JP2008188549A - 固液分離装置 - Google Patents

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英夫 富田
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勝蔵 粉川
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Abstract

【課題】脱水性能の向上と低コスト化を図った固液分離装置を提供することを目的とするものである。
【解決手段】間隙をおいて長形状のリング体21を複数配置したストレーナ25と、ストレーナを内蔵した容器26と、容器26に開口した固液の入口29および液体の出口30と、リング体21に付着する固形物を掻き取るスクレーパ31とを備えたものである。これによって、固形物はストレーナ25の長径側端部に掻き揚げられ、かつ短径側に崩れるように広がるので、固形物に付着した水分が抜け易い。さらに、ストレーナ25の回転に応じて固形物はストレーナ25の外形長径側端部へ移動し、ストレーナ25と容器26との間隙で圧縮され脱水性能の向上が図れる。他方、長形状のリング体21が外形短径の分、金属平板の利用度が改善され、低コスト化が図れる。
【選択図】図1

Description

本発明は、破砕された生ごみなどの固形物が混ざった固液を固形物と液体とに分離する固液分離装置に関するものである。
従来、この種の固液分離装置は、台所などで発生する生ごみを水道水と共に粉砕し、脱水する生ごみ処理装置に使われている(例えば、特許文献1参照)。
図7に示すように、この固液分離装置は、外形に所定角度間隔で突出した突出部1を設け、加えて内形に回転軸2に連結する連結体3を設けた複数の円形リング体4を、間隙を有して積層構成にした円筒状のストレーナ5と、ストレーナ5より大きいほぼ円筒状の空間を横になるように形成し、かつストレーナ5を回転自在になるように内蔵した容器6と、ストレーナ5の外側に位置し容器6に開口した固液が流入する入口7と、ストレーナ5の内側に位置しストレーナ5の間隙を通過した液体を排水する出口8と、ストレーナ5の各間隙に先端が進入して円形リング体4に付着する固形物を掻き取るスクレーパ9と、容器6に開口したスクレーパ9で掻き取った固形物を外へ排出する取出口10とからなる。
上記固液分離装置は、まず粉砕機(図示せず)が投入された生ごみと水道水を粉砕し、次に混合した固液が入口7から容器6に流入する。そして、駆動部(図示せず)によりストレーナ5が回転して、突出部1が固形物(粉砕された生ごみ)を掻き揚げている。その後、突出部1に乗っかった固形物や円形リング体4の側面に付着した固形物は、スクレーパ9によりストレーナ5から剥離して取出口10から乾燥やバイオの処理手段(図示せず)に排出される。一方、液体(水道水や生ごみの汁など)はストレーナ5の間隙を通過して出口8から排水される。
特許第3600474号公報
しかしながら、前記従来の構成では、突出部1に掻き揚げられた固形物に付着した水分は、自重によりストレーナ5の間隙を通過して出口8から排水されるので、脱水性能が悪い。すなわち、自重による脱水作用は、液の表面張力が脱水性能に悪影響を及ぼすものである。この結果、大量の水分を含んだ固形物が処理手段に排出されるので、処理手段は大きな処理能力が必要になる。また、突出部1に乗っかった固形物は局所的な固まりになるので、内部の水分が抜けにくく、脱水性能が悪いものであった。他方、突出部1を設けた円形リング体4が金属平板を打ち抜いて形成する場合、金属平板の利用度が悪く、コスト高になるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、脱水性能の向上と低コスト化を図った固液分離装置を提供することを目的とするものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明の固液分離装置は、間隙をおいて長形状のリング体を複数配置したストレーナと、前記ストレーナを回転自在になるように内蔵した容器と、前記ストレーナの外側に位置し前記容器に開口した固液の入口と、前記ストレーナの内形短径内に位置し容器に開口した液体の出口と、前記ストレーナの各間隙に突出しリング体に付着する固形物を掻き取るスクレーパとを備えたものである。
これによって、固形物(粉砕された生ごみ)はストレーナの長径側端部に掻き揚げられ、かつストレーナの短径側に崩れるように広がるので、固形物に付着した水分(水道水や生ごみの汁など)が抜け易い。さらに、ストレーナの回転に応じて固形物はストレーナの外形長径側端部へ移動し、ストレーナと容器との間隙で圧縮され脱水性能の向上が図れる。他方、長形状のリング体が金属平板を打ち抜いて形成する場合、外形短径の分、金属平板の利用度が改善され、低コスト化が図れる。
本発明の固液分離装置は、脱水性能の向上と低コスト化を図ることができるものである。
第1の発明は、間隙をおいて長形状のリング体を複数配置したストレーナと、前記ストレーナを回転自在になるように内蔵した容器と、前記ストレーナの外側に位置し前記容器に開口した固液の入口と、前記ストレーナの内形短径内に位置し容器に開口した液体の出口と、前記ストレーナの各間隙に突出しリング体に付着する固形物を掻き取るスクレーパとを備えた固液分離装置とするものである。これによって、固形物(粉砕された生ごみ)はストレーナの長径側端部に掻き揚げられ、かつストレーナの短径側に崩れるように広がるので、固形物に付着した水分(水道水や生ごみの汁など)が抜け易い。さらに、ストレーナの回転に応じて固形物はストレーナの外形長径側端部へ移動し、ストレーナと容器との間隙で圧縮され脱水性能の向上が図れる。他方、長形状のリング体が金属平板を打ち抜いて形成する場合、外形短径の分、金属平板の利用度が改善され、低コスト化が図れる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、複数のストレーナを備え、各ストレーナは回転軸に90度角度をずらせて配置したことにより、固形物は各ストレーナの長径側端部に次々掻き揚げられ分散するので、ストレーナの長径側端部の先端と容器との空間による脱水は4ヶ所でタイミングが異なり、容器の応力が分散されると共に、ストレーナの回転トルクが抑えられる。
第3の発明は、特に、第1の発明において、複数のストレーナを備え、各ストレーナは回転軸に一定角度づつ角度をずらせて複数配置したことにより、固形物は長形状のリング体の長径側端部に次々掻き揚げられ分散するので、ストレーナの長径側端部の先端と容器との空間による脱水は複数ヶ所でタイミングが異なり、容器の応力が分散されると共に、ストレーナの回転トルクが抑えられる。特に、固形物が隣接する長形状のリング体の長径側端部に挟まれるので、固形物が掻き揚げられ易く、固形物の回収性能が向上する。
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明において、スクレーパはストレーナの内形短径内まで突出したことにより、スクレーパはストレーナの間隙を全て通過するので、長形状のリング体側面に付着する固形物を確実に掻き取ることができる。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、容器の入口はストレーナの外形長径の接線方向に対応して開口していることにより、固形物がストレーナの長径側端部に向かって流れるので、ストレーナの長径側端部は固形物を掻き揚げ易く、固形物の回収性能が向上する。
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1つの発明において、長形状のリング体は長径側端部に切り欠き部を形成したことにより、固形物が切り欠き部に入り込むので、ストレーナの長径側端部が固形物を掻き揚げ易く、固形物の回収性能が向上する。
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれか1つの発明において、長形状のリング体の内形は円形とすることにより、長形状のリング体の特に長径側端部の強度が向上する。
第8の発明は、特に、第1〜第7のいずれか1つの発明において、ストレーナは、内形短径より内側に位置しリング体の間隙を設定する間隙設定部を有することにより、スクレーパと間隙設定部との衝突を回避できる。他方、スクレーパが長形状のリング体側面に付着する固形物を確実に掻き取ると共に、間隙設定部がストレーナの間隙を設定する。
第9の発明は、特に、第8の発明において、間隙設定部は、長形状のリング体と連結し、かつ連結体を介して回転軸と連結することにより、全ての長形状のリング体に対応して連結体を設ける必要がないので、連結体の数を絞ることができる。他方、長形状のリング体側面に付着する固形物を確実に掻き取ると共に、ストレーナを回転できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1、図2は、本発明の実施の形態1における固液分離装置を示している。
図1に示すように、長形状(ここでは楕円形状)のリング体21は、内面から内形短径A内深くまで突出した突起部22を4ケ所形成している。リング体21の間隙を設定する角柱形状の間隙設定部23には、突起部22が所定の間隙(例えば0.5mm)を有して差し込むようにスリット24を設けている。ストレーナ25は、リング体21の突起部22を間隙設定部23のスリット24に差し込み、間隙をおいて長形状のリング体21を複数積層配置することにより構成している。したがって、間隙設定部23は各リング体21と連結している。
容器26は、ストレーナ25の外形長径Bより大きいほぼ円筒状の空間を横になるように形成し、ストレーナ25を回転自在に内蔵している。容器26内の回転軸27は、駆動手段(図示せず)に連結してあり、連結体28(スポーク)を介して間隙設定部23と連結している。円形状の入口29は、ストレーナ25の外側に位置し容器26に開口しており、粉砕機(図示せず)により生ごみと水道水が粉砕、混合され、その固液が流入する。楕円形状の出口30は、ストレーナ25の内形短径A内に位置し容器26に開口しており、ストレーナ25の間隙を通過した液体を排水する。
スクレーパ31は、ストレーナ25の各間隙に先端が進入し、リング体21に付着する固形物を掻き取るものであり、先端がストレーナ25の内形短径A内にわずかに入った位置するまで伸びている。取出口32は、容器26に開口しており、スクレーパ31で掻き取った固形物を処理手段(図示せず)へ排出する。制御部(図示せず)は、駆動手段と粉砕機を制御する。
以上のように構成された固液分離装置において、その動作を説明する。
まず、生ごみが粉砕機に投入され、かつ水道水が流し込まれると、制御部が破砕機と駆動手段の駆動を開始する。破砕機が生ごみを粉砕し、水道水と混合して固液を形成し、この固液が入口29から容器26に流入する。また、駆動手段の動力が回転軸27を回転させ、連結体28および間隙設定部23を介して伝わり、ストレーナ25が回転を開始する。特に、駆動手段の動力が最終的には間隙設定部23からリング体21へ伝わるので、全てのリング体21に連結体28を設ける必要がなく、この場合、連結体28の本数を抑えることができ、組立易く、低コスト化が図れる。
そして、図2に示すように、水分を大量に含んだ固形物C(粉砕された生ごみ)は回転したストレーナ25の長径側端部25Aに掻き揚げられ、かつストレーナ25の短径25B側に崩れるように広がる(太い矢印)ので、固形物Cに付着した水分(水道水や生ごみの汁など)が自重により抜け易く、間隙設定部23により設定されたストレーナ25の間隙を通過して(細い矢印)出口30から下水などへ排水される。なお、ストレーナ25の間隙より小さい固形物Cは当然ストレーナ25の間隙を通過して出口30から排水される。さらに、ストレーナ25回転方向上流側の長径側端部25Aと容器26内周面との空間D(図1の点線のほぼ三角領域)はストレーナ25の回転方向下流側へ狭くなっているので、固形物Cはストレーナ25の回転にしたがって容器26内周面との摩擦によりストレーナ25の長径側端部25Aのさらに先端へ移動する。この結果、水分を大量に含んだ固形物C自身が圧縮されるので、脱水が促進するという効果がある。
また、スクレーパ31はストレーナ25の内形短径A内にわずかに入った位置まで突出しているので、スクレーパ31は全てのストレーナ25の間隙を通過し、リング体21側面に付着する固形物Cを確実に掻き取ることができる。他方、間隙設定部23がストレーナ25の内形短径Aより内側に深く位置し、ストレーナ25の間隙を設定しているので、スクレーパ31との衝突を回避できる。
他方、金属平板を打ち抜いて長形状のリング体21を形成する場合、円形リング体(外形長径のみ)に比べて、長形状のリング体21が外形短径の分、金属平板の利用度が改善され、低コストになる。
(実施の形態2)
図3、図4は、本発明の実施の形態2における固液分離装置を示している。実施の形態1と同一要素については同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態において、実施の形態1と異なるところは、ストレーナ33、34、35を回転軸27に対して各90度角度をずらせて等間隔で配置して積層構成としたこと、各ストレーナ33、34、35の内側が容器26内に直接臨まないように長形状のリング体36の内形37を外形短径より径の小さい円形(ほぼ円形であれば良い)としたこと、リング体36はストレーナ33、34、35の回転方向側の長径側端部36Aに半円形状の切り欠き部38を形成したことである。
まず、粉砕された生ごみと水道水が混合した固液が入口29から容器26に流入する。そして、ストレーナ33、34、35が回転を開始すると、固形物C(粉砕された生ごみ)は各ストレーナ33、34、35の長径側端部36Aに次々掻き揚げられ分散するので、各ストレーナ33、34、35の長径側端部36Aの先端と容器26との空間Dによる脱水は複数ヶ所でタイミングが異なり、容器26の応力が分散されると共に、ストレーナ33、34、35の回転トルクが抑えられる。他方、リング体36の内形37を円形に形成しているので、リング体36の長径側の幅が広くなり、リング体36の長径側端部36Aの強度が向上する。また、固形物Cが切り欠き部38に入り込むので、固形物Cはストレーナ33、34、35の長径側端部36Aに掻き揚げられ易く、固形物の回収性能が向上する。なお、各ストレーナ33、34、35の内側が容器26内に直接臨んでいないので、入口29から流入した固液が直接出口30へショートパスすることはなく、固液は各ストレーナ33、34、35の間隙で固液分離ができる。
(実施の形態3)
図5、図6は、本発明の実施の形態3における固液分離装置を示している。実施の形態1と同一要素については同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態において、実施の形態1と異なるところは、ストレーナ39を、リング体36を回転軸27に対して各45度(90度以内の角度であれば45度に限らない)角度をずらせて等間隔で配置して積層構成としたこと、また入口29をストレーナ39の外形長径Bの接線方向(ほぼ接線方向であれば良い)に対応して開口したことである。
まず、粉砕された生ごみと水道水が混合した固液が、入口29から容器26に流入し、ストレーナ39の長径側端部36Aに向かって流れるので、ストレーナ39は固形物C(粉砕された生ごみ)を掻き揚げ易く、固形物Cの回収性能が向上する。また、固形物Cは、各リング体36の長径側端部36Aに次々掻き揚げられ分散するので、ストレーナ39の長径側端部36Aの先端と容器26との空間Dによる脱水は複数ヶ所でタイミングが異なり、容器26の応力が分散されると共に、ストレーナ39の回転トルクが抑えられる。他方、固形物Cが隣接する両リング体36の長径側端部36Aに挟まれた空間E(ほぼ扇状領域)に入り込むので、固形物Cが掻き揚げられ易く、固形物Cの回収性能が向上する。
なお、各実施の形態1〜3において、リング体は楕円形の場合を示したが、トラック形や四角形でもよく、要は固形物が掻き揚げられる長形状なら同様の効果が得られる。また、間隙設定部23は、スペーサや長形状のリング体に形成したリブや凸部で間隙を規定後にリング体と連結しても同様の効果が得られる。また、入口29と出口30は長形状のリング体に一部分が重なっていても、ストレーナ25、33、34、35、39が回転すれば重なりが解消されるので、問題にならない。
以上のように、本発明にかかる固液分離装置は、脱水性能の向上と低コスト化を図ることができるものであるので、生ごみ処理装置はもちろんのこと固液分離を必要とする他の装置にも適用できる。
本発明の実施の形態1における固液分離装置の断面図 同固液分離装置の動作状態を示す動作説明図 本発明の実施の形態2における固液分離装置の断面図 同固液分離装置のストレーナの構成図 本発明の実施の形態3における固液分離装置の断面図 同固液分離装置のストレーナの構成図 従来の固液分離装置の断面図
符号の説明
21、36 長形状のリング体
23 間隙設定部
25、33、34、35、39 ストレーナ
26 容器
27 回転軸
28 連結体
29 入口
30 出口
31 スクレーパ
38 切り欠き部

Claims (9)

  1. 間隙をおいて長形状のリング体を複数配置したストレーナと、前記ストレーナを回転自在になるように内蔵した容器と、前記ストレーナの外側に位置し前記容器に開口した固液の入口と、前記ストレーナの内形短径内に位置し容器に開口した液体の出口と、前記ストレーナの各間隙に突出しリング体に付着する固形物を掻き取るスクレーパとを備えた固液分離装置。
  2. 複数のストレーナを備え、各ストレーナは回転軸に90度角度をずらせて配置した請求項1に記載の固液分離装置。
  3. 複数のストレーナを備え、各ストレーナは回転軸に一定角度づつ角度をずらせて複数配置した請求項1に記載の固液分離装置。
  4. スクレーパはストレーナの内形短径内まで突出した請求項1〜3のいずれか1項に記載の固液分離装置。
  5. 容器の入口はストレーナの外形長径の接線方向に対応して開口している請求項1〜4のいずれか1項に記載の固液分離装置。
  6. 長形状のリング体は長径側端部に切り欠き部を形成した請求項1〜5のいずれか1項に記載の固液分離装置。
  7. 長形状のリング体の内形は円形とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の固液分離装置。
  8. ストレーナは、内形短径より内側に位置しリング体の間隙を設定する間隙設定部を有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の固液分離装置。
  9. 間隙設定部は、長形状のリング体と連結し、かつ連結体を介して回転軸と連結する請求項8に記載の固液分離装置。
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