JP2008178793A - 破砕機 - Google Patents

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Abstract

【課題】破砕装置に被破砕材を供給する供給装置の速度調整が困難で安定した破砕ができないことによる、生産性の低下、燃費の悪化、故障の発生などの問題を除く破砕機を提供する。
【解決手段】破砕機11が、V字状に上方を拡げた一対の動歯15および固定歯16を有し、供給された被破砕材R1をこの間で破砕し、調整可能な下方の隙間Sで規定される粒度の破砕材R2を生産する破砕装置3と、破砕装置への被破砕材の供給速度を設定する速度操作器19と、破砕装置の最大生産量およびそれに対応するための被破砕材の最大供給速度を推定し、被破砕材の供給速度を、この最大供給速度あるいは上記の設定供給速度の低い方により制御する制御器28を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば工事現場で発生するコンクリート塊のような被破砕材を破砕するのに好適な破砕機に関する。
・・破砕装置(ジョー式破砕機)概要
構造物の解体において発生するコンクリート塊、道路工事で発生するアスファルト塊、あるいは採石現場における原石、などの破砕に破砕機が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
この破砕機の代表例は、V字状に上方を拡げた一対の動歯および固定歯を有し、供給される被破砕材をこの間で破砕し、調整可能な下方の隙間によって規定される粒度の破砕材を生産する破砕装置と、被破砕物を破砕装置に連続的に供給する供給装置を備えている。
・・供給制御装置
先進の破砕機(例えば、特許文献2参照)は、破砕装置の過負荷防止、作業者による供給量調整の労力軽減などを図るために、破砕装置に被破砕材の供給量を検出するレベルセンサを設け、供給された被破砕材の高さがレベルセンサの高さ以上になり一定時間経過すると、被破砕材の供給装置を停止させ、被破砕材が破砕され供給された被破砕材の高さがレベルセンサの高さ以下になり一定時間経過すると、供給装置を再起動させる自動運転手段を備えている。
特開平9−956号公報(図1) 特開2005−305277号公報(図1)
しかしながら、上述したとおりの形態の破砕機には、次のとおりの解決すべき課題がある。
すなわち、工事現場などにおける作業では、作業者は、被破砕材を供給装置のホッパーに投入する油圧ショベルのような機械の運転と破砕機の運転を兼ねるため、ホッパーに投入した被破砕材を破砕装置に供給する供給装置の速度を、被破砕材の破砕状況に応じて細かく調整するのが困難である。そのため、供給装置の設定速度が適正でないと供給装置のオン・オフが頻繁になり、また破砕装置の負荷の変動が大きく安定した破砕ができなくなり、生産性が低下する、燃費が悪化する、故障が発生する、などの問題がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたもので、その技術的課題は、破砕装置に被破砕材を供給する供給装置の速度調整が困難で、安定した破砕ができないことによる、生産性の低下、燃費の悪化、故障の発生などの問題を除く破砕機を提供することである。
本発明によれば上記技術的課題を解決する破砕機として、V字状に上方を拡げた一対の動歯および固定歯を有し、供給された被破砕材をこの間で破砕し、調整可能な下方の隙間で規定される粒度の破砕材を生産する破砕装置と、この破砕装置への被破砕材の供給速度を設定する速度操作器と、この破砕装置の最大生産量およびそれに対応するための被破砕材の最大供給速度を推定し、被破砕材の供給速度を、この最大供給速度あるいは上記の設定供給速度の低い方により制御する制御器とを備えていることを特徴とする破砕機が提供される。
好適には、前記隙間の大きさを設定する動歯の変位を検出する変位検出器と、動歯を被破砕材破砕のために揺動させる回転体の回転速度を検出する回転検出器と、被破砕材の性状をその見掛け比重により設定する材料選択器とを備え、制御器は、この変位検出器、回転検出器、および材料選択器の出力により、前記の最大生産量および最大供給速度を推定する。
本発明に従って構成された破砕機は、破砕装置への被破砕材の供給速度を設定する速度操作器と、この破砕装置の最大生産量およびそれに対応するための被破砕材の最大供給速度を推定し破砕装置に供給する被破砕材の供給速度をこの最大供給速度あるいは上記設定供給速度の低い方により制御する制御器を備えている。
したがって、破砕装置に供給する被破砕材の供給速度を、破砕装置の最大生産量で推定した最大供給速度あるいは速度操作器による設定供給速度のいずれか低い方で制限するので、非破砕材の供給の過多、それによる供給装置の停止また再始動のような、供給装置の頻繁なオン・オフを防止でき適正な速度で運転できるので、破砕装置の大きな負荷変動が防止され、安定した破砕が可能になり、生産性の低下、燃費の悪化、故障の発生などの問題を除くことができる。
なお、本発明における破砕装置の最大生産量とは、後に詳述するが、破砕装置の生産量を決める種々の要因を設定した状態における破砕装置が生産できる最大の生産量を意味している。
以下、本発明に従って構成された破砕機について、工事現場などで用いられる自走式破砕機における好適実施形態を図示している添付図面を参照して、さらに詳細に説明する。
図1を参照して説明する。全体を番号10で示す自走式破砕機は、下部走行体1、下部走行体1上に装備した、動力源としてのエンジン2、破砕機11、および破砕機11の下方に位置し生産した破砕材を自走式破砕機10の外に搬出するコンベア5を備えている。
破砕機11は、被破砕材R1を破砕する破砕装置3と、破砕装置3に被破砕材R1を供給する供給装置6と、供給装置6の供給速度を調整可能に設定する速度操作器19と、供給装置6の供給速度を制御する制御器28を備えている。
破砕装置3は、V字状に上方を拡げた一対の動歯15および固定歯16を有し、供給された被破砕材R1をこの一対の歯の間で破砕し、調整可能な下方の隙間Sで規定される粒度の破砕材R2を生産する。
供給装置6は、被破砕材R1が油圧ショベルなどによって投入されるホッパー7、ホッパー7の被破砕材R1を破砕装置3の一対の歯の間に送る振動フィーダ4を備えている。
振動フィーダ4は、油圧モータ4aにより前後に往復動され被破砕物R1を順次に送る周知の手段である。振動フィーダ4は途中に、櫛歯状部4bを有し、破砕が不要の小さな塊はこの部分で下方に落される。油圧モータ4aは、電磁比例弁14によって制御された油圧ポンプ13の吐出油により駆動される。
動歯15は、基端側(図1の上端側)が回転体であるフライホイール8にその回転中心から偏心して取り付けられ、先端側(図1の下端側)は隙間Sを調整可能に設定する油圧シリンダなどを備えた隙間調整手段9に連結されている。
破砕機11はまた、設定された一対の歯の隙間Sの大きさを例えば隙間調整手段9の油圧シリンダの長さにより検出する変位検出器17と、動歯15を被破砕材の破砕のために揺動させるフライホイール8の回転速度を検出する回転検出器18と、被破砕材R1(例えばコンクリート塊、アスファルト塊、原石塊など)の性状をその見掛け比重によって設定する切換スイッチで形成された材料選択器20を備えている。
この見掛け比重は、実験などによって求められる。
ホッパー7に投入された被破砕材R1は、図1に矢印で示すように、振動フィーダ4の供給速度により規定される量が破砕装置3に供給され、破砕装置3の一対の動歯15および固定歯16の間で破砕され、隙間Sの所定粒度の破砕物R2に生成され、コンベア5上に落下し搬出される。
一般に破砕機11のような周知の破砕機の生産量Qは次式によって与えられる。
Q=B・(S+t/2)・t・cotα・γ・n・60
ここに、B:破砕室幅
S:動歯と固定歯の設定隙間
t:動歯の移動量
α:動歯と受歯のなす角度
n:動歯を動かす回転体の回転速度
γ:被破砕材の見かけ比重
すなわち、生産量Qを決める要因である、動歯と固定歯の設定隙間S、動歯を動かす回転体の回転速度n、被破砕材の見かけ比重γなどの値を設定することにより、その状態における破砕装置の最大生産量が求められる。
したがって、制御器28は、変位検出器17、回転検出器18、および材料選択器20の出力により、設定した状態における破砕装置3の最大生産量および最大供給速度を推定することができる。
図2を参照して制御器28について説明する。制御器28は、変位検出器17および回転検出器18の信号に基づいて、最大生産量を推定し振動フィーダ4の最大速度を求める最大速度演算器22と、材料選択器20の信号に基づいて、実験などによって求めた補正係数を設定する補正係数設定器23と、補正係数設定器23の出力を最大速度演算器22の出力に掛け合わせ材料に対応した最大速度に補正する乗算器24を備えている。
制御器28はさらに、速度操作器19の信号に基づいて振動フィーダ4の速度を設定する振動フィーダ速度設定器25と、この出力を乗算器24の出力と比較して最小値を選択する最小値選択器26と、最小値選択器26の信号により振動フィーダ用の電磁比例弁14を操作するための信号を設定する電磁比例弁指令値設定器27を備えている。
主として図1を参照して、上述したとおりの破砕機11の作用効果について説明する。
本発明に従って構成された破砕機11は、破砕装置3への被破砕材R1の供給速度を設定する速度操作器19と、破砕装置3の最大生産量およびそれに対応するための被破砕材R1の最大供給速度を推定し、破砕装置3に供給する被破砕材R1の供給速度をこの最大供給速度あるいは上記設定供給速度の低い方により制御する制御器28を備えている。
したがって、破砕装置3に供給する被破砕材R1の供給速度を、破砕装置3の最大生産量で推定した最大供給速度あるいは速度操作器19による設定供給速度のいずれか低い方に制限するので、供給の過多、それによる供給装置6の停止また再始動のような、供給装置6の頻繁なオン・オフを防止でき、適正な速度で運転できるので、破砕装置3の大きな負荷変動を防止し、安定した破砕が可能になり、生産性の低下、燃費の悪化、故障の発生などの問題を除くことができる。
特に、本発明に従って構成された破砕機11は、工事現場を移動しまた工事現場内を移動し、コンクリート塊、アスファルト塊、岩石などのような被破砕材を破砕する自走式破砕機10にとっては、作業者一人での、被破砕材R1の積込機と破砕材R2を生産する破砕機11の運転を容易にし、また生産性を向上させることができ、好適である。
破砕機11は、一対の歯の隙間Sの大きさを設定する動歯15、の変位を検出する変位検出器17と、動歯15を被破砕材R1破砕のために揺動させる回転体であるフライホイール8の回転速度を検出する回転検出器18と、被破砕材R1の性状をその見掛け比重により設定する材料選択器20を備え、制御器28は、この変位検出器17、回転検出器18、および材料選択器20の出力により、破砕装置3の最大生産量および最大供給速度を推定する。
したがって、これらの要因により、適切確実に、破砕装置3の最大生産量および最大供給速度を推定することができる。
以上、本発明を実施例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、例えば下記のように、本発明の範囲内においてさまざまな変形あるいは修正ができるものである。
本発明の実施の形態においては、破砕機11は自走式破砕機10に装備されているが、自走式破砕機以外にも適用できることは言うまでもない。
本発明の実施の形態においては、制御器28は、破砕装置3の最大生産量および最大供給速度を、変位検出器17、回転検出器18、および材料選択器20の出力により推定したが、破砕装置の形態、破砕作業の形態などの違いに応じて、これらの機器のなかから必要なもののみ用意してもよい。
本発明に従って構成された破砕機の、自走式破砕機に搭載した状態での構成説明図。 図1に示す制御器の演算回路図。
符号の説明
3:破砕装置
8:フライホイール(回転体)
11:破砕機
15:動歯
16:固定歯
17:変位検出器
18:回転検出器
19:速度操作器
20:材料選択器
28:制御器
R1:被破砕材
R2:破砕材
S:隙間

Claims (2)

  1. V字状に上方を拡げた一対の動歯および固定歯を有し、供給された被破砕材をこの間で破砕し、調整可能な下方の隙間で規定される粒度の破砕材を生産する破砕装置と、
    この破砕装置への被破砕材の供給速度を設定する速度操作器と、
    この破砕装置の最大生産量およびそれに対応するための被破砕材の最大供給速度を推定し、被破砕材の供給速度を、この最大供給速度あるいは上記の設定供給速度の低い方により制御する制御器と
    を備えていることを特徴とする破砕機。
  2. 前記隙間の大きさを設定する動歯の変位を検出する変位検出器と、
    動歯を被破砕材破砕のために揺動させる回転体の回転速度を検出する回転検出器と、
    被破砕材の性状をその見掛け比重により設定する材料選択器と
    を備え、
    制御器は、この変位検出器、回転検出器、および材料選択器の出力により、前記の最大生産量および最大供給速度を推定する
    ことを特徴とする請求項1記載の破砕機。
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