JP2008165468A - Ahpを用いた網トポロジ設計方法および設計システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エッジノードの位置、コアノードの設置可能位置、およびリンクの設置可能位置が入力されるトポロジ情報・デマンド行列入力装置101と、初期トポロジを生成する初期トポロジ生成装置102と、初期トポロジに対していくつかのリンクとコアノードを追加した複数の候補トポロジを生成するトポロジ候補生成装置103と、候補トポロジ間の優劣を評価するAHP適用装置104と、得られた最適トポロジの集合を出力する最適トポロジ出力装置105とを具備する。
【選択図】図1
Description
ネットワークの一般化した構成要素として、エッジノード,コアノード,リンクの3種類を考える。エッジノードは交換トラヒックの発着ノードであり、直接もしくは下位のネットワークを介してエンドホストを収容する。一方、コアノードは中継機能のみを有するノードであり、ユーザを収容しない。リンクは、エッジノードやコアノード間を繋ぐ役割を果たす。任意のエッジノード間の交流トラヒック行列は与えられるものとする。通信事業者は、既に地理的特性を考慮して配置された管路や局舎といった土木インフラを保有しており、これらを再設計することは現実的ではない。そのため、エッジノードの位置と、コアノードやリンクの設置可能な位置は与えられるものとする。
MPLSルータやOXC(Optical Cross Connect)を用いると、物理ネットワーク上に仮想的なパス(LSPや波長パス)を設置することが可能となり、各対地間のトラヒックが流れる経路を明示的に設計できる。物理トポロジは一旦構築されると変更することが困難であり、設計周期は1年から数年に及ぶが、論理トポロジは容易に変更することが可能であり、交流トラヒックの変化に応じて数年から数時間といった周期で動的にパスを張り替えるといった柔軟な運用が可能となる。与えられた物理トポロジとエッジノード間の交流トラヒック行列に対して、どのような経路で仮想的なパスを設置するかが論理トポロジ設計となる。物理的な網資源が与えられた上での設計となるため、通常、リンク容量といった様々な制約条件を考慮して設計を行う必要がある。
ユーザにとっては経由ノードでの輻輳を回避し、経路の総距離が短いことが伝送遅延を抑える意味で望ましい。伝送資源の利用効率や信頼性の観点からも、特定のリンクにトラヒックが集中することを避け、できるだけ全リンクに均等に分散することが望ましい。しかし、設備コストや管理・保守コストを抑えるために設置ノード数やリンク数を減らすと、パス設定の柔軟性が低下し、トラヒックを適切に分散させることやパス長を抑えることが困難となる。このように、網トポロジを設計する際には、トラヒックの分散度合い、パスの平均長、網コスト、といった、単位が異なり、しかも互いに相反する複数の評価尺度を同時に考慮する必要がある。
また、各候補トポロジに対して、各評価尺度の全候補集合中の順位を算出し、それらの全評価尺度中の平均値で候補トポロジの優劣を評価する方法も検討されている。
以上の技術については、非特許文献1(“複数の評価尺度を考慮した網トポロジ設計”(電子情報通信学会 信学技報,vol.106,no.118,IN2006−31,pp.85−90,2006年6月)
また、DEAは効率性の概念が直感的に難しく、得られた解の最適性の判断が困難である。また、効率性の計算には線形計画問題を解く必要があり、スケーラビリティに問題がある。
また、平均順位を用いる方法は、評価尺度間で重視する度合いに差をつけることができず、また各評価尺度の全候補中の分布の形を考慮できないという問題がある。
本発明の目的は、評価尺度間で重視する度合いに差をつけ、評価尺度の分布形の差異を結果に反映させ、直感的に理解可能な、単位の異なる複数の評価尺度を同時に考慮した上で、最適な網トポロジを得ることが可能なAHPを用いた網トポロジ設計方法および設計システムを提供することにある。
また、上記の網トポロジ設計方法において、AHPの手法に従い評価尺度間の一対比較を行うことで、各評価尺度の重みを計算し、さらに各候補トポロジの各評価尺度に対するスコア値として、その評価尺度の値から全候補中の最小値を引いたものを正規化したものを用い、最終的に算出される各候補のスコア値で各候補の優劣を判断することも特徴としている。
さらに、上記の網トポロジ設計方法において、同時に考慮する評価尺度の例として、総ノード数、総リンク長、各パスの長さとトラヒック量の積を全パスについて足し合わせたもの、最大負荷リンクのトラヒック量、の四つを用いることも特徴としている。
図1は、本発明の一実施形態に係る網トポロジ設計装置のシステム構成図である。
図1において、101はトポロジ情報・デマンド行列入力装置、102は初期トポロジ生成装置、103はトポロジ候補生成装置、104はAHP適用装置、105最適トポロジ出力装置である。これらの装置は、いづれもコンピュータの制御により動作する。
トポロジ情報・デマンド行列入力装置101によりエッジノードの位置、コアノードの設置可能位置、リンクの設置可能位置がそれぞれ入力される。初期トポロジ生成装置102により初期トポロジが生成される。また、トポロジ候補生成装約103により初期トポロジに対していくつかのリンクとコアノードを追加した複数の候補トポロジが生成され、AHP適用装置104により候補トポロジ間の優劣が評価される。
そして、得られた最適トポロジの集合が、最適トポロジ出力装置105によって出力される。
一例として、物理トポロジ設計を対象に検討を進めるが、論理パスを上位に設置することを想定し、物理トポロジ設計時に論理パスの設置も同時に行う(ただし、リンク容量等の制約条件は考慮しない)。
しかしながら、本発明の網トポロジ設計法は、複数の評価尺度をどのように同時に考慮するかに主眼を置いており、制約条件については汎用性が高く、様々な制約条件が生じる運用開始後の論理トポロジ設計にも応用が可能である。
物理トポロジ設計を行う際に考慮すべき評価尺度について考える。設計対象として、特にバックボーンネットワークを考えると、物理トポロジには全エッジノード間の接続性と障害発生時にも接続性を維持できる冗長性が求められる。そこで、ここでは物理トポロジ設計時の制約条件として、(イ)全エッジノード間の接続性、(ロ)リンク障害時にも全エッジノード間の接続性が迂回経路により維持されること、の二つを考える。
評価尺度としては様々なものが考えられるが、ここでは次の四つを例として考える(i番目の評価尺度をViと表記する)。
ζ=ΣleEa dl×tlとなる。よって、
与えられた設置可能位置に対して全く自由にリンクとコアノードを配置した場合、得られたトポロジ候補には制約条件を満たさないものも含まれる。そのため、最初に制約条件を満たす物理トポロジを初期解として作成し、初期解に対して更に任意のコアノードやリンクを追加配備することによって作成された物理トポロジの集合を解の候補とする。この結果、初期解を作成した段階で既に制約条件を満足しているので、任意の候補トポロジを採用することが可能となる。
図2は、本発明におけるAHP適用モデルのブロック図である。
AHPを網トポロジ設計に適用すると、図2に示すように、トップの階層(階層0)には解くべき問題P(この場合、“最適なネットワークの選択”)が、中央の階層(階層1)には評価尺度Viが、そしてボトム(階層2)には候補トポロジが並ぶ。ここで、階層c(c=1,2)における要素iの階層c−1における要素jに対する重みをwc ijと表記する。各候補iの最終的なスコアSiの導出を考える。
図2では、評価尺度Viとして、V1〜V4(例えば、総ノード数、総リンク距離、パスの距離をトラヒック量で重み付けした総和、および最大リンク負荷)が示され、候補トポロジAiとして、A1〜A83868が示されている。
階層1(評価尺度)間の優劣は網設計者の意思に左右されるため、問題Pに対する重みを何等かの方法で定量化する必要がある。AHPでは、評価尺度iに対する評価尺度jの重要度aijを、一対比較を行うことにより、図3に示す値で設定する。重みwc ijを要素にもつベクトルは、aijを要素にもつ行列Aの最大固有値λmaxに対応する固有ベクトルに一致する。ここで、一対比較の整合性を図る尺度として整合度C.I.(consistency index)を用いる。C.I.=(λmax−Nc)/(Nc−1)である(Ncは階層cの要素数)。C.I.は0.1以下であれば、整合性は通常、合格と判断できる。
図3では、一例として、重要度aijとしての一対比較値が1のときは、ある評価尺度が他の評価尺度と同じぐらい重要、3のときは、前者が後者より若干重要、5のときは、前者が後者より重要、7のときは、前者が後者よりかなり重要、9のときは、前者が後者より絶対的に重要であることを、それぞれ示している。なお、2,3,6,8は、それぞれ1,3,5,7,9の中間に位置する重要度とする。また、1〜9の逆数である1〜1/9は、上記の意味を後者から前者を見た場合に使用している。
第二の特徴は、上記の網トポロジ設計方法において、AHPの手法に従い評価尺度間の一対比較(図3参照)を行うことで、各評価尺度の重みを計算し、さらに各候補トポロジの各評価尺度に対するスコア値として、その評価尺度の値から全候補中の最小値を引いたものを正規化したもの(〔数6〕〔数7〕の各式参照)を用い、最終的に算出される各候補のスコア値(〔数5〕の式参照)で各候補の優劣を判断することである。
さらに、第三の特徴は、上記の網トポロジ設計方法において、同時に考慮する評価尺度の例として、総ノード数、総リンク長、各パスの長さとトラヒック量の積を全パスについて足し合わせたもの、最大負荷リンクのトラヒック量、の四つ(前述の段落〔0018〕(評価尺度)の(1)〜(4)参照)を用いることである。
(平均順位によるトポロジ評価)
各候補トポロジiに対して、各評価尺度のNの候補集合中の順位を算出する。全ての評価尺度は小さいほど望ましいので、順位は単に各評価尺度Vk,iを小さな順にソートすることで計算できる(k=1,2,3,4)。
こうしてトポロジiの各評価尺度Vk,iに対して得られた順位r(k,i)を用いて、下記(8)式により、トポロジiの平均順位(AR)を算出し、単純に平均順位(AR)の値が小さな候補トポロジを優れたトポロジであると評価する。すなわち、Nの全候補トポロジ中、平均順位(AR)の値が最小となったトポロジを最適な網トポロジであると判断する。
平均順位法は、任意数M個の評価尺度を同時に考慮することができ、その場合、トポロジiの平均順位(AR)は下記(9)式となる。
102 初期トポロジ生成装置
103 トポロジ候補生成装置
104 AHP適用装置
105 最適トポロジ出力装置
Claims (4)
- コンピュータ制御により、AHPを複数の評価尺度を考慮したトポロジ設計に適用するトポロジ設計方法であって、
トポロジ情報デマンド行列入力装置が、ユーザを収容するエッジノードの集合と、中継機能のみを有するコアノードの候補の集合と、該エッジノード集合および該コアノード集合を結ぶリンクの候補の集合とを与え、
初期トポロジおよびトポロジ候補生成装置が、AHP適用装置により複数の評価尺度を同時に考慮しながら、使用するコアノードとリンクの集合を選択し、
最適トポロジ出力装置が、選択された最適のトポロジを出力することを特徴とするAHPを用いた網トポロジ設計方法。 - 請求項1に記載の網トポロジ設計方法において、
前記AHP適用装置による選択は、AHPの手法に従って、評価尺度間の一対比較を行うことで各評価尺度の重みを計算し、
さらに各候補トポロジの各評価尺度に対するスコア値として、該評価尺度の値から全候補中の最小値を引いたものを正規化したものを用い、
最終的に算出される各候補のスコア値で各候補の優劣を判断することを特徴とするAHPを用いた網トポロジ設計方法。 - 請求項1または2に記載の網トポロジ設計方法において、
前記AHP適用装置による同時に考慮する評価尺度の例として、総ノード数、総リンク長、各パスの長さとトラヒック量の積を全パスについて足し合わせたもの、最大負荷リンクのトラヒック量、の四つを用いることを特徴とするAHPを用いた網トポロジ設計方法。 - コンピュータ制御により、AHPを複数の評価尺度を考慮したトポロジ設計に適用するトポロジ設計装置であって、
エッジノードの位置、コアノードの設置可能位置、およびリンクの設置可能位置が入力されるトポロジ情報・デマンド行列入力装置と、
初期トポロジを生成する初期トポロジ生成装置と、
初期トポロジに対していくつかのリンクとコアノードを追加した複数の候補トポロジを生成するトポロジ候補生成装置と、
候補トポロジ間の優劣を評価するAHP適用装置と、
得られた最適トポロジの集合を出力する最適トポロジ出力装置と
を具備することを特徴とするAHPを用いた網トポロジ設計システム。
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