JP2008170885A - 液晶装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】有機膜が形成された基板に位相差層をパターニングする際に有機溶剤によって下地の有機膜が侵食されないようにした液晶装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の液晶装置100は、液晶層50を挟持する一対の基板10,20と、一方の基板20の液晶層50側に設けられた有機膜23(カラーフィルタのオーバーコート層23)と、有機膜23の液晶層側の面を覆う無機膜24と、前記無機膜24の液晶層50側に設けられた位相差層25とを備える。無機膜24は、有機膜23の少なくとも位相差層25と平面的に重ならない部分の略全面を覆って形成されている。
【選択図】図3
【解決手段】本発明の液晶装置100は、液晶層50を挟持する一対の基板10,20と、一方の基板20の液晶層50側に設けられた有機膜23(カラーフィルタのオーバーコート層23)と、有機膜23の液晶層側の面を覆う無機膜24と、前記無機膜24の液晶層50側に設けられた位相差層25とを備える。無機膜24は、有機膜23の少なくとも位相差層25と平面的に重ならない部分の略全面を覆って形成されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、液晶パネルの内側に位相差層を備えた半透過反射型の液晶装置及び電子機器に関するものである。
半透過反射型の液晶装置は携帯電話や携帯情報端末等の表示デバイスとして広く用いられている。半透過反射型の液晶装置では、反射表示と透過表示とを単一の液晶層を用いて実現するために、表示モード間での位相差の調整が必要である。そこで、反射表示領域に位相差層を設け、適切な反射表示及び透過表示を得られるようにした液晶装置が提案されている。液晶装置に組み込まれる位相差層としては、通常、高分子フィルムを一定方向に延伸することにより作製されたものが用いられるが、最近では、このような位相差フィルムを液晶パネルの内部に形成し、液晶パネルの薄型化、軽量化を達成した液晶装置が提案されている。液晶パネルの内部に形成された位相差フィルムは内面位相差層と呼ばれることがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−226830号公報
内面位相差層は一般に高分子液晶層によって形成され、シンナー等の有機溶剤でパターニングすることが可能である。内面位相差層はカラーフィルタ基板に形成される場合が多く、この場合、カラーフィルタ基板のオーバーコート層の表面に内面位相差層が形成される。しかしながら、オーバーコート層はアクリル等の有機膜によって形成されており、位相差層のエッチング液である有機溶剤によって容易に溶解されてしまう。このため、オーバーコート層の表面に内面位相差層を形成すると、下地膜であるオーバーコート層がエッチングされてしまい、カラーフィルタの品質に影響を与える場合がある。また、カラーフィルタに含まれる不純物が液晶層に侵入することにより、表示の信頼性が損なわれる可能性がある。さらに、オーバーコート層がエッチングされると、液晶パネルのギャップが不均一になるため、所望の光学特性が得られないという問題もある。
このような事情は、内面位相差層を素子基板上に形成した場合も同様である。素子基板上には画素スイッチング素子が形成されており、その表面には層間絶縁膜を介して画素電極が形成されている。層間絶縁膜としてはアクリル樹脂等の有機膜が形成される場合が多く、その場合には有機膜である層間絶縁膜が内面位相差層のエッチング液である有機溶剤によってエッチングされてしまう。層間絶縁膜がエッチングされると、上層側の導電層と下層側の導電層とが接触し、導通不良を生じる惧れがある。また、層間絶縁膜が部分的に除去されることで、液晶層の層厚が不均一になり、所望の光学特性が得られないという問題も生じる。また、マルチギャップ構造を採用する場合には、反射表示領域と透過表示領域との液晶層厚を調整するために液晶層厚調整層を設けるが、液晶層厚調整層にはアクリル等の有機膜が用いられるため、やはり内面位相差層のエッチングによる影響を受ける。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、有機膜が形成された基板に位相差層をパターニングする際に有機溶剤によって下地の有機膜が侵食されないようにした液晶装置及びその製造方法を提供することを目的とする。また、そのような液晶装置を備えることにより、表示品質が高く、信頼性に優れた電子機器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の液晶装置は、液晶層を挟持する一対の基板と、前記一対の基板のうちの一方の基板の前記液晶層側に設けられた有機膜と、前記有機膜の前記液晶層側の面を覆う無機膜と、前記無機膜の前記液晶層側に設けられた高分子液晶層を含む位相差層とを備えたことを特徴とする。この構成によれば、有機膜の表面が無機膜によって保護されるので、位相差層をエッチングする際に有機膜の表面が位相差層のエッチング液である有機溶剤によって溶解されることはない。したがって、表示品質が高く、信頼性に優れた液晶装置が提供できる。
本発明の液晶装置は、液晶層を挟持する一対の基板と、前記一対の基板のうちの一方の基板の前記液晶層側に設けられた有機膜と、前記有機膜の前記液晶層側の面を覆う無機膜と、前記無機膜の形成されない非形成領域と、前記無機膜の非形成領域を覆う高分子液晶層を含む位相差層とを備えたことを特徴とする。この構成によれば、有機膜の表面が無機膜によって保護されるので、位相差層をエッチングする際に有機膜の表面が位相差層のエッチング液である有機溶剤によって溶解されることはない。したがって、表示品質が高く、信頼性に優れた液晶装置が提供できる。また、無機膜の位相差層と重なる部分に無機膜の形成されない非形成領域を設けたため、位相差層と無機膜の界面の散乱を防止でき、表示品質を向上することができる。
なお、本発明において「無機膜の形成されない非形成領域」とは、無機膜の平面領域内に形成された開口部の他、無機膜の周縁部に形成された切り欠き部等を含む概念である。本発明では、無機膜を所定形状にパターニングし、無機膜が形成されていない領域(無機膜の非形成領域)に位相差層が配置される。位相差層は無機膜の非形成領域のみに選択的に配置されても良いし、無機膜の非形成領域を覆って該非形成領域よりも広い面積で配置されても良い。
本発明においては、1サブ画素内において前記無機膜の非形成領域の面積は前記位相差層の形成された領域の面積よりも小さいことが望ましい。無機膜に非形成領域に位相差層をパターニングする場合、位相差層のパターニング精度によっては位相差層の形成領域と無機膜の非形成領域とを完全には一致させることができない場合がある。この場合、両者の位置が一致しないと下地の有機膜が保護できなくなる。本発明では、位相差層のパターニング精度を考慮して、位相差層の形成領域の面積を無機膜の非形成領域の面積よりも若干大きくしている。このため、位相差層の位置が若干ずれたとしても、上述の問題を回避することができる。
本発明においては、前記無機膜は無機絶縁膜であることが望ましい。この構成によれば、前記一方の基板に画素電極等の導電層を形成した場合に無機膜を介して導電層同士が導通することがない。また、無機絶縁膜は一般に無機導電膜(インジウム錫酸化物膜等)に比べて光透過率が高いため、透過表示を行う場合に明るい表示が実現できる。なお、前記無機膜は酸化シリコン膜又は酸窒化シリコン膜であることが望ましい。この構成によれば、耐溶剤性が高く、光透過率に優れた無機膜を形成することができる。
本発明においては、前記有機膜はカラーフィルタとすることができる。また、前記有機膜はカラーフィルタ上に形成されたオーバーコート層とすることができる。また、前記有機膜は画素スイッチング素子と画素電極とを絶縁する絶縁膜(層間絶縁膜)とすることができる。有機膜を前記層間絶縁膜とする場合、前記有機膜は画素スイッチング素子と画素電極とを絶縁する絶縁膜の一部を構成していれば良い。複数層の絶縁膜で画素スイッチング素子と画素電極との絶縁を図る場合には、いずれか1層の絶縁膜で当該有機膜を構成することができる。
本発明の電子機器は、前述した本発明の液晶装置を備えたことを特徴とする。この構成によれば、表示品質が高く、信頼性に優れた液晶装置が提供できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
また、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。この際、水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。例えば本実施形態においては、X軸方向を走査線の延在方向、Y軸方向をデータ線の延在方向、Z軸方向を観察者による液晶パネルの観察方向としている。
[第1の実施の形態]<液晶装置の構成>
図1は、本発明の第1実施形態の液晶装置100の回路構成図である。液晶装置100は、液晶に対し略基板面方向の電界を印加して配向を制御することにより画像表示を行う方式のうち、FFS方式と呼ばれる方式を採用したアクティブマトリクス方式の半透過反射型液晶装置である。また液晶装置100は、基板上にカラーフィルタを具備したカラー液晶装置であり、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色光を出力する3個のサブ画素で1個の画素を構成するものとなっている。したがって、表示の最小単位を「サブ画素」、一組(R,G,B)のサブ画素から構成される領域を「画素」と称する。
図1は、本発明の第1実施形態の液晶装置100の回路構成図である。液晶装置100は、液晶に対し略基板面方向の電界を印加して配向を制御することにより画像表示を行う方式のうち、FFS方式と呼ばれる方式を採用したアクティブマトリクス方式の半透過反射型液晶装置である。また液晶装置100は、基板上にカラーフィルタを具備したカラー液晶装置であり、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色光を出力する3個のサブ画素で1個の画素を構成するものとなっている。したがって、表示の最小単位を「サブ画素」、一組(R,G,B)のサブ画素から構成される領域を「画素」と称する。
図1に示すように、液晶装置100の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数のサブ画素領域には、それぞれ画素電極9と画素電極9をスイッチング制御するためのTFT30とが形成されており、データ線駆動回路から延びるデータ線6aがTFT30のソースに電気的に接続されている。データ線駆動回路101は、画像信号S1、S2、…、Snをデータ線6aを介して各サブ画素に供給する。前記画像信号S1〜Snはこの順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしてもよい。
また、TFT30のゲートには、走査線駆動回路102から延びる走査線3aが電気的に接続されており、走査線駆動回路102から所定のタイミングで走査線3aにパルス的に供給される走査信号G1、G2、…、Gmが、この順に線順次でTFT30のゲートに印加されるようになっている。画素電極9は、TFT30のドレインに電気的に接続されている。スイッチング素子であるTFT30が走査信号G1、G2、…、Gmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snが所定のタイミングで画素電極9に書き込まれるようになっている。画素電極9を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、画素電極9と液晶を介して対向する共通電極との間で一定期間保持される。なお、符号3bを付して示す配線は、各サブ画素内の共通電極間を電気的に接続する共通線である。
図2は、本実施形態の液晶装置を構成するマトリクス状に形成されたサブ画素領域の平面構成図である。液晶装置100には、平面視略矩形状の複数の画素電極9が設けられている。画素電極9はX軸方向及びY軸方向に配列されており、該画素電極9の間隙に沿ってY軸方向に延在する複数のデータ線6aとX軸方向に延在する複数の走査線3aとが設けられている。画素電極9の配置された領域は表示の最小単位であるサブ画素を構成し、該サブ画素がX軸方向及びY軸方向に配列することにより全体としての表示領域が形成されている。
画素電極9は、インジウム錫酸化物(ITO)等からなる透明電極9aと、アルミニウム(Al)等からなる反射電極9bとを備えている。1サブ画素領域のうち透明電極9aが形成された領域は透過表示領域Tであり、反射電極9bが形成された領域は反射表示領域Rである。透明電極9aと反射電極9bとはデータ線6aの延在方向に沿って並んでおり、反射電極9bはデータ線6aの延在方向(Y軸方向)に対してTFT30側に配置されている。
走査線3aとデータ線6aとの交差部近傍には画素スイッチング素子であるTFT30が設けられている。TFT30は平面視略L字状のポリシリコン膜からなる半導体層35を備えている。半導体層35の一端側はデータ線6aと交差しており、半導体層35とデータ線6aとが平面的に重なる位置にソースコンタクトホール44が設けられている。そして、ソースコンタクトホール44を介して半導体層35とデータ線6aとが電気的に接続されている。一方、半導体層35の他端側は画素電極9と平面的に重なるように配置されており、半導体層35と画素電極9とが平面的に重なる位置にドレインコンタクトホール45及び画素コンタクトホール47が設けられている。ドレインコンタクトホール45と画素コンタクトホール47とは互いに連通しており、ドレインコンタクトホール45及び画素コンタクトホール47を介して半導体層35と画素電極9(反射電極9b)とが電気的に接続されている。さらに、半導体層35の中央部は走査線3aと交差しており、半導体層35の走査線3aと平面的に重なる部分がTFT30のチャネル領域とされ、該チャネル領域と対向する部分の走査線3aがTFT30のゲート電極33となっている。
画素電極9の上層側には、画素電極9と対向して、ITO等の透明導電膜からなる平面視ベタ状の共通電極19が設けられている。共通電極19は複数のサブ画素領域に跨って設けられている。画素電極9と共通電極19とが平面視で重なる領域は当該サブ画素領域の容量として機能する。また、共通電極19と画素電極9とが対向する対向領域には、共通電極19を部分的に除去して形成された複数のスリット(開口部)19sが設けられている。スリット19sは走査線3aと略平行な方向(X軸方向)に延在しており、複数のスリット19sが互いに均等な間隔でデータ線6aの延在方向(Y軸方向)に沿って配列している。そして、スリット19sを介して画素電極9と共通電極19との間に走査線3aと略直交する方向(Y軸方向)の横電界が発生するようになっている。
図3は、図2のA−A’線に沿う断面構成図である。液晶装置100は、互いに対向するTFTアレイ基板(第1基板)10及び対向基板(第2基板)20と、該TFTアレイ基板10及び対向基板20との間に挟持された液晶層50とを備えている。TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向する対向領域の周縁部には図示略のシール材が設けられており、該シール材とTFTアレイ基板10及び対向基板20との間に形成された空間(セルギャップ)に、液晶層50が封止されている。TFTアレイ基板10の液晶層50とは反対側には偏光板14が設けられ、対向基板20の液晶層50とは反対側には偏光板29が設けられている。TFTアレイ基板10の背面側(偏光板14の基板本端10Aとは反対側)には、光源と導光板91と反射板92とを具備したバックライト(照明装置)90が設けられている。
TFTアレイ基板10は、ガラスや石英、プラスチック等の透光性の基板本体10Aを基体としてなる。基板本体10Aの液晶層50側には半導体層35が形成されており、半導体層35を覆ってシリコン酸化物等の透明絶縁膜からなるゲート絶縁膜11が形成されている。ゲート絶縁膜11上には走査線3aが形成されている。走査線3aと対向する部分の半導体層35がTFT30のチャネル領域35cであり、半導体層35と対向する部分の走査線3aがゲート電極33である。また、半導体層35のチャネル領域35cを挟んだ両側には、それぞれソース領域35sとドレイン領域35dとが形成されている。
ゲート絶縁膜11、走査線3a(ゲート電極33)及びゲート絶縁膜11を覆って酸化シリコン膜等の透明絶縁膜からなる第1層間絶縁膜12が形成されている。第1層間絶縁膜12及びゲート絶縁膜11のドレイン領域35dに対向する部分には、第1層間絶縁膜12及びゲート絶縁膜11を貫通するドレインコンタクトホール45が形成されている。第1層間絶縁膜12上にはドレイン電極32が形成されている。ドレイン電極32はドレインコンタクトホール45を介してドレイン領域35dと電気的に接続されている。図示は省略したが、第1層間絶縁膜12及びゲート絶縁膜11のソース領域35sに対向する部分には、第1層間絶縁膜12及びゲート絶縁膜11を貫通するソースコンタクトホール44が形成されている(図2参照)。第1層間絶縁膜12上にはデータ線6aが形成されている。データ線6aはソースコンタクトホール44を介してソース領域35sと電気的に接続されている。
第1層間絶縁膜12、データ線6a及びドレイン電極32を覆ってアクリル樹脂等の透明有機絶縁膜からなる第2層間絶縁膜13が形成されている。第2層間絶縁膜13は透過表示領域Tを除く領域に形成されている。第2層間絶縁膜13は、後述する位相差層25と共に、透過表示領域Tと反射表示領域Rの液晶層厚を異ならせる液晶層厚調整層として機能する。
第2層間絶縁膜13の表面と第1層間絶縁膜12の表面とに跨って画素電極9が形成されている。画素電極9は、透過表示領域Tに設けられた透明電極9aと、反射表示領域Rに設けられた反射電極9bとを備えている。透明電極9aは第1層間絶縁膜12上に形成されている。反射電極9bは第2層間絶縁膜13上に形成されている。透明電極9aと反射電極9bとは第2層間絶縁膜13の端面近傍で電気的に接続されている。第2層間絶縁膜13のドレイン電極32に対向する部分には第2層間絶縁膜13を貫通する画素コンタクトホール47が形成されている。反射電極9bは画素コンタクトホール47を介してドレイン電極32と電気的に接続されている。
反射電極9bは外光を反射する反射膜として機能する。反射電極9bとしては、表面に凹凸を形成して光散乱性を付与したものを用いることが好ましい。かかる構成とすることで反射表示における視認性を向上させることができる。本実施形態の場合、第2層間絶縁膜13の表面の一部(少なくとも反射表示領域Rを内包する領域と平面的に重なる領域)に凹凸形状が形成されており、第2層間絶縁膜13上に形成された反射電極9bの表面には第2層間絶縁膜13の表面に倣う凹凸形状が形成されている。
第1層間絶縁膜12、第2層間絶縁膜13及び画素電極9を覆って窒化シリコン膜等の透明絶縁膜からなる電極部絶縁膜18が形成されている。電極部絶縁膜18上にはITO等の透明導電膜からなる平面視ベタ状の共通電極19が形成されている。共通電極19には画素電極9と対向する部分に複数のスリット19sが形成されている。
共通電極19及び電極部絶縁膜18を覆ってポリイミド等の配向膜16が形成されている。配向膜16にはラビング等の配向処理が施されている。配向処理の方向(配向膜16による液晶の配向規制方向)は、例えば走査線3aの延在方向(X軸方向)と平行であり、共通電極19のスリット19sの延在方向とは交差する方向である。
対向基板20は、ガラスや石英、プラスチック等の透光性の基板本体20Aを基体としてなる。基板本体20Aの液晶層50側にはカラーフィルタ22が設けられている。カラーフィルタ22を覆ってアクリル樹脂等の透明有機絶縁膜からなるオーバーコート層23が形成されている。オーバーコート層23を覆って酸化シリコン膜、酸窒化シリコン膜等の透明無機絶縁膜からなる保護膜24が基板全面に形成されている。
保護膜24の表面には反射表示領域Rに対応する部分に位相差層25が形成されている。位相差層25は、本実施形態の場合、透過光に対して略1/2波長(λ/2)の位相差を付与するものであり、基板本体20Aの内面側に設けられたいわゆる内面位相差層である。位相差層25は、例えば、高分子液晶(コレステリック液晶等)の溶液や重合性液晶モノマー(あるいは重合性液晶オリゴマー)の溶液を配向膜上に塗布し、乾燥固化させる際に所定方向に配向させる方法により形成することができる。位相差層25が透過光に対して付与する位相差は、その構成材料である液晶性高分子の種類や位相差層25の層厚によって調整することができる。
また本実施形態の場合、位相差層25は第2層間絶縁膜13と共に、反射表示領域Rにおける液晶層50の厚さを透過表示領域Tにおける液晶層50の厚さよりも小さくするための液晶層厚調整層としても機能するものとなっている。半透過反射型の液晶装置では、反射表示領域Rへの入射光は液晶層50を2回透過するが、透過表示領域Tへの入射光は液晶層50を1回しか透過しない。これにより反射表示領域Rと透過表示領域Tとの間で液晶層50のリタデーションが異なると、光透過率に差異を生じて均一な画像表示が得られないことになる。そこで位相差層25を液晶層50側に突出させて形成することでいわゆるマルチギャップ構造を実現している。具体的には、反射表示領域Rにおける液晶層50の層厚が透過表示領域Tにおける液晶層50の層厚の半分程度に設定されて、反射表示領域Rおよび透過表示領域Tにおける液晶層50のリタデーションが略同一に設定されている。これにより、反射表示領域Rおよび透過表示領域Tにおいて均一な画像表示を得ることができるようになっている。なお、保護膜24を構成する無機膜は、等方性又はリタデーションが略ゼロであることが好ましい。
保護膜24及び位相差層25を覆ってポリイミド等の配向膜28が形成されている。配向膜28にはラビング等の配向処理が施されている。配向処理の方向(配向膜28による液晶の配向規制方向)は、配向膜16の配向規制方向と略平行な方向である。したがって液晶層50は、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で、水平配向の初期配向状態を呈するものとなっている。
<液晶装置の製造方法>
次に、図4を用いて液晶装置100の製造方法を説明する。図4では位相差層25の形成工程を中心に説明し、他の工程の説明は省略する。なお、位相差層25の形成工程以外の工程については、公知のものを採用することができる。
次に、図4を用いて液晶装置100の製造方法を説明する。図4では位相差層25の形成工程を中心に説明し、他の工程の説明は省略する。なお、位相差層25の形成工程以外の工程については、公知のものを採用することができる。
まず、図4(a)に示すように、カラーフィルタ22及びオーバーコート層23を備えた基板本体20Aを用意し、オーバーコート層23の表面に無機材料からなる保護膜24を形成する。保護膜24としては、シンナー等の有機溶剤に対して不溶な膜(無機膜)であれば良く、無機導電膜又は無機絶縁膜のいずれを用いることもできる。ただし、無機導電膜(インジウム錫酸化物膜等)は無機絶縁膜に比べて一般に光透過率が低いため、透過表示を行う場合には無機絶縁膜を用いることが望ましい。かかる無機絶縁膜としては、酸化シリコン膜、酸窒化シリコン膜が好ましく、これにより明るい表示を実現できる。保護膜24はオーバーコート層24を覆って基板全面に形成する。
次に、図4(b)に示すように、保護膜24の全面に位相差層25を形成する。位相差層25の形成方法としては、例えば次の方法を用いることができる。まず、保護膜24上に配向膜形成材料をスピンコート法、フレキソ印刷法等で塗布、焼成した後、ラビング処理を行う。そして、この配向膜上に高分子液晶溶液をスピンコート法(例えば回転数700rpmで30秒)により塗布する。ここで用いる高分子液晶溶液は、液晶モノマーや液晶オリゴマーの溶液である。具体的には、PLC−7023(商品名、旭電化工業(株)製)の8%溶液であり、溶媒はシクロヘキサノンとメチルエチルケトンの混合液である。次に、塗布した高分子液晶溶液のプレベイクを80℃で1分間行い、さらにベイクにより得られた高分子液晶層のアイソトロピック転移温度(相転移温度)以上となる180℃で30分間加熱した後、徐々に冷却して高分子液晶を配向させる。ここで、相転移温度とは、液晶相から等方相へ転移する温度である。
次に、マスクMを用いて位相差層25に対して部分的に露光処理を行い、反射表示領域Rの位相差層25を硬化させる。そして、シンナー等の有機溶剤を用いたウェットエッチングにより、図4(c)に示すように、反射表示流域R以外の位相差層25を除去する。
ここで、有機溶剤を用いてエッチングを行う場合、基板表面に有機膜が露出していると、その露出した部分が有機溶剤によって溶解され、下地の層が外部に露出してしまう場合がある。例えば、オーバーコート層23はアクリル等の有機膜によって形成されるが、オーバーコート層23が基板表面に露出していると、その露出した部分が有機溶剤によって溶解され、下地のカラーフィルタ22が外部に露出してしまう。この場合、カラーフィルタ22に不純物が含まれていると、カラーフィルタ中の不純物が液晶層に溶け出してしまい、焼き付き等の表示不良を生じさせる場合がある。また、オーバーコート層23が部分的に除去されると、液晶層の層厚が変化してしまい、所望の光学特性が得られないという問題もある。
しかしながら、本実施形態ではオーバーコート層23の表面を有機溶剤に対して不溶な保護膜24で覆っているため、オーバーコート層23が位相差層25のエッチング液である有機溶剤に対して溶解されることはない。したがって、カラーフィルタ22からの不純物の溶け出しや、オーバーコート層23の膜厚の不均一性に基づくコントラストの低下等が生じず、表示品質に優れた液晶装置が提供できる。
以上説明したように、本実施形態の液晶装置100によれば、オーバーコート層23の表面が保護膜24によって保護されているので、位相差層25をエッチングする際にオーバーコート層23の表面が位相差層25のエッチング液である有機溶剤によって溶解されることはない。したがって、表示品質が高く、信頼性に優れた液晶装置が提供できる。
なお、本実施形態では、保護膜24をオーバーコート層23の全面に形成したが、基板周辺部の構成が画像表示に影響を与えない場合には、保護膜24を画像表示に寄与する部分(基板中央部)のみに形成することもできる。また本実施形態では、保護膜24をオーバーコート層23の液晶層側の面に形成したが、オーバーコート層23が存在しない場合には、保護膜24を有機膜であるカラーフィルタ22の液晶層側の面に直接形成しても良い。
また本実施形態では、液晶装置100をFFS方式の半透過反射型液晶装置としたが、本発明はFFS方式に限らず、IPS方式等の他の横電界方式にも適用可能である。また、横電界方式以外の、例えばTN(Twisted Nematic)方式、ECB(Electrically Controlled Birefringence)方式、VA(Vertical Alignment)方式、OCB(Optical Compensated Birefringence)方式等にも広く適用することも可能である。
また本実施形態では、画素スイッチング素子30を低温ポリシリコン半導体層を備えた薄膜トランジスタとしたが、画素スイッチング素子30としては、アモルファスシリコン半導体層を備えた薄膜トランジスタや、半導体層を備えない、例えば薄膜ダイオード(TFD)等を用いることもでき、特に限定されない。
[第2の実施の形態]<液晶装置の構成>
図5は、本発明の第2実施形態の液晶装置200の断面構成図である。液晶装置200の基本構成は第1実施形態の液晶装置100と同じである。異なるのは、保護膜24に反射表示領域Rに対応した開口部Hを設けた点である。図5において保護膜24は位相差層25と平面的に重ならないように形成されているが、位相差層25の平面領域内に保護膜24の一部が配置されていても良い。この場合、位相差層25は、開口部Hに露出したカラーフィルタ22を覆って保護膜24上に一部乗り上げるように配置される。
図5は、本発明の第2実施形態の液晶装置200の断面構成図である。液晶装置200の基本構成は第1実施形態の液晶装置100と同じである。異なるのは、保護膜24に反射表示領域Rに対応した開口部Hを設けた点である。図5において保護膜24は位相差層25と平面的に重ならないように形成されているが、位相差層25の平面領域内に保護膜24の一部が配置されていても良い。この場合、位相差層25は、開口部Hに露出したカラーフィルタ22を覆って保護膜24上に一部乗り上げるように配置される。
<液晶装置の製造方法>
次に、図6を用いて液晶装置200の製造方法を説明する。図6では位相差層25の形成工程を中心に説明し、他の工程の詳細な説明は省略する。なお、位相差層25の形成工程以外の工程については、公知のものを採用することができる。
次に、図6を用いて液晶装置200の製造方法を説明する。図6では位相差層25の形成工程を中心に説明し、他の工程の詳細な説明は省略する。なお、位相差層25の形成工程以外の工程については、公知のものを採用することができる。
まず、図6(a)に示すように、カラーフィルタ22及びオーバーコート層23を備えた基板本体20Aを用意し、オーバーコート層23の表面に保護膜24を形成する。保護膜24の材料は第1実施形態と同じものを用いることができる。保護膜24はオーバーコート層24を覆って基板全面に形成する。
次に、図6(b)に示すように、保護膜24の反射表示領域Rに対応する部分に開口部Hを形成する。保護膜24のエッチングは、ドライエッチング又はウェットエッチングのいずれを用いることもできる。エッチング材としては、保護膜24とカラーフィルタ22との選択比を大きくとることのできる材料を用いる。このような材料は、保護膜24とカラーフィルタ22の材料によって決まるが、いずれも公知の材料が適用できる。
次に、図6(c)に示すように、保護膜24及びカラーフィルタ22の全面に位相差層25を形成する。位相差層25の形成材料及び形成方法は第1実施形態と同じである。位相差層25が形成されたら、マスクMを用いて位相差層25に対して部分的に露光処理を行い、反射表示領域Rの位相差層25を硬化させる。そして、シンナー等の有機溶剤を用いたウェットエッチングにより、図6(d)に示すように、反射表示流域R以外の位相差層25を除去する。
なお、位相差層25は保護膜24の開口部Hよりも若干広く形成しても良い。図6(d)では位相差層25の形成領域と開口部Hの形成領域とを一致させたが、位相差層25のパターニング精度によっては、位相差層25の形成領域と開口部Hの形成領域とを完全には一致させることができない場合があるからである。両者の位置が一致しないと、下地のオーバーコート層23が保護できなくなる。この場合、位相差層25のパターニング精度を考慮して、位相差層25の大きさを開口部Hよりも若干大きく形成することで、このような問題を回避することができる。
以上説明したように、本実施形態の液晶装置200によれば、保護膜24を反射表示領域Rに形成しないようにしたため、位相差層25と保護膜24との界面の散乱を防止することができ、表示品質に優れた液晶装置が提供できる。
[第3の実施の形態]
図7は、本発明の第3実施形態の液晶装置300の断面構成図である。この図は、第1実施形態の図3に相当する図である。本実施形態の液晶装置300は、第1実施形態と同様の基本構成を具備したFFS方式の半透過反射型液晶装置である。なお、液晶装置300において第1実施形態の液晶装置100と共通の構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図7は、本発明の第3実施形態の液晶装置300の断面構成図である。この図は、第1実施形態の図3に相当する図である。本実施形態の液晶装置300は、第1実施形態と同様の基本構成を具備したFFS方式の半透過反射型液晶装置である。なお、液晶装置300において第1実施形態の液晶装置100と共通の構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
液晶装置300のTFTアレイ基板10には、基板本体10A上に、TFT30、第1層間絶縁膜12、データ線6a及びドレイン電極32が形成されている。第1層間絶縁膜12、データ線6a及びドレイン電極32を覆って基板全面にアクリル樹脂等の透明有機絶縁膜からなる第2層間絶縁膜13が形成されており、第2層間絶縁膜13の表面の一部に反射膜60が形成されている。
反射膜60としては、表面に凹凸を形成して光散乱性を付与したものを用いることが好ましい。かかる構成とすることで反射表示における視認性を向上させることができる。例えば、第2層間絶縁膜12の表面に凹凸形状を付与し、その表面に反射膜60を形成することで、反射膜60の表面に第2層間絶縁膜12の表面に倣う凹凸形状が形成できる。
このように1サブ画素内に部分的に反射膜60が形成された本実施形態の液晶装置300では、1サブ画素領域内のうち、反射膜60の形成領域が、対向基板20の外側から入射して液晶層50を透過する光を反射、変調して表示を行う反射表示領域Rとなっている。また、反射膜60の形成領域の外側の光透過領域が、バックライト90から入射して液晶層50を透過する光を変調して表示を行う透過表示領域Tとなっている。
第2層間絶縁膜13及び反射膜60を覆って基板全面に、酸化シリコン膜、酸窒化シリコン膜等の透明無機絶縁膜からなる保護膜61が形成されている。保護膜61の表面には反射表示領域Rに対応する領域に位相差層62が形成されている。位相差層62は、本実施形態の場合、透過光に対して略1/2波長(λ/2)の位相差を付与するものであり、基板本体10Aの内面側に設けられたいわゆる内面位相差層である。位相差層62は、例えば、高分子液晶(コレステリック液晶等)の溶液や重合性液晶モノマー(あるいは重合性液晶オリゴマー)の溶液を配向膜上に塗布し、乾燥固化させる際に所定方向に配向させる方法により形成することができる。位相差層62が透過光に対して付与する位相差は、その構成材料である液晶性高分子の種類や位相差層62の層厚によって調整することができる。
また本実施形態の場合、位相差層62は、反射表示領域Rにおける液晶層50の厚さを透過表示領域Tにおける液晶層50の厚さよりも小さくするための液晶層厚調整層としても機能するものとなっている。半透過反射型の液晶装置では、反射表示領域Rへの入射光は液晶層50を2回透過するが、透過表示領域Tへの入射光は液晶層50を1回しか透過しない。これにより反射表示領域Rと透過表示領域Tとの間で液晶層50のリタデーションが異なると、光透過率に差異を生じて均一な画像表示が得られないことになる。そこで位相差層62を液晶層50側に突出させて形成することでいわゆるマルチギャップ構造を実現している。具体的には、反射表示領域Rにおける液晶層50の層厚が透過表示領域Tにおける液晶層50の層厚の半分程度に設定されて、反射表示領域Rおよび透過表示領域Tにおける液晶層50のリタデーションが略同一に設定されている。これにより、反射表示領域Rおよび透過表示領域Tにおいて均一な画像表示を得ることができるようになっている。
保護膜61及び位相差層62を覆ってITO等の透明導電膜からなる画素電極9が形成されている。保護膜61及び第2層間絶縁膜13のドレイン電極32に対向する部分には保護膜61及び第2層間絶縁膜13を貫通する画素コンタクトホール47が形成されている。画素電極9は画素コンタクトホール47を介してドレイン電極32と電気的に接続されている。
保護膜24及び画素電極9を覆って窒化シリコン膜等の透明絶縁膜からなる電極部絶縁膜18が形成されている。電極部絶縁膜18上にはITO等の透明導電膜からなる平面視ベタ状の共通電極19が形成されている。共通電極19には画素電極9と対向する部分に複数のスリット19sが形成されている。
共通電極19及び電極部絶縁膜18を覆ってポリイミド等の配向膜16が形成されている。配向膜16にはラビング等の配向処理が施されている。配向処理の方向(配向膜16による液晶の配向規制方向)は、例えば走査線3aの延在方向(X軸方向)と平行であり、共通電極19のスリット19sの延在方向とは交差する方向である。
液晶装置300の対向基板20には、基板本体20Aの液晶層50側にカラーフィルタ22が設けられている。カラーフィルタ22を覆ってアクリル樹脂等の透明有機絶縁膜からなるオーバーコート層23が形成されている。オーバーコート層23を覆ってポリイミド等の配向膜28が形成されている。配向膜28にはラビング等の配向処理が施されている。配向処理の方向(配向膜16による液晶の配向規制方向)は、配向膜16の配向規制方向と略平行な方向である。したがって液晶層50は、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で、水平配向の初期配向状態を呈するものとなっている。
本実施形態の液晶装置300において、位相差層62の形成方法は、第1実施形態で説明した位相差層25の形成方法と同様である。まず、第2層間絶縁膜12及び反射膜60を覆って酸化シリコン膜、酸窒化シリコン膜等からなる保護膜61を形成する。保護膜61は、酸化シリコン膜、酸窒化シリコン膜に限らず、シンナー等の有機溶剤に対して不溶な膜であれば良い。ただし、保護膜61上に画素電極9が形成されるため、画素電極同士の導通を防止するために、保護膜61は無機絶縁膜である必要がある。保護膜61は第2層間絶縁膜12及び反射膜60を覆って基板全面に形成する。
次に、保護膜61上に配向膜形成材料をスピンコート法、フレキソ印刷法等で塗布、焼成した後、ラビング処理を行う。次に、この配向膜上に高分子液晶溶液をスピンコート法(例えば回転数700rpmで30秒)により塗布する。ここで用いる高分子液晶溶液は、液晶モノマーや液晶オリゴマーの溶液である。具体的には、PLC−7023(商品名、旭電化工業(株)製)の8%溶液であり、溶媒はシクロヘキサノンとメチルエチルケトンの混合液である。次に、塗布した高分子液晶溶液のプレベイクを80℃で1分間行い、さらにベイクにより得られた高分子液晶層のアイソトロピック転移温度(相転移温度)以上となる180℃で30分間加熱した後、徐々に冷却して高分子液晶を配向させる。ここで、相転移温度とは、液晶相から等方相へ転移する温度である。
次に、マスクを用いて位相差層に対して部分的に露光処理を行い、反射表示領域の位相差層を硬化させる。そして、シンナー等の有機溶剤を用いたウェットエッチングにより、反射表示流域以外の位相差層を除去する。
ここで、有機溶剤を用いてエッチングを行う場合、基板表面に有機膜が露出していると、その有機膜の部分が有機溶剤によって溶解され、下地の層が外部に露出してしまう場合がある。例えば、第2層間絶縁膜12はアクリル樹脂等の有機膜によって形成されているが、第2層間絶縁膜12が基板表面に露出していると、その露出した部分が有機溶剤によって溶解されてしまい、下地のデータ線6a等が外部に露出してしまう。この場合、データ線6aが他の導電層と接触すると、点欠陥や線欠陥を生じ、表示不良の原因となる。また、第2層間絶縁膜12が部分的に除去されると、液晶層の層厚が変化してしまい、所望の光学特性が得られないという問題もある。
しかしながら、本実施形態では第2層間絶縁膜12の表面を有機溶剤に対して不溶な保護膜61で覆っているため、第2層間絶縁膜12が位相差層62のエッチング液である有機溶剤に対して溶解されることはない。したがって、データ線6aと他の導電層とのショートの問題や、第2層間絶縁膜12の膜厚の不均一性に基づくコントラストの低下等が生じず、表示品質に優れた液晶装置が提供できる。
[第4の実施の形態]
図8は、本発明の第4実施形態の液晶装置400の断面構成図である。液晶装置400の基本構成は第3実施形態の液晶装置300と同じである。異なるのは、保護膜61に反射表示領域Rに対応した開口部(保護膜61の形成されない非形成領域)Hを設けた点である。図8において保護膜61は位相差層62と平面的に重ならないように形成されているが、位相差層62の平面領域内に保護膜61の一部が配置されていても良い。この場合、位相差層62は、開口部Hに露出した反射膜60及び第2層間絶縁膜12を覆って保護膜61上に一部乗り上げるように配置される。
図8は、本発明の第4実施形態の液晶装置400の断面構成図である。液晶装置400の基本構成は第3実施形態の液晶装置300と同じである。異なるのは、保護膜61に反射表示領域Rに対応した開口部(保護膜61の形成されない非形成領域)Hを設けた点である。図8において保護膜61は位相差層62と平面的に重ならないように形成されているが、位相差層62の平面領域内に保護膜61の一部が配置されていても良い。この場合、位相差層62は、開口部Hに露出した反射膜60及び第2層間絶縁膜12を覆って保護膜61上に一部乗り上げるように配置される。
位相差層62の形成方法は、第3実施形態で説明した位相差層62の形成方法と同様である。異なるのは、保護膜61に開口部Hを形成する点のみである。保護膜61のエッチングは、ドライエッチング又はウェットエッチングのいずれを用いることもできる。エッチング材としては、保護膜61と反射膜60及び第2層間絶縁膜12との選択比を大きくとることのできる材料を用いる。このような材料は、保護膜24とカラーフィルタ22の材料によって決まるが、いずれも公知の材料が適用できる。
なお、位相差層62は保護膜61の開口部Hよりも若干広く形成しても良い。図8では位相差層62の形成領域と開口部Hの形成領域とを一致させたが、位相差層62のパターニング精度によっては、位相差層62の形成領域と開口部Hの形成領域とを完全には一致させることができない場合があるからである。両者の位置が一致しないと、下地の第2層間絶縁膜12が保護できなくなる。この場合、位相差層62のパターニング精度を考慮して、位相差層62の大きさを開口部Hよりも若干大きく形成することで、このような問題を回避することができる。
本実施形態の液晶装置400によれば、保護膜61を反射表示領域Rに形成しないようにしたため、位相差層62と保護膜61との界面の散乱を防止することができ、表示品質に優れた液晶装置が提供できる。
なお、本実施形態では、保護膜61の非形成領域として保護膜61の平面領域内に開口部Hを設けたが、保護膜61の非形成領域としては、このような開口部以外にも、保護膜に幅の広い部分と幅の狭い部分とを設け、幅の狭い部分を反射表示領域Rに対応させて配置しても良い。すなわち、保護膜61の非形成領域は、保護膜61の平面領域内に形成された開口部Hの他、保護膜61の周縁部に形成された切り欠き部等でも良い。
[電子機器]
図9は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。図9に示す携帯電話1300は、本発明の液晶装置を小サイズの表示部1301として備え、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。これにより、本発明の液晶装置により構成された表示品質に優れる表示部を具備した携帯電話1300を提供することができる。上記各実施の形態の液晶装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、プロジェクタ、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、テレビジョン受像機、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、かかる構成とすることで、表示品質が高く、信頼性に優れた液晶表示部を備えた電子機器を提供できる。
図9は、本発明に係る電子機器の一例を示す斜視図である。図9に示す携帯電話1300は、本発明の液晶装置を小サイズの表示部1301として備え、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えて構成されている。これにより、本発明の液晶装置により構成された表示品質に優れる表示部を具備した携帯電話1300を提供することができる。上記各実施の形態の液晶装置は、上記携帯電話に限らず、電子ブック、プロジェクタ、パーソナルコンピュータ、ディジタルスチルカメラ、テレビジョン受像機、ビューファインダ型あるいはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等々の画像表示手段として好適に用いることができ、かかる構成とすることで、表示品質が高く、信頼性に優れた液晶表示部を備えた電子機器を提供できる。
9…画素電極、10…TFTアレイ基板、13…第2層間絶縁膜(有機膜)、20…対向基板、22…カラーフィルタ、23…オーバーコート層(有機膜)、24…保護膜(無機膜)、25…位相差層、30…TFT(画素スイッチング素子)、50…液晶層、61…保護膜(無機膜)、62…位相差層、100,200,300,400…液晶装置、1300…携帯電話(電子機器)、H…保護膜の開口部(非形成領域)
Claims (8)
- 液晶層を挟持する一対の基板と、
前記一対の基板のうちの一方の基板の前記液晶層側に設けられた有機膜と、
前記有機膜の前記液晶層側の面を覆う無機膜と、
前記無機膜の前記液晶層側に設けられた高分子液晶層を含む位相差層とを備えたことを特徴とする液晶装置。 - 液晶層を挟持する一対の基板と、
前記一対の基板のうちの一方の基板の前記液晶層側に設けられた有機膜と、
前記有機膜の前記液晶層側の面を覆う無機膜と、
前記無機膜の形成されない非形成領域と、
前記無機膜の非形成領域を覆う高分子液晶層を含む位相差層とを備えたことを特徴とする液晶装置。 - 1サブ画素内において前記無機膜の非形成領域の面積は前記位相差層の形成された領域の面積よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載の液晶装置。
- 前記無機膜は無機絶縁膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の液晶装置。
- 前記有機膜はカラーフィルタであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の液晶装置。
- 前記有機膜はカラーフィルタ上に形成されたオーバーコート層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の液晶装置。
- 前記有機膜は画素スイッチング素子と画素電極とを絶縁する絶縁膜であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の液晶装置。
- 請求項1〜7のいずれかの項に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2016009079A (ja) * | 2014-06-24 | 2016-01-18 | 大日本印刷株式会社 | 光学フィルム及び光学フィルムの製造方法 |
JP2018106698A (ja) * | 2016-12-26 | 2018-07-05 | エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド | タッチスクリーン一体型表示装置 |
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2007
- 2007-01-15 JP JP2007006263A patent/JP2008170885A/ja not_active Withdrawn
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US10310650B2 (en) | 2016-12-26 | 2019-06-04 | Lg Display Co., Ltd. | Display device with integrated touch screen |
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