JP2008193888A - 磁束位相制御回転電機システム - Google Patents

磁束位相制御回転電機システム Download PDF

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Abstract

【課題】
永久磁励磁の回転電機システムに於いて,高速応答可能な磁束位相制御による弱め界磁方法及び手段を提供する。
【解決手段】
界磁部或いは電機子は2分割されてそれぞれが相対的に回動可能に構成され,分割された界磁部或いは電機子を電機子と界磁部間に作用する力の方向に回転偏倚させて分割された界磁部或いは電機子間の周方向角度長を制御して弱め界磁制御を行う。機構はシンプルで小出力アクチュエータで可能であり,エネルギー効率が高い特徴がある。移動体の発電機・駆動モータ等に適用出来,定電圧発電機を容易に実現できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は,永久磁石界磁を持つ回転電機システムに関し,特に弱め界磁制御により出力を制御する回転電機システム及び界磁制御方法に関する。
永久磁石界磁と電機子との相対的回転によって電磁的に生ずる電力を取り出す発電機或いは電機子に供給する電流によって生ずる磁界と永久磁石界磁との相互作用により永久磁石界磁と電機子との相対的回転を生ずる電動機等の回転電機はエネルギー効率に優れ,永久磁石の発展に伴い日常的に広く使われている。しかしそのような回転電機は、界磁からの磁束が一定であるので電動機として用いられるにしても発電機として用いられるにしても広い回転速度範囲で常に最適の出力が得られる訳ではない。すなわち,電動機の場合は高速回転域では逆起電力(発電電圧)が高すぎる結果となって制御が困難となり,弱め界磁制御として界磁を弱める種々の手段が提案されている。また発電機の場合,広い回転速度に於いて発電電圧を所定のレベルとする為に専ら半導体による電子回路制御が用いられている。
しかしながら,電動機で広く採用されているベクトル制御の弱め界磁手段では回転に直接寄与しない電流を流す為にエネルギー損失を大とし,永久磁石励磁に制御用電流励磁を併用する場合は電動機の構造を複雑にし,エネルギー損失を伴う。さらに発電機の場合,入力である回転子の回転速度の変動範囲が大きいと定電圧化電子回路の負担も大となり,電子回路のコストに占める割合が著しく大となる。例えば,自動車ではエンジンの回転数の変動範囲は10倍程度あり,使用される発電機はその広い変動範囲に適応する必要がある。特に電力が大になると電子回路のためのコスト負担が飛躍的に大となる。
したがって,回転電機装置の構成を工夫して電子回路制御を最小限に留めて装置全体としてのコストを低減する方策は以前から求められ,種々の提案が為されてきた。
特許文献1の提案は永久磁石を有する回転子を軸方向に2分し,一方を回転軸に対して偏倚制御させながら回転させ,電機子コイルと鎖交する界磁磁束の位相を制御して実効的に弱め界磁を実現した交流発電機を開示している。界磁磁束の位相制御による弱め界磁はその後も特許文献2から特許文献5等で開示されているが,回転子は2分したとしても質量が大であり,その偏倚制御には本体の回転電機の出力に近い力を発揮できるアクチュエータが必要であり,そのことが磁束位相制御による弱め界磁制御の普及を妨げている。
米国特許3713015「ALTERNATING CURRENT GENERATOR HAVING A TWIN PM ROTOR WHICH IS ADJUSTABLE IN RESPONSE TO OUTPUT VOLTAGE」 特開平10−155262「磁石式ブラシレス電動機」 特開2001−069609「ハイブリッド車及び回転電機」 特開2001−314068「2ロータ型同期機」 特開2006−262600「回転子およびこれを備えた回転電機」
したがって,本発明が解決しようとする課題は,界磁磁束の位相制御による弱め界磁方法を適用した回転電機装置に於いて,小さな力にも拘わらず高速で応答制御可能な,弱め界磁制御方法,弱め界磁方式の回転電機および回転電機システムを提供する事である。
請求項1の発明による発電機システムは,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する発電機システムであって,回転側に配置された界磁部或いは電機子が2分割された二つのロータそれぞれが回転軸に対して回動可能に構成され,二つのロータそれぞれと回転軸間のロータ保持手段を有し,ロータ保持手段はロータを回転軸と共に回転するよう回転軸に保持すると共にロータ保持力を一時的に緩めて界磁部及び電機子間の作用力によりロータを回転軸に対して回転方向と逆方向に回転偏倚させる構成とし,発電機システムの出力に応じてロータ保持手段を制御して二つのロータ間の周方向角度長を変え,実効的に界磁強度を制御して出力を最適化する制御装置を有する。
発電機は,界磁部が回転し電機子が静止する構造及びその逆の構造のいずれの構造も存在する。上記の本発明は永久磁石励磁の界磁部或いは電機子が回転する構成のいずれの発電機にも適用される。
実効的に界磁強度を制御するとは,2つの位相の異なる磁束を電機子コイルと鎖交させる事で磁束と電機子コイルとの相互作用の大きさを制御する意味である。
回転中には電機子と界磁部間で互いに力が作用し合っている。すなわち,電動機の場合は当然に引力であり,発電機の場合は反発力である。ロータを回転軸に保持して共に回転させ,保持力を緩めてフリー回転させると電機子と界磁部間の作用力に従いロータは回転軸に対して回転偏倚する。ロータ保持手段は分割された二つのロータを回転軸に対して保持し,何れかのロータの回転軸に対する保持力を一時的に緩めてロータを回転軸に対して回転方向と逆方向に回転偏倚させ,二つのロータ間の周方向角度長を変える。
発電機システムの出力最適化の一つに定電圧発電機システムがある。入力である回転速度変動に対応して界磁強度を実効的に制御し,発電電圧を所定の値に維持する。
請求項2の発明は,請求項1記載の発電機システムに於いて,二つのロータ間に係合部を有し,係合部は二つのロータ間の周方向角度長が界磁部に於いて隣接する磁極中心間の周方向角度長を越えないよう規制する事を特徴とする。
ロータが等分された場合,二つのロータ間の周方向角度長がゼロで電機子コイルの鎖交磁束量は実効的に最大となり,界磁部に於いて隣接する磁極中心間の周方向角度長と等しくなった点で鎖交磁束量は実効的に最小になる。更に二つのロータ間の周方向角度長が界磁部に於いて隣接する磁極中心間の周方向角度長を越えると界磁部と電機子間の作用力の方向が逆になり制御が複雑になるので二つのロータ間の周方向角度長を界磁部に於いて隣接する磁極中心間の周方向角度長を越えないよう規制する。
請求項3の発明は,請求項1記載の発電機システムに於いて,ロータ保持手段はロータと回転軸間にクラッチ機構を有し,制御装置は二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に後続するロータ側のクラッチ機構を制御して前記ロータを回転軸に保持する力を緩めて回転軸に対して回転方向と逆方向に回転偏倚させ,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に先行するロータ側のクラッチ機構を制御して前記ロータを回転軸に保持する力を緩めて回転軸に対して回転方向と逆方向に回転偏倚させ,二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする。
クラッチ機構は他にチャッキング機構,ブレーキ機構,トルクコンバータ等名称は異なるが趣旨を同じくする種々の構成で実現できる。定常回転ではクラッチ機構を介してロータを回転軸に保持して共に回転させ,二つのロータ間の周方向角度長を変える時のみ一方の回転軸に対するロータの保持力を緩めてフリー回転させる。フリー回転で発電機の場合にはロータが回転方向とは逆方向に駆動される事を利用して二つのロータ間の周方向角度長を制御する。
請求項4の発明は,請求項3記載の発電機システムに於いて,二つのロータは回転軸方向に並んで配置され,クラッチ機構は回転軸と共に回転する2枚のクラッチ円板及び2枚のクラッチ円板間に配置されて2枚のクラッチ円板を二つのロータそれぞれに接触するよう付勢するスプリング及びクラッチ円板それぞれを軸方向に偏倚させるアクチュエータとで構成され,制御装置は二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に後続するロータとクラッチ円板とを離す方向にアクチュエータを駆動し,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に先行するロータとクラッチ円板とを離す方向にアクチュエータを駆動して二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする。
請求項5の発明は,請求項1記載の発電機システムに於いて,ロータ保持手段は二つのロータそれぞれと回転軸間に配置したギア機構及びハウジング側に配置されたアクチュエータとを有し,アクチュエータはハウジングに固定されてロータ側の可動部を軸方向に駆動するよう構成され,ギア機構はラチェット機構とウオームギア機構を有してウオームギア機構がロータを回転軸に保持して回転力を伝達し,前記ラチェット機構は前記可動部の軸方向移動量を一方向回転に変え,ウオームギア機構が前記一方向回転の回転方向を変えてロータを回転軸に対して回転方向と逆方向に偏倚させる構成とし,制御装置は二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に後続するロータ側のアクチュエータを駆動させ,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に先行するロータ側のアクチュエータを駆動させて二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする。
軸方向に往復運動する可動部の振幅をラチェット機構で一方向回転に変え,さらにウオームギア機構がロータを回転方向と逆方向に駆動する回転に変える。界磁部と電機子間の作用力によりロータは常に回転方向とは逆方向の力を受け,ウオームギア機構がこの作用力に抗してロータを回転軸に保持している。ウオームギア機構を介してロータを回転方向とは逆方向に駆動する事はロータの保持力を緩める事と同じである。
請求項6の発明は,請求項1記載の発電機システムに於いて,ロータ保持手段は二つのロータそれぞれと回転軸間に配置した遊星ギア機構及びリングギアのブレーキ機構で構成され,遊星ギア機構はプラネタリギアがサンギア及びリングギアと噛み合い,サンギアはロータに固定され,プラネタリギア軸の支持枠は回転軸に固定される構成とし,リングギアのブレーキ機構はリングギアの停止位置を保持すると共にリングギアを保持する力を一時的に緩めて界磁部及び電機子間の作用力によりリングギアの停止位置を変える構成とし,制御装置は二つのリングギアのブレーキ機構を介して二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に後続するロータ側のリングギアを保持する力を一時的に緩め,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に先行するロータ側のリングギアを保持する力を一時的に緩めて二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする。
電機子と界磁部間に作用する力により発電機の場合には回転軸の回転方向にリングギアを回転させようとする力がプラネタリギアを通じて働いている。したがって,二つのロータ双方の側のリングギアを完全に静止させると二つのロータの周方向角度長は変わらずに回転し,例えば一方のロータ側のリングギアをブレーキ解除してフリー回転させるとロータは回転軸の回転方向とは逆方向に偏倚して二つのロータ間の周方向角度長が変わる。リングギアの保持力を緩める事はロータの回転軸に対する保持力を緩める事と同じである。
請求項7の発明は,請求項1記載の発電機システムに於いて,ロータ保持手段は二つのロータそれぞれと回転軸間に配置した遊星ギア機構及びリングギアに配置したウオームギア機構及びモータで構成され,遊星ギア機構はプラネタリギアがサンギア及びリングギアと噛み合い,サンギアはロータに固定され,プラネタリギア軸の支持枠は回転軸に固定される構成とし,ウオームギア機構がリングギアの停止位置を保持すると共にモータがウオームギアを回転駆動してリングギアを回転軸と同じ回転方向に偏倚させてリングギアの停止位置を変える構成とし,制御装置は二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に後続するロータ側のモータを回転駆動させてリングギアの停止位置を変え,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に先行するロータ側のモータを回転駆動させてリングギアの停止位置を変えて二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする。
電機子と界磁部間に作用する力により発電機の場合には回転軸の回転方向にリングギアを回転させようとする力がプラネタリギアを通じて働いている。ウオームギア機構がこの作用力に抗してリングギアを静止させ,ロータを回転軸に保持している。ウオームギア機構を介してリングギアを回転軸と同じ回転方向に駆動する事はロータの保持力を緩めてロータを界磁部と電機子間の作用力方向に偏倚させる事と同じである。
請求項8の発明は,請求項1から7の何れかに記載の発電機システムに於いて,回転力を入力とし,制御装置は電機子コイルに誘起される発電電圧が所定の値より大の時はロータ保持手段を制御して二つのロータ間の周方向角度長を大とし,発電電圧が所定の値より小の時はロータ保持手段を制御して二つのロータ間の周方向角度長を小にし,発電電圧を所定の値に制御する事を特徴とする。
請求項9の発明による発電機システムは,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する発電機システムであって,ハウジング或いは固定軸に設けられた界磁部或いは電機子が軸と直交する平面で分割された二つのステータそれぞれがハウジング或いは固定軸に対して周方向に可動に構成され,二つのステータそれぞれのステータ保持手段を有し,ステータ保持手段はステータをハウジング或いは固定軸に静止するよう保持すると共にステータの保持力を一時的に緩めて界磁部及び電機子間の作用力によりステータを回転方向に回転偏倚させる構成とし,発電機システムの出力に応じてステータ保持手段を制御して二つのステータ間の周方向角度長を変え,実効的に界磁強度を制御して出力を最適化する制御装置を有する。
発電機は,界磁部が回転し電機子が静止する構造及びその逆の構造のいずれの構造も存在する。上記の本発明は永久磁石励磁の界磁部或いは電機子がステータ側構成のいずれの発電機にも適用される。
電機子と界磁部間に作用する力により発電機の場合には回転軸の回転方向にステータが駆動される。二つのステータは通常は静止し,ステータ間の周方向角度長を変える時のみそれぞれの保持力を緩めて回転偏倚させる。電機子コイルの引き出し線はスリップリングを介して取り出している。
請求項10の発明は,請求項9記載の発電機システムに於いて,二つのステータ間に係合部を有し,係合部は二つのステータ間の周方向角度長が界磁部に於いて隣接する磁極中心間の周方向角度長を越えないよう規制する事を特徴とする。
ステータが等分された場合,二つのステータ間の周方向角度長がゼロで電機子コイルの鎖交磁束量は実効的に最大となり,界磁部に於いて隣接する磁極中心間の周方向角度長と等しくなった点で鎖交磁束量は実効的に最小になる。更に二つのステータ間の周方向角度長が界磁部に於いて隣接する磁極中心間の周方向角度長を越えると界磁部と電機子間の作用力の方向が逆になり制御が複雑になるので二つのステータ間の周方向角度長を界磁部に於いて隣接する磁極中心間の周方向角度長を越えないよう規制する。
請求項11の発明は,請求項9記載の発電機システムに於いて,ステータ保持手段は二つのステータそれぞれにブレーキ機構を有し,制御装置は二つのステータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に先行するステータのブレーキ機構を一時的に緩め,二つのステータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に後続するステータのブレーキ機構を一時的に緩めて二つのステータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする。
ブレーキ機構は他にクラッチ機構,チャッキング機構等種々の類似構成で実現でき,名称は異なるが趣旨は同じである。定常回転ではブレーキ機構を介してステータをハウジング或いは固定軸に保持固定し,二つのステータ間の周方向角度長を変える時のみ一方のブレーキ機構を介してのハウジング或いは固定軸への固定を解除してフリー回転させる。発電機の場合にはフリー回転でステータが回転軸の回転方向に駆動される事を利用して二つのステータ間の周方向角度長を制御する。
請求項12の発明は,請求項9記載の発電機システムに於いて,ステータ保持手段は二つのステータそれぞれに配置したウオームギア機構及びモータとより構成し,ウオームギア機構がステータの停止位置を保持すると共にモータがウオームギアを回転駆動してステータを回転軸と同じ回転方向に偏倚させてステータの停止位置を変える構成とし,制御装置は二つのステータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に先行するステータ側のモータを回転駆動させてステータの停止位置を変え,二つのステータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に後続するステータ側のモータを回転駆動させてステータの停止位置を変えて二つのステータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする。
回転中に電機子,界磁部間の作用力の方向,すなわちステータには回転軸と同じ回転方向に力が作用しており,ウオームギア機構は作用力に抗してステータを停止させている。ステータ間の周方向角度長を変える場合には,モータがウオームギア機構を駆動してステータを回転軸と同じ回転方向に駆動する。これはロータを保持する力を緩める事と同じであり,小出力のモータで二つのステータ間の周方向角度長を制御出来る。
請求項13の発明は,請求項9記載の発電機システムに於いて,分割された電機子の電機子コイルはそれぞれ所定の相単位に結線され,分割された電機子間でそれぞれの相の電機子結線同士は直列に結線された構成とした事を特徴とする。
分割された電機子の電機子コイル間の結線量を少なくする為に分割された電機子それぞれで所定の相単位に結線した後に電機子間で同一相に属する電機子コイル同士を直列に結線する。
請求項14の発明は,請求項9から13の何れかに記載の発電機システムに於いて,回転力を入力とし,制御装置は電機子コイルに誘起される発電電圧が所定の値より大の時はステータ保持手段を制御して二つのステータ間の周方向角度長を大とし,発電電圧が所定の値より小の時はステータ保持手段を制御して二つのステータ間の周方向角度長を小にし,発電電圧を所定の値に制御する事を特徴とする。
請求項15の発明は,による電動機システムは,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する電動機システムであって,回転側に配置された界磁部或いは電機子が2分割されたロータそれぞれが回転軸に対して回動可能に構成され,二つのロータそれぞれと回転軸間のロータ保持手段を有し,ロータ保持手段はロータを回転軸と共に回転するよう回転軸に保持すると共にロータ保持力を一時的に緩めて界磁部及び電機子間の作用力によりロータを回転軸に対して回転方向に回転偏倚させる構成とし,電動機システムの出力に応じてロータ保持手段を制御して二つのロータ間の周方向角度長を変え,実効的に界磁強度を制御して出力を最適化する制御装置を有する。
電動機は,界磁部が回転し電機子が静止する構造及びその逆の構造のいずれの構造も存在する。上記の本発明は永久磁石励磁の界磁部或いは電機子が回転する構成のいずれの電動機にも適用される。
回転中には電機子と界磁部間で互いに力が作用し合っている。すなわち,電動機の場合は当然に引力であり,ロータは常に回転方向に駆動される。ロータ保持手段は分割された二つのロータを回転軸に対して保持し,何れかのロータの回転軸に対する保持力を一時的に緩めてロータを回転軸に対して回転方向に回転偏倚させ,二つのロータ間の周方向角度長を変える。
電動機システムの出力最適化の一つに使用回転速度範囲を高速回転側に拡大する弱め界磁制御が有り,高回転速度域で弱め界磁として回転力及び回転速度を制御する電動機を含むシステムを実現する。
請求項16の発明は,請求項15記載の電動機システムに於いて,二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に先行するロータの回転軸に対する保持力を緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを早め,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に後続するロータの回転軸に対する保持力を緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを遅らせて二つのロータ間の周方向角度長を変える事を特徴とする。
二つのロータが相対的に偏倚しながら回転する場合,電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングは二つのロータ間の中間位置を基準に制御する。二つのロータに作用する回転駆動力は同じであるが,電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを前記基準位置から早めると先行するロータの回転駆動力が大に,駆動電流の切換タイミングを遅らせると後続するロータの回転駆動力が大になる。本発明では電機子と界磁部間に働く作用力を利用してロータを回転軸に対して偏倚させると共に,さらに偏倚させる側のロータへの作用力を増大させて二つのロータ間の周方向角度長を迅速に変える特徴がある。
請求項17の発明は,請求項15記載の電動機システムに於いて,二つのロータ間に係合部を有し,係合部は二つのロータ間の周方向角度長が界磁部に於いて隣接する磁極中心間の周方向角度長を越えないよう規制する事を特徴とする。
請求項18の発明は,請求項15記載の電動機システムに於いて,ロータ保持手段はロータと回転軸間のクラッチ機構を有し,制御装置は二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に先行するロータ側のクラッチ機構を制御して前記ロータを回転軸に保持する力を緩めて回転軸に対して回転方向に回転偏倚させ,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に後続するロータ側のクラッチ機構を制御して前記ロータを回転軸に保持する力を緩めて回転軸に対して回転方向に回転偏倚させ,二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする。
請求項19の発明は,請求項18記載の電動機システムに於いて,二つのロータは回転軸方向に並んで配置され,クラッチ機構は回転軸と共に回転する2枚のクラッチ円板及び2枚のクラッチ円板間に配置されて2枚のクラッチ円板を二つのロータそれぞれに接触するよう付勢するスプリング及びクラッチ円板それぞれを軸方向に偏倚させるアクチュエータとで構成され,制御装置は二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に先行するロータとクラッチ円板とを離す方向にアクチュエータを駆動し,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に後続するロータとクラッチ円板とを離す方向にアクチュエータを駆動して二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする。
請求項20の発明は,請求項15記載の電動機システムに於いて,ロータ保持手段は二つのロータそれぞれと回転軸間に配置したギア機構及びハウジング側に配置されたアクチュエータとを有し,アクチュエータはハウジングに固定されてロータ側の可動部を軸方向に駆動するよう構成され,ギア機構はラチェット機構とウオームギア機構を有してウオームギア機構がロータを回転軸に保持して回転力を伝達し,前記ラチェット機構は前記可動部の軸方向移動量を一方向回転に変え,ウオームギア機構が前記一方向回転の回転方向を変えてロータを回転軸に対して回転方向に偏倚させる構成とし,制御装置は二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に先行するロータ側のアクチュエータを駆動させ,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に後続するロータ側のアクチュエータを駆動させて二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする。
請求項21の発明は,請求項15記載の電動機システムに於いて,ロータ保持手段は二つのロータそれぞれと回転軸間に配置した遊星ギア機構及びリングギアのブレーキ機構で構成され,遊星ギア機構はプラネタリギアがサンギア及びリングギアと噛み合い,サンギアはロータに固定され,プラネタリギア軸の支持枠は回転軸に固定される構成とし,リングギアのブレーキ機構はリングギアの停止位置を保持すると共にリングギアを保持する力を一時的に緩めて界磁部及び電機子間の作用力によりリングギアの停止位置を変える構成とし,制御装置は二つのリングギアのブレーキ機構を介して二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に先行するロータ側のリングギアを保持する力を一時的に緩め,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に後続するロータ側のリングギアを保持する力を一時的に緩めて二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする。
請求項22の発明は,請求項15記載の電動機システムに於いて,ロータ保持手段は二つのロータそれぞれと回転軸間に配置した遊星ギア機構及びリングギアに配置したウオームギア機構及びモータで構成され,遊星ギア機構はプラネタリギアがサンギア及びリングギアと噛み合い,サンギアはロータに固定され,プラネタリギア軸の支持枠は回転軸に固定される構成とし,ウオームギア機構がリングギアの停止位置を保持すると共にモータがウオームギアを回転駆動してリングギアを回転軸と逆の回転方向に偏倚させてリングギアの停止位置を変える構成とし,制御装置は二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に先行するロータ側のモータを回転駆動させてリングギアの停止位置を変え,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に後続するロータ側のモータを回転駆動させてリングギアの停止位置を変えて二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする。
請求項23の発明は,請求項15から22の何れかに記載の電動機システムに於いて,電機子コイルへの供給電流を入力とし,制御装置は回転速度が所定の値より大で弱め界磁とする時にはロータ保持手段を制御して二つのロータ間の周方向角度長を大にし,回転速度が所定の値より小で界磁強度を強める時にはロータ保持手段を制御して二つのロータ間の周方向角度長を小にし,回転力を最適に制御する事を特徴とする。
請求項24の発明による電動機システムは,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する電動機システムであって,ハウジング或いは固定軸に設けられた界磁部或いは電機子が軸と直交する平面で分割された二つのステータそれぞれがハウジング或いは固定軸に対して周方向に可動に構成され,二つのステータそれぞれのステータ保持手段を有し,ステータ保持手段はステータをハウジング或いは固定軸に静止するよう保持すると共にステータの保持力を一時的に緩めて界磁部及び電機子間の作用力によりステータを回転方向と逆方向に回転偏倚させる構成とし,電動機システムの出力に応じてステータ保持手段を制御して二つのステータ間の周方向角度長を変え,実効的に界磁強度を制御して出力を最適化する制御装置を有する。
電動機は,界磁部が回転し電機子が静止する構造及びその逆の構造のいずれの構造も存在する。上記の本発明は永久磁石励磁の界磁部或いは電機子がステータ側構成のいずれの電動機にも適用される。
電機子と界磁部間に作用する力により電動機の場合には回転軸の回転方向とは逆の方向にステータが駆動される。二つのステータは通常は静止し,ステータ間の周方向角度長を変える時のみそれぞれの保持力を緩めて回転偏倚させる。電機子コイルの引き出し線はスリップリングを介して取り出している。
請求項25の発明は,請求項24記載の電動機システムに於いて,二つのステータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に後続するステータの保持力を緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを早め,二つのステータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に先行するステータの保持力を緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを遅らせて二つのステータ間の周方向角度長を変える事を特徴とする。
二つのステータが相対的に偏倚している電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングは二つのステータ間の中間位置を基準に制御する。二つのステータに作用する回転駆動力の反作用力は同じであるが,電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを前記基準位置から早めると回転方向に後続するステータに働く回転駆動力の反作用が大に,駆動電流の切換タイミングを遅らせると先行するステータに働く回転駆動力の反作用が大になる。本発明では電機子と界磁部間に働く作用力を利用してステータを偏倚させると共に,さらに偏倚させる側のステータに働く力を増大させて二つのステータ間の周方向角度長を迅速に変える特徴がある。
請求項26の発明は,請求項24記載の電動機システムに於いて,二つのステータ間に係合部を有し,係合部は二つのステータ間の周方向角度長が界磁部に於いて隣接する磁極中心間の周方向角度長を越えないよう規制する事を特徴とする。
請求項27の発明は,請求項24記載の電動機システムに於いて,ステータ保持手段は二つのステータそれぞれにブレーキ機構を有し,制御装置は二つのステータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に後続するステータのブレーキ機構を一時的に緩め,二つのステータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に先行するステータのブレーキ機構を一時的に緩めて二つのステータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする。
請求項28の発明は,請求項24記載の電動機システムに於いて,ステータ保持手段は二つのステータそれぞれに配置したウオームギア機構及びモータとより構成し,ウオームギア機構がステータの停止位置を保持すると共にモータがウオームギアを回転駆動してステータを回転軸と逆の回転方向に偏倚させてステータの停止位置を変える構成とし,制御装置は二つのステータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に後続するステータ側のモータを回転駆動させてステータの停止位置を変え,二つのステータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に先行するステータ側のモータを回転駆動させてステータの停止位置を変えて二つのステータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする。
請求項29の発明は,請求項24記載の電動機システムに於いて,分割された電機子の電機子コイルはそれぞれ所定の相単位に結線され,分割された電機子間でそれぞれの相の電機子結線同士は直列に結線された構成とした事を特徴とする
請求項30の発明は,請求項24から29の何れかに記載の電動機システムに於いて,電機子コイルへの供給電流を入力とし,制御装置は回転速度が所定の値より大で弱め界磁とする時にはステータ保持手段を制御して二つのステータ間の周方向角度長を大にし,回転速度が所定の値より小で界磁強度を強める時にはステータ保持手段を制御して二つのステータ間の周方向角度長を小にし,回転力を最適に制御する事を特徴とする。
請求項31の発明による電動機システムは,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する電動機システムであって,回転側に配置された界磁部或いは電機子が2分割された二つのロータそれぞれが回転軸に対して回動可能に構成され,二つのロータ間の周方向角度長が界磁部に於いて隣接する磁極中心間の周方向角度長を越えないよう規制する契合部を二つのロータ間に有し,二つのロータそれぞれと回転軸間のロータ保持手段を有し,ロータ保持手段は二つのロータそれぞれと回転軸間に配置した遊星ギア機構及びリングギアのブレーキ機構で構成され,遊星ギア機構はプラネタリギアがサンギア及びリングギアと噛み合う構成としてサンギアはロータに固定され,プラネタリギア軸の支持枠は回転軸に固定される構成とし,リングギアのブレーキ機構はリングギアの停止位置を保持すると共にリングギアを保持する力を一時的に緩めて界磁部及び電機子間の作用力によりリングギアの停止位置を変える構成とし,制御装置は二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に先行するロータ側のリングギアのブレーキ機構を一時的に緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを早め,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に後続するロータ側のリングギアのブレーキ機構を一時的に緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを遅らせて二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする。
請求項32の発明は,発電機システムが,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する発電機システムに於いて,回転側に配置された界磁部或いは電機子が2分割された二つのロータそれぞれが回転軸に対して回動可能に構成されると共に回転軸と共に回転するよう回転軸に保持され,回転方向に先行するロータの回転軸に保持する力を一時的に緩めて前記ロータを回転軸に対して回転方向と逆方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を増大させ,回転方向に後続するロータの回転軸に保持する力を一時的に緩めて前記ロータを回転軸に対して回転方向と逆方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を減少させる方法である。
請求項33の発明は,発電機システムが,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する発電機システムに於いて,ハウジング或いは固定軸に設けられた界磁部或いは電機子が軸と直交する平面で分割された二つのステータそれぞれがハウジング或いは固定軸に対して周方向に可動に構成されると共に静止するようハウジング或いは固定軸に保持され,回転方向に先行するステータを保持する力を一時的に緩めて前記ステータを回転方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を減少させ,回転方向に後続するステータを保持する力を一時的に緩めて前記ステータを回転方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を増大させる方法である。
請求項34の発明は,電動機システムが,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する電動機システムに於いて,回転側に配置された界磁部或いは電機子が2分割された二つのロータそれぞれが回転軸に対して回動可能に構成されると共に回転軸と共に回転するよう回転軸に保持され,回転方向に先行するロータの回転軸に保持する力を一時的に緩めて前記ロータを回転軸に対して回転方向と同じ方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を減少させ,回転方向に後続するロータの回転軸に保持する力を一時的に緩めて前記ロータを回転軸に対して回転方向と同じ方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を増大させる方法である。
請求項35の発明は,電動機システムが,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する電動機システムに於いて,ハウジング或いは固定軸に設けられた界磁部或いは電機子が軸と直交する平面で分割された二つのステータそれぞれがハウジング或いは固定軸に対して周方向に可動に構成されると共に静止するようハウジング或いは固定軸に保持され,回転方向に先行するステータを保持する力を一時的に緩めて前記ステータを回転軸の回転方向と逆方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を増大させ,回転方向に後続するステータを保持する力を一時的に緩めて前記ステータを回転軸の回転方向と逆方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を減少させる方法である。
請求項36の発明は,電動機システムが,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する電動機システムに於いて,回転側に配置された界磁部或いは電機子が2分割された二つのロータそれぞれが回転軸に対して回動可能に構成されると共に回転軸と共に回転するよう回転軸に保持され,回転方向に先行するロータの回転軸に保持する力を一時的に緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを早めて前記ロータを回転軸に対して回転方向と同じ方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を減少させ,回転方向に後続するロータの回転軸に保持する力を一時的に緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを遅らせて前記ロータを回転軸に対して回転方向と同じ方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を増大させる方法である。
請求項37の発明は,電動機システムが,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する電動機システムに於いて,ハウジング或いは固定軸に設けられた界磁部或いは電機子が軸と直交する平面で分割された二つのステータそれぞれがハウジング或いは固定軸に対して周方向に可動に構成されると共に静止するようハウジング或いは固定軸に保持され,回転方向に先行するステータを保持する力を一時的に緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを遅らせて前記ステータを回転軸の回転方向と逆方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を増大させ,回転方向に後続するステータを保持する力を一時的に緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを早めて前記ステータを回転軸の回転方向と逆方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を減少させる方法
永久磁石励磁の界磁部を有する回転電機システムに於いて,軸方向に分割された界磁部或いは電機子それぞれを相対的に回動可能に構成して保持し,回転中に電機子と界磁部間に働く力の方向に分割された界磁部或いは電機子それぞれを偏倚制御する。小出力のアクチュエータで分割された界磁部或いは電機子同士間の周方向角度長を変えて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を制御可能とした。本発明により,回転電機に於いて磁束の位相制御による弱め界磁制御が容易となり,低コストで出力制御可能な回転電機システムを実現出来る。
以下,図面に示した実施例を参照して,本発明の回転電機システムを詳細に説明する。
本発明による回転電機システムの第一実施例を図1から図7を用いて説明する。第一実施例の回転電機は永久磁石励磁の発電機であって,界磁回転子が軸と直交する平面で二分された第1界磁回転子,第2界磁回転子を用いている。図1は回転電機の縦断面図,図2は電機子と界磁回転子との構成を示す断面図,図3は第1,第2界磁回転子の相対位置が回転方向にずれた場合の図2断面図の一部,図4は電機子・界磁部間の作用力とロータの偏倚制御方向を示す斜視図,図5は第1,第2界磁回転子間の相対位置を変える動作を示す断面図,図6は第1,第2界磁回転子間の係合部を示す斜視図,図7はは弱め界磁を行う発電機システムのブロック図をそれぞれ示す。
図1は永久磁石励磁された界磁部を回転子とする回転電機を示し,ハウジング18には電機子14及び電機子コイル15が配置され,回転軸11がベアリング19を介してハウジング18に回動可能に支持されている。回転軸11と直交する平面で2分された第1界磁回転子12,第2界磁回転子13が回転軸11に回動可能にベアリング1aを介して配置され,第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13は永久磁石を有する磁極部16,磁性体より成るバックヨーク17より構成される。第1界磁回転子12,第2界磁回転子13は回転軸11と共に回転し,各磁極部16から発する磁束は電機子14に流入し,電機子コイル15と鎖交した後,各磁極部16に環流する。
第1界磁回転子12,第2界磁回転子13を回転軸11に保持するロータ保持手段はクラッチ機構及びクラッチ駆動部とから構成されている。
クラッチ機構は2枚のクラッチ円板1b,1c及びその中間に配置されてクラッチ円板1b,1cそれぞれを第1界磁回転子12,第2界磁回転子13に押しつけるスプリング1dとから構成されている。さらにクラッチ円板1b,1cはそれぞれ突起1g,1hを持ち,突起1g,1hは回転軸11の円筒壁に設けられたスリット又はスロットを貫通係合して回転軸11とクラッチ円板1b,1c間で相互に回転力を伝達している。
クラッチ駆動部は回転軸11を中空構造として,中空部内に軸方向に摺動可能に配設された小径部分1fを有する制御棒1eと,永久磁石1m及び磁性体1k及びコイル1jで構成されるアクチュエータとで構成され,永久磁石1mは制御棒1eの端部に固定されてコイル1jを流れる電流により軸方向を左右に駆動される構成である。さらに制御棒1eの小径部分1fにはクラッチ円板1b,1cの突起1g,1hが回転軸11の円筒壁に設けられたスリット又はスロットを貫通して係合する構成としている。
図2は図1のA−A’に沿う電機子14及び回転子12の断面図を示し,相互の関係を説明する為に構成部分の一部に番号を付して示している。
同図に於いて,電機子14はハウジング18に固定され,径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯21と磁性体歯21に巻回された電機子コイル15とで構成されている。番号15は磁性体歯21に巻回された電機子コイルを総称して示し,各電機子コイル同士は更に三相の回転電機仕様に基づいて結線されている。
電機子14と径方向に対向する界磁部を構成する磁極部16は,周方向に隣接するもの同士で磁化方向が互いに異なるよう配置された永久磁石片22と,永久磁石片22間の非磁性体23とで構成されている。番号24はバックヨーク17を支持する非磁性体のロータ支持体である。永久磁石片22に付された矢印は磁化方向を示し,同一方向の磁化方向を持つ永久磁石片22間の最小の周方向角度長25を単位として周期的に配置されている。
図3は図2の一部を拡大して第1界磁回転子12と,第2界磁回転子13との関係を示す為の図であり,図3(a)は電機子14と第1界磁回転子12とを,図3(b)は電機子14と第2界磁回転子13とをそれぞれ示す。第2界磁回転子13が第1界磁回転子12に対して周方向に偏倚し,番号31は第1界磁回転子12と,第2界磁回転子13間の周方向角度長を示す。
図1−3に於いて,第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13は回転角度長31だけ偏倚した状態で回転し,電機子14の磁性体歯21には第1界磁回転子12および,第2界磁回転子13からの磁束が流入し,電機子コイル15と鎖交する。流入する磁束量は磁性体歯21と永久磁石片22との相対位置関係で異なる。
第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13から流入して電機子コイル15と鎖交する磁束量を近似的にA*sin(ωt),A*sin(ωt+φ)と表すと電機子コイル15と鎖交する総磁束量はこれらの和であり,2Acos(φ/2)*sin(ωt+φ/2)と表される。但し,Aは定数で磁極部16及び磁性体歯21の寸法諸元,永久磁石片22の磁束密度等で決まる数値であり,第1界磁回転子12および第2界磁回転子13の軸方向長さは回転子を2等分としたので同じ値とされている。ωは角周波数で回転軸11の回転速度及び周方向の磁極数に比例する量であり,tは時刻を示す。位相φは第1界磁回転子12と第2界磁回転子13との間の周方向角度長31に比例する量であり,2π*[番号31]/[番号25]である。[番号31]及び[番号25]をそれぞれ番号31及び番号25で示す周方向角度長としている。
合成された鎖交磁束量の振幅は2Acos(φ/2)であり,φ=0,すなわち[番号31]=0で最大であり,φ=π,すなわち[番号31]=[番号25]/2の時に振幅はゼロとなる。前者は第1界磁回転子12と第2界磁回転子13との相対偏倚がゼロの場合で磁性体歯21に流入する磁束量は最大であり,後者は第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13の磁石片22の磁化方向が丁度逆となって磁性体歯21に流入する場合に相当する。したがって,第2界磁回転子13の第1界磁回転子12に対する周方向角度長[番号31]は最小値を0,最大値を[番号25]/2として電機子コイル15の鎖交磁束量を100%制御できる。
回転電機が圧電機である場合に第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13と電機子14間に作用する力を図4を用いて説明し,第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を制御する原理を説明する。図4(a)は発電機の場合に第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13と電機子14間に作用する力を示す。発電機の場合は界磁部と電機子間には常に反発し合う力が働いている。矢印41は回転軸11の回転方向を示し,矢印42,43はそれぞれ第2界磁回転子13,電機子14に作用している力の方向を示す。第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13には常に回転方向41とは逆方向である矢印42で示す力が働いているので,第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13の何れか一方の回転軸への保持力を緩めると,矢印42の方向の作用力を受けて回転速度が小となり,両者間の周方向角度長が変わる。図4(b)は第1界磁回転子12,第2界磁回転子13それぞれの回転軸11に対する保持力を緩めた場合,回転軸11に対して偏倚する方向をそれぞれ矢印44,45で示している。
本発明では回転中に回転電機内の第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13に作用する力を利用してそれぞれの界磁回転子を偏倚させるので偏倚させる為に別途の力は不要であり,第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13を回転軸11に保持する手段の制御に要する小さな力のみを必要とする。界磁回転子を偏倚させる方向は一方向であるので制御に際しては第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13の何れが回転方向に先行しているか等の状態を把握して制御する。
図4を用いて発電機の場合に第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13と電機子14間に作用する力を説明したが,上記説明は第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長が周方向に隣接する異種磁極中心間の周方向角度長,すなわち[番号25]/2より小さい場合に限定され,[番号25]/2を越えると作用力の方向は逆転する。また,上記に説明した界磁部と電機子間の作用力は第1界磁回転子12,第2界磁回転子13が1ピッチの間,すなわち[番号25]相当の周方向角度長を偏倚する間の平均値であって瞬時的には変動があり,逆方向の作用力となる場合もある。界磁部と電機子間の作用力の瞬時的な変動は本発明の原理作用には影響しないので説明は省略する。
図1及び図5を用いて第1界磁回転子12と第2界磁回転子13との間の周方向角度長を制御する為の機構及び動作を説明する。クラッチ円板1b,1cの突起1g,1hは回転軸11のスロットに貫入してその軸方向側辺に係合して回転軸11との間に相互に回転力が伝達され,さらにスプリング1dはクラッチ円板1b,1cをそれぞれ第1界磁回転子12,第2界磁回転子13に押しつけているので第1界磁回転子12,第2界磁回転子13と回転軸11との間にも相互に回転力が伝達されている。
制御棒1eを軸方向に駆動するアクチュエータは円筒状の磁性体1kと円筒状コイル1jとより構成され,コイル1jに供給される電流の向きに応じて制御棒1eに固定された永久磁石1mに作用して制御棒1eを軸方向左右に駆動制御する。
コイル1jに電流が供給されない場合は、スプリング1dがクラッチ円板1b,1cを第1界磁回転子12,第2界磁回転子13に夫々、押しつけるので双方の界磁回転子と回転軸11は共に回転し,第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長は変わらない。この状態が図1に示されている。
図5(a)では第1界磁回転子12と回転軸11間で回転力が伝達されない場合を示す。コイル1jに電流が供給されて永久磁石1mを吸引し,制御棒1eを図において右方向に駆動すると制御棒1eの小径部1fに係合する突起1gが小径部1fの左端壁により右方向への力を受け,スプリング1dを圧縮してクラッチ円板1bを第1界磁回転子12から離す。発電機では回転中に界磁回転子は電機子14から常に矢印42方向の力を受けるので,第1界磁回転子12は矢印42方向の力によって減速し,第2界磁回転子13との周方向角度長を変える。
図5(b)では逆に第2界磁回転子13と回転軸11間で回転力が伝達されない場合を示す。コイル1jに逆方向の電流が供給されて永久磁石1mを反発させ,制御棒1eを左方向に駆動すると制御棒1eの小径部1fに係合する突起1hが小径部1fの右端壁により左方向への力を受け,スプリング1dを縮めてクラッチ円板1cを第2界磁回転子13から離す。第2界磁回転子13は矢印42方向の力によって減速し,第1界磁回転子12との周方向角度長を変える。
図5(a),5(b)に示すように第1界磁回転子12,第2界磁回転子13の周方向角度長を変える事が出来るが,何れが回転方向に先行しているかで制御する側を変える。第1界磁回転子12が第2界磁回転子13より回転方向に先行している場合,両者間の周方向角度長を大にするには第2界磁回転子13を回転軸11に保持する力を緩めてフリー回転させ,逆に両者の周方向角度長を小にするには第1界磁回転子12を回転軸11に保持する力を緩めてフリー回転させる。
図6は第1界磁回転子12と第2界磁回転子13との係合部を示す図であり,図6(a)は第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間に両者の周方向角度長を[番号25]/2未満に規制する係合部61を示す。[番号25]/2は周方向に隣接する異種磁極中心間の周方向角度長に相当する。第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長が[番号25]/2に等しい場合には電機子,界磁部間に力が作用せず偏倚制御が不可能になるのでこの値を超えないように第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を制限する。
図6(b)は更に係合部61の詳細を示し,第1界磁回転子12の凹部64に第2界磁回転子13の凸部65が係合させている。凹部64内を凸部65が動ける周方向角度長は番号62と番号63とで示す周方向角度長の和であるが,これは[番号25]/2より小さい値に設定されている。
第1界磁回転子12,第2界磁回転子13の何れが回転方向に先行しているかにより制御する側が変わるので両者の回転角度位置はホール素子による磁極検知で常に把握して制御する事が望ましい。しかし,図6に示す係合部により常に第2界磁回転子13が回転方向に先行し,両者間の周方向角度長が[番号25]/2未満に限定されるので第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長制御に当たってはそれぞれの回転角度位置の検知を不要に出来る。
図6に於いて,理解しやすいように係合部61を第1界磁回転子12,第2界磁回転子13の外周表面に配置するよう図示したが,望ましくは磁極面積を減少させないよう外周表面を避けて内周側の適当な位置に配置する。
図7は弱め界磁制御を行う発電機システムのブロック図を示す。発電機71は入力72,出力73を有するとし,制御装置75は出力73及び回転子の位置を含む状態信号74を入力として制御信号76を介して発電機71を制御する。この場合,入力72は回転力であり,出力73は発電電力となる。
以下に弱め界磁制御を行って定電圧発電機システムとする例を説明する。発電機71は入力72を回転力として出力73を発電出力とし,制御装置75は出力73である発電電圧を所定の電圧と比較し,発電電圧が所定の値より大であれば制御信号76により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を大にするよう制御棒1eを右方向に駆動する電流をコイル1jに供給して第1界磁回転子12を矢印44の方向に偏倚をさせ,発電電圧が所定の値より小であれば制御信号76により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を小にするよう制御棒1eを左方向に駆動する電流をコイル1jに供給して第2界磁回転子13を矢印45の方向に偏倚させ,出力73である発電電圧を所定の値に制御する。
以上説明した,第一の実施例によれば、電機子コイルと鎖交する磁束の位相を制御し,エネルギー効率を損なわずに発電機出力を制御できる。磁束の位相制御の為に第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を変えるが,電機子が第1界磁回転子12,第2界磁回転子13に作用する力を利用するのでアクチュエータに大きな力を必要とせず,またアクチュエータの動作は第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を変える時のみで制御の為に大きなエネルギー損失を伴わない。
本発明による第二実施例を図1,2,3,5,6,8,9を用いて説明する。第二実施例は図1に示した回転電機を電動機とした例であって,構成を示す図1,2,3,5,6は第一実施例と共通である。図8は電機子・界磁部間の作用力とロータの偏倚制御方向を示す斜視図,図9はは弱め界磁を行う電動機システムのブロック図をそれぞれ示す。第二実施例は第一の実施例で説明した発電機と同じ構成の電動機であり,ロータの偏倚制御の方向のみが異なる。図1,2,3,5,6に示した回転電機構成の説明は省略し,以下では異なっている部分に集中して説明する。
電動機に於いて第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13と電機子14間に作用する力は図4を用いて説明した発電機の場合とは異なる。電動機の場合に於いて第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13と電機子14間に作用する力を図8を用いて説明し,第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を制御する原理を説明する。
図8(a)は電動機の場合に第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13と電機子14間に作用する力を示す。電動機の場合は界磁部と電機子間には常に引き合う力が働いている。矢印41は回転軸11の回転方向を示し,矢印81,82はそれぞれ第2界磁回転子13,電機子14に作用している力の方向を示す。第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13には常に回転方向41と同じ方向である矢印81で示す力が働いているので,第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13の何れか一方の回転軸への保持力を緩めると,矢印81の方向の作用力を受けて回転速度が大となり,両者間の周方向角度長が変わる。図8(b)は第1界磁回転子12,第2界磁回転子13それぞれの回転軸11に対する保持力を緩めた場合,回転軸11に対して偏倚する方向をそれぞれ矢印83,84で示している。
本発明では回転中に電動機内の第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13に作用する力を利用してそれぞれの界磁回転子を偏倚させるので偏倚させる為に別途の力は不要であり,第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13を回転軸11に保持する手段の制御に要する小さな力のみを必要とする。界磁回転子を偏倚させる方向は一方向であるので制御に際しては第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13の何れが回転方向に先行しているか等の状態を把握して制御する。
図8を用いて第1界磁回転子12及び第2界磁回転子13と電機子14間に作用する力を説明したが,上記説明は第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長が周方向に隣接する異種磁極中心間の周方向角度長,すなわち[番号25]/2より小さい場合に限定され,[番号25]/2を越えると作用力の方向は逆転する。また,上記に説明した界磁部と電機子間の作用力は第1界磁回転子12,第2界磁回転子13が1ピッチの間,すなわち[番号25]相当の周方向角度長を偏倚する間の平均値であって瞬時的には変動があり,逆方向の作用力となる場合もある。界磁部と電機子間の作用力の瞬時的な変動は本発明の原理作用には影響しないので説明は省略する。
図1及び図5を用いて第1界磁回転子12と第2界磁回転子13との間の周方向角度長を制御する為の機構及び動作を説明する。クラッチ円板1b,1cの突起1g,1hは回転軸11のスロットに貫入してその軸方向側辺に係合して回転軸11へ回転力が伝達され,さらにスプリング1dはクラッチ円板1b,1cをそれぞれ第1界磁回転子12,第2界磁回転子13に押しつけているので第1界磁回転子12,第2界磁回転子13は回転軸と共に回転している。
制御棒1eを軸方向に駆動するアクチュエータは円筒状の磁性体1kと円筒状コイル1jとより構成され,コイル1jに供給される電流の向きに応じて制御棒1eに固定された永久磁石1mに作用して制御棒1eを軸方向左右に駆動制御する。
コイル1jに電流が供給されない場合は、スプリング1dがクラッチ円板1b,1cを第1界磁回転子12,第2界磁回転子13に夫々、押しつけるので双方の界磁回転子から回転軸11に回転力が伝達され,回転軸11及び第1界磁回転子12,第2界磁回転子13は同じ回転数で回転し,第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長は変わらない。この状態が図1に示されている。
図5(a)では第1界磁回転子12から回転軸11に回転力を伝達しない場合を示す。コイル1jに電流が供給されて永久磁石1mを吸引し,制御棒1eを図において右方向に駆動すると制御棒1eの小径部1fに係合する突起1gが小径部1fの左端壁により右方向への力を受け,スプリング1dを圧縮してクラッチ円板1bを第1界磁回転子12から離す。電動機では回転中に界磁回転子は電機子14から常に矢印81方向の力を受けるので,第1界磁回転子12は矢印81方向の力によって加速し,第2界磁回転子13との周方向角度長を変える。
図5(b)では逆に第2界磁回転子13から回転軸11に回転力を伝達しない場合を示す。コイル1jに逆方向の電流が供給されて永久磁石1mを反発させ,制御棒1eを左方向に駆動すると制御棒1eの小径部1fに係合する突起1hが小径部1fの右端壁により左方向への力を受け,スプリング1dを縮めてクラッチ円板1cを第2界磁回転子13から離す。第2界磁回転子13は矢印81方向の力によって加速し,第1界磁回転子12との周方向角度長を変える。
図5(a),5(b)に示すように第1界磁回転子12,第2界磁回転子13の周方向角度長を変える事が出来るが,何れが回転方向に先行しているかで制御する側を変える。第1界磁回転子12が第2界磁回転子13より回転方向に先行している場合,両者間の周方向角度長を大にするには第1界磁回転子12を回転軸11に保持する力を緩めてフリー回転させ,逆に両者の周方向角度長を小にするには第2界磁回転子13を回転軸11に保持する力を緩めてフリー回転させる。
図9は弱め界磁制御を行う電動機システムのブロック図を示す。電動機91は駆動回路97により電機子コイル15に駆動電流92を出力して電動機91を回転駆動し,出力93を有するとし,制御装置95は出力93及び回転子の位置を含む状態信号94を入力として制御信号96を介して電動機91の界磁強度を制御する。この場合,出力93は回転駆動力,回転速度となる。
以下に弱め界磁制御を行って電動機の出力を最適に制御するシステムを説明する。制御装置95は出力93である回転速度を所定の値と比較し,回転速度が所定の値より大で弱め界磁とする場合には制御信号96により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を大にするよう制御棒1eを左方向に駆動する電流をコイル1jに供給して第2界磁回転子13を矢印84の方向に偏倚をさせ,回転速度が所定の値より小で界磁を強める場合には制御信号96により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を小にするよう制御棒1eを右方向に駆動する電流をコイル1jに供給して第1界磁回転子12を矢印83の方向に偏倚させ,出力93である回転駆動力を最適に制御する。
本発明による回転電機システムの第三実施例を図10,11を用いて説明する。第三実施例の回転電機は永久磁石励磁の発電機である。図10は第三実施例に於ける回転電機の縦断面図,図11は第2界磁回転子13のロータ保持手段を示す平面図である。第三実施例では図10に示す回転電機を発電機として,弱め界磁制御を行う発電機システムは図7のブロック図を用いて説明する。第三実施例は第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を制御する手段が第一実施例と異なるのみで他の部分は同じである。以下では異なっている部分のみを説明する。
第三実施例に於いて第1界磁回転子12,第2界磁回転子13のロータ保持手段は第1界磁回転子12,第2界磁回転子13と回転軸11間に配置した遊星ギア機構及びリングギア保持手段とで構成される。図10では第2界磁回転子13に関するロータ保持手段の構成部分に番号を付され,さらに図11にそのロータ保持手段の平面図を示して構成及び動作を説明される。第1界磁回転子12に関するロータ保持手段の構成は第2界磁回転子13と同じである。
図10,11に於いて,第2界磁回転子13のためのロータ保持手段の遊星ギア機構は,サンギア101,プラネタリギア102,プラネタリギア軸支持枠103,リングギア104とから構成される。プラネタリギア102は周方向に3個配置されてサンギア101とリングギア104とに噛み合うよう配置され,サンギア101は第2界磁回転子13に,プラネタリギア軸支持枠103は回転軸11にそれぞれ固定されている。
リングギア保持手段は,リングギア104の外周部のギア及びウオームギア105及びモータ111とで構成される。モータ111はウオームギア105を介してリングギア104の外周部のギアを回転駆動する。回転プーリ107は3個有り,リングギア104をハウジング18に回動可能に支持している。
第1界磁回転子12側のロータ保持手段は第2界磁回転子13側のものと同じ構成であり,番号106は第1界磁回転子12側のウオームギアを示す。
第1界磁回転子12と第2界磁回転子13との間には図6に示す係合部を有し,第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の相対偏倚回転角度長が[番号25]/2を超えないように第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の相対偏倚を制限している。
図11を用いてロータ保持手段の動作を説明する。回転軸11が回転すると,プラネタリギア軸支持枠103も共に回転し,リングギア104はウオームギア105により回転が止められているのでプラネタリギア102が回転してサンギア101及び第2界磁回転子13を回転軸11と同じ方向に回転させる。第2界磁回転子13の回転速度はサンギア101とリングギア104とのギア比で決まり,この場合は増速回転となる。
矢印112は回転軸11及びプラネタリギア軸支持枠103の回転方向を,矢印113はサンギア101及び第2界磁回転子13の回転方向をそれぞれ示す。第2界磁回転子13には図4を用いて説明したように回転方向113とは逆方向42の力が作用し,リングギア104には矢印114に示す方向の力が働いている。
第2界磁回転子13の回転偏倚は本発明の趣旨に沿ってモータ111がウオームギア105を回転させてリングギア104を矢印114で示す力の方向に偏倚させる事で為される。即ち、第2界磁回転子13の回転速度は遅くなり,第1界磁回転子12との周方向角度長が変えられる。
上記構成に於いて,回転中にはリングギア104に矢印114で示す方向の力が働き,ウオームギア105はリングギア104の回転を制止するストッパーの役割を果たしている。ウオームギア105によりリングギア104を矢印114で示す方向に偏倚させる事は保持する力を緩めてストッパーの位置を変える事と同義である。したがって第2界磁回転子13の偏倚は電機子14が第2界磁回転子13に作用する矢印42方向の力によって為されるのでモータ111は小出力で十分である。
第三実施例の弱め界磁制御を行う発電機システムは、図7のブロック図を用いて説明される。第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の係合部により第2界磁回転子13が第1界磁回転子12より回転方向に先行し,第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長が図2の[番号25]/2未満であるとして発電機システムは以下のように制御される。
第三実施例の発電機71に於いて,弱め界磁制御が行われて定電圧発電機システムとして機能する例である。発電機71は入力72を回転力として出力73を発電出力とし,制御装置75は出力73の発電電圧を所定の電圧と比較し,所定の値より大であれば制御信号76により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を大にするようウオームギア106を介して第1界磁回転子12側のリングギアを矢印114の方向に偏倚させて第1界磁回転子12の回転速度を低下させ,発電電圧が所定の値より小であれば制御信号76により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を小にするようウオームギア105を介してリングギア104を矢印114の方向に偏倚させて第2界磁回転子13の回転速度を低下させる。
本発明による第四実施例を図10,12を用いて説明する。第四実施例は図10に示した回転電機を電動機とした例であって,構成を示す図10は第三実施例と共通である。図12は第2界磁回転子13のロータ保持手段を示す平面図であり,図11と同じ構成を示すが偏倚制御させる方向のみが異なっている。第四実施例では図10に示す回転電機を電動機として,弱め界磁制御を行う電動機システムは図9のブロック図を用いて説明する。第四実施例は第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を制御する手段が第三実施例と同じであり,偏倚制御させる方向が異なるのみで他の部分は同じである。以下では異なっている部分のみを説明する。
第四実施例の電動機の構成は図10,11を用いて第三の実施例で説明されたので,12を用い,第四実施例に於ける電動機のロータ保持手段の動作を以下に説明する。
図12に於いて,第2界磁回転子13がサンギア101と共に矢印123の方向に回転駆動されると,リングギア104はウオームギア105により回転が止められているのでプラネタリギア102が回転してプラネタリギア軸支持枠103及び回転軸11を回転させる。回転軸11の回転速度はサンギア101とリングギア104とのギア比で決まり,この場合は減速回転となる。
矢印122は回転軸11及びプラネタリギア軸支持枠103の回転方向を,矢印123はサンギア101及び第2界磁回転子13の回転方向をそれぞれ示す。電動機の場合,第2界磁回転子13には図8を用いて説明したように回転方向123とは同じ方向81の力が作用し,リングギア104には矢印124に示す方向の力が働いている。
第2界磁回転子13の回転偏倚は本発明の趣旨に沿ってモータ111がウオームギア105を回転させてリングギア104を矢印124で示す力の方向に偏倚させる事で為される。即ち、第2界磁回転子13の回転速度は速くなり,第1界磁回転子12との周方向角度長が変えられる。
上記構成に於いて,回転中にはリングギア104に矢印124で示す方向の力が働き,ウオームギア105はリングギア104の回転を制止するストッパーの役割を果たしている。ウオームギア105によりリングギア104を矢印124で示す方向に偏倚させる事は保持する力を緩めてストッパーの位置を変える事と同義である。したがって第2界磁回転子13の偏倚は電機子14が第2界磁回転子13に作用する矢印81方向の力によって為されるのでモータ111は小出力で十分である。
第四実施例の弱め界磁制御を行う電動機システムは、図9のブロック図を用いて説明される。第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の係合部により第2界磁回転子13が第1界磁回転子12より回転方向に先行し,第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長が図2の[番号25]/2未満であるとして電動機システムは以下のように制御される。
制御装置95は出力93である回転速度を所定の値と比較し,回転速度が所定の値より大で弱め界磁とする場合には制御信号96により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を大にするようウオームギア105を介してリングギア104を矢印124の方向に偏倚させて第2界磁回転子13の回転速度を増加させ,回転速度が所定の値より小で界磁を強める場合には制御信号96により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を小にするよう第1界磁回転子12側のリングギアを矢印124の方向に偏倚させて第1界磁回転子12の回転速度を増大させ,出力93である回転駆動力を最適に制御する。
本発明による回転電機システムの第五実施例を図13,14を用いて説明する。第五実施例の回転電機は永久磁石励磁の電動機である。図13は第五実施例に於ける回転電機の縦断面図,図14は電機子と界磁回転子との構成を示す断面図である。第五実施例は電機子と界磁回転子との構成が第四実施例と異なるのみで他は同じである。以下では異なっている部分のみを説明する。
図13に於いて,第1界磁回転子131,第2界磁回転子132はベアリングを介して回転軸11及びハウジング18に対して回動自在に構成され,電機子133はハウジング18に固定され,回転軸11を取り囲んで内周側から第1界磁回転子131,電機子133,第2界磁回転子132が配置された構成である。第1界磁回転子131,第2界磁回転子132を回転軸に保持するロータ保持手段及びその他の構成は図10に示した第三,第四の実施例と同じであるので説明は省略する。
図14は図13のB−B’に沿う断面図であり,第1界磁回転子131,第2界磁回転子132,電機子133の断面構成を示している。第1界磁回転子131,第2界磁回転子132は永久磁石141と非磁性体142とで構成され,第1界磁回転子131,第2界磁回転子132に於ける永久磁石141の磁化方向は同図に示すように径方向に向き合っている。電機子133は磁性体143及び電機子コイル144より構成され,電機子コイル144の巻かれた磁性体143の空隙は内周側の第1界磁回転子131,外周側の第2界磁回転子132に対向し,第1界磁回転子131,第2界磁回転子132それぞれの永久磁石141からの磁束が電機子コイル144と鎖交するよう構成される。
第四実施例では二つのロータが軸方向に並んだが,第五実施例では二つのロータである第1界磁回転子131,第2界磁回転子132が電機子133を径方向に挟んで並ぶ構成であり,配置構成が異なるが,ロータ保持手段及びその動作は第四の実施例と同じであるのでロータ保持手段の説明等は省略する。
本発明による回転電機システムの第六実施例を図15,16を用いて説明する。第六実施例の回転電機は永久磁石励磁の発電機である。図15は第六実施例に於ける回転電機の縦断面図,図16は第2界磁回転子13のロータ保持手段を示す平面図である。第六実施例では図15に示す回転電機を発電機として,弱め界磁制御を行う発電機システムは図7のブロック図に示される。第六実施例はロータ保持手段の一部構成が第三実施例と異なるのみで他は同じである。以下では異なっている部分のみを説明する。
第六実施例に於いて第1界磁回転子12,第2界磁回転子13のロータ保持手段は第三実施例と同じく第1界磁回転子12,第2界磁回転子13と回転軸11間に配置した遊星ギア機構及びリングギア保持手段とで構成され,第三実施例との相違点はリングギア保持手段の構成である。図15では第2界磁回転子13に関するロータ保持手段の構成部分に番号を付され,さらに図16にそのロータ保持手段の平面図を示して構成及び動作を説明される。第1界磁回転子12に関するロータ保持手段の構成は第2界磁回転子13と同じである。
図15,16に於いて,第2界磁回転子13のためのロータ保持手段の遊星ギア機構は,サンギア101,プラネタリギア102,プラネタリギア軸支持枠103,リングギア104とから構成される,プラネタリギア102は周方向に3個配置されてサンギア101とリングギア104とに噛み合うよう配置され,サンギア101は第2界磁回転子13に,プラネタリギア軸支持枠103は回転軸11にそれぞれ固定されている。
第六実施例のリングギア保持手段は,リングギアのブレーキ機構であり,図15にはリングギア104のブレーキシュー151及び第1界磁回転子12側リングギアのブレーキシュー152が示されている。図16に示すように二つのアーム161がハウジング18に固定されたピン162を中心に回動自在に配置され,アーム161にはブレーキシュー151が配置されてリングギア104に接し,さらにアーム161の他端にはスプリング163,及び楕円軸164が配置されている。
スプリング163は二つのアーム161の間隔を小としてブレーキシュー151をリングギア104に押しつける構成とし,楕円軸164はステップモータ165により回転駆動されて二つのアーム161の間隔を制御する構成である。常時は楕円軸164の小径部分が二つのアーム161に接し,スプリング163により二つのアーム161の間隔は小に付勢され,ブレーキシュー151がリングギア104に押しつけられてリングギア104は静止している。
回転軸11が回転すると,プラネタリギア軸支持枠103も共に回転し,リングギア104はブレーキシュー151により回転が止められているのでプラネタリギア102が回転してサンギア101及び第2界磁回転子13を回転軸11と同じ方向に回転させる。第2界磁回転子13の回転速度はサンギア101とリングギア104とのギア比で決まり,この場合は増速回転となる。
矢印112は回転軸11及びプラネタリギア軸支持枠103の回転方向を,矢印113はサンギア101及び第2界磁回転子13の回転方向をそれぞれ示す。第2界磁回転子13には図4を用いて説明したように回転方向113とは逆方向42の力が作用し,リングギア104には矢印114に示す方向の力が働いている。
第2界磁回転子13の回転偏倚は本発明の趣旨に沿ってステップモータ165が楕円軸164を回転させ,大径部分で二つのアーム161の間隔をスプリング163に抗して拡大し,ブレーキシュー151をリングギア104から離してリングギア104をフリー回転させる事で為される。リングギア104は矢印114で示す力の方向に偏倚し,第2界磁回転子13の回転速度は遅くなり,第1界磁回転子12との周方向角度長が変えられる。
第六実施例の弱め界磁制御を行う発電機システムは、図7のブロック図を用いて説明される。第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の係合部により第2界磁回転子13が第1界磁回転子12より回転方向に先行し,第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長が図2の[番号25]/2未満であるとして発電機システムは以下のように制御される。
第六実施例の発電機71に於いて,弱め界磁制御が行われて定電圧発電機システムとして機能する例である。発電機71は入力72を回転力として出力73を発電出力とし,制御装置75は出力73の発電電圧を所定の電圧と比較し,所定の値より大であれば制御信号76により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を大にするようブレーキシュー152をリングギアから離すよう制御して第1界磁回転子12側のリングギアを矢印114の方向に偏倚させて第1界磁回転子12の回転速度を低下させ,発電電圧が所定の値より小であれば制御信号76により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を小にするようブレーキシュー151をリングギアから離すよう制御してリングギア104を矢印114の方向に偏倚させて第2界磁回転子13の回転速度を低下させる。
本発明による第七実施例を図15,17を用いて説明する。第七実施例は図15に示した回転電機を電動機とした例であって,構成を示す図15は第六実施例と共通である。図17は第2界磁回転子13のロータ保持手段を示す平面図である。弱め界磁制御を行う電動機システムは図9のブロック図に示される。第七実施例は図15,16に示した第六実施例の発電機と同じ構造であり,偏倚制御する方向が第六実施例と異なるのみで他は同じである。以下では異なっている部分のみを説明する。
第七実施例のリングギア保持手段は,第六実施例と同じで既に図15,16を用いて構成は説明されているので図17を参照して動作のみを説明する。
図17に於いて,スプリング163は二つのアーム161の間隔を小としてブレーキシュー151をリングギア104に押しつける構成とし,楕円軸164はステップモータ165により回転駆動されて二つのアーム161の間隔を制御する構成である。常時は楕円軸164の小径部分が二つのアーム161に接し,スプリング163により二つのアーム161の間隔は小に付勢され,ブレーキシュー151がリングギア104に押しつけられてリングギア104は静止している。
第2界磁回転子13がサンギア101と共に矢印123の方向に回転駆動されると,リングギア104はブレーキシュー151により回転が止められているのでプラネタリギア102が回転してプラネタリギア軸支持枠103及び回転軸11を回転させる。回転軸11の回転速度はサンギア101とリングギア104とのギア比で決まり,この場合は減速回転となる。
矢印122は回転軸11及びプラネタリギア軸支持枠103の回転方向を,矢印123はサンギア101及び第2界磁回転子13の回転方向をそれぞれ示す。第2界磁回転子13には図8を用いて説明したように回転方向123とは同じ方向81の力が作用し,リングギア104には矢印124に示す方向の力が働いている。
第2界磁回転子13の回転偏倚は本発明の趣旨に沿ってステップモータ165が楕円軸164を回転させ,大径部分で二つのアーム161の間隔をスプリング163に抗して拡大し,ブレーキシュー151をリングギア104から離してリングギア104をフリー回転させる事で為される。リングギア104は矢印124で示す力の方向に偏倚し,第2界磁回転子13の回転速度は速くなり,第1界磁回転子12との周方向角度長が変えられる。
第七実施例の弱め界磁制御を行う電動機システムは、図9のブロック図を用いて説明される。第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の係合部により第2界磁回転子13が第1界磁回転子12より回転方向に先行し,第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長が図2の[番号25]/2未満であるとして電動機システムは以下のように制御される。
制御装置95は出力93である回転速度を所定の値と比較し,回転速度が所定の値より大で弱め界磁とする場合には制御信号96により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を大にするようブレーキシュー151をリングギアから離すよう制御してリングギア104を矢印124の方向に偏倚させて第2界磁回転子13の回転速度を増加させ,回転速度が所定の値より小で界磁を強める場合には制御信号96により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を小にするよう第1界磁回転子12側のブレーキシュー152をリングギアから離すよう制御してリングギアを矢印124の方向に偏倚させて第1界磁回転子12の回転速度を増大させ,出力93である回転駆動力を最適に制御する。
本発明による回転電機システムの第八実施例を図18,図19,図20を参照して説明する。第八実施例の回転電機は永久磁石励磁の発電機である。図18は第八実施例に於ける回転電機の縦断面図,図19は第2界磁回転子13のロータ保持手段を示す平面図,図20は第2界磁回転子13のロータ保持手段の一部を示す斜視図である。第八実施例では図18に示す回転電機を発電機として,弱め界磁制御を行う発電機システムは図7のブロック図に示される。第八実施例は第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を制御するロータ保持手段のみが第一実施例と異なる。以下では異なっている部分のみを説明する。
ロータ保持手段は,3つの機構要素から構成される。すなわち,ハウジング側に配置されたアクチュエータが回転子側に配置された可動部を軸方向に駆動する軸方向駆動機構,可動部の軸方向振幅を一方向回転に変換する振幅変換機構,回転子を保持して回転軸の回転を回転子に伝えると共に前記一方向回転で回転子を回転軸に対して回転偏倚させるロータ保持機構である。
軸方向駆動機構の構成及び動作は図18を用いて説明する。軸方向駆動機構はハウジング18に固定されたアクチュエータ及び環状永久磁石板183とで構成され,アクチュエータは環状磁性体184,径方向に磁化方向を持つ永久磁石185,コイル186により構成される。環状磁性体184,永久磁石185,コイル186,環状永久磁石板183は磁気回路を構成し,永久磁石185及び環状永久磁石板183の径方向磁化方向は互いに逆方向とされるのでコイル186に電流を供給しない場合は環状永久磁石板183を軸方向右へ引きつけている。コイル186に環状永久磁石板183を反発させる方向にパルス電流を供給すると,環状永久磁石板183は軸方向左へパルス電流に比例して移動した後復帰する。
振幅変換機構及びロータ保持機構は3組あり,図18及び図19に示されるが,構成及び動作を分かり易く示す為に一組の構造を斜視図として図20に示している。図20に於いて,振幅変換機構は環状永久磁石板183にピン194で回動可能に配置された板バネ191及び支持部187に配置されたラチェット機構192から構成されている。軸方向に振動する環状永久磁石板183に対応して板バネ191は回転振動し,ラチェット機構192により一方向回転に変換される。
ロータ保持機構は回転軸11に固定された支持部187に配置されたウオームギア193,同軸のギア182及び181,第2界磁回転子13の内周面に設けられたギア201とより構成されてラチェット機構192による一方向回転を第2界磁回転子13を周方向に駆動するギア182及び181の回転に変換する。
図19には3組の振幅変換機構及びロータ保持機構の平面図が示されている。同図に於いて,番号195はギア182及び181をウオームギア193及びギア201に押しつける板バネを示す。
番号181−187,191−195,201は第2界磁回転子13のロータ保持手段を構成し,第1界磁回転子12のロータ保持手段も同じ構造である。番号188は第1界磁回転子12のロータ保持手段のアクチュエータのコイルを示す。
発電機であるので,第2界磁回転子13は矢印41で示す回転方向とは逆方向の矢印42で示す方向の力を電機子14から受け,ウオームギア193が矢印42で示す方向の力に抗して第2界磁回転子13を回転軸11に保持している。アクチュエータにより環状永久磁石板183が軸方向に駆動されると,ラチェット機構192は環状永久磁石板183の軸方向移動量を矢印196で示す方向の回転に変え,ウオームギア193を介してギア181,182を矢印197で示す方向に回転させて矢印42の方向へ第2界磁回転子13を回転偏倚させる。これはアクチュエータを駆動して第2界磁回転子13の保持力を緩める事と同じである。第1界磁回転子12の回転偏倚も番号188で示すコイルにパルス電流を供給する事で第2界磁回転子13と同様に回転偏倚させる事が出来る。
弱め界磁制御を行う発電機システムは、図7のブロック図を用いて説明する。第2界磁回転子13が第1界磁回転子12より回転方向に先行し,第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長が図2の[番号25]/2未満であると状態信号74により確認されているとして発電機システムは以下のように制御される。
発電機71に於いて,弱め界磁制御を行って定電圧発電機システムとする例を説明する。発電機71は入力72を回転力として出力73を発電出力とし,制御装置75は出力73の発電電圧を所定の電圧と比較し,所定の値より大であれば制御信号76により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を大にするようコイル188にパルス電流を供給して第1界磁回転子12を回転軸11に対して矢印44方向に偏倚させ(回転中であるので回転速度が僅かに低くなって周方向角度長31が大となる),発電電圧が所定の値より小であれば制御信号76により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を小にするようコイル186にパルス電流を供給して第2界磁回転子13を回転軸11に対して矢印45方向に偏倚させる。
本発明による第九実施例を図18,図20,図21を参照して説明する。第九実施例は図18,19,20に示した回転電機を電動機とした例であって,構成を示す図18,19,20は第八実施例と共通である。図21は第2界磁回転子13のロータ保持手段を示す平面図である。第九実施例では図18に示す回転電機を電動機として,弱め界磁制御を行う電動機システムは図9のブロック図に示される。第九実施例は図18,19,20に示した第八実施例の発電機と同じ構造であり,偏倚制御する方向が第八実施例と異なるのみで他は同じである。以下では異なっている部分のみを説明する。
ロータ保持手段の平面図を示す図19及び図21は同じ構成を示し,偏倚制御する方向のみが異なっている。以下では図21を用いて第九実施例に於けるロータ保持手段の動作を説明する。
電動機であるので,第2界磁回転子13は矢印41で示す回転方向と同じ方向の矢印81で示す方向の力を電機子14から受け,ウオームギア193が矢印81で示す方向の力に抗して第2界磁回転子13を回転軸11に保持している。アクチュエータにより環状永久磁石板183が軸方向に駆動されると,ラチェット機構192は環状永久磁石板183の軸方向移動量を矢印211で示す方向の回転に変え,ウオームギア193を介してギア181,182を矢印212で示す方向に回転させて矢印81の方向へ第2界磁回転子13を回転偏倚させる。これはアクチュエータを駆動して第2界磁回転子13の保持力を緩める事と同じである。第1界磁回転子12の回転偏倚も番号188で示すコイルにパルス電流を供給する事で第2界磁回転子13と同様に回転偏倚させる事が出来る。第九実施例では第八実施例の発電機とでラチェット機構192の回転方向を逆に設定してある。
第九実施例に於いて,弱め界磁制御を行う電動機システムは、図9のブロック図を用いて説明する。第2界磁回転子13が第1界磁回転子12より回転方向に先行し,第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長が図2の[番号25]/2未満であると状態信号74により確認されているとして電動機システムは以下のように制御される。
制御装置95は出力93である回転速度を所定の値と比較し,回転速度が所定の値より大で弱め界磁とする場合には制御信号96により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を大にするようコイル186にパルス電流を供給して第2界磁回転子13の回転速度を増加させ,回転速度が所定の値より小で界磁を強める場合には制御信号96により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を小にするよう第1界磁回転子12側のコイル188にパルス電流を供給して第1界磁回転子12の回転速度を増大させ,出力93である回転駆動力を最適に制御する。
本発明による回転電機システムの第十実施例を図22,図23,図24を用いて説明する。第十実施例の回転電機は永久磁石励磁の発電機である。第十実施例は電機子を軸と直交する平面で二分して第1電機子,第2電機子としてハウジング18に回動可能に配置した構成である。図22は第十実施例に於ける回転電機の縦断面図を,図23は電機子・界磁部間の力とステータの偏倚制御方向を示す斜視図を,図24は第2電機子のステータ保持手段の平面図をそれぞれ示す。第十実施例では図22に示す回転電機を発電機として,弱め界磁制御を行う発電機システムは図7のブロック図に示される。
図22,24は,永久磁石励磁された界磁部を回転子とする回転電機を示し,回転軸11がベアリング19を介してハウジング18に回動可能に支持され,永久磁石を有する磁極部16,磁性体より成るバックヨーク17より構成される界磁回転子221が回転軸11に固定されている。
電機子は軸と直交する平面で二分された第1電機子222,第2電機子225がそれぞれ支持リング224,227及びベアリング22aを介してハウジング18に回動可能に配置されている。番号223,226は第1電機子222,第2電機子225に巻回された電機子コイルをそれぞれ示す。
界磁回転子221は回転軸11と共に回転し,磁極部16から発する磁束は第1電機子222,第2電機子225に流入し,電機子コイル223,226と鎖交した後,磁極部16に環流する。
第1電機子222,第2電機子225は図2に示した第一実施例の電機子と同様に磁性体歯を持ち,磁性体歯に電機子コイル223,226が巻回されている。第1電機子222,第2電機子225間で軸方向に隣接し対応する磁性体歯に巻回された電機子コイル同士は直列に接続された後,単相或いは三相等の発電機の仕様に従って結線されている。第1電機子222,第2電機子225それぞれで電機子コイルは単相或いは三相等の発電機の仕様に従って結線された後に同一相に属する第1電機子222,第2電機子225それぞれの電機子コイル同士を直列に接続しても結果は同じである。第1電機子222,第2電機子225からの引き出し線はスリップリングで外部に接続されている。
第1電機子222,第2電機子225との間には図6に示すと同じ係合部を有し,第1電機子222,第2電機子225間の周方向角度長が界磁部に於いて隣接する磁極中心間の周方向角度長である[番号25]/2を超えないように規制している。
ステータ保持手段は番号228,229で示されたウオームギア,番号241で示されたモータ,支持リング224,227外周に形成されたギアで構成される。第1電機子222側のモータは図示されていない。
回転電機を発電機とする場合,図23を用いて電機子・界磁部間の作用力と電機子を偏倚制御する方向を説明する。発電機の場合,図4,図23に示すように電機子と界磁部とは矢印42,43で示すように反発し合う力が作用する。本実施例ではハウジング側に配置された電機子が分割されて第1電機子222,第2電機子225で構成されるのでそれぞれを矢印231,232の方向に偏倚を許容させて第1電機子222と第2電機子225との間の周方向角度長を制御する。
図23を用いて第1電機子222及び第2電機子225と界磁部間に作用する力を説明したが,上記説明は第1電機子222,第2電機子225間の周方向角度長が周方向に隣接する異種磁極中心間の周方向角度長,すなわち[番号25]/2より小さい場合に限定される。また,上記に説明した界磁部と電機子間の作用力は回転子が1ピッチの間,すなわち[番号25]相当の周方向角度長を偏倚する間の平均値であって瞬時的には変動があり,逆方向の作用力となる場合もある。界磁部と電機子間の作用力の瞬時的な変動は本発明の原理作用には影響しないので説明は省略する。
第1電機子222,第2電機子225間の周方向角度長を一定に保つには,第1電機子222側のモータ及びモータ241を停止させて支持リング224,227の外周ギアとそれぞれ噛み合っているウオームギア228,229で第1電機子222,第2電機子225を静止させる。ウオームギア228,229が第1電機子222,第2電機子225の停止位置を決めるストッパーの役割を果たしている。
第1電機子222,第2電機子225間の周方向角度長を変えるには,例えばモータ241によりウオームギア229を回転させ,支持リング227を矢印232の方向に偏倚させる。これはストッパーの役割を果たしているウオームギア229が第2電機子225の保持力を緩めた事と同じである。また,支持リング227と噛み合う位置を矢印232と逆方向に偏倚させたと考える事も出来る。第1電機子222,第2電機子225の相互の位置,両者の周方向角度長制御の方向により,第1電機子222,第2電機子225何れかの偏倚を許容させ,第1電機子222,第2電機子225間の周方向角度長を制御する。
弱め界磁制御を行う発電機システムは図7のブロック図により説明する。契合部により第2電機子225が第1電機子222より回転方向に先行し,第1電機子222,第2電機子225間の周方向角度長が図2の[番号25]/2未満であるとして発電機システムは以下のように制御される。
発電機71に於いて,弱め界磁制御を行って定電圧発電機システムとした例を説明する。発電機71は入力72を回転力として出力73を発電出力とし,制御装置75は出力73の発電電圧を所定の電圧と比較し,所定の値より大であれば制御信号76により第1電機子222,第2電機子225間の周方向角度長を大にするようモータ241がウオームギア229を回転させて第2電機子225を矢印232方向に偏倚させ,発電電圧が所定の値より小であれば制御信号76により第1電機子222,第2電機子225間の周方向角度長を小にするよう図示していないモータがウオームギア228を回転させて第1電機子222を矢印231方向に偏倚させる。
本発明による第十一実施例を図22,図25,図24を用いて説明する。第十一実施例は図22,24に示した回転電機を電動機とした例であって,構成を示す図22,24は第十実施例と共通である。図25は電機子・界磁部間の力とステータの偏倚制御方向を示す斜視図を示す。第十一実施例では図22に示す回転電機を電動機として,弱め界磁制御を行う電動機システムは図9のブロック図に示される。
回転電機が電動機である場合に電機子・界磁部間の作用力と電機子を偏倚制御する方向を図25により説明する。電動機の場合,図25に示すように電機子と界磁部とは矢印81,82で示すように引き合う力が作用する。本実施例ではハウジング側に配置された電機子が分割されて第1電機子222,第2電機子225で構成されるのでそれぞれを矢印251,252の方向に偏倚を許容させて第1電機子222と第2電機子225との間の周方向角度長を制御する。
図25を用いて第1電機子222及び第2電機子225と界磁部間に作用する力を説明したが,上記説明は第1電機子222,第2電機子225間の周方向角度長が周方向に隣接する異種磁極中心間の周方向角度長,すなわち[番号25]/2より小さい場合に限定される。また,上記に説明した界磁部と電機子間の作用力は回転子が1ピッチの間,すなわち[番号25]相当の周方向角度長を偏倚する間の平均値であって瞬時的には変動があり,逆方向の作用力となる場合もある。界磁部と電機子間の作用力の瞬時的な変動は本発明の原理作用には影響しないので説明は省略する。
第1電機子222,第2電機子225間の周方向角度長を一定に保つには,第1電機子222側のモータ及びモータ241を停止させて支持リング224,227の外周ギアとそれぞれ噛み合っているウオームギア228,229で第1電機子222,第2電機子225を静止させる。ウオームギア228,229が第1電機子222,第2電機子225の停止位置を決めるストッパーの役割を果たしている。
第1電機子222,第2電機子225間の周方向角度長を変えるには,例えばモータ241によりウオームギア229を回転させ,支持リング227を矢印252の方向に偏倚させる。これはストッパーの役割を果たしているウオームギア229が第2電機子225の保持力を緩めた事と同じである。また,支持リング227と噛み合う位置を矢印252と逆方向に偏倚させたと考える事も出来る。第1電機子222,第2電機子225の相互の位置,両者の周方向角度長制御の方向により,第1電機子222,第2電機子225何れかの偏倚を許容させ,第1電機子222,第2電機子225間の周方向角度長を制御する。
第十一実施例に於いて,弱め界磁制御を行う電動機システムは図9のブロック図により説明する。契合部により第2電機子225が第1電機子222より回転方向に先行し,第1電機子222,第2電機子225間の周方向角度長が図2の[番号25]/2未満であるとして電動機システムは以下のように制御される。
制御装置95は出力93である回転速度を所定の値と比較し,回転速度が所定の値より大で弱め界磁とする場合には制御信号96により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を大にするよう図示していないモータがウオームギア228を回転させて第1電機子222を矢印251方向に偏倚させ,回転速度が所定の値より小で界磁を強める場合には制御信号96により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を小にするようモータ241にウオームギア229を回転させて第2電機子225を矢印252方向に偏倚させ,出力93である回転駆動力を最適に制御する。
本発明による回転電機システムの第十二実施例を図26,図27を用いて説明する。第十二実施例はハウジング側に固定された界磁部を二分したブラシ付きの発電機である。図26は第十二実施例に於ける回転電機の縦断面図,図27は第2界磁のステータ保持手段を示す平面図である。第十二実施例では図22に示す回転電機を発電機として,弱め界磁制御を行う発電機システムは図7のブロック図に示される。
図26,27は,ブラシ付きの回転電機を示し,回転軸11がベアリング19を介してハウジング18に回動可能に支持され,磁極部262と電機子コイル263より構成された電機子261が回転軸11に固定されている。回転軸11と直交する平面で2分された第1界磁264,第2界磁265はそれぞれ支持リング224,227及びベアリング22aでハウジング18に回動可能に支持されている。回転電機を発電機とした場合,電機子コイル263には整流子266,ブラシ267を介して発電された電流が取り出される。第1界磁264,第2界磁265から発する磁束は電機子261の磁極部262に流入し,電機子コイル263と鎖交した後,第1界磁264,第2界磁265に環流する。
図26に示した第十二実施例の電機子及び界磁部は図2に示した第一実施例の構成とは,電機子261の磁極部262は内周側に,第1界磁264,第2界磁265は外周側に配置されて径方向に対向し,内外周の位置が入れ替わっているが,磁極構成は同じであるので詳しい説明は省略する。
図26,27に於いて,第2界磁265のステータ保持手段は番号269で示したバンド,支持リング227,番号271−275で示す部材で構成されている。第1界磁264のステータ保持手段はバンド268,支持リング224以外の部材は図示してないが,第2界磁265のステータ保持手段と同じ構成である。
バンド269は、その一端がハウジング18に固定され,支持リング227を周回して他端271はアーム272に固定される。アーム272はピン273でハウジング18に回動可能に固定され,アーム272の他の端はスプリング274及びアクチュエータ275に接続される。
アクチュエータ275はバンド269に加えられた張力を制御し支持リング227を静止させるか,或いは回動可能とする。アクチュエータ275に電流が供給されない場合にはスプリング274によりアーム272の右端は押し上げられてバンド269端271は下方に下げられてバンド269に張力を発生させて支持リング227を静止させる。アクチュエータ275に電流が供給されると,スプリング274に抗してアーム272の右端を押し下げ,バンド269端271を上方に移動させてバンド269に加えられた張力を緩め,支持リング227を回動可能とする。
発電機の場合,回転中は図23に示すようにハウジング18側の第1界磁264,第2界磁265には矢印43の方向の力が電機子261から作用している。バンド269の張力が緩められると第2界磁265は矢印232の方向に偏倚する。したがって,第1界磁264,第2界磁265の相対位置,周方向角度長の制御方向によりバンド268,269に加えた張力をそれぞれ制御して第1界磁264,或いは第2界磁265を回転偏倚させて両者間の周方向角度長を制御出来る。
弱め界磁制御を行う発電機システムは図7のブロック図を用いて説明する。第2界磁265が第1界磁264より回転方向に先行し,第1界磁264,第2界磁265間の周方向角度長が図2の[番号25]/2未満であると状態信号74により確認されているとして発電機システムは以下のように制御される。
発電機71に於いて,弱め界磁制御を行って定電圧発電機システムとされた例を説明する。発電機71は入力72を回転力として出力73を発電出力とし,制御装置75は出力73の発電電圧を所定の電圧と比較し,所定の値より大であれば制御信号76により第1界磁264,第2界磁265間の周方向角度長を大にするようバンド269の張力を緩めさせて第2界磁265を矢印232方向に偏倚させ,発電電圧が所定の値より小であれば制御信号76により第1界磁264,第2界磁265間の周方向角度長を小にするようバンド268の張力を緩めさせて第1界磁264を矢印231方向に偏倚させる。
本発明による第十三実施例を図26,図27を用いて説明する。第十三実施例は図26,27に示した回転電機を電動機とした例であって,構成を示す図26,27は第十二実施例と共通である。第十三実施例はハウジング側に固定された界磁部を二分したブラシ付きの電動機である。第十三実施例では図26,27に示す回転電機を電動機として,弱め界磁制御を行う電動機システムは図9のブロック図に示される。
ステータ保持手段の構成は図26,図27を二示す第十二実施例と同じであるのでステータ保持手段の動作のみを説明する。
電動機の場合,回転中は図25に示すようにハウジング18側の第1界磁264,第2界磁265には矢印82の方向の力が電機子261から作用している。バンド269の張力が緩められると第2界磁265は矢印252の方向に偏倚する。したがって,第1界磁264,第2界磁265の相対位置,周方向角度長の制御方向によりバンド268,269に加えた張力をそれぞれ制御して第1界磁264,或いは第2界磁265を回転偏倚させて両者間の周方向角度長を制御出来る。
第十三実施例に於いて,弱め界磁制御を行う電動機システムは図9のブロック図を用いて説明する。第2界磁265が第1界磁264より回転方向に先行し,第1界磁264,第2界磁265間の周方向角度長が図2の[番号25]/2未満であると状態信号94により確認されているとして電動機システムは以下のように制御される。
制御装置95は出力93である回転速度を所定の値と比較し,回転速度が所定の値より大で弱め界磁とする場合には制御信号96により第1界磁264,第2界磁265間の周方向角度長を大にするようバンド268の張力を緩めさせて第1界磁264を矢印251方向に偏倚させ,回転速度が所定の値より小で界磁を強める場合には制御信号96により第1界磁264,第2界磁265間の周方向角度長を小にするようバンド269の張力を緩めさせて第2界磁265を矢印252方向に偏倚させ,出力93である回転駆動力を最適に制御する。
本発明による第十四実施例を図28,図29を用いて説明する。第十四実施例は回転電機を電動機とする場合,電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを変えてロータを回転偏倚させる力を増加させ,応答を高速化する。図28,29は駆動電流の波形を示し,第二の実施例に示す電動機に於いて,駆動電流のタイミングを切り替えて応答を高速化する例を説明する。
第二の実施例に於ける電動機の電機子コイル15は三相に結線されているとして図28にはU相,V相,W相それぞれの電機子コイルに供給される駆動電流波形281,282,283が示されている。横軸は時間tを示す。U相,V相,W相それぞれの電機子コイルに供給される駆動電流波形281,282,283は界磁回転子の永久磁石片22と磁性体歯21との相対位置により切り替えられ,界磁回転子を回転駆動する。
図29は駆動電流波形のタイミングを比較する為に代表としてU相の電機子コイルに供給される駆動電流波形を示す。第2界磁回転子13が第1界磁回転子12に対して回転方向に先行している場合に於いて,第1界磁回転子12,第2界磁回転子13それぞれを回転駆動するに最適な電流波形を番号291,292で示して比較している。第1界磁回転子12,第2界磁回転子13が相対的に偏倚して回転している場合には,両者の中間位置を基準に駆動電流を切換,図29の駆動電流波形281は駆動電流波形291,292の中間のタイミングで切り替えられている。第1界磁回転子12を回転駆動する最適な駆動電流波形291は駆動電流波形281より時間的に遅れ,番号293はその遅れ時間量を示す。更に第2界磁回転子13を回転駆動する最適な駆動電流波形292は駆動電流波形281より時間的に進み,番号294はその進み時間量を示す。
第2界磁回転子13が第1界磁回転子12に対して回転方向に先行しているが,相対偏倚が大になると,番号293,294で示す遅れ,進み時間が大となり,それぞれの回転子を駆動する理想的な駆動電流波形よりタイミングがずれるのでそれぞれの回転駆動力は小となる。したがって,本発明の第二実施例に説明した例では二つのロータ,つまり第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長が大になるとそれぞれを回転駆動する力が小となり,回転偏倚に要する時間が長くなる。
図29に於いて,駆動電流波形281のタイミングを遅らせて駆動電流波形291に近づけると第1界磁回転子12への回転駆動力を大に,駆動電流波形281のタイミングを進めて駆動電流波形292に近づけると第2界磁回転子13への回転駆動力を大にできる。したがって,第十四の実施例では第2界磁回転子13が第1界磁回転子12に対して回転方向に先行しているとして以下のように制御する。第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に先行する第2界磁回転子13の回転軸に対する保持力を緩めるよう制御棒1eを左方向に駆動する電流をコイル1jに供給すると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを早め,第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に後続する第1界磁回転子12の回転軸に対する保持力を緩めるよう制御棒1eを右方向に駆動する電流をコイル1jに供給すると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを遅らせて第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を変える。
上記の場合に於いて,駆動電流の切換タイミングの最適な進み,遅れ量は,図3で説明したように第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長は[番号31]であるとすると,その中間から第1界磁回転子12,第2界磁回転子13それぞれへのの周方向角度長を回転軸11の回転角速度ωで除した値,つまり[番号31]/2ωとなる。
第十四実施例で弱め界磁制御を行う電動機システムを図9を用いて説明する。第2界磁回転子13が第1界磁回転子12より回転方向に先行し,第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長が図2の[番号25]/2未満であると状態信号94により確認されているとして電動機システムは以下のように制御される。
制御装置95は出力93である回転速度を所定の値と比較し,回転速度が所定の値より大で弱め界磁とする場合には制御信号96により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を大にするよう制御棒1eを左方向に駆動する電流をコイル1jに供給すると共に駆動回路97が電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを進めて第2界磁回転子13を矢印84の方向に偏倚をさせ,回転速度が所定の値より小で界磁を強める場合には制御信号96により第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長を小にするよう制御棒1eを右方向に駆動する電流をコイル1jに供給すると共に駆動回路97が電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを遅らせて第1界磁回転子12を矢印83の方向に偏倚させ,出力93である回転駆動力を最適に制御する。
第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長が大になるとそれぞれを回転駆動する力が小となり,回転偏倚に要する時間が長くなる。さらに周方向角度長が界磁部に於いて異種磁極間の周方向角度長である[番号25]/2に近づくと,第1界磁回転子12,第2界磁回転子13をそれぞれ回転駆動する力はゼロに漸近して制御は困難になる。第十四実施例で説明したように電機子に供給する駆動電流の切換タイミング制御を併用すれば,第1界磁回転子12,第2界磁回転子13間の周方向角度長に拘わらず常に同じ力でそれぞれの回転子を回転偏倚させる事が出来,界磁制御が不能になる事態を回避出来る。
第十四実施例では第二実施例の電動機に於いて,駆動電流の切換タイミング制御を併用させたが,他の実施例の電動機にも同様に適用出来る。
本発明による第十五実施例を図28,図30を用いて説明する。第十五実施例は電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを変えてステータを回転偏倚させる力を増加させ,応答を高速化する。図28,30は電機子コイルに供給する駆動電流の波形を示し,第十一の実施例に示した電動機に於いて,駆動電流のタイミングを切り替えて応答を高速化する例を説明する。
第十一の実施例に於ける電動機の電機子コイル15は三相に結線されているとして図28にはU相,V相,W相それぞれの電機子コイルに供給される駆動電流波形281,282,283が示されている。横軸は時間tを示す。U相,V相,W相それぞれの電機子コイルに供給される駆動電流波形281,282,283は界磁回転子の永久磁石片22と磁性体歯21との相対位置により切り替えられ,界磁回転子を回転駆動する。
図30は駆動電流波形のタイミングを比較する為に代表としてU相の電機子コイルに供給される駆動電流波形を示す。第十四実施例では二つの回転子が偏倚しながら回転している場合の理想的な駆動電流波形として説明したが。第十五実施例では,ハウジング側に配置された第2電機子225が第1電機子222に対して回転方向に先行している場合に於いて,第1電機子222,第2電機子225それぞれの位置から界磁回転子221を回転駆動するに最適な駆動電流波形をそれぞれ番号301,302として示している。第十四実施例の場合に於ける回転方向に先行,後続する回転子と最適な駆動電流波形の進み,遅れの関係と,第十五実施例に於ける回転方向に先行,後続する電機子と最適な駆動電流波形の進み,遅れとの関係が逆になっている。電機子が分割されて回転方向に偏倚している場合,後続する電機子が時間的に先に回転子の磁極とタイミングが合致するとの理由による。
ハウジング側に配置された第2電機子225が第1電機子222に対して回転方向に先行して配置されている状況で二つの電機子は相単位で直列に接続され,二つの電機子の中間位置を基準にして駆動電流が切り替えられ供給されている。その駆動電流波形が番号281に示す駆動電流波形である。第1電機子222の位置から界磁回転子221を回転駆動する最適な駆動電流波形301は駆動電流波形281より時間的に進み,番号303はその進み時間量を示す。更に第2電機子225の位置から界磁回転子221を回転駆動する最適な駆動電流波形302は駆動電流波形281より時間的に遅れ,番号304はその遅れ時間量を示す。
回転方向に後続する第1電機子222の位置から界磁回転子221を回転駆動するに最適な駆動電流波形は番号301で示されるが,同時に第1電機子222は回転駆動の反作用を受けるのでこの場合は第1電機子222への働く力を最大にする駆動電流波形と解釈出来る。第2電機子225の位置から界磁回転子221を回転駆動するに最適な駆動電流波形は番号302であるが,同様に第2電機子225への力を最大にする駆動電流波形と解釈出来る。したがって,電機子コイルへの駆動電流波形の切換タイミングを遅らせれば,回転方向に先行する第2電機子225を回転偏倚させる力を大にし,電機子コイルへの駆動電流波形の切換タイミングを進めれば,回転方向に後続する第1電機子222を回転偏倚させる力を大にできる。
第十五実施例で弱め界磁制御を行う電動機システムを図9を用いて説明する。契合部により第2電機子225が第1電機子222より回転方向に先行し,第1電機子222,第2電機子225間の周方向角度長が図2の[番号25]/2未満であるとして電動機システムは以下のように制御される。
制御装置95は出力93である回転速度を所定の値と比較し,回転速度が所定の値より大で弱め界磁とする場合には制御信号96により第1電機子222,第2電機子225間の周方向角度長を大にするよう図示していないモータがウオームギア228を回転させて第1電機子222を保持する力を緩めると同時に駆動回路97が電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを早めて第1電機子222を回転方向とは逆方向に回転偏倚させ,回転速度が所定の値より小で界磁を強める場合には制御信号96により第1電機子222,第2電機子225間の周方向角度長を小にするようモータ241にウオームギア229を回転させて第2電機子225を保持する力を緩めると同時に駆動回路97が電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを遅らせて第2電機子225を回転方向とは逆方向に回転偏倚させ,出力93である回転駆動力を最適に制御する。
以上,本発明の回転電機システムについて,実施例を挙げて説明した。実施例1−13では界磁磁束の位相を制御するために分割された界磁部或いは電機子のロータ保持手段或いはステータ保持手段を示した。実施例14,15では回転電機が電動機である場合に,更に電機子コイルの駆動電流の切換タイミングを変える事により応答を速やかにする例を示した。これらの実施例は本発明の趣旨,目的を実現する例を示したのであって本発明の範囲を限定するわけでは無い。上記実施例を組み合わせる,或いは実施例の一部を組み合わせて本発明の趣旨,目的を実現するシステムを完成させる等が可能な事は勿論である。
また,発電機の場合に於いても,分割された二つのロータ間或いは分割された二つのステータ間の周方向角度長が界磁部に於いて異種磁極間の周方向角度長である[番号25]/2に近づくと制御が困難になる。その場合に発電機を電動機に切り替え,第十四実施例及び第十五実施例を用いて説明したように駆動電流波形のタイミング制御を併用すれば界磁制御の速度が著しく低下し,応答時間が大になる事態を回避出来る。この場合もまた本発明の趣旨を適用した例であり,本発明の範囲に含まれる。
本発明の実施例について図面を用いて説明したように,本発明は永久磁石励磁の界磁部或いは電機子を2分し,分割された界磁部或いは電機子を回転偏倚させる事で電機子コイルと鎖交する磁束の位相を制御する弱め界磁制御に於いて,小出力のアクチュエータで容易に分割された界磁部或いは電機子の相対位置を制御し,しかも制御に必要な時のみエネルギーを消費して,高効率で出力制御可能な回転電機システムを実現した。
回転電機システムとして回転速度が大きく変化しても発電電圧を一定に保つ事が出来る定電圧発電システムとして,高速回転域でも弱め界磁制御で十分な回転力を引き出す事が出来る電動機として,自動車,列車等の移動体応用,風力発電等に適用できる。
第一の実施例による回転電機の縦断面図である。 図1に示された回転電機の電機子と界磁部とを示す断面図である。 図1に示された回転電機の第1界磁回転子と,第2界磁回転子との相対位置を示す断面図である。 発電機の電機子・界磁部間の力とロータの偏倚制御方向を示す斜視図である。 図1に示された回転電機のロータ保持手段を示す縦断面図である。 図1に示された回転電機の第1界磁回転子と,第2界磁回転子との係合部を示す斜視図および部分拡大図である。 弱め界磁制御を行う発電機システムのブロック図である。 電動機の電機子・界磁部間の力とロータの偏倚制御方向を示す斜視図である。 弱め界磁制御を行う電動機システムのブロック図である。 第三の実施例による回転電機の縦断面図である。 図10に示された回転電機のロータ保持手段を示す平面図である。 第四の実施例に於ける回転電機のロータ保持手段を示す平面図である。 第五の実施例による回転電機の縦断面図である。 図13に示された回転電機の電機子と界磁部とを示す断面図である。 第六の実施例による回転電機の縦断面図である。 図15に示された回転電機のロータ保持手段を示す平面図である。 第七の実施例に於ける回転電機のロータ保持手段を示す平面図である。 第八の実施例による回転電機の縦断面図である。 図18に示された回転電機のロータ保持手段を示す平面図である。 図18に示された回転電機のロータ保持手段の一部を示す斜視図である。 第九の実施例による回転電機のロータ保持手段を示す平面図である。 第十実施例による発電機の縦断面図である。 発電機の電機子・界磁部間の力とステータの偏倚制御方向を示す斜視図である。 図22に示された回転電機のステータ保持手段を示す平面図である。 電動機の電機子・界磁部間の力とステータの偏倚制御方向を示す斜視図である。 第十二実施例による回転電機の縦断面図である。 図26に示された回転電機のステータ保持手段を示す平面図である。 電機子コイルに供給される駆動電流波形を示す図である。 二つのロータが偏倚しながら回転している場合の理想的な駆動電流波形を示す図である。 二つのステータがハウジング側に偏倚して配置されている場合の理想的な駆動電流波形を示す図である。
符号の説明
11・・・回転軸, 12・・・第1界磁回転子,
13・・・第2界磁回転子, 14・・・電機子,
15・・・電機子コイル, 16・・・磁極部,
17・・・バックヨーク, 18・・・ハウジング,
19,1a・・ベアリング, 1b,1c・・クラッチ円板,
1d・・・スプリング, 1e・・・制御棒,
1f・・・小径部, 1g,1h・・突起,
1j・・・コイル, 1k・・・磁性体,
1m・・・永久磁石
21・・・磁性体歯, 22・・・永久磁石片,
23・・・非磁性体, 24・・・ロータ支持体,
25・・・周方向角度長
31・・・周方向角度長
41・・・回転方向, 42・・・ロータへの作用力,
43・・・ステータへの作用力, 44,45・・ロータの偏倚方向
61・・・係合部, 62,63・・周方向角度長,
64・・・凹部, 65・・・凸部
71・・・発電機, 72・・・入力,
73・・・出力, 74・・・状態信号,
75・・・制御装置, 76・・・制御信号
81・・・ロータへの作用力, 82・・・ステータへの作用力,
83,84・・・ロータの偏倚方向
91・・・電動機, 92・・・駆動電流,
93・・・出力, 94・・・状態信号,
95・・・制御装置, 96・・・制御信号,
97・・・駆動回路
101・・・サンギア, 102・・・プラネタリギア,
103・・・プラネタリギア軸支持枠, 104・・・リングギア,
105,106・・ウオームギア, 107・・・回転プーリ
111・・・モータ, 112・・・回転軸11の回転方向,
113・・・サンギア101の回転方向,
114・・・リングギア104への作用力方向
122・・・回転軸11の回転方向,
123・・・サンギア101の回転方向,
124・・・リングギア104への作用力方向
131・・・第1界磁回転子, 132・・・第2界磁回転子,
133・・・電機子
141・・・永久磁石, 142・・・非磁性体,
143・・・磁性体, 144・・・電機子コイル
151,152・・ブレーキシュー
161・・・アーム, 162・・・ピン,
163・・・スプリング, 164・・・楕円軸,
165・・・ステップモータ
181,182・・ギア, 183・・・環状永久磁石板,
184・・・環状磁性体, 185・・・永久磁石,
186,188・・コイル, 187・・・支持部
191・・・板バネ, 192・・・ラチェット機構,
193・・・ウオームギア, 194・・・ピン,
195・・・板バネ,
196・・・ラチェット機構192の回転方向,
197・・・ギア181,182の回転方向
201・・・ギア
211・・・ラチェット機構192の回転方向,
212・・・ギア181,182の回転方向
221・・・界磁回転子, 222・・・第1電機子,
223,226・・電機子コイル, 224,227・・支持リング,
225・・・第2電機子, 228,229・・ウオームギア,
22a・・・ベアリング
231,232・・ステータの偏倚方向,
241・・・モータ
251,252・・ステータの偏倚方向,
261・・・電機子, 262・・・磁極部,
263・・・電機子コイル, 264・・・第1界磁,
265・・・第2界磁, 266・・・整流子,
267・・・ブラシ, 268,269・・バンド
271・・・バンド269端, 272・・・アーム,
273・・・ピン, 274・・・スプリング,
275・・・アクチュエータ
281・・・U相の駆動電流波形, 282・・・V相の駆動電流波形,
283・・・W相の駆動電流波形
291・・・第1界磁回転子の理想的な駆動電流波形,
292・・・第2界磁回転子の理想的な駆動電流波形,
293・・・駆動電流波形291の駆動電流波形281からの遅れ時間,
294・・・駆動電流波形292の駆動電流波形281からの進み時間
301・・・第1電機子の位置からの理想的な駆動電流波形,
302・・・第2電機子の位置からの理想的な駆動電流波形,
303・・・駆動電流波形301の駆動電流波形281からの進み時間,
304・・・駆動電流波形302の駆動電流波形281からの遅れ時間

Claims (37)

  1. 発電機システムは,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する発電機システムであって,回転側に配置された界磁部或いは電機子が2分割された二つのロータそれぞれが回転軸に対して回動可能に構成され,二つのロータそれぞれと回転軸間のロータ保持手段を有し,ロータ保持手段はロータを回転軸と共に回転するよう回転軸に保持すると共にロータ保持力を一時的に緩めて界磁部及び電機子間の作用力によりロータを回転軸に対して回転方向と逆方向に回転偏倚させる構成とし,発電機システムの出力に応じてロータ保持手段を制御して二つのロータ間の周方向角度長を変え,実効的に界磁強度を制御して出力を最適化する制御装置を有する発電機システム
  2. 請求項1記載の発電機システムに於いて,二つのロータ間に係合部を有し,係合部は二つのロータ間の周方向角度長が界磁部に於いて隣接する磁極中心間の周方向角度長を越えないよう規制する事を特徴とする発電機システム
  3. 請求項1記載の発電機システムに於いて,ロータ保持手段はロータと回転軸間にクラッチ機構を有し,制御装置は二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に後続するロータ側のクラッチ機構を制御して前記ロータを回転軸に保持する力を緩めて回転軸に対して回転方向と逆方向に回転偏倚させ,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に先行するロータ側のクラッチ機構を制御して前記ロータを回転軸に保持する力を緩めて回転軸に対して回転方向と逆方向に回転偏倚させ,二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする発電機システム
  4. 請求項3記載の発電機システムに於いて,二つのロータは回転軸方向に並んで配置され,クラッチ機構は回転軸と共に回転する2枚のクラッチ円板及び2枚のクラッチ円板間に配置されて2枚のクラッチ円板を二つのロータそれぞれに接触するよう付勢するスプリング及びクラッチ円板それぞれを軸方向に偏倚させるアクチュエータとで構成され,制御装置は二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に後続するロータとクラッチ円板とを離す方向にアクチュエータを駆動し,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に先行するロータとクラッチ円板とを離す方向にアクチュエータを駆動して二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする発電機システム
  5. 請求項1記載の発電機システムに於いて,ロータ保持手段は二つのロータそれぞれと回転軸間に配置したギア機構及びハウジング側に配置されたアクチュエータとを有し,アクチュエータはハウジングに固定されてロータ側の可動部を軸方向に駆動するよう構成され,ギア機構はラチェット機構とウオームギア機構を有してウオームギア機構がロータを回転軸に保持して回転力を伝達し,前記ラチェット機構は前記可動部の軸方向移動量を一方向回転に変え,ウオームギア機構が前記一方向回転の回転方向を変えてロータを回転軸に対して回転方向と逆方向に偏倚させる構成とし,制御装置は二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に後続するロータ側のアクチュエータを駆動させ,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に先行するロータ側のアクチュエータを駆動させて二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする発電機システム
  6. 請求項1記載の発電機システムに於いて,ロータ保持手段は二つのロータそれぞれと回転軸間に配置した遊星ギア機構及びリングギアのブレーキ機構で構成され,遊星ギア機構はプラネタリギアがサンギア及びリングギアと噛み合い,サンギアはロータに固定され,プラネタリギア軸の支持枠は回転軸に固定される構成とし,リングギアのブレーキ機構はリングギアの停止位置を保持すると共にリングギアを保持する力を一時的に緩めて界磁部及び電機子間の作用力によりリングギアの停止位置を変える構成とし,制御装置は二つのリングギアのブレーキ機構を介して二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に後続するロータ側のリングギアを保持する力を一時的に緩め,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に先行するロータ側のリングギアを保持する力を一時的に緩めて二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする発電機システム
  7. 請求項1記載の発電機システムに於いて,ロータ保持手段は二つのロータそれぞれと回転軸間に配置した遊星ギア機構及びリングギアに配置したウオームギア機構及びモータで構成され,遊星ギア機構はプラネタリギアがサンギア及びリングギアと噛み合い,サンギアはロータに固定され,プラネタリギア軸の支持枠は回転軸に固定される構成とし,ウオームギア機構がリングギアの停止位置を保持すると共にモータがウオームギアを回転駆動してリングギアを回転軸と同じ回転方向に偏倚させてリングギアの停止位置を変える構成とし,制御装置は二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に後続するロータ側のモータを回転駆動させてリングギアの停止位置を変え,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に先行するロータ側のモータを回転駆動させてリングギアの停止位置を変えて二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする発電機システム
  8. 請求項1から7の何れかに記載の発電機システムに於いて,回転力を入力とし,制御装置は電機子コイルに誘起される発電電圧が所定の値より大の時はロータ保持手段を制御して二つのロータ間の周方向角度長を大とし,発電電圧が所定の値より小の時はロータ保持手段を制御して二つのロータ間の周方向角度長を小にし,発電電圧を所定の値に制御する事を特徴とする発電機システム
  9. 発電機システムは,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する発電機システムであって,ハウジング或いは固定軸に設けられた界磁部或いは電機子が軸と直交する平面で分割された二つのステータそれぞれがハウジング或いは固定軸に対して周方向に可動に構成され,二つのステータそれぞれのステータ保持手段を有し,ステータ保持手段はステータをハウジング或いは固定軸に静止するよう保持すると共にステータの保持力を一時的に緩めて界磁部及び電機子間の作用力によりステータを回転方向に回転偏倚させる構成とし,発電機システムの出力に応じてステータ保持手段を制御して二つのステータ間の周方向角度長を変え,実効的に界磁強度を制御して出力を最適化する制御装置を有する発電機システム
  10. 請求項9記載の発電機システムに於いて,二つのステータ間に係合部を有し,係合部は二つのステータ間の周方向角度長が界磁部に於いて隣接する磁極中心間の周方向角度長を越えないよう規制する事を特徴とする発電機システム
  11. 請求項9記載の発電機システムに於いて,ステータ保持手段は二つのステータそれぞれにブレーキ機構を有し,制御装置は二つのステータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に先行するステータのブレーキ機構を一時的に緩め,二つのステータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に後続するステータのブレーキ機構を一時的に緩めて二つのステータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする発電機システム
  12. 請求項9記載の発電機システムに於いて,ステータ保持手段は二つのステータそれぞれに配置したウオームギア機構及びモータとより構成し,ウオームギア機構がステータの停止位置を保持すると共にモータがウオームギアを回転駆動してステータを回転軸と同じ回転方向に偏倚させてステータの停止位置を変える構成とし,制御装置は二つのステータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に先行するステータ側のモータを回転駆動させてステータの停止位置を変え,二つのステータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に後続するステータ側のモータを回転駆動させてステータの停止位置を変えて二つのステータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする発電機システム
  13. 請求項9記載の発電機システムに於いて,分割された電機子の電機子コイルはそれぞれ所定の相単位に結線され,分割された電機子間でそれぞれの相の電機子結線同士は直列に結線された構成とした事を特徴とする発電機システム
  14. 請求項9から13の何れかに記載の発電機システムに於いて,回転力を入力とし,制御装置は電機子コイルに誘起される発電電圧が所定の値より大の時はステータ保持手段を制御して二つのステータ間の周方向角度長を大とし,発電電圧が所定の値より小の時はステータ保持手段を制御して二つのステータ間の周方向角度長を小にし,発電電圧を所定の値に制御する事を特徴とする発電機システム
  15. 電動機システムは,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する電動機システムであって,回転側に配置された界磁部或いは電機子が2分割されたロータそれぞれが回転軸に対して回動可能に構成され,二つのロータそれぞれと回転軸間のロータ保持手段を有し,ロータ保持手段はロータを回転軸と共に回転するよう回転軸に保持すると共にロータ保持力を一時的に緩めて界磁部及び電機子間の作用力によりロータを回転軸に対して回転方向に回転偏倚させる構成とし,電動機システムの出力に応じてロータ保持手段を制御して二つのロータ間の周方向角度長を変え,実効的に界磁強度を制御して出力を最適化する制御装置を有する電動機システム
  16. 請求項15記載の電動機システムに於いて,二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に先行するロータの回転軸に対する保持力を緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを早め,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に後続するロータの回転軸に対する保持力を緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを遅らせて二つのロータ間の周方向角度長を変える事を特徴とする電動機システム
  17. 請求項15記載の電動機システムに於いて,二つのロータ間に係合部を有し,係合部は二つのロータ間の周方向角度長が界磁部に於いて隣接する磁極中心間の周方向角度長を越えないよう規制する事を特徴とする電動機システム
  18. 請求項15記載の電動機システムに於いて,ロータ保持手段はロータと回転軸間のクラッチ機構を有し,制御装置は二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に先行するロータ側のクラッチ機構を制御して前記ロータを回転軸に保持する力を緩めて回転軸に対して回転方向に回転偏倚させ,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に後続するロータ側のクラッチ機構を制御して前記ロータを回転軸に保持する力を緩めて回転軸に対して回転方向に回転偏倚させ,二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする電動機システム
  19. 請求項18記載の電動機システムに於いて,二つのロータは回転軸方向に並んで配置され,クラッチ機構は回転軸と共に回転する2枚のクラッチ円板及び2枚のクラッチ円板間に配置されて2枚のクラッチ円板を二つのロータそれぞれに接触するよう付勢するスプリング及びクラッチ円板それぞれを軸方向に偏倚させるアクチュエータとで構成され,制御装置は二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に先行するロータとクラッチ円板とを離す方向にアクチュエータを駆動し,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に後続するロータとクラッチ円板とを離す方向にアクチュエータを駆動して二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする電動機システム
  20. 請求項15記載の電動機システムに於いて,ロータ保持手段は二つのロータそれぞれと回転軸間に配置したギア機構及びハウジング側に配置されたアクチュエータとを有し,アクチュエータはハウジングに固定されてロータ側の可動部を軸方向に駆動するよう構成され,ギア機構はラチェット機構とウオームギア機構を有してウオームギア機構がロータを回転軸に保持して回転力を伝達し,前記ラチェット機構は前記可動部の軸方向移動量を一方向回転に変え,ウオームギア機構が前記一方向回転の回転方向を変えてロータを回転軸に対して回転方向に偏倚させる構成とし,制御装置は二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に先行するロータ側のアクチュエータを駆動させ,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に後続するロータ側のアクチュエータを駆動させて二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする電動機システム
  21. 請求項15記載の電動機システムに於いて,ロータ保持手段は二つのロータそれぞれと回転軸間に配置した遊星ギア機構及びリングギアのブレーキ機構で構成され,遊星ギア機構はプラネタリギアがサンギア及びリングギアと噛み合い,サンギアはロータに固定され,プラネタリギア軸の支持枠は回転軸に固定される構成とし,リングギアのブレーキ機構はリングギアの停止位置を保持すると共にリングギアを保持する力を一時的に緩めて界磁部及び電機子間の作用力によりリングギアの停止位置を変える構成とし,制御装置は二つのリングギアのブレーキ機構を介して二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に先行するロータ側のリングギアを保持する力を一時的に緩め,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に後続するロータ側のリングギアを保持する力を一時的に緩めて二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする電動機システム
  22. 請求項15記載の電動機システムに於いて,ロータ保持手段は二つのロータそれぞれと回転軸間に配置した遊星ギア機構及びリングギアに配置したウオームギア機構及びモータで構成され,遊星ギア機構はプラネタリギアがサンギア及びリングギアと噛み合い,サンギアはロータに固定され,プラネタリギア軸の支持枠は回転軸に固定される構成とし,ウオームギア機構がリングギアの停止位置を保持すると共にモータがウオームギアを回転駆動してリングギアを回転軸と逆の回転方向に偏倚させてリングギアの停止位置を変える構成とし,制御装置は二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に先行するロータ側のモータを回転駆動させてリングギアの停止位置を変え,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に後続するロータ側のモータを回転駆動させてリングギアの停止位置を変えて二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする電動機システム
  23. 請求項15から22の何れかに記載の電動機システムに於いて,電機子コイルへの供給電流を入力とし,制御装置は回転速度が所定の値より大で弱め界磁とする時にはロータ保持手段を制御して二つのロータ間の周方向角度長を大にし,回転速度が所定の値より小で界磁強度を強める時にはロータ保持手段を制御して二つのロータ間の周方向角度長を小にし,回転力を最適に制御する事を特徴とする電動機システム
  24. 電動機システムは,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する電動機システムであって,ハウジング或いは固定軸に設けられた界磁部或いは電機子が軸と直交する平面で分割された二つのステータそれぞれがハウジング或いは固定軸に対して周方向に可動に構成され,二つのステータそれぞれのステータ保持手段を有し,ステータ保持手段はステータをハウジング或いは固定軸に静止するよう保持すると共にステータの保持力を一時的に緩めて界磁部及び電機子間の作用力によりステータを回転方向と逆方向に回転偏倚させる構成とし,電動機システムの出力に応じてステータ保持手段を制御して二つのステータ間の周方向角度長を変え,実効的に界磁強度を制御して出力を最適化する制御装置を有する電動機システム
  25. 請求項24記載の電動機システムに於いて,二つのステータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に後続するステータの保持力を緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを早め,二つのステータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に先行するステータの保持力を緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを遅らせて二つのステータ間の周方向角度長を変える事を特徴とする電動機システム
  26. 請求項24記載の電動機システムに於いて,二つのステータ間に係合部を有し,係合部は二つのステータ間の周方向角度長が界磁部に於いて隣接する磁極中心間の周方向角度長を越えないよう規制する事を特徴とする電動機システム
  27. 請求項24記載の電動機システムに於いて,ステータ保持手段は二つのステータそれぞれにブレーキ機構を有し,制御装置は二つのステータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に後続するステータのブレーキ機構を一時的に緩め,二つのステータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に先行するステータのブレーキ機構を一時的に緩めて二つのステータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする電動機システム
  28. 請求項24記載の電動機システムに於いて,ステータ保持手段は二つのステータそれぞれに配置したウオームギア機構及びモータとより構成し,ウオームギア機構がステータの停止位置を保持すると共にモータがウオームギアを回転駆動してステータを回転軸と逆の回転方向に偏倚させてステータの停止位置を変える構成とし,制御装置は二つのステータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に後続するステータ側のモータを回転駆動させてステータの停止位置を変え,二つのステータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に先行するステータ側のモータを回転駆動させてステータの停止位置を変えて二つのステータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする電動機システム
  29. 請求項24記載の電動機システムに於いて,分割された電機子の電機子コイルはそれぞれ所定の相単位に結線され,分割された電機子間でそれぞれの相の電機子結線同士は直列に結線された構成とした事を特徴とする電動機システム
  30. 請求項24から29の何れかに記載の電動機システムに於いて,電機子コイルへの供給電流を入力とし,制御装置は回転速度が所定の値より大で弱め界磁とする時にはステータ保持手段を制御して二つのステータ間の周方向角度長を大にし,回転速度が所定の値より小で界磁強度を強める時にはステータ保持手段を制御して二つのステータ間の周方向角度長を小にし,回転力を最適に制御する事を特徴とする電動機システム
  31. 電動機システムは,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する電動機システムであって,回転側に配置された界磁部或いは電機子が2分割された二つのロータそれぞれが回転軸に対して回動可能に構成され,二つのロータ間の周方向角度長が界磁部に於いて隣接する磁極中心間の周方向角度長を越えないよう規制する契合部を二つのロータ間に有し,二つのロータそれぞれと回転軸間のロータ保持手段を有し,ロータ保持手段は二つのロータそれぞれと回転軸間に配置した遊星ギア機構及びリングギアのブレーキ機構で構成され,遊星ギア機構はプラネタリギアがサンギア及びリングギアと噛み合う構成としてサンギアはロータに固定され,プラネタリギア軸の支持枠は回転軸に固定される構成とし,リングギアのブレーキ機構はリングギアの停止位置を保持すると共にリングギアを保持する力を一時的に緩めて界磁部及び電機子間の作用力によりリングギアの停止位置を変える構成とし,制御装置は二つのロータ間の周方向角度長を増大させる場合には回転方向に先行するロータ側のリングギアのブレーキ機構を一時的に緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを早め,二つのロータ間の周方向角度長を減少させる場合には回転方向に後続するロータ側のリングギアのブレーキ機構を一時的に緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを遅らせて二つのロータ間の周方向角度長を制御する事を特徴とする電動機システム
  32. 発電機システムは,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する発電機システムに於いて,回転側に配置された界磁部或いは電機子が2分割された二つのロータそれぞれが回転軸に対して回動可能に構成されると共に回転軸と共に回転するよう回転軸に保持され,回転方向に先行するロータの回転軸に保持する力を一時的に緩めて前記ロータを回転軸に対して回転方向と逆方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を増大させ,回転方向に後続するロータの回転軸に保持する力を一時的に緩めて前記ロータを回転軸に対して回転方向と逆方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を減少させる方法
  33. 発電機システムは,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する発電機システムに於いて,ハウジング或いは固定軸に設けられた界磁部或いは電機子が軸と直交する平面で分割された二つのステータそれぞれがハウジング或いは固定軸に対して周方向に可動に構成されると共に静止するようハウジング或いは固定軸に保持され,回転方向に先行するステータを保持する力を一時的に緩めて前記ステータを回転方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を減少させ,回転方向に後続するステータを保持する力を一時的に緩めて前記ステータを回転方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を増大させる方法
  34. 電動機システムは,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する電動機システムに於いて,回転側に配置された界磁部或いは電機子が2分割された二つのロータそれぞれが回転軸に対して回動可能に構成されると共に回転軸と共に回転するよう回転軸に保持され,回転方向に先行するロータの回転軸に保持する力を一時的に緩めて前記ロータを回転軸に対して回転方向と同じ方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を減少させ,回転方向に後続するロータの回転軸に保持する力を一時的に緩めて前記ロータを回転軸に対して回転方向と同じ方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を増大させる方法
  35. 電動機システムは,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する電動機システムに於いて,ハウジング或いは固定軸に設けられた界磁部或いは電機子が軸と直交する平面で分割された二つのステータそれぞれがハウジング或いは固定軸に対して周方向に可動に構成されると共に静止するようハウジング或いは固定軸に保持され,回転方向に先行するステータを保持する力を一時的に緩めて前記ステータを回転軸の回転方向と逆方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を増大させ,回転方向に後続するステータを保持する力を一時的に緩めて前記ステータを回転軸の回転方向と逆方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を減少させる方法
  36. 電動機システムは,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する電動機システムに於いて,回転側に配置された界磁部或いは電機子が2分割された二つのロータそれぞれが回転軸に対して回動可能に構成されると共に回転軸と共に回転するよう回転軸に保持され,回転方向に先行するロータの回転軸に保持する力を一時的に緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを早めて前記ロータを回転軸に対して回転方向と同じ方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を減少させ,回転方向に後続するロータの回転軸に保持する力を一時的に緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを遅らせて前記ロータを回転軸に対して回転方向と同じ方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を増大させる方法
  37. 電動機システムは,軸と同心に径方向に互いに対向し且つ相対的に回転可能に配置された永久磁石励磁の界磁部及び電機子とより少なくとも構成され,電機子は径方向に伸び,周方向に空隙を挟んで配置される複数の磁性体歯と磁性体歯に巻回された電機子コイルとを有し,界磁部は磁性体歯に対向して周方向に配列され,且つ隣接するもの同士の励磁極性が互いに異なる複数の磁極を有する電動機システムに於いて,ハウジング或いは固定軸に設けられた界磁部或いは電機子が軸と直交する平面で分割された二つのステータそれぞれがハウジング或いは固定軸に対して周方向に可動に構成されると共に静止するようハウジング或いは固定軸に保持され,回転方向に先行するステータを保持する力を一時的に緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを遅らせて前記ステータを回転軸の回転方向と逆方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を増大させ,回転方向に後続するステータを保持する力を一時的に緩めると共に電機子コイルに供給する駆動電流の切換タイミングを早めて前記ステータを回転軸の回転方向と逆方向に回転偏倚させて実効的に電機子コイルと鎖交する界磁磁束量を減少させる方法
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