信号と振幅V21kとの偏差dV21kは第2の電力変換手段群3が出力できる範囲を超過した大きさを表す。振幅V21kが関数手段619の出力以下の場合は、振幅偏差dV21kが0となることは明らかである。振幅偏差が0でない場合、ゲイン手段610の出力と乗算手段622で乗算されて電圧レベルに変換される。
そして、座標変換手段621により電圧偏差dV21を直交座標の値に変換する。すなわち、位相演算手段609の出力θ21と電圧偏差dV21とから下式で表される。
dV21x=dV21cosθ21
dV21y=dV21sinθ21
電圧偏差(dV21x、dV21y)は、サンプル期間Tsの1サンプル遅らせて電圧指令値(V12x、V12y)に加算される。従って、次のサンプルで超過した分を加算して出力できない成分を補正し、第2の電力変換手段群3が飽和した場合でも直ちに電圧指令値(V2x、V2y)と第2の出力端子T2a、T2b、T2cの出力電位とが一致するように動作する。
図18に、電圧偏差(dV21、dV21y)が加算される様子を表す電圧ベクトル図、図19に、時間的に電圧偏差が解消する様子の一例を示した波形例を示す。図18(a)において、電圧指令値ベクトル(V2x、V2y)は円上を移動し現在の電圧ベクトルと1制御周期前の電圧ベクトルを示している。1制御周期前の電圧指令値ベクトルに対して平均電圧値(V1x’、V1y’)からのベクトルが第2の電位選択手段6Bに与えられる指令値ベクトル(V12x、V12y)である。
そして、2制御周期前の偏差が加算されて1制御周期前の実際の指令値ベクトル(V12x2、V12y2)となる。図18(b)は、第2の電力変換手段群3の電圧ベクトルを示しており、1制御周期前の実際の指令値ベクトル(V12x2、V12y2)が出力可能範囲を超過して偏差ベクトル(dV21、dV21y)が発生している。その偏差ベクトルを図18(a)では、現在の平均電圧(V1x’、V1y’)に対する指令値ベクトルに加算して、現在の実際の指令値ベクトル(V12x2、V12y2)を演算している。
このように順次偏差ベクトルが加算されて動作するが、図19には、その時間的な推移を波形例として示している。図19(a)の3つの波形は、偏差ベクトルを補正しないときの比較例であり、先の実施の形態2の方法によるものに相当する。この図では、電圧指令値ベクトル(V2x、V2y)と平均電圧値ベクトル(V1x’、V1y’)に加えて、第2の出力端子の平均電圧(V2x、V2y)を示している。加えて3つめの波形には偏差ベクトルの大きさを示している。電圧指令値ベクトル(V2x、V2y)と平均電圧値(V2x、V2y)を比較すると、2箇所でV2xは負側に、V2yは正側に偏差が発生している。
以上に対し、図19(b)の3つの波形は、この実施の形態3による波形例であるが、V2xに負側の偏差が生じた後に正側の偏差に移行して平均値が指令値ベクトルに一致するように動作している。V2yについても同様に偏差が正負両側に生じて平均的な変動を抑制している。図20は、その効果の一例として第2の出力端子が3相負荷に接続された場合の第2の出力端子(1段目)、負荷の端子電圧(2段目)とその周波数分析結果(3段目)が示されている。この例では、実施の形態2の場合(a)に比較し、実施の形態3の場合(b)は、100〜1000Hzの高調波が低減されている効果が確認できる。
先に示した空間電圧ベクトルの定義によると、
V2x=Kc(V2a−V2b/2−V2c/2)=Kc((V2a−V2b)−(V2c−V2a))/2
V2y=Kc(√3)(V2b−V2c)/2
となって出力電圧指令値の線間電圧で動作するため、各相に含まれる同一成分(零相)は制御されない。一方、各相での制御の場合は指令値の与え方に依存しており零相成分が含まれる可能性がある。各相で制御すると、第2の電力変換手段群3が飽和する場合に零相成分による飽和も生じるが、本実施の形態では空間電圧ベクトルでの制御であり多相負荷に有効に寄与する成分だけを補正することができ、第2の電力変換手段群3を有効に利用することができる。
以上のように動作して、第2の電力変換手段群3が一時的に飽和しても、それを補正して電位を出力することができ、第2の直流電位群の電位差が低い場合でも歪みの小さい出力を得ることができる。
実施の形態4.
図21は、本発明の実施の形態4による電力変換装置の第2の電位選択手段6Bを説明するための電圧ベクトル図である。本実施の形態の回路の構成は図7と同様である。図21は、第2の直流電位群31a、31b、31cの電位差P3a1−P3a2、P3b1−P3b2及びP3c1−P3c2がそれぞれほぼ同一の電位差のときの第2の電力変換手段群3が出力する電圧ベクトルを示している。本実施例では、図13に示す電圧ベクトル図のうち、第2の電力変換手段群3が第2の出力端子T2a、T2b、T2cと第1の出力端子T1a、T1b、T1cとの間に出力する各相の電位差を加算した値がほぼ零となる組み合わせを選択した電圧ベクトルを示している。
これらの電圧ベクトルを使っても、第2の電力変換手段群3が第1の電力変換手段2が出力する電位を補正するように動作することができる。負荷に印加される電圧を各相で加算した値に比例した電圧(零相電圧)は、例えば、負荷がモータの場合その巻き線と接地間に存在する浮遊静電容量に印加される電圧となるが、これは伝導ノイズとして他の機器へ悪影響を与える可能性がある。
そして、この伝導ノイズは、第1の電力変換手段2及び第2の電力変換手段群3のスイッチング頻度が高いか、スイッチングあたりの電位変化が大きいときに大きくなる。本実施の形態では、第1の電力変換手段2のスイッチング頻度を下げ、第2の電力変換手段群3のスイッチング頻度を高くして負荷へは精度の高い電圧を供給すると共に、スイッチング頻度の高い第2の電力変換手段群3の伝導ノイズに影響する電圧を零とすることができ、伝導ノイズを低減することができる。電圧指令値に対して、三つのベクトルを選択し出力する方法については先の実施の形態2と同様である。
実施の形態5.
図22は、本発明の実施の形態5による電力変換装置の第2の電位選択手段6Bを説明するための電圧ベクトル図である。本実施の形態の回路の構成は図7と同様である。図22は、第2の直流電位群31a、31b、31cの電位差P3a1−P3a2、P3b1−P3b2及びP3c1−P3c2がそれぞれほぼ同一の電位差のときの第2の電力変換手段群3が出力する電圧ベクトルを示している。本実施例では、図13に示すベクトル図のうち、図21の実施の形態4の電圧ベクトルに加えて、電圧ベクトルx14、x21、x28、x35、x42、x49を選択対象としている。これら6つの電圧ベクトルは、第2の電力変換手段群3が第2の出力端子T2a、T2b、T2cと第1の出力端子T1a、T1b、T1cとの間に出力する各相の電位差を加算した値が零に近い電圧ベクトルである。第2の電力変換手段群3が出力する各相の電位差の加算値に比例した電圧(零相電圧)は、7段階存在する。例えば、図13において、電位が大きい順に一例を示すと、x7>x3>x35>x0>x49>x48>x56である。従って、本実施の形態における第2の電力変換手段群3が出力する零相電圧は零とその次のステップに限られ、伝導ノイズへの影響を最小限にすると共に、出力として選択できる電圧ベクトルを最大限にすることができる。
実施の形態6.
図23は、本発明の実施の形態6による電力変換装置の第2の電位選択手段6Cを説明するための構成図である。第2の電位選択手段6C以外は実施の形態1による電力変換装置の制御手段と同様であるのでそれらの説明は省略する。電圧指令値V2aと平均電圧値V1a’との偏差を加算手段623aに入力して偏差信号dV21a2と加算し、第2の電力変換手段群3の電圧指令値に相当するV21a2を出力する。V21a2は、サンプルホールド手段607aに入力され、その出力SWT21a’がリミット手段618aと減算手段620aとから偏差信号dV21aを生成し、1サンプル遅れ手段624aでTs期間遅らせる。その他の構成は実施の形態1と同様である。
次に、動作について説明する。第2の電力変換手段32a、32b、32cの最大出力可能電圧は、その直流電位群の電位P3a1、P3a2、P3b1、P3b2、P3c1、P3c2により制限される。すなわち、第2の電力変換手段32aの場合、±(P3a1−P3a2)の電圧が最大振幅となる電圧が出力端子T1aとT2aとの間に出力される。
電圧指令値V2aと平均電圧値V1a’との差がこの範囲を超えると、第2の電力変換手段32aの出力が飽和して第2の出力端子T2aには所望の電圧を出力することができない。リミット手段618aでは入力SWT21a’を±(P3a1−P3a2)の範囲に制限した信号を出力し、減算手段620aでSWT21a’から減算することにより、第2の電力変換手段32aが出力可能な大きさを超過した分の偏差dV21aが演算される。
そして、1サンプル遅れ手段624aでTs期間遅らせて、V2a−V1a’に加算し修正される。これにより、一時的にSWT21a’が飽和した分を次回以降の周期で補正するように動作し、平均的には第2の出力端子T2aの電圧が電圧指令値V2aに一致する。
図24に、動作波形の一例を示す。先の図6の動作波形例に対して、P3a1−P3a2レベルが低い場合の例であり、SWT21a’が一時的にSWT20aを超過している。図24の2段目には偏差dV21aを示しているが、超過した量に相当する。そして、超過が発生してから3制御周期(Ts)目には飽和が解消している。第2の出力端子T2aに接続される負荷がインダクタンスを持つような場合や電動機の場合、電圧の積分(磁束)の変動を抑制するとその電流変動が抑制されるため、本実施例の動作により第2の電力変換手段群3が飽和により生じる電圧偏差の積分がゼロとなるように動作して負荷の変動を抑制する効果がある。他の相についても同様に動作する。
以上ように動作して、第2の電力変換手段群3が一時的に飽和しても、それを補正して電位を出力することができ、第2の直流電位群の電位差が低い場合でも歪みの小さい出力を得ることができる。
また、この発明の各変形例において、第1の電力変換手段は、所定の繰り返し周期毎にパルス幅変調制御で第1の出力電圧を出力するので、簡便な構成動作で第1の出力電圧を確実に得ることが出来る。
また、第2の電力変換手段は、サンプリング周期と同一の周期毎にパルス幅変調制御で第2の出力電圧を出力するので、簡便な構成動作で第2の出力電圧を確実に得ることが出来る。
また、第1の直流電源の電圧を第2の直流電源の電圧より大きくし、繰り返し周期をサンプリング周期より長くしたので、スイッチング素子の特性を活かし高精度で効率的な電力変換装置を実現することが出来る。
また、第2の電力変換手段は、電圧指令値と平均電圧値との偏差が、当該第2の電力変換手段の出力電圧上限値に対応して設定された上限設定値を越えたとき偏差を上限設定値までに減算して出力するリミット手段を備え、減算分を次サンプリング周期における偏差入力に加算するようにしたので、第2の電力変換手段の出力に不足が生じても出力電圧の精度の低下を最小限に抑えることが出来る。
また、電圧指令値は、電圧ベクトルで設定され、第1の電圧変換手段および第2の電力変換手段は、電圧ベクトルで設定された電圧指令値に基づきスイッチング素子のスイッチング状態に応じて予め設定される複数の電圧ベクトルの中から制御対象の電圧ベクトルを選択する電圧ベクトル選択手段を備え、三相電圧を出力するので、三相電圧の変換制御が簡便となる。
また、第2の電力変換手段の電圧ベクトル選択手段は、複数の電圧ベクトルの内、零相成分が零または相対的に小さい電圧ベクトルの中から制御対象の電圧ベクトルを選択するので、三相出力電圧の零相成分を有効に抑制でき、負荷における伝導ノイズへの影響を最小限にすることが出来る。
本発明の実施の形態1による電力変換装置を説明するための構成図である。 図1の第1の電位選択手段4の詳細を説明するための構成図である。 図1の電圧推定手段5の詳細を説明するための構成図である。 図1の第2の電位選択手段6の詳細を説明するための構成図である。 本発明の実施の形態1による動作の一例を説明する波形図である。 本発明の実施の形態1による動作の一例を説明する波形図である。 本発明の実施の形態1による動作の効果を説明する波形図である。 本発明の実施の形態2による電力変換装置を説明するための構成図である。 図8の第1の電位選択手段4Aの詳細を説明するための構成図である。 図8の電圧推定手段5Aの詳細を説明するための構成図である。 図8の第2の電位選択手段6Aの詳細を説明するための構成図である。 本発明の実施の形態2による動作の一例を示す電圧ベクトル図である。 本発明の実施の形態2による動作の一例を示す電圧ベクトル図である。 本発明の実施の形態2による動作の一例を示す波形図である。 本発明の実施の形態2による動作の一例を示す波形図である。 本発明の実施の形態3による電力変換装置の第2の電位選択手段6Bを説明するための構成図である。 本発明の実施の形態3による動作の一例を示す電圧ベクトル図である。 本発明の実施の形態3による動作の一例を示す電圧ベクトル図である。 本発明の実施の形態3による動作の一例を示す波形図である。 本発明の実施の形態3による動作の一例を示す波形図である。 本発明の実施の形態4による電力変換装置の第2の電位選択手段6Bを説明するための電圧ベクトル図である。 本発明の実施の形態5による電力変換装置の第2の電位選択手段6Bを説明するための電圧ベクトル図である。 本発明の実施の形態6による電力変換装置の第2の電位選択手段6Cを説明するための構成図である。 本発明の実施の形態6による動作の一例を示す波形図である。
符号の説明
1 第1の直流電位群、2 第1の電力変換手段、3 第2の電力変換手段群、
4,4A 第1の電位選択手段、5,5A 電圧推定手段、
6,6A,6B,6C 第2の電位選択手段、31a〜31c 第2の直流電位群、
32a〜32c 第2の電力変換手段。

Claims (7)

  1. 第1の直流電源、スイッチング素子のオンオフ動作により交流信号である電圧指令値に追従するように前記第1の直流電源に基づき第1の出力電圧を出力する第1の電力変換手段、所定のサンプリング周期毎に前記第1の電力変換手段から出力する前記第1の出力電圧波形の平均値を演算し当該平均値を前記サンプリング周期毎に連ねた波形の平均電圧値を推定して出力する電圧推定手段、第2の直流電源、およびスイッチング素子のオンオフ動作により前記電圧指令値と前記平均電圧値との偏差に追従するように前記第2の直流電源に基づき第2の出力電圧を出力する第2の電力変換手段を備え、
    前記第1の出力電圧に前記第2の出力電圧を重畳した電圧を、前記電圧指令値に応答する電圧として出力する電力変換装置。
  2. 前記第1の電力変換手段は、所定の繰り返し周期毎にパルス幅変調制御で前記第1の出力電圧を出力することを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  3. 前記第2の電力変換手段は、前記サンプリング周期と同一の周期毎にパルス幅変調制御で前記第2の出力電圧を出力することを特徴とする請求項2記載の電力変換装置。
  4. 前記第1の直流電源の電圧を前記第2の直流電源の電圧より大きくし、前記繰り返し周期を前記サンプリング周期より長くしたことを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。
  5. 前記第2の電力変換手段は、前記電圧指令値と前記平均電圧値との偏差が、当該第2の電力変換手段の出力電圧上限値に対応して設定された上限設定値を越えたとき前記偏差を前記上限設定値までに減算して出力するリミット手段を備え、前記減算分を次サンプリング周期における前記偏差入力に加算するようにしたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 前記電圧指令値は、電圧ベクトルで設定され、前記第1の電圧変換手段および前記第2の電力変換手段は、前記電圧ベクトルで設定された電圧指令値に基づき前記スイッチング素子のスイッチング状態に応じて予め設定される複数の電圧ベクトルの中から制御対象の電圧ベクトルを選択する電圧ベクトル選択手段を備え、三相電圧を出力することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記第2の電力変換手段の電圧ベクトル選択手段は、前記複数の電圧ベクトルの内、零相成分が零または相対的に小さい電圧ベクトルの中から制御対象の電圧ベクトルを選択するようにしたことを特徴とする請求項6記載の電力変換装置。
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