JP2008190411A - エンジン - Google Patents

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Taiichi Mori
泰一 森
Shuzo Mita
修三 三田
Mamoru Toyama
護 遠山
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Abstract

【課題】燃料を潤滑油として用いるエンジンの各部で、適切な冷却効果を確保することのできるエンジンを提供することを課題とする。
【解決手段】エンジン(1)は、潤滑油としても用いられる燃料である軽油をオイルパン(3)から汲み上げ、これをオイルジェット(28)からピストン裏側(20a)へ吹き付ける。吹き付けられた軽油は、シリンダライナ(22)、ピストン(20)、オイルパン(3)によって囲まれ、減圧ポンプ(30)により減圧された空間部(27)内で気化し、その吸熱反応によりピストン(20)から熱を奪う。これによりピストン(20)が冷却される。
【選択図】図2

Description

本発明は、軽油等の燃料を潤滑油として利用するエンジンに関し、特に冷却性を改善したエンジンに関するものである。
従来、エンジンの一般的な冷却手段として、シリンダブロックやシリンダヘッドに冷却液通路を設け、この冷却液通路に冷却液を循環させる構造が採用されている。このような構成とすることにより燃焼熱によるシリンダヘッドやシリンダブロック等の過熱を抑制している。このような構成を改良するものとして例えば特許文献1が開示されている。特許文献1には、車両用エンジンにおいて、シリンダヘッドとシリンダブロックを、例えば水と油の異なる冷却を用いて分離冷却する構造が開示されている。より具体的には、シリンダブロックのシリンダライナを用いて2種類の冷却液通路を、簡単且つ確実に分離して形成し、シリンダブロック側を適確に分離冷却することを目的とした構成が開示されている。
また、従来、特にピストンを重点的に冷却するものとして、ピストンの裏側に配置された噴射口から冷却媒体としての潤滑油を噴射するオイルジェットを用いたピストン冷却装置が採用されている。このようなオイルジェットを用いたピストン冷却装置は、例えば、特許文献2に開示されている。
一方、従来、燃料である軽油を潤滑油として利用する軽油潤滑式ディーゼルエンジンが開示されている(特許文献3)。このような軽油潤滑式ディーゼルエンジンでは、燃料となる軽油がエンジン各部の潤滑油としても用いられ、エンジン各部を循環する。このため、潤滑専用のオイルは不要であり、オイル交換の手間も省くことができる。
実開平6−60745号公報 特開2005−76627号公報 実開昭60−194112号公報
シリンダヘッドやシリンダブロックに冷却液通路を備え、冷却液を循環させるエンジンでは、シリンダヘッドやシリンダブロックは、冷却液通路を流れる冷却液との熱交換によって冷却される。すなわち、高温のシリンダヘッドやシリンダブロックから低温の冷却液へ伝熱が起こり、この冷却液によって熱が持ち去られ、結果として、シリンダヘッドやシリンダブロック等が冷却される。このような冷却の原理は、特許文献1に開示された構成においても利用されている。
また、特許文献2で開示されたようなオイルジェットを用いた冷却装置においても、同様の冷却原理が利用されている。すなわち、ピストンに向かって噴射された潤滑油がピストンから熱を奪い、持ち去ることでピストンの冷却が行われる。
ところで、特許文献3で開示された軽油潤滑式ディーゼルエンジンに潤滑油としても利用される燃料は一般的に軽油である。軽油は、燃料と別途準備される通常の潤滑油とはその性状が異なるものである。このため、特許文献1や特許文献2で開示されたような冷却手法を特許文献3で開示された軽油潤滑式ディーゼルエンジンに適用しようとすると所望の冷却効果が得られない場合が想定される。
そこで、本発明では、燃料を潤滑油として用いるエンジンであって、適切な冷却効果を確保することのできるエンジンを提供することを課題とする。
かかる課題を解決する本発明のエンジンは、燃料を潤滑油として潤滑系へ供給する潤滑経路と、冷却対象部へ燃料を供給する燃料供給手段と、当該燃料供給手段により供給された前記燃料を気化させる燃料気化手段とを備えたことを特徴とする(請求項1)。本発明のエンジンは、燃料、例えば軽油を潤滑油として利用するものである。このため、燃料を潤滑油として潤滑系へ供給する潤滑系路を備えている。また、本発明はこの燃料を用いて、ピストン、シリンダブロック、シリンダヘッド等のエンジンを正常に機能させるために冷却が必要な冷却対象部の冷却を行うものであるため、冷却対象部へ燃料を供給する燃料供給手段を備えている。ここで、冷却対象部の冷却は燃料が気化する際の気化熱を利用する。そのため、本発明のエンジンは燃料供給手段により供給された前記燃料を気化させる燃料気化手段を備えた構成としている。本発明のエンジンに用いられる燃料、例えば軽油は、燃料と別途準備される一般的な潤滑油と比較して揮発性が高く、気化しやすい。本発明のエンジンはこのような気化現象を利用して冷却対象部の熱を奪い、冷却を行う。
なお、本明細書において潤滑系とは、クランクシャフト周辺やカムシャフト周辺等、潤滑油の供給が必要となる箇所を含む系を指すものとする。また、本明細書における冷却対象部には、エンジンを適切に稼働させるために冷却が必要となる箇所、さらに、冷却することが望ましい箇所が含まれる。
このようなエンジンにおける、前記燃料供給手段は、シリンダ内で往復動するピストンへ向かって燃料を噴射するオイルジェットとすることができる(請求項2)。オイルジェットから噴射された燃料がピストン裏側に付着すると、吹き付けられた燃料が気化し、ピストンから熱を奪うのでピストンの冷却となる。
このようにピストンに向かって燃料を噴射するオイルジェットを燃料供給手段とする場合、前記燃料気化手段は、シリンダとクランクケースにより形成される略密閉された空間部となる。すなわち、この空間部が存在することにより燃料は気化することができ、ピストンを冷却することができる。ここで、燃料の気化は空間部内の気圧が低いほど促進される。そこで、前記燃料気化手段として、前記シリンダ内の気圧を低下させる減圧手段を備える構成とすることができる(請求項3)。このような構成とすることにより冷却効果の向上を図ることができる。
本発明における冷却対象部は、前記のように種々の箇所が含まれるが、シリンダブロックの上部は、燃焼室が近傍に存在するため高温となり易く、適切な冷却が求められる箇所である。そこで、本発明のエンジンは、前記燃料供給手段として、シリンダブロックの上部に燃料経路を設けた構成とすることができる(請求項4)。このような構成とすることによりシリンダブロックの上部で燃料の気化による冷却が行われる。なお、燃料は気化できる状態であれば良く、流れている必要はない。
このように、前記燃料供給手段をシリンダブロックの上部に燃料経路とした場合、前記燃料気化手段は、前記燃料経路と連通する空間部とすることができる(請求項5)。本発明において冷却に寄与する燃料は、気化できる状態となっていることが求められる。このため、前記燃料経路を大気開放とすることもできるがこのような構成では環境に悪影響を及ぼすことが懸念される。そこで、前記燃料経路と連通する空間部を設けた構成とすることが望ましい。このような構成とすることで、燃料経路内の燃料は気化することができ、冷却機能を発揮することができる。
このような構成とすることによりシリンダブロックの上部を冷却することができる。一方、シリンダヘッドもシリンダブロックの上部同様適切に冷却されることが求められる。そこで、本発明のエンジンにおける前記燃料供給手段はシリンダヘッド内に設けられた燃料経路とすることもできる(請求項6)。また、燃料経路をシリンダブロックの上部に設けた場合と同様に、前記燃料気化手段として前記燃料経路と連通する空間部を備えた構成とすることもできる(請求項7)。ここで、燃料は気化できる状態であれば良く、流れている必要はないことは、シリンダブロックの上部に燃料経路を設けた場合と同様である。
このように燃料気化手段として燃料経路と連通する空間部を形成した構成とする場合、このような空間部内の気圧を低下させる減圧手段を備える構成とすることができる(請求項8)。これは前記と同様に燃料の気化は空間部内の気圧が低いほど促進されることを考慮したもので、このような構成とすることにより冷却効果の向上を図ることができる。
本発明のエンジンは、前記燃料気化手段により気化した燃料の回収手段を備えることができる。このような構成により、気化した燃料を回収し、凝縮して液体に戻し、再度、循環させることで、大気中に放出することなく、燃料を効率的に利用することができる。
燃料を潤滑油として潤滑系へ供給する潤滑経路を備えたエンジンにおいて、高温になるピストン、シリンダ等に燃料供給経路と燃料気化手段とを備えたので、燃料の気化に伴う吸熱効果により冷却対象部の冷却を行うことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の実施例1について図面を参照しつつ説明する。本実施例は、ピストン20を冷却対象部とした例である。図1は、実施例1のエンジン1の概略構成を示した説明図であって、図2は実施例1のエンジン1のピストン20周辺を中心に示した模式図である。エンジン1は燃料である軽油を潤滑油として利用する形式のディーゼルエンジンである。エンジン1は、燃料タンク2、オイルパン3を備えている。燃料タンク2とオイルパン3とは燃料供給経路4によって連通している。この燃料供給経路4には電動供給ポンプ5、セジメンタ18が配設されており、この電動供給ポンプ5により燃料タンク2からオイルパン3へ燃料が供給されるようになっている。
エンジン1は、潤滑剤の供給を必要とする潤滑系6へ潤滑油としての燃料を供給する潤滑経路7を有している。この潤滑経路7にはフィルタ8、潤滑ポンプ9が配設されており、潤滑ポンプ9を駆動することにより、燃料をオイルパン3から吸い上げて潤滑系6へ供給している。また、エンジン1は、潤滑経路7を通じて潤滑系6へ供給された燃料をオイルパン3へ戻す潤滑系燃料リターン経路12を有している。潤滑系燃料リターン経路12にはリフォーマ13が配設されており、通過したリターン燃料を再利用できる状態へ戻す。
また、エンジン1は、筒内へ燃料を噴射する噴射系15へ燃料を供給する噴射系燃料供給経路16を有している。この噴射系燃料供給経路16には、フィルタ31、噴射ポンプ32が配設されており、噴射ポンプ32を駆動することにより燃料をオイルパン3から吸い上げて噴射系15へ供給している。
さらに、エンジン1は噴射系燃料供給経路16を通じて噴射系15へ供給された後の噴射系リターン燃料を燃料タンク2へ戻す噴射系燃料リターン経路17を有している。なお、噴射系リターン燃料とは、噴射ポンプ15に一体的に設けられた供給ポンプ(低圧ポンプ)、コモンレールおよび燃料噴射弁(いずれも図示せず)の各々から戻されるリターン燃料を指す。
また、エンジン1は、潤滑経路7から分岐した冷却系燃料供給経路11を備えている。この冷却系燃料供給経路11は潤滑ポンプ9と潤滑系6との間から分岐し、先端側にはピストン20の下方に位置するオイルジェット28が設置されている。このような冷却系燃料供給経路11とオイルジェット28は本発明における燃料供給手段に相当する。
以上のような種々の経路を備えたエンジン1は、エンジンブロック23の上部にシリンダヘッド24が組み付けられ、さらに、下部にオイルパン3が組み付けられてその主要部が形成されている。エンジンブロック23内にはシリンダライナ22が嵌め込まれており、その内部にピストンリング26が装着され、コネクティングロッド21と連結されたピストン20が往復動可能に挿入されている。このようなエンジン1の内部にはシリンダライナ22、ピストン20、オイルパン3によって囲まれた空間部27が形成されている。この空間部27が形成されていることによりピストンジェット28よりピストン20へ向かって噴射された燃料は気化することができる。
このような空間部27には、冷却系燃料リターン経路14の上流側開口14aが開口している。冷却部燃料リターン経路14には、復水器29と減圧ポンプ30とが配設されており、その下流側端部14bはオイルパン3へ開口している。このような構成とすることにより空間部27内を減圧して空間部27内における燃料の気化を促進するとともに、気化した後の燃料をオイルパン3へ回収することができる。ここで、減圧ポンプ30は、空間部27とともに本発明における燃料気化手段を構成している。
次に、以上のように構成されたエンジン1におけるピストン20の冷却について具体的に説明する。まず、潤滑ポンプ9によって圧送された燃料がオイルジェット28から、ピストン裏側20aに向けて噴射される。噴射された燃料はピストン裏側20aに付着し、気化する。このとき気化に伴う吸熱反応によりピストン20から熱が奪われ、ピストンの冷却が行われる。本実施例では、空間部27が形成され、さらに、空間部27が減圧ポンプ30により減圧されるので燃料の気化が促進され、この結果、ピストン20の冷却効果が向上している。
気化した状態で減圧ポンプ30により吸引された燃料は、冷却系燃料リターン経路14を通り、復水器29へ流入する。すなわち、減圧ポンプ30は空間部27内を減圧するだけでなく、空間部27内で気化した燃料を復水器29へ吸い込む役割も担っている。復水器29では、流入した燃料が、冷却され、再び液体の状態へ還元される。復水器29で液体に還元された燃料は、オイルパン3へ回収され、再び、循環する。このような構成とすることで、軽油を大気中に放出することなく、再利用することができ、効率よく燃料を利用することができる。
以上説明したように、ピストン裏側20aに噴射された燃料の気化に伴う吸熱効果を利用して、ピストン20を冷却することができる。なお、本実施例における減圧ポンプ30は、エンジン1のクランク軸からタイミングベルトを介して駆動力を得ているが、クランク軸の回転状態にその駆動を依存させないために電動駆動としてもよい。また、排ガスタービンを用いた構成とすることもできる。
次に本発明の実施例2について説明する。実施例2のエンジン100は燃料である軽油を潤滑油として利用する形式のディーゼルエンジンであり、その概略構成は、実施例1におけるエンジン1とほぼ同一である。ただし、冷却対象部をシリンダブロック41、特にシリンダブロック上部41aとしており、このシリンダブロック上部41aを冷却する構造を備えている。
図3は実施例2のエンジン100におけるピストン40周辺を中心に示した模式図である。エンジン100には燃焼室25近傍のシリンダブロック上部41aに燃料経路42が形成されている。この燃料経路42は冷却対象部であるシリンダブロック上部41aへ燃料を供給する燃料供給手段である。また、エンジン100には燃料経路42と連通する空間部42aが形成されている。このように燃料経路42と連通する空間部42aが形成されていることにより燃料経路42内の燃料は気化することができる。これらの燃料経路42、空間部42aは、シリンダの周囲に形成されている。
燃料経路42には潤滑ポンプ9により燃料が圧送される冷却系燃料供給経路43が接続されている。この冷却系燃料供給経路43の他端側開口はオイルパン3内に位置している。
一方、空間部42aには冷却系燃料リターン経路44が接続されている。この冷却部燃料リターン経路44には、復水器45と減圧ポンプ46とが配設されており、その他端側開口はオイルパン3へ位置している。このような構成とすることにより空間部42a内を減圧して燃料経路42内の燃料の気化を促進するとともに、気化した後の燃料をオイルパン3へ回収することができる。ここで、減圧ポンプ46は、空間部42aとともに本発明における燃料蒸発手段を構成している。
なお、その他の構成は実施例1と同一であるため、実施例1と同一の構成要素については、図面中同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
次に、以上のように構成されたエンジン100におけるシリンダブロック上部41aの冷却について具体的に説明する。まず、潤滑ポンプ9によって圧送された燃料が冷却系燃料供給経路43を通じて燃料経路42内へ供給される。燃料経路42内に供給された燃料は気化する。このとき気化に伴う吸熱反応によりシリンダブロック上部41aから熱が奪われ、シリンダブロック上部41aの冷却が行われる。本実施例では、空間部42aが形成され、さらに、空間部42aが減圧ポンプ46により減圧されるので燃料の気化が促進され、この結果、シリンダブロック上部41aの冷却効果が向上している。
気化した状態で減圧ポンプ46により吸引された燃料は、冷却系燃料リターン経路44を通り、復水器45へ流入する。すなわち、減圧ポンプ46は空間部42a内を減圧するだけでなく、空間部42a内へ気化した燃料を復水器45へ吸い込む役割も担っている。復水器45では、流入した燃料が、冷却され、再び液体の状態へ還元される。復水器45で液体に還元された燃料は、オイルパン3へ回収され、再び、循環する。このような構成とすることで、軽油を大気中に放出することなく、再利用することができ、効率よく燃料を利用することができる。
以上説明したように、燃料経路42へ供給された燃料の気化に伴う吸熱効果を利用して、シリンダブロック上部41aを冷却することができる。
なお、エンジン100はシリンダブロック41の燃料経路42の下側に冷却水が流通するウォータジャケット47が設けられており、シリンダブロック41全体を冷却する構成となっている。
次に本発明の実施例3について説明する。実施例3のエンジン150は燃料である軽油を潤滑油として利用する形式のディーゼルエンジンであり、その概略構成は、実施例1におけるエンジン1とほぼ同一である。ただし、冷却対象部をシリンダヘッド51として、このシリンダヘッド51を冷却する構造を備えている。
図4は実施例3のエンジン150におけるピストン50周辺を中心に示した模式図である。エンジン150にはシリンダヘッド51に燃料経路52が形成されている。この燃料経路52は冷却対象部であるシリンダヘッド51へ燃料を供給する燃料供給手段である。また、エンジン150には燃料経路52と連通する空間部52aが形成されている。このように燃料経路52と連通する空間部52aが形成されていることにより燃料経路52内の燃料は気化することができる。これらの燃料経路52、空間部52aは、燃焼室25の周囲に形成されている。
なお、その他の構成は実施例2と同一であるため、実施例2と同一の構成要素については、図面中同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
次に、以上のように構成されたエンジン150におけるシリンダヘッド51の冷却について具体的に説明する。まず、潤滑ポンプ9によって圧送された燃料が冷却系燃料供給経路43を通じて燃料経路52内へ供給される。燃料経路52内に供給された燃料は気化する。このとき気化に伴う吸熱反応によりシリンダヘッド51から熱が奪われ、シリンダヘッド51の冷却が行われる。本実施例では、空間部52aが形成され、さらに、空間部52aが減圧ポンプ46により減圧されるので燃料の気化が促進され、この結果、シリンダヘッド51の冷却効果が向上している。
気化した状態で減圧ポンプ46により吸引された燃料は、冷却系燃料リターン経路44を通り、復水器45へ流入する。すなわち、減圧ポンプ46は空間部52a内を減圧するだけでなく、空間部52a内へ気化した燃料を復水器45へ吸い込む役割も担っている。復水器45では、流入した燃料が、冷却され、再び液体の状態へ還元される。復水器45で液体に還元された燃料は、オイルパン3へ回収され、再び、循環する。このような構成とすることで、軽油を大気中に放出することなく、再利用することができ、効率よく燃料を利用することができる。
以上説明したように、燃料経路52へ供給された燃料の気化に伴う吸熱効果を利用して、シリンダヘッド51を冷却することができる。
次に本発明の実施例4について説明する。実施例4のエンジン200は燃料である軽油を潤滑油として利用する形式のディーゼルエンジンであり、その概略構成は、実施例1におけるエンジン1とほぼ同一である。ただし、冷却対象部をシリンダブロック61、特にシリンダブロック上部61aとしており、このシリンダブロック上部61aを冷却する構造を備えている。
図5は実施例4のエンジン200におけるピストン60周辺を中心に示した模式図である。エンジン200には燃焼室25近傍のシリンダブロック上部61aに燃料経路62が形成されている。この燃料経路62は冷却対象部であるシリンダブロック上部61aへ燃料を供給する燃料供給手段である。また、エンジン200にはシリンダヘッド63に空間部64が形成されている。ここで、シリンダブロック61にシリンダヘッド63を装着されていることにより、空間部64は燃料経路62と連通される。このように燃料経路62と連通する空間部64が形成されていることにより燃料経路62内の燃料は気化することができる。これらの燃料経路62、空間部64は、シリンダの周囲に形成されている。
なお、その他の構成は実施例2と同一であるため、実施例2と同一の構成要素については、図面中同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。
以上のように構成されたエンジン200におけるシリンダブロック上部61a及びシリンダヘッド63の冷却について具体的に説明する。まず、潤滑ポンプ9によって圧送された燃料が冷却系燃料供給経路43を通じて燃料経路62内へ供給される。燃料経路62内に供給された燃料は気化する。このとき気化に伴う吸熱反応によりシリンダブロック上部61aから熱が奪われ、シリンダブロック上部61aの冷却が行われる。本実施例では、燃料経路62と連通した空間部64が形成され、さらに、空間部64が減圧ポンプ46により減圧されるので燃料の気化が促進され、この結果、シリンダブロック上部61aの冷却効果が向上している。このようにシリンダブロック61とシリンダヘッド63に亘って、燃料気化手段を構成することもできる。
気化した状態で減圧ポンプ46により吸引された燃料は、冷却系燃料リターン経路44を通り、復水器45へ流入する。すなわち、減圧ポンプ46は空間部64内を減圧するだけでなく、空間部64内へ気化した燃料を復水器45へ吸い込む役割も担っている。復水器45では、流入した燃料が、冷却され、再び液体の状態へ還元される。復水器45で液体に還元された燃料は、オイルパン3へ回収され、再び、循環する。このような構成とすることで、軽油を大気中に放出することなく、再利用することができ、効率よく燃料を利用することができる。
以上説明したように、燃料経路62へ供給された燃料の気化に伴う吸熱効果を利用して、シリンダブロック上部61aおよびシリンダヘッド63を冷却することができる。
上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、さらに本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。
例えば、本発明の実施例を種々組み合わせた構成も本発明の範囲内といえる。
さらに、実施例1乃至4のいずれのエンジンも、本発明の燃料気化手段として形成された空間部を減圧し、燃料の気化を促進する構成としているのに対し、特に減圧手段を設けず、図2の空間部27や図3の燃料経路42にて自然気化させる構成とすることもできる。具体的には、実施例1における減圧ポンプ30を省略した構成である。実施例2、実施例3、実施例4でも同様に、減圧ポンプ46を省略した構成とすることができる。このように減圧手段を設けないエンジンであっても、燃料の自然気化による吸熱作用によって、冷却対象部を冷却することができる。
また、本発明はエンジン各部の冷却を目的としており、燃料気化手段として構成した閉空間を減圧する機能を備えたが、例えば、燃焼機械の暖機時に圧力ポンプによって閉空間を加圧して、燃料の気化を抑えることで、冷却対象部の冷却を抑制することもできる。このように閉空間の気圧を加減して燃料の気化による吸熱効果を制御することもできる。
実施例1のエンジンの概略構成を示した説明図である。 実施例1のエンジンのピストン周辺を中心に示した模式図である。 実施例2のエンジンのピストン周辺を中心に示した模式図である。 実施例3のエンジンのピストン周辺を中心に示した模式図である。 実施例4のエンジンのピストン周辺を中心に示した模式図である。
符号の説明
1、100、150、200 エンジン
2 燃料タンク
3 オイルパン
6 エンジン潤滑系
7 潤滑系燃料供給経路
8 フィルタ
9 潤滑ポンプ
10 冷却対象部
11、43 冷却系燃料供給経路
12 潤滑系燃料リターン経路
13 リフォーマ
14、44 冷却系燃料リターン経路
20、40、50、60 ピストン
21 コネクティングロッド
22 シリンダライナ
23、61 シリンダブロック
24、51、63 シリンダヘッド
25 燃焼室
27、42a、52a、64 空間部
28 オイルジェット
29、45 復水器
30、46 減圧ポンプ
41 シリンダブロック
42、52、62 燃料経路
47 ウォータジャケット

Claims (9)

  1. 燃料を潤滑油として潤滑系へ供給する潤滑経路と、
    冷却対象部へ燃料を供給する燃料供給手段と、
    当該燃料供給手段により供給された前記燃料を気化させる燃料気化手段と、
    を備えたことを特徴とするエンジン。
  2. 請求項1記載のエンジンにおいて、
    前記燃料供給手段は、シリンダ内で往復動するピストンへ向かって燃料を噴射するオイルジェットであることを特徴としたエンジン。
  3. 請求項1記載のエンジンにおいて、
    前記燃料供給手段は、シリンダ内で往復動するピストンへ向かって燃料を噴射するオイルジェットであるとともに、
    前記燃料気化手段は、前記シリンダ内の気圧を低下させる減圧手段を備えたことを特徴とするエンジン。
  4. 請求項1記載のエンジンにおいて、
    前記燃料供給手段はシリンダブロックの上部に設けられた燃料経路であることを特徴としたエンジン。
  5. 請求項1記載のエンジンにおいて、
    前記燃料供給手段はシリンダブロックの上部に設けられた燃料経路であるとともに、
    前記燃料気化手段は前記燃料経路と連通する空間部であることを特徴としたエンジン。
  6. 請求項1記載のエンジンにおいて、
    前記燃料供給手段はシリンダヘッド内に設けられた燃料経路であることを特徴としたエンジン。
  7. 請求項1記載のエンジンにおいて、
    前記燃料供給手段はシリンダヘッド内に設けられた燃料経路であるとともに、
    前記燃料気化手段は前記燃料経路と連通する空間部であることを特徴としたエンジン。
  8. 請求項5又は7記載のエンジンにおいて、
    前記燃料気化手段は前記空間部内の気圧を低下させる減圧手段を備えたことを特徴とするエンジン。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項記載のエンジンにおいて、
    前記燃料気化手段により気化した燃料の回収手段を備えたことを特徴とするエンジン。
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RU2468215C2 (ru) * 2010-08-05 2012-11-27 Валерий Туркубеевич Пчентлешев Тепловой двигатель, например двигатель внутреннего сгорания
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