JP2008177735A - 位相調整装置およびデジタルカメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】人手による再調整なく、自動でかつ高精度に、撮像に用いられるパルスの位相を調整できるようにする。加えて、温度変化や時間劣化などによる外乱を考慮して、位相調整の禁止、中止、再調整が行えるようにする。
【解決手段】撮像素子2で得られたアナログ撮像信号Saをデジタル値に変換して得られるデジタル撮像信号Sdが入力され、デジタル撮像信号に基づいて撮像に用いられるパルスの位相を調整する位相調整装置Aであって、画素領域内の複数の画素について、デジタル撮像信号の輝度のレベルを検出する輝度レベル検出部21と、輝度レベル検出結果に応じてパルスの位相を調整するタイミング調整部23と、タイミング調整部23による位相の調整前に入力信号が異常か否かを検出し、異常を検出したときは位相の調整を禁止する調整禁止制御手段24を備える。また、調整中止制御手段25や再調整制御手段26を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、デジタルカメラにおける撮像に用いるパルスの位相(タイミング)調整を行う位相調整装置、およびこの位相調整装置が組み込まれたデジタルカメラに関する。
デジタルカメラ(デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、カメラ付き携帯電話等)は、CCDやMOSセンサといった撮像素子によって撮像されたアナログ撮像信号をデジタル撮像信号へと変換し、所定の処理を加えた上で記録する。撮像素子によって被写体を撮像するためには、撮像素子を駆動するパルスや信号レベルを検出するパルスなどが必要である。これらのパルスの位相については、製造に起因するばらつきがあることから、ハードウェア設計時に調整することがむずかしい。そこで、製造後に技術者が位相調整を行い、位相調整された位相を示す情報を記憶領域に格納し、実使用において記憶領域から位相情報を読み出して最適位相を設定するようにしている。
従来、また、露光時間を最小としてもっぱらノイズ成分を取り込むようにし、高周波成分(ノイズ成分)が最小となる条件で位相を調整するようにした技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2005−151081号公報(第4−8頁、第1−5図)
デジタルカメラの分野において、位相調整装置を組み込むシステムを種々に変更する場合がある。特に医療用カメラなどの領域においては、デジタルカメラの製造後に撮像素子の交換を行う可能性が出てきている。組み込むシステムや撮像素子が異なると、当然に、それを駆動するパルスの位相も異なることになるため、位相を再調整することとなる。しかし、技術者がマニュアル的に位相を再調整するのでは、組み込むシステムの変更や撮像素子の交換を迅速・容易に行うことはむずかしい。
また、位相調整対象のパルスは複数種類あるが、上記特許文献1の場合には、個々のパルスの特性は考慮せず、すべてのパルスに対して同じ手法で最適位相を求めているため、精度があまり高くない。
また、特許文献1の方法では、自動的な位相調整について、位相調整の禁止、中止、再調整の機能については考慮しておらず、温度変化や時間劣化などの外乱がある場合において、意図しない調整結果になってしまうという課題を有している。
本発明は、このような事情に鑑みて創作したものであり、温度変化や時間劣化などによる外乱を考慮して、位相調整の禁止、中止、再調整が行える位相調整装置を提供することを目的としている。
本発明による位相調整装置は、
撮像素子で得られたアナログ撮像信号を画素毎にデジタル値に変換することにより得られるデジタル撮像信号が入力され、前記デジタル撮像信号に基づいて撮像に用いられるパルスの位相を調整するものであって、
所定の画素領域内の複数の画素について、前記デジタル撮像信号の輝度のレベルを検出する輝度レベル検出部と、
前記輝度レベル検出部の検出結果に応じて前記パルスの位相を調整するタイミング調整部と、
前記タイミング調整部による位相の調整前に入力信号が異常か否かを検出し、異常を検出したときは位相の調整を禁止する調整禁止制御手段とを備えたものである。
本構成によって、入力信号の異常を検出したときは、位相調整を禁止することにより、誤った位相調整が行われることを未然に防ぐことが可能となる。
上記構成の位相調整装置において、前記調整禁止制御手段は、撮像領域の輝度信号を所定の期間測定し、前記輝度信号の分散が所定の閾値を超えていれば、位相調整を禁止するという態様がある。このように構成すれば、撮像素子の出力信号が異常である(撮像対象が動いている場合を含むことがある)と判断することができるため、誤った位相調整が行われることを未然に防ぐことが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、前記調整禁止制御手段は、前記撮像素子のOB領域からOB(OpticalBlack)レベルを検出し、OBレベルが所定の閾値以上であれば、位相調整を禁止するという態様がある。このように構成すれば、異常なOBレベルを検出したときには、OBレベルの影響を受けた入力信号を調整対象とすることが回避される。
また、上記構成の位相調整装置において、さらに、前記撮像素子の温度を検出する温度検出手段を有し、前記調整禁止制御手段は、前記温度検出手段による検出温度が所定の閾値以上であれば、位相調整を禁止するという態様がある。このように構成すれば、異常な温度を検出したときには、温度の影響を受けた入力信号を調整対象とすることが回避される。
また、上記構成の位相調整装置において、前記調整禁止制御手段は、供給電圧が所定の閾値以下であれば、位相調整を禁止するという態様がある。このように構成すれば、供給電圧不足を検出したときには、位相調整によって電力が無駄に消費されることと、電圧不足による誤った位相調整が行われることを未然に防ぐことが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、前記調整禁止制御手段は、撮像領域の輝度信号の振幅期間が所定の閾値以下であれば、位相調整を禁止するという態様がある。このように構成すれば、波形のなまりを検出したときには、誤った位相調整が行われることを未然に防ぐことが可能となる。
また、本発明による位相調整装置は、
撮像素子で得られたアナログ撮像信号を画素毎にデジタル値に変換することにより得られるデジタル撮像信号が入力され、前記デジタル撮像信号に基づいて撮像に用いられるパルスの位相を調整するものであって、
所定の画素領域内の複数の画素について、前記デジタル撮像信号の輝度のレベルを検出する輝度レベル検出部と、
前記輝度レベル検出部の検出結果に応じて前記パルスの位相を調整するタイミング調整部と、
前記タイミング調整部による位相の調整中に入力信号が異常か否かを検出し、異常を検出したときは位相の調整を中止する調整中止制御手段とを備えたものである。
本構成によって、入力信号の異常を検出したときは、位相調整を中止することにより、誤った位相調整が行われることを未然に防ぐことが可能となる。
上記構成の位相調整装置において、前記調整中止制御手段は、撮像領域の輝度信号を所定の期間測定し、前記輝度信号の差分が所定の閾値を超えていれば、位相調整を中止するという態様がある。このように構成すれば、輝度信号の急激な変化を検出したときには、誤った位相調整が行われることを未然に防ぐことが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、前記調整中止制御手段は、予め定められた期待値との差分をみて決定し、その差分が所定の閾値以上であれば、位相調整を中止するという態様がある。このように構成すれば、位相調整された値が真に最適値であるか判断することができるため、大きく期待値と差のある調整が行れることを未然に防ぐことが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、前記調整中止制御手段は、前記撮像素子のOB領域からOBレベルを所定の期間測定し、OBレベルの差分が所定の閾値を超えていれば、位相調整を中止するという態様がある。このように構成すれば、OBレベルのずれを検出したときには、OBレベルのずれに伴う位相のずれを未然に防ぐことが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、前記調整中止制御手段は、パルスの位相を所定の期間測定し、位相の差分が所定の閾値を超えていれば、位相調整を中止するという態様がある。このように構成すれば、位相のずれを検出したときには、誤った位相調整が行われることを未然に防ぐことが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、さらに、前記撮像素子の温度を検出する温度検出手段を有し、温度を所定の期間測定し、前記調整中止制御手段は、温度の差分が所定の閾値を超えていれば、位相調整を中止するという態様がある。このように構成すれば、温度のずれを検出したときには、温度の影響を受けた入力信号を調整対象とすることが回避される。
また、上記構成の位相調整装置において、前記調整中止制御手段は、撮像領域の高周波成分を所定の期間測定し、高周波成分の差分が所定の閾値を超えていれば、位相調整を中止するという態様がある。このように構成すれば、高周波成分の変化を検出したときには、撮像領域の変化した入力信号を調整対象とすることが回避される。
また、上記構成の位相調整装置において、前記調整中止制御手段は、供給電圧を所定の期間測定し、供給電圧が所定の閾値を超えていれば、位相調整を中止するという態様がある。このように構成すれば、供給電圧不足を検出したときには、誤った位相調整が行われることを未然に防ぐことが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、前記調整中止制御手段は、撮像領域の輝度信号の振幅期間を測定し、所定の閾値以下であれば、位相調整を中止するという態様がある。このように構成すれば、周波数特性による波形のなまりを検出したときには、精度の悪い調整が行れることを未然に防ぐことが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、前記調整中止制御手段は、撮像領域の輝度信号を測定し、スミアを検出した場合、位相調整を中止するという態様がある。このように構成すれば、スミアの影響を受けたまま位相調整されることを回避し、誤った位相調整が行われることを未然に防ぐことが可能となる。
また、本発明による位相調整装置は、
撮像素子で得られたアナログ撮像信号を画素毎にデジタル値に変換することにより得られるデジタル撮像信号が入力され、前記デジタル撮像信号に基づいて撮像に用いられるパルスの位相を調整するものであって、
所定の画素領域内の複数の画素について、前記デジタル撮像信号の輝度のレベルを検出する輝度レベル検出部と、
前記輝度レベル検出部の検出結果に応じて前記パルスの位相を調整するタイミング調整部と、
前記タイミング調整部による位相の調整中に入力信号が異常か否かを検出し、異常を検出したときは位相の調整を中止する調整中止制御手段と、
前記調整中止制御手段により位相調整が中止となった後、入力信号が正常であることを検出すると、位相調整を再開する再調整制御手段とを備えたものである。
本構成によって、入力信号の異常を検出したときは、位相調整を中止することにより、誤った位相調整が行われることを未然に防ぐことが可能になるとともに、中止した後に再び調整することで、位相調整中止状態がいたずらに長く続くということや、位相がずれたまま撮像されるといったことは回避される。
また、上記構成の位相調整装置において、前記再調整制御手段は、位相調整を中止した場合において、撮像領域の輝度信号を所定の期間測定し、前記輝度信号の分散が所定の閾値以下であれば、再調整を行うという態様がある。このように構成すれば、輝度信号が安定していることの検出を通じて、自動的に再調整を開始することが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、前記再調整制御手段は、位相調整を中止した場合において、前記撮像素子のOB領域からOBレベルを所定の期間測定し、OBレベルの分散が所定の閾値以下であれば、再調整を行うという態様がある。このように構成すれば、OBレベルが安定していることの検出を通じて、自動的に再調整を開始することが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、前記再調整制御手段は、位相調整を中止した場合において、パルスの位相を所定の期間測定し、位相の差分の分散が所定の閾値以下であれば、再調整を行うという態様がある。このように構成すれば、パルスの位相が安定していることの検出を通じて、自動的に再調整を開始することが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、前記再調整制御手段は、位相調整を中止した場合において、温度を所定の期間測定し、温度の差分の分散が所定の閾値以下であれば、再調整を行うという態様がある。このように構成すれば、温度が安定していることの検出を通じて、自動的に再調整を開始することが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、前記再調整制御手段は、位相調整を中止した場合において、撮像領域の高周波成分を所定の期間測定し、高周波成分の差分の分散が所定の閾値以下であれば、再調整を行うという態様がある。このように構成すれば、高周波成分の変化が少ないことを検出したときには、自動的に再調整を開始することが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、前記再調整制御手段は、位相調整を中止した場合において、供給電圧を所定の期間測定し、供給電圧が所定の閾値を超えていれば、再調整するという態様がある。このように構成すれば、供給電圧が十分であることの検出を通じて、自動的に再調整を開始することが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、前記再調整制御手段は、位相調整を中止した場合において、撮像領域の輝度信号の振幅期間を測定し、所定の閾値以上であれば、再調整を行うという態様がある。このように構成すれば、振幅の期間を検出することを通じて、自動的に再調整を開始することが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、前記再調整制御手段は、位相調整を中止した場合において、撮像領域の輝度信号を測定し、スミアを検出しなかった場合には、再調整を行うという態様がある。このように構成すれば、位相位相調整中止中のスミアの有無を検出し、スミアなしと判断したときは、自動的に再調整を開始することが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、前記再調整制御手段は、所定の時間が経過した場合に、再調整を行うという態様がある。このように構成すれば、タイマを用いて所定の時間ごとにタイミングを作ることができるため、随時再調整を開始することが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、前記再調整制御手段は、駆動モードが変わった場合に、再調整を行うという態様がある。このように構成すれば、駆動モードの切り替わりで再調整することができるため、駆動モード変更時の位相のずれを即時調整することが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、前記再調整制御手段は、再調整を行う場合、データ検出範囲を所定の領域に制限するという態様がある。このように構成すれば、測定範囲が狭まることから測定速度を向上することが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、所定の信号を時間軸方向でサンプリングするという態様がある。このように構成すれば、平均的な位相を求めることができるため、位相調整の精度を向上することが可能となる。
また、上記構成の位相調整装置において、さらに、撮像領域の輝度信号の振幅期間を測定し、所定の期間より短かかった場合、絞りを絞ることで調整可能な信号レベルにする制御手段を備えているという態様がある。このように構成すれば、1次的な判断で位相調整を中止することを防ぎ、復旧した信号で再調整することが可能となる。
また、本発明による位相調整装置は、
撮像素子で得られたアナログ撮像信号を画素毎にデジタル値に変換することにより得られるデジタル撮像信号が入力され、前記デジタル撮像信号に基づいて撮像に用いられるパルスの位相を調整するものであって、
所定の画素領域内の複数の画素について、前記デジタル撮像信号の輝度のレベルを検出する輝度レベル検出部と、
前記輝度レベル検出部の検出結果に応じて前記パルスの位相を調整するタイミング調整部と、
位相調整前に入力信号の異常を検出し、位相調整を禁止する調整禁止制御手段と、
前記タイミング調整部による位相の調整中に入力信号が異常か否かを検出し、異常を検出したときは位相の調整を中止する調整中止制御手段と
前記調整中止制御手段により位相調整が中止となった後、入力信号が正常であることを検出すると、位相調整を再開する再調整制御手段とを備えたものである。
また、本発明によるデジタルカメラは、上記のいずれかの位相調整装置が搭載されたものである。
本発明によれば、撮像素子自体を交換した場合や、外的要因(温度、電圧変化等)、経年劣化によって撮像素子の特性が変化した場合に、タイミングジェネレータから出力されるパルスの位相を調整する過程において、その位相調整が適正に行われないと予測できる場合には、その位相調整を禁止したり、中断し、再調整したりすることができる。
以下、本発明にかかわる位相調整装置搭載のデジタルカメラの実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
図1(a)は本発明の実施の形態におけるデジタルカメラの全体的な構成を示すブロック図、図1(b)はDSPの詳細を示すブロック図である。位相調整装置は破線Aにより示される。本実施の形態におけるデジタルカメラは、被写体像を撮像素子2上に集光するための光学レンズ1と、光学レンズ1によって集光された被写体像を撮像する撮像素子2(以下はCCDを例に説明)と、撮像素子2から出力されるアナログ撮像信号Saに所定の処理を加えてデジタル撮像信号Sdに変換するアナログフロントエンド10と、アナログフロントエンド10から出力されるデジタル撮像信号Sdに所定の処理(色補正、YC処理等)を加えて映像信号を生成するDSP(Digital Signal Processor)11とを備えている。撮像素子2は複数の画素を有しており、これらの複数の画素は、被写体の撮像に用いられる有効画素領域と、有効画素領域の周辺に遮光された状態で配置されてOB(OpticalBlack)レベルの検出に用いられるOB画素領域とから構成されている。
アナログフロントエンド10は、撮像素子2から出力されるアナログ撮像信号Saを、温度上昇によって発生する暗電流の増加分をキャンセルするためにOB領域をクランプするOBクランプ回路3、撮像素子(CCDイメージセンサ)2のアンプ雑音とリセット雑音を除去し、アナログ撮像信号Saの信号レベルを確定するために相関二重サンプリング(CDS:Correlated Double Sampling)を行う相関二重サンプリング部4と、相関二重サンプリング部4から出力される信号を調整可能なゲインで増幅する自動利得制御部(AGC:AutomaticGain Control)5と、自動利得制御部5によって増幅された信号をデジタル撮像信号Sdへと変換するAD変換器(Analog DigitalConverter)6と、さらに撮像に用いるためのパルスを生成するタイミングジェネレータ(Timing Generator)7と、タイミングジェネレータ7によって生成されたパルスを撮像素子2へと出力するための垂直ドライバ8とを備えている。
DSP11は、全体的なシステムの制御を行うためのCPU12、信号処理に必要な一時記憶領域としての記憶手段(DRAM)13、撮像素子2の温度を測定するための温度センサ14とを用いて、アナログフロントエンド10より出力される信号に所定の演算を施し、異常信号を検出することで、タイミングジェネレータ7が生成するパルスの位相(タイミング)調整を行う。15はレンズ駆動制御部である。なお、温度センサ14の設置箇所は、撮像素子2の付近に置くことが望ましい。
次に、図1(b)に示すDSP11について説明する。21は所定の領域内の選択された画素の信号レベルの平均値を求めることにより輝度のレベルを検出する輝度レベル検出部、22は選択された画素間の信号レベルの分散を演算する分散演算部、23は輝度レベル検出部21と分散演算部22の検出・演算結果に基づいて、タイミングジェネレータ7が生成する基準サンプルパルスDS1、ピークサンプルパルスDS2およびADクロック信号ACKの位相(タイミング)調整を行うタイミング調整部、24はタイミング調整部23による位相の調整前に入力信号が異常か否かを検出し、異常を検出したときは位相の調整を禁止する調整禁止制御手段、25はタイミング調整部23による位相の調整中に入力信号が異常か否かを検出し、異常を検出したときは位相の調整を中止する調整中止制御手段、26は調整中止制御手段25により位相調整が中止となった後、入力信号が正常であることを検出すると、位相調整を再開する再調整制御手段である。
図2は撮像素子2から出力される信号成分を時系列で表した図である。図2に示すように、アナログ撮像信号Saは、リセット期間T1と基準期間T2と信号期間T3とから構成されている。リセット期間T1は、撮像素子2をリセットするのに用いられる期間である。
基準期間T2は撮像素子2から基準電圧が出力される期間であり、相関二重サンプリング部4が動作する際の基準となる信号を検出する期間である。信号期間T3は信号電圧が出力される期間であり、信号期間T3においてピークとなる信号電圧と基準期間T2における基準電圧とをサンプリングし、差分をとることによってアナログ撮像信号Saの信号レベルVsを得ることが可能となる。なお、図2では、図中の下方向を信号成分が正の方向として規定している。
図3は相関二重サンプリング部4のブロックを示した図である。OBクランプ回路3より出力された信号に対して、基準サンプルパルスDS1、ピークサンプルパルスDS2を与えることにより位相調整を行う。基準サンプルパルスDS1、ピークサンプルパルスDS2はタイミングジェネレータ7から出力される。差動増幅器4cは、OBクランプ回路3から出力された信号を、サンプルホールド回路4aにおいて基準サンプルパルスDS1でサンプリングホールドした信号と、サンプルホールド回路4bにおいてピークサンプルパルスDS2でサンプリングホールドした信号を入力し、両信号の差分をとって、その差分信号をアナログ撮像信号Saの信号レベルVsとして自動利得制御部5に出力する。
図4は本実施の形態における、各パルスの位相調整の全体フローを示している。調整対象となるパルスは、図3に示すピークサンプルパルスDS2および基準サンプルパルスDS1と、AD変換器6に対するADクロック信号ACKとなっている。基準サンプルパルスDS1とは、相関二重サンプリングで基準となる信号成分をサンプリングするためのパルスである。したがって、基準期間の中心において立ち上がりエッジがくるように位相調整されることが望ましい。ピークサンプルパルスDS2とは、信号期間T3においてピークとなる信号成分をサンプリングするためのパルスである。したがって、撮像素子2から出力される信号成分がピークとなるときに立ち上がりエッジがくるように位相調整されることが望ましい。ここで、相関二重サンプリング部4によって求められる信号レベルVsとは、ピークサンプルパルスDS2の立ち上がりにおけるピークの信号成分と、基準サンプルパルスDS1の立ち上がりによって定まる基準期間内の信号成分との差分に他ならない。ADクロック信号ACKはAD変換器6の動作用のクロック信号であり、AD変換結果がばらつかないように位相調整されることが望ましい。
DSP11における輝度レベル検出部21は、輝度レベルを検出すべき第1の画素領域内の複数の画素でのデジタル撮像信号Sdについて輝度レベルを検出し、得られた輝度情報をタイミング調整部23に与える。タイミング調整部23は、受け取った輝度情報に基づいて、パルスの位相を調整する。すなわち、信号期間においてピークとなる信号成分をサンプリングするためのピークサンプルパルスDS2の位相調整、および相関二重サンプリングで基準となる信号成分をサンプリングするための基準サンプルパルスDS1の位相調整を行う。
また、分散演算部22は、画素間の信号ばらつきを示す分散を算出すべき第2の画素領域内の複数の画素について分散を算出し、得られた分散の情報をタイミング調整部23に与える。タイミング調整部23は、受け取った分散の情報に基づいて、さらにパルスの位相を調整する。すなわち、アナログ撮像信号Saをデジタル撮像信号SdにAD変換するときの動作クロックであるADクロック信号ACKの位相調整を行う。
以上の位相調整の処理が、輝度レベル検出部21と分散演算部22とタイミング調整部23との協働により自動的に行われる。加えて、組み込むシステムが変更された場合や撮像素子2が交換された場合のパルスの位相の調整に際し、複数の画素でのデジタル撮像信号Sdについて、実際に、輝度レベル検出部21が輝度を測定し、分散演算部22が画素間の信号ばらつきを示す分散を算出して、その輝度および分散を加味した状態でパルスの位相を調整しているので、撮像素子2の駆動のためのパルスの位相の調整の精度が高いものとなる。また、撮像素子2の駆動のためのパルスの各位相を自動調整するので、技術者がマニュアルでパルスの位相を調整する場合に比べて、位相調整処理に要する時間を短縮することが可能となる。
本実施の形態においては、さらに、位相調整のフローでは、外的要因を検出することにより、位相調整の禁止、中止、再調整の制御がなされるようになっている。外的要因とは、温度変化、撮像対象の変化、スミアなどが挙げられる。これらの外的要因は、位相調整において、位相がずれる原因となり得る。外的要因を検出することで位相調整を禁止することにより、誤った位相調整を事前に回避する防ぐことができ、また、位相調整中に異常を検出することで位相調整を中止し、再調整することで、最適な位相を保つことができる。
(位相調整禁止状態検出)
位相調整が開始されると、調整禁止制御手段24は、まず、位相調整禁止状態か否かを検出するために、撮像領域の輝度信号、撮像素子2のOB領域からOBレベル、温度センサ14から温度、電源からの供給電圧、撮像素子2から出力されるアナログ撮像信号Saの振幅の期間、スミアを測定する(ステップS1)。位相調整禁止状態を検出するために、所定の期間測定が必要なものもあり、測定期間が経過した後、次のステップに進む。測定順序には特に指定はなく、またすべてを測定する必要もない。必要な信号のみ用いて測定すればよい。以下、それぞれの信号について説明する。
調整禁止制御手段24は、所定の撮像領域の輝度信号を所定の期間測定し、前記輝度信号の分散が所定の閾値を超えていれば、位相調整を禁止する。例えば、図5に示すように、位相調整中に撮像データが変化すると輝度信号が変化し、ピークサンプルパルスDS2の値が定まらない。ゆえに位相調整前に輝度信号の分散を確認することで、撮像データが変化していないことを確認する。所定の撮像領域の輝度信号は、画素ごとに保持され、輝度信号はDSP11で処理する。所定の期間測定するとは、例えば、数フレームの期間の輝度信号を記憶手段13に保持しておき、分散演算部22において分散を求める。この求めた分散値を、予め記憶手段13に記憶しておいた閾値と比較し、閾値の値を超えていれば位相調整を禁止する。
また、調整禁止制御手段24は、撮像素子2のOB領域からOBレベルを検出し、OBレベルが所定の閾値以上であれば、位相調整を禁止する。撮像素子2では光を遮断した状態でも時間の経過とともに電荷が蓄積されてくる。このように光に関係なく蓄積される電荷を暗電流という。感光部の一部に遮光部を設けて、暗電流の基準値を検出し、そのときの輝度信号レベルをOBレベルとする。この値をクランプすることにより、OBレベルからの変化量で信号成分だけが得られる。OBレベルが異常に高い状態では、撮像素子2に何らかの異常がある可能性が高いため、正しい調整がされる保証がなく、位相調整を禁止することが望ましい。OBレベルの異常検出は、撮像素子2のOB領域からOBレベルを所定の期間測定し、OBレベルが所定の閾値を超えたかどうかで判断する。また、OBレベルを用いる代わりに、シャッターを閉じた状態の遮光データを用いる方法もある。閾値は記憶手段13に予め保持されており、この閾値を超えていれば位相調整を禁止する。
また、温度センサ14によって撮像素子2の温度を検出し、温度が所定の閾値以上であれば、位相調整を禁止する。撮像素子2は温度による影響が大きく、位相がずれる可能性が高い。温度センサ14からは温度がデジタル値としてDSP11に入力する。調整禁止制御手段24はその温度を所定の閾値以上かどうかを判断する。閾値は記憶手段13に予め保持されており、この閾値を超えていれば位相調整を禁止する。
また、調整禁止制御手段24は、電源からの供給電圧が不足している場合は、位相調整を禁止する。これは撮像にかかる電源を優先するためである。供給電圧の閾値は記憶手段13に予め保持されており、この閾値以下ならば位相調整を禁止する。
また、調整禁止制御手段24は、輝度信号の振幅期間が短ければ位相調整を禁止する。輝度信号の振幅期間が短いと、トランジスタの周波数特性が十分でない可能性が高い。図6にトランジスタの周波数特性による波形のなまりの様子を示す。波形のなまりによりピークサンプルパルスDS2の位相調整がずれるため、位相調整を禁止する必要がある。輝度信号の振幅期間の測定は、例えば、図7に示すように、ピークサンプルパルスDS2の位相調整時のサンプリングを利用し、予め信号のレベルを3つの領域(リセット領域、安定領域、輝度信号領域)に分け、輝度信号領域のサンプリング数を測定することで振幅期間を測定することができる。
また、調整禁止制御手段24は、スミアを検出した場合、位相調整を禁止する。スミアとは、強烈な光の入射により、撮像素子2の画素の信号レベルが飽和し、その飽和した電荷が転送方向(上下方向)に伝播することで、画像中に縦筋の高輝度領域が線のように形成される現象である。スミアの検出方法はすでにいくつか提案されているが、例えば、遮光領域に高輝度の縦筋があればスミアを検出したと判断することができる(スミアは遮光領域にも影響する)。
以上のように、ステップS1で位相調整禁止状態を検出したならば、ステップS4に進み、位相調整を禁止する。位相調整禁止処理は、位相調整前に保持されていた値を設定する処理である。ステップS1で位相調整禁止状態が検出されなければ、ステップS2に進む。
(位相調整処理)
位相調整禁止状態が検出されなければ、位相調整を行う。まず、基準サンプルパルスDS1、ADクロック信号ACKを予め定められた初期値に固定した上で、ピークサンプルパルスDS2の位相を初期値からずらしながら、ピークサンプルパルスDS2を決定するのに必要となるデータを測定する。次にそのデータを評価することによって、ピークサンプルパルスDS2としての最適な位相を決定する(ステップS5)。
ピークサンプルパルスDS2が決定されると、ピークサンプルパルスDS2を決定された最適値、ADクロック信号ACKは初期値に固定したままで、基準サンプルパルスDS1の位相を初期値からずらしながら基準サンプルパルスDS1を決定するのに必要となるデータを測定する。次にそのデータを評価することによって、基準サンプルパルスDS1として最適な位相を決定する(ステップS6)。
基準サンプルパルスDS1、ピークサンプルパルスDS2が決定されると、これらを最適値に固定した上で、ADクロック信号ACKの位相を初期値からずらしながらADクロック信号ACKを決定するのに必要となるデータを測定する。次のそのデータを評価することによって、ADクロック信号ACKとして最適な位相を決定する(ステップS7)。
基準サンプルパルスDS1、ピークサンプルパルスDS2、ADクロック信号ACKの最適な位相が決定されると、決定された最適な位相に関する情報をタイミングジェネレータ7内のレジスタに設定することによって、最適な位相でパルスが発生される。
図8は調整処理前と調整処理後の様子を示している。位相のずれにより色合いが撮像対象と異なっていた状態から、適切な色合いに調整される。
(位相調整中止状態検出)
位相調整中止状態は割り込みにより検出する。調整中止制御手段25は、位相調整のステップにおいて、ステップS5、ステップS6、ステップS7で発生した異常信号を検出することで中止と判断する。異常信号の検出は、位相調整中に行い、検出しだい割り込みを発生させ、位相調整を中止する。
位相調整中止状態となる異常信号とは、大きく外部要因と内部要因に分けることができる。外部要因とは、外部的な信号を測定し、異常を検出するものであり、内部要因とは、内部的な信号を測定し、異常を検出するものである。外部要因としては、撮像領域の輝度信号、OBレベル、温度、撮像領域の高周波成分、スミアがあり、内部要因としては、パルスの位相、位相のずれ、供給電圧、輝度信号の振幅期間がある。これらの演算・測定結果が所定の閾値を超えている信号を異常信号とする。内部要因は、定期的なサンプリングにより異常を検出するものであり、外部要因は、外部信号をトリガとして異常を検出するものである。以下、それぞれの信号によって位相調整中止となる処理について説明する。
調整中止制御手段25は、撮像領域の輝度信号が所定の撮像領域を所定の期間測定し、輝度信号の差分が所定の閾値を超えていれば位相調整を中止する。これは、位相調整中に撮像対象が動いた場合は、撮像素子2から出力される信号が変化してしまうために、輝度レベルが変わり、最適値の検出が困難となる。この輝度レベルの変化を検出するための所定の期間とは、例えばフレーム間であり、1つ前のフレームの画素ごとの輝度信号を記憶手段13に保持しておき、その差が予め定めていた閾値を超えていれば位相調整を中止する。
基準サンプルパルスDS1、ピークサンプルパルスDS2、ADクロック信号ACKの各パルスの位相が収束しない場合は、位相調整を中止する。パルスの位相を調整するときには、予め期待値として少なくとも所定の範囲内に収まると仮定して、余裕のある閾値を設定しておく。しかし、この余裕のある幅からも外れた値に位相調整されると、それは最適な信号ではないと判断し、位相調整を続ける。すべての調整範囲について測定をした結果、パルスの位相が決定しない状態に陥った場合は、収束しないと判断し、位相調整を中止する。例えば、ピークサンプルパルスDS2の位相を調整するときに、欠陥のある画素は、輝度レベルが大きくなる場合がある。この値と閾値を比較して、閾値を超えていれば位相調整を中止する。
また、調整中止制御手段25は、OBレベルの値が変化した場合、位相調整を中止する。OBレベルの値の変化の検出は、撮像素子2のOB領域からOBレベルを所定の期間測定し、OBレベルの差分が所定の閾値を超えたかどうかで判断する。所定の期間は、例えば1フレームごととしてもよいし、数フレームごととしてもよい。OBレベルの所定の閾値は、予め記憶手段13に保持しておく。
また、調整中止制御手段25は、位相のずれを検出した場合、位相調整を中止する。初期状態において最適な位相調整が行われている場合、その調整位置からの位相のずれは、画質を悪化させる結果となる。位相のずれが検出可能であれば、位相がずれたときに位相調整を行うことで最適な位相を保つことができる。
図9に位相ずれの検出方法を示す。図9のように撮像領域を2分割し、それぞれの領域においてピークサンプルパルスDS2をずらすことにより位相のずれを検出する。信号成分にある安定領域において、VsaとVsbの輝度信号差はゼロとなるが、温度変化などの外乱によって位相がずれた場合、Vsa′とVsbの輝度信号に差が生じる。必ずしも撮像領域を2分割する必要はなく、撮像領域の2ラインだけ用いる方法やOB領域で測定する方法もある。
また、調整中止制御手段25は、撮像素子2の温度が変化した場合、位相調整を中止する。先にも述べたとおり、撮像素子2は温度によって輝度信号に影響を受ける。温度変化を検出した場合は、直ちに位相調整を中止する。温度変化の検出は、所定の期間における温度センサ14からのデジタル信号を比較することで求められる。所定の期間とは、例えば1フレームごとでもよいし、数フレームごとでもよい。温度センサ14から出力されるデジタル信号は、温度を意味しており、記憶手段13に保持しておく。
また、調整中止制御手段25は、高周波成分のずれを検出した場合、位相調整を中止する。位相調整中に撮像対象が動いた場合は、撮像素子2から出力される信号が変化してしまうために、輝度信号の変化とともに高周波成分も変化する。DSP11に入力した輝度信号の高周波成分を調べ、所定の期間におけるずれを検出した場合、位相調整を中止する。
また、調整中止制御手段25は、供給電圧が所定の閾値以下であれば、位相調整を中止する。電源は撮像にかかる供給を優先すべきであるため、無駄な電圧の消費を抑えるために位相調整を中止する。位相調整を中止した場合は、前回調整した設定値を用いる。供給電圧の閾値は記憶手段13に予め保持されており、この閾値以下ならば位相調整を中止する。また、位相調整を中止するときの判断は、位相調整の進行状態にもより、位相調整の割合が調整完了まで所定の値以上であれば、位相調整を中止せずに調整を続け、そうでなければ位相調整を中止する。
また、調整中止制御手段25は、輝度信号の振幅期間を測定し、所定の閾値以下であれば、位相調整を中止する。輝度信号の振幅期間は、前述の位相調整禁止で示した方法で求める。位相調整中に所定の閾値以下の振幅を検出すると、位相調整を中止する。ただし、位相調整を中止する前に、絞りを絞ることで、位相調整可能な信号レベルであれば、位相調整を続ける。
また、調整中止制御手段25は、撮像領域にスミアを検出した場合、位相調整を中止する。スミアの検出方法は、位相調整を禁止するときの方法と同様のものを用いる。
以上のように、位相調整中止状態を検出したならば、割り込みによりステップS8に進み、位相調整を中止する。位相調整中止処理は、所定の期間の間、位相調整を中断し、再調整可能な状態に変化するまで待機する処理である(ステップS9)。所定の期間が過ぎた場合は、前回設定した値に位相調整する。
(再調整)
位相調整を中止した場合に、再調整制御手段26は、外乱による影響がなくなったことを検出すれば、再調整を行う(ステップS9、ステップS10)。再調整とは、位相調整のステップS5からのステップを再び行うことである。以下、正常な状態を検出するための判断について説明する。
位相調整中に調整を中止する異常状態として、撮像領域の輝度信号の変化、パルスの位相が収束しない、OBレベルの値の変化、位相のずれを検出、温度変化、高周波成分のずれを検出、供給電圧の低下、輝度信号の振幅期間の短さ、スミアの検出がある。
再調整制御手段26は、撮像領域の輝度信号が、所定の期間、所定の領域において、輝度の分散が所定の閾値未満であれば、輝度信号の変化がないものと判断し、位相調整を再開する。
また、再調整制御手段26は、パルスの位相が収束しなかった場合、所定の期間経過後、再度調整する。収束しない状態が所定の回数を超えたならば、前回設定されていた設定値を用いる。
また、再調整制御手段26は、OBレベルの値が安定した場合、位相調整を再開する。OBレベルの値が予め定めていた閾値以内であれば位相調整を再開する。
また、再調整制御手段26は、温度が安定した場合、位相調整を再開する。あるいは、温度が予め定めていた閾値以内であれば位相調整を再開する。
また、再調整制御手段26は、高周波成分のずれを検出できなかった場合、位相調整を再開する。高周波成分のずれは位相調整禁止の状態を調べるときの方法と同様であり、ずれが所定の閾値以内であれば位相調整を再開する。
また、再調整制御手段26は、供給電圧が回復すると位相調整を再開する。供給電圧が所定の閾値を超えていれば位相調整を再開する。
また、再調整制御手段26は、輝度信号の振幅期間が所定の値以上であれば、位相調整を再開する。輝度信号の振幅期間を測定する方法は、位相調整禁止の状態を調べるときの方法と同様であり、輝度信号の振幅期間が所定の閾値以上であれば位相調整を再開する。
(無条件で再調整)
再調整を行うときは、異常信号を検出した場合以外にも、所定の時間が経過した場合、または、駆動モードが変わったときに再調整を行う。
なお、所定の時間が経過した場合において、再調整を行う前に、所定の信号を検出することで位相調整を省くこともできる。所定の信号とは、上記の位相調整中止状態検出に示した内部要因であり、パルスの位相、位相のずれ、供給電圧、輝度信号の振幅期間である。例えば、定期的にピークサンプルパルスDS2の位相のずれを測定し、ずれが発生すれば再調整を行う。
(追加条件)
再調整するシーケンスにおいては、データ検出範囲を制限する。これは初期設定における位相と、ずれの発生した位相とは、それほど差異が大きくないという仮定に基づいて、データの検出範囲は、初期の設定値を決定した周辺の範囲のデータを測定すればよいと考えるものである。
調整シーケンス、再調整シーケンスにおいて、所定の値を測定する場合、時間軸方向でサンプリングすることで、設定値の精度を向上することができる。
図10に時間軸方向の平均化の様子を示す。位相調整のためのデータ測定の所定のフレーム31のそれぞれの輝度信号32と位相33(ここではピークサンプルパルスDS2の例)から、それぞれの位相パラメータを求め、Nフレームの平均を求めている様子を示している。
本発明によって、デジタルカメラにおける撮像に用いるパルスのタイミング調整を自動で行うことが可能になるため、少なくともデジタルカメラにおいて利用可能性がある。
本発明の実施の形態における位相調整装置搭載のデジタルカメラの全体的な構成を示すブロック図とDSPの詳細を示すブロック図 本発明の実施の形態において撮像素子から出力される信号成分を時系列で表した図 本発明の実施の形態における相関二重サンプリング部の回路図 本発明の実施の形態における位相調整の全体的な動作を示すフローチャート 本発明の実施の形態における撮像データによる輝度信号の変化を示した図 本発明の実施の形態におけるトランジスタの周波数特性による波形のなまりの説明図 本発明の実施の形態における輝度信号の振幅期間の測定方法の説明図 本発明の実施の形態における位相調整前と位相調整後の様子の説明図 本発明の実施の形態における位相ずれの検出方法の説明図 本発明の実施の形態における時間軸方向の平均化の説明図
符号の説明
A 位相調整装置
1 光学レンズ
2 撮像素子
3 OBクランプ回路
4 相関二重サンプリング部(CDS)
5 自動利得制御部(AGC)
6 AD変換器(ADC)
7 タイミングジェネレータ(TG)
8 垂直ドライバ
10 アナログフロントエンド
11 DSP
12 CPU
13 記憶手段(DRAM)
14 温度センサ
15 レンズ駆動制御部
21 輝度レベル検出部
22 分散演算部
23 タイミング調整部
24 調整禁止制御手段
25 調整中止制御手段
26 再調整制御手段

Claims (35)

  1. 撮像素子で得られたアナログ撮像信号を画素毎にデジタル値に変換することにより得られるデジタル撮像信号が入力され、前記デジタル撮像信号に基づいて撮像に用いられるパルスの位相を調整する位相調整装置であって、
    所定の画素領域内の複数の画素について、前記デジタル撮像信号の輝度のレベルを検出する輝度レベル検出部と、
    前記輝度レベル検出部の検出結果に応じて前記パルスの位相を調整するタイミング調整部と、
    前記タイミング調整部による位相の調整前に入力信号が異常か否かを検出し、異常を検出したときは位相の調整を禁止する調整禁止制御手段とを備えた位相調整装置。
  2. 前記調整禁止制御手段は、撮像領域の輝度信号を所定の期間測定し、前記輝度信号の分散が所定の閾値を超えていれば、位相調整を禁止する請求項1に記載の位相調整装置。
  3. 前記調整禁止制御手段は、前記撮像素子のOB領域からOBレベルを検出し、OBレベルが所定の閾値以上であれば、位相調整を禁止する請求項1に記載の位相調整装置。
  4. さらに、前記撮像素子の温度を検出する温度検出手段を有し、前記調整禁止制御手段は、前記温度検出手段による検出温度が所定の閾値以上であれば、位相調整を禁止する請求項1に記載の位相調整装置。
  5. 前記調整禁止制御手段は、供給電圧が所定の閾値以下であれば、位相調整を禁止する請求項1に記載の位相調整装置。
  6. 前記調整禁止制御手段は、撮像領域の輝度信号の振幅期間が所定の閾値以下であれば、位相調整を禁止する請求項1に記載の位相調整装置。
  7. 撮像素子で得られたアナログ撮像信号を画素毎にデジタル値に変換することにより得られるデジタル撮像信号が入力され、前記デジタル撮像信号に基づいて撮像に用いられるパルスの位相を調整する位相調整装置であって、
    所定の画素領域内の複数の画素について、前記デジタル撮像信号の輝度のレベルを検出する輝度レベル検出部と、
    前記輝度レベル検出部の検出結果に応じて前記パルスの位相を調整するタイミング調整部と、
    前記タイミング調整部による位相の調整中に入力信号が異常か否かを検出し、異常を検出したときは位相の調整を中止する調整中止制御手段とを備えた位相調整装置。
  8. 前記調整中止制御手段は、撮像領域の輝度信号を所定の期間測定し、前記輝度信号の差分が所定の閾値を超えていれば、位相調整を中止する請求項7に記載の位相調整装置。
  9. 前記調整中止制御手段は、予め定められた期待値との差分をみて決定し、その差分が所定の閾値以上であれば、位相調整を中止する請求項7に記載の位相調整装置。
  10. 前記調整中止制御手段は、前記撮像素子のOB領域からOBレベルを所定の期間測定し、OBレベルの差分が所定の閾値を超えていれば、位相調整を中止する請求項7に記載の位相調整装置。
  11. 前記調整中止制御手段は、パルスの位相を所定の期間測定し、位相の差分が所定の閾値を超えていれば、位相調整を中止する請求項7に記載の位相調整装置。
  12. さらに、前記撮像素子の温度を検出する温度検出手段を有し、温度を所定の期間測定し、前記調整中止制御手段は、温度の差分が所定の閾値を超えていれば、位相調整を中止する請求項7に記載の位相調整装置。
  13. 前記調整中止制御手段は、撮像領域の高周波成分を所定の期間測定し、高周波成分の差分が所定の閾値を超えていれば、位相調整を中止する請求項7に記載の位相調整装置。
  14. 前記調整中止制御手段は、供給電圧を所定の期間測定し、供給電圧が所定の閾値を超えていれば、位相調整を中止する請求項7に記載の位相調整装置。
  15. 前記調整中止制御手段は、撮像領域の輝度信号の振幅期間を測定し、所定の閾値以下であれば、位相調整を中止する請求項7に記載の位相調整装置。
  16. 前記調整中止制御手段は、撮像領域の輝度信号を測定し、スミアを検出した場合、位相調整を中止する請求項7に記載の位相調整装置。
  17. 撮像素子で得られたアナログ撮像信号を画素毎にデジタル値に変換することにより得られるデジタル撮像信号が入力され、前記デジタル撮像信号に基づいて撮像に用いられるパルスの位相を調整する位相調整装置であって、
    所定の画素領域内の複数の画素について、前記デジタル撮像信号の輝度のレベルを検出する輝度レベル検出部と、
    前記輝度レベル検出部の検出結果に応じて前記パルスの位相を調整するタイミング調整部と、
    前記タイミング調整部による位相の調整中に入力信号が異常か否かを検出し、異常を検出したときは位相の調整を中止する調整中止制御手段と、
    前記調整中止制御手段により位相調整が中止となった後、入力信号が正常であることを検出すると、位相調整を再開する再調整制御手段とを備えた位相調整装置。
  18. 前記再調整制御手段は、位相調整を中止した場合において、撮像領域の輝度信号を所定の期間測定し、前記輝度信号の分散が所定の閾値以下であれば、再調整を行う請求項17に記載の位相調整装置。
  19. 前記再調整制御手段は、位相調整を中止した場合において、前記撮像素子のOB領域からOBレベルを所定の期間測定し、OBレベルの分散が所定の閾値以下であれば、再調整を行う請求項17に記載の位相調整装置。
  20. 前記再調整制御手段は、位相調整を中止した場合において、パルスの位相を所定の期間測定し、位相の差分の分散が所定の閾値以下であれば、再調整を行う請求項17に記載の位相調整装置。
  21. 前記再調整制御手段は、位相調整を中止した場合において、温度を所定の期間測定し、温度の差分の分散が所定の閾値以下であれば、再調整を行う請求項17に記載の位相調整装置。
  22. 前記再調整制御手段は、位相調整を中止した場合において、撮像領域の高周波成分を所定の期間測定し、高周波成分の差分の分散が所定の閾値以下であれば、再調整を行う請求項17に記載の位相調整装置。
  23. 前記再調整制御手段は、位相調整を中止した場合において、供給電圧を所定の期間測定し、供給電圧が所定の閾値を超えていれば、再調整を行う請求項17に記載の位相調整装置。
  24. 前記再調整制御手段は、位相調整を中止した場合において、撮像領域の輝度信号の振幅期間を測定し、所定の閾値以上であれば、再調整を行う請求項17に記載の位相調整装置。
  25. 前記再調整制御手段は、位相調整を中止した場合において、撮像領域の輝度信号を測定し、スミアを検出しなかった場合には、再調整を行う請求項17に記載の位相調整装置。
  26. 前記再調整制御手段は、所定の時間が経過した場合に、再調整を行う請求項17に記載の位相調整装置。
  27. 前記再調整制御手段は、駆動モードが変わった場合に、再調整を行う請求項17に記載の位相調整装置。
  28. 前記再調整制御手段は、再調整を行う場合、データ検出範囲を所定の領域に制限する請求項17に記載の位相調整装置。
  29. 所定の信号を時間軸方向でサンプリングする請求項17に記載の位相調整装置。
  30. さらに、撮像領域の輝度信号の振幅期間を測定し、所定の期間より短かかった場合、絞りを絞ることで調整可能な信号レベルにする制御手段を備えている請求項15に記載の位相調整装置。
  31. 撮像素子で得られたアナログ撮像信号を画素毎にデジタル値に変換することにより得られるデジタル撮像信号が入力され、前記デジタル撮像信号に基づいて撮像に用いられるパルスの位相を調整する位相調整装置であって、
    所定の画素領域内の複数の画素について、前記デジタル撮像信号の輝度のレベルを検出する輝度レベル検出部と、
    前記輝度レベル検出部の検出結果に応じて前記パルスの位相を調整するタイミング調整部と、
    位相調整前に入力信号の異常を検出し、位相調整を禁止する調整禁止制御手段と、
    前記タイミング調整部による位相の調整中に入力信号が異常か否かを検出し、異常を検出したときは位相の調整を中止する調整中止制御手段と
    前記調整中止制御手段により位相調整が中止となった後、入力信号が正常であることを検出すると、位相調整を再開する再調整制御手段とを備えた位相調整装置。
  32. 請求項1に記載の位相調整装置を搭載しているデジタルカメラ。
  33. 請求項7に記載の位相調整装置を搭載しているデジタルカメラ。
  34. 請求項17に記載の位相調整装置を搭載しているデジタルカメラ。
  35. 請求項31に記載の位相調整装置を搭載しているデジタルカメラ。
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