JP2008199785A - ステータコアおよび回転電機 - Google Patents

ステータコアおよび回転電機 Download PDF

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Abstract

【課題】各分割ステータコアの位置関係について、各分割ステータコア同士の相互影響が抑制され、モータ特性の精度を確保しやすいステータコアおよび回転電機を提供する.
【解決手段】ステータコアは、環状の固定部材11と、固定部材11の内周面に環状に配置された複数の分割ステータコア13A,13B,13Cと、固定部材11の内周面に複数設けられ、各分割ステータコア13A,13B,13Cを係止可能な第1係止部11a,11a2,11a3と、各分割ステータコア11に形成され、第1係止部11a,11a2,11a3と係合可能な第2係止部15A,15B,15Cとを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、ステータコアおよび回転電機に関し、特に、複数の分割ステータコアを備えたステータコアおよび回転電機に関する。
従来から各種ステータコアを備えた回転電機が提案されている。たとえば、特開平5−95645号公報に記載された回転電機は、複数の脚部が放射状に延びる巻枠と、この巻枠の外周に設けられた環状の外枠とを備えている。
しかし、このようなステータコアにおいては、各脚部が近接し合っており、各脚部にコイルを巻回する作業が非常に手間のかかる作業となっていた。
そこで、従来からコイルを巻回する作業の手間の軽減が図られたステータコアおよび回転電機が提案されている。
たとえば、特開平10−42527号公報に記載された回転電機およびステータコアは、円筒状ハウジングと、この円筒状ハウジングの内周面に沿って複数配列された分割ステータコアとを備えている。このステータコアにおいては、分割ステータコアごとにコイルを巻回することができ、容易にコイルを巻回することができる。
また、特開平2004−328965号公報に記載された回転電機も、ハウジング内に環状に複数配列されたT字型の分割ステータコアを備えており、各分割ステータコアごとにコイルを巻回することができ、容易にコイルを巻回することができる。
特開平5−95645号公報 特開平10−42527号公報 特開平2004−328965号公報
しかし、上記特開平10−42527号公報および特開2004−328965号公報に記載された回転電機およびステータコアは、ハウジングが焼き嵌めされることで、各分割ステータコアが互いに周方向に押圧しあって固定されている。
このため、一部の分割ステータコアの位置が所定の位置からずれると、他の全ての分割ステータコアもその影響を受けて、所定の位置からずれることになる。
特に、製造過程や使用過程において、1つの分割ステータコアが位置ずれすることにより、隣接する分割ステータコアが位置ずれし、結果として、大きく位置ずれする分割ステータコアが生じる場合があり、大きくモータ特性が劣化する場合がある。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、各分割ステータコアの位置関係について、各分割ステータコア同士の相互影響が抑制され、モータ特性の精度を確保しやすいステータコアおよび回転電機を提供することである。
本発明に係るステータコアは、環状の固定部材と、固定部材の内周面に環状に配置された複数の分割ステータコアと、固定部材の内周面に複数設けられ、各分割ステータコアを係止可能な第1係止部と、各分割ステータコアに形成され、第1係止部と係合可能な第2係止部とを備える。
好ましくは、各分割ステータコアは、固定部材の周方向に互いに離れて設けられ、分割ステータコア間にエアギャップが設けられる。
好ましくは、上記第1係止部は、固定部材の内表面から径方向内方に向けて突出する突出部とされ、分割ステータコアは、固定部材の周方向に沿って延びる本体部と、本体部から固定部材の径方向外方に向けて突出する第2係止部としての凸部とを含みむ。そして、上記凸部は、固定部材の周方向に隣り合う突出部間に嵌め込まれる。好ましくは、上記突出部は、径方向内方に向けて先細状とされる。本発明に係る回転電機は、上記ステータコアを備える。
本発明に係るステータコアおよび回転電機によれば、各分割ステータコアの位置関係について、各分割ステータコア同士の相互影響を小さくすることで、任意の分割ステータコアが位置ずれしたとしても、他の分割ステータコアが位置ずれした分割ステータコアから受ける影響を小さく抑えることができ、モータ特性の精度の確保を図ることができる。
図1から図7を用いて、本実施の形態に係るステータコアおよび回転電機について説明する。
図1は、ハイブリッド自動車に搭載されるモータを模式的に表わした断面図である。図中のモータを搭載するハイブリッド自動車は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関と、充放電可能な2次電池(バッテリ)とを動力源とする。
図1を参照して、モータ(回転電機)100は、ロータ(回転子)10と、ロータ10の外周上に配設されたステータ12とを備える。ロータ10は、中心軸Oを中心に回転する回転シャフト123を備えている。
ロータ10は、ロータコア110と、ロータコア110の表面に設けられた永久磁石111とを含む。なお、この図1に示す例においては、SPM(Surface Permanent Magnet)とされているが、IPM(Interior Permanent Magnet)としてもよい。ロータコア110は、中心軸Oに沿って円筒状に延びる形状を有する。ロータコア110は、中心軸Oの軸方向に積層された複数の電磁鋼板121を含む。
ステータ12は、環状のステータコア12Aと、このステータコア12Aに設けられたコイル70とを備えている。
ステータコア12Aは、固定部材11と、この固定部材11の内周面に環状に配列された複数の分割ステータコア13とを備えている。そして、各分割ステータコア13は、固定部材11の径方向に向けて突出するステータティース14を備えており、このステータティース14には、コイル70が巻回されている。
コイル70は、3相ケーブル60によって制御装置95に電気的に接続されている。3相ケーブル60は、U相ケーブル61、V相ケーブル62およびW相ケーブル63からなる。コイル70は、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルからなり、これらの3つのコイルの端子に、それぞれ、U相ケーブル61、V相ケーブル62およびW相ケーブル63が接続されている。
制御装置95には、ハイブリッド自動車に搭載されたECU(Electrical Control Unit)80から、モータ100が出力すべきトルク指令値が送られる。制御装置95は、そのトルク指令値によって指定されたトルクを出力するためのモータ制御電流を生成し、そのモータ制御電流を、3相ケーブル60を介してコイル70に供給する。
図2は、図1のII−II線における断面図である。この図2に示されるように、各分割ステータコア13は、それぞれ固定部材11に固定されているので、たとえば、製造過程や使用過程において、所定の位置からずれた分割ステータコア13が生じたとしても、他の分割ステータコア13までも位置ずれすることが抑制される。このため、たとえ、位置ずれした分割ステータコア13が生じたとしても、他の分割ステータコア13の位置を正確な位置に維持させることができるので、モータ100の特性が大きく劣化することを抑制することができる。
各分割ステータコア13は、固定部材11の周方向に間隔を隔てて設けられており、各分割ステータコア13間には、エアギャップGPが形成されている。
このため、位置ずれした分割ステータコア13と、この位置ずれした分割ステータコア13に隣り合う分割ステータコア13とが接触することが抑制されている。
図3は、図2の一部を拡大した断面図である。この図3に示す例においては、分割ステータコア13Bに対して、固定部材11の周方向に隣り合う位置に分割ステータコア13Aが設けられている。そして、分割ステータコア13Bに対して、分割ステータコア13Aと反対側には、分割ステータコア13Cが位置している。
分割ステータコア13A,13B,13Cは、固定部材11の周方向に延びる本体部16A,16B、16Cと、この本体部16A,16B、16Cの径方向内方側の周面から径方向内方に向けて突出するステータティース14A,14B,14Cと、本体部16A,16B,16Cの径方向外方側の周面から径方向外方に向けて突出する凸部15A,15B,15Cとを備えている。各ステータティース14A,14B,14Cには、それぞれコイル70が装着されている。
固定部材11の内周面には、固定部材11の径方向内方に向けて突出する突出部11a(11a1〜11a12)が周方向に間隔を隔てて形成されており、これにより、固定部材11の内周面には、2つの隣り合う突出部11a(11a1〜11a12)によって規定された複数の凹部50(50A〜50L)が周方向に間隔を隔てて設けられている。
そして、各分割ステータコア13A,13B,13Cの凸部15A,15B,15Cは、ぞれぞれ、固定部材11の凹部50A,50B,50C内に嵌め込まれている。
そして、凸部15A,15B,15Cの表面のうち、一方の側面26a,26b,26cは、突出部11a12,11a1,11a2の側面11d12,11d1,11d2によって支持されており、他方の側面28a,28b,28cは、突出部11a1,11a2,11a3の側面11c1,11c2,11c3によって支持されている。
さらに、各凸部15A,15B,15Cの表面のうち、径方向外方に位置する周面24a,24b,24cは、各凹部50A、50B、50Cの底面によって支持されている。このように、各凸部15A,15B,15Cは、上記3箇所によって支持されており、その位置が固定されている。
分割ステータコア13Bの本体部16Bの一方の側面25bと、この側面25b側に位置する分割ステータコア13Aの本体部16Aの側面27aとは離間しており、エアギャップGP1が形成されている。
また、同様に分割ステータコア13Bの本体部16Bの他方の側面27bと、この側面27b側に位置する分割ステータコア13Cの本体部16Cの側面25cとは、離間しており、エアギャップGP2が形成されている。
すなわち、分割ステータコア13Bのうち、本体部16Bの両側面25b、27bは、隣り合う分割ステータコア13A,13Cと接触しておらず、外部から応力がかかっていない。
このように、分割ステータコア13Bのうち、本体部16Bより径方向外方側に位置する凸部15Bには、外部からの圧縮力がかかっている一方で、本体部16Bには、直接外部からの応力がかかっていない。
このため、分割ステータコア13Bにおいて、たとえば、ステータティース14Bの端面から入り込んだ磁束は、良好に分割ステータティース13Bの本体部16B内を流通することができる。
ここで、外部から圧縮力がかかっている凸部15Bは、本体部16Bに対して径方向外方側に位置しており、磁束は殆ど凸部15B内を流通しないようになっている。このため、外部からの圧力によって生じる転位などが凸部15B内に生じていたとしても、分割ステータコア13B内を流れる磁束の流通を殆ど阻害しないものとなっており、鉄損の低減が図られている。
そして、各分割ステータコア13A、13B,13Cの本体部16A,16B,16Cは、各凸部15A,15B,15Cより固定部材11の周方向に張り出している。
このため、各本体部16A,16B、16C同士は、固定部材11の周方向に近接しており、固定部材11の周方向に隣り合う本体部16A,16B、16C間を磁束が通る際に、磁気抵抗が大きくなることを抑制することができる。なお、各本体部16A,16B、16Cは、各突出部11a1、11a2、11a3、11a12の上面の一部を覆うように配置されている。
このように構成されたモータ100のステータ12の製造方法について、図4から図6を用いて説明する。
図4は、ステータ12の製造工程の第1工程を示す断面図である。この図4に示すように、各分割ステータコア13A〜13Lのステータティース14に、それぞれ、コイル70を装着(巻回)する。そして、円柱状の金型90の周面90aに沿って複数の分割ステータコア13A〜13Lを環状に配置する。この際、各分割ステータコア13A〜13Lのステータティース14の端面は、金型90の周面90aに接触している。ここで、各分割ステータコア13A〜13Lの凸部15A〜15Lによって、凹部30が複数間隔を隔てて規定されている。
図5は、図4に示された製造工程後の工程を示す断面図である。この図5に示すように、環状に配列された複数の分割ステータコア13A〜13Lの外周面側に環状の固定部材11を配置して、焼き嵌めする。
この際、固定部材11の内周面に複数形成された突出部11aが、各凹部30の径方向外方側に位置するように、固定部材11は配置されている。
図6は、図5の一部を拡大した断面図である。この図6に示すように、突出部11a1、11a2は、固定部材11の径方向内方に向けて先細状に形成されている。
そして、突出部11a1は、凸部15Aと凸部15Bとによって規定された凹部30Aに対して径方向外方側に位置しており、突出部11a2は、凸部15Bと凸部15Cとによって規定された凹部30Bに対して径方向外方側に位置している。なお、凹部30A,30Bの内周面も径方向内方に向けて細くなるように形成されている。
ここで、固定部材11が冷却されるにしたがって、固定部材11は縮径するように変形する。このため、突出部11a1、11a2は、凹部30A、30B内に入り込みはじめる。これにより、凸部15Bの側面26bと、突出部11a1の側面11d1とが接触し、さらに、凸部15Bの側面28bと、突出部11a2の側面11c2とが接触し始める。
この際、固定部材11が縮径するように変形するために、側面26bと側面11d1とが密着し始めると共に、側面28bと側面11c2とが密着し始め、凸部15Bが突出部11a1と突出部11a2によって押圧され始める。また、同様に、凸部15Cにおいても、突出部11a2と突出部11a3によって押圧され始める。そして、各突出部11aが各凹部30内に入り込むことで、各分割ステータコア13間に隙間が生じて、互いに離れる。
さらに、突出部11a1が凹部30A内に入り込むことで、各突出部11a1、11a2によって規定された凹部50Aの底面と、凸部15Bの周面24bとが接触することで、固定部材11の装着が完了し、ステータコア12Aが構成される。
なお、上記のように、各分割ステータコア13を焼き嵌めにより、固定部材11に固定する場合に限られず、圧入によって各分割ステータコア13を固定部材11にそれぞれ独立に固定してもよい。
図7は、本実施の形態に係る回転電機100の変形例を示す断面図である。この図7に示されるように、各分割ステータコア13の表面のうち、径方向外方側に位置する周面には、径方向内方に向けて凹む凹部(第2係合部)83がそれぞれ形成されている。
そして、固定部材11の内表面には、複数の係止部80が形成されている。この係止部(第1係止部)80は、互いに固定部材11の周方向に離れるように付勢され、凹部83を規定する分割ステータコア13の内表面を押圧する押圧部材81、82を備えている。
このように、押圧部材81、82が凹部83の内表面を固定部材11の周方向に向けて押圧することで、各分割ステータコア13が固定部材11に固定される。
なお、各分割ステータコア13を固定部材11に装着する際には、各分割ステータコア13を、径方向内方側から各係止部80に向けて押圧する。これにより、各係止部80が凹部83内に入り込む。そして、凹部83の内表面が係止部80によって押圧され、分割ステータコア13が固定される。なお、本実施の形態においては、圧入、焼き嵌めによって各分割ステータコア13を固定しているが、これらの手法に限られない。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明は、ステータコアおよび回転電機に適用でき、特に、複数の分割ステータコアを備えたステータコアおよび回転電機に好適である。
ハイブリッド自動車に搭載されるモータを模式的に表わした断面図である。 図1のII−II線における断面図である。 図2の一部を拡大した断面図である。 ステータの製造工程の第1工程を示す断面図である。 図4に示された製造工程後の工程を示す断面図である。 図5の一部を拡大した断面図である。 本実施の形態に係る回転電機の変形例を示す断面図である。
符号の説明
11a 突出部、12 ステータ、13 分割ステータコア、14 ステータティース、15A,15B,15C 凸部、16A,16B,16C 本体部、30A,30B 凹部、80 各係止部、81 押圧部材、GP エアギャップ。

Claims (5)

  1. 環状の固定部材と、
    前記固定部材の内周面に環状に配置された複数の分割ステータコアと、
    前記固定部材の内周面に複数設けられ、前記各分割ステータコアを係止可能な第1係止部と、
    前記各分割ステータコアに形成され、前記第1係止部と係合可能な第2係止部と、
    を備えたステータコア。
  2. 各前記分割ステータコアは、前記固定部材の周方向に互いに離れて設けられ、前記分割ステータコア間にエアギャップが設けられた、請求項1に記載のステータコア。
  3. 前記第1係止部は、前記固定部材の内表面から径方向内方に向けて突出する突出部とされ、
    前記分割ステータコアは、前記固定部材の周方向に沿って延びる本体部と、前記本体部から前記固定部材の径方向外方に向けて突出する前記第2係止部としての凸部とを含み、
    前記凸部は、前記固定部材の周方向に隣り合う前記突出部間に嵌め込まれた、請求項1または請求項2に記載のステータコア。
  4. 前記突出部は、径方向内方に向けて先細状とされた、請求項1から請求項3のいずれかに記載のステータコア。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のステータコアを備えた回転電機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011078148A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Toyota Motor Corp 電動機の冷却構造
US8689427B2 (en) 2010-01-08 2014-04-08 Johnson Electric S.A. Stator of an electric motor

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