JP2008182848A - 回転電機のステータコイルの製造方法及びステータコイル - Google Patents

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Toshiaki Fuse
俊明 布施
Yutaka Ishiwatari
裕 石渡
Shigehito Ishii
重仁 石井
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Abstract

【課題】素線束と給排液箱とを同時にろう付けするという構造上の問題を解消すると共に、素線束のろう付け欠陥を防止することにある。
【解決手段】回転電機の固定子鉄心の溝内に複数の中実線1及び中空線2からなる素線を束にして挿入されるステータコイルの素線束の端部に、電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を接合するに際して、まず、前記素線束の端部周囲に銅板を配置した後、クランプなどの治具を用いて素線間を密着させ、次いで前記素線束の周囲及び各素線間を摩擦攪拌ツールにより所望の接合経路で摩擦攪拌接合して摩擦攪拌接合部3,4,5を形成し、最後に前記摩擦攪拌接合された素線束から前記治具を取外して回転電機のステータコイルを製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、回転電機のステータコイルの製造方法及びステータコイルに関する。
従来、水冷却大型発電機の固定子鉄心の溝内に挿入されるステータコイルとして、中空導体に直接冷却媒体を給排出するために、コイル導体の電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を巻線端部にろう付けにより接合するようにしたものがある(例えば、特許文献1)。
このようなステータコイルにおいて、給排液箱を巻線端にろう付けするに際しては、ろう付け品質を一定に管理するため、給排液箱内に温度センサとファイバースコープを挿入して温度とろう材の溶融、流出状態を監視し、ろう付け温度とろう付け部の加圧を制御している。また、給排液箱内の酸素濃度を測定して管理している。
特開平09−028062号公報
しかし、上記ステータコイルの巻線端に給排液箱をろう付けする場合、図12(a),(b)に示すように複数の中実線1と中空線2とを並設した列を複数段重ね合せた素線束の各列にろう材34を配置して給排液箱19内に開口部より挿入すると共に、給排液箱19の開口部をカバー20で覆った後、これら給排液箱19、カバー20及び素線束とを高周波誘導加熱により同時にろう付けするようにしているため、構造上、素線束のろう材の挿入位置が限られ、全てのろう付け面間に置きろうできないことが多い。このため、ろう材を配置しにくい素線間にろう材の浸入しにくい部分が発生し、この部分からの漏水により素線の腐蝕が進展し易い。
このようなろう付け欠陥の発生は、前述したように温度とろう材の溶融、流出状態を監視し、ろう付け温度とろう付け部の加圧を制御しても、防止できない場合が多い。
本発明は、素線束と給排液箱とを同時にろう付けするという構造上の問題を解消すると共に、素線束のろう付け欠陥を防止することができる回転電機のステータコイルの製造方法及びステータコイルを提供することを目的とする。
本発明は上記の目的を達成するため、次のような方法で回転電機のステータコイルを製造するものである。
請求項1に対応する発明は、回転電機の固定子鉄心の溝内に複数の中実線及び中空線からなる素線を束にして挿入されるステータコイルの素線束の端部に、電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を接合するに際して、まず、前記素線束の端部周囲に金属板を配置した後、クランプなどの治具を用いて素線間を密着させ、次いで前記素線束の周囲及び各素線間を摩擦攪拌ツールにより所望の接合経路で摩擦攪拌接合し、最後に前記摩擦攪拌接合された素線束から前記治具を取外して回転電機のステータコイルを製造する。
請求項2に対応する発明は、回転電機の固定子鉄心の溝内に複数の中実線及び中空線からなる素線を束にして挿入されるステータコイルの素線束の端部に、電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を接合するに際して、まず、前記素線束の周囲を固定具で固定した後、素線間をろう付けして電気的な接続を確保し、次いで前記固定具を取外した上で前記素線束の周囲及び各素線間の表面を摩擦攪拌ツールにより所望の経路で摩擦攪拌処理して素線束表層を封止して回転電機のステータコイルを製造する。
請求項3に対応する発明は、回転電機の固定子鉄心の溝内に複数の中実線及び中空線からなる素線を束にして挿入されるステータコイルの素線束の端部に、電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を接合するに際して、まず、クランプなどの治具を用いて素線束の各素線間を密着させた上で、前記素線束の端面に前記中空線に対応する位置に中空線用孔が開けられた金属板からなるシール板を配置し、次いで前記素線束の中実線内を開始位置として摩擦攪拌接合ツールを挿入し、前記中空線の孔の周囲に沿って摩擦攪拌接合を行って前記中空線の孔周囲にシール部を形成し、最後に前記素線束の中実線内の接合終了位置で摩擦攪拌接合ツールを抜いて接合を終了し、これらの処理を順次行うことにより前記素線束と中空線孔の周囲を全てシール接合して回転電機のステータコイルを製造する。
請求項4に対応する発明は、回転電機の固定子鉄心の溝内に複数の中実線及び中空線からなる素線を束にして挿入されるステータコイルの素線束の端部に、電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を接合するに際して、まず、前記素線束の周囲を固定枠で固定した上で、各素線内に拡充用ピンを圧入して各素線端を拡大させることにより各素線間の隙間を減少させ、次いで、前記拡充用ピンを抜き取った後、前記素線束の周囲及び各素線間を摩擦攪拌接合して回転電機のステータコイルを製造する。
請求項5に対応する発明は、回転電機の固定子鉄心の溝内に複数の中実線及び中空線からなる素線を束にして挿入されるステータコイルの素線束の端部に、電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を接合する回転電機のステータコイルの製造方法において、前記請求項1又は請求項3記載の方法により摩擦攪拌接合された素線束、あるいは請求項2記載の方法により摩擦攪拌処理された素線束を前記給排液箱に設けられた開口部より該給排液箱内に挿入して前記開口部を閉塞した後、前記素線束を前記給排液箱にろう付けにより接合して回転電機のステータコイルを製造する。
請求項6に対応する発明は、回転電機の固定子鉄心の溝内に複数の中実線及び中空線からなる素線を束にして挿入されるステータコイルの素線束の端部に、電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を接合する回転電機のステータコイルの製造方法において、前記給排液箱をその開口部を閉塞するカバーの内面位置で前記素線束の挿入方向と直交する方向から素線束側給排液箱部と給排口側給排液箱部とに分離し、次いで前記素線束側給排液箱部内に前記請求項1又は請求項3記載の方法により摩擦攪拌接合された素線束、あるいは請求項2記載の方法により摩擦攪拌処理された素線束を挿入し、その後、摩擦攪拌接合ツールにより、摩擦攪拌接合された素線束と前記素線束側給排液箱部とを摩擦攪拌接合し、最後に前記素線束側給排液箱部に前記給排口側給排液箱部を接合して回転電機のステータコイルを製造する。
請求項7に対応する発明は、回転電機の固定子鉄心の溝内に複数の中実線及び中空線からなる素線を束にして挿入されるステータコイルの素線束の端部に、電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を接合する回転電機のステータコイルの製造方法において、前記給排液箱をその開口部を閉塞するカバーの内側で前記素線束の挿入方向と直交する方向から素線束側給排液箱部と給排口側給排液箱部とに分離し、次いで前記素線束側給排液箱部内に前記素線束を挿入した状態で、前記素線束の周囲及び各素線間を摩擦攪拌ツールにより所望の接合経路で摩擦攪拌接合し、最後に前記素線束及び前記素線束側給排液箱部を摩擦攪拌接合した後、前記素線束側給排液箱部に前記給排口側給排液箱部を接合して回転電機のステータコイルを製造する。
請求項8に対応する発明は、回転電機の固定子鉄心の溝内に複数の中実線及び中空線からなる素線を束にして挿入されるステータコイルの素線束の端部に、電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を接合する回転電機のステータコイルの製造方法において、前記給排液箱をその開口部を閉塞するカバーの内側で前記素線束の挿入方向と直交する方向から素線束側給排液箱部と給排口側給排液箱部とに分離し、次いで前記素線束側給排液箱部内に予めろう付けして電気的な接続が確保された素線束を挿入した状態で、前記素線束の周囲及び各素線間の表面を摩擦攪拌ツールにより所望の経路で摩擦攪拌処理して素線束表層を封止し、最後に前記素線束及び前記素線束側給排液箱部を摩擦攪拌接合した後、前記素線束側給排液箱部に前記給排口側給排液箱部を接合して回転電機のステータコイルを製造する。
請求項9に対応する発明は、回転電機の固定子鉄心の溝内に複数の中実線及び中空線からなる素線を束にして挿入されるステータコイルの素線束の端部に、電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を接合する回転電機のステータコイルの補修方法において、前記給排液箱をその開口部を閉塞するカバーの内側で前記素線束の挿入方向と直交する方向に切断して素線束側給排液箱部と給排口側給排液箱部に分割し、次いで接合装置固定具とその内面に配置される摩擦攪拌接合ツールとを備えた小型摩擦攪拌接合装置と共に、前記素線束が接合された素線束側給排液箱部の外面に固定し、この状態で前記摩擦攪拌接合ツールを素線間、給排液箱間などに挿入、移動させて補修のための摩擦攪拌処理を行い、この摩擦攪拌処理が終了すると前記接合装置固定具を前記素線束側給排液箱部から取外し、次いで、前記接合装置固定具を前記素線束側給排液箱部に固定し、前記素線束側給排液箱部の分離面に前記給排口側給排液箱部を配置し、前記接合装置固定具に配置された摩擦攪拌接合ツールにより、給排液箱の分割部を接合して補修を終了する。
請求項10に対応する発明は、請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の方法により製造された回転電機のステータコイル。
本発明によれば、素線束と給排液箱とを同時にろう付けするという構造上の問題を解消すると共に、素線束のろう付け欠陥を防止することができる。
以下本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態として水冷却タービン発電機のステータコイルの製造方法を説明するための図である。
図1(a)に示すように、ステータコイルは中実線1と中空線2とを交互に複数列、複数段束にして構成され、水冷却タービン発電機の固定子鉄心に設けられている溝内に収納されるものである。これら中実線1と中空線2を総称して素線と呼び、またこれらを束にしたものを素線束と呼ぶ。素線は純銅製で、数ミリメートルの矩形で四隅が円弧状の曲面(R形状)になっている。また、中空線2は冷却水が流れる通水孔を有し、この通水孔を流れる冷却水が漏れないようにこれら素線間を封止する必要があり、また素線間は電気的に接続する必要がある。
本実施形態では、素線束の端部において、各素線間の封止及び電気接続を従来のろう付けに代えて摩擦攪拌接合により行うものである。
まず、素線束の周囲に図示しない銅板を配置すると共に、接合時における素線束のずれを防止するため、クランプなどの治具を用いて素線間が密着するようにしておく。
この状態で、図1(b)の左側に示すように、素線束の右上から図示しない摩擦攪拌ツールを用いて素線の並設方向に接合を開始し、列間の摩擦攪拌接合部3を形成する。さらに、図1(b)の右側に示すように素線束の右上から図示しない摩擦攪拌ツールを用いて素線の積重ね方向に接合を開始し、素線間の摩擦攪拌接合部4を形成する。この場合、周囲に配置された図示しない銅板とも接合が行われる。
これらの処理により図1(c)に示すように素線間の全てに摩擦攪拌接合部5が形成され、素線間の封止と電気接続が達成される。
上記摩擦攪拌接合処理において、摩擦攪拌接合ツールは、アルミニウムなどの摩擦攪拌接合に用いられる工具鋼などが使用される。
また、素線は断面寸法が小さく、しかも中空線にあっては中空部があるので、摩擦攪拌接合ツールのショルダー部が中空線の中空部をつぶさないように小型のツールが用いられる。また、ツール先端のピンも直径1〜2mm程度と細くなるので、通常のツールを用いた銅の摩擦攪拌接合条件よりも高速回転としている。
ここで、摩擦攪拌接合の条件の具体例としては、ツール回転数1000〜5000rpm、ツール移動速度300〜2000mm/min程度である。条件に幅を持たせているのは、ピンの太さ、長さ、接合部の銅の硬さなどにより条件が変わるためである。すなわち、ピンの太さが細くなると太いものより周速度が小さくなるので、回転数を高くする必要がある。また、ピン長さが長くなると接合深さが深くなるので移動速度は小さくなり、また銅の硬さが硬くなれば移動速度は小さくなる。
従来のろう付けでは、深さ20mm程度を接合しているが、ピン径1〜2mmで深さ20mmを摩擦攪拌接合することは、現状では容易ではない。したがって、本実施形態では深さ5〜10mm程度の接合を行っている。
摩擦攪拌接合では、ろう付けと比較して素線間が確実に封止されるため、極端な例では表面1mm程度の接合でも素線間の封止が可能である。但し、必要な電気接続面積を考慮して接合深さを決定する。
また、深さ10mm程度でも不足の場合は、従来のろう付けで電気接続面積を確保した後、摩擦攪拌処理により表層を封止する方法を採用すればよい。
なお、前述した実施形態では、図1(b)の左側に示したように素線の並設方向に接合し、列間の摩擦攪拌接合部3を形成した後、図1(b)の左側に示したように素線の積重ね方向に接合し、素線間の摩擦攪拌接合部4を接合するようにしたが、接合経路はこの方法に限られるものではなく、中実線と中空線の配置を考慮して適宜決定すればよい。また、一度接合した経路をさらに接合経路としても接合上の問題はない。
また、素線四隅に形成されているR部の隙間が大き過ぎて接合に不都合がある場合には、銅の丸棒、あるいはこの隙間に合せて成形した星型の銅棒を充填した後、摩擦攪拌接合してもよい。
かくして摩擦攪拌接合された素線束からクランプの取外しとその周囲に配置された銅板を切離した後、給排液箱と素線束との接合面にろう材を配置した上で素線束を給排液箱内に収納すると共に、開口部をカバーで閉塞し、この状態で高周波誘導加熱により素線束に給排液箱がろう付される。この場合、鋼板を矩形として、そのまま給排液箱に接合しても良い。
このように本発明の第1の実施形態によれば、素線間の接合として、従来のろう付けに代えて欠陥が殆んど発生しない摩擦攪拌接合を用いたので、素線間の封止が確実に達成され、冷却水のリークを防止することができる。
また、高周波誘導加熱などを用いたろう付けでは、素線構成や熱容量の大きい給排液箱の形状寸法毎に加熱条件を適正化する必要があったが、摩擦攪拌接合の場合は、これらが変化しても接合条件はほぼ一定でよく、しかもその条件制御も機械的なものでよいので、精度、再現性に優れており、単に接合経路の変更のみで対応可能である。
さらに、従来のろう付けでは、欠陥の発生を防止するためにろう材を多めに供給することもあり、中空線の孔にろう材が浸入して孔を塞いでしまうこともあったが、本実施形態では素線束にろう材を使用しないので、かかる孔詰まりが発生するようなことがなくなる。
また、ろう付けの場合は、単に素線間の隙間によるリークだけでなく、微小隙間に浸入した冷却水にろう材成分が溶解して高濃度になり、接合部で腐蝕が進行してリークが発生していたが、本実施形態では素線束にろう材を使用していないので、このような腐蝕の問題も解消することができる。
(第2の実施形態)
図2(a),(b)は、本発明の第2の実施形態を説明するための図である。
第2の実施形態では、中実線1と中空線2を図1(a)のような配列構成の素線束に対して、予めろう付けにより図2(a)に示すように素線相互間にろう付け部6を形成しておく。
この場合、給排液箱がない状態で素線束のみをろう付けするので、素線束の周囲をセラミックスなどの固定具、あるいは金属材料とセラミックス材料を組合せた固定具で固定してろう付けが行われる。ろう材は従来と同様のリン銅ろうを用いる。
上記のろう付け処理で極端なろうのはみ出しなどがある場合には、ろう付けした素線束の表面を機械加工、グラインダーなどで平らにしておく。この状態で素線束表面を第1の実施形態と同様に摩擦攪拌接合ツールで摩擦攪拌処理する。
但し、本実施形態では、既にろう付けにより電気接続に必要な面積を接合しているので、摩擦攪拌処理により、表層の封止のみ実施すればよい。
したがって、処理深さは第1の実施形態の接合深さより浅くてよい。ここでは、図2(b)に示すように深さ1mmを摩擦攪拌処理により封止した。また、摩擦攪拌条件は第1の実施形態と同様であるが、第1の摩擦攪拌部が銅のみであるのに対し、本実施形態では銅とろう材の混合となる。ろう材は銅よりも硬いため、摩擦攪拌ツールの摩擦攪拌条件は銅のみの場合と比較して高速回転側、低移動速度側となる。
かくして摩擦攪拌処理された素線束と給排液箱との接合面にろう材を配置した上で素線束を給排液箱内に収納すると共に、開口部をカバーで閉塞し、この状態で高周波誘導加熱により素線束に給排液箱がろう付される。
このように本発明の第2の実施形態によれば、予め素線束の素線相互間をろう材によりろう付けし、素線束表層を摩擦攪拌処理により確実に封止しているので、ろう材を用いていない第1の実施形態と同様の効果が得られる。
このように本発明の第2の実施形態によれば、予め素線束の素線相互間をろう材によりろう付けしているので、素線束表層は摩擦攪拌処理により確実に封止され、ろう材を用いていない第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、最初に行われるろう付けでは、電気接続面積の確保を行うだけなので、ろう付けのみでは腐蝕発生につがるようなボイド欠陥でも許容することができる。このため、ろう付け条件をシビヤに制御する必要がなくなる。
さらに、摩擦攪拌処理の深さが浅いので、処理が容易であり、接合ツールの寿命も長くなる。また、摩擦攪拌接合装置の出力、加圧力などが小さくてよいので、摩擦攪拌接合装置を小型化できる。
(第3の実施形態)
図3(a)〜(d)は、本発明の第3の実施形態を説明するための図である。
第3の実施形態では、図3(a)に示すように第1及び第2の実施形態と同様の素線束に加えて、同図(b)に示すように素線束の中空線2に対応する位置に中空線用孔7が開けられた例えば銅材からなるシール板8を用い、このシール板8を同図(c)に示すように素線束の端面に配置する。
この状態でシール板8の周囲部を摩擦攪拌ツールにより摩擦攪拌して図3(d)の左側に示すように素線束の周囲にシール部9を形成する。素線束だけでは処理幅が不足する場合は、図示しない銅板を素線束周囲に配置し、シール板8と接合する。この場合、接合はシール板8とその下に配置した素線束あるいは銅板との重ね接合となる。
次に中実線内を接合開始位置11として摩擦攪拌接合ツールを挿入し、中空線2の孔の周囲に沿って接合を行い、中空線2のシール部10を形成する。
最後に中実線1内の接合終了位置12で摩擦攪拌接合ツールを抜いて接合を終了する。これらの処理を順次行い、図3(d)の左側に示すように素線束と中空線孔の周囲を全てシール接合する。
かくして摩擦攪拌処理された素線束と給排液箱との接合面にろう材を配置した上で素線束を給排液箱内に収納すると共に、開口部をカバーで閉塞し、この状態で高周波誘導加熱により素線束に給排液箱がろう付される。
本発明の第3の実施形態によれば、純銅同士の重ね接合を行うので、第2の実施形態のようにろう材より硬いろう付け部を含む摩擦攪拌接合よりも接合が容易で安定する。シールが必要な部分のみを摩擦攪拌接合するので、接合長さを短くでき、接合時間の短縮、接合ツール寿命の延長も達成できる。また、接合の開始、終了位置を中実線内としているので、ピン固定式の摩擦攪拌接合ツールを用いて接合開始、終了位置に接合孔が残留していても、封止には関与しないため、冷却水のリーク発生を防止することができる。
(第4の実施形態)
図4(a)〜(d)は、本発明の第4の実施形態を説明するための図である。
第4の実施形態では、図4(a)に示すように前述した実施形態と同様に中実線1と中空線2とを配列構成した素線束の周囲を例えば銅材からなる固定枠13で固定し、この状態で素線束の各々の素線内に同図(b)の左側に示すような拡充用ピン14を圧入する。この場合、中空線2に対しては、孔の内部に拡充用ピン14を圧入して孔を拡大することで、素線四隅のR部の隙間を減少させることができる。
このように各素線に対して拡充用ピン14を圧入することで、図4(c)に示すように中実線圧入部16、中空線圧入部17が形成され、素線四隅のR部の隙間18が減少する。
この場合、拡充する相手材は軟質の純銅なので、拡充用ピン14の材質はステンレス鋼など通常の鉄鋼材料で十分である。また、拡充用ピン14の圧入には、油圧プレスなどを用いれば良い。さらに、拡充用ピン14を素線内に圧入した後、拡充用ピン14を図示紙面で上下、左右方向に移動させて拡充量を増加させても良い。
上記では、各素線に対してそれぞれ拡充用ピン14を圧入するようにしたが、同図(b)の右側に示すようにベース15aに複数本の拡充用ピン14を予定の間隔を存して植設した拡充用ピン集合体15を用いて複数の素線を同時に拡充するようにしても良い。
各素線の拡充により素線の四隅部分の隙間を減少させた後、拡充用ピン14を抜き取った後、図4(d)に示すように素線束周囲及び素線間を摩擦攪拌ツールにより接合して摩擦攪拌接合部5を形成する。この場合、周囲の固定枠13をそのまま接合しても良く、また固定枠13を外し、図示しない給排液箱に挿入して給排液箱と接合しても良い。
このように本発明の第4の実施形態によれば、各素線の接合前に素線を拡充し、素線四隅の隙間を減少させるようにしたので、第1の実施形態で述べたような銅棒の充填が不要である。
また、第2の実施形態を適用した場合には、素線四隅のろう材量が減少し、摩擦攪拌接合部がより純銅に近くなるので、摩擦攪拌接合が容易になる。
さらに、第3の実施形態を適用した場合においても、素線四隅の接合部に接合欠陥が発生しにくくなる。また、素線間の隙間も減少し、素線間の固定がより強固になるので、摩擦攪拌接合部の接合品質を向上させることができる。
(第5の実施形態)
図5(a),(b)は、本発明の第5の実施形態を説明するための図である。
第5の実施形態では、第1の実施形態又は第2の実施形態、あるいは第3の実施形態により摩擦攪拌接合した素線束を図5(a)に示すように開口部を通して給排液箱19内に挿入した後、開口部をカバー20で閉塞する。この場合、給排液箱19と素線束の接合面にろう材を配置した上で、高周波誘導加熱により従来と同様にろう付けを行ってこれらの接合面にろう付け部21を形成する。
この場合、ろう材は給排液箱19及びカバー20に設けた図示しないろう材設置溝に設置しても良く、またカバー20と素線束の間に板ろうを配置しても良く、さらにこれらと併用、あるいは単独で外部から差しろうしても良い。
また、ろう材はリン銅ろう(BCuP―3、BCuP―5など)を用い、ろう付け温度は700〜750℃程度とした。
このように本発明の第5の実施形態では、素線束と給排液箱を接合する前に素線束のみで素線束の摩擦攪拌接合、あるいは摩擦攪拌処理(封止)を行っているので、摩擦攪拌接合ツールを素線表面に容易にアクセスすることができる。
通常の給排液箱は冷却水供給用の孔が開いているのみなので、給排液箱に挿入した状態で素線表面に摩擦攪拌接合ツールを押し込むことは容易ではなく、この場合は給排液箱の開口部を大きくしたり、あるいはカバーを最後に接合するような方法を採用したりする必要がある。
(第6の実施形態)
図6(a)〜(c)は、本発明の第6の実施形態を説明するための図である。
第6の実施形態では、給排液箱19をその開口部を閉塞するカバーの内面位置で素線束の挿入方向と直交する方向に切断して素線束側給排液箱部と給排口側給排液箱部に分割し、素線束側給排液箱部の素線束の接合作業空間を確保した上で、第1の実施形態又は第2の実施形態、あるいは第3の実施形態により摩擦攪拌接合した素線束を図6(a)に示すように開口部を通して給排液箱19内に挿入した後、開口部をカバー20で閉塞する。
その後、同図(b)に示すように接合開始位置22に摩擦攪拌接合ツールを挿入し、摩擦攪拌接合部23を形成し、接合終了位置24で摩擦攪拌接合ツールを抜いてカバー20の接合を終了する。
次いで、図6(c)に示すように接合開始位置25に挿入された摩擦攪拌接合ツールにより、摩擦攪拌接合された素線束と素線束側給排液箱部とを摩擦攪拌接合して摩擦攪拌接合部26を形成し、接合終了位置27で摩擦攪拌接合ツールを抜いて素線束側給排液箱部との接合を終了する。
この場合、摩擦攪拌接合の開始と終了は孔が残存しても問題のない給排液箱19とカバー20内とした。
かくして、摩擦攪拌接合された素線束と給排液箱19及びカバーとを摩擦攪拌接合した後、給排液箱19を分割した素線束側給排液箱部と給排口側給排液箱部との分割部が接合される。
なお、給排液箱19の図示していない分割部の接合は、ろう付けしても良く、また摩擦攪拌接合で接合しても良い。
このように本発明の第6の実施形態によれば、給排液箱19をその開口部を閉塞するカバーの内面位置で素線束の挿入方向と直交する方向に切断して素線束側給排液箱部と給排口側給排液箱部に分割し、給排液箱19の素線束の接合作業空間を確保した上で、第1の実施形態又は第2の実施形態により摩擦攪拌接合した素線束、あるいは第3の実施形態により摩擦攪拌処理した素線束を開口部より素線束側給排液箱部内に挿入し、開口部をカバー20で閉塞した後、まずカバー20を素線束側給排液箱部の開口部に摩擦攪拌接合し、次いで素線束側給排液箱部と素線束とを摩擦攪拌接合し、最後に分割された素線束側給排液箱部に給排口側給排液箱部を接合するようにしたので、給排液箱19内での摩擦攪拌接合を容易に行うことができる。
(第7の実施形態)
図7(a),(b)は、本発明の第7の実施形態を説明するための図である。
第7の実施形態では、給排液箱19をその開口部を閉塞するカバーの内面位置で素線束の挿入方向と直交する方向に切断して素線束側給排液箱部19aと給排口側給排液箱部19bに分割して接合作業空間を確保した上で、中実線1と中空線2とを図1(a)に示すような配列構成の素線束を給排液箱19内に開口部より挿入した後、開口部をカバー20で閉塞する。この際、素線間に隙間がある場合は、図示しない銅板のスペーサを素線間に挿入して隙間を小さくしておく。
この状態で図7(a)に示すように素線間を摩擦攪拌ツール28により第1の実施形態と同様の方法により摩擦攪拌接合する。そして、素線束、素線束側給排液箱部19a及びカバー20を第6の実施形態と同様に摩擦攪拌接合した後、同図(b)に示すように給排液箱19を分割した素線束側給排液箱部19aと給排口側給排液箱部19bの分割部30を摩擦攪拌ツール28により摩擦攪拌接合する。
このように本発明の第7の実施形態によれば、給排液箱19内で素線束の各素線間を第1の実施形態と同様に摩擦攪拌ツール28により容易に摩擦攪拌接合することができると共に、給排液箱19及びカバー20との接合も同時に行うことができる。
また、第2の実施形態で述べた摩擦攪拌処理を行う場合には、素線束側給排液箱部19a内に予めろう付けして電気的な接続が確保された素線束を挿入した後、開口部をカバーで閉塞し、この状態で素線束の周囲及び各素線間の表面を摩擦攪拌ツールにより所望の経路で摩擦攪拌処理して素線束表層を封止する以外は上記実施形態と同様である。
(第8の実施形態)
図8(a),(b)〜図11(a),(b)は、本発明の第8の実施形態としてステータコイルを構成する素線束端部の補修方法を説明するための図である。
図8(a)に示すように中実線1及び中空線2からなる素線束に接合された給排液箱19は、素線表面へのアクセスが困難なので、給排液箱19をその開口部を閉塞するカバーの内面位置で素線束の挿入方向と直交する方向に切断して素線束側給排液箱部19aと給排口側給排液箱部19bに分割し、給排口側給排液箱部19bを取除くことで、素線束側給排液箱部19aは同図(b)のように素線束が接合された端面側が開口された状態となる。
次に図9(a)に示すように摩擦攪拌接合ツール28の押付け力を加えても変形しない剛性を有する断面矩形状の接合装置固定具32とこの接合装置固定具32の内面に配置される摩擦攪拌接合ツール28とを備えた小型摩擦攪拌接合装置と共に、同図(b)のように素線束が接合された素線束側給排液箱部19aの外面に固定する。
この状態で摩擦攪拌接合ツール28を素線間、給排液箱間などに挿入、移動させて補修のための摩擦攪拌接合を行う。接合後は接合装置固定具32を素線束側給排液箱部19aから取り外す。
次に図10(a)に示すような接合装置固定具33を同図(b)に示すように素線束側給排液箱部19aに固定する。そして、素線束側給排液箱部19aの分割面に先に分割された給排口側給排液箱部19bを配置し、接合装置固定具33に配置された摩擦攪拌接合ツール28を挿入し、給排液箱19の分割部30を接合して終了する。
なお、図9に示す給排液箱内部接合用と図10に示す給排液箱の分割面接合用の固定具を共用にしても良い。
図11(a),(b)は給排液箱19を分割した素線束側給排液箱部19aと給排口側給排液箱部19bとの接合方法を説明するための図である。
図11(a)は、矩形状の給排液箱19を分割した素線束側給排液箱部19aと給排口側給排液箱部19bとを摩擦攪拌ツール28により接合する場合である。このような矩形状の給排液箱19の分割面を接合するには円形の接合装置固定具32の内面に摩擦攪拌接合ツール28を配置し、この摩擦攪拌接合ツール28は、矩形四隅R部に対する角度及び速度が制御可能な機構と制御部を備えている。
図11(b)は、接合装置を簡易化するために円形状の給排液箱33を用い、この給排液箱33を分割した素線束側給排液箱部と給排口側給排液箱部とを摩擦攪拌ツール28により接合する場合である。この場合、給排口側給排液箱部は円形となるので、この給排口側給排液箱部の接合時、摩擦攪拌接合ツールの角度や速度は一定でよく、接合装置を小型化できる。
なお、この方法と装置は発電所の現地での補修接合に有効であるが、工場での製造においても使用することができる。
このような本発明の第8の実施形態によれば、補修する給排液箱を素線束側給排液箱部と給排口側給排液箱部に分割し、素線束側給排液箱部の摩擦攪拌接合ツールによる接合作業面側を開口するようにしているので、給排液箱内部の補修処理を容易に行うことができる。
(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態として水冷却タービン発電機のステータコイルの製造方法を説明するための図。 (a),(b)は、本発明の第2の実施形態を説明するための図。 (a)〜(d)は、本発明の第3の実施形態を説明するための図。 (a)〜(d)は、本発明の第4の実施形態を説明するための図。 (a),(b)は、本発明の第5の実施形態を説明するための図。 (a)〜(c)は、本発明の第6の実施形態を説明するための図。 (a),(b)は、本発明の第7の実施形態を説明するための図。 (a),(b)は、本発明の第8の実施形態としてステータコイルを構成する素線束端部を補修するにあたり、給排液箱を素線束側給排液箱部と給排口側給排液箱部に分割する過程を示す図。 (a),(b)同じく素線束端部の補修するため、接合装置固定具に摩擦攪拌接合ツールを備えた小型摩擦攪拌接装置と素線束が接合された素線束側給排液箱部の固定する過程を示す図。 (a),(b)同じく素線束端部の補修後、接合装置固定具に固定された摩擦攪拌接合ツールを備えた小型摩擦攪拌接装置により分割された素線束側給排液箱部と給排口側給排液箱部とを接合する過程を示す図。 (a),(b)は形状の異なる給排液箱を分割した素線束側給排液箱部と給排口側給排液箱部との接合方法を説明するための図。 (a),(b)は従来の回転電機のステータコイルにおいて、素線束端部の各素線間及び給排液箱を全てろう付けにより接合する過程を示す図。
符号の説明
1…中実線、2…中空線、3,4,5…摩擦攪拌接合部、6…ろう付け部、7…中空線用孔、8…シール板、9,10…シール部、11…接合開始位置、12…接合終了位置、13…固定枠、14…拡充用ピン、15…拡充用ピン集合体、16…中実線圧入部、17…中空線圧入部、18…素線四隅のR部の隙間、19…給排液箱、19a…素線束側給排液箱部、19b…給排口側給排液箱部、20…カバー、21…ろう付け部、22,25…接合開始位置、23,26…摩擦攪拌接合部、24,27…接合終了位置、28…摩擦攪拌ツール、30…分割部、32…接合装置固定具、33…円形状の給排液箱

Claims (10)

  1. 回転電機の固定子鉄心の溝内に複数の中実線及び中空線からなる素線を束にして挿入されるステータコイルの素線束の端部に、電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を接合するに際して、
    まず、前記素線束の端部周囲に金属板を配置した後、クランプなどの治具を用いて素線間を密着させ、
    次いで前記素線束の周囲及び各素線間を摩擦攪拌ツールにより所望の接合経路で摩擦攪拌接合し、
    最後に前記摩擦攪拌接合された素線束から前記治具を取外す
    ことを特徴とする回転電機のステータコイルの製造方法。
  2. 回転電機の固定子鉄心の溝内に複数の中実線及び中空線からなる素線を束にして挿入されるステータコイルの素線束の端部に、電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を接合するに際して、
    まず、前記素線束の周囲を固定具で固定した後、素線間をろう付けして電気的な接続を確保し、
    次いで前記固定具を取外した上で前記素線束の周囲及び各素線間の表面を摩擦攪拌ツールにより所望の経路で摩擦攪拌処理して素線束表層を封止する
    ことを特徴とする回転電機のステータコイルの製造方法。
  3. 回転電機の固定子鉄心の溝内に複数の中実線及び中空線からなる素線を束にして挿入されるステータコイルの素線束の端部に、電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を接合するに際して、
    まず、クランプなどの治具を用いて素線束の各素線間を密着させた上で、前記素線束の端面に前記中空線に対応する位置に中空線用孔が開けられた金属板からなるシール板を配置し、
    次いで前記素線束の中実線内を開始位置として摩擦攪拌接合ツールを挿入し、前記中空線の孔の周囲に沿って摩擦攪拌接合を行って前記中空線の孔周囲にシール部を形成し、
    最後に前記素線束の中実線内の接合終了位置で摩擦攪拌接合ツールを抜いて接合を終了し、
    これらの処理を順次行うことにより前記素線束と中空線孔の周囲を全てシール接合する
    ことを特徴とする回転電機のステータコイルの製造方法。
  4. 回転電機の固定子鉄心の溝内に複数の中実線及び中空線からなる素線を束にして挿入されるステータコイルの素線束の端部に、電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を接合するに際して、
    まず、前記素線束の周囲を固定枠で固定した上で、各素線内に拡充用ピンを圧入して各素線端を拡大させることにより各素線間の隙間を減少させ、
    次いで、前記拡充用ピンを抜き取った後、前記素線束の周囲及び各素線間を摩擦攪拌接合する
    ことを特徴とする回転電機のステータコイルの製造方法。
  5. 回転電機の固定子鉄心の溝内に複数の中実線及び中空線からなる素線を束にして挿入されるステータコイルの素線束の端部に、電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を接合する回転電機のステータコイルの製造方法において、
    前記請求項1又は請求項3記載の方法により摩擦攪拌接合された素線束、あるいは請求項2記載の方法により摩擦攪拌処理された素線束を前記給排液箱に設けられた開口部より該給排液箱内に挿入して前記開口部を閉塞した後、前記素線束を前記給排液箱にろう付けにより接合する
    ことを特徴とする回転電機のステータコイルの製造方法。
  6. 回転電機の固定子鉄心の溝内に複数の中実線及び中空線からなる素線を束にして挿入されるステータコイルの素線束の端部に、電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を接合する回転電機のステータコイルの製造方法において、
    前記給排液箱をその開口部を閉塞するカバーの内面位置で前記素線束の挿入方向と直交する方向から素線束側給排液箱部と給排口側給排液箱部とに分離し、
    次いで前記素線束側給排液箱部内に前記請求項1又は請求項3記載の方法により摩擦攪拌接合された素線束、あるいは請求項2記載の方法により摩擦攪拌処理された素線束を挿入し、
    その後、摩擦攪拌接合ツールにより、摩擦攪拌接合された素線束と前記素線束側給排液箱部とを摩擦攪拌接合し、
    最後に前記素線束側給排液箱部に前記給排口側給排液箱部を接合する
    ことを特徴とする回転電機のステータコイルの製造方法。
  7. 回転電機の固定子鉄心の溝内に複数の中実線及び中空線からなる素線を束にして挿入されるステータコイルの素線束の端部に、電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を接合する回転電機のステータコイルの製造方法において、
    前記給排液箱をその開口部を閉塞するカバーの内側で前記素線束の挿入方向と直交する方向から素線束側給排液箱部と給排口側給排液箱部とに分離し、
    次いで前記素線束側給排液箱部内に前記素線束を挿入した状態で、前記素線束の周囲及び各素線間を摩擦攪拌ツールにより所望の接合経路で摩擦攪拌接合し、
    最後に前記素線束及び前記素線束側給排液箱部を摩擦攪拌接合した後、前記素線束側給排液箱部に前記給排口側給排液箱部を接合する
    ことを特徴とする回転電機のステータコイルの製造方法。
  8. 回転電機の固定子鉄心の溝内に複数の中実線及び中空線からなる素線を束にして挿入されるステータコイルの素線束の端部に、電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を接合する回転電機のステータコイルの製造方法において、
    前記給排液箱をその開口部を閉塞するカバーの内側で前記素線束の挿入方向と直交する方向から素線束側給排液箱部と給排口側給排液箱部とに分離し、
    次いで前記素線束側給排液箱部内に予めろう付けして電気的な接続が確保された素線束を挿入した状態で、前記素線束の周囲及び各素線間の表面を摩擦攪拌ツールにより所望の経路で摩擦攪拌処理して素線束表層を封止し、
    最後に前記素線束及び前記素線束側給排液箱部を摩擦攪拌接合した後、前記素線束側給排液箱部に前記給排口側給排液箱部を接合する
    ことを特徴とする回転電機のステータコイルの製造方法。
  9. 回転電機の固定子鉄心の溝内に複数の中実線及び中空線からなる素線を束にして挿入されるステータコイルの素線束の端部に、電気的通電と冷却媒体の通流とを同時に行うための給排液箱を接合する回転電機のステータコイルの補修方法において、
    前記給排液箱をその開口部を閉塞するカバーの内側で前記素線束の挿入方向と直交する方向に切断して素線束側給排液箱部と給排口側給排液箱部に分割し、
    次いで接合装置固定具とその内面に配置される摩擦攪拌接合ツールとを備えた小型摩擦攪拌接合装置と共に、前記素線束が接合された素線束側給排液箱部の外面に固定し、
    この状態で前記摩擦攪拌接合ツールを素線間、給排液箱間などに挿入、移動させて補修のための摩擦攪拌処理を行い、
    この摩擦攪拌処理が終了すると前記接合装置固定具を前記素線束側給排液箱部から取外し、
    次いで、前記接合装置固定具を前記素線束側給排液箱部に固定し、前記素線束側給排液箱部の分離面に前記給排口側給排液箱部を配置し、前記接合装置固定具に配置された摩擦攪拌接合ツールにより、給排液箱の分割部を接合して補修を終了する
    ことを特徴とする回転電機のステータコイルの補修方法。
  10. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の方法により製造された回転電機のステータコイル。
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