JP2008195162A - 車両用視界確保装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両の旋回時にて、死角領域がドライバーに与える影響を低減することにより、ドライバーの視界を確保できる車両用視界確保装置を提供すること。
【解決手段】この車両用視界確保装置1は、車体を駆動してシャシーに対する車体角度ΔXを制御する車体角度制御手段2と、ドライバーの視線角度φを検出する視線角度検出手段3とを有する。この車両用視界確保装置1では、車両の旋回時にて、ドライバーの視線角度φが車両の旋回方向に発生する所定の死角領域から外れるように、車体角度制御手段2が車体角度ΔXを変化させる死角抑制制御を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】この車両用視界確保装置1は、車体を駆動してシャシーに対する車体角度ΔXを制御する車体角度制御手段2と、ドライバーの視線角度φを検出する視線角度検出手段3とを有する。この車両用視界確保装置1では、車両の旋回時にて、ドライバーの視線角度φが車両の旋回方向に発生する所定の死角領域から外れるように、車体角度制御手段2が車体角度ΔXを変化させる死角抑制制御を行う。
【選択図】 図1
Description
この発明は、車両用視界確保装置に関し、さらに詳しくは、車両の旋回時にて、死角領域がドライバーに与える影響を低減することにより、ドライバーの視界を確保できる車両用視界確保装置を提供することに関する。
車両の旋回時にてドライバーが旋回方向を視認するときには、車両のピラーなどが障害物となって死角領域が発生することがある。かかる場合には、発生した死角領域によって対向車や歩行者の確認が遅くなるおそれがある。したがって、ドライバーの視界を確保して走行の安全性を高める観点から、死角領域がドライバーに与える影響を低減する必要がある。
かかる課題に関する従来の車両用死角確保装置には、特許文献1に記載される技術が知られている。従来の車両用死角確保装置(車両の推奨速度算出装置)は、車両の基本推奨速度を取得する基本推奨速度取得手段と、運転者の車両運転中の視認方向を推定する視認方向推定手段と、運転者の車両運転中の死角領域を判断する死角領域判断手段と、前記視認方向と前記死角領域との重なり状況に応じて、前記取得した基本推奨速度を補正する推奨速度補正手段とを備えることを特徴とする。
この発明は、車両の旋回時にて、死角領域がドライバーに与える影響を低減することにより、ドライバーの視界を確保できる車両用視界確保装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる車両用視界確保装置は、車体を駆動してシャシーに対する車体角度ΔXを制御する車体角度制御手段と、ドライバーの視線角度φを検出する視線角度検出手段とを有し、且つ、車両の旋回時にて、ドライバーの視線角度φが車両の旋回方向に発生する所定の死角領域から外れるように、前記車体角度制御手段が車体角度ΔXを変化させる死角抑制制御を行うことを特徴とする。
この車両用視界確保装置では、ドライバーの視認方向に死角領域が位置しないように、車体角度ΔXが制御される。これにより、車両の旋回時にて、死角領域がドライバーに与える影響が低減されるので、ドライバーの視界が確保されて、歩行者や対向車などに対する安全確認が容易となる利点がある。
また、この発明にかかる車両用視界確保装置は、ステアリングの操舵角速度dθ/dtが所定の閾値よりも小さいときに前記死角抑制制御が行われる。
死角時間が長いときにのみ車体角度ΔXが変更されて死角抑制制御が行われるので、死角抑制制御が適正に行われる利点がある。
また、この発明にかかる車両用視界確保装置は、車両の限界余裕が十分にあるときに前記死角抑制制御が行われる。
この車両用視界確保装置では、車両の限界余裕が十分にあるときにのみ死角抑制制御が行われるので、車両走行時の安全性が確保される利点がある。
また、この発明にかかる車両用視界確保装置は、ドライバーが脇見運転をしていないと判断されるときに、前記死角抑制制御が行われる。
この車両用視界確保装置では、ドライバーが脇見運転をしていないと判断されるときに死角抑制制御が行われるので、死角抑制制御が適正に行われる利点がある。
また、この発明にかかる車両用視界確保装置は、ドライバーの視線角度φの変化率が所定の閾値以下であり、且つ、ステアリングの操舵角の変化率が所定の閾値以下であるときに、前記死角抑制制御が行われる。
この車両用視界確保装置では、視線角度φの変化率が小さく、且つ、操舵角θの変化率が小さいときに、死角抑制制御が行われる。これにより、死角抑制制御が適正に行われる利点がある。
また、この発明にかかる車両用視界確保装置は、前記死角抑制制御時にてドライバーが脇見運転を行った場合にも、前記死角抑制制御が継続される。
この車両用視界確保装置では、死角抑制制御時にて、この制御がドライバーの脇見運転に影響されることなく継続されるので、安全確認などの脇見運転時における車体角度ΔXの変化が抑制される。これにより、車体角度ΔXの変化によるドライバーDの違和感が低減される利点がある。
また、この発明にかかる車両用視界確保装置は、前記死角抑制制御の終了後に車体角度ΔXが徐々に原点位置に戻される。
この車両用視界確保装置では、死角抑制制御の終了後に車体角度が急速に原点位置に戻される構成と比較して、車体角度ΔXの変化によるドライバーの違和感が低減される利点がある。
また、この発明にかかる車両用視界確保装置は、ステアリングの操舵角速度dθ/dtが所定の閾値以上となると車体角度ΔXが略一定に維持される。
この車両用視界確保装置では、ステアリングの操舵角速度が速いときには、車体の復帰速度が一定に維持される。これにより、操舵速度が速いときにおける車体の向きの急変が抑制されるので、旋回時における車両走行の安全性が高められる利点がある。
この発明にかかる車両用視界確保装置では、ドライバーの視認方向に死角領域が位置しないように、車体角度ΔXが制御される。これにより、車両の旋回時にて、死角領域がドライバーに与える影響が低減されるので、ドライバーの視界が確保されて、歩行者や対向車などに対する安全確認が容易となる利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、この発明の実施例にかかる車両用視界確保装置を示すブロック図である。図2〜図6は、図1に記載した車両用視界確保装置の作用を示すフローチャート(図2および図5)ならびに説明図(図3、図4および図6)である。
[車両用視界確保装置]
車両用視界確保装置1は、車両10の旋回時にて死角領域Aが発生するときに、この死角領域AがドライバーDに与える影響を低減することにより、ドライバーDの視界を確保する装置である。この車両用視界確保装置1は、車体角度制御手段2と、視線角度検出手段3と、操舵角検出手段4と、車両速度検出手段5と、ECU(Electronic Control Unit)6とを有する(図1参照)。車体角度制御手段2は、車体11を駆動してシャシーに対する車体角度ΔXを制御する手段である。この車体角度制御手段2には、例えば、4WS(4 Wheel Steering)機構が採用される。かかる4WS機構では、車両10の旋回時にて車両10の旋回軌跡に影響を与えることなく、車体11の向き(車体角度ΔX)をシャシーに対して独立して変更できる(図6参照)。視線角度検出手段3は、ドライバーDの視線方向に基づいてドライバーDの視線角度φを検出する。この視線角度検出手段3は、例えば、CCDカメラ(Charge Coupled Device)により構成され、運転席の前方からドライバーDの顔を撮像する。操舵角検出手段4は、ステアリングの操舵角θを検出するための舵角センサである。車両速度検出手段5は、車両10の走行速度Vを検出するための速度センサである。ECU6は、死角領域AがドライバーDに与える影響を低減するための制御(死角状態判定、死角抑制制御、復帰判定など)を行う。
車両用視界確保装置1は、車両10の旋回時にて死角領域Aが発生するときに、この死角領域AがドライバーDに与える影響を低減することにより、ドライバーDの視界を確保する装置である。この車両用視界確保装置1は、車体角度制御手段2と、視線角度検出手段3と、操舵角検出手段4と、車両速度検出手段5と、ECU(Electronic Control Unit)6とを有する(図1参照)。車体角度制御手段2は、車体11を駆動してシャシーに対する車体角度ΔXを制御する手段である。この車体角度制御手段2には、例えば、4WS(4 Wheel Steering)機構が採用される。かかる4WS機構では、車両10の旋回時にて車両10の旋回軌跡に影響を与えることなく、車体11の向き(車体角度ΔX)をシャシーに対して独立して変更できる(図6参照)。視線角度検出手段3は、ドライバーDの視線方向に基づいてドライバーDの視線角度φを検出する。この視線角度検出手段3は、例えば、CCDカメラ(Charge Coupled Device)により構成され、運転席の前方からドライバーDの顔を撮像する。操舵角検出手段4は、ステアリングの操舵角θを検出するための舵角センサである。車両速度検出手段5は、車両10の走行速度Vを検出するための速度センサである。ECU6は、死角領域AがドライバーDに与える影響を低減するための制御(死角状態判定、死角抑制制御、復帰判定など)を行う。
この車両用視界確保装置1では、車両10の旋回時にてドライバーDの視界を確保するために、以下の制御が行われる(図2参照)。まず、車両10の旋回開始時にて、車両10の操舵方向、ドライバーDの視線角度φおよび走行速度Vが検出される(ST1)。具体的には、操舵角検出手段4がステアリングの操舵角θを検出して操舵角信号をECU6に出力する。また、視線角度検出手段3がドライバーDの顔を前方から撮像して、その画像信号をECU6に出力する。そして、この画像信号に基づいて、ECU6が画像処理を行い、ドライバーDの顔向きおよび眼球の向き(眼球のセンター方向からのズレ)に関する情報を取得する。そして、この情報に基づいて、ECU6がドライバーDの視線方向と車体11の向きとの傾斜角をドライバーDの視線角度φとして算出する(図3参照)。また、車両速度検出手段5が車両10の走行速度Vを検出して速度信号をECU6に出力する。
次に、上記の情報に基づいて、ECU6が死角状態判定(ST2)を行う。この死角状態判定では、ドライバーDの視線角度φが所定の死角領域A内にあるか否かが判定される。すなわち、ドライバーDの視認方向に死角領域Aがあり、ドライバーDの視認が死角領域Aにより阻害されているか否かが判定される。例えば、この実施例では、死角領域Aが左右のピラー12、12の設置範囲により規定される(図3参照)。そして、この死角領域Aと車両10の操舵方向にかかるドライバーDの視線角度φとが比較される。そして、ドライバーDの視線角度φがピラーの設置範囲内にある(a1≦φ≦a2あるいはb1≦φ≦b2)ときに、ドライバーDの視線角度φと死角領域Aとが重なっていると判断される。
死角状態判定(ST2)にて、ドライバーDの視線角度φが所定の死角領域A内にある場合には、ECU6が所定の指示信号(死角抑制制御の指示信号)を車体角度制御手段2に出力する。車体角度制御手段2は、この指示信号により死角抑制制御を行う(ST3)。この死角抑制制御は、死角領域AがドライバーDに与える影響を低減するための制御である。死角抑制制御では、車両の旋回時にてドライバーDの視線角度φと死角領域Aとが重ならないように(視線角度φが死角領域Aから外れるように)、シャシーに対する車体11の向き(車体角度ΔX)が変更される(図4参照)。このとき、車体11がシャシーに対して独立して駆動され、車両10の進行方向(旋回軌跡)は、そのまま維持される。
その後に、車体11の向きを死角抑制制御前の位置に復帰させるための復帰判定が行われる(ST4)。そして、所定の復帰条件が満たされている場合には、復帰処理(ST5)が開始されて車体角度ΔXがΔX=0に戻される。また、復帰条件が満たされていない場合には、死角抑制制御(ST3)が継続される。
なお、死角状態判定(ST2)にて、ドライバーDの視線角度φが死角領域A内にない場合には、ドライバーDの視野が確保されているので、通常時の4WS制御が行われる(ST6)。
以上説明したように、この車両用視界確保装置1では、車両10の旋回時にて、ドライバーDの視線角度φが車両10の旋回方向に発生する所定の死角領域Aから外れるように、車体角度制御手段2が車体角度ΔXを制御する(図3および図4参照)。すなわち、ドライバーDの視認方向に死角領域Aが位置しないように、車体角度ΔXが制御される。これにより、車両10の旋回時にて、死角領域AがドライバーDに与える影響を低減できるので、ドライバーDの視界が確保されて、歩行者や対向車などに対する安全確認が容易となる利点がある。また、車両10の旋回軌跡が死角抑制制御による影響を受けずに維持されるので、車両10の適正な走行が確保される利点がある。
[死角状態判定]
なお、この車両用視界確保装置1では、上記の死角状態判定(ST2)にて、複数の判定条件(ST21〜ST24)の具備が判断される(図5参照)。そして、これらの条件が満たされる場合に、ECU6が死角抑制制御の指示信号を出力して(ST25)、死角抑制制御が行われる(ST3)。
なお、この車両用視界確保装置1では、上記の死角状態判定(ST2)にて、複数の判定条件(ST21〜ST24)の具備が判断される(図5参照)。そして、これらの条件が満たされる場合に、ECU6が死角抑制制御の指示信号を出力して(ST25)、死角抑制制御が行われる(ST3)。
死角状態判定では、まず、ドライバーDの視線角度φが所定の死角領域A内にある(a1≦φ≦a2あるいはb1≦φ≦b2)か否かが判断される(ST21)。そして、ドライバーDの視線角度φが所定の死角領域A内にある場合には、死角状態判定が継続される。一方、視線角度φが死角領域A内にない場合には、死角状態判定が中止される。この場合には、死角抑制制御(ST3)の指示信号が出力されず、通常の4WS制御(ST6)が行われる(図2および図5参照)。
次に、ドライバーDの視線角度φが所定の死角領域A内にある場合には、死角時間判定が行われる(ST22)。この死角時間判定では、ドライバーDの視線角度φが死角領域A内にある時間(死角時間)の長さが推定され、この死角時間の長さに応じて死角抑制制御(ST3)を行うか否かが判断される。すなわち、この死角時間が長いほどドライバーDの視認方向が死角領域Aによって阻害されるため、積極的に死角抑制制御を行う必要性がある。逆に、死角時間が短い場合には、死角抑制制御を行う必要性が少ない。そこで、死角時間が長いと判断された場合には、死角状態判定が継続されて、死角抑制制御を行うための処理が進められる(図5参照)。一方、死角時間が短いと判断された場合には、死角状態判定が中止されて、通常の4WS制御(ST6)が行われる(図2および図5参照)。
ここで、上記の死角時間は、任意の算出方法により推定され得る。例えば、この実施例では、死角時間が操舵角速度dθ/dtに基づいて推定される。具体的には、ステアリングの操舵角速度dθ/dtが所定の閾値よりも小さいときに、死角時間が長いと判断される。すなわち、操舵角速度dθ/dtが小さいときは、車両10がゆっくりと旋回するため、ドライバーDの視線角度φと死角領域Aとの一致時間が長い。このため、死角時間が長くなるので、死角抑制制御の必要性が増加する。一方、操舵角速度dθ/dtが所定の閾値よりも大きいときは、死角時間が短いと判断される。すなわち、操舵角速度dθ/dtが大きいときは、車両10が素早く旋回するため、ドライバーDの視線角度φと死角領域Aとの一致時間が短い。このため、死角時間が短くなるので、死角抑制制御の必要性が少ない。
したがって、この実施例では、操舵角速度dθ/dtが所定の閾値よりも小さいときにのみ、死角状態判定が継続される(ST22)。かかる構成では、死角時間が長いときにのみ車体角度ΔXが変更されて死角抑制制御が行われるので、死角抑制制御が適正に行われる利点がある。例えば、死角時間が短いときに死角抑制制御が行われると、車体角度の変更によりピラーの前後で車両の挙動が変化したように見えるため、ドライバーDが違和感を感じるおそれがある。
次に、死角時間が長いと判断された場合には、限界余裕判定が行われる(ST23)。この限界余裕判定では、車両10の走行速度V、ステアリングの操舵角θ、走行路の路面状況などに基づいて、車両10の限界余裕が十分にあるか否かが判断される。そして、限界余裕が十分にあると判断された場合には、死角状態判定が継続されて、死角抑制制御(ST3)を行うための処理が進められる。一方、限界余裕が十分でない(車両限界に近い)と判断された場合には、死角状態判定が中止されて、通常の4WS制御(ST6)が行われる(図2および図5参照)。例えば、高速走行時にて大舵角で操舵が行われている状況や走行路の摩擦係数が低い状況では、限界余裕がないと判断される。
かかる構成では、車両10の限界余裕が十分にあるときにのみ死角抑制制御(ST3)が行われるので、車両走行時の安全性が確保される利点がある。例えば、車両10の限界余裕が不十分なときに死角抑制制御が行われて車体角度が変化すると、ドライバーが車両の限界と錯覚して修正操舵を行い、車両の挙動が乱れるおそれがある。
次に、車両10の限界余裕が十分にある場合には、脇見運転判定が行われる(ST24)。この脇見運転判定では、ドライバーDの視線角度φ、ステアリングの操舵角θなどに基づいて、ドライバーDが脇見運転をしているか否かが判断される。そして、ドライバーDが脇見運転をしていないと判断された場合には、死角状態判定が継続されて、死角抑制制御(ST3)を行うための処理が進められる。一方、ドライバーDが脇見運転をしていると判断された場合には、死角状態判定が中止されて、通常の4WS制御(ST6)が行われる(図2および図5参照)。
かかる構成では、ドライバーDが脇見運転をしていないと判断されるときにのみ死角抑制制御(ST3)が行われるので、死角抑制制御が適正に行われる利点がある。例えば、ドライバーDが周囲の景色に気を取られて短時間の脇見を行っている場合や車両10の右左折時にてウィンカーを出すために安全確認を行っている場合などには、死角が発生しないため、死角抑制制御が不要となる。また、このような場合に死角抑制制御が行われると、車体角度の変更によりピラーの前後で車両の挙動が変化したように見えるため、ドライバーDが違和感を感じるおそれがある。
例えば、この実施例では、ドライバーDの視線角度φの変化率(dφ/dt)が所定の閾値以下であり、且つ、ステアリングの操舵角θの変化率(dθ/dt)が所定の閾値以下であるときに、死角状態判定が継続されて、死角抑制制御(ST3)を行うための処理が進められる。すなわち、ドライバーDの視線角度φが略固定されており(視線角度φの変化率が小さく)、且つ、車両10の操舵がゆっくりと行われている(操舵角θの変化率が小さい)ときに、死角抑制制御が行われる。これにより、死角抑制制御が適正に行われる利点がある。例えば、視線角度φの変化率が大きいときは、ドライバーDの視認方向の移り変わりが速いため、死角が発生し難い。また、操舵角θの変化率が大きいときも、周囲の景色の移り変わりが速いため、死角が発生し難い。したがって、これらの場合には、死角による影響が少ないため、死角抑制制御が行われない。
[死角抑制制御時の脇見]
また、この車両用視界確保装置1では、上記の死角抑制制御(ST3)時にてドライバーDが脇見運転を行った場合にも、死角抑制制御が継続されることが好ましい。すなわち、死角抑制制御時には、ドライバーDの視線角度φと死角領域Aとが重ならないように、車体角度制御手段2が車体角度ΔXを変化させる。このとき、ドライバーDが安全確認などのために脇見運転をしたとしても、この車体角度ΔXに関する制御状態が維持される。
また、この車両用視界確保装置1では、上記の死角抑制制御(ST3)時にてドライバーDが脇見運転を行った場合にも、死角抑制制御が継続されることが好ましい。すなわち、死角抑制制御時には、ドライバーDの視線角度φと死角領域Aとが重ならないように、車体角度制御手段2が車体角度ΔXを変化させる。このとき、ドライバーDが安全確認などのために脇見運転をしたとしても、この車体角度ΔXに関する制御状態が維持される。
かかる構成では、死角抑制制御時にて、この制御がドライバーDの脇見運転に影響されることなく継続されるので、安全確認などの脇見運転時における車体角度ΔXの変化が抑制される。これにより、車体角度ΔXの変化によるドライバーDの違和感が低減される利点がある。例えば、安全確認時にて、ドライバーDの視認方向に対応して死角抑制制御が行われるとすると、ドライバーが違和感を感じるため好ましくない。なお、脇見運転か否かの判断は、例えば、死角状態判定(ST2)における脇見運転判定(ST24)の判断基準が用いられる。
[復帰処理における除変制御]
また、この車両用視界確保装置1では、上記の復帰処理(ST5)にて、車体角度ΔXが徐々に原点位置(ΔX=0)に戻されることが好ましい。すなわち、死角抑制制御(ST3)の終了後に、車体11がゆっくりと元の位置に戻される(車体角度の除変制御)。かかる構成では、死角抑制制御の終了後に車体角度が急速に原点位置に戻される構成と比較して、車体角度ΔXの変化によるドライバーDの違和感が低減される利点がある。
また、この車両用視界確保装置1では、上記の復帰処理(ST5)にて、車体角度ΔXが徐々に原点位置(ΔX=0)に戻されることが好ましい。すなわち、死角抑制制御(ST3)の終了後に、車体11がゆっくりと元の位置に戻される(車体角度の除変制御)。かかる構成では、死角抑制制御の終了後に車体角度が急速に原点位置に戻される構成と比較して、車体角度ΔXの変化によるドライバーDの違和感が低減される利点がある。
また、上記の構成では、ステアリングの操舵角速度dθ/dtが所定の閾値(dθ/dt=a)以上となったときに、車体角度ΔXの除変量が略一定(b)に維持されることが好ましい(図6参照)。すなわち、ステアリングの操舵角速度が速いときには、車体11の復帰速度が一定に維持される。これにより、操舵速度が速いときにおける車体11の向きの急変が抑制されるので、旋回時における車両走行の安全性が高められる利点がある。
[補足事項]
なお、この実施例では、車体角度ΔXが以下の算出式により規定される。
…(1)
…(2)
これらの算出式(1)、(2)では、θがステアリングの操舵角、θfが前輪ステア角、mが車体11の重量、lrが車体11の重心から前輪軸までの長さ、lがホイールベース、Kfがフロントコーナリングパワー、ΔXが車体スリップ角、Isが慣性モーメント、γがヨーレート、θrが後輪ステア角、lfが車体11の重心から後輪軸までの長さ、Krがリアコーナリングパワー、sがラプラス演算子である。
なお、この実施例では、車体角度ΔXが以下の算出式により規定される。
これらの算出式(1)、(2)では、θがステアリングの操舵角、θfが前輪ステア角、mが車体11の重量、lrが車体11の重心から前輪軸までの長さ、lがホイールベース、Kfがフロントコーナリングパワー、ΔXが車体スリップ角、Isが慣性モーメント、γがヨーレート、θrが後輪ステア角、lfが車体11の重心から後輪軸までの長さ、Krがリアコーナリングパワー、sがラプラス演算子である。
以上のように、本発明にかかる車両用視界確保装置は、車両の旋回時にて、死角領域がドライバーに与える影響を低減することにより、ドライバーの視界を確保できる点で有用である。
1 車両用視界確保装置
2 車体角度制御手段
3 視線角度検出手段
4 操舵角検出手段
5 車両速度検出手段
10 車両
11 車体
12 ピラー
2 車体角度制御手段
3 視線角度検出手段
4 操舵角検出手段
5 車両速度検出手段
10 車両
11 車体
12 ピラー
Claims (8)
- 車体を駆動してシャシーに対する車体角度ΔXを制御する車体角度制御手段と、ドライバーの視線角度φを検出する視線角度検出手段とを有し、且つ、
車両の旋回時にて、ドライバーの視線角度φが車両の旋回方向に発生する所定の死角領域から外れるように、前記車体角度制御手段が車体角度ΔXを変化させる死角抑制制御を行うことを特徴とする車両用視界確保装置。 - ステアリングの操舵角速度dθ/dtが所定の閾値よりも小さいときに前記死角抑制制御が行われる請求項1に記載の車両用視界確保装置。
- 車両の限界余裕が十分にあるときに前記死角抑制制御が行われる請求項1または2に記載の車両用視界確保装置。
- ドライバーが脇見運転をしていないと判断されるときに、前記死角抑制制御が行われる請求項1〜3のいずれか一つに記載の車両用視界確保装置。
- ドライバーの視線角度φの変化率が所定の閾値以下であり、且つ、ステアリングの操舵角の変化率が所定の閾値以下であるときに、前記死角抑制制御が行われる請求項1〜4のいずれか一つに記載の車両用視界確保装置。
- 前記死角抑制制御時にてドライバーが脇見運転を行った場合にも、前記死角抑制制御が継続される請求項1〜5のいずれか一つに記載の車両用視界確保装置。
- 前記死角抑制制御の終了後に車体角度ΔXが徐々に原点位置に戻される請求項1〜6のいずれか一つに記載の車両用視界確保装置。
- ステアリングの操舵角速度dθ/dtが所定の閾値以上となると車体角度ΔXが略一定に維持される請求項7に記載の車両用視界確保装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104554060A (zh) * | 2014-07-30 | 2015-04-29 | 浙江吉利控股集团有限公司 | 一种增加车辆过弯安全性的方法及系统 |
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2007
- 2007-02-09 JP JP2007030914A patent/JP2008195162A/ja active Pending
Cited By (1)
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CN104554060A (zh) * | 2014-07-30 | 2015-04-29 | 浙江吉利控股集团有限公司 | 一种增加车辆过弯安全性的方法及系统 |
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