JP2008177376A - 発光装置及びその駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光量が制御可能な発光装置及びその駆動方法を提供すること。
【解決手段】n型半導体層1及びこの上に形成されたソース電極4及びドレイン電極5と、p型半導体層2及びこの下に形成されたゲート電極3と、ソース電極4とドレイン電極5との間に交流電圧を印加する交流電源6と、ゲート電極3とソース電極4との間に直流電圧を印加する直流電源7とを有し、交流電圧によって、n型半導体層1に電子が所定量注入され、直流電圧によって、p型半導体層からn型半導体層に正孔を注入して、電子と正孔とを再結合させる。交流電圧は直流電圧によってバイアスされて印加される。基板上に下地絶縁層が形成され、この下地絶縁層上にゲート電極3、p型半導体層2、n型半導体層1がこの順に形成される。n型半導体層1がn型酸化亜鉛により、p型半導体層2がp型酸化亜鉛により形成され、下地絶縁層が酸化亜鉛により形成される。
【選択図】図1
【解決手段】n型半導体層1及びこの上に形成されたソース電極4及びドレイン電極5と、p型半導体層2及びこの下に形成されたゲート電極3と、ソース電極4とドレイン電極5との間に交流電圧を印加する交流電源6と、ゲート電極3とソース電極4との間に直流電圧を印加する直流電源7とを有し、交流電圧によって、n型半導体層1に電子が所定量注入され、直流電圧によって、p型半導体層からn型半導体層に正孔を注入して、電子と正孔とを再結合させる。交流電圧は直流電圧によってバイアスされて印加される。基板上に下地絶縁層が形成され、この下地絶縁層上にゲート電極3、p型半導体層2、n型半導体層1がこの順に形成される。n型半導体層1がn型酸化亜鉛により、p型半導体層2がp型酸化亜鉛により形成され、下地絶縁層が酸化亜鉛により形成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、p型半導体層とn型半導体層の間に直流電圧を印加して発光させる発光装置に関し、特に、交流電圧によって電子をn型半導体層へ注入することによって、発光量を制御することができる発光装置及びその駆動方法に関する。
電極間に電流を流すことにより発光する発光素子として、発光ダイオード(LED)、有機EL、無機ELがある。これらはいずれも、アノードとカソードの2つの端子をもち、アノードに正、カソードに負の電圧をかけることにより発光する。LEDや有機ELの場合は、数ボルトの電圧で電流が流れ発光する。また、無機ELの場合は100〜200Vの交流電圧をかけて発光させる。
発光ダイオードは、半導体を用いたpn接合と呼ばれる構造で作られている。電極から半導体に注入された電子と正孔は異なったエネルギー帯(伝導帯と価電子帯)を流れ、pn接合部付近で禁制帯を越えて再結合する。再結合の際にほぼ禁制帯幅(バンドギャップ)に相当するエネルギーが光として放出される。発光ダイオードの基本はpn接合構造であるが、発光効率を高めるためにダブルへテロ接合構造、量子井戸接合構造等も用いられる。
各種の半導体材料を用いて、様々な色の発光ダイオードが開発されており、代表的な半導体材料として、InGaN、GaP、AlGaAs、GaAsP、GaN等がある。発光ダイオードは、低消費電力、低発熱、超寿命等の特徴をもっており、LEDディスプレイ、液晶用バックライト、信号機等の各種の表示機器、小型照明機器に利用されている。最近では、ZnOを用いた発光ダイオード、透明電極に関する開発が進行している。以下、ZnOを用いた発光ダイオードに関する従来技術について説明する。
「半導体素子及びその製造方法」と題する後記の特許文献1には、以下の記載がある。
特許文献1の発明の半導体素子は、可視光を透過する半導体活性層を有した薄膜トランジスタと、上記半導体活性層と主成分が同じ発光層を有する発光素子とを同一の基板上に形成したことを特徴としている。この構成によると、半導体活性層と発光層とを同じ成膜装置によって形成することができるとともに、可視光の吸収のない薄膜トランジスタを有する自発光型の半導体素子が得られる。
図13は、特許文献1に記載の図3であり、発光素子210と薄膜トランジスタ220とからなる半導体素子230の断面図である。
特許文献1の第1の実施形態の半導体素子230は、平面型ディスプレイに搭載されている。半導体素子230はマトリクス状に配列され、それぞれが平面型ディスプレイの一画素になっている。
一画素の半導体素子230は、薄膜トランジスタ220と発光素子210とからなっている。薄膜トランジスタ220のゲート211は列選択線に接続されている。薄膜トランジスタ220のソース216は行選択線に接続されている。
ゲート211がハイレベルの時、ソース216とドレイン215とが電気的に接続される。これにより、薄膜トランジスタ220がスイッチング素子として機能するようになっている。ゲート211がローレベルの時、薄膜トランジスタ220はOFFとなる。
また、ドレイン215は発光素子220の下部電極202に接続されている。発光素子210の上部電極205は電流源である駆動電源線に接続されている。従って、行ドライブ回路によって一の行選択線にローレベルの信号が与えられると、その行選択線に接続されている薄膜トランジスタが選択される。
所定の画素が接続された列選択線に列ドライブ回路によって信号電圧を印加すると、所定の画素の発光素子220の下部電極202と上部電極205との間に電圧が印加される。これにより、所定の位置の発光素子210が発光する。そして、行ドライブ回路によって隣接する行選択線に順次信号電圧が印加されて各行の所定の画素が発光して1画面が形成されるようになっている。
半導体素子230はサファイヤからなる基板201上に発光素子210及び薄膜トランジスタ220が形成されている。発光素子210は、n型のZnO(酸化亜鉛)からなる下部電極202上にn型のZnOからなるn型発光層203及びp型のZnOからなるp型発光層204が形成されている。p型発光層204上にはITO(酸化インジウム錫)からなる上部電極205が形成されている。
薄膜トランジスタ220はZnOからなるゲート211上にSiO2からなる絶縁層212を介してi型のZnOからなる半導体活性層213が形成されている。半導体活性層213上には、n型のZnOからなるコンタクト層214を介してITOからなるドレイン215及びソース216が形成されている。また、ドレイン215は発光素子210の下部電極202に接続されている。
「酸化物半導体発光素子」と題する後記の特許文献2には、以下の記載がある。
特許文献2の発明の酸化物半導体発光素子は、基板上に、第1導電型層、発光層および第2導電型層を少なくとも備え、上記発光層は、不純物がドーピングされたドープ領域と、不純物がドーピングされていないノンドープ領域とを有することを特徴としている。
図14は、特許文献2に記載の図1であり、第1実施形態の酸化物半導体発光素子としての発光ダイオード110を示す断面図である。
本実施形態の発光ダイオード110は、ZnO基板101上に、Gaをドープしてキャリア濃度を5×1018cm-3とした厚さ1μmのn型ZnO層102と、Gaをドープした厚さ10μmのZnO発光層103と、Nをドープしてキャリア濃度を1×1018cm-3とした厚さ1μmのp型ZnO層104とを順次積層している。上記n型ZnO層102が第1導電型層であり、上記p型ZnO層104が第2導電型層である。
上記ZnO発光層103は、厚み方向の中央よりもp型ZnO104側に位置して、不純物がドーピングされていないノンドープ領域を有する。このノンドープ領域は、厚さが0.5μmであり、このノンドープ領域以外の領域であるドープ領域に、キャリア濃度が1×1017cm-3となるように、Gaを均一にドーピングしている。
図14には、上記n型ZnO層102からp型ZnO層104に亘って、各位置におけるドーピング濃度を表すドーピングプロファイルを同時に示している。
上記ZnO基板101の裏面には、n型オーミック電極105として、1000Åの厚みを有するAlを形成している。
p型ZnO層104の主表面の全面には、厚さ150ÅのNiを積層してなる透光性オーミック電極106が積層され、この透光性オーミック電極106上には、厚さ1000Åのボンディング用Auパッド電極107が、上記透光性オーミック電極106よりも小さい面積をなして形成されている。
本実施形態の酸化物半導体発光素子としての発光ダイオード110は、発光層103の一部にノンドープ領域を形成するとともに、この発光層103を3μm以上の厚膜としたことに特徴を有している。
上記発光ダイオード110を、Agペーストでリードフレームに取り付け、配線を施してモールドし、発光させたところ、ピーク波長が400nmの青色光が得られた。
「ZnO:Alターゲット及び薄膜並びに薄膜の製造方法」と題する後記の特許文献3には、低抵抗率でかつ耐湿性に優れたZAO(アルミニウムをドープした酸化亜鉛)透明電導膜に関する記載がある。
発光素子(LED)の基本であるpn接合に順方向バイアス(p型半導体層に正電圧、n型半導体層に負電圧)を印加すると、順方向バイアスは禁止帯の幅を変化させエネルギー障壁が低くなり、n型半導体層に設けられたn電極から注入された電子は伝導帯を流れ、p型半導体層に設けられたp電極から注入された空孔は価電子帯を流れ、pn接合部付近で電子と空孔は禁制帯を越えて再結合し、即ち、電子がエネルギーの高い伝導帯からエネルギーの低い価電子帯の空席に落ち、ほぼ禁制帯幅に相当するエネルギーが光として放出される。p電極とn電極の間に印加する電圧を上昇させていくと、電圧がある値(順方向降下電圧)以上になると電圧上昇に対する電流増加が大きくなり、電流量に応じて光を放出するようになる。
発光素子に流れる電流が最大定格電流を越えると低寿命になったり、素子の破壊を生じたりしてしまう。定電圧で発光素子を駆動すると、素子の特性バラツキ、順方向降下電圧の変動によって電流が変化するので、順方向降下電圧よりも高い電圧を発生できる直流電源を用いて、直列の抵抗器や定電流ダイオード等を入れ電流を制限して、発光素子は使用される。
このように、p電極とn電極の間に電圧を印加することにより電子と空孔を再結合させて発光させているため、発光量を増大させるためには、再結合を起こす電子を多く注入する必要があり、p電極とn電極の間に印加する電圧を大きくする必要がある。しかし、p電極とn電極の間に印加する電圧を大きくすると流れる電流は増大するが、印加電圧による電界、発熱によって、pn接合部の剥離、電気的短絡等の異常を生じて発光素子が破壊されたり、寿命が短くなったりしてしまうという問題があった。このような問題は、pn接合構造をもつ発光素子に限らず、ダブルへテロ接合構造、量子井戸接合構造をもつ発光素子(LED)でも同じように生じる現象である。
本発明は、上述したような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、交流電圧によってn型半導体層へ電子を注入することによって、発光量を制御することができる発光装置及びその駆動方法を提供することにある。
即ち、本発明は、n型半導体層と、このn型半導体層に接合したp型半導体層と、前記p型半導体層に形成された第1の電極と、前記n型半導体層に形成された第2の電極及び第3の電極と、前記第2の電極と前記第3の電極との間に交流電圧を印加する交流電源と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に直流電圧を印加する直流電源とを有し、前記交流電圧によって、前記n型半導体層に電子が所定量注入され、前記直流電圧によって、前記p型半導体層から前記n型半導体層に正孔を注入して、前記電子と前記正孔とを再結合させる、発光装置に係るものである。
また、本発明は、n型半導体層と、このn型半導体層に接合したp型半導体層と、前記p型半導体層に形成された第1の電極と、前記n型半導体層に形成された第2の電極及び第3の電極と、前記第2の電極と前記第3の電極との間に交流電圧を印加する交流電源と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に直流電圧を印加する直流電源とを有する発光装置の駆動方法であって、前記交流電圧によって、前記n型半導体層に電子を所定量注入し、前記直流電圧によって、前記p型半導体層から前記n型半導体層に正孔を注入して、前記電子と前記正孔とを再結合させる、発光装置の駆動方法に係るものである。
本発明の発光装置及びその制御方法によれば、前記第2の電極と前記第3の電極との間に印加される交流電圧によって、前記n型半導体層に電子を所定量注入し、前記第1の電極と前記第2の電極との間に印加される直流電圧によって、前記p型半導体層から前記n型半導体層に正孔を注入して、前記電子と前記正孔とを再結合させるので、交流電圧又は/及び直流電圧によって発光量を制御することができ、発光装置の接合部の破壊を防止することができ、低寿命化を防止することができる。
本発明の発光装置では、前記交流電圧が前記直流電圧によってバイアスされて印加される構成とするのがよい。前記交流電圧が前記直流電圧でバイアスされて、前記第2の電極と前記第3の電極との間に印加されるので、効率良く前記n型半導体層に電子を注入することができる。
また、基板と、この基板上に形成された下地絶縁層とを有し、前記第1の電極が前記下地絶縁層上に形成され、前記p型半導体層が前記第1の電極上に形成され、前記n型半導体層が前記p型半導体層上に形成された構成とするのがよい。前記基板上に前記下地絶縁層が形成されているので、前記基板の材料に特に限定を受けることはない。即ち、前記基板上に成膜された前記下地絶縁層上に形成された、前記第1の電極、前記p型半導体層、前記n型半導体層、前記第2及び第3の電極の各層によって、発光装置が形成されるので、前記基板の材料として、導電性材料、半導体材料、絶縁物材料を使用することができ、Al等の金属、Si等の半導体、ガラス、プラスチック等の基板を用いることができる。
また、前記n型半導体層がn型酸化亜鉛により、前記p型半導体層がp型酸化亜鉛により形成された構成とするのがよい。半導体材料としての酸化亜鉛を用いるので、安価な原料によって発光素子を製造することができる。
また、前記下地絶縁層が酸化亜鉛により形成される構成とするのがよい。前記下地絶縁層を酸化亜鉛によって形成するので、半導体材料としての酸化亜鉛を用いる場合、前記下地絶縁層上に結晶性が良好なp型酸化亜鉛又はn型酸化亜鉛を形成することができる。
また、前記第2の電極に接続されかつ前記n型半導体層上に設けられた透明平板電極を有し、この透明平板電極が前記交流電圧の印加、前記直流電圧の印加とにそれぞれ用いられる構成とするのがよい。前記第2の電極に接続された前記透明平板電極を前記n型半導体層上に設け、前記透明平板電極を前記交流電圧の印加及び前記直流電圧の印加に用いるので、前記p型半導体層下に設けられた前記第1の電極と前記透明平板電極との間(即ち、前記p型半導体層と前記n型半導体層との間)において、前記第1の電極と前記透明平板電極との対向面の全体にわたって略均一な直流電圧が印加され、発光装置の発光面積が大きな場合でも、発光面全体にわたって略均一な発光を生じさせることができる。
また、前記第2の電極に接続された第1の透明櫛型電極と、前記第3の電極に接続された第2の透明櫛型電極とを有し、前記2つの櫛型電極の櫛歯が互いに噛み合わされるように、前記第1の透明櫛型電極と前記第2の透明櫛型電極とが前記n型半導体層上に設けられ、前記2つの櫛型電極が前記交流電圧の印加、前記直流電圧の印加とにそれぞれ用いられる構成とするのがよい。このような構成によって、前記第1の透明櫛型電極の櫛歯と前記第2の透明櫛型電極の櫛歯との間で、効率よく多量の電子を前記n型半導体層に注入することができる。また、前記p型半導体層下に設けられた前記第1の電極と前記第2の透明櫛型電極との間(即ち、前記p型半導体層と前記n型半導体層との間)に効果的に直流電圧を印加することができる。
また、前記2つの櫛型電極の一方の櫛歯の幅が他方の櫛歯の幅よりも大きい構成とするのがよい。このような構成によって、例えば、第1の透明櫛型電極の櫛歯の幅が前記第2の透明櫛型電極の櫛歯の幅よりも大きく形成されているものとすれば、前記p型半導体層下に設けられた前記第1の電極と前記第1の透明櫛型電極との間(即ち、前記p型半導体層と前記n型半導体層との間)において、前記第1の電極と前記第1の透明櫛型電極との対向面の全体にわたって略均一な直流電圧が印加され、発光装置の発光面積が大きな場合でも、発光面全体にわたって略均一な発光を生じさせることができる。
また、基板と、この基板上に形成された下地絶縁層とを有し、前記第2の電極と前記第3の電極と前記n型半導体層とが前記下地絶縁層上に形成され、前記p型半導体層が前記n型半導体層上に形成された構成とするのがよい。このような構成によって、前記下地絶縁層上に前記第1の電極を形成する構成に加えて、前記第1、第2、第3の電極に接続すべき配線経路の配置の自由度を増大させることができる。
また、前記第1の電極に接続されかつ前記p型半導体層上に設けられた透明平板電極を有し、この透明平板電極が前記交流電圧の印加、前記直流電圧の印加とにそれぞれ用いられる構成とするのがよい。この構成によって、前記透明平板電極と前記第2の電極との間(即ち、前記p型半導体層とn型半導体層14との間)において、前記透明平板電極と前記第2の電極17とが対向する空間(対向空間)全体にわたって、より均一な直流電圧が印加され、発光装置の発光面積が大きな場合でも、対向空間全体にわたってより均一な発光を生じさせることができる。
また、前記第2の電極に接続されかつ前記n型半導体層下に設けられた平板電極を有し、この平板電極が前記交流電圧の印加、前記直流電圧の印加にそれぞれ用いられる構成とするのがよい。この構成によって、前記透明平板電極と前記平板電極との間(即ち、前記p型半導体層と前記n型半導体層との間)において、前記透明平板電極と前記平板電極との対向面の全体にわたって略均一な直流電圧が印加され、発光装置の発光面積が大きな場合でも、発光面全体にわたって略均一な発光を生じさせることができる。
また、前記第2の電極に接続された第1の櫛型電極と、前記第3の電極に接続された第2の櫛型電極とを有し、前記2つの櫛型電極の櫛歯が互いに噛み合わされるように、前記第1の櫛型電極と前記第2の櫛型電極とが前記n型半導体層下に設けられ、前記2つの櫛型電極が前記交流電圧の印加、前記直流電圧の印加とにそれぞれ用いられる構成とするのがよい。このような構成によって、前記第1の櫛型電極の櫛歯と前記第2の櫛型電極の櫛歯との間で、効率よく多量の電子を前記n型半導体層に注入することができる。また、前記p型半導体層上に設けられた前記透明平板電極と前記第1櫛型電極との間(即ち、前記p型半導体層と前記n型半導体層との間)に効果的に直流電圧を印加することができる。
また、前記2つの櫛型電極の一方の櫛歯の幅が他方の櫛歯の幅よりも大きい構成とするのがよい。このような構成によって、例えば、第1の櫛型電極の櫛歯の幅が第2の櫛型電極の櫛歯の幅よりも大きく形成されているものとすれば、前記p型半導体層上に設けられた前記透明平板電極と前記第1の櫛型電極との間(即ち、前記p型半導体層と前記n型半導体層との間)において、前記透明平板電極と前記第1の櫛型電極との対向面の全体にわたって略均一な直流電圧が印加され、発光装置の発光面積が大きな場合でも、発光面全体にわたって略均一な発光を生じさせることができる。
また、前記n型半導体層と前記p型半導体層との間に中間絶縁層を有し、前記n型半導体層と前記p型半導体層とが前記中間絶縁層を介して接合された構成とするのがよい。前記p型半導体層上に形成された前記中間絶縁層によって平坦面が形成されこの平坦面上に前記n型半導体層を安定して形成することができるので、前記p型半導体層と前記n型半導体層とが前記中間絶縁層を介して安定した接合を構成することができ、或いは、前記n型半導体層上に形成された前記中間絶縁層によって平坦面が形成されこの平坦面上に前記p型半導体層を安定して形成することができるので、前記n型半導体層と前記p型半導体層とが前記中間絶縁層を介して安定した接合を構成することができる。
本発明の発光装置の駆動方法では、前記交流電圧が印加された状態で前記直流電圧を印加する構成とするのがよい。前記交流電圧が前記直流電圧でバイアスされて、前記第2の電極と前記第3の電極との間に印加されるので、効率良く前記n型半導体層に電子を注入することができる。
また、所定の前記交流電圧が印加された状態で前記直流電圧を変化させることによって、発光量が制御される構成とするのがよい。電子が前記n型半導体層に注入されている状態で前記直流電圧を変化させるので、前記直流電圧を増大、減少させることにより、発光量を増大、減少させることができ、広い範囲で発光量を変化させることができる。
また、所定の前記直流電圧が印加された状態で、前記交流電圧を変化させることによって、発光量が制御される構成とするのがよい。このような構成によって、前記交流電圧を増大、減少させることにより、低い直流電圧下でも発光量を増大、減少させることができる。
本発明の発光装置は、可視光に対して透明な酸化亜鉛薄膜(層)を用いて形成されたpn接合型構造をもち、n型酸化亜鉛薄膜(層)とp型酸化亜鉛薄膜(層)を有し、n型酸化亜鉛薄膜内の電子とp型酸化亜鉛薄膜内の正孔とが再結合する時に、そのエネルギー差に対応した光を発する。n型酸化亜鉛薄膜、p型酸化亜鉛薄膜は反応性スパッタによって成膜することができる。
p型酸化亜鉛薄膜には、エネルギーバンド上の価電子帯に正孔を注入するための第1の電極設けられ、n型酸化亜鉛薄膜には、エネルギーバンド上の伝導帯に電子を注入するための第2の電極及び第3の電極が設けられている。n型酸化亜鉛薄膜の第2の電極と第3の電極との間に交流電源が繋がれている。
n型酸化亜鉛薄膜の第2の電極とp型酸化亜鉛薄膜の第1の電極との間に直流電源が繋がれており、第2の電極が負極、第1の電極が正極となるように直流電圧が印加される。p型酸化亜鉛薄膜の第1の電極に印加した直流バイアスが、n型酸化亜鉛薄膜とp型酸化亜鉛薄膜の間に印加される。n型酸化亜鉛薄膜とp型酸化亜鉛薄膜の間に非常に薄い中間絶縁膜(層)を設けてもよく、上記の直流バイアスによって、n型酸化亜鉛薄膜とp型酸化亜鉛薄膜の間の中間絶縁膜を隔てて電界を印加してもよい。
この発光装置の駆動方法では、n型酸化亜鉛薄膜の第2の電極と第3の電極との間に印加される交流電圧により、n型酸化亜鉛薄膜内に電子を注入して、n型酸化亜鉛薄膜の第2の電極とp型酸化亜鉛薄膜の第1の電極との間に印加される直流バイアスにより、pn接合界面で電子と空孔を再結合させ、発光を生じさせる。
n型酸化亜鉛薄膜は、例えば、ZnOにAl2O3がドープされているターゲットを用いて、Arガス、O2ガスを用いたDC又はRFスパッタリング法によって成膜(スパッタリング成膜)することができる。
p型酸化亜鉛薄膜は、例えば、ZnOにAlがドープされているターゲットを用いて、Arガス、N2O(笑気)ガス、O2ガスを用いたDC又はRFスパッタリング法によって成膜(スパッタリング成膜)することができる。
以下、図面を参照しながら本発明による実施の形態について詳細に説明する。
実施の形態
以下の説明では、発光装置(発光デバイス)として、pn接合構造をもつ発光ダイオード(発光素子)を例にとって説明する。また、本発明による発光装置は3端子の電界効果型トランジスタと類似し、3電極(端子)構成を有するので、p型半導体膜に設けられるpコンタクト電極(第1の電極)をゲート電極と呼び、n型半導体膜に設けられるnコンタクト電極(第2の電極、第3の電極)をソース電極、ドレイン電極と呼ぶことにする。
以下の説明では、発光装置(発光デバイス)として、pn接合構造をもつ発光ダイオード(発光素子)を例にとって説明する。また、本発明による発光装置は3端子の電界効果型トランジスタと類似し、3電極(端子)構成を有するので、p型半導体膜に設けられるpコンタクト電極(第1の電極)をゲート電極と呼び、n型半導体膜に設けられるnコンタクト電極(第2の電極、第3の電極)をソース電極、ドレイン電極と呼ぶことにする。
図1は、本発明の実施の形態における、発光装置の基本構造を説明する断面図である。
図2は、本発明の実施の形態における、発光装置の発光原理を説明する図であり、発光装置の構造とバンド構造を説明する模式図である。
図1に示すように、発光装置は、n型半導体膜(層)1及びこの上に形成されたソース電極(第2の電極)4及びドレイン電極(第3の電極)5と、p型半導体膜(層)2及びこの上に形成されたゲート電極(第1の電極)3と、発光装置の駆動を行うための交流電源6及び直流電源7とを有し、直流電圧によりバイアスされかつソース電極4とドレイン電極5との間に印加される交流電圧によって、n型半導体膜1に電子が所定量注入され、ゲート電極3とソース電極4との間に印加される直流電圧によって、電子と正孔との再結合を生じ発光を生じる。
ソース電極4とドレイン電極5との間に所定の交流電圧が印加された状態で、ゲート電極3とソース電極4との間に印加する直流電圧を変化させることによって、或いは、ゲート電極3とソース電極4との間に所定の直流電圧が印加された状態で、ソース電極4とドレイン電極5との間に印加する交流電圧を変化させることによって、発光量を制御することができる。
直流電圧によりバイアスされた交流電圧を印加して電子がn型半導体膜1に注入された後に、ソース電極4とドレイン電極5との間に印加する交流電圧、及び、ゲート電極3とソース電極4との間に印加する直流電圧を変化させて、発光量を制御することもできる。
直流電圧によりバイアスされた交流電圧を印加して十分な電子量がn型半導体膜1に注入された後に、交流電圧を印加した状態/又は交流電圧の印加を停止した状態で、直流電圧を変化させることによって、或いは、直流電圧が印加された状態で交流電圧を変化させることによって、発光量を制御することもできる。
n型半導体膜1に電子を注入する際に、所定の時間交流電圧を印加した後に、交流電圧を遮断して直流電圧を印加してもよい。
なお、n型半導体膜1とp型半導体膜2とが、直接接合された構成でも、中間絶縁膜(層)(図1に図示せず。)を介して接合された構成でもよい。基板(図1に図示せず。)上に下地絶縁膜(層)(図1に図示せず。)が形成され、この上にゲート電極3が形成される。例えば、n型半導体膜1がn型酸化亜鉛(ZnO)により、p型半導体膜2がp型酸化亜鉛(ZnO)により形成され、中間絶縁膜、下地絶縁膜は酸化亜鉛(ZnO)により形成される。
図1に示す発光装置は、その発光面積を大きくすれば、面発光型の照明装置とすることができる。また、図1に示す発光装置を単位画素とし、この単位画素を多数個集積して、面発光型の表示装置とすることができる。この面発光型の照明装置或いは表示装置では、ゲート電極3とソース電極4との間に印加される直流電圧によってバイアスされる交流電圧(ソース電極4とドレイン電極5との間に印加される。)によって、n型半導体膜体膜1に注入される電子量が制御される。
交流電圧が印加された状態で直流電圧を変化させることによって、或いは、所定の直流電圧が印加された状態で交流電圧を変化させることによって、発光量を制御することができ、面発光型の照明装置或いは表示装置における輝度の調整を容易に行うことができる。
図2に示すように、発光装置のpn接合に順方向バイアス(p型半導体膜2に正電圧、n型半導体膜1に負電圧)を印加すると、順方向バイアスは禁止帯の幅を変化させエネルギー障壁が低くなり、n型半導体膜1に設けられたnコンタクト電極(ソース電極4及びドレイン電極5)から注入された電子は伝導帯を流れ、p型半導体膜2に設けられたpコンタクト電極(ゲート電極3)から注入された空孔は価電子帯を流れ、pn接合部付近で電子と空孔は禁制帯を越えて再結合し、即ち、電子がエネルギーの高い伝導帯からエネルギーの低い価電子帯の空席に落ち、ほぼ禁制帯幅に相当するエネルギーが光として放出される。ゲート電極3とソース電極4の間に印加する直流電圧を上昇させていくと、電圧がある値(順方向降下電圧)以上になると電圧上昇に対する電流増加が大きくなり、電流量に応じて光を放出するようになる。
発光素子に流れる電流が最大定格電流を越えると低寿命となったり、発光装置の破壊を生じたりしてしまうこと、定電圧で発光装置を駆動すると、発光装置の特性バラツキ、順方向降下電圧の変動によって電流が変化してしまうことから、順方向降下電圧よりも高い電圧を発生できる直流電源を用いて、直列の抵抗器や定電流ダイオード等を入れ発光装置を流れる電流を制限した状態で、発光装置を使用してもよい。
n型半導体膜1のソース電極4とドレイン電極5との間に印加される交流電圧、及び、n型半導体膜1のソース電極4とp型半導体膜2のゲート電極3(pコンタクト電極)との間に印加される直流電圧によって、即ち、交流電源6、直流電源7によって、発光装置は駆動制御される。
ソース電極4とドレイン電極5との間に印加される交流電圧により、n型半導体膜1に電子を注入して、ソース電極4とゲート電極3との間に印加される直流電圧により、pn接合界面で電子と空孔を再結合させるので、所定の直流電圧を印加した状態で、交流電圧を変化させることによって、n型半導体膜1への電子の注入量を変化させて、発光量を制御することができ、低い直流電圧下でも発光量を増大させることができる。
ソース電極4とゲート電極3との間に印加される直流電圧をより高くすると、発光装置を流れる電流は増大し発光量は増大するが、印加電圧による電界、発熱によって、pn接合部の剥離、電気的短絡等の異常を生じて発光装置の破壊、低寿命化の原因となる。
本発明では、再結合を起こす電子をn型半導体膜1に多く注入して、ソース電極4とゲート電極3との間に印加される直流電圧によって、電子と空孔を再結合させて発光させるので、上述のように、低い直流電圧下でも発光量を増大させることができる。
図3は、本発明の実施の形態における、発光装置の基本構造を説明する斜視図である。
図4は、本発明の実施の形態における、発光装置の基本構造を説明する図であり、図4(A)は平面図、図4(B)はZ−Z部(図3を参照。)の断面図である。
図3、図4に示すように、発光装置は、n型酸化亜鉛(ZnO)膜(層)14及びこの上に形成されたソース電極(Au/Ti:第2の電極)17及びドレイン電極(Au/Ti:第3の電極)18と、p型酸化亜鉛(ZnO)膜(層)12及びこの上に形成されたゲート電極(Au/Ni:第1の電極)16と、発光装置の駆動を行うための交流電源15(図3に図示せず。)及び直流電源19(図3に図示せず。)とを有し、直流電圧によりバイアスされかつソース電極17とドレイン電極18との間に印加される交流電圧によって、n型酸化亜鉛膜14に電子が所定量注入され、ゲート電極16とソース電極17との間に印加される直流電圧によって電子と正孔の再結合による発光を生じる。
ソース電極17、ドレイン電極18の各電極とp型酸化亜鉛膜12との間は、絶縁膜(層)23によって電気的に分離されている。
なお、n型酸化亜鉛膜14とp型酸化亜鉛膜12とが、直接接合された構成でも、透明な中間絶縁膜(層)(層間絶縁膜(層))を介して接合された構成でもよい。図3、図4に示す構成では、n型酸化亜鉛膜14とp型酸化亜鉛膜12とが中間絶縁膜を介して接合されているが、中間絶縁膜は、図3、図4では図の簡略するために図示は省略し、後述する図6において図示している。透明な中間絶縁膜は酸化亜鉛により形成される。基板21上に酸化亜鉛により形成された下地絶縁膜(層)13が形成され、この上にゲート電極16が形成される。
基板21上に、下地絶縁膜13、pコンタクト電極(ゲート電極16)、p型酸化亜鉛薄膜12、中間絶縁膜(設けても設けなくてもよい。)、絶縁膜23、n型酸化亜鉛薄膜(AZO(Aluminum doped Zinc Oxide))14、nコンタクト電極(ソース電極17、ドレイン電極18)の順番で各膜(層)が成膜される。p型酸化亜鉛膜12はゲート電極16上に大きな面積で接触するように形成されるので、確実に安定した電気的な接続が確保される。
基板21の材料として、導電性材料、半導体材料、絶縁物材料を使用することができ、Al等の金属、Si等の半導体、ガラス、プラスチック等の基板を用いることができる。
下地絶縁膜13として、例えば、ZnO膜(100nm程度)を用いる。ZnO絶縁膜を用いるのは、この下地絶縁膜13上に成膜されるp型酸化亜鉛薄膜12の結晶性を高める目的でもある。
pコンタクト電極(ゲート電極16)は通常Au薄膜(50nm)/Ni薄膜(10nm)によって形成される。
p型酸化亜鉛薄膜12は、反応性スパッタ法で成膜された透明導電膜であり、正孔キャリア濃度が3.6×1017/cm3、移動度が0.69である。p型酸化亜鉛薄膜12の膜厚は100nm程度が好ましい(成膜法については後述する。)。
中間絶縁膜は、p型酸化亜鉛薄膜12の平坦化を目的としてアモルファスZnO絶縁膜を用いる。中間絶縁膜の膜厚が20nmを超えると良好な望ましいpn接合特性が得られなくなるので、中間絶縁膜の膜厚は20nm以下が好ましい(成膜法については後述する。)。
n型酸化亜鉛薄膜14は、反応性スパッタ法で成膜された透明導電膜であり、キャリア(電子)濃度が2.0×1020/cm3、移動度が100である。n型酸化亜鉛薄膜14の膜厚は100nm程度が好ましい(成膜法については後述する。)。なお、n型酸化亜鉛薄膜14のキャリア濃度は、n型酸化亜鉛薄膜14の膜厚、抵抗等によって変化する。
nコンタクト電極(ソース電極17、ドレイン電極18)は通常Au薄膜(50nm)/Ti薄膜(10nm)によって形成される。ソース電極17、ドレイン電極18を、ITO(酸化インジウム錫)、電導性透明酸化亜鉛等によって形成してもよい。
以下、発光装置を構成する各膜(層)の成膜プロセスの代表的なプロセス条件を説明する。基本的にはDCスパッタリング法を用いるが、RFスパッタリング法を用いてもよい、ここではDCスパッタリング法による成膜条件に関して説明する。
(a)下地絶縁膜13
ターゲット材料:亜鉛(Zn)(100cm×100cm)
スパッタリングガス:Arガス(32sccm)+酸素ガス(48sccm)
スパッタリング圧:0.53Pa
スパッタリングパワー:400W
膜厚:100nm程度
なお、酸素ガスが48sccm未満であると膜欠陥を生じ導電性膜となるため、酸素ガスは48sccm以上とするのが好ましい。
ターゲット材料:亜鉛(Zn)(100cm×100cm)
スパッタリングガス:Arガス(32sccm)+酸素ガス(48sccm)
スパッタリング圧:0.53Pa
スパッタリングパワー:400W
膜厚:100nm程度
なお、酸素ガスが48sccm未満であると膜欠陥を生じ導電性膜となるため、酸素ガスは48sccm以上とするのが好ましい。
(b)中間絶縁膜(透明絶縁膜)
ターゲット材料:
亜鉛(Zn)+アルミニウム(Al)(30wt%)(100cm×100cm)
スパッタリングガス:Arガス(32sccm)+酸素ガス(48sccm)
スパッタリング圧:0.53Pa
スパッタリングパワー:400W
膜厚:25nm以下
なお、酸素ガスが48sccm未満であると膜欠陥を生じ導電性膜となるため、酸素ガスは48sccm以上とするのが好ましい。
ターゲット材料:
亜鉛(Zn)+アルミニウム(Al)(30wt%)(100cm×100cm)
スパッタリングガス:Arガス(32sccm)+酸素ガス(48sccm)
スパッタリング圧:0.53Pa
スパッタリングパワー:400W
膜厚:25nm以下
なお、酸素ガスが48sccm未満であると膜欠陥を生じ導電性膜となるため、酸素ガスは48sccm以上とするのが好ましい。
(c)pコンタクト電極(Au/Ni)(ゲート電極16)
(c1)ターゲット材料:金(Au)(100cm×100cm)
スパッタリングガス:Arガス(100sccm)
スパッタリング圧:0.53Pa
スパッタリングパワー:400W
膜厚:100nm程度
(c2)ターゲット材料:ニッケル(Ni)(100cm×100cm)
スパッタリングガス:Arガス(100sccm)
スパッタリング圧:0.53Pa
スパッタリングパワー:400W
膜厚:10nm程度
(d)nコンタクト電極(Au/Ti)(ソース電極17、ドレイン電極18)
(d1)ターゲット材料:金(Au)(100cm×100cm)
スパッタリングガス:Arガス(100sccm)
スパッタリング圧:0.53Pa
スパッタリングパワー:400W
膜厚:100nm程度
(d2)ターゲット材料:チタニウム(Ti)(100cm×100cm)
スパッタリングガス:Arガス(100sccm)
スパッタリング圧:0.53Pa
スパッタリングパワー:400W
膜厚:10nm程度
(e)Al、Nをドープしたp型酸化亜鉛薄膜12
ターゲット材料:
亜鉛(Zn)+酸化アルミニウム(Al2O3)(30wt%)(100cm×100cm)
スパッタリングガス:
Arガス(40sccm)+笑気ガス(N2O)(30sccm)+酸素ガス(10sccm)
スパッタリング圧:0.53Pa
スパッタリングパワー:400W
膜厚:100nm程度
(f)Alをドープしたn型酸化亜鉛薄膜14
ターゲット材料:
亜鉛(Zn)+酸化アルミニウム(Al2O3)(2wt%)(100cm×100cm)
スパッタリングガス:Arガス(80sccm)+酸素ガス(0.12sccm)
スパッタリング圧:0.53Pa
スパッタリングパワー:400W
膜厚:100nm程度
以上が、各膜(層)の成膜条件である。
(c1)ターゲット材料:金(Au)(100cm×100cm)
スパッタリングガス:Arガス(100sccm)
スパッタリング圧:0.53Pa
スパッタリングパワー:400W
膜厚:100nm程度
(c2)ターゲット材料:ニッケル(Ni)(100cm×100cm)
スパッタリングガス:Arガス(100sccm)
スパッタリング圧:0.53Pa
スパッタリングパワー:400W
膜厚:10nm程度
(d)nコンタクト電極(Au/Ti)(ソース電極17、ドレイン電極18)
(d1)ターゲット材料:金(Au)(100cm×100cm)
スパッタリングガス:Arガス(100sccm)
スパッタリング圧:0.53Pa
スパッタリングパワー:400W
膜厚:100nm程度
(d2)ターゲット材料:チタニウム(Ti)(100cm×100cm)
スパッタリングガス:Arガス(100sccm)
スパッタリング圧:0.53Pa
スパッタリングパワー:400W
膜厚:10nm程度
(e)Al、Nをドープしたp型酸化亜鉛薄膜12
ターゲット材料:
亜鉛(Zn)+酸化アルミニウム(Al2O3)(30wt%)(100cm×100cm)
スパッタリングガス:
Arガス(40sccm)+笑気ガス(N2O)(30sccm)+酸素ガス(10sccm)
スパッタリング圧:0.53Pa
スパッタリングパワー:400W
膜厚:100nm程度
(f)Alをドープしたn型酸化亜鉛薄膜14
ターゲット材料:
亜鉛(Zn)+酸化アルミニウム(Al2O3)(2wt%)(100cm×100cm)
スパッタリングガス:Arガス(80sccm)+酸素ガス(0.12sccm)
スパッタリング圧:0.53Pa
スパッタリングパワー:400W
膜厚:100nm程度
以上が、各膜(層)の成膜条件である。
図5は、本発明の実施の形態における、発光装置の発光原理(駆動方法と動作原理)を説明する図であり、図5(A)はバンド構造を加味しない模式図、図5(B)はバンド構造を加味した模式図である。
図5に示す例では、n型酸化亜鉛膜14とp型酸化亜鉛膜12とが、酸化亜鉛により形成されるZnAlO膜(層)(中間絶縁膜(層))11を介して接合された構成を示している。n型酸化亜鉛膜14とp型酸化亜鉛膜12とが直接接合された構成でもよい。
図5に示すように、直流電源19によって、発光装置のpn接合に順方向バイアス(p型半導体膜12に正電圧、n型半導体膜14に負電圧)を印加すると、順方向バイアスは禁止帯の幅を変化させエネルギー障壁が低くなり、交流電源15による交流電圧によって、n型半導体膜14に設けられたnコンタクト電極(ソース電極17及びドレイン電極18)から注入された電子は伝導帯を流れ、p型半導体膜12に設けられたpコンタクト電極(ゲート電極16)から注入された空孔は価電子帯を流れ、pn接合部付近で電子と空孔は禁制帯を越えて再結合し、即ち、電子がエネルギーの高い伝導帯の準位(4.57eV)からエネルギーの低い価電子帯の準位(7.82eV)の空席に落ち、ほぼ禁制帯幅に相当するエネルギーに対応する波長をもった光が放出される。なお、図5(B)に示す、5.1eVは、ゲート電極16を構成する(Au/Ni)の仕事関数である。
このように、発光装置は、交流電源15、直流電源19によって駆動される。n型酸化亜鉛薄膜の両端に設置したnコンタクト電極であるソース電極17とドレイン電極18との間に、交流電圧(正弦波、矩形波、鋸歯状波等)が印加される。交流電圧の周波数は120Hz以上であれば、n型酸化亜鉛薄膜への電流注入という作用効果を奏するので好ましい。ソース電極17とドレイン電極18との間に交流電圧を印加することによって、n型酸化亜鉛薄膜14の伝導帯中に多くの電子キャリアを注入することが可能になる。
次に、このn型酸化亜鉛薄膜14に印加した交流電圧に対してバイアスがかかるように、p型酸化亜鉛薄膜12に対して直流電圧が印加される。この直流バイアスでn型酸化亜鉛薄膜14内のキャリア(電子)とp型酸化亜鉛薄膜12内の正孔を再結合させて発光させる。発光量の制御は主にp型酸化亜鉛薄膜12に印加された直流バイアスの大きさによって制御されるが、一定直流バイアス下でn型酸化亜鉛薄膜14内のキャリア濃度を交流電圧の印加によっても制御することができる。
以上説明したように、n型酸化亜鉛薄膜14のソース電極17とドレイン電極18との間に印加される交流電圧、及び、n型酸化亜鉛薄膜14のソース電極17とp型酸化亜鉛薄膜12のゲート電極16(pコンタクト電極)との間に印加される直流電圧によって、発光装置は駆動制御され、ソース電極17とドレイン電極18との間に印加される交流電圧により、n型酸化亜鉛薄膜14内に電子を注入して、ソース電極17とゲート電極16との間に印加される直流電圧により、pn接合界面で電子と空孔を再結合させるので、所定の直流電圧を印加した状態で、交流電圧を変化させることによって、n型酸化亜鉛薄膜14内への電子の注入量を変化させて、発光量を制御することができ、低い直流電圧下でも発光量を増大させることができる。
図6は、本発明の実施の形態における、発光装置の製造工程を説明する、図3に示すZ−Z部の断面図である。以下、図6(A)〜図6(F)に示す工程順に説明する。
(A)下地絶縁膜13の形成
基板21上に、下地絶縁膜13を形成する。基板2として、導電性材料、半導体材料、絶縁物材料の何れかを用い、下地絶縁膜13として、結晶性の良好なp型酸化亜鉛薄膜12を成膜するためにZnO絶縁膜を形成する。
基板21上に、下地絶縁膜13を形成する。基板2として、導電性材料、半導体材料、絶縁物材料の何れかを用い、下地絶縁膜13として、結晶性の良好なp型酸化亜鉛薄膜12を成膜するためにZnO絶縁膜を形成する。
(B)ゲート電極(Au/Ni)16の形成
下地絶縁膜13上にpコンタクト電極としてのゲート電極16を形成する。
下地絶縁膜13上にpコンタクト電極としてのゲート電極16を形成する。
(C)p型酸化亜鉛薄膜12、ZnAlO膜(中間絶縁膜)11の形成
ゲート電極16の一部を接続用端子部として露出させるようにして、ゲート電極(Au/Ni)16上にp型酸化亜鉛薄膜12を形成する。次に、p型酸化亜鉛薄膜12上に中間絶縁膜11を形成する。
ゲート電極16の一部を接続用端子部として露出させるようにして、ゲート電極(Au/Ni)16上にp型酸化亜鉛薄膜12を形成する。次に、p型酸化亜鉛薄膜12上に中間絶縁膜11を形成する。
(D)絶縁膜23の形成
一方向の両端部において、p型酸化亜鉛薄膜12、中間絶縁膜11の端辺部の少なくとも一部を覆うようにして、下地絶縁膜13上に絶縁膜23を形成する。
一方向の両端部において、p型酸化亜鉛薄膜12、中間絶縁膜11の端辺部の少なくとも一部を覆うようにして、下地絶縁膜13上に絶縁膜23を形成する。
(E)n型酸化亜鉛薄膜14の形成
両端部に形成された絶縁膜23の間で露出する中間絶縁膜11上にn型酸化亜鉛薄膜14を形成する。
両端部に形成された絶縁膜23の間で露出する中間絶縁膜11上にn型酸化亜鉛薄膜14を形成する。
(F)nコンタクト電極としてのソース電極17、ドレイン電極18の形成
一方向の両端部において、一方の端部で絶縁膜23の一部及びn型酸化亜鉛薄膜14の端辺部の一部を覆うようにソース電極17を、他方の端部で絶縁膜23の一部及びn型酸化亜鉛薄膜14の端辺部の一部を覆うようにドレイン電極18を形成する。ソース電極17、ドレイン電極18を、ITO、電導性透明酸化亜鉛等によって形成してもよい。
一方向の両端部において、一方の端部で絶縁膜23の一部及びn型酸化亜鉛薄膜14の端辺部の一部を覆うようにソース電極17を、他方の端部で絶縁膜23の一部及びn型酸化亜鉛薄膜14の端辺部の一部を覆うようにドレイン電極18を形成する。ソース電極17、ドレイン電極18を、ITO、電導性透明酸化亜鉛等によって形成してもよい。
以上のようにして、基板21上に、下地絶縁膜13、pコンタクト電極(ゲート電極16)、p型酸化亜鉛薄膜12、中間絶縁膜11、絶縁膜23、n型酸化亜鉛薄膜14、nコンタクト電極(ソース電極17、ドレイン電極18)の順番で各膜(層)が成膜される。
なお、中間絶縁膜11は設けない構成とすることもできる。また、上記の説明では、絶縁膜23を形成した後にn型酸化亜鉛膜14を形成したが、n型酸化亜鉛膜14を形成した後に絶縁膜23を形成することもできる。ソース電極17、ドレイン電極18の各電極とp型酸化亜鉛膜12との間が電気的に分離されるように、絶縁膜23が形成されていればよい。
以下、図3、図4、図6に示す発光装置の変形例について説明する。
図7は、本発明の実施の形態における、発光装置の構造の変形例を説明する図であり、図7(A)は平面図、図7(B)Z−Z部の断面図である。
図7は、図3、図4、図6に示す発光装置において、ソース電極17に接続された透明平板ソース電極17aをn型酸化亜鉛膜14上に設けた構成を示している。この構成によって、透明平板ソース電極17aとゲート電極16との間(即ち、n型酸化亜鉛膜14とp型酸化亜鉛膜12との間)において、透明平板ソース電極17aとゲート電極16との対向面の全体にわたって略均一な直流電圧が印加され、発光装置の発光面積が大きな場合でも、発光面全体にわたって略均一な発光を生じさせることができる。透明平板ソース電極17aは、ITO、電導性透明酸化亜鉛等によって形成することができる。ゲート電極16と透明平板ソース電極17aを一体化させて、ITO、電導性透明酸化亜鉛等によって形成してもよい。
図8は、本発明の実施の形態における、発光装置の構造の変形例を説明する図であり、図8(A)は平面図、図8(B)はZ’−Z’部の断面図である。
図8は、図3、図4、図6に示す発光装置において、ソース電極17に接続された櫛型透明ソース電極17bと、ドレイン電極18に接続された櫛型透明ドレイン電極18bとをn型酸化亜鉛膜14上に設けた構成を示している。櫛型透明ソース電極17bの櫛歯と櫛型透明ドレイン電極18bの櫛歯とが互いに噛み合わされるように、櫛型透明ソース電極17bと櫛型透明ドレイン電極18bとがn型酸化亜鉛膜14上に設けられている。櫛型透明ソース電極17b、櫛型透明ドレイン電極18bは、ITO、電導性透明酸化亜鉛等によって形成することができる。ソース電極17と櫛型透明ソース電極17bを、ドレイン電極18と櫛型透明ドレイン電極18bをそれぞれ、一体化させて、ITO、電導性透明酸化亜鉛等によって形成してもよい。
櫛型透明ソース電極17bの櫛歯の幅が櫛型透明ドレイン電極18bの櫛歯の幅よりも大きく形成されているので、櫛型透明ソース電極17bの櫛歯と櫛型透明ドレイン電極18bの櫛歯との間で、効率よく多量の電子をn型酸化亜鉛膜14に注入することができ、しかも、櫛型透明ソース電極17bの櫛歯とゲート電極16(即ち、n型酸化亜鉛膜14とp型酸化亜鉛膜12との間)との間において、櫛型透明ソース電極17bと櫛歯とゲート電極16との対向面の全体にわたって略均一な直流電圧が印加され、発光装置の発光面積が大きな場合でも、発光面全体にわたって略均一な発光を生じさせることができる。
図9は、本発明の実施の形態における、発光装置の構造の変形例を説明する図であり、図9(A)は平面図、図9(B)はY−Y部の断面図である。
図9は、図3、図4、図6に示す発光装置において、p型酸化亜鉛膜12とゲート電極16の幅を同一にしてゲート電極16の面積を大きく、絶縁膜23、ソース電極17、ドレイン電極18の断面形状が直角に近い角度を有するようにして、発光装置の発光面積をできるだけ大きくしたものである。ソース電極17、ドレイン電極18を、ITO、電導性透明酸化亜鉛等によって形成することもでき、透明な開口面積を増大させることができる。なお、図7、図8に示す変形例を、図9に示す構成に適用することができることは言うまでもない。
図7〜図9に示す発光装置の製造は、図6に関して上述した製造工程を変更することによって、容易に可能であることは言うまでもないので、製造工程については詳述しない。
以上説明した図1、図3、図4、図6〜図9は、ゲート電極3、16を下方に配置し、ソース電極4、17とドレイン電極5、18を上方に配置したボトムゲート型の発光装置であるが、以下で説明するように、ゲート電極3、16を上方に配置し、ソース電極4、17とドレイン電極5、18を下方に配置したトップゲート型の発光装置の構成(図10〜図12)も可能である。
以下において、図10〜図12で説明する構成は、図3、図4、図6〜図9に示すボトムゲート型の発光装置において、p型酸化亜鉛膜12と、n型酸化亜鉛膜14の上下の位置関係、及び、pコンタクト電極(ゲート電極16)とnコンタクト電極(ソース電極17、ドレイン電極18)の上下の位置関係を変更したものであり、トップゲート型の発光装置に関するものである。
図10は、本発明の実施の形態における、図9に示す発光装置の構造の変形例を説明する図であり、図10(A)は平面図、図10(B)はX−X部の断面図である。
図10に示すように、基板21上に形成された下地絶縁膜13上に、n型酸化亜鉛膜14、ソース電極17とドレイン電極18、絶縁膜23、p型酸化亜鉛膜12、ゲート電極16がこの順に形成されている。
図10に示す例では、p型酸化亜鉛膜12の両端辺部にゲート電極16を形成しているが、一方の端辺部にのみに形成してもよい。また、ゲート電極16をITO、電導性透明酸化亜鉛等によって形成することもできる。
図10に示すようなトップゲート型の発光装置では、図3、図4、図6から図9に示すボトムゲート型の発光装置のように、大きな面積のゲート電極16を設ける必要がない。また、トップゲート型の構成に加えて、ボトムゲート型の構成によって、ゲート電極16、ソース電極17、ドレイン電極18の各電極に接続すべき配線経路の配置の自由度を増大させることができる。
図11は、本発明の実施の形態における、図10に示す発光装置の構造の変形例を説明する図であり、図11(A)は平面図、図11(B)はX−X部の断面図である。
図11は、図10に示す発光装置において、p型酸化亜鉛膜12の両端辺部のゲート電極16に透明電極を接続する構成とし、透明平板ゲート電極16aをp型酸化亜鉛膜12上に設けた構成を示している。図11に示すように、基板21上に形成された下地絶縁膜13上に、n型酸化亜鉛膜14、ソース電極17とドレイン電極18、絶縁膜23、p型酸化亜鉛膜12、透明平板ゲート電極16aがこの順に形成されている。
この構成によって、透明平板ゲート電極16aとソース電極17との間(即ち、p型酸化亜鉛膜12とn型酸化亜鉛膜14との間)において、透明平板ゲート電極16aとソース電極17とが対向する空間(対向空間)全体にわたって、図10に示す構成よりも、より均一な直流電圧が印加され、発光装置の発光面積が大きな場合でも、対向空間全体にわたってより均一な発光を生じさせることができる。透明平板ゲート電極16aは、ITO、電導性透明酸化亜鉛等によって形成することができる。
図12は、本発明の実施の形態における、発光装置の構造の変形例を説明する図であり、図12(A)は平面図、図12(B)はX−X部の断面図、図12(C)はZ’−Z’部(図8を参照。)に相当する断面図である。
図12(B)は、図11に示す発光光装置において、ソース電極17に接続された平板ソース電極17d上にn型酸化亜鉛膜14を設けた構成を示している。図12(B)に示すように、基板21上に形成された下地絶縁膜13上に、平板ソース電極17d、n型酸化亜鉛膜14、ソース電極17とドレイン電極18、絶縁膜23、p型酸化亜鉛膜12、透明平板ゲート電極16aがこの順に形成されている。
この構成によって、透明平板ゲート電極16aと平板ソース電極17dとの間(即ち、p型酸化亜鉛膜1とn型酸化亜鉛膜14との間)において、透明平板ゲート電極16aと平板ソース電極17dとの対向面の全体にわたって略均一な直流電圧が印加され、発光装置の発光面積が大きな場合でも、発光面全体にわたって略均一な発光を生じさせることができる。
図12(C)は、図11に示す発光光装置において、ソース電極17に接続された櫛型ソース電極17cと、ドレイン電極18に接続された櫛型ドレイン電極18cとを、n型酸化亜鉛膜14下に設けた構成を示している。櫛型ソース電極17cの櫛歯と櫛型ドレイン電極18cの櫛歯とが互いに噛み合わされるように、櫛型ソース電極17cと櫛型ドレイン電極18cとがn型酸化亜鉛膜14下に設けられている。ソース電極17と櫛型ソース電極17cを、ドレイン電極18と櫛型透レイン電極18cをそれぞれ、一体化させて形成してもよい。
図12(C)に示すように、基板21上に形成された下地絶縁膜13上に、櫛型ソース電極17cと櫛型ドレイン電極18c、絶縁膜23、n型酸化亜鉛膜14、p型酸化亜鉛膜12、透明平板ゲート電極16aがこの順に形成されている。
櫛型ソース電極17cの櫛歯の幅が櫛型ドレイン電極18cの櫛歯の幅よりも大きく形成されているので、櫛型ソース電極17cの櫛歯と櫛型ドレイン電極18cの櫛歯との間で、効率よく多量の電子をn型酸化亜鉛膜14に注入することができ、しかも、櫛型ソース電極17cの櫛歯と透明平板ゲート電極16aとの間(即ち、n型酸化亜鉛膜14とp型酸化亜鉛膜12との間)において、櫛型ソース電極17cの櫛歯と透明平板ゲート電極16aとの対向面の全体にわたって略均一な直流電圧が印加され、発光装置の発光面積が大きな場合でも、発光面全体にわたって略均一な発光を生じさせることができる。
なお、図11、図12に示す変形例において、ゲート電極16、ソース電極17、ドレイン電極18、絶縁膜23の断面形状を、図3、図4、図6〜図8に示すような、ソース電極17、ドレイン電極18、絶縁膜23の断面形状に類似したものとすることができることは言うまでもない。
図11、図12に示す発光装置の製造は、図6に関して上述した製造工程を変更することによって、容易に可能であることは言うまでもないので、製造工程については詳述しない。
以上説明したように、本発明の実施の形態では、以下の作用効果を得ることができる。
(1)従来技術における発光装置には設けられていなかった、キャリア(電子)注入のためのnコンタクト電極(電極第2の電極と第3の電極)を有するので、発光装置の電気的絶縁破壊がなくなる。
(2)第2の電極と第3の電極との間に印加される交流電圧によって、n型酸化亜鉛へのキャリア(電子)注入量を制御して、このキャリア(電子)注入量によって発光量を制御することができる。
(3)pコンタクト電極(第1の電極)と第2の電極との間に印加される直流バイアスの大きさによって、発光量を制御することできる。
(4)p型酸化亜鉛膜、n型酸化亜鉛膜を可視光に対して透明な酸化亜鉛薄膜によって形成するので、可視光に対して透明な発光装置を作製することができる。
(5)発光装置が3端子の電界効果型トランジスタと類似の構成を有するので、p型酸化亜鉛膜に設けたpコンタクト電極に印加される直流電圧のオン、オフによって、発光のオン、オフを制御するスイッチング機能をもったスイッチング発光装置として機能する。
(1)従来技術における発光装置には設けられていなかった、キャリア(電子)注入のためのnコンタクト電極(電極第2の電極と第3の電極)を有するので、発光装置の電気的絶縁破壊がなくなる。
(2)第2の電極と第3の電極との間に印加される交流電圧によって、n型酸化亜鉛へのキャリア(電子)注入量を制御して、このキャリア(電子)注入量によって発光量を制御することができる。
(3)pコンタクト電極(第1の電極)と第2の電極との間に印加される直流バイアスの大きさによって、発光量を制御することできる。
(4)p型酸化亜鉛膜、n型酸化亜鉛膜を可視光に対して透明な酸化亜鉛薄膜によって形成するので、可視光に対して透明な発光装置を作製することができる。
(5)発光装置が3端子の電界効果型トランジスタと類似の構成を有するので、p型酸化亜鉛膜に設けたpコンタクト電極に印加される直流電圧のオン、オフによって、発光のオン、オフを制御するスイッチング機能をもったスイッチング発光装置として機能する。
特許文献1に記載の発明では、基板上に形成した発光装置及び薄膜トランジスタからなる半導体装置が、平面型ディスプレイの一画素を構成し、薄膜トランジスタによって所定の位置の発光装置の発光が制御されているが、一画素を構成する発光装置及び薄膜トランジスタは並置されているため、発光装置の発光面積が、薄膜トランジスタの占める面積によって制限されてしまうという問題がある。
しかし、本発明による発光装置では、上述のように、発光のスイッチング制御を行うための電極(第1の電極)、発光量の制御を行うための電極(第1の電極、第2の電極、第3の電極;ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極)を備えており、pコンタクト電極に印加される直流電圧のオン、オフによって、発光のオン、オフを制御することができ、発光装置の動作を制御するためのトランジスタを必要としないので、発光装置の発光面積が、トランジスタの占める面積によって制限されてしまうことはない。
(6)基板に下地絶縁膜を成膜することによって、基板として、金属、半導体、ガラス、プラスチック等を使用することができる。
(7)電子と正孔の再結合による発光装置であるために、各種の成膜技術を用いて容易に面発光デバイスを作製することができる。
(6)基板に下地絶縁膜を成膜することによって、基板として、金属、半導体、ガラス、プラスチック等を使用することができる。
(7)電子と正孔の再結合による発光装置であるために、各種の成膜技術を用いて容易に面発光デバイスを作製することができる。
以上、本発明を実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、発光装置を構成する各膜(層)の材質、厚さ、大きさ寸法等は、発光装置の使用用途に合致するように、その性能を満たすように必要に応じて任意に適切に設定することができる。また、上述の実施の形態では、p型及びn型半導体膜(層)をZnOとする例について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、GaN、AlN、GaP、ZnSe等の種々の半導体材料にも適用することができ、更に、ホモ接合構造をもつ発光装置に限定されることなく、ダブルへテロ接合構造、量子井戸接合構造等をもつ発光装置にも適用することができ、発光効率を高めることもできる。
以上説明したように、本発明によれば、各種の表示機器、小型照明機器等の分野において、好適に使用することができ、発光量が制御可能な発光装置及びその駆動方法を提供することができる。
1…n型半導体膜、2…p型半導体膜、3、16…ゲート電極、
4、17…ソース電極、5、18…ドレイン電極、6、15…交流電源、
7、19…直流電源、11…ZnAlO膜、12…n型酸化亜鉛膜、13…下地絶縁膜、
14…p型酸化亜鉛膜、16a…透明平板ゲート電極、17a…透明平板ソース電極、
17b…櫛型透明ソース電極、17c…櫛型ソース電極、17d…透明ソース電極、
18b…櫛型透明ドレイン電極、18c…櫛型ドレイン電極、21…基板、23…絶縁膜
4、17…ソース電極、5、18…ドレイン電極、6、15…交流電源、
7、19…直流電源、11…ZnAlO膜、12…n型酸化亜鉛膜、13…下地絶縁膜、
14…p型酸化亜鉛膜、16a…透明平板ゲート電極、17a…透明平板ソース電極、
17b…櫛型透明ソース電極、17c…櫛型ソース電極、17d…透明ソース電極、
18b…櫛型透明ドレイン電極、18c…櫛型ドレイン電極、21…基板、23…絶縁膜
Claims (18)
- n型半導体層と、
このn型半導体層に接合したp型半導体層と、
前記p型半導体層に形成された第1の電極と、
前記n型半導体層に形成された第2の電極及び第3の電極と、
前記第2の電極と前記第3の電極との間に交流電圧を印加する交流電源と、
前記第1の電極と前記第2の電極との間に直流電圧を印加する直流電源と
を有し、前記交流電圧によって、前記n型半導体層に電子が所定量注入され、前記直流電圧によって、前記p型半導体層から前記n型半導体層に正孔を注入して、前記電子と前記正孔とを再結合させる、発光装置。 - 前記交流電圧が前記直流電圧によってバイアスされて印加される、請求項1に記載の発光装置。
- 基板と、この基板上に形成された下地絶縁層とを有し、前記第1の電極が前記下地絶縁層上に形成され、前記p型半導体層が前記第1の電極上に形成され、前記n型半導体層が前記p型半導体層上に形成された、請求項1に記載の発光装置。
- 前記n型半導体層がn型酸化亜鉛により、前記p型半導体層がp型酸化亜鉛により形成された、請求項1に記載の発光装置。
- 前記下地絶縁層が酸化亜鉛により形成される、請求項3に記載の発光装置。
- 前記第2の電極に接続されかつ前記n型半導体層上に設けられた透明平板電極を有し、この透明平板電極が前記交流電圧の印加、前記直流電圧の印加とにそれぞれ用いられる、請求項3に記載の発光装置。
- 前記第2の電極に接続された第1の透明櫛型電極と、前記第3の電極に接続された第2の透明櫛型電極とを有し、前記2つの櫛型電極の櫛歯が互いに噛み合わされるように、前記第1の透明櫛型電極と前記第2の透明櫛型電極とが前記n型半導体層上に設けられ、前記2つの櫛型電極が前記交流電圧の印加、前記直流電圧の印加とにそれぞれ用いられる、請求項3に記載の発光装置。
- 前記2つの櫛型電極の一方の櫛歯の幅が他方の櫛歯の幅よりも大きい、請求項7に記載の発光装置。
- 基板と、この基板上に形成された下地絶縁層とを有し、前記第2の電極と前記第3の電極と前記n型半導体層とが前記下地絶縁層上に形成され、前記p型半導体層が前記n型半導体層上に形成された、請求項1に記載の発光装置。
- 前記第1の電極に接続されかつ前記p型半導体層上に設けられた透明平板電極を有し、この透明平板電極が前記交流電圧の印加、前記直流電圧の印加とにそれぞれ用いられる、請求項9に記載の発光装置。
- 前記第2の電極に接続されかつ前記n型半導体層下に設けられた平板電極を有し、この平板電極が前記交流電圧の印加、前記直流電圧の印加とにそれぞれ用いられる、請求項10に記載の発光装置。
- 前記第2の電極に接続された第1の櫛型電極と、前記第3の電極に接続された第2の櫛型電極とを有し、前記2つの櫛型電極の櫛歯が互いに噛み合わされるように、前記第1の櫛型電極と前記第2の櫛型電極とが前記n型半導体層下に設けられ、前記2つの櫛型電極が前記交流電圧の印加、前記直流電圧の印加とにそれぞれ用いられる、請求項10に記載の発光装置。
- 前記2つの櫛型電極の一方の櫛歯の幅が他方の櫛歯の幅よりも大きい、請求項12に記載の発光装置。
- 前記n型半導体層と前記p型半導体層との間に中間絶縁層を有し、前記n型半導体層と前記p型半導体層とが前記中間絶縁層を介して接合された、請求項1に記載の発光装置。
- n型半導体層と、このn型半導体層に接合したp型半導体層と、前記p型半導体層に形成された第1の電極と、前記n型半導体層に形成された第2の電極及び第3の電極と、前記第2の電極と前記第3の電極との間に交流電圧を印加する交流電源と、前記第1の電極と前記第2の電極との間に直流電圧を印加する直流電源とを有する発光装置の駆動方法であって、
前記交流電圧によって、前記n型半導体層に電子を所定量注入し、前記直流電圧によって、前記p型半導体層から前記n型半導体層に正孔を注入して、前記電子と前記正孔とを再結合させる、発光装置の駆動方法。 - 前記交流電圧の印加状態で前記直流電圧を印加する、請求項15に記載の発光装置の駆動方法。
- 所定の前記交流電圧が印加された状態で前記直流電圧を変化させることによって、発光量が制御される、請求項15に記載の発光装置の駆動方法。
- 所定の前記直流電圧が印加された状態で、前記交流電圧を変化させることによって、発光量が制御される、請求項15に記載の発光装置の駆動方法。
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