JP2008194594A - 吸着体及びそれを用いた吸着回収装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、吸着体の温度を均一とし、吸着体の電気的設計の自由度を高め、吸着物質を離脱させるための、キャリアガスの使用量を抑え、吸着物質の回収率を高め、メンテナンス容易な通電加熱によって再生する吸着体及びそれを用い吸着回収装置を提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明は、吸着した吸着物質を通電加熱により離脱させるシート状の吸着材2と、前記吸着材2の両端全長に接続した両電極3、3aとからなる吸着体であって、前記電極3、3aの長さが、両電極3、3a間の長さより長いことを特徴とする吸着体1の構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、活性炭素繊維を用いた吸着物質を吸着し、通電加熱によって活性炭素繊維を再生する吸着体及びそれを用いた吸着回収装置に関する。
従来から有機溶剤などを吸着させて回収する溶剤回収装置が開発され、吸着材として活性炭などの炭素系の材料、例えば活性炭素繊維が用いられている。活性炭素繊維を用いた装置は、ロール状に巻いた活性炭素繊維フェルトの中空部より100〜160℃のスチームをロール内側から外側あるいは外側から内側に流して活性炭素繊維フェルトに吸着された物質を脱着させ、活性炭素繊維フェルトの再生を図るとともに、ロール外部に取り出した混合ガスを冷却し、セパレータによって水と溶剤を分離し、溶剤を回収する方法が採用されている。
しかし、このようなスチームを用いて吸着物質を脱着させ、活性炭素繊維フェルトを再生するには、一般に装置が大掛かりとなり、蒸気管理を必要とする上に、スチームによる活性炭素繊維フェルトの加熱は伝熱に依存しているため、その加熱効率は余り高くなく、その上、全装置中における熱損失をも考慮すると、その加熱効率はかなり低くなり、またランニングコストも高いという問題があった。
さらに、溶剤を回収するには、溶剤を水から分離しなければならないため、公害防止に適合する厳しい水管理が不可欠であるという問題があり、また、水溶性溶剤を処理対象とできないという欠点があった。
それを解消した装置として、炭素本来の電気伝導性を利用して、通電により炭素のもつ抵抗によって活性炭素繊維を直接発熱させる方法が試みられてきている。しかし、吸着物質として、可燃性の溶剤の場合、ホットスポット、ショートパス、火花放電が発生し、装置が燃焼、爆発が起こる危険があった。
そのため、特許文献1では、吸着物質を加熱により脱着させる活性炭素繊維シートの再生方法において、その活性炭素繊維シートの対向する両端部に、該シート自体の電気抵抗による発熱で加熱されるように通電する電極を付設するにあたり、その電極とシートとの連結部の接触抵抗が、少なくとも両電極間に位置するシート部の電気抵抗よりも小さくなるように連結させ、両電極間に通電して吸着物質を加熱脱着させることを特徴とする活性炭素繊維シートの再生方法の構成として、上記問題を解消した。
その結果、小型の簡易な装置で、良好な操作性及び経済性を有し、安価なランニングコストで安全に吸着物質を除去できる活性炭素繊維シートの通電加熱による再生方法を提供できることとなった。
2002−224562号公報
特許文献1の発明では、図7にあるように、活性炭素繊維フェルト17aの両端部に電極17d、17dを設けたものであり、1つの吸着塔には1つの通電加熱される吸着体17、或いは中空部18bを有する活性炭素繊維フェルトのロール状巻成体18が設置されている。ところが、この吸着体にはいくつかの問題点がある。
第1に、吸着体の温度均一性に限界がある。活性炭素繊維フェルト17aの通電加熱により吸着物質を脱離させ、回収あるいは除去する場合、キャリアガスなど気体の流れにより、通電加熱された活性炭素繊維フェルト17aは、気体の流れの上流部分では冷却され、下流部分では上流部で熱せられた気体により加熱され、活性炭素繊維フェルト17aの吸着体全体の温度均一性が乱されることになる。これを、吸着材全体を流れる電流によって制御し温度均一性を向上させることは困難である。
第2に、吸着材の電気的設計の自由度に制限がある。吸着回収装置で処理するガスの種類、濃度、風量によって、吸着塔に搭載される活性炭素繊維の量はほぼ決まってくる。従ってその両端に電極17d、17dを設ける場合、必然的に通電加熱する吸着材の電気抵抗値が、使用する活性炭素繊維物性値に沿って決まる。
また、吸着するガスの種類、量、吸着回収装置の運転サイクルなどによって、必要とする通電加熱での発熱量(消費電力)が決まる。通電加熱する吸着材の電気抵抗値が小さい場合、必要とする発熱量を得るには大電流が必要となり、電源および制御回路において、大電流への対応が不可欠となり大きなコストアップとなる。また、電流を小さく抑えるためには電圧を下げる必要があり、この場合、コストアップとなるばかりか必要とする発熱量が得られない可能性もある。逆に、吸着材の電気抵抗値が高い場合、電源および制御回路での高電圧対応が必要となる。
このように、本来必要な発熱量が決まると、汎用的な電圧、電流となるように発熱体(吸着材)の電気的パラメーター(電気抵抗値)を設定すべきであるが、前記従来技術では発熱体の電気抵抗値を最適化できなかった。
第3に、吸着したガスを脱離させるためキャリアガスが大量に必要である。通常、吸着材に吸着したガスを脱離させるため、吸着材の昇温とともにキャリアガスを、吸着ガスと同じかもしくは逆方向(吸着材面に対し鉛直方向に)に流す。この場合、特に脱離に必要なのはキャリアガスの線流速であるため、広い吸着材面積に対し線流速を得ようとすると、キャリアガス(流量)が大量に必要となってしまう。
その結果、大量のキャリアガスのコストのみならず、大量のキャリアガスを導入することにより吸着材を昇温させるエネルギーも余計に必要となり、さらに、脱離ガスを冷却・凝縮させるエネルギーも同様に余計に必要となり経済的に問題が大きい。また、キャリアガスを大量に用いた場合、脱離ガス濃度が低下することで、冷却・凝縮して得られる吸着物質の液回収量が低下するという問題もある。
そこで、本発明は、吸着材の温度を均一とし、吸着材の電気的設計の自由度を高め、吸着物質を離脱させるための、キャリアガスの使用量を抑え、吸着物質の回収率を高め、メンテナンス容易な通電加熱によって再生する吸着体及びそれを用い吸着回収装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、吸着した吸着物質を通電加熱により離脱させるシート状の吸着材2と、前記吸着材2の両端全長に接続した両電極3、3aとからなる吸着体であって、前記電極3、3aの長さが、両電極3、3a間の長さより長いことを特徴とする吸着体1の構成、前記吸着体1が略長方形状のシートであることを特徴とする前記吸着体の構成、前記吸着材2が、活性炭素繊維であることを特徴とする前記何れかに記載の吸着体の構成、前記電極3、3aの長さが、前記両電極3、3a間の長さの1.16倍以上あることを特徴とする前記何れかに記載の吸着体の構成、前記加熱を前記吸着材2の温度を測定し、所定の温度にフィードバック制御することを特徴とする前記何れかに記載の吸着体の構成、
有機溶剤又は環境汚染物である吸着物質の除去又は回収する装置において、内部に前記何れかに記載の吸着体を複数設置し、前記吸着体間に電気絶縁性耐熱フィルタ4を設けたことを特徴とする吸着塔の構成、複数の吸着体1をいくつかの吸着体セット5とし、前記吸着体セット5単位で加熱温度制御をすることを特徴とする前記吸着塔の構成、前記吸着体1の平面と平行方向から、吸着体1に向けキャリアガスを送風することを特徴とする前記何れかに記載の吸着塔の構成、ロール状に巻き、内部に中空部18bを有する吸着材2である活性炭素繊維フェルト17aと、前記活性炭素繊維フェルト17aによって内部に巻き込まれ、電源5aとリード線17dを介して接続した電極17b、17cと、及び中空部18bの排ガスの入口と逆末端を塞ぐキャップ19cとよりなる活性炭素繊維フェルトのロール状巻成体20と、前記活性炭素繊維フェルトのロール状巻成体20を収納し、前記中空部18bに連結する排ガス送風管19bを挿通させ、吸着物質を除去された浄化空気を排出する浄化空気排出管19f、吸着材2を加熱再生する際にキャリアガスを送るキャリアガス送風管19e、及びキャリアガスを溶剤の回収工程に送るキャリアガス回収管19が接続された容器19aと、からなる吸着塔19の構成、
前記何れかに記載の吸着塔を2つ以上備え、連続的に吸着物質の除去又は回収する吸着回収装置7の構成とした。
本発明は、以上の構成であるから以下の効果が得られる。先ず、吸着材の温度均一性・温度制御性が向上した。電極を吸着材に適切な位置(長方形状シートの短い辺)に配置することにより電流密度の均一性が高くなり、温度均一性が向上できる。
吸着材は、いくつかの電気回路的に独立した吸着材セットとして、吸着塔に設置し、それらの温度設定および制御が温度センサの測定値に基づき個別に行われるため、活性炭素繊維の通電加熱による吸着物質の脱離時において、キャリアガスなど気体の流れなどによる吸着材の各部位での温度均一性の乱れを抑えることができる。
また、吸着回収装置として最適な吸着材の温度分布が存在する場合は、その分布の実現も可能である。これにより吸着回収効率の大幅な向上が期待でき、またきめ細かな温度制御により、活性炭素繊維の局所過熱を未然に防ぎ、吸着回収装置の安全性向上にも寄与する。
次に、吸着材の電気抵抗値を任意に設定することが可能になる。複数の吸着体セットを直列、並列に接続、あるいは単独で用いることにより、吸着材の電気抵抗を任意に設定できるため、吸着回収装置として発熱体の電気抵抗値を最適化できる。その結果、汎用的な電源や制御機器を使うことができ、吸着回収装置のコストダウンに繋がる。
また、メンテナンス性が向上する。吸着物質の着脱を繰り返すうちに、吸着材の吸着性能などが劣化してくる。この経時変化は、吸着材全体で一様ではなく、劣化の激しい部分とそうでない部分が出てくる。吸着材がいくつかの吸着材セットとして使用されているため、劣化した吸着体、または吸着体セットのみ交換することが可能となる。その結果、メンテナンス性の向上とメンテナンスコストの低減が実現できる。
さらに、キャリアガスと昇温・冷却エネルギーを削減することができる。吸着体の平面と平行方向から、吸着体に向けキャリアガスを送風することで、少量のキャリアガスで効率よく吸着物質を脱離させることができるので、キャリアガスのコストが削減できる。また、導入するキャリアガスが少量のため、吸着材を昇温させるエネルギーも削減できる。さらに、脱離ガスを冷却・凝縮させるエネルギーも同様に削減できる。このように経済的効果は非常に大きい。
加えて、前述のようにキャリアガスが少量であるため液回収率が向上する。脱離ガス濃度が非常に高くなり、冷却・凝縮して得られる吸着物質を液体で回収する効率が非常に高くなる。
吸着材の温度を均一とし、吸着材の電気的設計の自由度を高め、吸着物質を離脱させるための、キャリアガスの使用量を抑え、吸着物質の回収率を高め、メンテナンス容易な通電加熱によって再生する吸着体及びそれを用い吸着回収装置を提供する目的を、(請求項1〜5)吸着した吸着物質を通電加熱により離脱させるシート状の略長方形状の活性炭素繊維である吸着材2と、前記吸着材2の両端全長に接続した両電極3、3aとからなる吸着体であって、前記電極3、3aの長さが、両電極3、3a間の長さより長く、前記加熱を前記吸着材2の温度を測定し、所定の温度にフィードバック制御することを特徴とする前記何れかに記載の吸着体の構成とすることで実現した。
以下、添付図面に基づき、本発明である吸着体について詳細に説明する。図1は、本発明である吸着体の平面図である。
本発明である吸着体1は、吸着した吸着物質を通電加熱により脱落させる約長方形のシート状の吸着材2と、前記吸着材2の両端全長に亘り接続した両電極3、3aからなる。前記電極3、3aの長さ(破線両矢印D)は、両電極3、3a間(点線両矢印C)より長いことを特徴とする。
吸着物質としては、パークロロエチレン、トリクロロエチレン、ジクロロメタン等の有機演奏系溶剤、トルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエーテル、ケトン等がある。なお、本発明によって、吸着させられるものは、これらに限定されることはない。
図2は、本発明である吸着体の断面図である。断面は、図1の一点鎖線A−Aの位置である。
吸着体1は、断面コの字状の電極3、3aの溝3bに、吸着材2を挟み、ネジなどで固定される。吸着材2は、例えば、シート状の活性炭素繊維2aの両面を覆い、ほぐれを防ぎ、成形のための不織布2b、2bからなる。吸着材2は、複数セットまとめて、電極3、3aに挟んでもよい。ほぐれない素材、ほぐれない設置方法であれば、特に、不織布2bは必要ない。
吸着材2は、導体で、排ガスなどの気体を通し、吸着物質を吸着でき、吸着物質に腐蝕されない素材であれば、他の素材であってもよい。
図3は、本発明である吸着体に通電したときの温度分布の平面模式図である。電極3、3aの長さを電極3、3a間の距離より、長くすることで、活性炭素繊維2a上の電流密度分布が均一化され、温度の均一性の向上を図ることができる。
図8に示すように、従来の吸着体17では、電流の流れと平行方向、即ち図中の一点鎖線両矢印方向では、電流密度が小さいものの、電流が流れる方向に対して垂直な方向、即ち図中の二点鎖線両矢印方向では、電流密度のバラツキが極めて大きい。
一方、図3に示すように、本発明である吸着体1では、電流の流れと平行方向、即ち図中の一点鎖線両矢印方向のみならず、電流が流れる方向に対して垂直な方向、即ち図中の二点鎖線両矢印方向でも、電流密度が小さく、電流密度のバラツキが極めて少ない。
即ち、電極3、3aの長さをできるだけ長くすることで、電極3、3aが接続されていない両端部での電流密度の低下の影響に起因する活性炭素繊維全体の温度分布のバラツキを最小限に抑えることができる。
次に、図4を参照し、図3で示した温度分布モデルを実証したときの結果について説明する。図4は、本発明である吸着体に通電したときの温度測定結果である。図4(A)が測定結果をグラフに表示したもので、図4(B)が吸着材2の温度測定位置を示したものである。
測定に使用した吸着材2の大きさは、図4(B)に示したように、電極3、3aと接続する辺の長さが280mm、電極3、3aと接触しない辺の長さが240mm(一部電極内に埋もれている。)で、吸着材2の形状は、略長方形状のシートである。
従って、吸着材2と接続する部分の電極3、3aの長さも280mmである。よって、電極3、3aの長さが、前記両電極3、3a間の距離の長さの1.16倍である。また、温度を測定した箇所は、a〜oの15箇所であり、図4(B)に対応する。
なお、電極3、3aの長さは、電極3、3a間の長さを1としたとき、1.16倍以上であればよく、望ましくは2倍以上、さらに望ましくは10倍以上である。電極3、3aが、電極3、3a間の長さより長ければ長いほど、電流の流れに直交する方向端部での、電流密度のバラツキが、より少なくなるからである。
図4(A)の第1横軸が電極3からの距離(mm)、第2横軸が活性炭素繊維の電極3、3aが接続されていない端部(図3上)からの距離(mm)、縦軸が、第1横軸、第2横軸によって、特定された位置の活性炭素繊維2aに通電後、図4(B)の測定位置Oが、所定の温度に達温するまでの時間を100としたときの比率であり、値が小さいほど、測定位置Oより、所定の温度に達温するまで、より時間がかかることを意味する。
活性炭素繊維2a上の電流密度分布を評価するために、活性炭素繊維上の昇温速度を用いた。この方法であれば、放熱などの影響を排除し、より正確に温度均一性を評価することができるためである。
その結果、図3に示すように、電極3、3aが接続されていない両端部においても、昇温速度のバラツキが低く抑えられたことが判る。つまり、電極3、3aと接続されていない活性炭素繊維2aの両端部においても電流密度が小さいといえる。よって、吸着材2の加熱温度をより均一にすることができたともいえる。
次に、図5を参照して、本発明である吸着体を用いた吸着塔について説明する。図5(A)は本発明である吸着塔の内部模式図である。図5(B)は図5(A)の回路図である。
本発明である吸着塔は、VOCなどを含む被処理ガスの導入管、浄化空気の排出管、吸着体1に吸着したVOCを離脱時に送風するキャリアガス注入管に連結した密閉容器と、
前記密閉容器に設置された複数の吸着体セット5で構成される
吸着体セット5は、複数の実施例1の吸着体1と、前記吸着体1間に設けた電気絶縁性耐熱フィルタ4からなり、前記吸着体1同士を絶縁する。
電気絶縁性耐熱フィルタ4は、「電気絶縁性」と、活性炭素繊維の吸着機能を阻害しない「通気性」と、繊維状活性炭の通電加熱温度に耐え得る「耐熱性」とを合わせ持つ素材であれば、特に限定されない。
例えば、多孔構造をもつセラミックスやフッ素樹脂、あるいはフッ素樹脂繊維やガラス繊維など非電気伝導性の耐熱繊維製の織物や不織布などが利用できる。耐熱繊維不織布など可撓性の電気絶縁性耐熱フィルタ4の場合は、吸着材2の間に挟んで巻き込むことにより、ロール状の吸着体構造(図7(B))も実現可能である。
図5(B)にあるように、吸着体セット5は、両端に電極3、3aを設けたシート状の活性炭素繊維などからなる吸着材2が積層した構造の吸着体1を、単独もしくは複数で使用し、複数である場合は、電極3、3aを導線で直列(あるいは並列)に電源5aと接続し通電加熱される。
吸着体セット5は、複数設置してもよく、その場合は電気回路的に独立し、その各々に設置された温度センサ6によって個別に温度制御される。温度制御は、リアルタイムに、電流量を制御し、吸着材2の温度を所定の温度になるようにフィードバック制御(図中点線矢印)することでできる。
活性炭素繊維は、粒状活性炭などに比べ着脱速度が非常に早いため、吸着材2の厚さは薄くすることが可能である。そのため、吸着体1の面積に対し吸着体1の断面積は非常に小さくなる。そこで、脱離時のキャリアガスを流す方向を、吸着材の断面方向(吸着体1の平面と平行方向(図中キャリアガス白抜き矢印方向))に流すことにより、流路面積が小さいため少量のキャリアガスで大きな線流速が得られる。
一方、図7(B)に示すような、活性炭素繊維フェルト17aを円筒状に巻いた吸着体18では、吸着体18端部に電極17b、17cが存在するため、吸着体18断面方向にキャリアガスを流すことはできない。
以下、本発明である吸着回収装置について説明する。図6は、本発明である吸着物質の除去または回収する吸着回収装置の構成図である。
吸着回収装置7は、工業用洗浄剤として用いられるトリクロロエチレンなどの揮発性有機化合物(VOC)を除去または回収する装置である。VOCは、洗浄などで使用される際に、蒸発し排出ガスとして集められる。この排ガスが吸着回収装置7の被処理ガスとなる。
排ガスからVOCなどを回収する機構は、被処理ガスを処理ブロア11などで、エアフィルタ10を通過し混雑物を除去され、第1(第2)吸着塔8(9)に送風される。送風された被処理ガスは、第1(第2)吸着塔8(9)内部に設置された活性炭などの吸着材にVOCを吸着させ、吸着塔8(9)を通過した被処理ガスは、浄化空気として大気中に放出される。
VOCを吸着した吸着材は、キャリアガス送風下で吸着材を加熱し、吸着していたVOCを離脱させ、脱離したVOCを真空ポンプ14などで吸着塔から分離工程に抜き出し、定法に従って、冷却・凝縮し回収する。例えば、分離工程は、コンデンサ内に冷却水を回し、VOCを冷却液化し、水分離器15で、VOCと水に分離し、水は排水として排出し、VOC測定は回収タンク16などに回収し、再利用される。
本発明である吸着回収装置7は、VOCなどを吸着する吸着材として、実施例1の吸着体1を用いる。また、吸着後のVOCを離脱するために加熱する方法として、通電加熱で、活性炭素繊維2aを直接加熱する。
このような吸着回収装置は、通常、吸着塔を2塔以上もち、吸着物質の着脱を交互に行うことにより、発生するVOCを連続的に回収処理することを可能にする。
例えば、第1吸着塔8が吸着工程である場合、VOCを含む被処理ガスは、エアフィルタ10、処理ブロア11、バルブV1(この時V3は閉)を通り第1吸着塔8に入り、VOCが吸着材2に吸着される。処理後の清浄な空気はV2(この時V4は閉)を通して大気中に排出される。
そして、第1吸着塔8が吸着工程の時、第2吸着塔9が脱離(再生)工程である。まず、第2吸着塔9の吸着体1は通電加熱され、キャリアガスが(流量計FM2を通して)V8(この時V6は閉)から導入される。
一方、第2吸着塔9は、V7(この時V5は閉)、V19(V18は通常閉)を通して真空ポンプ14によって、キャリアガスとともに吸着体1から脱離したVOCが排出され、減圧される。
キャリアガスと吸着体から脱離したVOCはコンデンサによって冷却され、凝縮したVOCは水分離器15を通して回収タンク16に溜められる。
一方、キャリアガスは凝縮しなかったVOCとともに処理ブロア11に戻り、第1吸着塔8で被処理ガスとともに、吸着材2に吸着処理される。
脱離が完了した後、V7、V8は閉じられ、V15が開き(この時V13は閉)、第2吸着塔9は大気圧に解放される。
次に、V11、V12(この時V9、V10は閉)が開き、冷却ブロア12と空気冷却器13により第2吸着塔9の吸着体1は冷却され、その後、V11、V12は閉じられ、第2吸着塔9の脱離(再生)工程は終了する。
その後、第2吸着塔9が、吸着工程に入り、第1吸着塔8が、脱離(再生)工程に入る。これを繰り返して連続的にVOCを処理する。なおV14、V16は通常閉じられ、第1(第2)吸着塔8(9)が過剰に加熱されたとき、必要に応じて、吸着体1に水、窒素などの冷却剤を導入し、第1(第2)吸着塔8(9)を冷却する。
なお、図6にあるように、キャリアガスの送風管を、第1(2)吸着塔8(9)の側面、即ち、吸着塔内部に設置された吸着体1の平面と平行方向に接続することで、キャリアガスを吸着体1と平行方向から、吸着体1に吹きかけることができる。これにより、上述のように、キャリアガスの送風量を低減でき、目的の吸着物質の回収率も高まる。
図9は、本発明である吸着塔の他の実施例の長手方向の断面図である。本発明である吸着塔19は、活性炭素繊維フェルトのロール状巻成体18と、それを収納する容器19aとからなる。
活性炭素繊維フェルトのロール状巻成体18は、吸着材である活性炭素繊維フェルト17aをロール状に巻いた中空部18bを有する活性炭素繊維フェルトのロール状巻成体18と、活性炭素繊維フェルト17aによって内部に巻き込まれ、電源5aとリード線17dを介して接続した電極17b、17cと、巻かれた活性炭素繊維フェルト17aを拘束する締め付けリング18aと、中空部18bの排ガスの入口と逆末端を塞ぐキャップ19cとからなる。
容器19aは、ロール状に巻かれた活性炭素繊維フェルト17aの側面と密着して収納する。容器19aは、排ガスを送り、バルブAによって開閉し、前記中空部18bに連結する排ガス送風管19bを挿通させ、吸着材に排ガスの目的の物質を除去された浄化空気を排出し、バルブAによって開閉し、容器19aの側面で浄化空気排出管19dと、吸着材を加熱再生する際にキャリアガスを送り、バルブBにより開閉し、吸着体より上流部方向の容器19aの側面でキャリアガス送風管19eと、キャリアガスを溶剤の回収工程に送り、バルブBにより開閉し、容器19aの下流でキャリアガス回収管19fと接続される。
なお、活性炭素繊維フェルトのロール状巻成体20は、従来の活性炭素繊維フェルトのロール状巻成体18の両端を締め付けリング20aできつく締め付け、排ガス排出側の中空部18b末端にキャップ19cで栓をした以外は、図7(b)と同じである。これにより、活性炭素繊維フェルト17aのシート面と平行方向からキャリアガス(一点鎖線)を、前記活性炭素繊維フェルト17a内部に送風することができることとなる。
次に、本発明である吸着塔19の吸着物質の吸着、再生方法を説明する。先ず、吸着は、バルブAを開放し、バルブBを閉止した状態で開始される。
即ち、排ガス送風管19bから送風された排ガスは、中空部18bに送られ、活性炭素繊維フェルト17aを通過(波状矢印)し、活性炭に目的の物質を吸着され、浄化空気排出管19dから浄化処理され、大気中に放出される。
次に、吸着材である活性炭素繊維フェルト17aの再生は、バルブAを閉止し、バルブBを開放した状態で開始され、活性炭素繊維フェルト17aに通電し、吸着体を加熱する。
即ち、キャリアガス送風管19eから送風されたキャリアガスは、中空部18bを通ることなく、吸着材の平面と平行方向から送風され、吸着材平面と平行方向(鎖線矢印)に進み、キャリアガス回収管19fを通り、吸着物質を回収する工程に送られる。
吸着塔19をこのような構成にすることで、従来の吸着材である活性炭素繊維フェルト17aをロール状に巻いた中空部18bを有する吸着体であっても、吸着材の平面と平行方向より、キャリアガスを送風することができ、キャリアガスの使用量を低減できる。これにより、目的の吸着物質の回収率を高めることができる。
本発明である吸着体の平面図である。 本発明である吸着体の断面図である。 本発明である吸着体に通電したときの温度分布の平面模式図である。 本発明である吸着体に通電したときの温度測定結果である。 本発明である吸着体を用いた吸着塔の説明図である。 本発明である吸着物質の除去または回収する吸着回収装置の構成図である。 従来の吸着体を示す図である。 従来の吸着体に通電したときの温度分布の模式図である。 本発明である吸着塔の他の実施例の長手方向の断面図である。
符号の説明
1 吸着体
2 吸着材
2a 活性炭素繊維
2b 不織布
3 電極
3a 電極
3b 溝
4 電気絶縁性耐熱フィルタ
5 吸着体セット
5a 電源
6 温度センサ
7 吸着回収装置
8 第1吸着塔
9 第2吸着塔
10 エアフィルタ
11 処理ブロア
12 冷却ブロア
13 空気冷却器
14 真空ポンプ
15 水分離器
16 回収タンク
17 吸着体
17a 活性炭素繊維フェルト
17b 電極
17c 電極
17d リード線
18 活性炭素繊維フェルトのロール状巻成体
18a 締め付けリング
18b 中空部
19 吸着塔
19a 容器
19b 排ガス送風管
19c キャップ
19d 浄化空気排出管
19e キャリアガス送風管
19f キャリアガス回収管
20 活性炭素繊維フェルトのロール状巻成体
20a 締め付けリング

Claims (10)

  1. 吸着した吸着物質を通電加熱により離脱させるシート状の吸着材と、前記吸着材の両端全長に接続した両電極とからなる吸着体であって、前記電極の長さが、両電極間の長さより長いことを特徴とする吸着体。
  2. 前記吸着体が略長方形状のシートであることを特徴とする請求項1に記載の吸着体。
  3. 前記吸着材が、活性炭素繊維であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吸着体。
  4. 前記電極の長さが、前記両電極間の長さの1.16倍以上あることを特徴とする請求項1〜請求項3何れかに記載の吸着体。
  5. 前記加熱を前記吸着材の温度を測定し、所定の温度にフィードバック制御することを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の吸着体。
  6. 有機溶剤又は環境汚染物である吸着物質の除去又は回収する装置において、内部に請求項1〜請求項5の何れかに記載の吸着体を複数設置し、前記吸着体間に電気絶縁性耐熱フィルタを設けたことを特徴とする吸着塔。
  7. 複数の吸着体をいくつかの吸着体セットとし、前記吸着体セット単位で加熱温度制御をすることを特徴とする請求項6に記載の吸着塔。
  8. 前記吸着体の平面と平行方向から、吸着体に向けキャリアガスを送風することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の吸着塔。
  9. ロール状に巻き、内部に中空部を有する吸着材である活性炭素繊維フェルトと、前記活性炭素繊維フェルトによって内部に巻き込まれ、電源とリード線を介して接続した電極と、及び中空部の排ガスの入口と逆末端を塞ぐキャップとよりなる活性炭素繊維フェルトのロール状巻成体と、
    前記活性炭素繊維フェルトのロール状巻成体を収納し、前記中空部に連結する排ガス送風管を挿通させ、吸着物質を除去された浄化空気を排出する浄化空気排出管、吸着材を加熱再生する際にキャリアガスを送るキャリアガス送風管、及びキャリアガスを溶剤の回収工程に送るキャリアガス回収管が接続された容器と、
    からなる吸着塔。
  10. 請求項6〜請求項9の何れかに記載の吸着塔を2つ以上備え、連続的に吸着物質の除去又は回収する吸着回収装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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