JP2008192189A - 光ディスク装置及び光ディスク処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 記録領域の処理に応じた適切な管理情報を光ディスクに記録することで動作信頼性を向上させる光ディスク装置及び光ディスク処理方法を提供する。
【解決手段】 管理領域(Z7)とガード領域(Z2,Z11、Z18,Z20)とデータ領域(Z19)とをもつ光ディスクに情報を記録する記録部(25,21)と、データ領域が分割されたり縮小された場合は、データ領域にデータが記録されていなくとも、この光ディスクの状態を記録中であるとの管理情報を管理領域に格納し、ガード領域が記録中であってもデータ領域にデータが記録されていなければ、この光ディスクの状態を未記録であるとの管理情報を管理領域に格納する管理部とをもつ光ディスク装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ディスク処理装置及び光ディスク処理方法に関する。
映像信号等の大量な情報を記録できる記録媒体として、DVD(デジタル・バーサタイル・ディスク)が普及している。これにより、2時間程度の映画をDVDに記録し、再生装置により情報を再生することにより家庭で自由に映画を見ることができるようになった。また、記録型のDVDは追記や書き換えが可能であり、複数の番組を一枚のディスクに記録することも可能になっている。また、一般のユーザが映像のオーサリングを行い、オリジナルディスクを作成することなども行われている。
また、市場では多くの会社から記録型の光ディスク装置が販売され、それぞれ独自の機能を盛り込み、販売競争を行っている。
例えば、特許文献1では、図12、図13とその説明文にあるように、管理情報としてディスクのフォーマット状態や、分割された記録領域(例えばミドルエリア)の記録状態を示す情報を記録する領域を有する光ディスクと、分割された記録領域の記録状態にあわせて管理情報を更新する光ディスク装置に関する技術が開示されている。ここでは、記録領域を管理情報で管理することにより、光ディスクの記録領域を効率的に利用することを可能としている。
特開2005−25821号公報
しかしながら、特許文献1の従来技術では、分割された記録領域ごとに、フォーマット状態が示されてはいない。このため、実際にはドライブ間でフォーマット状態と分割された記録領域の記録状態の設定に不整合が発生し、他のドライブで一旦、記録を実行した光ディスクを別のドライブに挿入すると異なるディスク状態と認識し、情報の追記が困難であるといった問題がある。
本発明は、記録領域の処理に応じた適切な管理情報を光ディスクに記録することで動作信頼性を向上させる光ディスク装置及び光ディスク処理方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための一実施形態は、
管理領域(Z7)とガード領域(Z2,Z11、Z18,Z20)とデータ領域(Z19)とをもつ光ディスクに情報を記録する記録部(25,21)と、
前記データ領域が分割または縮小された場合は、前記データ領域にデータが記録されていなくとも、この光ディスクの状態を記録中であるとの管理情報を前記管理領域に格納し、前記ガード領域が記録中であっても前記データ領域にデータが記録されていなければ、この光ディスクの状態を未記録であるとの管理情報を前記管理領域に格納することを特徴とする管理部(29)と、を具備することを特徴とする光ディスク装置である。
データ領域の分割・縮小・記録処理等がある際は、“記録中”の管理情報を書き、データ領域が何ら処理されない場合は(ガード領域がパディング処理等されても)“未記録”とすることで、複数の光ディスク装置の間で光ディスクを処理しても混乱を招くことがない。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
<光ディスク記録再生システム>
図1及び図2に本発明の実施形態の一つである情報記録再生システムのブロック図を示す。
図1に示す情報記録再生システムは、映像やユーザデータ等の情報を記録、再生する媒体である光ディスクDと、光ディスクDに情報を記録したり、光ディスクDから情報を再生する光ディスク装置12と、光ディスク装置12に指令を発行し、光ディスク装置12を介して光ディスクDから必要な情報を読み出し、映像の再生やユーザへの情報の表示等を行うホスト部14からなっている。
光ディスクレコーダやプレイヤーといった装置16は、図1に示すようにその装置16内に、光ディスク装置12とホスト部14を内蔵している。ホスト部12は図示しないが、CPU(Central Processing Unit)や作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)、設定パラメータやその他電源が落とされても保持しておくべき種々のデータを記憶保持するEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)やフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを備えたものである。これらのメモリにはユーザの要求に対して実行される種々のプログラムや処理に必要なデータやファイル管理に必要なファイルシステム等が記録されている。例えば、DVDビデオフォーマットのUDFブリッジファイルシステム、DVDビデオレコーディングフォーマットのUDFファイルシステム、また、次世代ビデオフォーマットのUDFファイルシステム、次世代ビデオレコーディングフォーマットのUDFファイルシステム、アプリケーションソフトなどが搭載されている。
一方、パーソナルコンピュータ等のシステムでは、図2に示すようにパーソナルコンピュータがホスト14となる。光ディスク装置12に対する指示の発行は、OS(オペレーションソフト)やライティングソフト、ビデオ再生ソフトといったアプリケーションソフトを実行することにより行われる。
(光ディスク装置)
図3に本発明の実施形態の一つである光ディスク装置のブロック図を示す。光ディスク装置12は、光学ヘッド(ピックアップヘッド:PUH)アクチュエータ22から出射されるレーザ光を光ディスクDの情報記録層に集光することで、情報の記録再生を行っている。光ディスクDから反射した光は、再び、PUHアクチュエータ22の光学系を通過し、フォトディテクター(PD)24で電気信号として検出する。検出された電気信号は、プリアンプ26で増幅され、サーボ回路28、RF信号処理回路30、アドレス信号処理回路32に出力される。サーボ回路28では、フォーカス、トラッキング、チルト等のサーボ信号が生成され、各信号がそれぞれ、PUHアクチュエータ(フォーカス、トラッキング、チルトアクチュエータ)22に出力される。
RF信号処理回路30、アドレス信号処理回路32における記録されたデータの読み取りや、アドレス信号等のこの際の復調方法としては、スライス方式やPRML(Partial Response Maximum Likelihood)方式がある。光ディスク装置12は記録再生の対象となる光ディスクDとPUHアクチュエータ22によって形成される集光ビームスポットのサイズによって最適な復調方式を選択する。スライス方式には、再生信号に線形な波形等化を行った後に信号を2値化する方法や、再生信号の低域の高振幅成分を一定の値に制限するリミットイコライザと呼ばれる非線形等化器によって等化した後に信号を2値化する方法などがある。
また、PRML方式に関しても、再生信号の周波数特性に対応して、最適なPRクラス例えば、PR(12221)や、PR(121)、PR(1221)、PR(3443)等が選択される。アドレス信号処理回路32では、検出された信号を処理することにより、光ディスクD上の記録位置を示す物理アドレス情報を読み出し、コントローラ34に出力する。コントローラ34はこのアドレス情報を元に、所望の位置のユーザデータ等のデータを読み出したり、所望の位置にデータを記録したりする。この際、データは記録信号処理回路36で光ディスク記録に適した記録波形制御信号に変調される。この信号を元にLD駆動回路(LDD)38は光学ヘッド22内のレーザダイオード(LD)を発光させ、光ディスクDに情報を記録する。
また、本実施形態ではレーザダイオードの波長は405±15nmである。また、光学ヘッド22内で上記波長の光を光ディスクD上に集光させるために用いられる対物レンズのNA値は0.65である。また、対物レンズに入射する直前の入射光の強度分布として、中心強度を“1”とした時の対物レンズ周辺(開口部境界位置)での相対的な強度を“RIMIntensity”と呼ぶ。HD DVDフォーマットにおけるRIM Intensityの値は55〜70%になるように設定してある。この時の光学ヘッド22内での波面収差量は使用波長λに対して最大033λ(033λ以下)になるように光学設計されている。
<光ディスク>
次に、本発明に係る情報記録装置が扱う光ディスクDについて、以下に詳細に説明する。図4に本発明の実施形態の一つである2つの情報記録再生層を有する2層光ディスクDの模式図を示す。本ディスクは図4に示すように2つの情報記録層(以下レイヤーと称する)を有し、それぞれの情報領域のレイアウトは若干異なっている。また、本発明に係るディスクには、記録マークを一箇所に一回だけ可能な追記型と記録マークの上書き、消去が可能な書き換え型の2種類がある。
(光ディスクのフォーマット)
図5は、本発明に係る光ディスクDのエンボス領域と書換え可能な記録領域の物理仕様を示す。ここでは、基準データ転送速度、光入射側ディスク基板厚さ、トラックピッチ、最短マーク長、回転制御方式、記録符号化方式が、エンボス、書き換え可能領域について、それぞれ説明されている。
ここで、回転制御方式のCLVとはConstant liner velocityの略で、線方向の速度を一定に保った回転制御方法を意味している。また、ETM(Eight to Twelve modulation)とは変調方式の一つで、8ビットの情報ビットごとに、冗長性を持たせた12ビットのチャネルビットに変換して信号を記録する方式である。この冗長性を持たせたことにより、直接情報ビットを光ディスクDに記録する場合に比べ情報の記録再生の信頼度が飛躍的に向上している。
(情報エリアのレイアウト)
図6の(a)に2層ディスクDの各レイヤーのレイアウトを示す。ここで、レイヤー0及びレイヤー1はほぼ同じ構成で領域が分割されている。ただし、BCA(Burst cutting area)領域に関しては、レイヤー0もしくはレイヤー1のいずれかの領域のみに配置される。これは、BCA領域からの情報の読み出しを安定化するためである。BCA領域の信号の記録に用いられるBCAマークは層間のクロストークが大きいため、BCA領域を2つのレイヤーに用いると、相互の信号の干渉が発生し、情報の読みだしが困難になる。
レイヤーの領域の構成は内周側からBCA領域、エンボス管理領域、内周記録可能管理領域、データ領域、外周記録可能管理領域に区分されている。ここで、レイヤー0のエンボス管理領域と内周記録可能管理領域はリードイン領域、レイヤー0及び1の外周記録可能管理領域はミドル領域、レイヤー1のエンボス管理領域と内周記録可能管理領域はリードアウト領域とも呼ばれる。
BCA領域には、基板の溝や、反射膜の剥離、記録媒体の変化によってBCAマークがあらかじめ記録されている。BCAマークは光ディスクDの円周方向に変調されており、半径方向には同一の情報が並ぶ櫛型のマークである。BCAコードは、RZ変調方法により変調されて記録される。パルス幅が狭い(=反射率の低い)パルスは、この変調されたBCAコードのチャネルクロック幅の半分よりも狭い必要が有る。また、BCAマークは半径方向に同一の形状を持っているため、トラッキングをかける必要がなく、フォーカスをかけただけで情報の再生が可能となる。
エンボス管理領域にはエンボスピットで情報が記録されている。この情報は、ディスクの識別情報やデータ領域の容量といった、光ディスクDの管理情報である。また、この領域のエンボスピットの最短マーク長はデータ領域の倍の値になっている。この結果、通常のデータ領域はPRML方式を用いて再生されるが、エンボス管理領域においては、スライス方式を用いても情報の復調が可能となるほか、情報の読み取りの信頼性が高くなるという特徴がある。エンボス管理領域には、ディスクの情報読み出しの基本となる管理情報や、コピー権マネジメントの情報等が記録されるため、エンボス管理領域の読み取り信頼性を高めることは重要である。
次に記録可能管理領域には、データ領域と同じように、案内溝であるグルーブが形成されている。この領域には、データ領域と同じ密度で信号の記録の記録を行う。この領域には、試し書き領域や、データ領域の記録状態を把握するためのマネジメント領域、DPDトラッキング用のトラッキングオーバーラン領域、層間のクロストーク量を一定に保つためのガード領域等が配置される。
データ領域には、映像データやユーザデータといったデータ等が記録される。
図6の(b)にはレイヤーが1層の場合の光ディスクDのレイアウトを示す。レイヤーの領域の構成は内周側からBCA領域、エンボス管理領域、内周記録可能管理領域、データ領域、外周記録可能管理領域に区分されている。レイヤーが1層の場合、エンボス管理領域と内周記録可能管理領域がリードイン領域、外周記録可能管理領域がリードアウト領域と呼ばれる。
(詳細レイアウト)
図7に本発明の実施形態の一つである2層光ディスクDの記録可能領域の詳細なレイアウトの一例を示す。レイヤー0の内周側記録可能管理領域には、内側から、第1ブランク領域Z1、ガードトラック領域Z2、ドライブテスト領域Z3、ディスクテスト領域Z4、第2ブランク領域Z5、記録マネジメント情報複製領域Z6、記録マネジメント領域Z7、R物理フォーマット情報領域Z8、リファレンスコード領域Z9が設定されている。
レイヤー1の内周側記録可能管理領域には、内側から第5ブランク領域Z23、ディスクテスト領域Z22、ドライブテスト領域Z21、ガードトラック領域Z20が配置されている。
ブランク領域は境界を分離することや、記録領域の層間のクロストーク量を一定にする目的で配置されたデータをまったく記録しない領域である。この記録領域の層間のクロストーク量を一定にする領域をクリアランスとも呼ぶ。ガード領域は、DPDトラッキングのオーバーラン対策や層間クロストーク対策の為に、ダミーデータが記録される領域である。テスト領域は、光ディスクDに管理情報やユーザ情報を記録する前に、記録波形を最適化するための試し書きをする領域である。マネジメント領域及びマネジメント情報複製領域は、データ領域に記録中のデータの状態を管理するためのマネジメント情報が記録される領域である。
レイヤー0のテスト領域Z12,Z13はエンボス管理領域のクロストークを避けるため、エンボス管理領域からクリアランス(第1ブランク領域Z1)の分だけ離れた位置に配置されている。そして、レイヤー0のテスト領域Z3,Z4とマネジメント領域Z6,Z7は狭いブランク領域Z5をはさんで近接して配置されており、これらの領域はレイヤー1のガード領域Z20と重なるように設けられている。そして、レイヤー1のガード領域Z20は、レイヤー0のテスト領域Z3,Z4の幅とマネジメント領域Z6、Z7の幅の合計に対して、両側のクリアランスの分だけ広い幅となっている。一方、レイヤー1のテスト領域Z21,Z22は、レイヤー0のガード領域Z2と重なるように設けられており、両側のクリアランスの分だけレイヤー0のガード領域Z2より幅が狭くなっている。
ここで、光ディスク装置12はガード領域Z2に対しては、ユーザデータの記録とは関係なく、均一にダミーデータの記録をしたり、未記録のまま保持したりしておく。このように本発明に係る光ディスク装置では、テスト領域Z21,Z22とマネジメント領域Z6,Z7と重なる反対の層の状態が常に、記録状態か、未記録状態の一定の状態とすることで、安定した試し書きや、マネジメント情報の記録が可能になるという特徴がある。
次に、レイヤー0の外周側記録可能管理領域には内側からガード領域Z11、ドライブテスト領域Z12、ディスクテスト領域Z13、ブランク領域Z14が配置される。同様に、レイヤー1の外周側記録可能管理領域には内側からガード領域Z18、ドライブテスト領域Z17、ディスクテスト領域Z16、ブランク領域Z15が配置される。
ここでも内周側と同様に、テスト領域Z21,Z22と重なる反対側のレイヤーにはガード領域Z2が配置されており、ガード領域Z2の幅はテスト領域の幅の両側にクリアランスの幅を設けた幅よりも広くなっている。
図8に本発明の実施形態の一つである1層光ディスクDの記録可能領域の詳細なレイアウトの一例を示す。各領域の目的や使用方法は2層光ディスクDと同様である。
リードイン領域に、第1ガード領域Y1、第1ディスクテスト領域Y2、第1ドライブテスト領域Y3、第2ガード領域Y4、記録マネジメントデータ複製領域Y5、記録マネジメント領域Y6、R物理フォーマット情報領域Y7、リファレンスコード領域Y8が設けられている。更にデータを記録するデータ領域Y9が設けられている。更に、リードアウト領域として、第3ガード領域Y10、第2ドライブテスト領域Y11、第2ディスクテスト領域Y12、第4ガード領域Y13が設けられている。
次に、図9にデータ領域Z10,Z19の構造について説明を行う。データ領域Z10,Z19にはユーザのデータが保存されるが、データの記録状態は図9の(a)に示すようにRゾーン単位で管理される。さらに、図9の(b)再生専用ディスクでの読み取り互換性を高めるため、DPDトラッキング用のトラッキングオーバーラン領域であるボーダーアウトを形成することができる。引き続きユーザデータを記録するためには、ボーダーアウトとユーザデータの間にボーダーインを形成する。このようなボーダーインとアウトではさまれた領域をボーダーと呼ぶ。ただし、データ領域の最内周に形成される第1ボーダーに関してはリードイン領域がボーダーインの役割を果たすため、ボーダーインが改めて形成されることはない。このように、データ領域は複数のボーダーで管理される場合がある。
さらに、図9の(c)に示すようにファイナライズの際にユーザデータがデータ領域Z10,Z19の最後まで達していなかった場合には、その領域にはターミネータTが形成される。ターミネータTとは、ファイナライズ処理によりダミーデータが記録されるデータ領域または記録されたデータ領域である。
(記録データの構造)
本発明に係る光ディスクDに保存、記録されている情報はセクターと呼ばれる単位で扱われる。セクターはユーザデータとヘッダ情報で構成されており32個もしくは16個のセクターで1ECC(エラーコレクションコード)ブロックが構成されている。ユーザデータの記録は通常この1ECCブロック単位で行われている。
(エンボス管理領域フォーマット情報の内容)
図10にレイヤー0に設けられたエンボス領域のフォーマット情報の内容を示す。ブックタイプはディスクのフォーマット及び再生専用、追記型、書き換え型等を示す識別子である。パートバージョンは、そのフォーマットのバージョン管理情報である。ディスクサイズにはそのディスクの直径を示す情報が記録される。例えば12cmのディスクであれば0000b、8cmのディスクであれば0001bが記録される。最大転送レートには必要であれば、ディスクに記録されたデータを正常に再生するのに必要となる最大の転送レートが記録される。
ディスク構造には、そのフォーマットのレイヤーの数、各レイヤーでトラックが内周側から外周側に向かっているか、内周側に向かっているかの極性を示す情報、そのレイヤーが再生専用であるか、追記型か、書き換え型であるかといった情報が記録される。ここでのレイヤーの数は、ディスクの持つレイヤー数ではなく、フォーマットのレイヤー数である。記録密度には、ディスク接線方向の密度とトラックピッチを表す情報が記録される。データエリア構造にはデフォルトのデータ領域の開始アドレスと終了アドレスが記録される。BCA識別子には、BCAがあるか無いかを示す情報を記録する。記録可能速度識別情報には、そのディスクに対して記録が可能な記録速度を表す情報が記録される。また、拡張パートバージョンにはパートバージョンの拡張情報を記録する。最大再生スピードには、ディスクに記録されたデータを正常に再生するのに必要となる最大の線速度が記録される。レイヤー情報にはレイヤー0及びレイヤー1に配置されたディスクの種類が記録される。
マーク極性情報には記録マークの反射率が未記録部に対して、高いか低いかを示す情報が記録されている。ここが00000000bであれば、記録マークの反射率は未記録部より高く、ここが10000000bであれば、記録マークの反射率が未記録部よりも低いことを示す。標準速度情報には、標準の記録速度が記録される。たとえば本実施形態の光ディスクDでは6.6m/sとなる。
次に、リム強度情報には、後述の記録波形情報を決定した際のPUHのリム強度の値を記録する。再生パワー情報には、データ領域を再生する場合に必要な再生パワーの値を指定する。実効記録スピード情報には、そのディスクが対応可能な記録スピードの実際の値がすべて記録されている。データ領域反射率(L)にはレイヤー0のデータ領域にデータを記録した後の反射率が示されている。
ここで、マーク極性情報が00000000bであれば、マーク部の反射率10000000bであれば、非マーク(スペース)部の反射率が記録される。次に、プッシュプル信号振幅情報(L)にはレイヤー0のプッシュプル信号を和信号で正規化した値と、記録再生を行うトラックを示すトラック情報が記録される。トラック情報が0bである場合、信号の記録再生はグルーブで実施することになり1bである場合には、ランドで実施することになる。また、オントラック信号情報(L)は、レイヤー0のデータ領域の未記録部の和信号レベルをエンボス管理領域の最大反射レベルで規格化した値が記録される。データ領域反射率情報(L1)からオントラック信号情報(L1)までのバイトには、レイヤー1の情報がそれぞれ記録される。
次に、記録波形情報(L)及び(L1)にはそれぞれ、ディスク製造メーカが推奨するレイヤー0及びレイヤー1の最適な記録波形情報が記録される。これは、記録波形のピークパワーの値やボトムパワーの値、先頭、中間、最終パルスの開始終了位置などの値である。
図11にデータエリア構造の詳細な内容を示す。データエリア構造には、データ領域の開始物理セクターの番号(PSN)、第1記録可能領域最大物理セクター番号、レイヤー0の記録可能領域の最終物理セクター番号が記録される。ここで、データ領域の開始物理セクターの番号は、レイヤー0のデータ領域の開始物理セクター番号を示している。また、第1記録可能領域最大物理セクター番号はレイヤー1のデータ領域の終了物理セクター番号を示している。また、レイヤー0の記録可能領域の最終物理セクター番号はレイヤー0のデータ領域の最終物理セクター番号を示している。
(記録可能管理領域フォーマット情報の内容)
図12にR物理フォーマット情報領域に記録されるフォーマット情報の内容を示す。この情報は、光ディスク装置がディスクに情報を記録する過程で、記録可能管理領域の一部であるR物理フォーマット情報領域に記録する情報である。ここで、データエリア構造情報及びボーダーゾーンの開始物理セクター番号を除く情報は、エンボス領域のフォーマット情報と同様の値が記録される。
図13にR物理フォーマット情報領域に記録されるフォーマット情報におけるデータエリア構造の内容を示す。本データエリア構造にはデータ領域の開始物理セクターの番号(PSN)、第1ボーダー終了物理セクター番号(PSN)、レイヤー0の記録データ最終物理セクター番号(PSN)が記録される。ここで、データ領域の開始物理セクターの番号は、レイヤー0のデータ領域の開始物理セクター番号を示している。また、第1ボーダー終了物理セクター番号は第1ボーダーのユーザデータ領域の最終物理セクター番号を示している。また、レイヤー0の記録データ最終物理セクター番号には、第1ボーダーがレイヤー0からレイヤー1にまたがる場合には、レイヤー0のユーザデータ領域の最終物理セクター番号が記録され、第1ボーダーがレイヤー0で終了する場合には終了した位置の物理セクター番号が記録される。一方、レイヤーが1層しか存在しない場合にはすべて0で埋められる。
図14にR物理フォーマット情報領域に記録されるフォーマット情報におけるボーダーゾーンの開始物理セクター番号の詳細を示す。ここには、第1ボーダーのボーダーアウトの開始物理セクター番号(PSN)と次のボーダーのボーダーインの開始物理セクター番号(PSN)が記録される。また、次のボーダーが作成禁止である場合には、ボーダーインの開始物理セクター番号はすべて0で埋められる。したがって、ここが0で埋められていた場合には、そのディスクがファイナライズされていると判別することができる。
(マネジメント領域)
図15に記録マネジメント情報複製領域と記録マネジメント領域の構成を示す。記録マネジメント情報複製領域の最初のブロックにはリードイン記録マネジメント情報(リードインRMD)が記録される。次に、マネジメント領域の次の7ブロックには記録マネジメント情報(RMD)が記録される。記録マネジメント領域には記録マネジメント情報が順次記録される。ここで、リードイン記録マネジメント情報は光ディスク装置12がマネジメント領域に最初にデータを記録する際に記録する情報である。この中には図16に示すように、記録を行う光ディスク装置12の製造会社の識別番号である記録再生装置製造会社識別番号や、その装置のシリアル番号、モデル番号、ファームウエアバージョン番号が記録される。ディスク固有番号にはディスク識別用にディスク毎に固有な番号を光ディスク装置12が記録する。
記録マネジメント情報複製領域には、マネジメント領域が拡張された場合やファイナライズされた場合、ディスクが光ディスク装置12から取り出された場合などに、記録マネジメント領域に記録する記録マネジメント情報の複製を記録しておく。また、記録マネジメント領域にはデータ領域の記録状態を表す記録マネジメント情報を1ブロック毎、もしくは数ブロックを1セットにしてデータの内容が変化する毎に逐次記録していく。ここで、追記型ディスクでは情報の上書きができないため、記録マネジメント情報の重要な内容が更新されるたびに、次の未使用ブロックに次々に情報が追記されていく。したがって、もっとも外周にある情報が最新の記録マネジメント情報ということになる。一方、書き換え型のディスクでは追記型と同様記録マネジメント情報の重要な内容が更新されるたびに、次の未使用ブロックに次々に情報を追記していくが、記録マネジメント領域の最後まで、記録が到達した場合には、再び最内周側から記録を再開する。
図17に記録マネジメント情報の構成を示す。記録マネジメント情報は32フィールドで構成されており、第1フィールドは予備フィールドとなっている。次のフィールドからは順に番号が振られており、それぞれ異なる情報が記録されている。
図18に記録マネジメント情報のフィールド0の内容を示す。
RMD記録形式識別子には、RMDのデータの記録形式を示す情報が記録される。ディスク状態情報には例えば下記のような定義でディスクの状態をしめす。例えばディスクが追記型のディスクである場合、ディスクがブランク状態であれば“00h”を、ボーダーがひとつでファイナライズされた状態であれば“01h”を、ユーザデータが記録されてファイナライズされていない状態であれば“02h”、ファイナライズされた状態であれば“03h”、フォーマットやファイナライズの途中状態であれば“11h”を記録する。このほか、ディスクが書き換え型ディスクである場合には、ディスク状態情報が“00h”であればディスクはブランク状態、“12h”もしくは“22h”であればボーダーがひとつでファイナライズされた状態、“13h”もしくは“23h”であればユーザデータが記録されてファイナライズされていない状態、“11h”もしくは“21h”であればフォーマットの途中状態であることを示す。
ここで“h”は数字が16進数で表されていることを示す。
また、記録マネジメント情報(RMD)位置情報には、記録マネジメント領域の中での記録マネジメント情報の順序情報や過去に記録マネジメント情報を更新した回数などが記録されている。書き換え型ディスクでは、記録マネジメント領域を繰り返し使用するため、もっとも外周にある情報が最新の記録マネジメント情報とは限らない。従って、この記録マネジメント情報を更新した回数が最大のものを検索することで、最新の記録マネジメント情報を決定することが可能となる。
図19に記録マネジメント情報内のデータエリア構造の詳細を示す。このバイトには、エンボス管理領域のフォーマット情報のデータエリア構造と同じ値が記録される。
図20に更新データエリア構造の内容を示す。ここには、フォーマッティングもしくは、ファイナライズ時に変更された後のデータエリア構造の値が記録される。更新識別子は、データエリア構造がどのような状態で変更されたかを示す情報である。例えばミドル領域の拡張の指示に対応して変更された場合には、01hが記録され、ファイナライズ時に変更された場合には02hが記録される。
図21にパディング状態情報の内容を示す。パディング情報は光ディスクDの各領域が記録済み、すなわちパディング済みであるか否かを示す情報である。情報の各ビットがそれぞれの領域に割り当てられており、“1b”であればパディング済み、“0b”であればパディングされていないことを示す。また1516ビットに関しては、“00b”であれば未記録、“01b”であれば記録途中、“10b”であればパディング済みであることを示す。ここで、“b”は数字が2進数で表されていることを示す。また、ターミネータの最終記録PSNにはターミネータの記録された部分の最後のPSNを保存する。ここで、パディング状態情報1516ビットが00bであれば、ターミネータの最終記録PSNは00000000bが保存される。
次に、テスト領域配置情報の内容を説明する。テスト領域は、拡張やシフトで位置が変化する場合があるので、このバイトにその時点での最新のテスト領域(内周テスト領域、外周テスト領域、拡張テスト領域)の開始物理セクターの番号と終了物理セクターの番号もしくは、領域のサイズを記録しておく。
フィールド1には光ディスクDに記録を行った光ディスク装置12の情報と使用したテスト領域の情報、ドライブが固有のフォーマットで記録が可能な記録波形情報を記録する。これらの情報は256バイトごとに一まとめにされており、それぞれ#1、#2と名前がつけられている。図示しないが、#4まで存在し、残りのバイトは予備となっている。テスト領域使用アドレス情報は内周テスト領域用、外周テスト領域用、拡張テスト領域用とぞれぞれの領域に対して独立に用意されており、さらに、それぞれ各レイヤー毎に用意されている。ここには、自分が使用したテスト領域の最後のアドレス、もしくは使用しなかった場合には、すでに保存されていたアドレス情報を記録する。また、拡張テスト領域が拡張されていない状態では、拡張領域使用アドレスにはすべて0が記録される。
図22にフィールド3の内容を示す。フィールド3には各ボーダーアウトの開始物理セクター番号(PSN)と、記録マネジメント領域が拡張された場合には、記録マネジメント領域が拡張されたかどうか示す情報かもしくは拡張された記録マネジメント領域の開始物理セクター番号(PSN)とその大きさ及び、使用中の拡張記録マネジメント領域の番号を記録する。さらに、学習領域が拡張された場合には、拡張された学習領域の開始物理セクター番号(PSN)と総物理セクター数、もしくは終了物理セクター番号(PSN)を記録する。
図23にフィールド45,6,…21の内容を示す。フィールド45,6,…21にはデータ領域に記録するユーザデータ領域の状態を管理する情報を記録する。ユーザデータ領域は、RゾーンR毎に分割されて管理されており、フィールド45,6,…21にはこのRゾーンRの開始物理セクター番号(PSN)とRゾーンRの中で現在記録されている領域の最終物理セクター番号(PSN)が記録される。また、記録がRゾーンR内の途中で止まっている状態であるオープンRゾーンを3つまで作ることが許されており、この途中状態のRゾーンの番号を記録するバイトも設けられている。
<光ディスク装置/ホストの持っている機能>
次に本発明の実施形態の一つである光ディスク装置12とホスト14の持っている機能の説明を行う。図24は、光ディスク装置(ディスクドライブ装置)が持つコマンドの一例(対応可能な指示のリスト)を説明する図である。
光ディスク装置12は、図24のリストに示される指示をホスト14から受け取った場合、あらかじめ定められた形式にしたがって、ホスト14に返答を返す機能を有している。一般に、この処理は光ディスク装置12のファームウエアとして実装されている。一方、ホスト14も、あらかじめ定められたフォーマットにしたがって、光ディスク装置12に指示を発行し、光ディスク装置12を操作する機能を有している。
(クローズ指示)
図25の(a)に本発明の実施形態の一つである光ディスク装置12にRゾーンのクローズ、ボーダーのクローズ、ファイナライズ等の指示を行う際のデータのビット構成を示す。光ディスク装置12はこの指示を受け取ることにより、光ディスクDのRゾーンをクローズしたり、ボーダーをクローズしたり、光ディスクDに対してファイナライズを実行したりする。
データは12バイトで構成されており、バイト位置0が指示の内容を表す動作コードを示している。ここで動作コードはクローズを表すものとなっている。
またバイト位置1の最初のバイトにはその指示に対して即時に返答をすべきか否かを示すイミディエイトビットが割り当てられている。ここで、イミディエイトビットが1bの状態でこの指示を受けた場合、光ディスク装置12は指示を受けた処理が終了していなくても、指示のあとすぐに指示に対する返答を実施する。0bの状態であれば処理が完全に終了してから返答を実施する。
図25の(b)にバイト位置2の3バイトに割り当てられたクローズ動作の詳細を示す識別子の内容を示す。ここで、識別子が“001b”の場合、光ディスク装置12はRゾーンRをクローズする。“010b”の場合、光ディスク装置12はボーダーをクローズする。“110b”の場合、光ディスク装置12はディスクをファイナライズする。“111b”の場合、光ディスク装置12はディスクのファイナライズを中断する。
もし、光ディスク装置12がファイナライズ動作をしていない状態で、識別子が“111b”の指示、すなわちファイナライズ中断の指示を受信した場合は、光ディスク装置12はエラーを返答する。
(ディスク状態確認指示)
図26にディスク状態確認指示のデータのビット構成を示す。図26の(a)はホスト14から光ディスク装置に指示する際の送信データのビット構成を示している。始めの一バイト目にディスクの状態を確認する指示であることを表す動作コードが割り当てられている。
図26の(b)は指示に対する光ディスク装置の返答データのビット構成を示している。返答は始めの2バイトがヘッダとなっており、返答全体のバイト長が記述されている。次に3バイト目のバイト位置2には指示のデータタイプ、イレイザブル、最終ボーダー状態、ディスク状態識別子が記述されている。イレイザブルが1bである場合はディスクが消去可能なディスクであることをあらわし、0bであれば消去できないディスクであることを示す。バイト位置3からは順にディスクのRゾーン1の番号、ボーダーの数、最終ボーダーのはじめのRゾーンの番号、最終ボーダーの最後のRゾーン番号が記述される。また、バイト位置7及び8にはディスクのパディング状態情報が記述される。バイト位置9から11にはターミネータの最終記録PSNが記述される。パディング状態情報のビット構成は図21に示す記録マネジメント情報のパディング状態情報と同じ構成である。
図26の(c)にディスクの状態と最終ボーダー状態、ディスク状態識別子のビット構成の関係を示す。
光ディスク装置12は、ホスト14から図26の(a)の問い合わせがあった場合には、装填中のディスクの状態を確認し、図26の(b)の形式に従って返答をする。
ここで、光ディスクDの光ディスク状態情報が記録されていないか、ブランク状態であれば、ディスクにユーザデータが記録されていないことを示すエンプティ状態をホストに報告する。このとき、図26の(c)に示すように最終ボーダー状態、ディスク状態識別子とも00bを設定する。ユーザデータの記録中であり追記可能な場合はディスク状態識別子を01bとする。また、ファイナライズが完了したディスクである場合には最終ボーダー状態を11b、ディスク状態識別子を10bとする。
(ホストの指示による記録処理・フォーマット処理等)
図27に本発明の実施形態の一つである光ディスク装置における記録動作等のフローチャートを示す。
記録動作やデータ領域の分割・縮小等のフォーマット処理を開始するには、光ディスク装置12はホスト14から記録指示やフォーマット処理の指示を受信する必要がある(ステップS11)。これは、図24に示したフォーマット(データ領域の分割・縮小を含む)の指示や、ユーザデータの記録指示、記録禁止等のディスク管理情報送信の指示等である。
次に、光ディスク装置12のコントローラ29は現在の記録マネジメント情報を確認する(ステップS12)。
次に、コントローラ29は、確認した記録マネジメント情報の内容と、指示の内容にあわせて、光ディスクの、管理領域やデータ領域の必要な部分に記録を行う。または、フォーマットの指示がデータ領域の分割・縮小であれば、これを行う(ステップS13)。
次に、ステップ13で記録した内容や、ステップS11のホストからの指示に従って、記録マネジメント情報の更新を行う。行った処理が、データ領域へのデータの記録処理であるか、または、データ領域を分割したり縮小したりする処理の場合(ステップS14)、RMDに『記録中』を意味する管理情報(“ユーザデータが記録されてファイナライズされていない状態”)を記録する。(ステップS16)。その後、ホストに処理の完了を報告する(ステップS17)。
しかし、行った処理が、データ領域へのデータの記録処理でもなく、または、データ領域を分割したり縮小したりする処理でもなく、今までデータ領域になんら処理されていない場合は、後述するようにガード領域等に記録処理がなされていたとしても、RMDに『未記録』を意味する管理情報(“ブランク状態”)を記録する。(ステップS15)。その後、ホストに処理の完了を報告する(ステップS17)。
以上の手順で、光ディスク装置の管理情報の更新を伴う処理動作が完了する。ただし、図示しないが、ステップS12、もしくはステップS13でエラーが発生した場合には光ディスク装置はエラーの内容をホストに返答し、処理を終了する。また、ホストの指示でイミディエイトビットが1bとなっていた場合にも処理を行う前にホストに返答を行う。
(データ領域の分割数)
次に、本発明に係る光ディスク装置における記録領域の分割数の管理について説明する。図28は、本発明の実施形態の一つである光ディスク装置における記憶領域の分割数を扱う処理のフローチャートである。
始めのステップS21で光ディスク装置はホストから情報読み出しの指示を受信する。これは、図24に示したユーザデータの読み出しや、ディスク管理情報の問い合わせ、ディスク状態確認指示等の指示である。
ステップS22では、現在の記録マネジメント情報の確認を行う。次にステップS23では記録マネジメント情報をもとに管理領域、データ領域の実際の記録状態を確認する。
ここで、光ディスク装置12のコントローラ29である管理部は、ユーザ情報記憶領域が複数に分割されており、かつ最終ボーダーにユーザデータが含まれているかいないかの判定を行う(ステップS24)。
ここで、図33の(c)や(d)のように、ユーザ情報が存在しないボーダーが存在する場合、コントローラ29である管理部は、ホスト14にボーダー数を回答する際は、ボーダーのうちユーザ情報を含まないものは、分割数としてカウントすることなく、ホスト14に報告する(ステップS25)。すなわち、図33の(c)や(d)のような場合、その分割数をN個とする。一方、ユーザ情報が存在しないボーダーが存在しない場合、コントローラ29である管理部は、ホスト14にボーダー数を回答する際は、全てのボーダー数をカウントして報告する(ステップS26)。
このデータ領域の分割数のカウントの仕方の詳細は、後に、(ボーダーの分割数のカウント方法)において、図面を用いて詳細に説明する。
(レイヤー1の各領域への記録)
本発明に係る光ディスク装置は、ホストからの指示に従って、レイヤー1の特定の領域に記録を行う場合、事前に他の領域を記録する記録順の制限を持っている。これは、レイヤー0の記録状態の違いによって発生する層間クロストークの影響を取り除き、安定した記録を行うためである。図29に、レイヤー1の領域に記録を実施する前に記録しておかなくてはならない領域を示す。ここで、拡張第2ガード領域、拡張第2ドライブテスト領域、移動第3ガード領域、拡張第3ドライブテスト領域とは後述するミドル領域の拡張によって形成される領域である。また、“V”が事前に記録しなくてはならない領域をさす。“(V)”はミドル領域の拡張の広さによって記録しなくてはならない場合と記録しなくて良い場合がある領域を示している。
図29は例えば、本発明に係る光ディスク装置がレイヤー1の第3テスト領域に記録を行う場合には、必ずその前にレイヤー0の第2ガード領域に記録を行わなければならないことを示している。
(光ディスクの状態の定義の例1)
本発明に係る光ディスク装置は図18に示したように、記録マネジメント情報のフィールド0にディスクの状態を示すディスク状態情報を記録することが可能である。ここで、ディスク状態情報に示されるディスクの状態は主に次の3種類に分けられる。それは、図18の説明で述べたように、“ブランク状態”(未記録)、“ファイナライズされた状態” (記録完了)、“ユーザデータが記録されてファイナライズされていない状態” (記録中)の3つである。
ここで、本発明に係る光ディスク装置は必ずしもディスク全体が未記録でなくとも、ディスク状態情報にブランク状態(未記録)を設定する。図30に光ディスクの各領域のうち記録を行ってもブランク状態と設定をおこなうことが許可される領域を示す。図30のうち、○で示された領域については、例えば図27のステップ13で記録を行ったとしても、ステップS14の記録マネジメント情報更新の際にはディスク状態情報をブランク状態とセットする。ただし、記録マネジメント情報複製領域と記録マネジメント領域に関しては、そこに記録される記録マネジメント情報の内容によって設定される状態が異なる。一方、図30で○が示されていない領域に関しては、ステップ13で記録を行った場合、ステップS14の記録マネジメント情報更新時には、ファイナライズされた状態、ユーザデータが記録されてファイナライズされていない状態のいずれかが設定される。また、斜線が示されている領域は常に記録禁止の領域である。
ここで、例えば図27のフローチャートのステップS11においてホストから記録波形学習の指示があった場合について説明を行う。光ディスク装置はホストから記録波形学習の指示があった場合、光ディスクDのドライブテスト領域で記録波形を変更したテストデータの試し書きを実施する。
ステップS12で現在光ディスク装置に挿入されているディスクの記録マネジメント情報を確認する。ここで、光ディスク装置は第1ガード領域と第2ガード領域の記録状態をフィールド0のパディング状態情報で確認する。
ここで2つ領域のパディング状態情報が0b、即ち未記録であったとする。ステップ13では光ディスク装置は光ディスクDのドライブテスト領域にテストデータの試し書きを行う必要があるが、本発明に係る光ディスク装置は図29に示す記録順の制限を持っている。従って、例えば第四ドライブテスト領域にテストデータを記録する前に、必ず第1ガード領域の記録を実施する。また、第3ドライブテスト領域にテストデータを記録する前に、必ず第2ガード領域の記録を実施する。続いて光ディスク装置は記録したテストデータの再生結果から最適な記録波形を決定する。このように、ステップ13が完了すると第1ドライブテスト領域、第2ドライブテスト領域、第3ドライブテスト領域、第四ドライブテスト領域が記録された状態、第1ガード領域、第2ガード領域がパディングされた状態になる。
次にステップS14からステップS15では光ディスク装置はステップ13の処理に基づいて記録マネジメント情報の更新を行う。ここで、フィールド0のパディング状態情報において、第1ガード領域、第2ガード領域を示すビットは1bが設定される。一方、ディスク状態情報は図30の説明に従う。ここで、図30に従えば、第1ドライブテスト領域、第2ドライブテスト領域、第3ドライブテスト領域、第四ドライブテスト領域、第1ガード領域、第2ガード領域は記録を行っても、ディスク状態情報をブランク状態と設定することができるので、今回はディスク状態情報をブランク状態として記録マネジメント情報の記録を行う。即ち、今回の条件ではステップS14の判定により、ステップS16に処理が移ることになる。続いてステップ17で光ディスク装置は処理の完了をホストに報告し、処理を完了する。
この様に、本発明の実施形態では記録波形の学習を行うために、テスト領域やガード領域に記録を行っても光ディスクDはブランク状態として取り扱われる。従って、この光ディスクを一旦光ディスク装置の外にとりだして、他の光ディスク装置に読み込ませても、光ディスクはユーザからはブランク状態として認識されるというメリットがある。従って、例えば図1に示すような光ディスクレコーダではディスクが挿入されたと同時に、コントローラ29による自動制御によってユーザの特別の操作がなくとも、ガード領域の記録と記録波形の学習を行う等の処理も可能となる。
このとき、例えばユーザが何も録画をせずに取り出した場合、データ領域は未記録でガード領域とテスト領域だけが記録された状態となるが、本発明に係る光ディスク装置ではディスクはブランク状態として認識されるため、ユーザはその光ディスクを別の光ディスク装置に入力した場合、またブランク状態から別の録画を行うことができるというメリットがある。一方、もしガード領域の記録でディスク状態を記録された状態として設定した場合には、別の光ディスク装置に入力した際に記録中と表示されるため、ユーザの混乱を招く。この場合、混乱を避けるためには光ディスクはユーザの録画要求があるまで記録波形の学習を行えないことになる。この場合、録画の要求から実際の記録まで時間がかかるという問題が発生する。
このほか、例えば、ガード領域の記録はディスクメーカが実施し、ブランク状態として光ディスクDを出荷することも可能になる。ガード領域の記録には時間がかかるため、予めガード領域を記録してある光ディスクDであれば、ディスクの挿入から記録までの時間の短縮が可能となる。一方、もしガード領域の記録でディスク状態を記録された状態として設定した場合には、データ領域には情報は記録されていないにもかかわらず、ディスクメーカはブランク状態の光ディスクとしてそのディスクを販売することが出来なくなる。
(光ディスクの状態の定義の例2)
このほかに、本発明に係る光ディスク装置ではデータ領域にユーザデータの記録を実施していなくてもディスク状態情報に“ユーザデータが記録されてファイナライズされていない状態”を設定する場合がある。それは、ミドル領域を拡張した場合(データ領域を縮小した場合)と、データ領域を複数のRゾーンに分割した場合である。図31にユーザデータの記録を実施していなくてもディスク状態情報にユーザデータが記録されてファイナライズされていない状態を設定する場合のディスクの状態を示す。
図31の状態は2層光ディスクDにおいて、ミドル領域を拡張した状態(データ領域を縮小した場合)を示している。ここで記録が行われているのは、記録マネジメント情報複製領域と記録マネジメント領域の一部だけである。本発明に係る光ディスク装置は、ホストからミドル領域拡張の指示があった場合、記録マネジメント情報のフィールド0の更新データエリア構造のレイヤー0の記録可能最大物理セクター番号(PSN)を変更することにより2層光ディスクDのミドル領域の大きさの変更を行う。ここで、レイヤー0の更新記録可能最大物理セクター番号(PSN)は元の位置から、元の位置を含むRゾーンの先頭物理セクター番号(PSN)の範囲で指定可能である。このとき、記録可能最大物理セクター番号(PSN)を変更した記録マネジメント情報を2層光ディスクDに記録する際には、たとえデータ領域にデータが記録していなくてもディスク状態情報を“ユーザデータが記録されてファイナライズされていない状態”(記録中)を設定する。
また2層光ディスクDには図に示すように、ミドル領域のサイズによって拡張第2ガード領域(Z11a)、拡張第2ドライブテスト領域(Z12a)、拡張第3ブランク領域(Z14a)、移動第3ガード領域(Z18a)、拡張第3ドライブテスト領域(Z17a)、拡張第四ブランク領域(Z15a)が形成される。ただし、ミドル領域の拡張量が少ない場合には、拡張第2ガード領域(Z11a)、移動第3ガード領域(Z18a)以外の領域は省略される。
図32(a)の状態は、データ領域が複数のRゾーンに分割された状態を表している。2層光ディスクDは記録マネジメントデータのフィールド4から21にRゾーンの開始物理セクター番号を記録することで、データ領域を複数のRゾーンに分割することが可能である。図32(a)の場合、領域(Z10a)が第1のRゾーン、領域(Z10b)と(Z19)が第2のRゾーンとなる。通常記録はRゾーンの先頭から連続して実行されるため、このように複数のRゾーンに分割することでユーザデータの記録に際し、複数の開始位置を取ることができる。ここで、本発明に係る光ディスク装置はホストのRゾーン予約の指示によって、記録マネジメント情報に複数のRゾーンの開始物理セクター番号を設定した場合、たとえデータ領域に記録を行っていなくても、ディスク状態情報を“ユーザデータが記録されてファイナライズされていない状態”(記録中)と設定する。
また2層光ディスクDではユーザデータを記録せずにレイヤー0のデータ領域をRゾーンで分割した場合、そこに対応したレイヤー1の領域を拡張ガード領域(A)と設定し、ユーザデータの記録を禁止する。拡張ガード領域(A)は光学的な干渉を避けるため、第1Rゾーン(Z10a)よりも外周方向に広く設定される。本発明に係る光ディスク装置は記録マネジメントデータ(RMD)のフィールド0の更新データエリア構造の更新記録可能最大物理セクター番号(PSN)を変更することで、拡張ガード領域(A)の範囲を変更することが可能である。
この様に、本発明に係る実施形態ではデータ領域を複数のRゾーンに分割したり、ミドル領域の拡張を実施した場合には、データ領域が未記録であっても、“ユーザデータが記録されてファイナライズされていない状態”とする。これは、Rゾーンに分割したり、ミドル領域の拡張を実施した場合にはデータ領域が未記録であっても記録可能なデータサイズや位置が変化するためである。このように設定することにより、ユーザはデータ領域に記録可能なデータサイズや位置が変化したことを簡単に認識することができる。
(拡張ガード領域と拡張ミドル領域の関係)
図32(b)の状態は、図32(a)の状態にさらにミドル領域を拡張した場合を示している。本発明に係る光ディスク装置は上記に示したように、更新データエリア構造の更新記録可能最大物理セクター番号(PSN)を変更することで、拡張ガード領域(A)の範囲を設定している。さらに、記録マネジメントデータのフィールド0の更新データエリア構造のレイヤー0の記録可能最大物理セクター番号(PSN)を変更することにより、ミドル領域の大きさの変更を行う。ここで、拡張ミドル領域の開始点であるレイヤー0の更新記録可能最大物理セクター番号(PSN)は元の位置から、元の位置を含むRゾーンの先頭物理セクター番号(PSN)の範囲で指定可能であるので、今回の場合、領域(10b)の中であればどこでも設定可能である。ただし、本発明に係る光ディスク装置は図32(b)に示したように、拡張されたミドル領域の開始点が対応するレイヤー1の拡張ガード領域(A)と干渉するような位置にミドル領域を拡張するようにホストから指示があった場合には、レイヤー0の更新記録可能最大物理セクター番号(PSN)を優先して設定し、更新記録可能最大物理セクター番号(PSN)を変更する。こうすることで、拡張ガード領域(A)が縮小し、ミドル領域が指示通りの大きさで拡張される。
このように、本発明に係る光ディスク装置は、拡張ガード領域と拡張ミドル領域が干渉した場合、拡張ミドル領域の設定を優先する。こうすることで、ユーザはRゾーン(10b)のサイズをミドル領域の拡張を指示することで自由に設定することができるというメリットがある。
(ボーダーの分割数のカウント方法)
図33に光ディスクDのデータ領域が複数のボーダーに分割されて使用されている例を示す。図9で説明を行ったように光ディスクDのデータ領域は複数のボーダーに分割して記録が実施される場合がある。
ここで、図33(b)、(c)、(d)はいずれも図33(a)の状態から一つだけボーダーを増やした状態を示している。
図33(b)に示す状態は、本発明に係る光ディスク装置によって、第(N)ボーダーの次にユーザデータ2を記録し、さらにボーダークローズすることによって形成できる。この状態では記録マネジメント情報のフィールド3のボーダーアウト開始物理セクターには第1番ボーダーのボーダーアウト開始物理セクターから、第N+1番ボーダーのボーダーアウト開始物理セクターまでが記録される。
図33(c)に示す状態は本発明に係る光ディスク装置によって、第(N)ボーダーの次にRゾーンの分割を実行しユーザデータを記録せずに、ボーダークローズすることによって形成できる。分割されたRゾーンをクローズする場合、Rゾーンの未記録部分はパディングされる。
図33(d)に示す状態は、本発明に係る光ディスク装置によって、ボーダーインに管理情報等を記録したあと、ユーザデータを記録せずに、ボーダークローズすることによって形成できる。
ここで、ユーザデータが記録されていない図33(c)及び図33(d)であっても、記録マネジメント情報のフィールド3のボーダーアウト開始物理セクターには、第1番ボーダーのボーダーアウト開始物理セクターから、第N+1番ボーダーのボーダーアウト開始物理セクターまでが記録される。
すなわち、光ディスク装置12のコントローラ29である管理部は、複数のボーダーに分割されたデータ領域につき、最後のボーダーにユーザデータが含まれておらず、かつ、ファイナライズする場合(図33の(c)や(d)のような場合)、その最後のボーダーも含めた分割数(N+1)を管理情報として、光ディスクの管理領域に格納するものである。
ここで、図33(b)のディスクに対してホストからディスク状態確認の指示があった場合について説明を行う。
図28のフローチャートに従うと、本発明に係る光ディスク装置はまずステップS21においてホストからディスク状態確認の指示を受信する。次にステップS22においてディスクDの記録マネジメント情報の読み出しをおこなう。さらにステップS23において、管理領域やデータ領域の記録状態を調査し、読み出した記録マネジメント情報が正しいか否かの確認を実施する。ステップS26で、確認した結果をもとにディスクの状態をホストへ返答する。ここで、ホストへの返答は図26に示す形式で行われる。
このとき、図33(b)のディスクはボーダーがクローズされているので、最終ボーダー状態はクローズが設定される。また、ボーダーの数は記録マネジメント情報に従って、(N+1)個と設定される。さらに、最終ボーダーの第1Rゾーン及び最終ボーダーの最終Rゾーン番号はともに(M+1)が設定される。
(ホストに対する分割数の応答)
次に、図33(c)及び(d)のディスクに対してホストからディスク状態確認の指示があった場合について説明を行う。
図28のフローチャートに従うと、本発明に係る光ディスク装置12のコントローラ29は、まずステップS21においてホストからディスク状態確認の指示を受信する。次にステップS22においてディスクDの記録マネジメント情報の読み出しをおこなう。さらにステップS23において、管理領域やデータ領域の記録状態を調査し、読み出した記録マネジメント情報が正しいか否かの確認を実施する。
ここで、光ディスク装置12のコントローラ29である管理部は、ユーザ情報記録領域が複数に分割されており、かつ最終ボーダーにユーザデータが含まれているかいないかの判定を行なう(ステップS24)。ここで、対象の光ディスクが図33(c)及び(d)の状態の場合は、最終ボーダーにユーザデータが含まれていないと判定される(ステップS24)。
光ディスク装置12のコントローラ29である管理部は、ユーザ情報を含まないボーダーについても(図33の(c)や(d)のような場合)、その最後のボーダーも含めた分割数を(N+1)個として、この管理情報を光ディスクの管理領域に記録しているが、一方、光ディスク装置12のコントローラ29である管理部は、ディスクの状態をホストへ返答する際は、ユーザ情報を含まないボーダー(図33の(c)や(d)のような場合)はカウントすることなく、分割数をN個として、ホストに返答する(ステップS25)。
光ディスク装置12のコントローラ29である管理部は、ディスクの状態をホストへ返答する際は、図26に示す形式で行う。このとき、図33(c)及び(d)のディスクはボーダーがクローズされているので、最終ボーダー状態はクローズが設定される。一方、ボーダー数については、(N+1)番目のボーダーにはユーザデータが含まれていないと判定されているため、(N+1)番目のボーダーは存在しないものとしてホストに返答を行う。即ち、返答値に設定するボーダー数をN個とする。さらに、最終ボーダーの第1Rゾーン及び最終ボーダーの最終Rゾーン番号はともにMが設定される。
このように、本発明に係る光ディスクは、条件によって光ディスクの管理情報に設定した値とは異なる内容をユーザ、もしくはホストに報告する。これにより、ホストは余分なボーダーの読み込み作業を行なわなくてすむため、処理時間の短縮が可能になる。一方、光ディスクDには正確なボーダー数の情報が保存されているため、光ディスク装置間での互換の問題を避けることができる。
(記録マネジメント情報の不整合の処理)
図34に本発明の実施形態の一つである光ディスク装置における記録動作において、記録マネジメント情報に不整合がある場合の処理を伴うフローチャートを示す。
ステップS31において、本発明に係る光ディスク装置は、ホストから記録の指示を受信する。これは、図24に示したフォーマットの指示や、ユーザデータの記録指示、記録禁止等のディスク管理情報送信の指示等である。次に、ステップS32において、記録マネジメント情報の内容の確認を行う。ここで、例えば実際の光ディスクDの記録状態と記録マネジメント情報の内容が異なる場合や、記録マネジメント情報のなかで、例えばフィールド4に分割されたRゾーンの情報が記録されているにもかかわらず、フィールド0のディスク状態情報がブランクになっている等の不整合が発生する場合がある。ステップS33において光ディスク装置は記録マネジメント情報に不整合が無いかを判定する。
記録マネジメント情報に不整合が無かった場合、光ディスク装置はステップS34にて、ホストからの指示通り、管理領域やデータ領域の必要な部分に記録を行う。ステップS35では、ステップS33で記録した内容や、ホストからの指示に従って、記録マネジメント情報の更新を行う。ステップS36では完了の報告を行う。
一方、ステップS33において光ディスク装置が記録マネジメント情報に不整合があると判定した場合、処理はステップS37にうつる。ステップS37では記録マネジメント情報複製領域のリセットが実施される。これは、記録マネジメント情報複製領域にリセット用の記録マネジメント情報を記録する処理である。次に、ステップS3-8では記録マネジメント領域のリセットを行う。これは、記録マネジメント領域にリセット用の記録マネジメント情報を記録する処理である。さらに、ステップS39ではR物理フォーマット情報領域のリセットを行う。これは、R物理フォーマット情報領域にリセット用の物理フォーマット情報を記録する処理である。ステップS37からステップS39の処理が完了したら、光ディスク装置は改めて、ステップS34に入り、ホストからの指示通り、管理領域やデータ領域の必要な部分に記録を行う。そして、ステップS35、ステップS36と処理を進め、記録動作を完了する。
図35に、図34のフローチャートにおける光ディスクDの管理情報の記録状態を説明する図を示す。図35(a)はステップS33の時点での管理情報の記録状態を示している。この状態では、記録マネジメント領域の途中まで、記録マネジメント情報が記録されている。そして、一番最外周に記録された最新の記録マネジメント情報が不整合となっている。
図35(b)はステップS37から始まりステップS39が完了された時点での管理情報の記録状態を示している。記録マネジメント情報複製領域、記録マネジメント領域、R物理フォーマット情報領域すべてにわたってリセット用の記録マネジメント情報及び、物理フォーマット情報が記録されている。ここで、リセット用の記録マネジメント情報とは、フィールド0のディスク状態情報がブランクとなっており、更新データエリア構造、パディング状態情報、ターミネータの最終記録物理セクター番号がすべて0bで設定されており、その他のフィールドもすべて0bが設定された情報である。一方、リセット用の物理フォーマット情報とは、データエリア構造の第1ボーダー終了物理セクター番号、レイヤー0の記録データ最終物理セクター番号に0bが設定された情報である。
図35(c)はステップS36で記録マネジメント情報が更新された状態を示している。このステップでは、記録マネジメント領域の先頭に、管理領域、データ領域の状態を反映した最新の記録マネジメント情報を記録している。
このように、本発明に係る光ディスク装置では記録マネジメント情報に不整合がある光ディスクであっても、適切に管理領域をリセットし、ホストの指示に従った記録を実施することが可能となる。
以上、詳細に述べた本発明の一実施形態によれば、データ領域の分割・縮小・記録処理等がある際は、“記録中”の管理情報を書き、データ領域が何ら処理されない場合は(ガード領域がパディング処理等されても)“未記録”とすることで、複数の光ディスク装置の間で光ディスクを処理しても混乱を招くことがない。これにより、記録領域の処理に応じた適切な管理情報を光ディスクに記録し、動作信頼性を向上させる光ディスク装置及び光ディスク処理方法を提供することができる。
以上記載した様々な実施形態により、当業者は本発明を実現することができるが、更にこれらの実施形態の様々な変形例を思いつくことが当業者によって容易であり、発明的な能力をもたなくとも様々な実施形態へと適用することが可能である。従って、本発明は、開示された原理と新規な特徴に矛盾しない広範な範囲に及ぶものであり、上述した実施形態に限定されるものではない。
本発明の一実施形態に係る情報記録再生システムの構成の一例を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る情報記録再生システムの他の構成の一例を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る光ディスク装置の構成の一例を示すブロック図。 本発明の一実施形態に係る複数の情報記録再生層を有する2層光ディスクの構成の一例を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る複数の情報記録再生層を有する2層光ディスクの各レイヤーのレイアウトの一例を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る2層光ディスクの記録可能領域の詳細なレイアウトの一例、及び1層光ディスクの記録可能領域の詳細なレイアウトの一例を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る2層光ディスクの記録可能領域の詳細なレイアウトの一例を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る1層光ディスクDの記録可能領域の詳細なレイアウトの一例を示す。 本発明の一実施形態に係るデータ領域Z10,Z19の構造を説明する説明図。 本発明の一実施形態に係る2層光ディスクのレイヤー0に設けられたエンボス領域のフォーマット情報の内容を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る2層光ディスクのデータエリア構造の詳細な内容を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る2層光ディスクの記録可能管理領域のフォーマット情報の詳細な内容を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る2層光ディスクの記録可能管理領域のフォーマット情報におけるデータエリア構造の内容を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る2層光ディスクの記録可能管理領域のフォーマット情報におけるボーダーゾーンの開始物理セクター番号の詳細な内容を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る2層光ディスクの記録マネジメント情報複製領域と記録マネジメント領域の構成の一例を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る2層光ディスクのマネジメント領域の詳細な内容を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る2層光ディスクの記録マネジメントデータの構成の一例を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る2層光ディスクの記録マネジメント情報のフィールド0の内容の一例を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る2層光ディスクの記録マネジメントデータ内のデータエリア構造の詳細の一例を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る2層光ディスクの更新データエリア構造の内容の一例を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る2層光ディスクのパディング状態情報の内容の一例を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る2層光ディスクの記録マネジメント情報のフィールド3の内容の一例を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る2層光ディスクの記録マネジメント情報のフィールド45,6,…21の内容の一例を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る光ディスク装置(ディスクドライブ装置)が持つコマンドの一例を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る光ディスク装置(ディスクドライブ装置)にRゾーンのクローズ、ボーダーのクローズ、ファイナライズ等の指示を行う際のデータのビット構成、及び、バイト位置2の3バイトに割り当てられたクローズ動作の詳細を示す識別子の内容を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る光ディスク装置(ディスクドライブ装置)に与えるディスク状態確認指示信号のビット構成の一例を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る光ディスク装置(ディスクドライブ装置)における記録動作等のフローチャート。 本発明の一実施形態に係る光ディスク装置(ディスクドライブ装置)における記憶領域の分割数を扱う処理のフローチャート。 本発明の一実施形態である光ディスク装置(ディスクドライブ装置)においてレイヤー1の領域に記録を実施する前に記録しておかなくてはならない領域を示す説明図。 本発明の一実施形態である光ディスク装置(ディスクドライブ装置)において、光ディスクの各領域のうち記録を行ってもブランク状態と設定をおこなうことが許可される領域を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る光ディスク装置(ディスクドライブ装置)において、ユーザデータが記録されていなくとも状態情報にユーザデータが記録されてファイナライズされていない状態を設定する場合のディスクの状態を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る光ディスク装置(ディスクドライブ装置)において、ミドル領域を拡張する場合の一例を説明する説明図。 本発明の一実施形態に係る光ディスク装置(ディスクドライブ装置)において、光ディスクのデータ領域が複数のボーダーに分割されて使用される場合の一例を示す説明図。 本発明の一実施形態に係る光ディスク装置(ディスクドライブ装置)において、管理情報を必要に応じてリセットする処理の一例を示すフローチャート。 本発明の一実施形態に係る光ディスク装置(ディスクドライブ装置)において、光ディスクDの管理情報の記録状態の遷移の一例を説明する説明図。
符号の説明
D…光ディスク、12…光ディスク装置、14…ホスト、18…PC。

Claims (6)

  1. 管理領域とガード領域とデータ領域とをもつ光ディスクにレーザ光を照射して情報を記録する記録部と、
    前記データ領域が分割または縮小された場合は、前記データ領域にデータが記録されていなくとも、この光ディスクの状態を記録中であるとの管理情報を前記管理領域に格納し、前記ガード領域が記録中であっても前記データ領域にデータが記録されていなければ、この光ディスクの状態を未記録であるとの管理情報を前記管理領域に格納することを特徴とする管理部と、を具備することを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記ディスクのレイヤー1に拡張ガードがある場合、ミドルエリアと拡張ガードが干渉した際に拡張ガードのサイズを変更することを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
  3. 前記管理部は、複数のボーダーに分割されたデータ領域につき、最後のボーダーにデータが含まれていない場合、前記最後のボーダーを除いたボーダーの数を総ボーダ数として上位の機器に報告することを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
  4. 前記管理部は、前記光ディスクからの前記管理情報に不整合を検出し、継続した更新が困難な場合、前記光ディスクの前記管理情報をリセットすることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
  5. 管理領域とガード領域とデータ領域とをもつ光ディスクに対して、
    前記データ領域が分割または縮小された場合は、前記データ領域にデータが記録されていなくとも、この光ディスクの状態を記録中であるとの管理情報を前記管理領域に格納し、前記ガード領域が記録中であっても前記データ領域にデータが記録されていなければ、この光ディスクの状態を未記録であるとの管理情報を前記管理領域に格納することを特徴とする光ディスク処理方法。
  6. 前記ディスクのレイヤー1に拡張ガードがある場合、ミドルエリアと拡張ガードが干渉した際に拡張ガードのサイズを変更することを特徴とする請求項5記載の光ディスク処理方法。
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