JP2008173567A - 活性水製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、流路管3に収容されたセラミック粒子5を被処理水の水流によって水中で流動させて互いに摩擦及び/又は衝突させることにより被処理水を活性化させる活性水製造装置であって、流路管3が、収容されたセラミック粒子5を流動させる流動部4と、流動部4の上流に形成され被処理水を流入させる被処理水流入口12と、流動部4の下流側に連設された拡開流動部6と、拡開流動部6の下流に形成され活性水を流出させる活性水流出口17と、を備え、拡開流動部6の最小の流路断面積を流動部4の最大の流路断面積より大きくして形成される。
【選択図】図1
Description
近年、水に何らかの処理を施し機能化・活性化させた水、いわゆる活性水が、工学・農学・医学等の様々な分野において積極的に利用されている。このような活性水を低コストで製造する方法の一つに、セラミック粒子を用いて水を活性化させるセラミック処理法が挙げられる。水をセラミック粒子で処理して活性化させる活性水製造装置として、例えば以下のようなものが知られている。
(特許文献1)には「セラミック粒子を容器内に装入し、該容器の下部から被処理水を導入して、被処理水の水流によりセラミック粒子を水中で流動、相互摩擦、衝突させることによって被処理水を活性化し、生成された活性水を容器の上部から取り出す活性水の生成方法」が開示されている。
(特許文献2)には「水の流入口の内側表面をセラミックスとし、水の流入口付近に複数の小塊状ファインセラミックスを水の流入により運動可能な状態で配置し、運動により小塊状ファインセラミックス同士を衝突させるようにしたイオン化水処理装置」が開示されている。
(特許文献3)には「給水口を有する外容器の内部に噴出口と排出口とを有する内容器を固定し、内容器の内部にセラミック球の集合体を封入するとともに、給水口に接続した噴出口により噴出する水流でセラミック球を流動させ相互の衝突・摩擦作用を連続的に発生させるようにした水流回転流動式活水装置」が開示されている。
(1)(特許文献1)に開示されたセラミック粒子を流動させる容器(2)は円筒状であり、水流方向と直交方向の流路断面積が水流方向に亘って一様に形成されている。また、(特許文献2)に開示された小塊状ファインセラミックスを運動させ衝突させる超音波発生部(14)も円筒状であり、水流方向と直交方向の流路断面積が水流方向に亘って一様に形成されている。そのため、(特許文献1)や(特許文献2)の装置に供給される被処理水の体積流量が一定で適正の場合は、セラミック粒子等を水流によって容器等の上部まで舞い上がらせた後、容器等の下部に達するように大きく上下に対流させるとともに相互に摩擦や衝突を起こさせて活性水を製造することができる。しかし、被処理水の体積流量が増加した場合は、装置内を流れる水流の流速が速くなり、水流によってセラミック粒子等が容器等の上部に張り付いて大きな流動が得られず、またセラミック粒子等と水流の接触時間が短くなるため、被処理水の改質効率が低下するという課題を有していた。これは、水道の蛇口に直結したような場合でも蛇口の開口度を変化させることにより体積流量が変動するので、体積流量が少ない場合はセラミック粒子が流動せず、流量が多い場合はセラミック粒子が容器等の上部に張り付いて粒子間の摩擦や衝突が生じなくなる。被処理水を改質できる適正流量範囲が狭く、急に大量の活性水が必要になって蛇口を大きく開いて体積流量を多くした場合は、被処理水を活性化できないという課題を有していた。このように、活性水を得るためには、制限された範囲の狭い適正流量を遵守しなければならず使用性に欠けるという課題を有していた。
(2)(特許文献3)に開示されたセラミック球が封入された内容器(7)は、給水口(3)が接続された下端部から上端部に向かって縮径しており、流路方向と直交方向の流路横断面積を水流方向に亘って漸次小さくして形成されている。このため、被処理水の体積流量が増加した場合は、内容器を流れる水流、特に上端部の水流の流速が速くなりセラミック球が内容器の上端部に張り付いて大きな対流が得られず、またセラミック球と水流の接触時間が短くなるため、被処理水の改質効率が低下するという課題を有していた。
本発明の請求項1に記載の活性水製造装置は、流路管に収容されたセラミック粒子を被処理水の水流によって水中で流動させて互いに摩擦及び/又は衝突させることにより前記被処理水を活性化させる活性水製造装置であって、前記流路管が、収容された前記セラミック粒子を流動させる流動部と、前記流動部の上流に形成され前記被処理水を流入させる被処理水流入口と、前記流動部の下流側に連設された拡開流動部と、前記拡開流動部の下流に形成され活性水を流出させる活性水流出口と、を備え、前記拡開流動部の最小の流路断面積を前記流動部の最大の流路断面積より大きくして形成された構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)流路管が、収容されたセラミック粒子を流動させる流動部と流動部の下流側に連設された拡開流動部とを備え、拡開流動部の最小の流路断面積を流動部の最大の流路断面積より大きくして形成されているので、被処理水の体積流量が増加した場合は流動部から拡開流動部にセラミック粒子が押し出されるが、水流の流速が流路断面積の大きな拡開流動部で遅くなるため、拡開流動部でセラミック粒子と水流との必要な接触時間を確保できるとともに、セラミック粒子が拡開流動部で主に流動し、互いに摩擦や衝突させることにより被処理水を改質し活性化させることができるので、被処理水の体積流量が変動しても被処理水の改質効率が低下することなく、安定に被処理水の改質処理を行うことができ安定性に優れる。
(2)活性水が得られる適正な流量範囲を広くすることができるので、使用者は必要な活性水の量に応じて流量を適宜選択することができ使用性に優れる。
流路管の拡開流動部としては、拡開流動部の最小の流路断面積を流動部の最大の流路断面積より大きくして形成されていれば、被処理水の流路方向と直交方向の流路断面積が、流路方向に亘って一定の筒状の内壁を有するもの、流路断面積が下流側に向かって大きくなる円錐状の内壁を有するもの等、いずれも用いることができる。
流動部や拡開流動部の流路断面積は、被処理水の平均の体積流量に応じて、適宜設計することができる。
シリカとアルミナの割合は、シリカ100質量部に対しアルミナが10〜95質量部好ましくは20〜80質量部が好適に用いられる。アルミナが20質量部より少なくなるにつれセラミック粒子の機械的強度が低下する傾向がみられ、80質量部より多くなるにつれ、所定の機械的強度を得るのに必要な焼成温度が高くなり省エネルギー性に欠ける傾向がみられる。特に、10質量部より少なくなるか95質量部より多くなると、これらの傾向が著しくなるためいずれも好ましくない。
比表面積が0.01m2/gより小さくなるにつれ被処理水との接触面積が減少して改質効率が低下する傾向がみられ、1m2/gより大きくなるにつれセラミック粒子が脆弱になり粒子同士の衝突の際に磨耗し易く耐久性が低下する傾向がみられる。
見掛け密度が1.6g/cm3より小さくなるにつれ、粒子の機械的強度が低下し粒子同士の衝突の際に磨耗したり欠けたりする傾向や、粒子同士が水中で衝突した後に沈降し難く流動し難くなる傾向がみられ、3.5g/cm3より大きくなるにつれ沈降速度が速いため粒子が水中で流動し難く活発な流動状態が得られず水の改質効果が低下する傾向がみられる。
粒径が0.1mmより小さくなるにつれ、流動するセラミック粒子の運動エネルギーが小さいためセラミック粒子が衝突した際の被処理水の改質効果が低下する傾向がみられ、10mmより大きくなるにつれ、セラミック粒子を流動化させるのに必要なエネルギーが増加するとともに、粒子同士の衝突点が少なくなり粒子の衝突による改質効果が低下する傾向がみられる。
また、被処理水流入口に整流板を配設して被処理水を渦流や乱流にすることもできる。これにより、セラミック粒子の摩擦や衝突を活発にすることができ、被処理水の活性化効率を高めることができる。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)流路管が水流の下流側に向かって流路断面積を漸次大きくして形成されているので、被処理水の体積流量が増加した場合に流速を漸次遅くさせることができるため、わずかに体積流量が変動した場合でも被処理水の改質効率が低下することなく、安定に被処理水の改質処理を行うことができ安定性に著しく優れる。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)拡開流動部の最大の流路断面積と同一面積で、流路方向に亘って流路断面積が一定の下流側流動部が拡開流動部の下流に連設されているので、下流側流動部を流れる被処理水の流速が略一定になって、拡開流動部から押し出されたセラミック粒子が下流側流動部内で流動する距離が長いので、流動し摩擦・衝突するセラミック粒子と被処理水との接触時間を長くすることができ、被処理水の改質効率を高めることができる。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)粒子同士が水中で活発に流動し、また粒子同士の衝突の際に磨耗したり欠けたりすることがなく、長期間安定して被処理水を効率よく改質することができる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)流路管内を流れる被処理水の流速が流路断面積の大きな拡開流動部で遅くなるため、流動部、拡開流動部のいずれかでセラミック粒子と水流との必要な接触時間を確保できるとともに、セラミック粒子を流動部、拡開流動部のいずれかで主に流動させ、互いに摩擦や衝突させることにより被処理水を改質し活性化させることができるので、被処理水の体積流量が変動しても被処理水の改質効率が低下することなく、被処理水の広範な流量変化に対応して安定に被処理水の改質処理を行うことができ安定性に優れた活性水製造装置を提供することができる。
(2)活性水が得られる適正な流量範囲を広くすることができるので、使用者は必要な活性水の量に応じて流量を適宜選択することができ使用性に優れた活性水製造装置を提供することができる。
(1)わずかに被処理水の体積流量が変動した場合でも、被処理水の改質効率が低下することなく安定に被処理水の改質処理を行うことができ安定性に著しく優れた活性水製造装置を提供することができる。
(1)下流側流動部を流れる被処理水の流速が略一定になって、拡開流動部から押し出されたセラミック粒子が下流側流動部内で流動する距離が長いので、流動し摩擦・衝突するセラミック粒子と被処理水との接触時間を長くすることができ、被処理水の改質効率を高めることができる活性水製造装置を提供することができる。
(1)粒子同士が水中で活発に流動し、また粒子同士の衝突の際に磨耗したり欠けたりすることがなく、長期間安定して被処理水を効率よく改質することができる活性水製造装置を提供することができる。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における活性水製造装置の横断面図である。
図中、1は実施の形態1における活性水製造装置、2はステンレス鋼等で形成された外筒、3はステンレス鋼等で形成され外筒2の内側に立設された縦型の流路管、4は被処理水の流路方向と直交方向の流路断面積が流路方向に亘って一定の筒状の内壁を有する流路管3の流動部、5はシリカ、アルミナ、アルカリ金属,アルカリ土類金属等の酸化物を含有する酸化物系鉱石粉末を粒状に造粒し焼成して製造され流動部4に充填された粒径が0.1〜10mm、見掛け密度が1.6〜3.5g/cm3の複数のセラミック粒子である。本実施の形態においては、流路管3に被処理水を流入させない状態において、流動部4内と後述する第1拡開流動部6の一部に充填されるだけの量のセラミック粒子5が流路管3に収容されている。
6は流動部4の下流側に連設され流路方向の下流側に向かって拡径した拡開流動部としての第1拡開流動部であり、第1拡開流動部6の最小の流路断面積は流動部4の流路断面積より大きくして形成されている(但し、第1拡開流動部6の流路断面積を考える場合、第1拡開流動部6と流動部4の境界である第1拡開流動部6の上流端(流動部4の下流端)は、流動部4の流路であると考える。)。7は第1拡開流動部6の下流側に連設され流路断面積が一定で第1拡開流動部6の最大の流路断面積と同一面積の下流側流動部としての第1下流側流動部、8は第1下流側流動部7の下流側に連設され流路方向の下流側に向かって拡径した拡開流動部としての第2拡開流動部、9は第2拡開流動部8の下流側に連設され流路断面積が一定で第2拡開流動部8の最大の流路断面積と同一面積の下流側流動部としての第2下流側流動部、10は第2下流側流動部9の下流側に連設され流路方向の下流側に向かって拡径した拡開流動部としての第3拡開流動部、11は外筒2及び流動部4の一端と接続されたフランジ部、12はフランジ部11の略中心に形成され流動部4と連通する被処理水流入口、12aは開口部が形成され被処理水流入口12に配設されたメッシュ,網,パンチングプレート等の仕切板である。被処理水は通過するがセラミック粒子5は通過しないように、仕切板12aの開口部の大きさはセラミック粒子5の粒径より小さく形成されている。
13はステンレス鋼等で形成されたエルボ管からなる被処理水流入管、14は被処理水流入管13の一端が接続され略中心に被処理水流入口12が形成されフランジ部11にボルトで締結されて仕切板12aの外縁をフランジ部11との間で挟装するフランジ部、15は仕切板12aの外側に配設されフランジ部11,14に挟装されたOリング、16は端部がフランジ部14に固着された脚部である。活性水製造装置1は図示しない連結管に被処理水流入管13が連接され脚部16で支持することで流路管3が立設される。
活性水を製造するときは、水道水,イオン交換水,蒸留水,工業用水,雨水,地下水,河川水,生活排水,産業排水,海水等の被処理水を、被処理水流入管13から被処理水流入口12を通して流路管3に流入させる。流入させる被処理水の体積流量は、流動部4内に充填されたセラミック粒子5が流動し相互に摩擦・衝突するのに十分な量に設定し、流動部4内の被処理水の流速をセラミック粒子5が流動可能な流速に整える。これにより、複数のセラミック粒子5を流動部4の被処理水の中で流動させ相互に摩擦・衝突させることで、はっきりとした理由は不明であるが、被処理水を活性化させることができる。
流路管3に流入させる被処理水の体積流量が増加した場合は、流動部4内の流速が増すので、多くのセラミック粒子5が第1拡開流動部6に押し出される。さらに流速が増すと、セラミック粒子5は第1下流側流動部7,第2拡開流動部8,第2下流側流動部9,第3拡開流動部10に押し出される。第1拡開流動部6,第2拡開流動部8,第3拡開流動部10の流路断面積は流動部4の流路断面積より大きく形成されているので、第1拡開流動部6,第2拡開流動部8,第3拡開流動部10内の流速は、流路断面積に応じて低下する。この結果、流動部4から押し出されたセラミック粒子5は、流速に見合った第1拡開流動部6,第1下流側流動部7,第2拡開流動部8,第2下流側流動部9,第3拡開流動部10内で流動し、相互に摩擦・衝突することによって被処理水が活性化される。
(1)流動部4が、被処理水の流路方向と直交方向の流路断面積が流路方向に亘って一定の筒状の内壁を有しているので、流入させる被処理水の体積流量を、流動部4内に充填されたセラミック粒子5が流動し相互に摩擦・衝突するのに十分な量に設定し、流動部4内の被処理水の流速をセラミック粒子5が流動可能な流速に整えておけば、被処理水の体積流量を略一定に保つことにより、複数のセラミック粒子5を流動部4の被処理水の中で活発に流動させ相互に摩擦・衝突させることで、被処理水を活性化させることができる。
(2)流路管3が、流動部4の下流側に連設された拡開流動部としての第1拡開流動部6,第2拡開流動部8,第3拡開流動部10と、を備え、拡開流動部の最小の流路断面積(第1拡開流動部6の流路断面積)を流動部4の流路断面積より大きくして形成されているので、被処理水の体積流量が増加した場合は流動部4から拡開流動部にセラミック粒子が押し出されるが、被処理水の流速が流路断面積の大きな第1拡開流動部6,第2拡開流動部8,第3拡開流動部10で遅くなるため、セラミック粒子5と水流との必要な接触時間を確保できるとともに、セラミック粒子5が拡開流動部で主に流動し、互いに摩擦や衝突させることにより被処理水を改質し活性化させることができるので、被処理水の体積流量が変動しても被処理水の改質効率が低下することなく、安定に被処理水の改質処理を行うことができ安定性に優れる。
(3)第1拡開流動部6,第1下流側流動部7,第2拡開流動部8,第2下流側流動部9,第3拡開流動部10が水流の下流側に向かって流路断面積を漸次大きくして形成されているので、被処理水の体積流量が増加した場合に流速を漸次遅くさせることができるため、わずかに体積流量が変動した場合でも被処理水の改質効率が低下することなく、安定に被処理水の改質処理を行うことができ安定性に著しく優れる。また、活性水が得られる適正な流量範囲を広くすることができるので、使用者は必要な活性水の量に応じて流量を適宜選択することができ使用性に優れる。
(4)第1拡開流動部6,第2拡開流動部8の各々の最大の流路断面積と同一面積で、流路方向に亘って流路断面積が一定の第1下流側流動部7,第2下流側流動部9が、各々の下流に連設されているので、第1下流側流動部7,第2下流側流動部9を流れる被処理水の流速が各々略一定になって、拡開流動部から押し出されたセラミック粒子が下流側流動部内で流動する距離が長いので、第1拡開流動部6,第2拡開流動部8の各々で流動し摩擦・衝突するセラミック粒子と被処理水との接触時間を長くすることができ、被処理水の改質効率を高めることができる。
(5)流路断面積が一定の第1下流側流動部7に、拡開した第2拡開流動部8が形成されているので、第1下流側流動部7から押し出されたセラミック粒子5の速度が第2拡開流動部8に侵入して減速するため、セラミック粒子5は、第2拡開流動部8と第1下流側流動部7の境目あたりから第1下流側流動部7の間の領域内で活発に流動し、激しく相互摩擦・衝突を生じさせることができる。
(6)拡開流動部と下流側流動部が多段に形成されているので、集合住宅等の集合配管で使用されるように被処理水の流量の変動幅が大きい場合でも、流量の変動に影響されることなくセラミック粒子を確実に流動させ摩擦・衝突させることができ安定に改質水を製造できる。
また、第1下流側流動部7を長くして、第2拡開流動部8の拡開度をさらに大きくすることによって、第1下流側流動部7から押し出されたセラミック粒子5の速度が第2拡開流動部8に侵入して急激に減速し、セラミック粒子5を、第2拡開流動部8と第1下流側流動部7の境目あたりから第1下流側流動部7の間の領域で活発に流動させることができるので、体積流量の著しい変動があっても、セラミック粒子5を活発に流動させることができる。
また、被処理水流入管13にスクリュー,ポンプ等の水流形成手段を設け、流路管3に強制的に水流を流入させることもできる。これにより、被処理水の体積流量が低下したときでも流路管3内の被処理水の流速が低下しないようにして、セラミック粒子5を流動・相互摩擦・衝突させることができる。
また、活性水流出管19の大きさ、形状等を適宜選択することによって、流路管3の水流を渦流にしたり乱流にしたりすることもできる。これにより、流路管3内でのセラミック粒子5の流動・相互摩擦・衝突を活発化させることができる。
図2は本発明の実施の形態2における活性水製造装置の要部横断面図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
1aは本発明の実施の形態2における活性水製造装置、3aはステンレス鋼等で形成され外筒2の内側に立設された縦型の流路管、6aは流動部4の下流側に連設され被処理水の流路方向の下流側に向かって拡径した拡開流動部としての第1拡開流動部であり、第1拡開流動部6aの最小の流路断面積は流動部4の最大の流路断面積より大きくして形成されている(但し、第1拡開流動部6aの流路断面積を考える場合、第1拡開流動部6aと流動部4の境界である第1拡開流動部6aの上流端(流動部4の下流端)は、流動部4の流路であると考える。)。7aは第1拡開流動部6aの下流側に連設され流路方向と直交方向の流路断面積が流路方向に亘って一定の筒状で第1拡開流動部6aの最大の流路断面積と同一面積に形成された第1下流側流動部である。本実施の形態においては、流路管3に被処理水を流入させない状態において、流動部4内と第1拡開流動部6aの一部に充填されるだけの量のセラミック粒子5が流路管3aに収容されている。
17aは外筒2の内周部に外縁が溶接等で固定されて活性水流出口17に配設されたメッシュ,網,パンチングプレート等の仕切板、19aは有底の筒状に形成され底部が仕切板17aと所定間隔をあけて外筒2に覆い被せられ端部が外筒2の下部の外周部に溶接等で封着された流路形成部材、19bは流路形成部材19aの側壁の内側と外筒2の外側との間に形成された活性水流路、19cは活性水流路19bと連通して外筒2の下部側に形成された活性水流出管である。
(1)流路管3aが、流動部4の下流側に連設された拡開流動部としての第1拡開流動部6aと、下流側流動部としての第1下流側流動部7aと、を備え、拡開流動部の最小の流路断面積(第1拡開流動部6aの流路断面積)を流動部4の最大の流路断面積より大きくして形成されているので、被処理水の体積流量が増加した場合は流動部4から第1拡開流動部6aにセラミック粒子5が押し出されるが、被処理水の流速が流路断面積の大きな第1拡開流動部6aで遅くなるため、セラミック粒子5と水流との必要な接触時間を確保できるとともに、セラミック粒子5が第1拡開流動部6a,第1下流側流動部7aで主に流動し、互いに摩擦や衝突させることにより被処理水を改質し活性化させることができるので、被処理水の体積流量が変動しても被処理水の改質効率が低下することなく、安定に被処理水の改質処理を行うことができ安定性に優れる。
(2)第1拡開流動部6aの最大の流路断面積と同一面積で、流路方向に亘って流路断面積が一定の第1下流側流動部7aが第1拡開流動部6aの下流に連設されているので、第1下流側流動部7aを流れる被処理水の流速が略一定になって、第1拡開流動部6aから押し出されたセラミック粒子5が第1下流側流動部7a内で流動する距離が長いので、流動し摩擦・衝突するセラミック粒子5と被処理水との接触時間を長くすることができ、被処理水の改質効率を高めることができる。
(3)流路管3aの構成が簡略化されているので、活性水製造装置1aの生産性を高めることができる。
(4)二重管構造になった流路形成部材19aと外筒2との間に活性水流路19bが形成されており、活性水流路19bと連通した活性水流出管19cが、被処理水流入管13に近い外筒2の下部側に配設されているので、実施の形態1で説明したような活性水流出管19を活性水流出口17の上側に配設する場合と比較して、活性水製造装置1aの高さを抑えてコンパクト化することができる。
また、外筒2に流路形成部材19aを被せて二重管構造にして流路形成部材19aと外筒2との間に活性水流路19bを形成する構造は、実施の形態1や後述する実施の形態3及び実施の形態5でも採用することができる。これにより、本実施の形態と同様に、活性水製造装置の高さを抑えてコンパクト化することができるという作用が得られる。
図3は本発明の実施の形態3における活性水製造装置の要部横断面図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
1bは本発明の実施の形態3における活性水製造装置、3bはステンレス鋼等で形成され被処理水の流路の下流側に向かって拡径し外筒2の内側に立設された縦型の流路管、4bは被処理水の流路方向と直交方向の流路断面積が下流側に向かって漸次大きくなる円錐状の内壁を有し複数のセラミック粒子5が充填された流動部、6bは流動部4bの下流側に一体に連設され被処理水の流路方向の下流側に向かって漸次拡径した拡開流動部であり、拡開流動部6bの最小の流路断面積は流動部4bの最大の流路断面積より大きくして形成されている。
(1)流路管3bが、流動部4bの下流側に連設された拡開流動部6bを備え、拡開流動部6bの最小の流路断面積を流動部4bの最大の流路断面積より大きくして形成されているので、被処理水の体積流量が増加した場合は流動部4bから拡開流動部6bにセラミック粒子が押し出されるが、被処理水の流速が流路断面積の大きな拡開流動部6bで遅くなるため、セラミック粒子5と水流との必要な接触時間を確保できるとともに、セラミック粒子5が拡開流動部6bで主に流動し、互いに摩擦や衝突させることにより被処理水を改質し活性化させることができるので、被処理水の体積流量が変動しても被処理水の改質効率が低下することなく、安定に被処理水の改質処理を行うことができ安定性に優れる。
(2)構成が簡略化されているので、活性水製造装置1bの生産性を高めることができる。
(3)流動部4b,拡開流動部6bが水流の下流側に向かって流路断面積を漸次大きくして形成されているので、被処理水の体積流量が増加した場合に流速を漸次遅くさせることができるため、わずかに体積流量が変動した場合でも被処理水の改質効率が低下することなく、安定に被処理水の改質処理を行うことができ安定性に著しく優れる。
図4は本発明の実施の形態4における活性水製造装置の要部横断面図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
1cは本発明の実施の形態4における横置き型の活性水製造装置、3cはステンレス鋼等で形成され外筒2の内側に横設された流路管、4cは被処理水の流路方向と直交方向の流路断面積が流路方向に亘って一定の筒状に形成された流動部、6cは流動部4cの下流側に斜め上方に向いて連設され被処理水の流路方向の下流側に向かって拡径した拡開流動部であり、拡開流動部6cの最小の流路断面積は流動部4cの最大の流路断面積より大きくして形成されている。なお、本実施の形態においては、流路管3cに被処理水を流入させない状態において、セラミック粒子5は流動部4c及び拡開流動部6cの上流端に亘って充填されている。流路管3cを流れる被処理水とセラミック粒子5との必要な接触時間を確保しショートパスを防止するためである。
(1)流路管3cが、流動部4cの下流側に連接した拡開流動部6cを備え、拡開流動部6cの最小の流路断面積を流動部4cの最大の流路断面積より大きくして形成されているので、被処理水の体積流量が増加した場合は流動部4cから拡開流動部6cにセラミック粒子5が押し出されるが、被処理水の流速が流路断面積の大きな拡開流動部6cで遅くなるため、セラミック粒子5と水流との必要な接触時間を確保できるとともに、セラミック粒子5が拡開流動部6cで主に流動し、互いに摩擦や衝突させることにより被処理水を改質し活性化させることができるので、被処理水の体積流量が変動しても被処理水の改質効率が低下することなく、安定に被処理水の改質処理を行うことができ安定性に優れる。
(2)構成が簡略化されており、また流路管3cが横設されているので、活性水製造装置1cの生産性を高めることができるともにコンパクト化することができる。
図5は本発明の実施の形態5における活性水製造装置の要部横断面図である。なお、実施の形態1で説明したものと同様のものは、同じ符号を付して説明を省略する。
1dは本発明の実施の形態5における縦型の活性水製造装置、3dはステンレス鋼等で形成された縦型の流路管、4dは被処理水の流路方向と直交方向の流路断面積が流路方向に亘って拡開した内壁を有しセラミック粒子5が収容された流路管3dの流動部、6dは流動部4dの下流側に連設され被処理水の流路方向の下流側に向かって拡径した拡開流動部であり、拡開流動部6dの最小の流路断面積は流動部4dの最大の流路断面積より大きく形成されている(但し、拡開流動部6dの流路断面積を考える場合、拡開流動部6dと流動部4dの境界である拡開流動部6aの上流端(流動部4の下流端)は、流動部4dの流路であると考える。)。7dは拡開流動部6dの下流側に連設され流路方向と直交方向の流路断面積が流路方向に亘って一定の筒状で拡開流動部6dの最大の流路断面積と同一面積に形成された下流側流動部である。
23は流動部4dの上流部と接続された流路上流部、24は流路上流部23の内壁に突設された係止部、25は開口部が形成され係止部24に配設されたメッシュ,網,パンチングプレート等の仕切板である。被処理水は通過するがセラミック粒子5は通過しないように、仕切板25の開口部の大きさはセラミック粒子5の粒径より小さく形成されている。26はステンレス鋼等で形成され流路上流部23に接続されたエルボ管からなる被処理水流入管、27は流路上流部23の略中心に形成され流動部4dと連通する被処理水流入口、28は被処理水流入管26の端部に形成された継手部である。
29は下流側流動部7dの下流部と接続された流路下流部、30は流路下流部29の略中心に形成された活性水流出口、31は流路下流部30の上部に覆設された蓋部、32は開口部が形成され外縁が流路下流部29,蓋部31との間で挟装されて活性水流出口30に配設されたメッシュ,網,パンチングプレート等の仕切板である。活性水は通過するがセラミック粒子5は通過しないように、仕切板32の開口部の大きさはセラミック粒子5の粒径より小さく形成されている。33は仕切板32の外側に配設され流路下流部29,蓋部31に挟装されたOリング、34は蓋部31に貫設され蓋部31を流路下流部29に固定するボルトからなる締結部材、35は蓋部31に接続され活性水流出口30と連通する活性水流出管である。
(1)流路管3dが、流路方向に沿って拡開した流動部4dの下流側に連設された拡開流動部6dと、拡開流動部6dの下流側に連設された下流側流動部7dと、を備えているので、流動部4dでセラミック粒子5が流動し、さらに被処理水の流量に応じて拡開流動部6dにセラミック粒子5が押し出され、被処理水の流速が流路断面積の大きな拡開流動部6dで遅くなるため、セラミック粒子5と水流との必要な接触時間を確保でき、セラミック粒子5の流動・摩擦・衝突によって被処理水を改質し活性化させることができるので、被処理水の体積流量が変動しても被処理水の改質効率が低下することなく、安定に被処理水の改質処理を行うことができ安定性に優れる。
(2)拡開流動部6dの最大の流路断面積と同一面積で、流路方向に亘って流路断面積が一定の下流側流動部7dが拡開流動部6dの下流に連設されているので、下流側流動部7dを流れる被処理水の流速が略一定になって、拡開流動部6dから押し出されたセラミック粒子5が下流側流動部7d内で流動する距離が大きいので、流動し摩擦・衝突するセラミック粒子5と被処理水との接触時間を長くすることができ、被処理水の改質効率を高めることができる。
(実施例1)
(セラミック粒子の製造)
SiO2:70%、Al2O3:11.9%、Na2O:4.79%、CaO:2.43%、Fe2O3:3.19%、K2O:4.17%、その他1%未満のMg、Cu、Snなどを含む天然鉱石を粒径8μm以下に微粉砕し、この微粉末をエタノールと共にボールミルに入れ、転動し混合しながら微粉化した。この混練物をピン回転式造粒装置で遠心力が10000Gとなる条件で1〜2時間回転させ、エタノールを揮発させながら球形に造粒成形した。この造粒物を耐熱容器に充填して電気炉に入れ、空気雰囲気下又は不活性ガス雰囲気中で1150〜1190℃焼結した。得られた焼結体は、褐色光沢を有する硬質の粒径約2mmの球状粒子であり、見掛け密度は2.3g/cm3であった。また、その表面の比表面積はBET法で0.47m2/gであった。また、セラミック粒子は、水道水,イオン交換水,蒸留水,工業用水,雨水,地下水,河川水,生活排水,産業排水,海水等の被処理水に浸漬しても溶出成分が検出されないものであった。
(活性水製造装置の作成)
本実施例は、実施の形態1で説明した活性水製造装置1を用いて実験を行った。実験を行った活性水製造装置1の流動部4の内径は47mm、第1拡開流動部6,第1下流側流動部7,第2拡開流動部8,第2下流側流動部9,第3拡開流動部10の内径は漸次大きくなるように形成し、第3拡開流動部10の最大径は140mmに形成した。
活性水製造装置1のフランジ部20及び仕切板21を開け、流路管3の流動部4に第1拡開流動部6の下端(上流端)まで上述のセラミック粒子5を充填した。なお、流路管3に収容されたセラミック粒子5の体積は、流路管3の体積に対し50%であった。
流路管3にセラミック粒子5を収容した後、フランジ部18,20で仕切板21を挟装するように活性水流出管19を取り付け、活性水製造装置1を作成した。
活性水製造装置1の活性水流出管19にマンガン砂を充填した濾過処理槽を連結し、活性水製造装置1の被処理水流入口11から水道水(香川県さぬき市)を被処理水として50L/分の体積流量で流入させた。濾過処理槽を通過した被処理水のスピン−スピン緩和時間(以下T2と略す)を、日本電子(株)製 パルスNMR装置(型式JNM−MU25A)を用いて測定した。パルスNMR装置を用いてT2の長さを評価することにより、液体の分子運動性を評価することができる。測定モードはCPMG法、測定温度は30℃であり、測定条件は、以下のとおりであった。
X axis Time:2ms/Div、Sampling Point:50/Div、Scan Time:4、Loop:500、Pw1:2.2μs、Pi1:20.0ms、Rep:15.0s、Acq Time:0.2s。
被処理水(活性水製造装置1に流入させる前のもの)のT2を測定したところ2.1秒であった。通水15分後、濾過処理槽を通過した被処理水のT2を測定したところ1.6秒であり、T2が短くなっていることが確認された。被処理水が活性化され水分子間の水素結合性が増加し、より動きにくい水分子集団が生成されたものと推察された。
次に、活性水製造装置1の被処理水流入口11から被処理水を90L/分の体積流量で流入させた。通水15分後、濾過処理槽を通過した被処理水のT2を測定したところ、体積流量50L/分の場合とほぼ同じように1.7秒であり、T2が短くなっていることが確認された。
実施例1の活性水製造装置1の流動部4と同じ47mmの内径で、実施例1の流動部4の2倍の長さのパイプを準備した。このパイプに実施例1と同量のセラミック粒子を収容した後、パイプの両端にメッシュ等の仕切板を設けて、比較例1の活性水製造装置を作成した。
比較例1の活性水製造装置の一端にマンガン砂を充填した濾過処理槽を連結し、他端から水道水(香川県さぬき市)を被処理水として50L/分の体積流量で流入させた。通水15分後、濾過処理槽を通過した被処理水のT2を測定したところ、実施例1の場合と同様に1.7秒であり、T2が短くなっていることが確認された。
次に、比較例1の活性水製造装置に被処理水を90L/分の体積流量で流入させた。通水15分後、濾過処理槽を通過した被処理水のT2を測定したところ1.9秒であり、T2が長くなっており被処理水の活性化能が低下していることがわかった。
2 外筒
3,3a,3b,3c,3d 流路管
4,4b,4c,4d 流動部
5 セラミック粒子
6,6a 第1拡開流動部
6b,6c 拡開流動部
7 第1下流側流動部
8,8a 第2拡開流動部
9 第2下流側流動部
10 第3拡開流動部
11,14,18,20 フランジ部
12 被処理水流入口
12a,17a,21 仕切板
13 被処理水流入管
15,22 Oリング
16 脚部
17 活性水流出口
19,19c 活性水流出管
19a 流路形成部材
19b 活性水流路
23 流路上流部
24 係止部
25,32 仕切板
26 被処理水流入管
27 被処理水流入口
28,36 継手部
29 流路下流部
30 活性水流出口
31 蓋部
33 Oリング
34 締結部材
35 活性水流出管
Claims (4)
- 流路管に収容されたセラミック粒子を被処理水の水流によって水中で流動させて互いに摩擦及び/又は衝突させることにより前記被処理水を活性化させる活性水製造装置であって、
前記流路管が、収容された前記セラミック粒子を流動させる流動部と、前記流動部の上流に形成され前記被処理水を流入させる被処理水流入口と、前記流動部の下流側に連設された拡開流動部と、前記拡開流動部の下流に形成され活性水を流出させる活性水流出口と、を備え、前記拡開流動部の最小の流路断面積を前記流動部の最大の流路断面積より大きくして形成されていることを特徴とする活性水製造装置。 - 前記流路管が、水流の下流側に向かって流路断面積を漸次大きくして形成されていることを特徴とする請求項1に記載の活性水製造装置。
- 前記流路管が、前記拡開流動部の下流に連設され流路方向に亘って流路断面積が一定で前記拡開流動部の最大の流路断面積と同一面積の下流側流動部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の活性水製造装置。
- 前記セラミック粒子が、粒径0.1〜10mm、見掛け密度1.6〜3.5g/cm3であることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載の活性水製造装置。
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