JP2008195960A - 車両用タイヤおよびそれに使用されるエラストマー組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用タイヤおよび可架橋性エラストマー組成物を提供すること。
【解決手段】架橋エラストマー材料から作製される少なくとも1つの構造要素を含む車両用タイヤであって、前記構造要素は、架橋エラストマー材料から作製され、前記架橋エラストマー材料は、(a)少なくとも1種のジエン弾性ポリマーと、(b)少なくとも1種のパラフィンワックスと、(c)少なくとも1種のC3〜C24α−オレフィンの少なくとも1種のポリマーであって、前記ポリマーが、10,000以下の数平均分子量を有するポリマーと、を含むエラストマー組成物を含有する。好ましくは、前記組成物を含む前記構造要素は、タイヤの一対のサイドウォールである。
【選択図】図1
【解決手段】架橋エラストマー材料から作製される少なくとも1つの構造要素を含む車両用タイヤであって、前記構造要素は、架橋エラストマー材料から作製され、前記架橋エラストマー材料は、(a)少なくとも1種のジエン弾性ポリマーと、(b)少なくとも1種のパラフィンワックスと、(c)少なくとも1種のC3〜C24α−オレフィンの少なくとも1種のポリマーであって、前記ポリマーが、10,000以下の数平均分子量を有するポリマーと、を含むエラストマー組成物を含有する。好ましくは、前記組成物を含む前記構造要素は、タイヤの一対のサイドウォールである。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両用タイヤおよび可架橋性エラストマー組成物に関する。
より詳細には、本発明は、少なくとも1種のパラフィンワックスと少なくとも1種のα−オレフィンとの少なくとも1種の低分子量ポリマーを含有する架橋エラストマー材料から製造される少なくとも1つの構造要素を含む車両用タイヤに関する。
さらに、本発明は、1種のパラフィンワックスと少なくとも1種のα−オレフィンとの少なくとも1種の低分子量ポリマーを含むエラストマー組成物にも関する。
日光や大気に曝露すると、架橋エラストマー組成物は亀裂し、それによって外観が損なわれ、長期にわたる曝露で最終的に実際に破損することは、知られている。オゾンが、架橋エラストマー組成物中の不飽和二重結合に作用して、鎖中での破壊(「鎖の切断」)が生じることも、知られている。
前記亀裂を回避するために、エラストマー組成物に添加剤を加えることは、一般的である。これらの添加剤は、(1)オゾン劣化防止剤と、(2)ワックスとの2つのクラスに分類されうる。通常、前記物質の両方とも、従来型の方法により(たとえば、バンバリー(Banbury)ミキサー内で、もしくはミル内で)混合したエラストマー組成物に添加されうる。オゾン劣化防止剤(たとえば、アミンまたはキノリン等)は、大気中のオゾンと選択的に反応することにより、架橋エラストマー組成物との酸化反応を回避し、一方、ワックスは架橋エラストマー組成物の表面に移動して、架橋エラストマー組成物がオゾンと接触するのを回避する薄膜を形成すると考えられている。
しかしながら、ワックスを用いる場合、障害が生じることもある。具体的には、ワックスが過度に移動した場合に、架橋エラストマー組成物の表面が、白に変色し、特に、タイヤのサイドウォールに関して、最終製品の外観に望ましくない変化を起こすことがある。
前記変色現象を回避するために、従来技術において尽力されてきた。
たとえば、特願平11−181150号公報は、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴムおよびスチレンーブタジエンゴムからなる群から選択される少なくとも1種のゴム成分100重量部と、ワックス1〜2.5重量部とを含むゴム組成物に関し、上記ワックスは、n−パラフィンおよびイソ−パラフィンを含む飽和鎖式炭化水素であり、飽和鎖式炭化水素中のn−パラフィンの量は75重量%〜85重量%であり、飽和鎖の炭素原子分布のピーク値は30〜35であり、45を超える炭素原子を有する飽和鎖式炭化水素の割合は3重量%〜10重量%である。前記ゴム組成物は、工業ゴム製品、特に、空気タイヤのトレッドおよび/またはサイドウォールに使用され、前記ゴム製品における亀裂の発生や変色現象を回避すると言われている。
特願2000−086824号公報は、(A)100重量部のゴムと、(B)0.5〜10重量部の石油ワックスと、(C)1〜10重量部のオレフィン樹脂と、を含むゴム組成物に関する。石油ワックス(B)は、(B1)炭素原子24〜29で分岐炭化水素の含有率が10重量%〜15重量%である化合物により構成される低分子量の分画と、(B2)炭素原子32〜38で分岐炭化水素の含有率が18重量%〜25重量%である化合物により構成される高分子量の分画とを含む。前記ゴム組成物は、工業ゴム製品、特に空気タイヤの構造要素に使用できる。前記ゴム製品は、抗オゾン亀裂が改善され、変色現象を回避すると言われている。
米国特許第6,201,049号明細書は、炭素原子45もしくはそれ以上を有する成分を含有し、炭素原子の平均数が28〜38であるワックス(0.5〜2.5重量部)と、ジエンゴムを含むゴム成分100重量部当り30重量%〜100重量%のN−(1−メチルヘプチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミンを含有する酸化防止剤(3.0〜7.0重量部)とをブレンドして得られたタイヤのサイドウォール用のゴム組成物に関する。前記ゴム組成物は、オゾンにより生じる亀裂や変色現象を回避すると言われている。
本願特許出願人は、上記の変色現象を回避し、同時に、少なくとも1種のパラフィンワックスを含む架橋性エラストマー組成物に、少なくとも1種のα−オレフィンの少なくとも1種の低分子量ポリマーを添加して、オゾン抵抗性を改善することが可能であると発見した。獲得した架橋性エラストマー組成物は、架橋エラストマー製品の製造に、具体的にタイヤ、殊にタイヤのサイドウォールの製造に、有利に使用される。
第一の態様によれば、本発明は、架橋エラストマー材料から作製される少なくとも1種の構造要素を含む車両用タイヤに関し、前記架橋エラストマー材料は、以下の組成物、すなわち、
(a)少なくとも1種のジエン弾性ポリマーと、
(b)少なくとも1種のパラフィンワックスと、
(c)少なくとも1種のC3〜C24、好ましくはC5〜C18のα−オレフィンの少なくとも1種のポリマーであって、前記ポリマーが、10,000以下の数平均分子量を有するポリマーと、を含むエラストマー組成物を含有する。
(a)少なくとも1種のジエン弾性ポリマーと、
(b)少なくとも1種のパラフィンワックスと、
(c)少なくとも1種のC3〜C24、好ましくはC5〜C18のα−オレフィンの少なくとも1種のポリマーであって、前記ポリマーが、10,000以下の数平均分子量を有するポリマーと、を含むエラストマー組成物を含有する。
好適な一の実施形態によれば、前記ポリマー(c)は、約5,000以下、さらに好ましくは約3,000以下の数平均分子量を有する。
さらに好適な一の実施形態によれば、前記ポリマー(c)は、少なくとも約300、好ましくは少なくとも約400、さらに好ましくは少なくとも約500の数平均分子量を有する。
従来型の技法(たとえば、蒸気圧浸透法等)により、上記ポリマー(c)の数平均分子量を決定してよい。
好適な一の実施形態によれば、本発明は、
ほぼトロイダル形状に賦形された少なくとも1つのカーカスプライを備えたカーカス構造であって、その対向側縁が、各々右側および左側ビードワイヤに対応し、各ビードワイヤが、各々のビード内に囲まれている、カーカス構造と、
前記カーカス構造に対して周方向外側位置に付与された少なくとも1本のベルトストリップを含んでなるベルト構造と、
前記ベルト構造上に周方向に重畳されたトレッドバンドと、
前記カーカス構造に対して両側の側方に付与された一対のサイドウォールと、を含む車両用タイヤに関し、前記一対のサイドウォールは、前記エラストマー組成物により作製される。
ほぼトロイダル形状に賦形された少なくとも1つのカーカスプライを備えたカーカス構造であって、その対向側縁が、各々右側および左側ビードワイヤに対応し、各ビードワイヤが、各々のビード内に囲まれている、カーカス構造と、
前記カーカス構造に対して周方向外側位置に付与された少なくとも1本のベルトストリップを含んでなるベルト構造と、
前記ベルト構造上に周方向に重畳されたトレッドバンドと、
前記カーカス構造に対して両側の側方に付与された一対のサイドウォールと、を含む車両用タイヤに関し、前記一対のサイドウォールは、前記エラストマー組成物により作製される。
さらなる態様によれば、本発明は、以下の
(a)少なくとも1種のジエン弾性ポリマーと、
(b)少なくとも1種のパラフィンワックスと、
(c)少なくとも1種のC3〜C24、好ましくはC5〜C18のα−オレフィンの少なくとも1種のポリマーであって、前記ポリマーが、10,000以下の数平均分子量を有するポリマーと、を含むエラストマー組成物に関する。
(a)少なくとも1種のジエン弾性ポリマーと、
(b)少なくとも1種のパラフィンワックスと、
(c)少なくとも1種のC3〜C24、好ましくはC5〜C18のα−オレフィンの少なくとも1種のポリマーであって、前記ポリマーが、10,000以下の数平均分子量を有するポリマーと、を含むエラストマー組成物に関する。
さらなる一の態様によれば、本発明は、上記のエラストマー組成物を架橋して得られる架橋エラストマー製品に関する。
好適な一の実施形態によれば、本発明で使用されうるジエン弾性ポリマー(a)は、硫黄架橋性エラストマー組成物に一般的に使用されるジエン弾性ポリマーから選択され、特に、タイヤの製造用に適切であり、即ち、通常20℃未満、好ましくは0℃〜−110℃の範囲のガラス臨界温度(Tg)を有する、不飽和鎖を伴う弾性ポリマーまたは共重合体から選択されうる。これらのポリマーまたは共重合体は、天然由来の物質でもよいし、或いは、1種もしくはそれ以上の共役ジオレフィンの溶液重合、乳化重合もしくは気相重合により得られてもよく、場合により、60重量%以下の量のモノビニルアレーンおよび/または極性コモノマーから選択される少なくとも1種のコモノマーとブレンドされてもよい。
上記の共役ジオレフィンは、通常、4〜12個、好ましくは4〜8の炭素原子を有し、たとえば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、またはそれらの混合物よりなる群から選択されうる。1,3−ブタジエンとイソプレンが、特に好ましい。
コモノマーとして場合により使用されうるモノビニルアレーンは、通常、8〜20、好ましくは8〜12の炭素原子を有し、たとえば、スチレン、1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、各種のアルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリールまたはアリールアルキルスチレン誘導体(例えば、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−p−トリルスチレン、4−(4−フェニルブチル)スチレン、またはそれらの混合物等)から選択されうる。スチレンが、特に好ましい。
場合により使用されうる極性コモノマーは、たとえば、ビニルピリジン、ビニルキノリン、アクリル酸エステル、アルキルアクリル酸エステル、ニトリル、またはそれらの混合物(たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、アクリロニトリル、またはそれらの混合物)から選択されうる。
本発明で使用されうるジエン弾性ポリマー(a)は、たとえば、シス−l,4−ポリイソプレン(天然または合成、好ましくは天然ゴム)、3,4−ポリイソプレン、ポリブタジエン(特に、1,4−シスのポリブタジエンの含有量が多いポリブタジエン)、場合により、ハロゲン化イソプレン/イソブテン共重合体、1,3−ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/1,3−ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン/1,3−ブタジエン共重合体、スチレン/1,3−ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、およびそれらの混合物から選択されるのが好ましい。
本発明に係るエラストマー組成物は、場合により、1種以上のモノオレフィンとオレフィンコモノマーまたはそれらの誘導体(a’)との少なくとも1種の弾性ポリマーを含む。モノオレフィンは、エチレンと通常3〜12の炭素原子を有するα−オレフィン(たとえば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、またはそれらの混合物)とから選択されうる。以下が好適である:エチレンとα−オレフィン、場合によりジエンとの共重合体;僅かな量のジエンを含有するイソブテンホモポリマーまたはそれらの共重合体で、場合により少なくとも一部ハロゲン化した共重合体。場合により含有されるジエンは、通常、4〜20の炭素原子を有し、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,4−ヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、ビニルノルボルネン、またはそれらの混合物から選択されるのが好ましい。上記のうち、以下が特に好ましい。エチレン/プロピレン共重合体(EPR)またはエチレン/プロピレン/ジエン共重合体(EPDM);ポリイソブテン;ブチルゴム;ハロブチルゴム、具体的にクロロブチルまたはブロモブチルゴム;またはそれらの混合物。
適切な停止剤またはカップリング剤との反応により、官能化されたジエン弾性ポリマー(a)または弾性ポリマー(a’)を用いてもよい。特に、有機金属開始剤(具体的に有機リチウム開始剤)の存在下でアニオン重合により得られたジエン弾性ポリマーは、開始剤から誘導した残留有機金属基を、適切な停止剤またはカップリング剤(たとえば、イミン、カルボジイミド、アルキルスズハロゲン化物、置換ベンゾフェノン、アルコキシシランまたはアリールオキシシラン等)と反応させることにより、官能化されうる(たとえば、欧州特許EP 451 604号、または米国特許第4 742 124号明細書および同第4 550 142号明細書を参照のこと)。
本発明に係るパラフィンワックス(b)は、直鎖飽和炭化水素(「ノルマル−パラフィン」)および/または分岐飽和炭化水素(「イソ−パラフィン」)を含むワックスから選択されうる。
好適な一の実施形態によれば、本発明に使用されうるパラフィンワックス(b)は、直鎖および分岐飽和炭化水素の混合物を含み、直鎖飽和炭化水素の含有率が、少なくとも40重量%、好ましくは55重量%〜80重量%である。
上記の直鎖飽和炭化水素は、以下の組成、
10重量%〜40重量%、好ましくは15重量%〜30重量%の量の少なくとも20〜29の炭素原子と、
20重量%〜65重量%、好ましくは35重量%〜50重量%の量の少なくとも30〜35の炭素原子と、
10重量%〜50重量%、好ましくは15重量%〜40重量%の量の少なくとも36〜42の炭素原子と、
を有するのが好ましい。
10重量%〜40重量%、好ましくは15重量%〜30重量%の量の少なくとも20〜29の炭素原子と、
20重量%〜65重量%、好ましくは35重量%〜50重量%の量の少なくとも30〜35の炭素原子と、
10重量%〜50重量%、好ましくは15重量%〜40重量%の量の少なくとも36〜42の炭素原子と、
を有するのが好ましい。
好適な一実施形態によれば、上記パラフィンワックス(b)は、0.5phr〜10phr、好ましくは1.5phr〜4phrの量でエラストマー組成物中に存在する。
本明細書および特許請求の範囲の目的上、用語「phr」は、弾性ポリマー100重量部当りのエラストマー組成物の所与の成分の重量部を意味する。
本発明に係るパラフィンワックス(b)は、当技術分野で公知の全てのプロセスに基づいて得られうる。たとえば、所望のパラフィンワックス(b)は、石油由来のワックスまたは合成ワックスの蒸留により、得られうる。或いは、本発明に係るパラフィンワックス(b)は、種々のワックスをブレンドして、得られうる。パラフィンワックス(b)を製造するためのプロセスに関するさらなる詳細な説明は、たとえば、米国特許第3,838,080号明細書、同第3,856,731号明細書、または同第5,296,129号明細書に開示されている。
パラフィンワックス(b)の組成は、従来型技法(例えば、キャピラリーガスクロマトグラフィー等)により、決定される。
本発明において使用され、現在市販されているパラフィンワックス(b)の例として、セル(Ser)社のセル(SER)(登録商標)A054およびレプソール(Repsol)社のレデゾン(REDEZON)(登録商標)517が挙げられる。
好適な一の実施形態によれば、ポリマー(c)は、少なくとも約2、好ましくは約20以下、さらに好ましくは約12以下の多分散度を有する。
さらに好適な一の実施形態によれば、ポリマー(c)は、少なくとも約30℃、好ましくは少なくとも約35℃、さらに好ましくは少なくとも約50℃の融点(結晶形に関して)または軟化点(非晶形または半結晶形に関して)を有する。通常、ポリマー(c)は、約120℃以下、好ましくは約110℃以下、さらに好ましくは約100℃以下の融点または軟化点を有する。
さらに好適な一の実施形態によれば、ポリマー(c)は、以下の分岐度(または分子当りの平均分岐数)を有する:1モル%〜20モル%、好ましくは2モル%〜10モル%の、炭素原子の総数に対するメチル基。
さらに好適な一の実施形態によれば、ポリマー(c)は、以下の分岐度、
80モル%〜99モル%、好ましくは90モル%〜95モル%の、炭素原子の総数に対するメチレン基(第2級炭素原子)と、
1モル%〜20モル%、好ましくは2モル%〜10モル%の、炭素原子の総数に対する第3級炭素原子と、
0モル%〜2モル%、好ましくは0モル%〜1モル%の、炭素原子の総数に対する第4級炭素原子と、
を有する。
80モル%〜99モル%、好ましくは90モル%〜95モル%の、炭素原子の総数に対するメチレン基(第2級炭素原子)と、
1モル%〜20モル%、好ましくは2モル%〜10モル%の、炭素原子の総数に対する第3級炭素原子と、
0モル%〜2モル%、好ましくは0モル%〜1モル%の、炭素原子の総数に対する第4級炭素原子と、
を有する。
さらに好適な一の実施形態によれば、ポリマー(c)は、30%〜99%、好ましくは50%〜90%の結晶化度を有する。
分岐度も結晶化度も、従来型技法(たとえば、非晶形と結晶形に関して、それぞれ30.2ppmと32.7ppmに2本の異なるシグナルを検出する、MAS(マジック角回転)法による固体NMR)により、測定されうる。
さらに好適な一の実施形態によれば、ポリマー(c)は、飽和でも不飽和でもよく、環状部分を含んでもよい。
好適な一の実施形態によれば、ポリマー(c)は、パラフィンワックス(b)の重量に対して、0.1重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜5重量%の量でエラストマー組成物中に存在する。
ポリマー(c)は、一般式RCH=CH2(式中、Rは、炭素原子1〜22、好ましくは炭素原子3〜16のアルキル基を表す)の少なくとも1種のα−オレフィンを、ラジカル開始剤の存在下で、低圧力であるが反応物および生成物の気化を回避するのに十分な圧力で、重合させることにより、得られうる。一般的に、前記重合は、約40℃〜約250℃の温度、約500psi以下の圧力で、ラジカル開始剤の半減期の7〜20倍の期間、約0.005/約0.35のラジカル開始剤/α−オレフィンのモル比で、実施される。
本発明に使用され、現在市販されているポリマー(c)の例として、ベーカー・ペトロライト社(Baker Petrolite Corp.)の製品VYBAR(登録商標)、(たとえば、2800の数平均分子量を有するVYBAR(登録商標)103、および2600の数平均分子量を有するVYBAR(登録商標)260)が挙げられる。
本発明に係るエラストマー組成物に、通常0.1phr〜120phr、好ましくは20phr〜90phrの量で少なくとも1種の補強充填剤を有利に添加してもよい。上記補強充填剤を、架橋製品(具体的にタイヤ)に一般的に使用される補強充填剤(たとえば、カーボンブラック、シリカ、アルミナ、アルミノケイ酸塩、炭酸カルシウム、カオリン、またはそれらの混合物)から選択してよい。
本発明に使用されうるカーボンブラックのタイプを、通常、20m2/g以上の表面積(ISO標準6810に記載されるCTAH吸収により測定)を有する、タイヤの製造に従来使用されているカーボンブラックから選択してよい。
本発明に使用されうるシリカは、50m2/g〜500m2/g、好ましくは70m2/g〜200m2/gのBET表面積(ISO標準5794/1に基づいて測定)を有する、通常、熱分解法シリカ、好ましくは沈降シリカである。
シリカを含む補強充填剤が存在する場合、エラストマー組成物は、加硫中に、シリカと相互作用し、弾性ベースにシリカを結合することが可能であるカップリング剤を有利に組み込んでもよい。
好適に使用されるカップリング剤は、たとえば、以下の構造式(I)で同定されうる、シランをベースとするカップリング剤である。
(R)3Si−CH−X (I)
[式中、R基は、同一または異なってもよく、少なくとも1つのR基が、アルコキシ基またはアリールオキシ基であることを条件として、アルキル、アルコキシまたはアリールオキシ基、或いはハロゲン原子から選択され、nは、1以上6以下の整数であり、Xは、ニトロソ、メルカプト、アミノ、エポキシド、ビニル、イミド、クロロ、−(S)mCnH2n−Si−(R)3(式中、1以上6以下の整数であり、R基は、上記の通り定義される)から選択される。
(R)3Si−CH−X (I)
[式中、R基は、同一または異なってもよく、少なくとも1つのR基が、アルコキシ基またはアリールオキシ基であることを条件として、アルキル、アルコキシまたはアリールオキシ基、或いはハロゲン原子から選択され、nは、1以上6以下の整数であり、Xは、ニトロソ、メルカプト、アミノ、エポキシド、ビニル、イミド、クロロ、−(S)mCnH2n−Si−(R)3(式中、1以上6以下の整数であり、R基は、上記の通り定義される)から選択される。
カップリング剤のうち特に好適なのは、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドおよびビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドである。前記カップリング剤は、それ自体で用いるか、または不活性充填剤(たとえば、カーボンブラック)を有する適切な混合物として、エラストマー組成物中にそれらの組み込みを促進するために、使用されうる。
本発明に係るエラストマー組成物は、公知の技法に基づいて、具体的に、ジエン弾性ポリマーに通常使用される硫黄ベースの加硫システムを用いて、加硫されうる。この目的のために、加工熱処理段階の1段階後に、上記組成物に、硫黄ベースの加硫剤を加硫促進剤と一緒に含有させる。最終処理段階において、望ましくない全ての予備架橋現象を回避するために、温度を120℃未満に、好ましくは100℃未満に保つ。
最も有利に使用される加硫剤は、当業者に公知の促進剤および賦活剤と共に、硫黄と、または硫黄(硫黄供与体)を含有する分子とである。
特に効果的な賦活剤は、亜鉛化合物、具体的に、ZnO、ZnCO3、8〜18の炭素原子を有する飽和または不飽和脂肪酸の亜鉛塩(例えば、ステアリン酸亜鉛で、それらは、ZnOと脂肪酸からその場でエラストマー組成物中に生成されるのが好ましい)、さらに、BiO、PbO、Pb3O4、PbO2、またはそれらの混合物である。
通常使用される促進剤は、ジチオカルバミン酸、グアニジン、チオ尿素、チアゾール、スルフェンアミド、チウラム、アミン、キサントゲン酸塩、またはそれらの混合物から選択されうる。
本発明に係るエラストマー組成物は、組成物に意図される特定の用途に基づいて選択される、一般的に用いられる添加剤を含む。たとえば、前記組成物には、酸化防止剤、老化防止剤、可塑剤、粘着剤、オゾン劣化防止剤、変性樹脂、繊維(例えば、ケブラー(Kevlar)(登録商標)パルプ)、またはそれらの混合が添加されうる。
特に、加工性をさらに改善する目的のため、鉱油、植物油脂、合成オイル、それらの混合物(たとえば、芳香油、ナフテン油、フタラート、大豆油、またはそれらの混合物)から通常選択される可塑剤を本発明に係るエラストマー組成物に添加してもよい。可塑剤の量は、通常、0phr〜70phr、好ましくは5phr〜30phrの範囲である。
本発明に係るエラストマー組成物は、当技術分野で公知の技法に基づいて、高分子成分を補強充填剤と、場合により存在する他の添加剤と混合して、調製されうる。たとえば、開放式ミル型の開放式混合機、または接線方向回転子(バンバリー(Banbury))、または連結回転子(Intermix)を有する密閉式混合機、或いはKo−Kneader型のバス(Buss)もしくは共回転または逆回転のツインスクリュータイプの連続ミキサーを用いて、上記の混合を実施してよい。
本発明は、多くの例証となる実施形態により、本発明に従って製造されたタイヤの一部の断面図である添付の図1を参照して、さらに詳細に例証されるだろう。
「a」は軸方向を示し、「r」は半径方向を示す。分かりやすくするため、図1は、タイヤの一部分のみを示すが、図示されていない他の部分は同じであり、半径方向「r」に対して対称に構成されている。
タイヤ(100)は、少なくとも1つのカーカスプライ(101)を含み、カーカスプライの対向する側方縁部が、各々のビードワイヤ(102)に結合されている。カーカスプライ(101)とビードワイヤ(102)との結合は、カーカスプライ(101)の対向する側方縁部をビードワイヤ(102)周囲で折り返して、図1に示すように、所謂カーカスの折返し(101a)を形成して行われる。
別の方法として、従来型ビードワイヤ(102)は、同心コイル(図1に示さない)状に配置された細長要素から形成された、周方向に伸張できない一対の環状挿入物と置き換えうる(たとえば、欧州特許出願EP928 680号明細書およびEP928 702号明細書参照)。上記の場合において、カーカスプライ(101)は、前記環状挿入物の周囲で折り返されず、第1のカーカスプライの外側に付与された第2のカーカスプライ(図1に示さない)により結合がなされる。
カーカスプライ(101)は、通常、互いに平行に配置されて、少なくとも部分的にエラストマー化合物で被覆された複数の補強コードからなる。これらの補強コードは、通常、紡織繊維(たとえば、レーヨン、ナイロンまたはポリエチレンテレフタレート、或いは互いに撚り合わせて、金属合金で被覆したスチールワイヤ(たとえば、銅/亜鉛、亜鉛/マンガン、亜鉛/モリブデン/コバルト合金等)から作られる。
カーカスプライ(101)は、通常、ラジアル形であり、即ち、周方向に対してほぼ垂直に配置された補強コードを包含する。各ビードワイヤ(102)は、タイヤ(100)の内周方向縁部に沿って画定されるビード(103)内に囲まれ、上記ビードで、タイヤは、車輪の一部を形成するリム(図1に示さない)上に係合する。各カーカスの折返し(101a)によって画定される空隙には、ビードワイヤ(102)が埋め込まれるビード充填剤(104)が含有される。耐磨耗性ストリップ(105)は、通常、カーカスの折返し(101a)に対して軸方向外側位置に配置される。
ベルト構造(106)は、カーカスプライ(101)の円周に沿って付与される。図1の特定の実施態様において、ベルト構造(106)は、複数の補強コード、通常金属コードを組み込む2つのベルトストリップ(106a、106b)を含み、上記の補強コードは、各ストリップ内で互いに平行であり、隣接するストリップと交差して、周方向に対して予め決められた角度を形成するように方向付けられる。ベルトストリップ(106b)の半径方向に一番外側に、場合により、「0°ベルト」として一般に公知の少なくとも1つの0度補強層(106c)を付与することができ、該補強層は、通常、複数の補強コード、通常は紡織コードを組み込み、周方向に対して数度の角度で配置されて、エラストマー材料により、被覆されて互いに結合される。
サイドウォール(108)は、本発明に従って作製され、カーカスプライ(101)の外側に付与され、このサイドウォールは、軸方向外側位置で、ビード(103)からベルト構造(106)の端部に延在する。
側方縁部がサイドウォール(108)に接続されるトレッドバンド(109)は、ベルト構造(106)の半径方向外側の位置に周方向に付与される。トレッドバンド(109)は、外側に、地面に接触するように設計された転動面(109a)を有する。横断ノッチ(図1に示さず)により接続されて、転動面(109a)上に分布する様々な形状およびサイズの複数のブロックを画定する周方向溝は、通常、上記転動面(109a)に設けられるが、転動面(109a)は、分かりやすくするために、図1において、平滑であるように示す。
一般に「小型サイドウォール」として公知のエラストマー材料(110)から作製されるストリップは、本発明に従って作製され、場合により、サイドウォール(108)とトレッドバンド(109)との間の接続領域に存在してもよい。上記小型サイドウォールは、通常、トレッドバンドとの共押出により得られ、トレッドバンド(109)とサイドウォール(108)との間の機械的相互作用を改善することができる。或いは、サイドウォール(108)の端部部分は、トレッドバンド(109)の側方縁部を直接被覆する。一般に「キャップとベース」として公知の構造(図1には示さない)をトレッドバンド(109)と共に形成する下層を、場合により、ベルト構造(106)とトレッドバンド(109)との間に配置しうる。
「付着シート」(即ち、トレッドバンド(109)とベルト構造(106)との間の接続を提供することが可能なシート)として機能するエラストマー材料の層(111)は、トレッドバンド(109)とベルト構造(106)との間に配置されうる。
チューブレスタイヤの場合、一般に「ライナー」として公知のゴム層(112)は、タイヤの膨張空気に対して必要な不浸透性を提供し、同様に、カーカスプライ(101)に対して半径方向内側位置に設けられる。
本発明に係るタイヤを製造するプロセスは、たとえば、EP 199 064号明細書、米国特許第4,872,822号明細書、同第4,768,937号明細書に記載される当技術分野で公知の技法および装置を用いて実施され、前記プロセスには、グリーンタイヤを製造する少なくとも1つの段階と、上記タイヤを加硫する少なくとも1つの段階とが含まれる。
さらに具体的には、タイヤを製造するプロセスは、適切な製造機械を用いて、後に一緒に組み合わされる様々なタイヤの構造要素(カーカスプライ、ベルト構造、ビードワイヤ、充填材、サイドウォールおよびトレッドバンド)に対応する一連の半完成品を事前に、互いに別々に製造する段階を含んでなる。次に、続いての加硫段階は、上記の半完成品を一緒に接合して、一体式構造のブロック、つまり完成品のタイヤを得る。
当然、上記の半完成品を製造する段階の前に、従来型の技法に従って、前記半完成品を構成する様々なブレンドを調製して成形する段階が、実施される。
このように得られたグリーンタイヤは、続いての成形および加硫段階に送られる。この目的のため、使用される加硫成形型は、加硫が完了した時点でタイヤの外面を画定するように逆成形される壁部を有する成形用キャビティ内に、処理されるタイヤを収容するように設計されている。
半完成品を使用せずに、タイヤまたはタイヤの部品を製造する別の方法が、たとえば、上記の特許出願EP928,680号明細書およびEP928,702号明細書に開示されている。
グリーンタイヤは、タイヤの内面によって画定された空間内に加圧流体を導入して、グリーンタイヤの外面を成形キャビティの壁部に対して圧着できるように成形されうる。広範に実践されている成形方法の1つにおいて、エラストマー材料から製造され、蒸気および/または別の流体を圧力下で充填された加硫チャンバは、成形キャビティ内部に閉鎖されたタイヤ内で膨張する。上記の方法で、グリーンタイヤは、成形キャビティの内壁に押され、所望の成形品が得られる。別の方法として、たとえば、EP242,840号明細書に記載のように得られるタイヤ内面の構成に従ってトロイダル状に賦形された金属支持体をタイヤ内部に設けることにより、膨張する加硫チャンバなしでも、成形を行うことができる。トロイダル状金属支持体と未加工のエラストマー材料との熱膨張係数の差は、適切な成形圧力を得るために、利用される。
この時点で、タイヤ内に存在する未加工のエラストマー材料を加硫する段階が、実施される。この目的のため、加硫成形型の外壁は、外壁がほぼ100℃〜230℃の最高温度に達するように、加熱流体(通常、蒸気)に接触して配置される。同時に、タイヤの内面は、タイヤを成形キャビティの壁部に圧着するために用いたのと同じ加圧流体を用いて、加硫温度まで加熱され、100℃〜250℃の最高温度まで加熱される。エラストマー材料の質量全体を十分な程度まで加硫するのに必要な時間は、通常、3分〜90分の範囲で異なり、主にタイヤの寸法によって決まる。加硫が完了した時点で、タイヤを加硫成形型から取り出す。
特にタイヤに関連して本発明を例証したが、本発明に従って製造することが可能な他の架橋エラストマー製品として、たとえば、コンベヤベルト、駆動ベルトまたは可撓性チューブが挙げられる。
本発明は、以下の多くの実施例によってさらに例証されるが、単に説明する目的として付与するものであり、本発明を限定するものではない。
実施例1
エラストマー組成物の調製
表1に示すエラストマー組成物は、以下のように調製した(特に、明記しない限り、各成分の量は、phrで示す)。
エラストマー組成物の調製
表1に示すエラストマー組成物は、以下のように調製した(特に、明記しない限り、各成分の量は、phrで示す)。
硫黄と促進剤(CBS)を除いて、全ての成分を、密閉式混合機(ポミーニ(Pomini) PL1.6型)内で約5分間混合した(第1段階)。温度が、145±5℃に達した直後に、エラストマー組成物を放出した。次に、硫黄と促進剤を添加して、開放式回転混合機内で混合した(第2段階)。
(*):比較
(**):量をパラフィンワックスの重量に対して重量%で表す。
NR:天然ゴム;
BR:シス−l,4−ポリブタジエン(Europrene(登録商標)Neocis BR40−EniChem Elastomeri);
カーボンブラック:N330(Vulcan(登録商標)3− Cabot);
酸化防止剤:フェニル−p−フェニレンジアミン;
パラフィンワックス:Serの製品、SER(登録商標)A054で、76重量%の直鎖飽和炭化水素の含有率を有し、炭素原子20〜29の直鎖飽和炭化水素の含有率は、23重量%;炭素原子30〜35の直鎖飽和炭化水素の含有率は、41重量%;炭素原子36〜42の直鎖飽和炭化水素の含有率は、35重量%(毛管カラムを備えたキャピラリーガスクロマトグラフィー(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)製の68090N型)でパラフィンワックスの組成を測定した。毛管カラムは、架橋シリコーンゴム(5%のフェニル−メチル−シロキサン、アジレント・テクノロジー社によりULTRA(商標)2のもとで製造)からなる固定相を有する;
ポリマー(c):バッカーペトロライト社(Backer Petrolite Corp.)の製品で、VYBAR(登録商標)103、2800の数平均分子量を有する;
CBS(促進剤):N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド(Vulkacit(登録商標)CZ−Bayer)。
(**):量をパラフィンワックスの重量に対して重量%で表す。
NR:天然ゴム;
BR:シス−l,4−ポリブタジエン(Europrene(登録商標)Neocis BR40−EniChem Elastomeri);
カーボンブラック:N330(Vulcan(登録商標)3− Cabot);
酸化防止剤:フェニル−p−フェニレンジアミン;
パラフィンワックス:Serの製品、SER(登録商標)A054で、76重量%の直鎖飽和炭化水素の含有率を有し、炭素原子20〜29の直鎖飽和炭化水素の含有率は、23重量%;炭素原子30〜35の直鎖飽和炭化水素の含有率は、41重量%;炭素原子36〜42の直鎖飽和炭化水素の含有率は、35重量%(毛管カラムを備えたキャピラリーガスクロマトグラフィー(アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)製の68090N型)でパラフィンワックスの組成を測定した。毛管カラムは、架橋シリコーンゴム(5%のフェニル−メチル−シロキサン、アジレント・テクノロジー社によりULTRA(商標)2のもとで製造)からなる固定相を有する;
ポリマー(c):バッカーペトロライト社(Backer Petrolite Corp.)の製品で、VYBAR(登録商標)103、2800の数平均分子量を有する;
CBS(促進剤):N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド(Vulkacit(登録商標)CZ−Bayer)。
各組成物を、カレンダーにかけて、幅20mm、厚さ2mmの試験片を得た後に、160℃で20分間加硫した。得た試験片を伸ばし、以下の操作を行って、各歪みを固定した。各試験片の固定されていない部分につけたクランプを有するフレーム内に試験片を入れた。試験片が20%、30%、および50%歪みに達するまで、手動で牽引した。前記歪みを保持するために、クランプを固定した。
以下の条件で行ったオゾンによる劣化を評価するために、上記のようにして獲得した伸長された試験片をハムデン(Hampden)社製の試験用チャンバ装置703型に入れた:
−オゾン濃度:200±30pphm(部/100,000,000);
−温度:23±1℃;
−曝露時間:46時間。
−オゾン濃度:200±30pphm(部/100,000,000);
−温度:23±1℃;
−曝露時間:46時間。
上記の条件で46時間後、亀裂の存在を検定するために、試験片を目視検査した。試験片のいずれにも、検出可能な亀裂は見られなかった。
さらに、予め金蒸着した試験片を日本電子(Jeol)JSM−840A走査電子顕微鏡(SEM)による走査電子顕微鏡写真により、試験片表面上のパラフィンワックスの移動を検査した。得た写真を図2および図3に示す。本発明に係る組成物(実施例2、図2)が、試験片の表面上を感知できるほどは移動しなかったことが、上記の写真により明らかにわかる。
Claims (47)
- 架橋エラストマー材料から製造される少なくとも1個の構成部品を含む車輪用タイヤであって、前記架橋エラストマー材料は、
(a)少なくとも1種のジエン弾性ポリマーと、
(b)少なくとも1種のパラフィンワックスと、
(c)少なくとも1種のC3〜C24α−オレフィンの少なくとも1種のポリマーであって、前記ポリマーが、10,000以下の数平均分子量を有するポリマーと、
を含むエラストマー組成物を含有するタイヤ。 - ほぼトロイダル形状に賦形された少なくとも1つのカーカスプライを備えたカーカス構造であって、その対向側縁が、各々右側および左側ビードワイヤに対応し、各ビードワイヤが、各々のビード内に囲まれている、カーカス構造と、
前記カーカス構造に対して周方向外側位置に付与された少なくとも1本のベルトストリップを含むベルト構造と、
前記ベルト構造上に周方向に重畳されたトレッドバンドと、
前記カーカス構造に対して両側の側方に付与された一対のサイドウォールと、を含み、
前記一対のサイドウォールは、前記エラストマー組成物により形成される、請求項1に記載のタイヤ。 - 前記ポリマー(c)は、少なくとも1種のC5〜C18α−オレフィンのポリマーである、請求項1または2に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、約5,000以下の数平均分子量を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、約3,000以下の数平均分子量を有する、請求項4に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、少なくとも約300の数平均分子量を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、少なくとも約400の数平均分子量を有する、請求項6に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、少なくとも約500の数平均分子量を有する、請求項7に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、少なくとも約2の多分散度を有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、約20以下の多分散度を有する、請求項9に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、約12以下の多分散度を有する、請求項10に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、少なくとも約30℃の融点または軟化点を有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、約120℃以下の融点または軟化点を有する、請求項1〜12のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、以下の分岐度、1モル%〜20モル%の、炭素原子の総数に対するメチル基を有する、請求項1〜13のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、以下の分岐度、2モル%〜10モル%の、炭素原子の総数に対するメチル基を有する、請求項14に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、以下の分岐度、80モル%〜99モル%の、炭素原子の総数に対するメチレン基(第2級炭素原子)を有する、請求項1〜15のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、以下の分岐度、90モル%〜95モル%の、炭素原子の総数に対するメチレン基(第2級炭素原子)を有する、請求項16に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、以下の分岐度、1モル%〜20モル%の、炭素原子の総数に対する第3級炭素原子を有する、請求項1〜17のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、以下の分岐度、2モル%〜10モル%の、炭素原子の総数に対する第3級炭素原子を有する、請求項18に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、以下の分岐度、0モル%〜2モル%の、炭素原子の総数に対する第4級炭素原子を有する、請求項1〜19のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、以下の分岐度、0モル%〜1モル%の、炭素原子の総数に対する第4級炭素原子を有する、請求項20に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、30%〜99%の結晶化度を有する、請求項1〜21のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、50%〜90%の結晶化度を有する、請求項22に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、飽和もしくは不飽和であり、環状部分を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、環状部分を含む、請求項1〜24のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、パラフィンワックス(b)の重量に対して、0.1重量%〜10重量%の量でエラストマー組成物中に存在する、請求項1〜25のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記ポリマー(c)は、パラフィンワックス(b)の量に対して、0.5重量%〜5重量%の量でエラストマー組成物中に存在する、請求項26に記載のタイヤ。
- 前記パラフィンワックス(b)は、直鎖飽和炭化水素および/または分岐飽和炭化水素の双方を含むワックスから選択される、請求項1〜27のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記パラフィンワックス(b)は、直鎖および分岐飽和炭化水素の混合物を含み、直鎖飽和炭化水素の含有率が、少なくとも40重量%である、請求項28に記載のタイヤ。
- 直鎖飽和炭化水素の含有量が、55重量%〜80重量%であることを特徴とする請求項29に記載のタイヤ。
- 直鎖飽和炭化水素が、以下の組成、すなわち、
10重量%〜40重量%の量の少なくとも20〜29の炭素原子、
20重量%〜65重量%の量の少なくとも30〜35の炭素原子、および
10重量%〜50重量%の量の少なくとも36〜42の炭素原子、
の組成を有する、請求項28〜30のいずれか1項に記載のタイヤ。 - 前記パラフィンワックス(b)は、0.5phr〜10phrの量でエラストマー組成物中に存在する、請求項1〜31のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記パラフィンワックス(b)は、1.5phr〜4phrの量でエラストマー組成物中に存在する、請求項32に記載のタイヤ。
- 前記ジエン弾性ポリマー(a)は、20℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項1〜33のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記ジエン弾性ポリマー(a)は、シス−1,4−ポリイソプレン、3,4−ポリイソプレン、ポリブタジエン、場合により、ハロゲン化イソプレン/イソブテン共重合体、1,3−ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、スチレン/1,3−ブタジエン共重合体、スチレン/イソプレン/1,3−ブタジエン共重合体、スチレン/1,3−ブタジエン/アクリロニトリル共重合体、またはそれらの混合物から選択される、請求項34に記載のタイヤ。
- 前記エラストマー組成物は、1種もしくはそれ以上のモノオレフィンとオレフィンコモノマーまたはそれらの誘導体(a’)との少なくとも1種の弾性ポリマーを含む、請求項1〜35のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記弾性ポリマー(a’)は、エチレン/プロピレン共重合体(EPR)またはエチレン/プロピレン/ジエン共重合体(EPDM);ポリイソブテン;ブチルゴム;ハロブチルゴム;またはそれらの混合物から選択される、請求項36に記載のタイヤ。
- 少なくとも1種の補強充填剤が、0.1phr〜120phrの量で、エラストマー組成物中に存在する、請求項1〜37のいずれか1項に記載のタイヤ。
- 前記補強充填剤は、カーボンブラックである、請求項38に記載のタイヤ。
- 前記補強充填剤は、シリカである、請求項38に記載のタイヤ。
- (a)少なくとも1種のジエン弾性ポリマー、
(b)少なくとも1種のパラフィンワックス、
(c)少なくとも1種のC3〜C24のα−オレフィンの少なくとも1種のポリマーであって、前記ポリマーが10,000以下の数平均分子量を有するポリマー、
を含むエラストマー組成物。 - 前記ジエン弾性ポリマー(a)は、請求項34〜37のいずれか1項により規定される、請求項41に記載のエラストマー組成物。
- 前記パラフィンワックス(b)は、請求項28〜33のいずれか1項により規定される、請求項41または42に記載のエラストマー組成物。
- 前記ポリマー(c)は、請求項3〜27のいずれか1項により規定される、請求項41〜43のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
- 少なくとも1種の補強充填剤が、0.1phr〜120phrの量で存在する、請求項41〜44のいずれか1項に記載のエラストマー組成物。
- 前記補強充填剤は、請求項39または40により規定される、請求項45に記載のエラストマー組成物。
- 請求項41〜46のいずれか1項により規定されるエラストマー組成物を架橋することにより得られる架橋エラストマー製品。
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